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1991-12-09 第122回国会 衆議院 予算委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成三年十二月九日(月曜日)     午前十時開議 出席委員   委員長 山村新治郎君    理事 中山 正暉君 理事 原田昇左右君    理事 町村 信孝君 理事 村岡 兼造君    理事 村上誠一郎君 理事 加藤 万吉君    理事 野坂 浩賢君 理事 松浦 利尚君    理事 草川 昭三君       相沢 英之君    愛野興一郎君       粟屋 敏信君    井奥 貞雄君       江口 一雄君    小澤  潔君       越智 通雄君    狩野  勝君       唐沢俊二郎君    倉成  正君       小坂 憲次君    後藤田正晴君       左藤  恵君    志賀  節君       鈴木 宗男君    戸井田三郎君       萩山 教嚴君    林  義郎君       原田  憲君    松永  光君       松本 十郎君    村田敬次郎君       村山 達雄君    柳沢 伯夫君       五十嵐広三君    串原 義直君       佐藤 敬治君    嶋崎  譲君       新村 勝雄君    新盛 辰雄君       辻  一彦君    戸田 菊雄君       藤田 高敏君    山花 貞夫君       和田 静夫君    石田 祝稔君       日笠 勝之君    冬柴 鐵三君       児玉 健次君    三浦  久君       伊藤 英成君    中野 寛成君       楢崎弥之助君  出席国務大臣         内閣総理大臣  宮澤 喜一君         法 務 大 臣 田原  隆君         外 務 大 臣 渡辺美智雄君         大 蔵 大 臣 羽田  孜君         文 部 大 臣 鳩山 邦夫君         厚 生 大 臣 山下 徳夫君         農林水産大臣  田名部匡省君         通商産業大臣  渡部 恒三君         運 輸 大 臣 奥田 敬和君         郵 政 大 臣 渡辺 秀央君         労 働 大 臣 近藤 鉄雄君         建 設 大 臣 山崎  拓君         自 治 大 臣         国家公安委員会         委員長     塩川正十郎君         国 務 大 臣         (内閣官房長官         )       加藤 紘一君         国 務 大 臣         (総務庁長官) 岩崎 純三君         国 務 大 臣         (北海道開発庁         長官)         (沖縄開発庁長         官)      伊江 朝雄君         国 務 大 臣         (防衛庁長官) 宮下 創平君         国 務 大 臣         (経済企画庁長         官)      野田  毅君         国 務 大 臣         (科学技術庁長         官)      谷川 寛三君         国 務 大 臣         (環境庁長官) 中村正三郎君         国 務 大 臣         (国土庁長官) 東家 嘉幸君  出席政府委員         内閣審議官         兼内閣総理大臣         官房参事官   野村 一成君         内閣法制局長官 工藤 敦夫君         内閣法制局第一         部長      大森 政輔君         防衛庁長官官房         長       村田 直昭君         防衛庁防衛局長 畠山  蕃君         防衛庁経理局長 宝珠山 昇君         防衛庁装備局長 関   收君         防衛施設庁総務         部長      竹下  昭君         防衛施設庁施設         部長      大原 重信君         経済企画庁物価         局長      長瀬 要石君         経済企画庁総合         計画局長    冨金原俊二君         環境庁長官官房         長       森  仁美君         国土庁長官官房         長       藤原 良一君         国土庁土地局長 鎭西 迪雄君         法務大臣官房長 則定  衛君         外務省経済局長 林  貞行君         外務省条約局長 柳井 俊二君         外務省国際連合         局長      丹波  實君         大蔵大臣官房総         務審議官    日高 壮平君         大蔵大臣官房審         議官      金子 義昭君         大蔵省主計局長 斎藤 次郎君         大蔵省主税局長 濱本 英輔君         大蔵省銀行局長 土田 正顕君         国税庁次長   冨沢  宏君         文部大臣官房長 野崎  弘君         厚生大臣官房総         務審議官    大西 孝夫君         農林水産大臣官         房長      馬場久萬男君         運輸大臣官房総         務審議官         兼貨物流通本部         長       土坂 泰敏君         運輸省鉄道局長 井山 嗣夫君         運輸省海上技術         