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井上哲夫君 私は、連合参議院を代表して質問をいたします。
実はきょう、私は質問をするべく質問事項を
準備しました。しかし、今立木
委員が少し触れられましたが、私が質問をしようと思っていることについての関連資料の提示がけさ八時二十分でありました。したがって、私の質問の趣旨はどうなのか、その趣旨に沿った答弁をしたいからとおっしゃいましたが、その趣旨をつくろうにも、資料はこのように遅く、しかも少量ではできない。したがって、通告をした質問についてはもういたしませんと、非常に残念なことを答えざるを得ませんでした。
考えてみると、私が質問をしたいということで通告したことはすべて、これまで
矢田部委員及び各質問者が尋ねられたカンボジアの情勢についてであります。先遣隊のやったことはどういうことなのか、あるいはUNTACが引き継いだ後どういう状態になっているのか、さらに今
日本がカンボジアから人を出してほしいと思われているというところはどの
部分なのか、そして事態はどういうことになっているのか、そのことについて六点ほど質問したいという通告をしたわけです。
このことは、実は参議院での
特別委員会が始まればだれもが聞きたいことであるということはわかり切ったことであります。そのわかり切ったことであれば、あれほど理事懇談会でも早く再開をしようといって、ようやくきょう
委員会が再開になるわけですから、なぜ外務省はそういう関連の資料についてどんどん
議員に提示をしていただけないのか。
これはもちろん
議員は自分の力で情報も収集をしなければなりません。すべてを
政府や、あるいは自分の努力の足りないことを棚に上げてけしからぬと言うわけにはいかないと、私はそれは十分承知をしておりますが、しかし現在のカンボジアの動静なり、
日本が
PKO活動でカンボジアとかかわりを持たなければならないという場合には、一番その情報をたくさん正確に持ってみえるのは恐らく外務省をおいてほかにない、これはもう明らかだと思うんです。もちろん新聞や雑誌、あるいはボランティアで行かれた方の報告もあるでしょうけれ
ども、そうだとすれば、なぜ資料がこんなに遅くなって、きょうはこういうふうにNHKのテレビで貴重な国の報告をされるというときにまことに残念なことだ。
例えば、今ごらんのような資料はいただきました。しかし、このような資料を見ますと、本当にきのう夜十時までかからないとつくれなかったような資料が、決してそういう資料はありません。そうだとすれば、きょうの日程が決まっても、資料の提示が間に合わないから
審議の日程をずらしてほしいというのが外務省の本当の
立場じゃないでしょうか。「
政府に対する資料要求及びその対応
状況一覧」というのはいただきました。これは出せません、あれは出せません、これは出せます、これは三角でしたが出せることになりましたと。しかし、そういった資料が届かないわけです。
そこで、私は、きょうの質問は総務庁にしたいと思います。
どうしてかといいますと、私はたびたびこれまで総務庁にお尋ねをしたことがあります。
日本は、
行政機関が持っている情報について、
行政機関の方が、これは
国民に知らした方が適当だ、これは
国民に知らしても構わないという
行政機関の一方的判断で情報を公開するだけでございます。しかし、外国には、
行政機関が持っている情報について、
国民の方が知りたいから出せ、開示をしろという場合に、特定のものを、特定の資料のみを除いては国は開示をしなければならないという制度があるわけです。
行政機関が持つ
行政情報については、一定の制約はあるにしても
国民に開示をしなければならない
法律制度があるわけです。
日本においては、この
法律制度は、
政府の総務庁においても検討を続けられてまいりましたが、現段階では検討中であるといいますか、必要ないといいますか、あるいは時期尚早であるということをおっしゃってみえます。だから、私
どもですらこのような情報を得ることが難しい。
国民は一体どうしたらいいのか。しかし、カンボジアのいろんな事情について、ここで私
どもがいろいろ尋ねていろいろ答えられれば、まだきょうはテレビで
国民は知ることができます。
私は、先ほど
委員長から御報告を受けました、資料開示が遅いので
委員長が関連省庁の方をお呼びになって厳しく注意喚起したと。これは、たびたびこれまでそのことを繰り返しております。そこからどういうことを考えるかといいますと、やはり国の
機関が持っている情報で差し支えないものは出さなければいけないんだよという、そういう義務があるんだという
認識がないから、いつもおれたちが出してやるんだとこうなるから、忙しくて
準備ができない、あるいはいろんなほかの
仕事で
準備ができなかった、あるいはこれは自分が判断すると出すべきではないかもわからないと思ったから出せなくなりましたと。しかし、本来出さなきゃいかぬ義務があるんだ。そういう
法律制度をやはりつくらない限りは、国論を二分するこういう問題についても大変憂慮すべき事態がある。
そこで、
総務庁長官にお尋ねをしたいんですが、
行政機関の情報公開法制度について今どのようにお考えかということであります。
念のため申し上げますが、私
ども参議院の社会、公明、民社、それから社民連は参議院にありませんが、社民連の方七連合参議院で
行政機関の保持する
行政情報についての公開
法案を既につくりました。上程をしたいと思っておりますが、その
法案の中で、外務省に関係のある条項で私
どもが考えた条文を申し上げます、非常に短いものでありますので。
第八条にこういう規定を設けました。「
行政機関の長は、開示請求に係る
行政情報が次の各号に掲げる情報のいずれかに該当すると認める場合は、これを開示しないことができる。」そのいずれかの場合に該当するというところが五号でありますが、「外交に関する情報であって、開示することにより、
我が国と他国との信頼関係を損なうおそれがあることが明らかであり、又は外交交渉上
我が国が不利益を被るおそれがあることが明らかであるもの」、この場合には開示しないことができる。つまり、それ以外は開示しなければならない、こういう条文を既に案としてつくっておりますが、その点も踏まえまして御見解をまず伺いたいと思います。