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1992-06-04 第123回国会 衆議院 議院運営委員会 第29号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成四年六月四日(木曜日)     午前十時五分開議 出席委員   委員長 中西 啓介君    理事 与謝野 馨君 理事 奥田 幹生君    理事 藤井 裕久君 理事 野呂 昭彦君    理事 虎島 和夫君 理事 阿部喜男君    理事 森井 忠良君 理事 山下八洲夫君    理事 貝沼 次郎君       浅野 勝人君    岡田 克也君       木村 義雄君    中谷  元君       野田  実君    鳩山由紀夫君       前田  正君    増子 輝彦君       石井  智君    小岩井 清君       筒井 信隆君    平田 米男君       東中 光雄君    伊藤 英成君  委員外出席者         議     長 櫻内 義雄君         副  議  長 村山 喜一君         事 務 総 長 緒方信一郎君     ――――――――――――― 委員の異動 六月四日  辞任         補欠選任   福永 信彦君     中谷  元君 同日  辞任         補欠選任   中谷  元君     福永 信彦君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  国会改革に関する件  本日の本会議議事等に関する件      ――――◇―――――
  2. 中西啓介

    中西委員長 これより会議を開きます。  まず、本日の本会議議事について、事務総長説明を求めます。
  3. 緒方信一郎

    緒方事務総長 日程第一につき、太田大蔵委員長の報告がございまして、共産党が反対でございます。  本日の議事は、以上でございます。     ―――――――――――――  議事日程 第二十四号   平成四年六月四日     午後零時三十分開議  第一 金融制度及び証券取引制度改革のため     の関係法律整備等に関する法律案(内     閣提出)     ―――――――――――――
  4. 中西啓介

    中西委員長 それでは、本日の本会議は、午後零時二十分予鈴、午後零時三十分から開会いたします。     ―――――――――――――
  5. 中西啓介

    中西委員長 次に、次回の本会議は、追って公報をもってお知らせいたします。  なお、次回の委員会は明五日正午より、理事会は午前十一時より開会いたします。      ――――◇―――――
  6. 中西啓介

    中西委員長 それでは、きょうは文字どおり初めての試みでございますが、今最大の課題と言っても言い過ぎでないと思いますが、政治改革がございます。これはもう皆さん御案内のとおり、各党間でつくられております政治改革協議会、その場で相当議論も進めていただいておるところでございます。  政治資金の問題、選挙制度の問題、政治倫理の問題、それから国会改革の問題、四つのテーマに分かれるわけでございますが、きょうはひとつ国会改革というジャンルに的を絞っていただきまして、議員間討議という初めての形式をとって皆さん方に活発な御議論を展開していただきたい。特に、開かれた国会、わかりやすい、親しみの持ってもらえる国会、激動する国際社会の中でビビッドに対応できる、機能的というか活力のある国会、そういうものを実現するためにはかくあるべしという、皆さんそれぞれ御意見等もお持ちになっておられると思います。  そういう観点から、きょうはマスコミも全面公開いたしておりますし、記録も残します。あまねく国民の前で、ひとつ自由に活発に御議論を展開していただければ幸いでございます。  きょうは、進め方としては、まず各党の代表の方々から五分間程度順次御意見を述べていただきますしかる後に、委員間において自由な討議を行っていただくわけでございます。おおむね一人おのおの三分以内を念頭に置いていただいて、挙手をしていただいたら私が御指名をさせていただきます。自席で御起立をいただいて御発言を願えれば幸いでございます。  それでは、まず自由民主党与謝野馨君から御意見をお述べ願いたいと存じます。
  7. 与謝野馨

    与謝野委員 それでは、国会改革に関しまして、自由民主党の考え方について御説明を申し上げます。  国会改革につきましては、当議院運営委員会、また議会制度協議会において相当の成果を上げておりますが、まだまだ問題は山積をしております。議会開設百年を契機に、国会改革をやろう、そして国民政治不信の大きな要因となっている国会審議のわかりにくさ、非能率さを克服して、国会国民関係、これをより密接なものにさせ、国民の御納得のいただけるような審議形態にしようという努力は、我が党ばかりでなく各党においても同じ御努力をしていただいているわけでございます。  私からは、国会改革につきまして総括的に本会議審議運営等について網羅的に述べ、細かい詳細な部分については、我が党の議員より個別の問題については発言をしていただくことになります。  まず、本会議審議運営についてでございますが、趣旨説明付託という関係について申し上げます。  提出議案は、原則として即時適当な委員会付託し、委員会における十分な審議時間を確保すべきである。委員会中心主義という原則をとっております。趣旨説明要求議案は、真に重要かつ必要なものに限るべきでありまして、説明質疑を行う場合には、充実した審議が行えるよう配慮する必要があると考えております。現在、各野党から多数の議案について趣旨説明要求がつけられ、協議が調うまで委員会付託されないやり方、いわゆるつるしと言われているやり方が行われておりますが、これは国会法第五十六条の二の乱用であると私どもは考えております。国会法第五十六条第二項にある、「議案発議又は提出されたときは、議長は、これを適当の委員会付託し、その審査を経て会議に付する。」という原則、これがございますので、これを守るべきであると考えております。  第二は、本会議の採決の方法として、いわゆる各国で採用しております電子式投票機、すなわち押しボタン式投票制度を導入すべきである。投票正確性、所要時間の短縮等により議事効率化が図られると私どもは考えております。  第三は、議場ひな壇についてでありますが、三権分立の観点からとか、国会国権最高機関であり、その構成員である議員が対等な立場議論する場であるからひな壇は解消すべきという御意見もございますが、同じ議員であっても、壇にいるときには内閣の一員であったり法案提出者であったり違う立場で対応するわけで、政府だけでなく、野党提出法案審議されるとき、野党提出者ひな壇から趣旨説明をする場合もあるわけで、一方的ではなく、現行のままでよいのではないかと思っております。  次に、委員会審議運営についてでございますが、委員間討議自由討議について発言をさしていただきます。  委員会審議を活性化するため、委員間による率直な意見交換が私どもは必要であると思っております。法案審議にいたしましても、国政調査にせよ、委員会審議のほとんどは政府に対して質疑を行う、こういう方法で行われておりますが、やはり各党間、委員間での御討議というものも今後は十分取り入れる必要があるものだと思っております。  委員室の構造もいわゆる学校方式が多いわけでございますが、時には円卓方式による委員間の自由討議を必要に応じて行う慣行を確立すべきだと思っております。審議の主体を国会議員とすることによって政策立案能力を相互に向上させることができると私どもは考えております。  次に、大臣政府委員説明員についてお話を申し上げます。  委員会での審査形態は、議案審査あるいは国政調査にしろ、政府側質疑を行うというのが実態になっております。そこで、各委員会定例日関係提出法案所管が複数の省庁にまたがったり、委員会の全大臣出席要求、いわゆる総括方式その他の理由でいわゆる大臣政府委員のとり合いが委員会の間で生じますし、また、衆参の間でも生じているわけでございます。これによって審議遅延等が生ずる場合が非常に多いわけでございます。総予算総括質疑についても、各党一巡の後は、全大臣出席ではなく要求大臣のみとする。各委員会審議が同時並行的に開催され、審議が促進され充実されるべきであると私どもは考えております。  また、大臣補佐する立場にある政務次官活用をもっとすべきであると考えております。個々の技術的な問題などでは、一番現場の事情に詳しい説明員等活用をもっとされていい。また、これは社会党からも議員立法に対する説明員充実という御要求もあると伺っております。  次に、議員立法活用についてでございますが、国会唯一立法機関であるにもかかわらず、現実には内閣から提出された議案に大きな比重がかかっており、委員会審議でも対政府質疑がほとんどでございます。真の立法機関とは、国会みずからが法律立案し、制定していくことであると私どもは考えております。そのため、議員立法活用することである。実効ある立法活動を確保するためには、過度な党議拘束を反省し、所管委員会中心に可能な限り議員立法方式で対応することが望ましいことであり、また必要なことであると思っております。  次に、委員会公開でございますが、国会国民に開かれたものとするためには、現行法上、原則非公開とされている委員会審議を実質的には原則公開に近づけ、また、情報公開することにより国民との距離を縮める必要があると考えております。本件については、基本的には与野党での合意が既に実現しており、事務局法制局国会法衆議院規則の改正の原案を作成をしている段階でございますので、この点については早期に実現をいたしたいと思っております。  次に、公的支出拡充についてでございますが、議員活動のより一層の充実に資するために、国会議員に対するいわゆる公的支出拡充理由のある、また必要のある公的支出という意味でございますが、一つ秘書等人件費拡充、またこれは公設秘書増員という問題、かねてからの懸案の問題がございます。それから、文書通信交通費及び立法事務費等、これについての趣旨見直し、またその内容の見直し等も行う必要があると思います。また、議員会館及び宿舎の整備等については既に合意を見ておりますので、これらについては、八月の概算要求に向けまして各党と御意見十分交換をしながらやってまいりたいと思っております。  あと国政調査権充実強化あるいは国会審議テレビ中継等につきましては、細部にわたりまして、我が党の委員から詳細に我が党の立場を述べさせていただきます。ありがとうございました。
  8. 中西啓介

    中西委員長 御苦労さまでございました。  それでは、次に、日本社会党護憲共同阿部喜男先生にお願いいたします。
  9. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 今、与謝野先生から非常に含蓄のあるお話を承りまして、非常に同意する点が多いのでございますが、まず私は、議院運営委員会の任務というものは、議長補佐しながら諸法令にのっとって国会運営を円滑に進めていく、これが政党政派を超えて議院運営委員会が求めなければならない姿勢であると思っております。しかし、今日なお、国会の中で相当改革は行ってきましたが、まだ多くの課題があり、改めなければならないもの、明確でないもの、そういうものについてやはり提案をしていきたいと思います。  第一点は、今、与謝野さんからもお話がございましたけれども、これはもう憲法で明確なように、国会国権最高機関であって唯一立法機関であると定められておりますから、まず議案等あるいは法律案発議は、第一義的には議員が行うべきものであると考えます。  しかし、今日、政府にも提案権がありますから、ほとんどの法案等政府から提案をされて、それに対する質問中心になっておるということは、今お話のあったとおりだと思います。しかし、これは議員みずからにも問題がある。その一つは、議員立法提案してもまことに軽く扱われてしまう。少なくとも形の上でも、議員立法提案をされれば、これは優先的に本会議委員会審査をされなければならない。それが立法府としてのあるべき姿である。これは、私は、各党側異論のないところだと思いますけれども、そういう形の上から入っていって、議員立法をもっと充実強化させることが立法府責任ではないだろうか、こういうふうに考えております。  それから二点目は、今日、委員会が、しかられるかもわかりませんけれども、非常に形骸化しておるように思われます。その理由を考えてみますと、例えば委員会の定足数、「委員会は、その委員の半数以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。」国会法四十九条に、委員会成立要件が明確に定められております。しかし、今日この成立要件を満たして審査が進められておる委員会がどのくらいあるだろうかと考えてみますと、始まりとか終わりには顔を出しても、その審査中にはほとんど席を離れて成立要件を欠いておる。これはまことに委員会が形骸化しておると言わなければならないゆえんでありまして、これからは、お互いに議員ですからそれぞれの委員会出席をする義務を痛感しなければならないのではないか。ただ、お話のありましたように、一人最低一つ委員会を持っておるわけですから、特別委員会等と兼務される方々、こういう方々はあると思います。しかしその場合でも、可能な限り差しかえ等によって委員会には全員が出席するようにすべきではないのだろうか。  それからもう一つ審議時間、これが非常に問題になるのですが、委員会によって違うようです。ある委員会では一人一時間、これは重い法案だから一人二時間の質問時間を保障する、もちろん、やらなければならぬというのじゃなくて、これを最低議員として要求があれば保障するというような運営のところと、この法案は何時間で通すという、初めから通す出口の方の時間まで決めてしまって、これはフランス料理メニューじゃないのですから、四時間コース、五時間コースなどで法案を通すというのは間違いだ。少なくとも議員である限り、質疑があれば堂々と質疑をし、意見を述べる、その時間を与える、そのためには、それぞれの法案によって理事会で話し合いがあると思いますけれども、一人の議員質問をする時間を、例えば最低一時間なら一時間以上とかいうふうに確保をし、質問を放棄することは自由ですから、それで全体の時間の調整を図るべきであって、この法案を何時間で通すというような、フランス料理メニューみたいな何時間コースというものは、各委員会はやはりやめるべきではないだろうかというふうに考えております。  その三つ目は、これは委員会に対する大臣出席の問題でございますけれども、申すまでもなく、憲法では六十三条で、内閣総理大臣国務大臣は「答弁又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない。」と明確に規定をされております。そして、委員会は本会議から付託をされて審査をするわけですから、ほぼこの規定に準ずべきものと思われますけれども委員会にはこういう規定がございます。「委員会は、議長を経由して国務大臣及び政府委員出席を求めることができる。」こうなっております。  これは思うに、出席を求められれば当然出なければならないけれども、これまた大臣の場合、それぞれの所管事項があって、その委員会に出なければならない等の事情はあると思います。したがって、その場合には出られないこともある。それは先例集によってこういうふうに決められております。「国務大臣及び政府委員は、議員から議院出席を求められたときは、おおむね出席するのを例とする。」この「おおむね」と入ったのは、そういう趣旨があるのだと私は思いますけれども、どこの委員会であろうと、内閣が連帯して行政責任を負う限り出席をするのが原則である。この場合に大臣にかわり得る者は政務次官しかないと私は解釈をいたしております。  政府委員は御承知のように、「内閣は、国会において国務大臣補佐するため、両議院議長の承認を得て政府委員を任命することができる。」政府委員はあくまでも大臣補佐するのであって、大臣の代行はできないと考えるべきだと思っております。ただし、政務次官大臣の職務を代行する、これは国家行政組織法によって明らかでございますから、したがって、先ほど与謝野先生からお話がありましたように、大臣が出られないときには政務次官がかわって出席をして責任を持つ。  それから説明員というお話がありましたが、説明員という字句は、いろいろ検討してみましたが、特に見当たらないのです。それは、国会審議充実するために専門家を連れてくることについて異議はありません。しかし、それがしゃしゃり出て、国会責任を負わない者が説明員などといって、ある省庁に至っては、他の委員会説明員をもって対応されるのだというに至っては、まさに国会軽視も甚だしい。これは、あくまでも大臣出席をする、そして、おおむねそうなっておるけれども、支障があるときには、今申し上げたように政務次官がこれにかわる。それから補佐として政府委員出席をする。説明員は、向こうの都合で連れてくるなら連れてきてもいい、拒みはしない。ただ、誤解があるといけませんが、我々が議員立法の場合に求めておる説明員というのは、ここに言う政府委員と同じ性格を持つものである、そういうふうに私は理解をしてもらいたいと思っております。  それではその次に申し上げますと、先ほどお話がありました公的な支出でございますけれども、これは全く同じ意見。特に秘書増員等については、政党間でも意見の一致を見、また議院運営委員会でも明確に決定しておるにもかかわらず、立法府予算について行政府がくちばしを入れる、これはまさに本末転倒であると言わなければならないし、法的にも非常におかしいと思います。立法府要求した予算は、どうしてもできないときにはその旨を議長の方に申し出るのが行政府責任であって、もともと予算として要求しないという手違いもちょっとあるように私は思います。そこで、議院運営委員会で決まったものについては、事務当局も明確に予算として計上して出して、その後、行政府からの話があれば、それは議長を通じて承るのが筋だろう、こういうふうに思いますので、立法府予算について行政府がシーリングをするとかくちはしを入れるなどということは、まことに言語道断であると言わなければなりません。  秘書増員の問題は既に決定しておることですから、これをいつからやるかということの方が先決ではなかろうかと思っております。  そのあとの問題につきましては、それぞれ私ども委員皆さん等からまた意見があろうと思いますから、総括して以上申し上げておきたいと思います。
  10. 中西啓介

