○佐藤(祐)
委員 裁判所や都労委の審理について直接コメントせよと言っているのではないのです。いまだにそういう問題が十件も続いている。人数にするとこれは膨大な数ですよ。そういうやられた
合理化、それについての反省はないのかということを聞いておったわけです。
今、当時それをやらなければ会社が壊滅してしまうというような
お話もあったけれども、決してそうじゃないですね。あのときの運輸
委員会の議論でも、我が党の議員は、当時のいろいろな
資料を挙げて、内部留保の問題その他を挙げてやったという記録が残っております。むしろそういうことを口実にして、このままではつぶれるぞということで、いわば一種のおどしといいますか、このままおってもだめになるんだというようなことで退職が強要されていった、ここに私は重要な問題があると思う。
私があえて改めてこの
臨時措置法前後の問題を取り上げましたのも、それが、過去そういうやり方があったというだけではなくて、現在も、会社の一方的な都合で、将棋のこまのようにといいますか、
労働者の出向とか配転をやるということが続いているからなんです。
一つの例が、東京豊洲に工場がありますね、そこから横浜工場への配転です。この際に会社側は、片道二時間は通勤可能範囲だということを言って、かなり遠隔の埼玉とか千葉に在住している人、春日部その他ありますけれども、そういう
人たちも横浜工場に転勤を命ずるということで強引に進めたのですね。およそ三十人ぐらいですが、最近の
職場の、皆さんも御存じでしょうが、午前八時といいますと、昔は門を入ってタイムカードを押せばその時間でよかったのですね。今は着がえをして作業現場に立っていなきゃいかぬということになりますと、二、三十分前には入らなきゃならぬ。例えばその春日部の方から来るとしますと、午前五時過ぎの始発電車に乗らなきゃならぬわけですね。そして
残業なしで終わったとしても、真っすぐ帰ったとしても七時半なんですよ。家にいるのは正味九時間くらいしかない。そうすると、もう食事をして寝たら終わり、家族の団らんも何もない、こういう
状況になるんですね。
だから私は、この通勤の二時間はもう当然なんだというようなことで
労働者を一方的に配置転換していく、こういうやり方は当然改められなきゃならぬというふうに思います。
もう五分前になりました。
労働省、来ていただいていると思いますが。——いますね。
この通勤時間の問題で関連して。今
労働時間の
短縮ということが大きな命題になっています。しかし、他方で通勤時間が長くなれば、結局それは帳消しになるという関係だろうと思うのですね。
労働省でも「東京集中と勤労者生活に関する
研究会報告」その他で、そういう問題についていろいろ
研究とか進められておる。普通、いろいろな調査を私は調べましたが、毎日のことですから、通勤可能範囲は大体一時間以内が望ましいというのが過半数ですね。これは
労働省の白書にも出てきます。そういうことからいって、この片道二時間というのは余りにも長い、好ましくないというふうに考えますが、どうでしょうか。