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1992-05-15 第123回国会 衆議院 労働委員会パートタイム労働に関する小委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成四年五月十五日(金曜日)     午後一時一分開議  出席小委員    小委員長 大野 功統君       愛野興一郎君    赤城 徳彦君       住  博司君    長勢 甚遠君       三原 朝彦君    岩田 順介君       永井 孝信君    河上 覃雄君       金子 満広君    伊藤 英成君  出席政府委員         労働省婦人局長 松原 亘子君         労働省職業安定 伊藤 欣士君         局次長  小委員外出席者         労働大臣官房政         策調査部総合政 和田 信五君         策課長         労働省労政局勤         労者福祉部福祉 岩田喜美枝君         課長         労働省労働基準         局賃金時間部企 朝原 幸久君         画室長         労働省婦人局婦 前田 充康君         人労働課長         労働省婦人局婦 小泉万里子君         人労働課調査官         労働省職業能力         開発局能力開発 松崎  朗君         課長         労働委員会調査 下野 一則君         室長     ————————————— 五月十五日  小委員伊藤英成君四月二十一日委員辞任につ  き、その補欠として伊藤英成君が委員長の指名  で小委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  パートタイム労働に関する諸問題に関する件      ————◇—————
  2. 大野功統

    大野委員長 これより労働委員会パートタイム労働に関する小委員会を開会いたします。  直ちに懇談に入ります。     〔午後一時二分懇談に入る〕     〔午後一時四分懇談を終わる〕
  3. 大野功統

    大野委員長 これにて懇談を終わります。  去る四月十七日の第一回小委員会及び先ほどの懇談の場の中で、調査内容等今後の小委員会運営について意見交換を行いましたが、その概要について御報告申し上げます。  パートタイム労働小委員会の今国会の日程は、一応、本日と五月二十九日、六月十日に開会することとし、審議時間はそれぞれ原則として午前中の二時間程度とする。  調査内容は、実態面の勉強を中心に行うこととし、まず今回は、労働委員会調査室より諸外国パートタイム労働実情等について説明聴取、第三回は、労働省よりパートタイム労働実情とそれに対する取り組み等について、業種別規模別状況等もあわせて説明を聴取いたします。  また、第四回は、労使団体等参考人から意見聴取を行うという意見が出されましたが、今後協議することになっております。  なお、説明後の質疑時間を十分にとること、自由に意見交換ができるようにすること等の要望が出されたこともあわせて御報告いたします。  次に、小委員会の当面の運営方法でありますが、  一、冒頭の小委員長の発言並びに労働委員会調査室労働省等からの説明については速記を付し、会議録に掲載いたします。  二、説明聴取後、小委員会速記を付さず懇談形式といたします。  この点につきましては、金子議員より反対意見が出されたことをこの際付言しておきます。  三、懇談中の意見概要については、次回の小委員会冒頭に小委員長より御報告いたします。  四、懇談中も原則として報道の任務に当たる者その他の者の傍聴を許可いたします。  以上のとおりでございます。よろしくお願い申し上げます。      ————◇—————
  4. 大野功統

    大野委員長 それでは、パートタイム労働に関する諸問題に関する件について調査を進めます。  諸外国パートタイム労働実情等について労働委員会調査室長下野一則君から説明を聴取いたします。下野一則君。
  5. 下野一則