    中西委員長 それでは次に、公明党国民会議貝沼次郎先生にお願いをいたします。
  11. 貝沼次郎

    貝沼委員 最初にお断りしておきたいと思いますが、公明党としての見解は、既に文書その他で公表しております。今回は、衆議院の議運の委員会でありますので、衆議院に限定して、なおかつ時間的制約がありますので一部分になると思いますが、その部分だけ発言することをお許しいただきたいと思います。  それからもう一つは、本日の出席者は大体専門家でありますので、一々細かいことを説明いたしません。大体改革すべき点というものを申し上げたいと思います。  まず一つは、国民に開かれた国会の確立をすべきである。これには四つございまして、第一番目は、委員会会議情報は、秘密会等を除き原則公開としなければならない。これは、傍聴、報道、会議録その他についてすべて考えております。これは大体合意しておることは、先ほどから報告されておるとおりであります。  二番目は、国会会議の状況を常時放映するため、テレビでありますが、伝達手段の設置、運営を早急に実現すべきである。これも大体与野党合意しておると思います。  それから三番目は、会議録は、秘密会等を除いてすべて公開する。その方法につきましてはいろいろありますが、国公立図書館への配付、あるいはその作成方法、公表の仕方、配付迅速化というようなものはこれから検討すればいいと思います。さらに、会議録に図表であるとか写真の掲載ができるように、その導入方法を検討して、早期に実現すべきではないか。  四番目は、公聴会についてでありますが、議案審査のみでなく、国政調査請願審査等にも開けるようにする。さらに、その回数も大幅にふやす。地方公聴会開催回数を増加させるというような工夫があってしかるべきではないか、こう思っております。  それから、大きな二番目といたしまして、立法機能強化ということであります。これは先ほどからるる申し述べられておることとほとんど共通すると思いますが、これには六つ考えております。  一つは、国会法衆議院規則を見直さなければならない。これは、例えば院内秩序とか、時代の変化によりましていろいろ問題が出ておりますので、これは時代に合うようにしなければならない。そして、衆議院独自性に基づいた組織であるとか運営というものをつくり上げていかなければならない、こう思っております。何も両院同じでなければならぬということはないと思います。  二番目は、本会議質疑やり方についてもっと再検討する必要がある。再質問制度、これは前回もありましたが、さらにこれを活用すべきである。それから、議員立法答弁者の検討、これも先ほど社会党さんからもございましたが、当然これは充実させなければなりません。それから、議場ひな壇の問題も長い間懸案になっておりますが、こういうものはもう解消してもいいのではないかと考えております。  それから三番目は、委員会審議における政府答弁は、原則として大臣政務次官とする。政府委員説明員制度、これは先ほどから話がありますように検討すべきである。それから、議員発議による議案答弁者、これが大変冷遇されておりますので、これを充実すべきである。行政府のかかわり方も再検討すべきではないのか。行政府は決して与党だけのものではなく、あらゆる議員のために奉仕するはずであります。  それから四番目といたしましては、委員会での自由討議制、これを大幅に導入すべきである。これは先ほどから話が出ておるとおりであります。さらに、集中審議制度もどんどん入れた方がいい。  五番目は、立法活動促進のため、議員立法を増加させるため、殊に発議要件である国会法五十六条に定められておる予算の伴う法案は、衆議院では五十人以上の議員賛成がなければ出せません。したがって、私ども出せないわけでありますから、これでは議員立法充実をいたしません。その他の議案は、衆議院では二十人以上の議員賛成が必要、こういうふうになっておりますので、これは改めるべきである、だれでも出せるようにすべきである、こう主張しておきたいと思います。  それから六番目に、請願審査、これを会期末でなければやらないという悪い習慣をやめて、いつでも請願審査をやる。特に、会期中に請願審査をやって国民にこたえていくという姿勢が大事であると思います。  それから大きな三番目といたしまして、議員補佐機構充実でございます。  議員国政調査研究に資するため、国会附属機関として、例えば、仮称でありますが、国会情報センター、こういうものを設置すべきではないのか。これは何をやるかといいますと、過去における国会のすべての本会議委員会等会議録事項別整理、保存するとともに、国の内外の各種の資料及び情報整理、保存をしておく。国会図書館が大分やっておりますけれども、さらに明確にする。また、国民一般公開請求にも応じられるようにしていく。データベースでやるか何かは別として、やると思います。  二番目といたしましては、衆議院及び国会図書館事務効率化を図るため、さらにOA化というものを進めるべきである。  それから三番目は、議員法制に関する立案に資するため、衆議院法制局常任委員会調査室充実強化するために、法制局及び調査室の職員は専門職として採用して処遇する。また、必要な部署の職員を増加して調査の充実を図る。また、調査のための活動費、委託費等の確保についても積極的に措置するということが大事であると思います。  大きな四番目といたしまして、国会関係予算でございます。  これは先ほどからほとんど各党とも一致しておると思いますが、国会法三十二条によりますと、「両議院の経費は、独立して、国の予算にこれを計上しなければならない。」この趣旨によりますと、衆議院予算国会が独自に作成して内閣に請求し、内閣はこれを当然認めるというシステムであるはずでありますから、これを定着させるべきであります。つまり、丸のみすべきであります。  二番目として、議員活動に要する経費、例えば立法スタッフの充実であるとか、先ほどから話がありました秘書等の人的な増員、並びに実態に沿ったいろいろな面での公的支出拡充、こういうものを協議する機関を議長のもとに設置してやるべきではないか。具体的にはここのメンバーがなるのだろうと思いますが、こういうことを私どもは考えております。  その他、いろいろな問題がたくさんありますけれども、それは私どもにも委員がおりますので、その都度また討論の議題とさせていただくことになると思います。  以上でございます。
  12. 中西啓介

    中西委員長 ありがとうございました。  それでは次に、日本共産党の東中光雄先生にお願いをいたします。
  13. 東中光雄

    ○東中委員 日本共産党を代表して、国会改革について意見を申し上げます。  国会は、国の唯一立法機関であります。そして、憲法第六十二条によって国政調査権が保障されておるのであります。国会立法機能強化し、そして国政調査権を十分に発動させるということは、国会の活性化のためにも必要な課題だと思っております。そのために、次の点を申し上げたいと思います。  第一は、議員立法強化国会立法活動強化であります。現在では、法案審査に当たっては、議員提出法案政府提出法案の取り扱いについて、与党の行動もあって明らかに差別的な扱いがされております。これを同等に扱うことが必要だというふうに考えます。そして、議員発議権を保障するという立場から、公明党意見もございましたが、議案発議要件を再検討する必要があるのではないか。  三番目は、議員立法活動補佐する立法補佐員といいますか、そういう制度を国会を構成する会派の中に設けるということを制度化して、議員立法活動の活性化を図る。さしあたり、議員秘書、政策秘書増員を決めたことは必ず実現するということが必要ではないか。  第二番目は、国政調査権の充実であります。  証人喚問の要請あるいは記録提出の要請ということは、憲法上の権限として保障されておるわけでありますが、実際にはいろいろな国政調査案件についてそれが実行されないという状態は非常に遺憾であります。委員会は、国政調査権を発動して具体的問題について国政調査をやれば、その調査結果をちゃんと国民に報告する、そういう方向を確立しなければ、証人喚問したらそれで終わりじゃだめなんです。国政調査というのは、調査結果を議員国民に報告をするような、そういうことが必要なんじゃないか。  それから、議員要求する資料については、これはハウスの要求じゃなくてメンバーですね、メンバーの方の議員要求する資料についても政府は提出するという制度的保障が必要なのではないかというふうに考えています。  それから、議院証言法の尋問中の撮影禁止、告発要件の三分の一を三分の二に強化したことがありますが、これは国政調査を制約するものであるから、こういうことは直ちにやめるべきであるというふうに考えております。それから、常任委員会審議については、国政調査を専門にやる法案審議でないものを週一回は必ずやるということを実行すべきではないか、かように考えております。  第三番目は、国会の立法、国政調査補佐機関の充実強化の問題であります。  先ほどお話がありましたが、常任委員会調査室衆議院法制局、国立国会図書館立法考査局等の一層の充実が必要である。それから、常任委員会調査室への行政官庁等からの安易な出向あるいは横滑りということがやられておりますけれども、これは、そういう行政関係の出張所のようなことになったのでは、全く立法機関としてのかなえの軽重が問われるわけですから、そういう点をはっきり区別をさせて、場合によっては専門的調査員、弁護士とか税理士とか、そういうものも含めて調査員にしていくということが必要なのではないか、こういうふうに思っております。  次は、国会運営についてであります。運営のあり方につきましては、一九八〇年代に入ってから、国会の正規の機関での協議とは別に、国会の構成会派である日本共産党を排除した形での与野党国会対策委員長会談と称されるものとか、定数協とか税制協など、一部与野党会派による密室協議で、国会運営全体にかかわる事項についての話し合いが行われ、その結論を国会の正規の機関に事実上押しつけるといういわゆる国対政治が行われております。協議の経過及びその結論は協議参加者以外には明らかにされません。国民から見て全くわかりにくい国会という批判が出ておるところであります。各党とも国対政治を廃止するというふうな政策、与党自民党でも出された方がありますけれども、こういう運営は改めるべきである、国対政治は廃止する、国会運営の現状にかんがみて、私たちは改革を強く求めるものであります。  それから国会運営については、本会議審議運営についてと委員会審議運営についての問題がありますが、本会議運営につきましては、重要案件についての趣旨説明質疑が、少数会派は時間の制限はあるとしても、やはりできるだけ重要案件ということであればできるような保障をするようにしていただきたいということであります。  それから委員会運営についてでありますが、先ほど社会党発言にもございましたが、法案審議について、この法案審議は二時間コースあるいは四時間コースというふうなことを決めてその審議をやられる、これは全く審議を形骸化するし、審議内容いかんにかかわらず与党の押しつけという格好になってしまって、私たち小会派にとってみれば、この法案は十三分しか質問時間がない、繰り上げて十五分にする、こういうことは一体何たることだ、憤りを感じておるわけでありまして、そういう点での審議権というものを十分保障するということであります。引き延ばしのための審議なんということは、これはその質疑をしている人の責任で処理されるべきものであって、時間で重要問題についての質疑をしない、時間が過ぎてしまえばそれでしまいだというふうな審議は、これはもう審議を形骸化する自殺行為だというふうに考えております。  それから、討論の申し出があってもそれを許さないということが最近非常に起こっております。我が党だけが反対という案件のあるときに反対討論の申し入れをする、そうすると理事会の話し合いにより御遠慮願うことにいたしました、こんな理不尽なことが会議録に残るのですね。私は、日本の国会は何たることだというふうにむしろ憤りを感じております。運営についてそういうふうに思っております。  それから、国会審議公開を実現すべきであるというふうに思います。詳細については後で申し上げます。
  14. 中西啓介

    中西委員長 次に、民社党の伊藤英成先生、お願いいたします。
  15. 伊藤英成

    ○伊藤(英)委員 私は、民社党を代表いたしまして国会改革に関し、まず基本的な考え方を述べたいと思います。  我が国のGNPは、今や世界の一六%強を占めるに至っております。日本がくしゃみをすれば世界の多くの国が風邪を引くという強大な経済大国になっております。国際社会とのかかわり合いが指摘をされ、国際的な我が国の責務が議論されて久しいわけでありますが、一たび国内の政治システムを考察いたしますと、旧態依然としており、胸を張って国会の使命を全うしているとは決して言えない状況にあります。世界の平和と福祉国家を実現するためには、何としても国会改革を実現しなければなりません。  私は、国会が国際情勢や時代の要請に的確に対応し、その使命を果たすためには、次のような視点が重要である、このように考えます。  第一は、国民にとって政治が見えるようになっているかどうか、すなわち、その透明性の確保ということであります。近年、政治への無関心層がふえてきておりますが、俗に国対政治、密室政治と言われている国会の現状がその最大の要因であります。国民には、国会での論議や政策の決定過程がわからないからであります。そのためには、委員会等国会審議公開原則、このことはもちろんのこと、テレビやラジオの中継システムの整備を図り、国民に広く公開することであります。今私たちはその準備を一部やっておりますけれども、本件については、これから一層拡充をしていくことが必要であると考えます。  さらに、国民の知る権利の確保も重要であります。我が国では、先ほど述べた密室政治や行政の厚い壁に阻まれて、一般国民の知る権利は保障されているとは言えません。この権利を確保するためには、これをバックアップするマスコミ等の報道機関に対する取材の公平性を確保する必要もあります。テレビや新聞中心で雑誌等は制限をされていると言ってもいいと思います。私は、原則としてすべてのマスコミに対し、公平、平等に活動できるようにすべきであると考えます。さらに、情報公開法の制定や国会国政調査権の充実強化という基本的なシステムを構築することが重要であります。  第二は、国際化、情報化という時代背景に合致したシステムをつくることであります。タイムリーな立法を実現するためには、国会運営の近代化、合理化をあわせて推進する必要があります。  そのためには、まず国会情報を国内外にわかるように提供する機関として国会情報センター、これは仮称でありますが、私は、この国会情報センターの設置を提案いたします。そして国会での会議録や、審議を行っているビデオ等を保存し、海外や地方でもセンターの資料をオンラインで見たり、プリントアウトできるようなシステムにすべきであると考えます。  また、運用面では、本会議委員会定例日を廃止または弾力的に運用すべきであると考えます。そして審議の時間を十分に確保できるようにすべきであると考えます。既に同僚の委員からも話がありましたけれども、少数政党意見にもっと真剣に耳を傾ける必要があると考えます。本会議において、重要案件についてはすべての会派が質疑を行うことができるようにするとともに、採決に当たっては、押しボタン投票方式の導入を提案をいたします。  第三は、国民ニーズが多様化している社会背景に合致したシステムにすることであります。特に、現在の委員会は縦割り行政の弊害をもろに国会に持ち込み、結果として国民の多様なニーズを酌み取ったり、多様な国民の利害を調整できるようになっておりません。そのためには常任委員会は、国会運営上不可欠なものを除き、例えば生活環境委員会あるいは国民生活委員会、経済産業委員会といったような、総合的な観点から個別利益や省庁間の利害を調整できる委員会とすべきであると考えます。また、法案作成段階において、国民意見を聴取し、その意見を反映させるようにするなど、現在の公聴会制度を形式的なものから実体のあるものに改革をすべきであると考えます。また、極めて軽視されている現在の請願審査についても、その充実を図る必要があります。  第四は、国会審議の活性化を図るシステムに改革することであります。審議の活性化は議会制民主主義の原点でありますし、これを図れなくして国会改革は実現できないと考えます。その審議を活性化するためには、いろいろな提案がされなければなりません。そのためには、まず議員立法発議や修正案の発議要件を大幅に緩和することであります。また、議員立法を提出するためにも議員個人のスタッフ体制を大幅に強化し、その裏づけとしての大幅な予算措置を講ずることが必要であります。さらに、審議を活発にし、議事運営をスムーズに運ぶためにも、円卓会議形式や審議のディスカッション方式の導入を図るべきであると思います。  以上四点の視点から私なりの意見を述べてきましたけれども、最後にもう一つ提案をさせていただきたいのです。  それは、既に大臣政務次官の話について意見も出ておりますが、私は、大臣政務次官を正大臣と副大臣という制度に変更したらいかがかと考えます。もちろんその際には、それにふさわしい人が副大臣になることが必要であります。現在の制度では、本会議委員会開催に当たっての制約、委員会をまたがる際の大臣出席の制約などさまざまな制約が存在し、それが国会審議の活性化の妨げになっていたり、時代背景、社会背景などに国会が対応できない大きな要因となっております。いわば、大臣が二人できて、必要な委員会に分担して一出席できるようにすれば、問題がかなり解決できるのではないか。すなわち、各委員会に他の省庁大臣または副大臣出席でき、委員会審議充実がかなり図れることになるわけであります。  以上をもちまして基本的な意見表明とさせていただきまして、配付資料を御参照いただくとともに、細部並びに他の事項についてはディスカッションの場で述べたいと思います。
  16. 中西啓介

    中西委員長 これにて各党の御意見の表明は一応終了したわけでございます。
  17. 中西啓介

    中西委員長 これより自由討議に入っていただくわけでございますが、討議は、国会改革に関して、まず本会議審議運営について、それから委員会審議運営について、三番目に公的支出拡充について、そして四番目に国政調査権の充実強化についてをテーマに自由討議を行って小ただきます。また、最後に、それ以外のテーマについても御発言をいただいても結構でございます。  なお、討議の際は、議事整理のために、発言は、先ほども申し上げましたが、挙手をしていただきます。私が御指名をさせていただいて、その場で御起立をいただき御発言を願う。一回の発言時間は三分以内にとりあえずまとめていただきます。一回だけじゃなくて、機会均等というか極めて公平に運営を心がけてまいりますので、どうぞよろしく御協力のほどをお願い申し上げます。  それでは、まず本会議審議運営について討議を打っていきたいと思いますので、御意見のある方は挙手をお願いいたします。
  18. 浅野勝人

    ○浅野委員 本会議審議運営をどのように改革したらよいか。与謝野理事発言と重複しますが、趣旨説明と採決の方法に絞って口火を切らさせていただきます。  趣旨説明についてですが、今私たちは、帝国議会の本会議中心主義から委員会中心制へ切りかえて、委員会審査を重視しています。したがいまして、国会法五十六条は、議案が提出されたら議長は直ちに所管委員会付託し、委員会審査が終わるのを待って初めて本会議の議題とすることを基本原則にしています。  同時に、五十六条の二は、本会議での趣旨説明の制度を設けていますが、元来、これは委員会への付託とはかかわりなく実施するのが現行法の精神だったようです。ところが、昭和三十年ごろから、趣旨説明が必要な議案は、まず本会議質疑をした後でなければ委員会付託しないという今日のような慣行となって、付託原則が崩れてしまいました。ですから、議案をつるしたままにしておくことは、厳密に言えば国会法五十六条の趣旨に反していると言えなくもないことになります。本会議趣旨説明が本来の意味合いから離れて、議案委員会審査の邪魔になるような慣行はこの際改めて、委員会中心主義の原点に戻る必要を感じます。これはつるしやまくらに対する疑問に与野党が共通して答える道でもあります。  もう一つの、採決の方法ですが、異議なしと起立て決着のつくケースは問題ありません。後日、議員一人一人の投票行動が会議録に公表される記名投票、つまり堂々めぐりはいかにも時間のむだです。ハイテク時代でもありますから、自分の席で賛否の選択ができるようなコンピューターシステムを導入したらよいと思います。これまで押しボタン式と言われて議論されてきた方式です。ただ、堂々めぐりは、我が国の議会制度の中の伝統的なスタイルとして捨てがたいものがあります。幸い、内閣総理大臣の指名や議長、副議長選挙などのように固有名詞を書く選挙がありますので、それに限って堂々めぐりを残したらよいと思います。  今、PKO法案をめぐって生々しい状況にありますので、この議論はしにくい環境にあります。したがって、抵抗の手段をあらかじめ封じておくというような与野党対決の側面から議論したら成り立たない話であります。そもそも牛歩は、片山哲内閣当時の野党、自由党の大野伴睦幹事長が編み出した審議引き延ばし戦術だそうでして、自由民主党がいつまでも与党でいると限ったことではありません。形式は合理的に、勝負は内容でというのが、公開と討論により国民のために利害を調整する議会政治の特質を生かしていくための特効薬ではないかと考えます。  以上でちょうど三分でございます。
  19. 小岩井清

