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野坂委員 それでは、片方は随分金がたくさんある
会社、今度は気息えんえんの
会社の
お話をさせていただきたいと思うのですが、いわゆる地方のバス
会社ですね。全国に今乗り合いバスの事業をやっておるのは約三百五十八社ありますね。このうち赤字の
会社というのは二百七十一社、そのもの自体は赤字だけれ
ども、いろいろなことをやって埋めて黒字を出しておる
会社が八十二社、こういうことになっております。昭和六十一年、民営の場合だけを申し上げますが、赤字経常損益は百八十九億九千六百万です。約二百億。しかし、
平成二年の現在では、赤字
会社というのは五百三十七億三千七百万円の赤字です、単年度で。随分赤字ですね。運輸省としては公的輸送としてバス輸送をやっておる。生活路線の場合はそれを補てんをしておる。こういう格好で、それでも運輸省のそういう補助金によってようやく運営をしておるというのが私は実態ではないかと思うのです。
私
どものところの
会社も、時間外にはいわゆるサービス残業というか歩合給というか、例えば宝石とかゾリンゲンですか、ああいう包丁とか背広の五万円
程度から三万円
程度のものを売って、そしてそれを補てんをしておる。なかなか容易じゃない。
最近、ちょうど退職のピークを迎えてまいりまして、毎年やめる。一遍に払えない。赤字が出てまいりますから、土地を売り、社屋を田舎の方に移してその差額で退職金を払う。一年間で払えないから七年間ぐらいの月賦になるのです。一千万円あるとしても年に百三十万円
程度しかもらえない。ということになると、家を建てようと思っても現実問題なかなか難しくなってくる。こういう労働者の
立場ですね。
会社も払おうと思うけれ
ども、財産を売ってもなかなか払えない、こういう
状況なんです。
それが全貌でありまして、一つ伺いたいのは、いわゆる過疎バスの維持の対策のために去年は、去年といいますかことし、
平成三年度は百五億円、その前は百二億円だったですね。今度はその路線バスのところの赤字だけで出したものは、十億ばかり補助金は足らなかったのですね。みんな削られたわけですね、上限がありますから。それに比例配分されている。ただでさえ気息えんえんなのにこれを切られると、これはもう容易じゃないということが一点言えると思います。ことしは百七億二千二百万円にしてもらってそれなりに奥田さんに対して、感謝をすべきではないのに今までが余りにも苦しかったからまあ感謝をする格好ですね。もうちょっとやはり上げなきゃならぬ、こういう
状況であります。累計としては六百四十四億八千万円の赤字を出しております、全体で。約四分の三は赤字なんですから。
そういう
状況でこの生活路線を維持するための――運輸省の役人さんに聞きますと、
会社に補てんをする必要はないんだ、足を守るために我々はやっておるんだ。そのとおりだと思うのです、まさに御説ごもっとも。しかし、足を守るためには
会社を売らなきゃならぬ。
会社が倒れたら足は守れぬという相関
関係を持っておるという
状況です。現状としてだんだんだんだん便数を減らすんですね、人が乗らないから。さらに厳しくなってくる。というのは、乗るのは年寄りが多い。若い人
たちはモータリゼーションで乗って出ますけれ
ども、持って帰らぬですからね。勤めておる町、そこに置いて、だからバス以外にないという結果になっておるというのが現状です。このことが一点と、これについてはどう
考えるかということが一つ。
それから二つ目は、厳しいそういう競争上にもまた輸送機関は立っておるわけです。最近は遠いところまで、遠隔地まで貸り切りみたいなもので運んでおりますけれ
ども、路線で。この路線免許についても相当数お客様が多いところ、ひとりでそれを確保しておることが一番いいですけれ
ども、しかし全体的にも競争させて、ある
程度そちらの方にもお客を回すというので複数になってもいいところがあるのではなかろうかということを私は聞いております、具体的にも。そういう点については十分にお
考えをいただいて対処をしてもらえないかということが二点目。
三点目は、すべての財産を売り尽くすというようなのがバス
会社の中で非常に多い。土地はたくさん持っております。したがって、全部の社を回って聞いてみますと、この十年間あれば、運営がうまくいけばそれは立ち直ることはできる、それが一番しわ寄せになってきておるのは退職金だというんですね、相当まとまっていますから。もらう方も一遍にもらいたい。我々は、バス協会は一体どうだろうというふうに見ますと、バス協会は百億円くらいですね、積立金が。軽油引取税の返戻金がありますね。それはありますけれ
ども、使えば一遍に終わっちゃうという
状況で、これも運営が難しくなってくる。
運輸省の所管の中で、造船業基盤整備事業協会というのがありますね。それは
政府が十億円、日本開発銀行が十億円、民間が五十三億円というふうに出して、いわゆる運転資金その他についてもそれらを回して――なかなか銀行が貸してくれない、やかましくて。そういう
状況から
考えて、これでやっていこうという格好が大きく出ております。あるいは、鉄道の場合は鉄道整備基金という格好で、これは設備の方ですけれ
ども出されておる。
そのような方法でバスの存続維持体制というものをやはり
考えてもらわなければならぬという事態に来ておるのじゃないだろうか。この十年間という時限でもいいではないか、そうすれば退職その他のピークは終わる、そうすれば整々といくのじゃないかということを
考えるわけですが、それらについて提言をいたしますけれ
ども、運輸大臣は運輸省の
立場に立ってどのようにお
考えか。バスや列車、そういう点については、きのう華やかに整備新幹線の何百億の話をしましたけれ
ども、きょうはランクが下がりまして、非常にわずかな中でも厳しい
状況で県民、住民の足が守られなくなりつつあるということを十分お
考えをいただいて対処してもらいたい。補助金の引き上げあるいは基金の設定、そういう点についてお
考え方を聞きたいと思うのであります。