    下野専門員 調査室です。御説明をさせていただきます。  さきに労働委員会に付託になりました衆法第二号につきまして、参考資料を作成し、既にお手元にお届けさ。せていただいておりますが、その参考資料の中から、「ヨーロッパ諸国におけるパートタイム労働法制の例」を一部補充しまして、お席にお配りしてございますので、これらの資料に基づきまして御説明を申し上げたいと思います。  まず最初に、欧米諸国パートタイム労働者雇用状況でございますが、欧米諸国におけるパートタイム雇用現状推移につきましては、お手元に配付いたしておりますOECD統計をごらんください。  パートタイム雇用雇用全体に占める割合は、一九九〇年でイギリススウェーデンノルウェーでは二〇%以上となっており、イタリア、フィンランドが一〇%以下であり、その他の国では一〇%から二〇%の間にあります。また、その推移を見ますと、従来から高い割合を示しているアメリカスウェーデンノルウェー等を除き、増加傾向にあるという状況であります。全体としてその割合が低かった旧西ドイツフランスイタリア等におきましても、相当の増加が見られるところでございます。  また、パートタイム雇用に占める女子割合は、おおむね六五%から九〇%程度と高い割合を示しており、パートタイム雇用の主体は女子となっております。なお、イギリス、カナダ、旧西ドイツスウェーデンでは、パートタイム雇用に占める女子割合は多少低下している面も見られます。  なお、この統計におけるパートタイム雇用定義は、参考までに右側に付しておりますが、週実労働時間が三十時間未満あるいは三十五時間未満としているものや、イギリスのようにみずからパートタイム労働者であるとした者、旧西ドイツイタリアのように労働時間が通常労働者より短い者としている等、各国によって区々となっております。  パートタイム雇用増加理由等につきましてですが、欧米諸国におけるパートタイム雇用増加の原因は、一般に、一つ目に、家庭責任を有する労働者、特に婦人職場進出が進んだこと、二つ目に、サービス産業等における繁忙時間帯等におけるパートタイム雇用増加したこと、三つ目に、雇用失業対策としてワークシェアリング等による雇用拡大策がとられたことなどが挙げられております。  欧米諸国パートタイム雇用に関する立法等対策でありますが、欧米諸国パートタイム雇用に関する立法等パートタイム労働対策について 各国すべてを把握しているわけではありませんが、各種の資料によりますと、パートタイム労働という雇用形態に対する各国労働政策上の位置づけ相違等に由来するところが大きいと言われておりますが、対策傾向を分けると次の三つに分類することができます。  その一は、パートタイム労働者労働条件についてかなり包括的な立法を策定し、パートタイム労働積極的助成を図ろうとするタイプで、典型的な国がフランス、これに準ずる国は旧西ドイツが挙げられます。  その二は、パートタイム労働助成という点ではその一のタイプと同じでありますが、むしろ通常労働と可能な限り共通の規制のもとに置くような法的位置づけを行うことを重点とするタイプで、これに属する国はベルギー及びイタリアが考えられます。  その三は、パートタイム労働を特別な対策対象としないで、労働関係一般規定労使自治により対処しようとするタイプで、アメリカイギリス、その他大多数の国がこれに属するものと見られます。  その一、その二のタイプ諸国における特別の対策が生じてきた背景に共通しているものは、パートタイム雇用雇用失業対策としての積極的位置づけであると言われております。  また、パートタイム労働に対する労働者団体の対応は、特にヨーロッパ諸国では、労働組合は伝統的にパートタイム労働フルタイム労働との潜在的な競合関係等から消極的な態度でありましたが、ほぼ八〇年代に至って、第三次産業中心パートタイム労働のあり方に関心を寄せ始め、パートタイム労働者労働条件の擁護を図ろうとする動向も見られます。  使用者につきましては、フランスのように、パートタイム労働者雇用する企業の社会的、財政的負担増加等から、必ずしも好意的に受け取られていたわけではない場合も見られますが、ベルギーイタリア、旧西ドイツ等就労形態柔軟化積極的姿勢を見せているということで、一般的には積極的な姿勢がうかがわれます。  なお、これらの国々における雇用賃金慣行は、明確に把握しているわけではございませんが、各国労使関係、慣習等文化的な要素により相違があるようですが、職種別労働市場職種別職位による賃金というようなものが一般的傾向として見られます。  次に、パートタイム労働に関する特別規定立法化している国の対策についてでありますが、パートタイム労働に関する特別の規定立法化している国として、お手元に配付いたしております資料の2でございますが、「ヨーロッパ諸国におけるパートタイム労働法制の例」によりながら御説明をいたしたいと存じます。  まず、パートタイム労働定義につきましては、各国さまざまで、施策の対象内容に応じる等の要因で相違しているものと思われますが、フランスは、週または月の労働時間が法定労働時間を五分の一以上下回る者とされており、ベルギー一般的定義はあえて設けておりません。