    ○小岩井委員 本会議審議運営についてでありますが、ちょうど今私が発言をしようと考えていたことと反対の御意見がありましたものですから、それから意見を申し述べたいと思います。  国権最高機関立法府だということでありまして、そういう面では議員立法を重視していく、そういう観点でありますけれども、まず最初に、国権最高機関である立法府国会審議をしている状況が国民の前に開かれたものにしなければならない。本会議公開であります、委員会原則非公開でありますから、当然本会議での趣旨説明、それに対する質疑というのは国民の前に開かれたものとしてやっていかなければならない。したがって、合理的な面ばかり強調して委員会でやるということになれば、国民の目をふさぐ、こういうことになるということでありまして、今の御意見には賛成いたしかねます。ということで、特に重要法案に関しては、本会議趣旨説明並びに質疑を行うということについては、従来どおりやるべきだというふうに思います。  あわせて、議員立法が軽視をされているということで、これは重視をする、議員立法についての本会議趣旨説明質疑についても、これは重視して取り上げていく必要があるだろう。あわせて、議員立法は、本会議趣旨説明をし、それから質疑を受ける段階において、ひな壇、これは大臣席ということになっているということでありますけれども大臣席とはどこにも書いてないわけでありますから、当然提案者席、答弁者席としてひな壇から趣旨説明並びに答弁をする、そういうことについてとり行うべきだというふうに申し上げておきたいというふうに思います。  あわせて、ひな壇については、本来、帝国議会の遺物でありまして、そういう面では、ひな壇は廃止をして、文字どおり立法府行政府が対等の立場で国政の中で議論をしていく、そういう形をとるべきだということをつけ加えておきたいと思います。  以上です。
  20. 平田米男

    ○平田(米)委員 今お二人の方がお述べになったわけでございまして、それは、御意見はそれぞれの立場でおっしゃられたと思うのですが、本会議における趣旨説明及びそれに対する質疑討論というのは一体何のためにあるのかということを明確にしなくちゃいけないのではないかというふうに思います。小岩井先生は、国民に開かれた趣旨だというふうにおっしゃいました。浅野先生は、委員会審議充実させるためである、これは両方とも必要なわけでございまして、両方ともおっしゃっていることは間違っていないわけでございますが、しかし、結論が違うというのはいかがなものかというふうに思うのですね。ここが我々、ただ意見を言いっ放して自分たちの立場を言っているだけであっては、それこそ委員会が何のためにあるのかという意味がなくなるわけでございまして、それぞれもっとそこを詰めなければ、本来の正しい国会のあり方が結論として導かれるものではないのではないかというふうに思います。  私自身の考えといたしましては、私は、趣旨説明はどんどんやるべきだというふうに思います。やはり本会議場で議論をするということはいいことだろうと思うのですね。ですから、それは制限をするべきではないと思うのです。同時に、浅野委員がおっしゃられるように、委員会審議というのはもっと充実をしなければならないわけで、趣旨説明がなければ全然委員会審議ができないというのもおかしな話ではないかと思うのです。これは私は、党の見解とはちょっと違うのかもしれませんけれども、そのように思います。  ですから、委員会審議が始まったらもう本会議で討論をやらないとか、総理大臣に対して質問をさせないというような、そういう慣行もやめるべきなのであって、委員会でやって、必要になれば本会議でやったっていいではないか。こういうもっとフレキシブルな、今までの慣行を破るようなやり方を考えるべきである。私は、お二人がおっしゃった、国民に開かれた国会、そして委員会審議充実、この両方をしっかり実現する手段というものを、我々は知恵を絞ってやらなければならないのではないかというふうに思います。  それから、採決の方法につきましては、私、党議拘束という観点から、今の記名投票というのはどうなのかなというふうに思います。政治学者が言っておりますが、特に自民党さんの場合は、党の力で当選してくるのではないにもかかわらず党議拘束が非常に強い、こういう御指摘がございます。そういう意味で、私は、記名投票ではなくて、だれが賛成投票をしたのか、反対票を投じたのかわからないような形でボタンを押して投票ができれば、もっと自己の良心に従った、党議拘束されない投票行動、議員としての責任を持った行動ができるのではないかというふうに思います。  それからもう一つ、時間がオーバーするかもしれませんが、ひな壇の問題について申し上げたいと思います。  これは明治憲法における超然内閣のスタイルをそのままとっているわけでございまして、与謝野理事から御説明がありましたが、私は、全然説得力のない御説明だというふうに思います。イギリス議会のように、政権党と野党との間に対立をした形での討論の場、それが先ほど趣旨説明あるいはそれに対する質疑充実という観点からもぜひとも必要である、こんなふうに思いますので、ひな壇は解消してイギリス方式に改革をすべきである、このように思います。  以上でございます。
  21. 筒井信隆

    ○筒井委員 先ほどから、委員会即時付託と押しボタン式投票というのが出されておりますけれども、これは本会議審議をますます形骸化する結果になる、そういうふうに思いますので、強く反対でございます。ただ、手続は合理的、効率的にやって、勝負は内容でやる、こういう態度に関しては賛成でございます。それをどういうふうな形で実現できるかが問題だと思っております。今は、どちらかというと、やはり手続面の、日程上の争いが前面に出てしまって、内容的な問題での争いが前面に出ていない。これが非常に大きな問題だろうと思うのです。それを逆に、法案が出たら委員会に即時付託して、それで戻ってきたら押しボタン式でやる。手続の争いさえなくなってしまって、もちろん内容の争いは全くなくなってしまう。これは本会議をますます形骸化させてしまうことになると思うのです。だから、今それをやることが求められていない。  効率の面とかなんかと言えば、今は社公民の法案賛成率は九六%ですから、物すごく日本の国会法案成立率も高いし、効率も非常に高いわけでございまして、これをますます進めるなんといったら、国会法案の生産工場的な感じになってしまう。問題は、いかに内容的な審議を本会議でやるか、形骸化をどうやって防ぐか、これが問題なんでございまして、そのための提案が全く政権政党たる自民党から出されてこないことに非常に不満がありまして、あるいは、自民党はますます本会議を形骸化させて、ますます生産工場化させてしまうことが目的ではないかとさえ感ずるような、そういう中身でございます。  やはり本会議での審議を本当に内容的なもの、勝負を内容でやるという形にいかに持っていくか。そのためには幾つかの政党プランが出されておりますが、まず少なくとも再質問ができるという、これはできるはずだそうでございまして、それをもっとはっきり確立して、再質問に対して再答弁して、そして再々質問する。一定の時間的な制約はもちろんあるでしょうけれども、そういう形を繰り返すことによって、単なる文章読み上げではない、その場で自分の頭で考えて質問して、その場で大臣とか総理大臣も自分の頭で考えて答弁をする、こういうことをやることによって、ある程度内容的な争い、勝負に持っていくことができるのではないかというふうに思っております。
  22. 中西啓介

    中西委員長 なかなか皆さん、大変共鳴するというか、見識のある御発言をいただいておるわけでございますが、この本会議のジャンルについて、ほかに御発言はございませんか。
  23. 浅野勝人

    ○浅野委員 先ほど説明にちょっと誤解があるようですから、趣旨説明をやめてしまおうと言っているのではなくて、国会法にどう書いてあるかということは問題ではありませんけれども、今の精神というのは、議案が出てきたら、趣旨説明をするかしないかという問題とは別に、まず委員会付託する、その原則がおかしくなっているということを申し上げているので、委員会付託した後でも趣旨説明は、昭和三十年前まではたびたび論議をしていたようでありますから、そこのところは、趣旨説明はやめちゃおうと言っているのではないということの誤解はいただかぬようにしておいていただいて、それはゆっくり、例えば本会議でも提案者と質疑者の間でやりとりのやれるようなシステムをむしろ考えて、時間をかけていくべきだ、そういう意味であります。
  24. 岡田克也

    ○岡田(克)委員 今いろいろ御議論されております本会議における質疑充実ということですが、これは委員会にも共通する問題だと思いますが、再質問という問題のほかに、大臣ないしは政務次官の反論といいますか、逆質問といいますか、そういう問題があると思います。参議院予算委員会におきます連合の委員と官房長官の議論というのは記憶に新しいところでありますけれども、やはり大臣であれば当然に反論する、あるいは再質問する、そういう中で議論が始まっていくわけでありますから、今の取り扱いがどうなっているか、私承知いたしませんけれども、当然のこととしてこれを認めるべきである、こう思っております。
  25. 伊藤英成

    ○伊藤(英)委員 先ほど私が述べましたことに補足と、その中で触れなかったことについてちょっと申し上げたいのですが、趣旨説明の問題については先ほど申し上げたとおりであります。  それから、押しボタン方式の問題でありますが、さっき筒井先生が言われた件について言えば、審議の中身を十分にするということと採決をどういうふうにするかということとは別の問題と考えなければならぬと私は思いますし、採決は、国民の多くの人たちも今の国会の状況について、何であんなことをやっているのだろうかというふうに思う人は多いと私は思うんですね。そこのところは、合理化できるところは合理化すればいいという意味で、押しボタン方式を導入すべきだと私は申し上げたわけであります。  それから、ひな壇の話について私、先ほど申し上げなかったのですが、この問題については、これは行政府上位であった戦前の遺物そのままだと思っております。したがって、この問題については、ひな壇は解消することが望ましい、これは私どももそう思っております。  以上です。
  26. 野呂昭彦

    ○野呂委員 今の本会議のことでありますけれども、それぞれの議案につきまして、本来的には、その合理化をしていくためには、法案そのものの入り口よりも出口をもっと重視すべきではないかな。すなわち私は、委員会中心主義をとっておる委員会での実質の審議のあり方、これをやはり充実をするということ、これは非常に大事なことだと思います。あるいは、さっきありましたように、議員立法のあり方等についても、やはりそれぞれ国民の代表として出ておる議員発議して出してくる案件、これをもっと重視をしなければならない、そういうことについては、私は、やはりもっともっと充実強化をすべきであろうというふうに思います。  しかし、やはり大事なのは、そこで出された意見につきまして、それぞれの立場から、各党により、あるいは各議員により賛成、反対があるわけであります。そういう意味では、出口のところの議論をしっかりする。私は、出口、最終的には本会議でやはり決めるわけでありますから、そこのところで、例えば先ほど反対討論等についての御意見もありましたが、そういったものを各党がもっと明確にしていく。そういう意味で、出口のところの議論をしっかり本会議で押さえながら、私は、入り口についてはやはりすぐに委員会付託をしていくという方式でいいのではないか。今政府提案が多いわけでありますけれども野党皆さん議員立法をどんどん出すということになりまして、その入り口の趣旨説明で、今は政府が出しにくいけれども議員立法がまた出しにくい、そのこともおかしなことになるのではないか、そういう意味で出口をやはりしっかりする、そこに本会議の機能をまた重視をしていく、そのことが大事ではないかと思います。
  27. 森井忠良

    ○森井委員 私ども趣旨説明を求めている法案というのは全部じゃないのですね。八十本から九十本くらい出される法案の中でせいぜい十数本、これは国民にとっても、それから議論をする国会議員にとっても極めて重要だというものについてのみ趣旨説明要求をしているわけですから、お互い議員としてどこに問題があるのか、どういう背景で出されたのか、そういった中身の議論を全議員の前で一応議論する。そうしますと、これは国民にとっても、そうか、これはそういう意味で非常に重要な中身を持っているんだなということがわかってもらえますし、当然議論は、本会議公開でありますから、その意味では今一定の機能を果たしておると私は思うわけでございまして、出された法案をすべて委員会付託をするというのはいかがなものかというふうに考えます。  それから、採決の方法で、押しボタンにしたらどうかというのが意見として出されておるわけでありますけれども、これは、しょっちゅう記名投票をやっているわけではないのですね。せいぜい一国会で多くても二、三回、例えば総予算の採決など重要なものについて記名投票を求めておるわけでありまして、それ以外は、御存じのとおり全会一致ならもう異議なしてそのまま決まっておるわけでありますし、それから一部の党が反対をする場合は、起立採決でやっておるわけでありまして、何ら不便はない。  特に私どもが記名投票を求めておるのは、そういった総予算の問題か極めて重要な法案の採決に当たって記名投票を求めておるわけでございまして、これは言うならば、我が国国会の古きよき伝統にもなっておるわけでございます。ですから、これを捨てるということは断じて許すことはできない。たまたま記名投票で時間のかかるときがございますが、これは何もかも数の論理で押しボタンですぱっと決めるというのではなくて、時にはやはり少数党としての権利を行使をさせていただきませんと、数で決まってしまうのならもう議論の余地がなしということになるわけでありますから、その意味ではやはり押しボタンは反対でございまして、時として記名投票はあり得る、民主主義は時間がかかることもあるわけですから、そのことを特に申し上げておきたいと思います。
  28. 東中光雄

    ○東中委員 この問題についての我が党の態度だけ申し上げたいと思います。  国会法五十六条で委員会中心主義になっておるのはそのとおりでありますが、五十六条の二は、それを議院運営委員会において必要と認めたとき、重要な案件と認めたときは本会議でやる、こういうふうになっておるわけですから、現在の制度は非常に合理的な制度だと思います。重要案件については本会議で十分審議をやる。それは昨年の政治改革関連三法について徹底した本会議質疑をやりました。これは、非常に質疑国民の前で尽くされたその結果としてああいう結論が出ました。私は、そういうふうに堂々と審議をやっていくということが国会の使命だと思っておりますから、重要案件については、大会派だけでなくて、小会派はもういかぬというのじゃなくて、そこも保障するというような方法をとっていくべきだというふうに考えております。  押しボタン方式につきましては、これは表決の態度の問題じゃないんですね。賛成か反対かということだけだったら、記名投票とか挙手採決とかということを分ける必要もないわけですから、年に何回あるか、そういう重要案件についての慎重な記名投票をという方式を、ただそれを時間短縮してさっとやっていく、合理化するためにということで押しボタン方式などというのは、これはもう議事手続を単に仕事のように考えている、全く実情に合わない主張だというふうに考えます。
  29. 筒井信隆

    ○筒井委員 先ほど会議での逆質問という提案もなされましたが、これは基本的にはそういう方向を考えていいんじゃないかと私は思います。  ただ、この前、田邊委員長がそういうことに対して批判をしたのは、これが現制度、現慣例下においてそういうことを突然やられるから批判をしたわけでして、本当に論議がなされる形でならば、逆質問という形も当然この検討の対象になると思うのです。ただ、逆質問ばかりやることによって制限時間を全部それで逃げてしまおうという、そういう動きは当然出てくる可能性がありますから、逆質問をしてそれに対して答弁する際には、これはその制限時間外のものとして扱う、そういう制約にならないようなことを考えなければいかぬと思います。  それと、先ほど手続とか何かで、効率の問題ではない、今は手続の方が前面に出ているときにかえって押しボタンとか何かでやった場合に、逆になおさら形骸化すると主張いたしました。今まさにそうだと思うので、今問題なのは、さらに効率化するという問題ではなくて、いかに内容的な審議をするかという問題だと思うのです。しかし、効率性を完全に否定するわけではなくて、内容的な審議を本当にやって、そういう再質問とか何かやって、それが完全に定着したときにいろいろな効率的なものはその時点で考える、それはいいと思うのです。だからそれは段階的に考えるべきであって、今現在必要なのは何かといったら、効率をさらに強める方の問題ではなくて、内容的な審議をいかに充実するかという方が問題なんだという趣旨先ほど申し上げたわけであります。
  30. 山下八洲夫

    ○山下(八)委員 先ほど野呂先生の方から、本会議の入り口論と出口論の出口論を大切にした方がいいのではないかというようなお話があったわけですが、私は全く逆でございまして、逆に入り口の方を大切にすべきではないかなというふうに思うわけです。それはなぜかといいますと、すべて立法しました法律というのは、すべての国会議員責任を持たなくてはならないというのが一つございます。  それと同時に、通常国会で申し上げますと、大ざっぱに毎回百本近い法律案が出てくる。これは私だけではないと思うのですが、このすべての百本の法律について、内容というのはなかなか自分自身理解ができないという面があるわけです。そうしますと、本当の姿で申し上げますと、本会議は、そのすべての法律をすべての国会議員、五百十二名の国会議員に、こういう法律ですよという趣旨説明をする場であると思うのです。それに対しまして、それぞれの考えの中から、それぞれの立場から、これはこういう問題点がある、こういういい面があるということは共通に理解できるわけでございます。  その上に立ちまして、最近で申し上げますと、私も畑違いでわからない法律で、かなりあの趣旨説明がきっかけで理解をし、また関心を示すという法律も出てくるわけですね。そんなことを考えていきますと、例えば金融制度でありますとかあるいは拠点都市法なんかがいい例だったと思うわけでございます。  そのようにいろいろな面で自分自身も関心を高める、そのことによってまた深く法律を知っていく、その中でまた責任が大きくなっていくということでございますから、本来の姿からいえば、すべての法律趣旨説明を求めるというのを原則としたいわけでございますが、これも時間的、物理的ないろいろな問題がありますから、先ほどからお話に出ておりますように、その中の重要なものについては積極的に趣旨説明を求めていく、このことはやはり大切な姿じゃないか、そこからスタートをしていってよりよい内容の法律を仕上げていくというふうに考えますので、発言をさせていただきました。
  31. 小岩井清

