○
松浦(利)
委員 大蔵省理財局次長さん、おいでになっていますか。――最初に大蔵省の理財局に
意見を
お尋ねしておきたいと思うのです。
きょうの新聞発表等でも御承知のように、都銀の
決算が出ています。保有株の減価のために軒並み減益になっておるわけでおりますが、恐らく次の
決算におきましても、ノンバンク等を通じて例あ金融不祥事等にかかわる債権等の
関係でさらに減益が進むだろう、こういうふうに言われておるわけです。ところが、御承知のように公定歩合を先般引き下げましたが、各金融機関がこういう状況ですから資金の貸し付けを怠っておる、怠っておるというからゅうちょしておるのであります。
一方では、従来、設備投資資金としてコストの安い資金調達の場として証券市場があったわけでありますが、これも御承知のように、今日取引が二億から三億という大変低迷を続けておりまして、バブルの崩壊があったといえばそれまででありますが、従来企業がエクイティファイナンスを容易にできておった状況が全くできていない。そういう
関係で、今我が国の経済というのは極めて深刻な状態に進んでおることは大蔵省御承知のとおりだし、国民全部が心配をしておるところであります。恐らく次のサミットでアメリカあたりから強硬に、秋口における景気浮揚、三・五%経済成長を維持するための大型補正予算等の要求が実は出されておるわけです。
こうした状況の中で一番気になりますのが、従来安いコストで調達できた証券市場が冷え切ってしまっておる。そこには幾つかの原因があるわけでありますが、その原因の
一つに、大蔵省が国民に販売をいたしましたNTT株があることは事実なんです。私が調査をした範囲で申し上げますから、あるいは間違っておるかもしれませんけれ
ども、きょうの新聞報道によりますと、NTT株は五万円株が終わり値で六十三万円。おとついは六十一万円ですから今二万円上がっておるのですが、大体六十万から六十二、三万のところを上下しておるわけです。ところが今
年度になって、四月の九日、終わり値が五十九万円。この五十九万円というのは、大蔵省理財局が発行いたしましたNTT株の最高高値の三百十八万円のときの五分の一、昭和六十二年十一月、第二次売買価格二百五十五万円の四分の一、さらに第一次放出価格百十九万七千円の半分以下の水準に下落をしてしまっておるのですね。
それで、実は証券市場に活気を与えた最大の理由というのは、大蔵省と野村を中心とした証券企業がNTT株の大宣伝をいたしまして、実に百六十七万人から八万人という個人投資家がNTT株に投資をしたわけであります。これが実は証券市場の起爆剤になって、あれよあれよという間に、バブルという経済のツケも回って大変高値高値で市場価格を超えて進んでいったことは御記憶のとおりです。
ただ問題は、このNTT株は
政府が発行したものだからということで買わされた個人投資家が、NTT株を持っておる
人たちが、証券は手を出すと大変だ、やけどをするということで、個人投資家が全く市場に入らなくなってきました。と同時に、これはもう大蔵省の理財局次長、耳が痛いほど聞いておられると思うのですが、大蔵省はけしからぬ、信用して買ったらこういうふうに暴落をしてしまった、一方ではバブルで損をした企業に対しては損失補てんをやっている、我々個人株主に対しては自己責任ということで、自己負担の責任を貫かされて何らの恩典もない、こういうことで、ちまたにいろいろな不満、不平というのが出てきて、一番肝心かなめの証券市場にも
一つの影響を与える結果となってきておるわけです。こういう問題について、実はNTT株というのは
郵政省とも深く
関係をする企業でありますから、きょうの
決算委員会で取り上げさせていただいたということを御理解いただきたいと思うのであります。
そこで、
郵政大臣、今景気が非常に悪いということを理由に出しまして、三M悪人という
言葉が今市場に広がっているのですよ。三M悪人というのはだれとだれか想像つきますか。いや、実は私も聞かされてびっくりしたのですが、一人は宮澤総理なのです。そしてもう一人は日銀の三重野総裁なのです。もう一人は大蔵省の松野証券
局長です。これを三M悪人、こう言って盛んに言っておるのですね。
ですから、ここに証券
局長においでいただければよかったのですが、理財局次長に
お尋ねをしたいのです。
今
政府が持っておられる千二十万株、そのうち五百二十万株は
法律で
政府が三分の一保有しなければなりませんから、残りあと五百万株を放出することができる仕組みになっておるわけでありますが、この五百万株についての放出計画というのが現在あるのかどうか、そういう点について理解をしておられればお答えいただきたいと思うのです。