○国務大臣(奥田敬和君) ただいま議題となりました
船員法の一部を
改正する
法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
従来、沿海区域または平水区域を航行区域とする総トン数七百トン未満の
船舶で
国内各港間のみを航海するいわゆる小型船については、その労働形態の特殊性等から
船員法第六章の労働時間等の規定の適用が除外され、別途
運輸省令によりその
基準が規定されております。しかしながら、近年、
船舶設備の向上に伴い、小型船の運航形態及びこれに乗り組む船員の労働形態が変化してきており、小型船についても
船員法第六章の規定を適用する必要性が高まってきております。
また、船員を取り巻く
状況の変化に
対応して、定員に関する
規制の見直しを行う必要性が高まってきております。
このような
状況を踏まえ、
平成元年十月以来船員中央労働
委員会におきまして
船員法の労働時間等の規定の適用
範囲の拡大及び定員に関する
規制の見直しについて検討をいただいておりましたが、昨年一月同
委員会より答申をいただきましたので、この答申に沿いましてこの
法律案を提案するものであります。
次に、この
法律案の概要について御説明申し上げます。
第一に、沿海区域または平水区域を航行区域とする総トン数七百トン未満の
船舶で
国内各港間のみを航海するいわゆる小型船についても
船員法第六章の規定を適用することとしております。
第二に、
船舶所有者は、公衆の不便を避けるために一日の労働時間の制限を超えて海員を
作業に従事させる必要があると認められる命令で定める
船舶に乗り組む海員については、労使協定で定めるところにより、時間外の労働をさせることができることとしております。
第三に、
船舶所有者は、航海当直その他の
船舶の航海の安全を確保するための
作業を適切に実施するために必要な員数の海員を乗り組ませなければならないこととしております。
第四に、常時十人以上の船員を使用する
船舶所有者は、定員について就業規則を作成し、これを行政官庁に届け出なければならないこととしております。
なお、この
法律の施行期日は、周知に必要な期間等を考慮し、
平成五年四月一日としております。
以上がこの
法律案を提案する理由であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願いを申し上げます。