    ○小岩井委員 先ほど発言と重複しない内容で意見を申し上げたいと思います。  逆質問の問題でありますけれども、実は今独占禁止法の委員会審議が行われておりまして、商工委員会審議をされております。本会議趣旨説明とあわせて、社会党護憲共同案の対案についての趣旨説明質疑をいたしたわけでありますけれども、この逆質問という面からいけば、政府案に対する質問、それに関係大臣答弁、それから社会党護憲共同案に対する質問答弁という形になるわけでありますけれども、これは当然議員立法として提案をしているわけでありまして、国会の本会議審議を活性化をする、形骸化をさせない、そういう面では、例えばそういう場での逆質問の必要性というのはあるだろうというふうに思うのです。  それから、さらに逆質問の必要性だけではなくて、対案として出しているわけでありますから、当然与党として質問があるべきだというふうに思うのです。これは内容に賛同いただければ別でありますけれども質問ということがあるべきだと思うのです。質問をしないで大変な御声援をいただいたわけでありますけれども、そういうことではなくて、質問をしてそして活性化をしていく、そういうことに私はしていくべきだと思う。それが国民に開かれた、しかも国会立法府として生き生きとしたものにするだろう、こういうふうに思うわけであります。  以上です。
  32. 貝沼次郎

    貝沼委員 ちょっと誤解があるといげませんので、一言。  さっき公明党の平田委員から押しボタンの話がありましたけれども、正式には我が党の立場は「押しボタン式投票制度を検討するのは結構だが、導入は時期尚早である」これが正式のものであります。なかなか願達な議論をしておりますので、あれですが……。  押しボタンの問題は、私は、押しボタンがいいか、それともこういう札を持っていくのがいいかという議論は余り実りがないと思うのです。これは結局、押しボタンというのは何か瞬間的に決まるようなイメージがある。しかし、イメージだけであって、例えばその押しボタンの押し方はどうするかということを、決めようによっては一日かかって押したっていいわけですから、これは余り意味がないのです。したがって、先ほどから話がありますように、要するにこういうぎりぎりの問題が起こるのはもう極めてまれなのですから、それはむしろ各党間の話し合い、そういうものをもっともっと強化して、そしてスムーズにいくようにしていくことが国民にこたえる道なのであって、制度が変わればすぐ何とか納得のいく方向になるのだということは私は考えられない。  それから、もう一つ趣旨説明の件ですけれども、これも皆さんのおっしゃることはみんな理屈があるわけですが、問題は、審議を深めるということとそれから運営をするということが絡んでくるからややこしくなってくるのでありまして、その辺のところをきちんと整理すれば、これはもう本当に徹底的に、もめるならしっかりもめればいいし、それからさらにきちんと、例えば今の異議なしなんというのは物すごく早く決めていくわけでありますから、こういうところは、審議運営やり方というところをきちんと立て分けて話し合いをしていけばかなり整理されるのではないか、それこそ議運の仕事ではないのか、こういうふうに私は思っております。
  33. 中西啓介

    中西委員長 ほかに本会議審議運営について……。  それぞれの立場からすればまたむべなるかなという御意見であったと思いますし、また、非常に傾聴に値する御意見も多々ございました。議運こそ議会運営の最高の責任者と言ってもいい立場で、そこに私たちは今おるわけです。各党それぞれ真っ向から意見の違う部分もございますし、直ちに意見集約をして結論を出すということは至難のわざだと思いますが、金丸先生がよく、政治はだれのためにあるのだ、国家国民のためにあるのだという演説を必ずまくら言葉に使われるわけですが、だとすれば、その国民のために国会もあるわけですから、どうも私自身客観的に、冷静に見ても余り、信頼されている、そう高い水準にあるようには思えないのですね。かなり信頼度は落ちている。それは結局わかりにくいとか、さっき伊藤さんが言われたけれども、何をやっているんだというような部分だとか、親しみももう一つ持てないとか、無数にあると思うのですね。  だから、そういう国会にしていくためには、全く白紙の状態でこれから国会をつくっていくんだみたいなところから考えると、またおもしろい意見も出てくるのかなというように私も考えておるわけでございます。とりあえずこういう御意見を活発に山さしていただいて今議論を願っているわけでありますが、大変私は意義のあることだと思います。きょう一回限りでこの会議を終わってしまうわけでもありませんので、また別の形で、また別の機会にこの問題に限定していろいろと意見を積み重ねていって、この間阿部先生からも、言いっ放し、つくりっ放しというのでは意味がない、せっかくつくり、せっかく議論をするわけだから何とか意見集約をして、遠い険しい道のりであるけれども、一歩一歩進んで終着駅に到達できるように努力してくれ、こういう貴重な御提言もございましたので、姿勢としてはそういう姿勢で今後進んでまいりたいと思っております。  きょうは四つのテーマがありますので、時間の関係もございますから、とりあえず本会議審議運営についての意見はこれで打ち切らしていただきまして、次に、委員会審議運営のジャンルについての活発な御討議を願いたいと思います。
  34. 石井智

    ○石井(智)委員 建設委員会でこの間、都市計画法の社会党の対案を出したわけですけれども、その中でやはり、今逆質問お話もありましたけれども、こういうことで委員会をどう充実させるかという立場に立って、私は、その体験の中からどうすればいいのかという思いを今見つけ出しがたい状態であります。  この間の建設委員会審議では、政府案に対していろいろ議論がされました。対案に対する質疑もされたわけですけれども、自民党の質問というのは冒頭三十分質問されただけで、あと委員長の交代要員の理事さんだけがお見えになるという状態の委員会が続いたわけであります。そういう点で、対案も出ている中でこの都市計画法そのものをどうしようか、本当に中身がどうなのかという議論をしようという姿勢がまず見られない。それを見られない状態というのか、そういう形で委員会に参画をしても意味のない委員会なのかというところが、今一番大きな問題点ではないかなというふうに思うわけであります。  その三十分の自民党を代表された質問の方の視点というのは、社会党提案をしておるその法案の中身と同じ疑問、そういうことを求める立場からの質問点が主であったと私は思っておりますが、それに対して政府委員答弁は少しかけ離れたままで、時間がないのでという形で終わっております。そういうことからいくと、本当の法案の中身を、そして現状の国土の状態、日本の国政という立場からの議論を本気でできる状態の委員会であるのか。いかに早く時間を切り詰めて野党の時間を早く消化をさせて切り上げようかというための委員会でしかやはり現実はなっていないのではないか、こういう思いがしてならないわけであります。  そういう点で、やはり大臣もお決まりの文章を読まれるだけで、大臣政府委員のお顔を見てしか発言ができない状態でもありますし、政府委員そのものが、その法案を何が何でもというのか、理解を得るか得ないか知らぬけれども、早く上げてくださいよという工作だけに走り回っておる姿でしかない。こういう状態で、本当に委員会そのものが、国政を預かる立場から真摯な議論をして、国民責任を持って私たちが決めましたという状態の法案になるのかどうかというところに非常に疑問を持って、非常にがっかりもしてお少ます。  そういう点で、国民から信託を受けた立場から堂々と、ではあなたの御意見をお聞かせください、じゃあこうしようという、こういう議論があって、お互いの気持ちの中からお互いが責任を持った立場で結論を出し得るような委員会審議ができる形を見つけ出す以外にないのではないか。今やはり製造工場になってしまっていて、時間の消化機関にしかなっていない姿は、これはどこの委員会でも同じ姿ではないのか。このことがやはり立法府みずからが権利を消失しているというのか、放棄している姿ではないのか。そのことがやはり国民国会に対する不信であり、国会に期待を持たない、行政に対する陳情合戦に進んでいく姿ではないのか。こういう点での内容の改革をぜひ実現をしたいなという思いでいっぱいでございます。
  35. 野田実

    ○野田(実)委員 このテーマは非常に多岐にわたると思いますので、私は、委員会そのもの、委員会の構成の仕方そのものについて御提案といいますか、意見を述べさせていただきたいと思います。  必ずしも自民党全体の合意された意見ではございません。私は、これだけボーダーレスの時代になっておりますので、今の委員会そのものが役所の上にくっついたような委員会になっておりますのは非常に問題があるのではないか。むしろもう少し幅広く、この前の都市計画法でも各省にわたりますし、あるいは老人問題、外国労働力の問題、いろいろ夜問題、厚生委員会と労働委員会に分けましたけれども、逆にくっついていた方がよかったんじゃないかというぐらいの気持ちも持っておりまして、そういう意味で幅広く議論できた方が与党も野党も両方いいんじゃないかなと個人的に思っております。自民党の御了解を小ただいておりませんが、そういうふうに思っております。そのためにはどうしたらいいかなということを常々考えてまいりました。そこで、法案がまず多過ぎるんじゃないか。政府の方から出しできます法案をもう少し厳選して少なくしたら、もっと密の議論ができるのじゃないかということでございます。したがって、そのためにはある程度行政府に細かいことは移した方がいいと思っています。本当に立法府議論すべきことを大局的に議論できるようにした方がいいのではないかというように思っております。そこで、そういうやり方をしながら、あるいは議員立法を少しふやしていった方がいいんじゃないかというようなことを考えておりまして、そういうことをすることによって委員会をもう少し幅広い委員会にしまして、そこで与野党とも十分議論できるような委員会のあり方を考えていただけないだろうかという提案でございます。  それで、今の委員会をどうするかということになりますと、これは現実に、それじゃ特別委員会をつくったらいいじゃないかとか、あるいは連合審査をもっとやればいいじゃないかという議論になるかもしれませんけれども、やはりもう少し委員会のあり方を、文化、学術を一つにするとか、あるいはいろんな委員会やり方があると思いますので、ぜひお考えをいただきたい。  そこで、付随する話でございますけれども、やはり余り長くその委員会に所属するということも与野党ともお互いにやめた方がいいんじゃないか、これは余計な話でありますけれども。私なんかも役人をしていまして、いつもこの先生のところへばっかり行くというケースが多うございました。これは与党だけじゃございません。ぜひ野党賛成をしていただきまして、族議員をつくらない、そういう方が行政府に対して立法府が優位に立てるんじゃないかなと考えております。これは野党皆さんに御賛同いただいて、こっちの方は黙っておられますが、提案でございますので議論の種にしていただきたいと思います。
  36. 中西啓介

    中西委員長 なかなか一省庁ではもう対応できない時代に入った、環境問題なんか考えてもそうですね。環境庁だけではとてもとても。大変意義のある御提言ありがとうございました。
  37. 小岩井清

    ○小岩井委員 委員会中心主義にすべきだというお話先ほどありました。それについては原則的に異議はないわけですけれども、それには委員会中心主義にふさわしい委員会運営をしなくちゃいけない。先ほど我が党の代表から問題提起いたしましたけれども、ほとんど成立要件を満たしていない、ほとんどというか全部満たしていないと言ってもいいんじゃないかと思うのですね。成立要件を満たしている委員会というのは、予算委員会テレビが入ったときだけ。というのは、これは国民の目をごまかしていることになるわけですよ。ですから、そういう国会運営のあり方をしてはいけない。したがって、これは、成立要件を満たす、それを満たさなければ委員会を開会できないという申し合わせを議運ですべきだと思うのです、ということが第一点です。  というのは、本会議趣旨説明も少なくして委員会中心主義にすべきだということになると、しかも委員会にほとんど出ていませんから、質問する人しかその議案の内容がわからないことになるのですね。国政に参画をしていながら何が内容として通ったのか、みんなわからないというような状況が出てくる。こういうことは大変国会議員としてまずいと思いますから、ぜひ定足数を満たすということでやっていただきたいと思います。  それから、委員会審議でありますけれども大臣政務次官でもいいのですけれども、これは重要な答弁でございますから政府委員をして答弁いたさせます、これはどこか狂っているんじゃないかと思うのですよ。ということで、これはぜひ、まず責任を持って大臣答弁する。しかも、重要な問題でありますから政府委員をして答弁させるということは、みずからの能力を抜てきしたことになるわけでありますから、そういう発言だけはしないようにしてもらいたいと思うのです。  それと、政府案に対する対案を出した場合の扱いなんですけれども、従来、ほとんど審議をしないで採決もしない、政府案が通れば、それで政府案だけが可決をされて本会議にかけられる。これはどうしても改めてもらわなければ立法府としての、しかも議員立法を活発に行っていくということにつながらない。私は予算委員なんですけれども、商工委員会に差しかえで今独禁法で出ておりますが、これは今、政府案と社会党護憲共同案と同時並行審議をやっておるわけですね。私は二つの党の方に我が党案の答弁をいたしましたけれども、今これは出口が決まらないで大変なんですよ、採決しないと言っているのですから。議員立法で採決をしないという、これはどこで慣行をつくられたのか知らないのだけれども……(「慣行はない」と呼ぶ者あり)慣行はないわけでしょう。ですから、議員立法の採決をするべきだ、これも議運の申し合わせをしてもらいたい、こういうふうに思うのです。そういう慣行があるのであれば改めるにはばかることなかれで、慣行がないならなおさら採決をすべきだ、そういうことで委員会運営を行うべきだというふうに思います。  以上です。
  38. 増子輝彦

    ○増子委員 今、大臣答弁につきまして若干話が出ましたので、また、各党からも比較的多く大臣出席政務次官答弁等について話がございましたので、私の意見をちょっと申し上げたいと思います。  まず、大臣が重要な答弁だと言うのは日本人独特の美徳だと思いますので、重要な問題は大臣がちゃんと答弁していると私は認識をいたしております。実は各党の御意見を伺いますと、基本的には各党とも審議促進、委員会充実ということについては、これは皆さん共通の考え方であるということで大変結構なことでありますし、そうすべきだと思っているわけでございます。その中で促進やら充実ということになりますと、当然大臣出席あるいは答弁ということになってくるわけでございますが、先ほども我が党からも話がございましたとおり、やはり各委員会にまたがるときには、どうしても大臣出席ということが限定されるというケースが一つあるわけでございます。  加えて、実は最近、国際社会における日本の立場というものが大変重要性を増してまいりまして、大臣の海外出張というものが非常に多くなっできたという事実も皆様方には御認識がいただけると思うのです。例えば、ちなみに平成に入ってからの大臣の海外出張等を参考までに申し上げますと、総理は平成に入って十六回、外務大臣が四十四回、大蔵が二十二回、農水が八回、通商産業が二十五回、運輸が十回、経企庁が十回、科学技術庁が八回、環境庁が十二回。実はこれだけ海外出張ということも多くなってまいりますと、今後ますます日本の国際社会における役割というのは重要なものになってくると思いますので、当然出席回数もより増加してくるものと思われるわけでございます。  先ほど実は、委員会でのとり合いと、あるいはそれに対応して促進をするのだという場合に、ではその答弁大臣だけに限らずに政務次官という話が当然出てまいりまして、これは実は私、各党から、政務次官ではだめだ、政務次官ではそれについては納得できないという話が出るのかなと思っておりましたら、比較的皆様方から政務次官にというような話も出たと理解をいたしております。特に、民社党さんから正大臣、副大臣ということでございますが、今の政務次官、それぞれ副大臣、むしろ正大臣以上の意識を持ちながら研さんを積んでいると思いますので、十分対処できると思います。  ちなみに、私は運輸委員会に所属いたしておりますが、先般、政務次官大臣にかわりまして答弁に立ちました。実は、見事な答弁でございまして、大臣にまさるとも劣らないというような状況でございましたので、今の政務次官全員それに十分こたえることのできる立派な副大臣ということで私は認識をいたしております。これはもう各党ともほぼ共通の認識でございますから、これこそまさしく、この問題については早く推進できるのではないか、そういうふうに認識をいたしておりますので、政務次官にも積極的に大臣のかわりに答弁出席ということで進めていくべきであろうというふうに思っているわけであります。  と同時に、政府委員でありますけれども、これは実は大変数が限られておりまして、一委員会それぞれ非常に少ないということもありますが、政府委員にも十分なる答弁をいただくと同時に、説明員の話が若干出ましたけれども社会党さんの方から、専門家ではないのだ、議員立法については政府委員と同じようなそれなりの見識を持つものだということでございますが、これは当然そうだと思います。そういう意味では、政府委員あるいは説明員等についても、これは審議促進、委員会充実ということにおいては積極的に活用すべきであるというふうに私は認識をいたしておりますので、その辺でひとつ各党とも積極的にこの問題を進めていっていただきたいと思うわけでございます。  以上でございます。
  39. 中西啓介

