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三野委員 お忙しい中を各省庁から御出席をいただきまして、ありがとうございます。私の持ち時間は一時間でありますので、一時間のうちに三つの
課題について今から質問をいたします。若干順序が上下するわけですけれども、まず住都公団の問題についてから質問をいたしたいと思います。
この問題は、もう言うまでもありませんが、住都公団もあるいは
建設省ももう既によく御承知のとおりの問題です。
東京都多摩市聖ケ丘団地の問題であります。昭和五十九年三月から四月にかけて四百戸近い団地が住都公団においてつくられたわけですね。これを建設する段階で、全体の用地の一部分、急傾斜地を含めまして残地を緑地として
整備をしたのが昭和五十四年三月から十一月なのであります。当然これは多摩市の聖ケ丘団地に附属した緑地であります。いわば
地域の人たちは、自分の庭先だと思って
生活をしていたわけであります。もちろんそのために住都公団は、ブナ及び桜など恐らく十数種類であったと思うのですが、私も見てまいりましたけれども、ここに立派な緑地をつくっておられます。その中には、幅員約二メーターあるかどうかと思うのですが、そのくらいの遊歩道、園路もつくられているわけでありまして、
整備後約十三年であります。
だれが考えてみても、これは団地の住民のための緑地、あるいはもちろんその団地だけではないでしょう、周辺の人々も含めてこの緑地を楽しんでいただく、時には家族が、あるいは子供がボール遊びもできるようなところでもあるわけでありますが、これが突如として昭和六十年三月三十日に多摩市に引き渡されている。これは住民の人は知らないわけですね。公団と多摩市との関係であります。ここに多摩市は
道路を建設するということを突然告示したわけであります。現地に札を立てて告示したわけです。
地域住民はびっくりしちゃって、そんなものは聞いたことない、おかしいということで、御承知のように住都公団に陳情をいたしました。その陳情の際に、私は窓口になりましたが、出席していただきましたのが、きょう御出席の依田参考人であります。あなたは、私の陳情を、陳情が来るよ、団地の皆さんにお会いしてもらえるね、会いましょうということで出てきた。ところが、陳情書を出そうと思ったら、あなたは受け取らないと言う。そういう異常な事態もあったことは、あなたは十分承知だろうと思います。
さて、その後私も現地を見ながら、この
道路はどう考えてみてもおかしい、ここに
道路をつけることは合理性がない。しかも
地域住民は、この緑地は自分たちも含めてみんながここで楽しめる緑地なんだ、こう考えて言ったところが、こう言うのですよ、
道路構造令には合致していると言うのですけれども、こんな
道路は余り、私は二十二年も議員をやりましたけれども、っけたことはないのです。しかしまあ、合致しているといって多摩市がやる。多摩市がやるんですね。しかしこの工事費は、聞くところによると、八千八百万全額公団が出すという。これはどういう理由なんですか。
この際、私はひとつ、もう時間の関係がありますから総括して申し上げますが、あなたのところがこの聖ケ丘団地を、この一帯を造成するに当たっては、
土地を買って用地費が要る。そこに
道路もつけたでしょう、
都市公園もつくったでしょう、排水路もつくったでしょう、そしてこの緑地もある。それで、
建築費も含めて、これらをすべて総合して幾ら金がかかったのか。そして精算をして、それぞれ分譲者に分譲していったわけでしょう。聞くところによると、分譲だけでなしに賃貸家屋もある。賃貸を決める場合にも、それらを含めて考えたわけですわな。ですから、この緑地なりも含めまして入居者は応分の負担はしているわけです。これは分譲する場合は、原則として当然でしょう。
したがって団地の人たちが、そんなところに勝手に市道をつくられては困る、こう言ったら、おまえには売ってない、ここは、登記して渡したのは団地そのものだよ、こう言う。売ってないと言う。それはそうですよ。
道路も売ってないわな、公園も売ってないわね、あなたの言うとおりなんです。しかし、それらも含めて負担をさせたことだけは間違いない。売ってなければどこへ渡して何をやってもいいのが。
道路は
道路としてつくったけれども、市に移管するでしょう。恐らくあなたのところはいつまでも
道路は持たぬ。公園もまた、市に移管して管理をお願いするでしょう。じゃ、この公園を目的外に使う、全く目的外に使う、あるいは中にある児童公園を目的外に使うことはできますか。おまえに売ってないから何に使おうと勝手だ、相談は要らないなんて、そんなことをあなたは言うのだけれども、できますか。
道路も場合によったら家を建てて売りますか。できぬでしょう。そういう論法で住民の意向を無視しようとする態度は、私は納得できない。そういうのが住都公団の態度であってはならぬと私は思うのです。
しかも、私は現場へ行って見たらば、こういうようにつける必要は全くない、これは急傾斜地で危険なんです。しかもここへできたら、これはバスが通る、子供が通る。全くそこへつける必要がない。もし、この向かいの住都公団よりも先につくった東部団地、これは非常に悪いけれども、不良団地です。この人たちのためにぜひ市が道をつくりたいというならば、この境界のところから、都の公園がありますね、都の公園の、しかも公園をほとんどつぶさないで、管
理事務所の側を通って通れば道はできるじゃないか、こういって私が言っても納得しない。
もちろん、
都市計画審議会にかけなければなりません。
代替地が要るのです。
代替地は、あなたのこの未
整備地区があるわけですから、どうせこれも
住宅を建てるわけじゃないのです。緑地にするに決まっているわけですから、その都の公園の延長ですから、それを一部渡せばいいんじゃないですか。若干手続に時間がかかるでしょう。そのくらい出してもいい。都が、いやそれでもだめだと言うならば、この未
整備地区に
道路をつけても、この勾配、この
道路構造のものであればできますね。私も二十何年、方々で
道路をつけたり橋をかけてきたけれども、十分できるのです。なぜそれができないのか。
しかも、この際聞いておきたいのは、会計検査院も来ていると思うのですが、私は本当は行政管理庁でもよかったと思うのですけれども、もともとは
道路公団の用地です。それを緑地にして、立派な桜がもう間もなく咲くでしょう。私も行ってみましたね。非常に立派な園地、緑地になっていますね。それを市に渡す、いわば市有地になったのです。市有地になっているところへ市が
道路をつけるんだから、
地域の住民の陳情は受け取れませんと、あなたが私の前でこう言う。そうですか。市有地に市道をつけるのです。どうしてあなたのところは八千八百万金を出すのか。もし市有地に市道をつけようとするのならば、市の単独の予算か都もしくは国の
公共事業で
道路というのはやる
制度があるのです。それほど金が余っているのか、答えてください。