○猪木
寛至君 先週、環境のことにちょっと触れましたが時間がなくて、きょうはその環境のことについてお話をさせてもらいたいと思います。
先ほどもお話がありましたブラジルにおける環境会議、それからまたニューヨークで先日開かれました気候変動
枠組み条約交渉で、新聞記事によりますと、規制値は示されなかったものの合意が成立、二酸化炭素、CO2排出抑制が
世界各国の共通の課題として認知されたという記事があるのですが、一方で、最大のCO2排出国である米国が目標値を持たないという不十分な合意であり温暖化
防止の効果は薄いというような記事があります。
我々は今、グループで
研究を続けておりました
一つは大気汚染の問題、それから水の問題、水でも幾つかの種類があります。先日もちょっと申し上げたのですが、ある添加剤を投入することによって油の質を変えるということで大変燃焼効率を高める。この間、私はブラジルの方をずっと回ってまいりました。これは二月二十四日のブラジルのトヨタが出した結果なのですが、八百キロ走った車、そして九百二十キロその添加剤を投入して走りまして一ニ・五%向上。これはスモークテストというのですかね、煙ですが。それで、三千八百二十キロ走った段階で一七・一四という大変結果としてはすごい数字が出ているのですが、これは燃費も約一〇%伸びる。
いかに燃焼効率を一〇〇%に高めるかということによって、そこから出てくるばいじん、ばい煙あるいはNOx、SOxというような、NOxに関しては非常に人体に悪影響を起こす問題であり、
一つは大気汚染の要因と言われる窒素酸化物、NOx、この基準が達成されないのが今の現実であるといわれます。こういうものに対して我々いろんな人の
意見を聞いたり
研究をしてきた中で、この添加剤を投入するということ。前回申し上げた、外国での車検制度がないあるいはそういう公害基準がないあるいはまたそれを測定するものがないというようなことで、本当に
日本のレベルでとても話ができないような今の
世界の
現状じゃないか。特にアメリカがまだそういうものに積極的でないというような問題も抱えております。
これは
大臣、環境会議に行かれるのかどうか知りませんが、
一つ提言として申し上げますが、これはもとの油を変えてしまう。きょうはちょっと技術的なことまで触れられないと思いますが、通常わかりやすく言うと、この間、丸太とかんなくずの比較で言いました。従来ある油が丸太だとしますと、火をつけて燃やしても大変火力が弱い、煙も出る。だけれども、かんなくずにした場合にはマッチ一本で火をつければ燃えていく、非常に火力が高まる、それがこの添加剤を入れたときの状態です。だから入れないときが丸太であり入れたときの状態がかんなくずという理解をしてもらうとよくわかるのじゃないかなと思うのですが、そのためにより完全燃焼に近くなるということでそういう排出物がすごく下がる。
そういうことで走行うストもやりまして一〇%ぐらいの距離が伸びるということで、これはコスト的にも大変採算性の合うものなのですね。ですからこのトヨタの最後の報告によりますと、大変いい結果が出て非常に有効であるということと、
一つ問題は使用方法に複雑な難しい点があるということで、一台一台車に入れていくというのは大変な問題ですからメーカーあるいは国レベルでやっていただくとこれは本当に有効に機能するのじゃないかという
意見が述べられているのです。
そういうことで今回メキシコの方からも一行が来ておりましてちょっと話を続けておりますが、そういういろんな技術がたくさんあるにもかかわらずまだまだ大変これは、環境庁というものができて二十年でしょうか、大変縄張り的というかまだ未成熟の部分、情報が不十分であるとか、非常にそういう環境庁における行動というものが、我々いろいろ提言したとしてもそれを受け入れるだけのまだあれができていないような気がするのです。
この環境会議の行われるリオにグアナバラ湾という大きな湾があるのですが、ここの汚染が非常に進んでおりまして、JICAが今それの水質調査を始めたところなのです。この間行ったときにブリゾーラという知事とも会いましてこの話をしまして、私どもは無償でいいですからこういう技術があるからやりましょうという話をしたところ、大変これはありがたいということで話が進んでいたのですが、JICAの人間がそんなものはインチキだと見もしないでそういうことを知事に話をいたしまして、結果的には知事がどういうものだろうと。非常にそういうJICAの援助も受けないといけないという
状況で我々の
意見はなかなか聞き入れられないような、非常に迷っている状態です。
そういうことはいいのですが、やはりこういうこれからの微生物の働きというのは、本来持っている自然環境の力をより回復させるということが技術なのですね。お金をかけてやる方法は
日本にも幾つもあると思いますし、それ相応に適用というか、そういう場合にやればいいわけですが、しかし今、