    中西委員長 国際的見地から一の御意見でありました。ありがとうございました。
  40. 奥田幹生

    ○奥田(幹)委員 委員会運営について、いろいろの御意見がいろいろな角度から出ておりますが、委員会を、現行のままでいいのか、あるいは公開に切りかえるべきかという角度から私は意見を申し上げたいのです。  与謝野理事が申し上げましたように、委員会運営国民に開かれた運営にしたいという立場が我が党の基本的な考え方でありますから、この際、やはり委員会公開とする。この公開でありますけれども、中身は、会議録の処理と傍聴人をどうするかということに要約されるのではないかと思っております。  会議録の処理、これは公開は非常に簡単にできるわけでありますけれども、傍聴人につきましては、委員会室のスペースが非常に限られておる。十一から十八委員会室につきましてはあれだけの傍聴人のスペースがあるが、これでも満足じゃない。ましてや本館に至りましては非常に窮屈で、公開要件を満たそうとしますと、全部この大きな建物をそっくりやり返さなければいかぬ。これは非常に不可能でありますから、今の建物、委員会室の中で公開をどういうように貫くかということについて非常に神経を使わなければならぬと思うのです。  私どもは、そういう制約の中で、こういうようにすれば公開の制度が貫けるのではなかろうかというような一応のまとめをいたしまして、そして事務局に提出をいたしております。この問題について、先刻も理事野党の先生方、ちょっと御意見が出ておったようでございますので、どうぞ、そういう点についての考え方を、議論をしていただくのも結構でありますけれども、まとめて事務局に出していただいて、代表がそれぞれ成文化、固めていくというような手順をとっていただいたらどうかなということを申し上げさせていただきます。
  41. 中西啓介

    中西委員長 奥田さん、この問題は、もちろん国会改革の重要な一環なんですけれども、今まで議運の理事会というか議会制度協議会、これで重点的にずっと議論をして相当詰まってきております。これはまた別途その場で詰めて終結を宣言したいと思っておりますので、きょうはそれはちょっとひとつ別の問題として位置づけていただければありがたいと思います。
  42. 前田正

    ○前田(正)委員 私は、この委員会の中でも特にひとつ予算委員会について申し上げたいのです。  私も、初めて当選をさせていただいて国会の中に入らせていただいて、随分国会というところは非能率的だなということをつくづく感じたわけであります。例えば、予算委員会は御承知のとおり国の予算を決める大変重要な審議場所であるわけでありまして、もちろん総括質問と一般質問と二つに分けられるわけであります。総括質問は約五日間、また一般質問も約五日間でありますが、そのとき、先ほどもいろいろなお話がありましたけれども、その総括質問は、総理を含める全大臣出席の要請がございます。  もちろん、当然そうすべきであろうと思いますが、五日間全大臣をとられてしまいますと、ほかの委員会が全くそれによって開かれないということになるわけでございますのできればその総括質問の場合にも、関係要求大臣のみに出席をいただければほかの委員会も開かれる、審議が非常にスムーズに行われるのではないかというふうな気がいたします。ただ、テレビ中継というものがあるわけでございましで、それぞれ各党を代表した方々質問をする際に、テレビのときぐらいには全大臣に御出席をいただいても、テレビが入らぬときにはそれぞれ要求大臣ぐらいでもいいのではないかというふうな感じがいたすわけであります。  それからまた、もちろん予算審議の中でストップをするときがたまにございます。ストップをいたしましたら、ほかの関係のない委員会までが全員が審議に応じないという、そういう不合理なことが行われるわけでありますが、もちろん予算委員会の中の審議がストップをすることは、それはいいのですが、できれば関係のないほかの委員会はやはり当然国会議員として審議を進めるべきだというふうに思っておるわけであります。こういうことが起こらないようにひとつ国会改革をお願いできればありがたいというふうに思っております。  それからもう一つは、各委員会での我々自民党の発言でありますが、やはり委員会を活性化させるためにも、自民党に対する時間の割り当てというものもほかの野党の先生方と同等に、等分にいただいて、その中で我々も大いにいただいて、やってもらいたいというのが、これは私の意見であります。これはどうもいろいろと審議を早く進めるために、我々は、自民党に提案をする場合には、自民党の部会でいろいろとして審議をするわけであります。しかし、もちろんそれも大事でありますけれども、当然ながらやはり我々にも発言時間というものをいただいて、ともに野党皆さん方と一緒に質問をスムーズにやっていくということが開かれた委員会であり、活性化した委員会であろうと私は思っておるわけでございまして、どうぞぜひひとつそういうことをお願い申し上げたいというふうに思っております。
  43. 鳩山由紀夫

    ○鳩山(由)委員 委員会審議運営の話と本会議運営の話とは、実はこれは相当絡んでいる話だと思います。先ほど野呂先生が出口論重視という話をされました。私もそのように思っておる一人であるのですが、そんな立場から委員会の話をさせていただきたいと思います。  一般に、日本人は入り口を大変に厳しくして出口というものを余り気にしない。それは学校一つ見ればよくわかるものでありまして、また、先ほど予算委員会の話がありましたが、予算委員会は重視されていますが決算委員会はどうも余り重視されていない。どちらかというと、本来決算委員会を重視しなければならないような気がしておりますが、決算委員会に対して重きが置かれていないということをまず指摘させていただかなければなりません。  要するに、テレビとかあるいは小説とか、そういったものでも、結末がまずわかっている物語というものを最初から見る気はしないものでありまして、これがまさに本会議にしろ委員会にしろ形骸化されている大きな原因じゃないか。ですから私は、そこの部分先ほど内容というお話をされましたけれども、まさに内容の問題であって、いかにして内容を充実させるかということに誠心誠意、これから心を配っていかなければならないのじゃないか。その意味においても、私は入り口以上に出口というものを大切にしなければならない。  その一つの私の提案としては、これは自民党に怒られる話なのかもしれませんが、これは党自身の問題かもしれませんが、クロスボーティングを許すべきだというふうに思います。党議拘束がきつ過ぎるから、入り口に入る前にすべて出口を決めてしまう、出口を決めてから入り口に入るような話であるから、委員会というものは全く形骸化されて、おっしゃるとおりだれも出席をするつもりがなくなる。我々としても、ある意味では採決要員のつもりになってしまったり、それこそ委員会を続けさせるために最低何人いなげればならぬかというぐらいで出席をするのは、まことに情けない話だと真剣に思います。そんな意味で、議論を活性化させるという意味においても、自民党の中であるいは野党の中でもそれぞれクロスボーティングを許して、ですから、結論が委員会によって変わるということすらあり得るのだということも考えていかなければならないのじゃないかというふうに私は思っております。  委員会自身のあり方は、ですからそんな流れをきちっとつかんで初めて、自民党に三十分ではない、あるいは時々は全く質問しないことも多いわけでありますが、自民党が質問することに初めて意味が出てくる、出席することに大いに意味が出てくるのじゃないかというふうに思います。  またあわせて、これも怒られる話かもしれませんが、審議を開始する前に国対の中で法案議案自身が変えられてしまうということもかつてあるわけで、その部分に対して本来ならば議運が、この場がそのような場でなければならないのじゃないか、あるいは委員会がその場にならなければいけないのじゃないか。そういった意味では、国対というもの自身の存在を私は認めないわけではありませんが、もう一回検討する必要があるだろうし、逆と言えば、国対を国会の中の公的なきちんとした機関に格上げするという必要があるのかもしれません。そのような努力を積み重ねて初めて、自民党の質問時間とかそういう内容の部分の意味が出てくるのだろうというふうに私は思います。
  44. 中谷元

    中谷委員 先ほど委員会に出てこないというふうなお話もありましたけれども、これは物理的な原因がありまして、やはり予算委員会等の都合で多くの委員会が同時に開催されるということで、どうしてもかけ持ち出席ということになりますと、それなりに聞きたくても聞けないというのが現状でありますから、委員会日程の設定につきましても改善の余地があるのじゃないかと思います。  それから、委員会の内容ですけれども、今各党が時間をとって質問しているわけですけれども、これを聞いていますと、何か質問者のための時間、質問者と政府のための時間ということで、我々が関心があることでも、そこにいるうちに自然に関心も薄れてしまう。まして差しかえ要員になるとなおさらというふうなことでありますから、きょうの議運の委員会のようにそれぞれのテーマごとに、その質問が各政党それぞれ同じような内容の質問もあるわけですけれども、テーマごとに設定されますと、さらに奥に進んで深みのある議論ができるわけでありますので、NHKの日曜日の朝の討論会とか各民放のパネルディスカッションなんかでも行われているように、コーデイネーターなり司会者なりを指名して、各テーマごとに各政党議論を述べ合うというふうな、突っ込んだ、深みのある委員会運営にしていただきたいというふうに考えております。
  45. 伊藤英成

    ○伊藤(英)委員 手短に二点だけ。  まず第一点は、さっきも決算の話が出ましたけれども、私は、今決算書の国会審議というのは、極めて問題ではないかと思っております。今のこの通常国会でかかっている審議というのは、平成元年度の決算です。一般国民から見ても、平成元年度の決算をこの国会審議中というのはいかにも問題だというふうに思いますので、それはぜひ改善を図るようにお互い努力をしてやりたいと思います。  それからもう一点は、証人喚問についての議院証言法の改正を行って、これはぜひテレビカメラの取材ができるようにすべきである、こういうふうに思います。
  46. 中西啓介

    中西委員長 それでは、とりあえず暫時休憩をいたしまして、午後一時から再開させていただきます。     午後零時一分休憩      ――――◇―――――     午後一時二分開議
  47. 中西啓介

    中西委員長 休憩前に引き続いて午後の部をこれから開かせていただきます。  午前中に引き続いて、委員会審議運営について御意見ございましたらお述べください。
  48. 筒井信隆

    ○筒井委員 委員会出席者が非常に少ないとかいう話もたくさん出ておりましたが、なぜそうなってくるのか。一つ理由として私が思うには、まず法案をつくるのが、もちろん国会の前につくられるわけですが、自民党の各部会で官僚との間でも打ち合わせをして、国会の以前にがちがちにコンクリートされてもうでき上がってしまう。あと国会に出したら、与党としてはそれを一日でも早く国会を通過させよう、野党はそれを一日でも遅く通過させようとする。そういう点で日程上の争い、手続上の争いだけになってしまっているから、あとはもう一定の時間を消化して、なるべく短い時間で消化して採決をする。そこでは委員会審議なんておもしみみも何もないし、委員会審議の積み重ね、討論の積み重ねによっていろいろな法案の修正とか何かが決まっていくということもなくなってしまうわけですから、当然おもしろみもなくなってくる、それが形骸化の中身だろうと思うのです。  たまに修正されるときがありますが、それは一日も早く通過させるために力関係上修正するというふうなことがなされていて、議論の積み重ねによって修正するわけではない。これを改革しなければならないと思うわけですが、しかし非常に難しい。与党にがちがちにコンクリートする前に国会に出せと言ったところで、なかなか難しいだろうと思うのです。  一つの案として、私たち一年生議員同士超党派でいろいろ論議しているものとしては、例えば法案作成される前に、審議会に諮問されたりあるいは答申が出た段階とか、つまり法案作成前の段階で、委員会委員の三分の一以上の要求があれば事前討議をする、事前審査をする。そして、それについてある程度意見が一致したならば、委員会としての意見表明の決議を出す。それはもちろん、政府に対して、内閣に対して拘束力をつけなくてもよろしいですけれども、最大限それを尊重しなければいかぬというふうな制度にする。そのことによって、国会はがちがちにコンクリートされてからの法案しか審議しないという状態に少しでも風穴をあけるべきではないかというふうに思うわけでございまして、事前審査制度あるいは意見表明の制度、これをぜひ導入をしていただきたい。  それからもう一つ。そういう形でがちがちにコンクリートされてきた法案審議されるわけですが、その法案審議の場合に、審議の積み重ねによって修正とか何かして調整をして、そして全政党合意するのが一番理想的ですけれども、そうでない場合でも、ではどういうのが国会の役割が、委員会の役割がということを考えた場合に、国民に対して争点を明確にするのが国会の役割だと思うのです。どの点とどの点が対立しているんだ、自民党と社会党はこういう点の意見の対立があるんだということを国民に明確に示すことがやはり国会の役割だろうと思うのです。  だからそのためには、今社会党は、先ほどから小岩井さんも言っておられますように対案をいっぱい出しているわけですけれども、この対案を政府法案と、内閣法案と同等に取り扱ってほしい。これを明確に確立をしてほしい。実際、数で決まりますから、野党法案は、それが通過する可能性は余りないということでやや軽視されている。実際考えると、軽視されるのもやむを得ないのかもしれませんけれども、そういう争点を明確に国民に示すという国会の役割からいえば、やはり同等に扱う、並行して審議する、採決しないなんというのは慣例にしないで、たとえ野党の方は負けたとしても、採決してはっきりこれは国会を通りませんでしたということを国民に示すという手続をやっていただきたい。それと、最後ですが、野党がそういう十分な対案を出すためには、与党の方は官僚との密接な連携がありますから非常に有利だと思うのです。野党の方はその点がない。その点をつくることによって、その点でも対等な力を与えることによって、対案を出すことを逆に強制してほしい。  先ほどから出ておりますけれども、立法事務費の増額等の話がありますが、立法事務費は、これはある意味で増額というよりも野党により割り増しで渡す。例えばイギリスのシャドーキャビネットの場合、野党に対してだけそういう金を渡していますし、ヨーロッパの場合には二割五分くらいですか、割り増しの支給をされているようなんで、やはり野党に対して、そういう対案を出したりなんかするための割り増し支給もぜひ考えてほしい。  そして、立法調査等の国政調査権ですが、今事実上は、委員会全体の決議がなければまあ発動されない。議員個人の国政調査権といったところで、なかなか官僚の皆さんはちゃんとしたものを出してくれない。これを会派としての国政調査権を認める。例えば委員会で三分の一以上の要求があった場合に、一定の国政調査権の発動の具体的な事例を決める。証人喚問とか何かの場合には、確かに過半数の賛成がなければいかぬかもしれませんけれども、三分の一以上の要求があった場合に、常任委員会委員長調査室に対して、例えば阿部さんのところに行って調書をつくってこいというそういう命令をして、調書を調査室がつくって、それを委員会に報告する。だから、三分の一の少数会派の国政調査権の場合には、直接的なものではなくて、例えば調査室を通じた間接的な国政調査権を認めるとか、それが対案をより出しやすくする一つ方法だろう。  そういう意味では、あらゆる意味で野党に対しても、金の点でも、それから制度の点でも、政府法案と同等の中身のものをつくれるようなそういう制度をつくることによって、より対案を出すことを強制して争点を明確に国民に示す、そういう役割を果たすべきだというふうに思います。
  49. 中西啓介

    中西委員長 公的支出国政調査権にまで触れられての委員会審議運営充実についての今の御意見だったわけです。
  50. 平田米男

    ○平田(米)委員 そもそも国会とは何なのかというところから私たちは考えなければいけないのではないかと思うのですが、今の国会のあり方、特に委員会のあり方は、政府提出の法案を、悪い言葉で言えば、翼賛するといいますか承認をするというだけでございまして、国会というのは国権最高機関であり立法機関であるということで、本来は、内閣にも法案提出権というのはありますけれども国会が、国会議員そのものが法案を提出するのが主でなければならないのであって、政府は従として法案提出権を持っている。これはまさに本末転倒しているのが現状なわけで、その現状を容認した上で国会改革をやるのか、委員会のあり方について改革をするのか、その根本のところを直してしまうのかどうかということを我々はまず決めなければいけないんじゃないかと思うのですね。  今の議論をずっと午前中から伺っておりまして、やはりいろいろな意見の相違点は、現状をそのまま容認して、現状をまず少し改善をしようかという考え方の方と、またそうではなくて、もっと根本的なところから変えなければいけないのではないかというお考えの方と、そこで意見がすれ違っているのではないかというふうに思うのです。  私は、やはり憲法に従って国会が立法権をきちっと行使できる地位を回復しなければいけないというふうに思います。細かい方策についてはいろいろあるかと思うのですが、入り口論、出口論というのもございました。私は、両方とも大事だと思います。  まず、入り口論としては、議員個々がもっと法案を提出したいと思うのです。私も、党内でもいろいろ法案をつくってきたつもりでございますが、そもそも党内を通るのが大変でございまして、一人でもやらせていただきたい、こういうふうに思のですね。アメリカ議会はそうなっておるわけでございまして、私は、議員にそれだけの資格を与えていいのではないかと思います。  そして、今度は出口の問題でございますが、出口をどうするかというのは、しっかり議論をするということだと思うのです。今の委員会というのは、大臣を呼ぶ、あるいは政府委員を呼ぶ、あるいは課長クラスの説明員を呼んで話を聞く、質問をする。本来、議員同士が議論をして、政府が出してきた案あるいは議員が出してきた案のどこに欠点があるんだろうか、このままでいいんだろうか、現状の問題点でこの法案で十分なんだろうか、こういう議論委員同士がしなければ、本来の審議にならないというふうに思うのですね。大臣を呼べとかなんとかという議論がありますが、その前に議員同士が一つ法案を、問題点を挙げて論点を皆さんに示して、この点について議論をしましょうという、まさにきょうの委員会のような形の、一つ一つ法案あるいはその時代に合った問題点について委員長から、今回はこういう問題について皆さん意見交換をしたいと思いますがどうでしょうかと、こういうフリートーキングをするような委員会が主体にならなければいけないんじゃないか、その議論の結果として法案というものができ上がったりするのではないかというふうに思います。  ドイツ議会を聞きましたところ、法案は与党に提出をされないでそのままぽんと委員会に出てしまうそうです。そして委員会で与野党の、ここは秘密会らしいのですが、話し合いをされて、大幅な修正をされて、しかも期間は、会期不継続の原則というのはないそうでございまして、半年、一年あるいは一年半ぐらいかかって、そしてでき上がるというのです。これがやはり議員として議員冥利に尽きる仕事をさせていただいているという感じがするわけでございまして、今の出席問題につきましても、そのような根本的な改革をしない限り、小手先のことでは変わらないのではないか、そういうふうに思います。
  51. 岡田克也