旧西ドイツでは、過所定労働時間が事業所内フルタイム労働者のそれに比して短い者であり、イタリアは、季節パートを含め協約規定する通常労働時間を下回る時間を働く意思のある者とされております。  次に、「パートタイム制度導入に当たっての労使協議等」の欄に掲げてある事項につきましては、フルタイム労働者等との関係から導入に当たっての手続を定めているもので、フランスベルギーにおいては、事業場企業労使協議機関における事前協議等を定めており、イタリ、アでは、労働協約パートタイム労働者比率等規定できるものとなっております。  次に、「労働契約等」の欄に掲げる事項につきましては、フランスイタリアベルギーでは、パートタイム労働に特有の事項として、所定外労働時間、労働時間の配分等を書面契約しなければならないこととされております。なお、ベルギーでは、パートタイム労働形態就業規則に記載されていなければならないこととされております。  次に、「均等待遇」の欄に掲げる事項につきましては、フランスでは、法律協定等による権利平等取り扱い規定し、また賃金は、同等職位フルタイム労働者賃金労働時間、在職年数を考慮した比例算定とされております。ベルギーでは、賃金は同一価値労働フルタイム労働者賃金との労働時間比例が定められております。旧西ドイツでは、パートタイム労働理由とするフルタイム労働者と異なる取り扱いをしてはならないこととし、別異の取り扱いをするにつき、正当かつ客観的な理由ある場合はその限りでないとされております。  次のページに入りますが、「時間外労働」につきましては、フランスベルギーイタリアに特別の規定があり、表に掲げてあるような限度等や特定の必要があることが明らかである場合に限る等の規定が置かれております。  次に、「フルタイム労働者への転換等」の欄に掲げる事項につきましては、フランス、旧西ドイツイタリアは、フルタイム労働パートタイム労働との相互転換に関し規定があり、同職位への優先権をも認めるものや空席ポスト情報提供を義務づけるものがございます。  次に、「労使関係」の欄に掲げる事項につきましては、フランスベルギー、旧西ドイツでは、企業内協議組織についてのパートタイム労働者フルタイム労働者等との同等選挙資格等を法定しております。  次に、「労働者数の計算」でありますが、事業場労働者数に応じ、使用者の財政的、組織的負担の生じるものについて、フランスベルギーイタリアで、パートタイム労働者について時間比例による等労働者数算定に関する規定が置かれております。  次に、「パートタイム制度実施状況についての従業員代表組織への報告」につきましては、導入に当たって労使協議等とも関連しますが、フランスベルギーでは、使用者パートタイム雇用現状等企業委員会等に報告することとなっております。  次のページに入りますが、その他パートタイム労働に関する規定は「その他」の欄でごらんのとおりですが、フランスでは、フルタイム労働者パートタイム労働の拒否は解雇事由とならないこと、在職期間の長さに応じる権利は、パートタイム労働期間フルタイムで働いた期間とみなされること等の規定が置かれております。ベルギーでは義務教育期間中のパートタイム労働に関する規定があります。旧西ドイツでは、パートタイム労働の一形態として、あらかじめ労働時間の配分等を定めない随時呼び出し勤務について配置の四日前の通知等に関する規定や、同一ポストにおける労働時間を二以上の労働者で分割するジョブシェアリングについて、他方の労働者が欠けた場合の他の労働者代行義務規制等が設けられております。  その他の国における状況でございますが、ただいま御説明いたしましたフランスベルギー、旧西ドイツイタリア以外のヨーロッパ諸国につきましては、企業内の労使協議会等を法定する国でパートタイム労働導入についての通知意見聴取等手続を定める場合以外は、パートタイム労働に関する特別の規定を置くものはほとんどありません。一般労働関係法令パートタイム労働者にも適用されることとなっているようであります。  なお、労働関係法令の一定の規定について、労働時間の特に短い者をその適用除外とする場合もあります。  例えば、イギリスでは、雇用契約に関連する個別労働者の諸権利規定する雇用保護法は、週十六時間未満労働者原則として適用除外とされております。アメリカにおいても、法律パートタイム労働に関する特別の規定はないようであります。  次に、お手元の「自発的パートタイム労働に関するEC理事会指令修正案」は、フランス等パートタイムに関する立法が行われるようになった時期に、一九八一年十二月、EC委員会が策定した指令案を同委員会で修正し、一九八三年一月にEC理事会に提出されたものでありますが、参考までに添付させていただきました。  なお、この指令案は、現在までのところEC理事会で採択はされておりません。  以上で説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  6. 大野功統

    大野委員長 これにて説明は終わりました。  これより懇談に入ることとし、この際、休憩いたします。     午後一時二十三分休憩      ————◇—————     〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