開発途上国というのはまさにお金がないし、そういうようなことをやれといったってできない。だから今のこの添加剤に関しても触媒をつけて、例えば
所得が年間何十万あるいは何万円しかないところにそんなことができるはずがないわけですから、そういうような本当に自然環境にマッチした安いコストでできるような応援をしていただいたら一番喜ばれるのではないか。
今、国際貢献ということで多方面で
日本は要求されるわけですが、PKOの問題、同時にこういう環境問題で本当に
日本が公害
先進国としてやってきた技術というのはたくさんありまして、私は、自分たちで
研究しまたあるいはいろいろ集めた情報というのは大変これから有効である、それをぜひ国で取り上げてもらいたい、もっともっと積極的に。
それでもう
一つ、役所の
考え方は完璧じゃなきゃいけないという発想。完璧なものというのはないと思うのです、まだ。恐らくないのかもしれない。やっぱり一方でそういうものを、未成熟でありながら今やらなきゃいけないということで実施するということが必要じゃないか。国連もあるいはPKOにしてもまだまだ完成されたものじゃない。この環境問題にしても、そういう技術というのは害がないということがわかるのであれば積極的にそういうものをやっていくという姿勢なり勇気が必要じゃないかなと思うのです。
この間、私は、九州の柳川というところに水郷があるのですが、この水郷は
日本で一番水質が悪いということで、じゃそこの水質の悪いところで実験をいたしましょうということで、実験を去年の十月から始めまして約三週間やりました。今度は水です。さっきは大気汚染、今度は水の件ですが、微生物を使った実験をやりました。そのときの現地の新聞に全部出ておりますが、ちょっと記事をあれしますと、参議院議員のアントニオ猪木さんが十六日、柳川市が町のクリークに試験的に取りつけているバイオテクノロジーの水質浄化システムを視察しましたと。我々
関係グループがやっているのですが、その中で水質実験効果ということで柳川市も、これは自分の市役所の中で別にヘドロを入れた水を実験いたしまして、本当に一日か二日でにおいが消えて、三週間後には大変水がきれいになってきたということを認めているのです。
我々としてもボランティアでやるのはもう精いっぱいなのですが、そういうようなことで今いろいろなところから引き合いは来ているのですが、やはりなかなか公的じゃないものは取り上げないという。しかし、いろいろな町の中にいろいろすばらしいものがまだたくさんあります。
そういうことでぜひ
大臣に、今回の環境会議に臨まれるかどうかわかりませんが、もし臨まれたら、本当に今、
世界じゅうを見渡したら川の汚染、湖の汚染、もうすべて汚染の進み方というのは目に余るものがあるわけですね。そういうことで、私はきょうはもうお答えは要りませんが、こういうことを今やっておりますし、そしてこういう効果が、決して実験じゃなくて、もう既に
研究、実験の段階を過ぎて実行ができるような
状況にあります。ぜひこれは
世界をあるいは地球を守るために利用していただきたいなと思いましてきょういろいろ資料をいっぱい持ってきました。テストの結果もいっぱい持ってきたのですが、テストも申し分ない。この大気汚染に関しては
日本鋼管あるいは三菱重工とかそういうところが今採用しておりますし、また一部採用しようというような中でやっております。
そういうことで、何としてもこの環境会議が成功するようにと。そして
一つは、やはり会議の結果というのは何となく私は見えるような気がするのです。確かに会議は盛り上がりいろいろみんなが環境に熱を入れるのですが、終わってしまったときに熱が冷めてしまう。そして、じゃ本当に今までやってきた環境に対するいろいろな
考え方はどうするのか、それを
一つ私は危倶するわけです。
私もできればこの環境会議に参加させてもらいたいなと。そして、ブラジルで今、私の方でやらせていただいているのが、やはりディーゼルエンジンの排気というのが一番大きいわけですね。そのディーゼルエンジンを使っているバス一万台以上持っている会社があるのですが、ひとつその
期間中、我々が紹介できる添加剤を投入してもらってそれで走ってもらおうと。そういうばい煙、スモークを出さないような運動をひとつしてもらおうじゃないか。これは
一つにはブラジル
政府が環境会議の主催国でありながら、主催国というか、国連が主催ですが、主催地ですね、その国が何にも公害に手を打っていないというのが今の
現状なのですね。ですからひとつブラジル
政府に、我々としても環境にこれだけ一生懸命頑張っていますよというデモンストレーションというか、そういう意味でも私の方はボランティアでやらせてもらいますからどうぞひとつ大いに使ってくださいということで話をさせてもらっているところです。
また改めて時間があるときにゆっくり細かい数字について御説明させていただきたいと思います。
終わります。