    ○岡田(克)委員 今の筒井先生、平田先生の御意見に対しまして、私もおおむね同じような意見を申し上げたいと思うのですが、よく支持者の皆さんから、国会というのは見ていても全然おもしろくもないし、一体何をやっているんですか、こういうことを言われるわけであります。午前中の石井先生のお話にもありましたが、出ている本人が大体よくわからないわけでありますから、見ている国民がわからないのも当たり前でありまして、例えば、私は厚生委員でありますが、老人保健制度の改正の問題につきましても、この前の国会でいろいろ御審議いただいたわけでありますが、審議の方は、予算との関係で、将来の日本の老人保健制度はどういうふうにあるべきかという議論は余りなくて、言葉は悪いのですが、枝葉末節の議論が多かったような気がいたします。聞いていて余りおもしろくなかった。しかし、いつの間にか別のところで議論されていまして、一日四百円を八百円にするというのがいつの間にか六百円にするということで案がぽんと出てきた。委員である我々も、どういうプロセスでそうなったのかよくわからない、そういうことであります。  本来ならば、もっと日本の将来を考えて、いかなる老人保健制度がいいのかということを国会の場で堂々と議論をし、審議を尽くすべきであったのではないか、こういう気がするわけでございます。もちろんそのために、先ほど来出ております議員立法というのも一つの重要な手段だと思います。  それからもう一つは、私は、実は余り立法ということにこだわらなくてもいいのではないかという気がしておりまして、憲法上、国会国権最高機関であり、唯一立法機関であると書いてありますが、国権最高機関ということが私は非常に重要だと思います。立法をするということはそのための一つの手段でありますので、むしろ国権最高機関として国の政策を国会議論する中で決めていく、そこが一番重要ではないかと思うわけでございます。  議員間の自由な議論の中で国の政策の根本が決まっていく、その結果として立法化されていく、こういうことだろうと思います。議員間の自由な議論の中で国の根本の政策が決まっていくということを考えた場合に、午前中の鳩山先生の御意見で、党議拘束を外したらどうか、こういう話が出てまいりました。これも一つの非常に重要なお考えだと思います。  ただ、日本の場合には議院内閣制をとっておりますので、私は、これには根本的に限界があるだろうと思っておりまして、そういうことをいろいろ考えできますと、先ほど筒井先生が言われましたように、何も国が法律案を出してくるのを待っている必要はないわけでありますから、一基本的な問題については議員間でどんどん議論をして、そして逆に政府に対してこういう立法をしろということで突きつけていく、それが本来の国会の役割ではないか、そういう気がいたします。  先ほどの老人保健制度について言えば、国が法律改正を出してくる前に、我が国として老人保健制度がどうあるべきかということを議論して、こういう方向で法改正をして、こういうことを厚生省に宿題として出していけばいいわけであります。そういった形での自由な討議というものが私は一番必要ではないかと思っております。
  52. 森井忠良

    ○森井委員 順不同で申し上げますが、一つは、委員長の配分の問題です。ようやく議運の段階で話し合いが進みまして、野党にも常任委員長を配分するという形になりました。ただ、正確なドントではまだないのですね。はっきり言いますと、まだ与党さんの方が議員の比率からいけぽ委員長の配分が多く行っておるわけでありまして、完全なドントをお願いしたい、また要求したいと思っております。  私どもの党でも常任委員長を配分してもらいまして、今委員会運営責任を持ってやっておるわけでありますけれども、むしろ野党委員長になった方が、委員会の進行を見ておりますと、かえってスムーズにいっておるのですよ。これは、自民党の委員長よりも野党委員長の方がはるかに議事のさばきもそれから委員会のまとめ方も非常によくできておるというふうに思うわけでございます。  それから、議員の経験からしても、数が少ないものですから、したがって当選九回、十回というふうな人が今委員長をやっておられるわけでございまして、これはやはり長年の経験というのがそこに生かされておると思うのです。もう一度申し上げますが、完全にドントでやってもらいたい、このことをまず申し上げておきたいと思います。  それから、しばしば出ておりますように、この際ですから明確に申し上げておきますが、定足数に達していなければ、今度は、当然のことでありますけれども委員会審議村中断をさせてもらいます。聞いておりますと、野党質問が多いわけでありますが、野党各党が非常に中身の濃い立派な質問を続けておられるのに、与党の席はぽつりぽつりでございまして、これではやはり困るわけでありますから、定足数は本日を契機にしてきっちりと守っていただきたい。もし定足数に達していなければ、直ちに委員会は中断をするという作風を確立したいというふうに思うわけでございます。  それから、先ほど筒井委員からも出ておりましたけれども、衆法と閣法が同時に議題に上って審議が進んだ場合、具体的にこの国会で申し上げますと、今商工委員会で独禁法の改正案の審議が続いております。これは政府の閣法と、それから私ども社会党が出しております衆法があるわけでございます。内容が違いますが、審議が進みまして採決というときになって、どういうわけか野党が出しております独禁法の改正案というものは採決を渋って、どうしても政府案から採決をするという御意向が与党の方から出ておりまして、現在まだまとまっておりません。似たようなケースでは、建設委員会で、都市計画法並びに建築基準法の改正案で同じようなことがあったわけでありまして、これも政府案とそして野党案が出ておりました。  先ほど来、議員立法重視ということがありましたわけでありますけれども、これは、今までどっちから採決をするかというのは、別に先例は私はないというふうに判断をしておるわけでありますが、修正案を出しますと、原案に遠い方から順次採決をしていくわけであります。仮に政府案を、閣法を原案とすれば、やはり対案ですから、対案からまず先に採決をすべきだ、それに加えて、議員立法優先という立場からすれば、やはり議員立法から先に採決をすべきである、これは理の当然でありまして、皆さん、与党の人も反対できないと思うわけでありますが、このことをぜひ確立をしておいていただきたいというふうにこの際明確に申し上げておきたいと思います。  それから、長くなりますから最後にいたしますけれども委員会というのは何も法案審議するだけの場ではないわけですね。ここのところ、この国会もそうですけれども、見ておりますと、一般質問が非常に少ない。国会はやはり行政をチェックする機能もあるわけでありますから、そして国会議員皆さんは、国民皆さんからいろいろと要望事項等を出されるわけでありますから、その意味では、一般質問というのはやはり法案審議の合間、合間に当然これは行うべきである。そうすれば行政府との関係で常に緊張関係も生まれてくるわけでありますから、一般質問を必ず何度か行うようにこれは要望をしておきたいというふうに思うわけでございます。  以上です。
  53. 中西啓介

    中西委員長 議論を深めていただく意味で、異論、反論がございましたら遠慮なく言っていただいたらと思います。
  54. 木村義雄

    ○木村(義)委員 委員会運営とかで今一般質問の話も出たのですけれども、私は、まず自民党の方にもこれはやはり問題点があるだろうと思うのです。というのは、例えば六時間というコースの時間を決めますけれども、仮に六時間というのが合意されておるとしますと、自民党はいいときでも三十分ですな。ひどいときになるとゼロ分なんということがあって、皆さん野党にお譲りするんですよ。これは僕も、いつも委員会ではもっとよこせと言うのですけれども、どうしても今までは偉い方々、自民党の先輩の方々野党方々に敬意を表してお譲りしていた経緯がある、こういうことでありまして……(「放棄しているんだ」と呼ぶ者あり)いや、放棄していた方もおるので、それはもうまことにけしからぬ。私はできるだけふやしてくれ、こう言って、ふやしますと、その分をまた偉い人がとっちゃって若い人がなかなか発言できないというような面があるのですね。これからは自民党も大いに質問をさせていただきたいな、こう思っておるのです。  特に、一般質問においてはまさしくそれが現状でございまして、普通の法律のときには多少やるのですけれども、一般質問では時間が圧倒的に少な過ぎるわけでございますので、野党皆さんが六時間とったら、ドント式もありますけれども、同じ六時間ぐらいはこちらもやらせていただきたいな、かように思っているようなわけでございます。  そして、その中で必ず出るのが今言った議員立法の話なんですけれども議員立法も、必ず私どもの方へ自民党の部会等から言われるのは、野党がもうこれでのんでいるからおまえら反対しないでのんでくれ、こういうような、何か与野党なれ合いの場に議員立法が使われているような傾向がありますので、これはもちろんそれぞれのお立場があっていろいろな御意見があると思いますけれども、どうも納得がいかない。  ここは、本当に立法府の権威を示す意味でも議員立法は、閣法はどちらかというと精査な、激密な積み重ねの上で出てきたというような錯覚を持っている、議員立法は、どうも閣法でできないような多少問題点があるのを何か議員立法でごまかして、与野党が裏で話し合ってか表で話し合ってか知りませんけれども、通してしまうというような傾向が今までは余りにもあり過ぎたのです。何か議員立法議員立法と言っている方々を見ると、私はちょっと、迷う少し今までめ議員立法をしっかりともう一回見直していただいて、本当に議員立法を堂々と国民皆さんに提出できるようなものにしていただきたいと思うので、今後野党の方も、変ななれ合いの、ちょっと失礼なあれがありますけれども、これからはやはりお互いにちゃんと議論をして、閣法以上に立派な衆法を出していただきたいと思うわけでございます。
  55. 東中光雄

    ○東中委員 委員会審議運営について二点だけ申し上げたいと思います。  委員会審議での発言時間の保障の問題でありますが、先ほども申し上げましたが、法案審査全体を通じて二時間コースなどということで、一人五分なんというような制限をしてみたり、討論を御遠慮願いますと言って封殺したりしてしまう、これはもう国会の自殺行為であります。私たちが質疑をし、あるいは発言をするということについては、衆議院規則六十八条ではっきりと書いてあります。これは当然のことだと思うのです。「委員長は、委員会に諮り質疑、討論その他の発言につき、時間を制限することができる。 予め時間を制限する場合は、各委員に対して均等にしなければならない。」と書いてあるのですね。制限することができるのであって、禁止をすることができない。それから、あらかじめやる場合には、発言者について均等でなければいかぬ。だから、発言要求者に対して均等でなければいかぬのでありますから、討論を御遠慮願いますということは多数決で決められないのです。あれはもう暴挙なんですね、私たちはいつも暴挙と言っておりますけれども。あるいは暴力と言ってもいいくらいです。言論の暴力です。そして発言を封ずる。これは国会として許されるべきことではない。私は、あれが記録に残るのは、後世の人が考えたら、これはもう本当に何ということだということになると前も思っていましたし、一貫して思っております。これは正すべきだということであります。  それから、発言要求者について均等にする、だから発言要求者が多かった場合は、次の日、次の具こういう格好になっていくのであって、そうしないと、二時間と決めておいて、三十人委員会だから、そして委員一人しかおらぬのだから三十分の一や、こういうのは非論理的ですよ。国会審議の場だというのだったら、国会審議を活性化させようというのだったら、これは法律に従ってやるべきだ。このことはぜひ改めなければいけない重要な問題だというふうに思っております。  それからもう一つは、請願の審査お話でございます。これは御承知のように、憲法十六条による国民の請願権は憲法上の権利として保障されておるわけですから、それが出されたら、会期末ということじゃなくて――これは本当に憲法の体系からいっても、議会制民主主義という点からいっても、国民の請願権尊重という点からいっても非常に異常な状態です。だから、少なくとも月一回ぐらいは請願について担当委員会で請願者あるいは紹介者がその趣旨説明して審議をする、採択すべきものは採択しなければいかぬということをこれはぜひやるべきじゃないか。日本の国会国会たるゆえんを示すためにもぜひこんなことはやるべきではないかというふうに思います。  その他いろいろありますけれども、時間がありませんので、以上にいたします。
  56. 小岩井清

    ○小岩井委員 今木村先生の御発言で、誤解があるといけませんから申し上げておきたいと思います。  というのは、議員立法成立をするというのは、これは与野党一致をして議員立法成立をさしている。一その間になれ合いがあったかどうかということはあずかり知りません。ただ、最近、ゴルフ会員権問題で、一般に政府案について緻密だという、錯覚と言いましたか、与野党なれ合って合意をしているのだから通しちゃったという、そういう観点での見方というのは間違っているんじゃないかというふうに御指摘を申し上げておきたいと思います。私の申し上げているのは、与野党一致の議員立法ではなくて、これは複数の政党でやるかあるいは一つ政党でやるかは別にして、議員政府案に対して対案としてつくり上げていく、あるいは対案ではなくて新規の新しい立法化の作業をするもの、そういうものについての委員会の取り扱い方が問題だというふうに申し上げているのであります。  ですから、たびたび例に挙げて恐縮なんですけれども、今商工委員会審議をされている独占禁止法、本来、議員立法であれば、これは政府案に対する対案として出されていますから、反対の質問を受けてもいいんじゃないかという御意見がありました。それから対案として出ているとするならば、当然与党も堂々と質問をすべきだと私は思うのです。質問をいただかないのは極めて残念であります。要するに、まじめに――政府案が緻密だという、そんな幻想も錯覚も私は持っていません。むしろ議員が活発に国会議員としての任務を果たしていこうということで議員立法努力をいたしているわけでありますから、そういう偏見ということはひとつ今後避けていただきたい。そういうことで衆法についての扱いも、同等に扱って最後は採決する、それが望ましいし、そうすべきだということを申し上げたいと思います。
  57. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 実は皆さんの御意見を拝聴しながら、しみじみ感じておるのですが、私どもが想定しておったよりも非常に高い次元で、委員会というものはいかにあるべきかということが議論されておるというふうに感心をして承っておりますし、それぞれの皆さんの御意見が非常に高度なものであると同時に、あるべき姿を追求しておるという点で感心をしておるところでございます。  ただ、私ども国会改革に当たって、一つは、今の委員会運営を活性化するために、これは率直に申し上げて委員会によって違います。ある委員会では、この日は一般質問の時間、この日は法案審議する時間というふうに分けておる委員会もありますし、また定足数が足らなければ開けませんよという委員会もあります。それから話し合ってうまく修正案をつくる委員会もあります。ところが、大半の委員会先ほど議論のあるような状況であると思われます。  そこで、まず現行法令の中でやらなければならないことがやられていない。例えば、明確なのは、定足数を欠いておっても委員会を開いていくとか、あるいは大臣出席要求をしても大臣が出てこないとか、こういうのが多分にあるわけですから、その辺、現行法令の中でやらなければならないものはまずやる、これは一つきょうの皆さん意見の中から意思の合意ができるならば大事なことではないか。そして今出ておる意見は、とてもじゃないが、ここだけの意見では、言いっ放しになってしまうおそれがあると思うのです。大方の意見は、委員会を活性化する、そのためにはこういう方法もある、こういう方法もあるというふうに述べられておるように思われます。  したがって、これはひとつ委員長の方で取りまとめていただいて、議会制度協議会の中でさらにまたこの実行できるもの等々について仕分けをしながら、後日の論議に譲っていただかなければ、このまま続けておったら、エンドレスでいつまでもいってしまうおそれもあるような気もいたします。まず、現行法令でやらなければならないもの、できるものはこれをやりましょう。  二点目に、今出た委員会活性化のための多くの意見につきましては、直ちにやれるものはもちろん合意ができれば結構ですけれども、非常に難しい問題が多いように思われます。それから、申し上げたように委員会運営もそれぞれ違う点もある。  そういうことを勘案しながら、委員会がより活性化できるようにお互いも努力していかなければならないと思うのですけれども、ひとつそういうまとめでできるものはやろうじゃないか、さらに高度ないろいろな御意見について、活性化のためには、幸い議長のもとに議会制度協議会があるわけですから、私はいい意見をたくさん聞かせていただいたと思っております、そういうものを基礎にしながら、今後また話し合いをさらに続けていくということで、委員会運営についてはひとつこの辺で打ち切ったらどうだろうかという気がいたします。
  58. 中西啓介

    中西委員長 二人だけ手を挙げておられましたので……。
  59. 中谷元

    中谷委員 先ほどの定足数を欠いたまま委員会を実行するのはというふうなものについての反論です。  政党を代表されて発言されるというのは非常にいいことなんですけれども、その質問時間が二時間なり、同じ政党の方が八時間もやられますと、我々普通の小説を読んだりテレビの番組を見るにしても、二時間CMなしでぶっ続けに見ていますと、どんなおもしろい内容でも限界に達するわけでありまして、それがまして一方的な主張を持たれた方の意見ばかりだと、本音を言うと、非常に聞くにもたえないような、そういうケースもあります。やはりその点は、二時間ぶっ続けに一方的に発言するのじゃなくて、中には反論なり違う趣旨意見を踏まえて、またそれから議論がさらに発展していくというふうな、途中に新しい風のようなものも入れていくとか、テーマごとに分けて本日のように議論するとか、そういった実のあるような質問の仕方に改善をすることも一案じゃないかと思います。
  60. 野田実

    ○野田(実)委員 午前中に、委員会をもう少しぐちゃぐちゃにしたらどうかという発言をさせていただきました。なぜそんなことを発言させていただいたかという御説明を申し上げておりませんので。  時代がボーダーレスの時代に入ったということもありますけれども、私ども当選させていただいて委員会に所属させていただきまして、質疑を聞いておりますと、ほとんど与野党余り差のない、内閣の出してきました法案が多いわけです。したがいまして、ここで通りますときも、全会一致か共産党だけが反対というケースが非常に多うございます。そこで、委員会はどうしたらいいのかな、委員会に出ましてもつまらぬな、それじゃちょっと欠席しようか、本当の実態はこうなるわけであります。  どうしたらいいかなと考えておりましたら、やはり国会でございますから、行政府よりももっと高い議論をできぬだろうか。それと、各役所にまたがった問題あるいは哲学的なことを議論して、それを行政府に、これはこういう形で法案を出してきたらどうだろうというようなことの基本法のようなものを議論したらどうかなということを思っておりまして、きょうはいい機会でしたので、発言させていただいておるわけです。  そこで、一般質問とか、あるいは与野党間で協議という御提案がございました。野党の方からもございましたけれども、これはなかなかうまいこといかぬのじゃないかと思っております。私も今は建設委員会ですけれども、大蔵委員会におりましたときに、堀昌雄さんが、与野党議論しようと言ったのですが、何かないとなかなかかみ合わぬわけです。それじゃ参考人の先生を呼んできてそれから話を聞いて質問をしようというように変わってしまったのです。  議場も、分館に丸いのがございますね、そこで与野党向かい合ってやるのですけれども、この人はこっち、この人はこっちと、何か発散するわけですね。したがって、何かがみ合わないな。そうすると、どうしたらいいか。内閣の出してきた法案、各省の出してきました法案質疑応答をしているだけでは、これは野党の方も大変ですねと、いつも言うのです。というのは、きょうこの委員会で、こっちでやったら次はこの委員会、また法案が出てきたらまたやらなければいかぬでしょう、大変だなと同情しております。  それで、聞いている私たちも、また同じだからつまらぬなと、これは実感でありまして一怒らないでください、それが実感であります。したがって、これじゃつまらぬな。それじゃ一般質問してもつまらぬ、つまらぬというか、議論が煮詰まらない。そこで、何かやろうということでないとお互いに真剣にならないのではないか。そうすると、やはり基本法的なものを国会議員みずからでつくっていくようなことを考えていったらどうであろうか。それでしたら与野党とも真剣になると思うのです。  例えば一つの例を挙げますと、外国人労働力の問題をこれからどうするかという話は労働委員会でやるんでしょうが、これは法務委員会もそれから厚生委員会も文教もみんな絡むわけでございますね。だから、こういうものについて与野党とも基本的な合意がないと、これは非常に難しい。将束、二十一世紀に非常に禍根を残す問題だと思うのです。  そういうものをそれじゃ連合審査でやったらいいじゃないかという意見があるかもしれませんけれども、何かそういうことを議論できて基本的な合意法律にしなくてもいいですけれども、基本法にしなくてもいいですけれども、何か基本的な国会での合意というものができる、そういうような委員会というものがあって議論はできないだろうか。そうしましたら、それを受けて、それじゃ行政府の労働省はこういう法案を次に出します、それじゃ厚生省はこうします、文部省はこうしますというようなことにすると、今野党の方から言われましたが、皆さん出席率もよくなりまずし、大変有効な委員会に、国会になるんじゃないかな。そういうことで委員会のあり方というものを、私は、委員会組織をがちゃがちゃにしてもう一回やり直したらいいということ。  もう一つは、行政府の出してきたものに対する質疑応答、あるいはそれに対する対案を野党め方が出されてそれに質疑する。自民党は言わぬじゃないかなんやといろんな議論がありましたけれども、次元が低いと言うと言葉は悪いですが、そういうような法案審議じゃなくて、もう一つ上の基本的な政策についての議論国会でできぬだろうか。私、国会議員にならしてもらって、そういうことをやりたいな、それでしたら与野党とも一致するんじゃないかと思いますし、はるかに偉くなるんじゃないかと思っております。そういうことをこれから委員長、御検討いただければありがたいと思っています。
  61. 中西啓介

    中西委員長 まだ議題があと二つほど残っております。私自身、末尾の部分で申し上げようと思っておりましたし、さっき、冒頭ごあいさつというか発言さしていただいたときにもちょっと触れさしていただいたんですが、阿部先生から、議運の理事会でこういうことをやるのは非常に意義のあることだ、大いにやりましょう、しかし言いっ放し、またいろんなものをつくってもつくりっ放しというのでは、これも少々みっともない話ではあるね、だから、できるだけこれを有意義に集約していく方向だけは見失わないでくださいよという御指摘もいただいておりました。それはごもっともな御意見だと思います。  そこで、きょうのこの皆さんの、党に余り縛られることのない自由濶達な、本当に国会の信頼を取り戻し、威信も回復さし、わかりやすい活力のある国会を目指すためにはかくあるべきだというそれぞれ御意見であると私は承っております。これを大いに今後参考にさしていただきながら、なかなかそう短兵急には結論は出せないとは思いますが、議会制度協議会でこの皆さんの御意見を十分踏まえて、全力を挙げて今後議論をまたしていきたいと思っておりますので、そういうことを前提に今後議論を続けていただければ幸いでございます。
  62. 貝沼次郎

    貝沼委員 それじゃ、私の率直な感触でありますが、今までいろいろなすばらしい御意見がたくさん出ております。しかし、それをよく考えてみますと、各委員会理事会運営において話し合いができれば解決できる問題も相当含まれておると思います。要するに、議会制度協議会においてある法令をいじらなければ変わらないという性質のものはそうたくさんはないのではないか。議会制度協議会の場合は、むしろそちらの法改正とかいろいろな抜本的な問題の方が主になりますので、各委員会運営においてそういう建設的な意見をどんどん生かして委員会を活性化させることが大事ではないか、私はこう考えましたので、一言。
  63. 中西啓介

    中西委員長 それでは、また田舎のみこしみたいにあっち行きこっち行きしていただいても結構ですが、とりあえず委員会部分はこれで終わらしていただいて、もう残り一時間少々ですから、公的支出国政調査権その他もひっくるめてやらせていただきます。どなたか、公的支出国政調査権その他含めて、委員会部分でも結構ですよ。
  64. 筒井信隆

    ○筒井委員 それでは、公的支出とも関係するかと思いますが、国民国会審議情報をどうやって到達させるかという点の問題は極めて重要だろうと思います。今、議会制度協議会の中で国会放送センター法ですか、あれが論議されているようでございますけれども、あそこで、各委員会、本会議審議の内容をテレビ放送する、これは本当に早急にぜひ実現をしていただきたい。もちろんその場合に、編集なしで放映されることを恐らく考えておられるのだろうと思います。ただ、どこの委員会を選択するのか、それはその場その場でもって判断するんだろうと思いますが、それも公平な形でもって国民のそのときの関心の高いものを選択するということを目指されているんだろうと思いますので、それをぜひ早急にやっていただきたいことが一つ。  それから、それは映像と音声による情報公開なわけですが、文字による公開のところでは、先ほどから議事録の話も、公明党さんでしたか出ておりましたが、図表とか資料を添付するようにする。同時に、質問の際に使った資料、これも議事録にぜひ添付していただきたい。資料を見ながら、これについてこうだこうだと言っていても、その資料がなくて議事録だけだと、議事録を読んだ人が全然意味がわからない。やはり資料をすべて添付できる形の議事録を、刊行するなどしてもっと公開する。  もう一つは、あの議事録は非常に難しいものでございまして、自分がした質問だったら読めばすぐわかると思うのですが、人のした質問はなかなか読みづらいわけでございまして、あれをある程度編集して整理する。こういう対立点、こういう争点だった、これについてこの人はこういうふうな主張をしたというふうな、編集も難しいところがありますから、それを別の形のもの、国会情報センターですか、これは各党がほぼ一致しているようでございますし、そこである程度の公平性を担保しながら、わかりやすい争点の明示といいますか整理、これも検討してみる必要があるのではないかと思います。
  65. 中西啓介

    中西委員長 テレビ委員長、何か今の筒井さんの御意見について答弁ございますか。
  66. 野呂昭彦

    ○野呂委員 今テレビ国会中継のセンター法等のお話もございましたが、私どもテレビ委員会、これは各党お話しいただいて、とにかくやろうということで、前進をさせるということで作業をやっておるところでございます。今、センター法そのものは各党にお持ち帰りいただいて御検討いただく、こういうことになっておりますが、この趣旨については協議をして全党大体一致をしておることでございますので、これから院内での整備、それから国民向けにどういうふうにやっていくか、これを手順を追って着実に進めていきたい、こう思っておりますので、これは各党に御協力をいただきながらやらしていただきたいと思います。特に、委員長の指名でございますので、それだけ申し上げます。
  67. 中西啓介

    中西委員長 どうですか、総長。今の、他人の質問をわかりやすくするために若干編集を加えてみたいな案が筒井さんから出されたのですが、とっさのあれだけれども、何か答えることありますか。なければ結構でございます。
  68. 緒方信一郎

    緒方事務総長 ございません。
  69. 東中光雄

    ○東中委員 たしか常任委員会によっては、会議録摘要ということで国会ごとにテーマごとにまとめたものを出していますよ。そういうのはそれとしてある。それは会議録とは別です。それは刊行物とかいうふうなことではなくて、ロッキード事件のときなんか相当分厚いものが出ていますね。そういう仕組みになっておるし、それはそれとして現にやられておるわけですから、さらに充実するという御意見ならまことに結構だと思います。
  70. 中西啓介

    中西委員長 それは、さらにという意味でしょう。  この段階で、ちょっと速記をとめてください。     〔速記中止〕
  71. 中西啓介

    中西委員長 それでは、速記を起こしてください。
  72. 山下八洲夫

    ○山下(八)委員 会議録のところだけでちょっと絞って発言をさせていただきたいと思います。  委員会なんかで質問しておりますと、早急に会議録が欲しいという場合が多々あるわけですね。ただ、今日ではかなり時間を要するわけですね。場合によれば十日も二週間もかかる場合があるというような状況で、なかなか会議録を読みたくても読めない。だからといって、ほかの議員の方の必要な部分だけコピーをいただく、これも簡単そうでなかなか難しい作業でございますので、正直言いまして、今ワープロ時代になっておりますから、速記されたのをちょっとワープロに打ち込んでいただいて、それを場合によればフロッピーを貸していただく。その中でさあっと読んでいくということなんかも簡単にできるわけでございます。  何か聞くところによりますと、記録部の方ですか、ワープロもかなり少しずつではあるけれども入ってきているというふうなことも聞いているわけですね。これから委員会の原側公開という形でございますし、会議録も一般的にほとんど公開されるというような雰囲気になっておりますから、そういうことを考えていきますと、記録部のワープロ化をもっともっと積極的に進めていただいて、場合によれば、さしあたって、印刷に入ってしまえば原稿はなくなるというような状況というのは、フロッピーに入れておいていただけば、それをお借りしてまた自分で起こして見ることができるというようなことでありますから、そのようなことは実に簡単なことでございますし、最近、ワープロなども実に単価が安くなっておりますから、そんな膨大な経費もかかるわけでございませんので、そういうところはまず速やかにできる部分ではないかなと思いますので、また、今後の検討課題一つにしていただきたいと思います。
  73. 平田米男

    ○平田(米)委員 幾つかございますが、まず、先ほどの、議員法案を提出するという観点から、秘書をもっとふやしていただかなければならないと思うのです。三人目の秘書議論がありますが、非常に寂しい話でございまして、まず政策秘書としては、専門家とそのスタッフを入れますと十人ぐらいは欲しいなという感じが私はするわけですね。いろいろな活動をするのに、必ず車を運転していただく人も要りますし、それを秘書と言うべきかどうかは別にしまして、また事務所の雑用等をやっていただく人も要るわけでございまして、少なくとも十二、三名は、国会議員が一人本当に国民に対して責任を持った仕事ができるかどうかということになりますと、そのくらいの陣容はぜひとも必要だ、こういうふうに思います。それがなかなか三人目の秘書さえ実現できないということでは、ここでの議論がまさに無に帰してしまうような気がいたします。  当然、人数がふえれば東京の議員会館も狭うございますし、また、地元でも事務所が要るわけでございますから、その事務所の経費も国が支弁をすべきではないかというふうに私は思います。  それから、宿舎のことも言われておりますが、ある大使館員、私は大変親しい人がございまして、私は青山の宿舎に住んでおるわけでありますけれども、ちょっと案内をしたことがございます。一遍日本の国会議員がどういうところに住んでいるか見てみるといいと言いましたら、ぜひ見てみたいということで連れてまいりましたら、中まで入れなかったのですが、入り口だけ見てびっくりして、これがかの経済大国日本の国会議員が住むところでございますかという、非常に天地がひっくり返ったようなぐらい驚かれました。私自身はそう不満足ではありません。こちらは一人でございます、単身でございますので二DKでも構いませんが、本当にもう少し国会議員の待遇というのをきちっとしていただかなければ、我々も今の節風内でできることは一生懸命やっております。しかし不十分だと思います。  それからもう一つ調査室もそうでございますし、それから衆議院法制局もそうでございますが、スタッフも非常に少ないし、それからお金も少ないわけであります。私はPL法の法案作成についてこれまで仕事をさせていただいてまいりましたが、法制局にいろいろなものを調べてくださいと言いましても、予算がないとおっしゃるのですね。例えば、検索するということでコンピューターを使えるわけでありますが、検索料が決まっておりまして、むやみやたらにやるわけにはまいりません、こういうことをおっしゃられるわけであります。ですから、議員提出法案をふやすふやすといっても、この辺からきちっとしないと、今はもうあるなんというものじゃなくて格好だけあるので、内容は非常にお寒い状況にあると思います。  それから調査室につきましても、拠点都市整備法とかあるいは都市計画法の法案審議に私、関与させていただきましたが、調査室から出てくる資料というのは、法案が出てきてそれから大分たって、もう審議の直前ぐらいにやっと出てくる、こういう形になっておりまして、なかなか私たちの十分な参考資料にはなり得ない。これはさまざまな問題があって、単にスタッフをふやすだけでは対応し切れるものではないとは思いますけれども、この辺も本当にお寒いなという実感がしてなりません。この辺は一歩や二歩の前進ではなくて、予算も三倍、五倍とつけるような抜本的な改革をしないといけないのではないかというふうに感じてなりません。  以上でございます。
  74. 前田正

    ○前田(正)委員 公的支出拡充についてですが、私は初めて国会議員になって、健康保険がないというのにびっくりしたのであります。我々も生身の体でございまして、地元と行ったり来たりするのに、例えば私が病気になって寝込みますと、保険がないものですからたちまち大変なことになるということでございます。聞きましたら、ある先生はある友人の会社の役員に入ってそこの健康保険をお使いになるということもありますが、こういうことになると、また企業と議員との癒着という問題になるわけでありまして、できれば我々議員たる者の健康保険というものは、大変細かい話になりますが、公的にひとつ何とか面倒を見ていただければありがたいと思います。  それから秘書でありますが、先ほど平田先生もおっしゃいました第三秘書もありますが、私ども秘書に対してもやはり健康保険というものがないものですから、彼らもいろいろと企業に派遣をしてそこの健康保険を使わせてもらう、そういうことも一部ではやられておるそうでありますけれども、こういう秘書諸君の待遇というものも十二分に考えてやってもらえれば我々も非常に助かるということでございまして、ぜひよろしくお願いをいたします。
  75. 中西啓介

    中西委員長 お二方の御意見は基本的に極めて大切な問題であると私は個人的に考えております。
  76. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 先ほど来、何人かの方々から意見が出されておるのですけれども、公的な助成については、秘書の問題だけ考えても、まさにスタッフが足らなくてお寒い話で、これで議員立法せよという方が無理かもわかりませんし、また財政的な面から眺めても、今の国会議員の収入で秘書をそんなたくさん自分で雇えるわけがない。そういうことをずっと考えてみると、公的な助成の中で、今御承知のように立法調査費がありますし、それから文書通信交通費とかあります。また、この前、自民党のある有力な方と話をしたのですが、議員でなければ宿舎だって東京に持つ必要はないのだ、当然宿舎などというものは提供されてしかるべきじゃないか、こういう意見も出てきたくらいです。  実は私が申し上げたいのは、独立した国会予算であるにもかかわらず、これは常に行政府によって抑えられておる、ここに私は非常に問題がある。いわゆる対等の立場というものもなくなってくるし、行政府の下請みたいに、他の省庁と同じように国会予算がシーリングを受けて決められていくというような今のあり方については、これはもうどうしても現行法制上でも直さなければならない問題だと私は思うのです。  こういう点を、ひとつみんなの合意ができるならば合意に基づいて、議運のこの委員会でもって正式に、文書通信交通費なりあるいは秘書増員なり、それから立法調査費等をふやす、そのことを行政府をしてちゃんと認めさせるようなそういう形に持っていかなければ、ここで、これはこうだ、これはこうだと議論してみても、最終的にはもう行政府、とりわけ大蔵省から抑え込まれてしまう、これが今日までの経過です。  特に秘書の問題は、私はできれば、かねて各党の幹事長、書記長さんで決めた、当面一名の増員ということについては、ことしの補正予算ぐらいで処理をしてもらっていいのではないかという気がするわけです。こういう点もひとつ御論議いただいて、この次の補正予算要求なりでやっていけるように合意ができるものならばという気がしておるところでございます。
  77. 浅野勝人

    ○浅野委員 閣法をオーソライズするだけなものだから国会が形骸化してしまう、それを何とかしたいという大勢の委員方々からの発言、全く同感で、この場でまた言いっ放しで終わってしまうということが残念であります。  結構、国立国会図書館とか調査室とかというのは、そのテーマ、テーマで勉強しているすばらしい方々がおいででございまして、あれもだめ、これもだめというだけではなくて、利用しない方が悪い、やや宝の持ちぐされみたいなところがあるように思いますので、せめて現在あるものをもうちょっと機能的に組み合わせていく。それをまた将来、毎年予算の裏づけを持ちながら拡充していく。今何となくばらばらになったままになっているような気がしまして、立法作業のための補助システムを、今ある中でもうちょっと機能的に組み合わせていくとか、せめてそのあたりからスタートをすることを出発点にして、次の段階へ入っていく、そんな思いがしますので、自分は具体的な提案のつもりであります。全員で御検討いただければありがたいと思います。
  78. 中西啓介

    中西委員長 今の浅野さんの前の御意見阿部先生が締めくくりのような形で言われた公的支出の問題で、私個人、大蔵省も間違いなくそうだと思うのですが、三つに分類できると思うのです。  要するに、事務総長以下国会職員の方々、こういう方々の給料だとか庁費に関する部分は、これは衆議院だけ特別よというわけにいかぬと思うのです。これは性質上やはり横並びのものだと思うのです。  もう一つは、政党助成も含めた部分、これは財政が厳しい状況でありますから理解も示してやらなければいかぬのかな、シーリングの枠はここはかかると私は個人的には思うのです。  しかし、さっき言われたテレビの問題とか秘書の問題は、これはもう別格官幣社で、とても大蔵省の権限云々ではカバーし切れない特別の重要な部分だと私は思っております。ですから、夏には事項要求もできるわけでございますし、秋には政府調整というか、これは堂々とやっていけるべき問題なんですね。ただしかし、諸般の事情国民の目というものを私たちは十分考えながらやっていかなければならぬということだけは言えると思います。もう既に秘書の問題については調査費もつけさせておりますし、少しずつではありますが、前向いて現実に進行中でありますので、そんな分類の仕方をして考えていただければ結構かなと、今お話を聞いて、私は個人的にはそう思ったものですから、ちょっと付言させていただきます。
  79. 小岩井清

    ○小岩井委員 今の委員長の集約でいいのですけれども、今ある国会図書館並びに調査室を立法作業に活用していく、私もそれは同感だというふうに思うのですけれども、しかし、活用していくにしても、議員が全部飛び回らなければいけないということですね。ですから、システム化をすると同時に、これはそのスタッフをそろえなければいけない。それはどうしても政策スタッフ、これは秘書に結びついできますから、そういうことで充実をさせていく、そういう意見として申し上げたかったわけです。
  80. 伊藤英成

    ○伊藤(英)委員 先ほど阿部先生から提起された秘書等の問題についての助成の問題、今中西委員長の方から三つの層に分けられました。その中で、例えば三番目に言われた秘書の問題等についてもなんですが、その部分について考えたとしても、私たちがこの議会にいて、立法府にいて、そして国民の認識等も考えて、どういうふうにすべきかというふうに当然私たちは考えるわけですね。そういうふうに決めたその立法府の考え方について、大蔵省が、それはシーリングがどうだ、何がどうだと言うのは、私は、これは阿部先生のおっしゃったとおり、断然行政府の方が立法府よりも上位にあるかのごとき印象を与えることは否めません。この部分については、私は、やはり考えてもらわなければならぬ。そういうものが、ほかの委員会の問題にしても議会の進め方等々についても反映していくことになりかねないですね。  そういう意味では、先ほどの問題は、私は非常に重要な問題だと思いますので、この委員会としてもそういう認識で対処していきたい、こういうふうに思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
  81. 中西啓介

    中西委員長 厳密な意味では、大蔵省も私が言ったような認識でおるわけですから、そこは間違いなくそんなふうに解釈していると判断していただいて結構ですから。
  82. 山下八洲夫

    ○山下(八)委員 私は、秘書の問題でまた絞って申し上げたいと思うのですが、一名増がなかなか難しい状態であると思う。
  83. 中西啓介

    中西委員長 正確に言うと一名増じゃないのです。政策秘書になっちゃっているのです。一名増なら簡単だったのですけれども
  84. 山下八洲夫

    ○山下(八)委員 私も、最低でも五人ぐらいは率直に言って欲しいなというように常々思っているのです。そういう中で、私自身も公設秘書以外に私設秘書を抱えていることも事実なんです。私自身も足かけ十八年ぐらい秘書を務めた経験も持っているのです。秘書といいますのは、また議員と同じように大変な仕事でもあるわけです。  そういう中で、どなたでも同じだと思うのですけれども、少してもいい方を採用したいということはあると思うのです。今二人までは一応国のシステムで一定の身分保障がされているわけです。その一定の身分保障も、ほかの民間企業とかあるいは公務員と違いまして、議員と一体なんですね。もし不幸にして落選したり、あるいはほかの選挙へかわって立候補する、こういうことになると一緒に身分を落としてしまうわけです。そのことを考えますと、この間のたたき台のような政策秘書の内容を私も見たわけでございますけれども、あのように厳しい状況であれば、相当立派な待遇を与えて、議員がやめてもいつでもまたやっていける、このような内容にしなければ、なかなかいい方は集まらないと思うのですっですから、そこまで厳しくするのではなくて、そうでなくても、幾ら公設秘書でありましても、身分は普通の公務員その他から比べますと相当不安定な身分でございますから、その辺も考慮をしましてふやしていくということを一つは考えないといけないと私は思うわけです。  それと同時に、一名政策秘書をふやすというのではなくて、やはり政策秘書をふやして頑張るといいますか、そこまで違った意味でシーリングをかけるのではなくて、もう五名なら五名を例えば二〇〇〇年までにはふやしますよ、そのうち一人は平成四年度中にやりますよ、これなら理解ができるわけですが、この一人もずるずるとなかなか見通しが立たないということでございますから、できれば、もし皆さん意見がまとまれば、当面、例えば二〇〇〇年までは五名にしますよ、そのうち平成四年度には一人ふやしますよ、このような形でぜひまとめていただければありがたいなということだけ申し上げておきたいと思います。
  85. 森井忠良

    ○森井委員 私は、国会議員の互助年金について、この際発言をさせていただきたいと思うわけであります。  御存じだろうと思うのですけれども、厚生年金とか共済年金とか国民年金とか、公的年金がございますね。これは、毎年消費者物価が上がりますと、その比率だけ年金がスライドをして上がるということになっておるわけでございます。ところが、議員互助年金の場合は物価のスライドがないわけでありまして、例えば、昨年平成三年度は、厚生年金、共済年金等は三・一%、物価が上がったものですから年金額が引き上げられております。ことしは、昨年一年間同じように物価が上がりましたものですから、三・三%年金の引き上げが行われておるわけでございます。恐らく来年もまたそれ相当に引き上げがあると思うわけでございますが、私どもの先輩が受け取っておられます年金は基本的にはずっと据え置きでございます。  その結果、もう大変な格差が出てきておるわけでございまして、昭和五十年以前に退職をされて、その当時勤続十年の方を例にとってみますと、これは基礎歳費月額が六十六万円で据え置かれております。その結果、二百六十四万円、現在皆さんが仮に十年で退職をなさいますと、三百九十五万六千円、もう一度申し上げますと、同じ十年でも二百六十四万円、三百九十五万六千円、これだけの格差が既にもう出てきておるわけでございます。  そういうことで、これでは、先ほどどもは前議員会の先輩の皆様方から、議員の互助年金について一定の陳情もお受けをしたわけでありますけれども、まともにお会いをして目が向けられないというふうな感じを持ったわけでございます。せめて物価スライドだけはどうしても実現をするように、ぜひこれは実現をしたいと思うわけでございます。  そのためには、多少現役の皆さんの掛金も引き上げをする、しかし同時に、当然のことながら国費も継ぎ足してもらう。きょうは具体的な細かい中身は申し上げませんけれども、やはり議員といえども退職をすれば、当然生活がかかっておるわけでございます。それに、今申し上げました年々目減りをする年金というのは問題でありますので、したがって、ぜひともこの点についてはこれから議会制度協議会なりあるいは議院運営委員会議論をして、ぜひ実現をさせていただきたい。  申し上げるまでもありませんが、国会議員には退職金がございません。これは支給してはならぬということではないのでありまして、支給することができるとなっておるわけでありますが、どなたも今まで受け取っておられません。その辺も加味をして、たとえ議員といえども年金だけはちゃんとしておく必要があると思いますので、申し上げたいと思います。  なお、先ほど発言がありましたが、私も同じ意見でありまして、議員に健康保険がないというのは、ないことはないのでありまして、国民健康保険に私ども加入をしております。もしそれ以外の健康保険制度に入っていらっしゃるとすればこれは何かおかしいわけでありまして、議員の場合は国民健康保険しか加入できる制度はないはずでございます。したがって、この際、議員に対しても健康保険が何らかの適用をできるように、これも工夫をして実現をしていきたいというふうに思うわけでございます。
  86. 東中光雄

    ○東中委員 院の予算要求についてでありますが、大蔵がそれを抑えるとか大蔵省と交渉をするとかいう形で今まで来ております。御承知のことと思いますが、建前は全くそうじゃございません。  財政法の予算作成に関する第十七条、十八条なんかを見ますと、衆議院議長、参議院議長、最高裁長官、会計検査院長は、毎会計年度の歳出歳入等に対する見積もりを作成して、これを内閣における予算の統合調整に供するために、内閣に送付しなければならないということです。ところが、内閣総理大臣及び各省大臣は、毎会計年度に歳入歳出については大蔵大臣に出す。その次の条で、大蔵大臣はそれの調整をやる。  内閣総理大臣、各省大臣の調整は大蔵大臣がやるけれども内閣へ直接出す衆議院予算、参議院予算なんというものは大蔵大臣の対象にならない、こういう建前になっておるのに、実際上は各省と同じように交渉をしておる。これは独立した最高機関としての国会という自覚が、新しい憲法ができてもはっきりしていない。昔の翼賛機関、天皇に対する輔弼機関としての議会と同じ線上にあるところに根源があるのではないかというふうに思います。それだけに、こちらも要求することについてはちゃんと責任を持たなければいけませんが、例えば政策秘書増員立法府としての機能を強化するために当然やるべきことだということで各党が一致して強く要求して、それを大蔵で入れないとか入れるとか言うのは本当に異常な状態であり……
  87. 中西啓介

    中西委員長 だから、そのことは僕が説明したとおりでございまして、厳密に言うとそうじゃないわけですから、ひとつそこを印象でごっちゃにしてとらえないでいただければありがたいと思います。大事な部分政府で調整するということも僕はさっきも申し上げたとおりでありますから。
  88. 東中光雄

    ○東中委員 私が言うのは、実際上は大蔵の政務次官が出てきたり、山下元利さんが一札約束したとかいういろいろな経過があるわけですよ、いわゆる第三秘書問題については。これは十数年前からのことですね。そういう経過であったのですが、ぽっと離れるというのは難しいかもしれないけれども、建前はそういうことなんだということで私たちは対処すべきではないかと思っております。
  89. 中西啓介

    中西委員長 それは、おっしゃるとおりです。
  90. 阿部未喜男

    阿部(未)委員 あそこに、「統合調整に供する」ということがあるんだなあ。あそこはどうも私はひっかかるね。
  91. 東中光雄

    ○東中委員 大蔵次官が出てきたり何かする問題とは違います。
  92. 平田米男

    ○平田(米)委員 予算のシーリングの問題を先ほどおっしゃられまして、その見解についてはそのとおりだと思いますが、そもそも国会改革とちょっと外れるのかもしれませんが、予算のシーリングそのものを今考えなければいけないときに来ているのではないかと私は思います。昭和五十八年からシーリングをやってまいりまして丸十年やってきたわけでございまして、これは全部各省庁一律なわけでございます、人件費だけ除くということになっておりまして。十年の間に各省庁の政策課題が大きく変化をしているのは当たり前でございまして、特に、これから日本は高齢化社会を迎えるということもわかっておりますし、また、対外的には、冷戦が終わりまして日本の国際社会に置かれる立場というのも大変革をしておるわけなんでございまして、そういう中で、従来どおり各省庁同じだ、これは政策課題が全く変わっていないということを前提にした考え方なわけでございまして、それをもって大蔵省がとやかく言うこと自体、まず根本的に間違っているのではないか。それは、もっと言えば、大蔵省が間違っているのではなくて、我々政治家が自分の責任を果たしていないというふうに私は思います。  本来、政治家は何をやるのか。これは予算の優先順位をつけるのがまさに政治家の責任なのであって、シーリングにしてくださいというのは、大蔵省に全部お任せします、私たちは責任を負いませんよというのがまさにその態度なわけでございまして、シーリングをいかにクリアするかということでそれぞれ知恵を絞るという行き方もあるわけでございますが、私は、まず根本的にこれを変えていくということが政治家のあるべき正しい道、また歩まなければならない道ではないかなというふうに思います。シーリングを前提にした上での委員長の御見解はそれなりに評価をするわけでございますが、私個人としては、シーリングそのものに対して今申し上げたような意見を持っております。  以上であります。
  93. 中西啓介

    中西委員長 確かに政治家、我々が政策の優先順位を決定するというのは極めて大事な任務ですね。それはみんな認識はしているのでしょうが、なかなか現実に、それじゃ農林関係予算削れるか、公共事業、建設省関係費削れるか、厚生省の予算削れるかという話になると、族議員とか応援団が現場でわんわんわんわんで。大蔵省だって、本心は優先的にやりたいわけですよ。ところが、現実はできないというのが実態ですね。まずここら辺、我々政治の力が本当に積極介入して、それはダイナミックにやっていかなければいかぬわけです。おっしゃるとおりで、心から同意いたします。
  94. 平田米男

    ○平田(米)委員 まさにおっしゃるとおりだと思います。そのために私たちは委員会の中でその議論を本来しなければいけないのではないかと思うのです。それが本当の委員会の活性化といいますか、委員会の使命を果たすことになるのではないか。そういう意味で、私は国会改革にもつながるのではないかというふうに思うわけであります。  以上であります。
  95. 中西啓介

    中西委員長 皆さんそれぞれ開かれた国会、わかりやすい国会、親しみの持ってもらえる国会、国際情勢に敏感に対応していける活力ある国会を目指すためにはかくあるべきだという御意見をお述べいただいたわけでございます。非常に見識のある共鳴を覚える意見が多うございました。これを踏まえてこれからまた議会制度協議会で鋭意詰めていきたい。それから、実現できるものは少しずつでも実現方を図っていきたい、そういう気持ちで今後対応していきたいと思っております。  時間もまだ三時まであるわけでございますがまだございますか。
  96. 小岩井清

    ○小岩井委員 テーマにのっていなかったものですからその他で申し上げたいと思ったのですが、国会改革全般の中で議運そのものの改革も必要じゃないか。議院運営委員会、ここの改革も必要ではないかということを申し上げておきたいと思います。  ということは、議院運営委員会の招集を受けて、座ってお茶を一杯飲んでおしまい、この運営のあり方を変えていただきたい。ということは、理事会で何を話し合われているのかわからない、これは党内のことも一つありますけれども、最近、事前に話を聞くようにいたしておりますけれども、何を理事会として話し合っているかわからないというような状況だということが、これは私だけじゃなくて、自民党の皆さんも同じじゃないかというように思うのです。そういう面では、議院運営委員会そのものも少し開かれた運営をしていただきたい、こういうことを申し上げたいと思います。
  97. 岡田克也

    ○岡田(克)委員 きょうは随分いろいろな議論が出たと思うのですが、先ほど委員長お話で、今後議会制度協議会で御議論されるということでございますが、せっかくきょういろいろな議論が出たわけでございますので、議会制度協議会で御議論いただいて、また、要所要所で本委員会に御報告いただいて、こういう機会で議論をさせていただく、ぜひそういう機会をつくっていただきたいと思います。
  98. 中西啓介

    中西委員長 わかりました。
  99. 筒井信隆

    ○筒井委員 先ほどの点に関してなんですが、争点化について。  争点を明確に国民に示すという点、もう既に出されているという意見が出て、速記が入っていないんだから反論するのもだめだと思ってやめていたのですけれども議員に対していろいろな資料を出すという次元ももちろん必要だし、それももっと充実してほしいのですが、国民にわかりやすく広く争点を示すという作業、それが今なされているかというと、私は極めて不十分だというふうに思うわけです。例えば政府広報とか何かで宣伝しますね。あれは政府の閣法について宣伝するわけだけれども、あれを国会情報センター等で争点を国民に非常にわかりやすく広報するという作業をぜひやっていただきたい。今、日本の政治の中で中選挙区制とか何かいろいろな問題が起こっておりますけれども、政策の争いになっていない、争点化がなされていないという問題点が出されているわけでございます。それを国会としても、審議の中身について独自にやはり出すべきじゃないかという意見です。
  100. 中西啓介

    中西委員長 一通り皆さんから御意見を述べていただいたわけでありますが、いみじくも小岩井先生から、灯台もと暗し、まず議運の改革を、こういう御指摘もいただきました。そういう皆さんのお気持ちも反映したつもりで、この形式も文字どおり初めてでありますが、とらせていただきました。また、最後に岡田君からも、議会制度協議会で鋭意詰めてくれるのは大いに結構だ、それはそれでやってもらうが、折々その経過報告、またこういう形式の会議もやってくれという御指摘をいただいたわけでございますが、それも前向きに考えさせていただいて、ころ合いを見て、また報告がたがた委員会も開かせていただきたいと思っております。  では、とりあえずきょうはこれで終わらせていただきます。どうも本当に長時間御苦労さまでございました。ありがとうございました。     午後二時二十七分散会