安全局長    戸田 邦司君         郵政大臣官房長 木下 昌浩君         郵政大臣官房経         理部長     山口 憲美君         労働大臣官房長 齋藤 邦彦君         建設省建設経済         局長      伴   襄君         建設省住宅局長 立石  真君         自治省行政局公         務員部長    秋本 敏文君         自治省行政局選         挙部長     吉田 弘正君         自治省財政局長 湯浅 利夫君  委員外出席者         衆議院事務次長 谷  福丸君         参  考  人         (日本銀行総裁         )       三重野 康君         予算委員会調査         室長      堀口 一郎君     ――――――――――――― 委員の異動 十一月十五日  辞任           補欠選任   石田 祝稔君       市川 雄一君 同月二十日  辞任           補欠選任   中野 寛成君       高木 義明君 同日  辞任           補欠選任   高木 義明君       中野 寛成君 同月二十五日  辞任           補欠選任   新村 勝雄君       小川 国彦君 同日  辞任           補欠選任   小川 国彦君       新村 勝雄君 十二月四日  辞任           補欠選任   中野 寛成君       大内 啓伍君 同日  辞任           補欠選任   大内 啓伍君       中野 寛成君 同月九日  辞任           補欠選任   内海 英男君       井奥 貞雄君   越智 伊平君       小坂 憲次君   越智 通雄君       狩野  勝君   浜田 幸一君       鈴木 宗男君   阿部喜男君       山花 貞夫君   市川 雄一君       石田 祝稔君   不破 哲三君       三浦  久君   中野 寛成君       伊藤 英成君 同日  辞任           補欠選任   井奥 貞雄君       内海 英男君   狩野  勝君       越智 通雄君   小坂 憲次君       萩山 教嚴君   鈴木 宗男君       江口 一雄君   山花 貞夫君       阿部喜男君   伊藤 英成君       中野 寛成君 同日  辞任           補欠選任   江口 一雄君       浜田 幸一君   萩山 教嚴君       越智 伊平君     ――――――――――――― 十二月六日  平成三年度一般会計補正予算(第1号)  平成三年度特別会計補正予算(特第1号)  平成三年度政府関係機関補正予算(機第1号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  平成三年度一般会計補正予算(第1号)  平成三年度特別会計補正予算(特第1号)  平成三年度政府関係機関補正予算(機第1号)      ――――◇―――――
  2. 山村新治郎

    山村委員長 これより会議を開きます。  平成三年度一般会計補正予算(第1号)、平成三年度特別会計補正予算(特第l号)、平成三年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題とし、審査に入ります。  まず、三案の趣旨について政府説明を聴取いたします。羽田孜大蔵大臣。  平成三年度一般会計補正予算(第1号)  平成三年度特別会計補正予算(特第1号)  平成三年度政府関係機関補正予算(機第1号)     〔本号(その一)に掲載〕     ―――――――――――――
  3. 羽田孜

    羽田国務大臣 平成三年度補正予算の大要につきましては、既に、本会議におきまして申し述べたところでございますけれども予算委員会での御審議をお願いするに当たりまして、その内容を申し上げます。  最初に、一般会計予算補正について申し上げます。  まず、歳出面におきましては、災害関係経費追加六千八十四億円、給与改善費三千二百六十七億円、義務的経費追加八百八億円、貿易保険特別会計繰り入れ二百三十五億円、住宅都市整備公団補給金等一千六百六十七億円、地方交付税交付金四千四十二億円等を計上いたしております。これらによる歳出追加額は一兆七千二百八十六億円となっておりますが、他方、既定経費節減七千四百八十七億円、地方交付税交付金減額五千七百八十九億円及び給与改善予備費減額一千三百五十億円により、総額一兆四千六百二十六億円を修正減少することといたしております。  なお、一般会計及び特別会計におきまして、一般公共事業等所要国庫債務負担行為追加を行うことといたしております。  一方、歳入面におきましては、租税及び印紙収入につき二兆七千八百二十億円の減収を見込む一方、建設公債を一兆三千八百七十億円増発するほか、その他収入二千五百八十五億円の増収を見込み、さらにこれらをもってしても、なお財源が不足することから、前年度の決算上の純剰余金九千九百八十四億円について、臨時異例措置ではありますが、その全額を不足財源に充当することとしており、この結果、前年度剰余金受け入れとして一兆四千二十五億円を計上いたしております。  なお、この剰余金処理につきましては、別途平成二年度歳入歳出決算上の剰余金処理の特例に関する法律案を提出して御審議をお願いすることといたしております。  以上によりまして、平成三年度一般会計補正予算総額は、歳入歳出とも当初予算に対し、二千六百六十億円増加し、七十兆六千百三十五億円とたっております。  特別会計予算につきましては、交付税及び譲与税配付金特別会計貿易保険特別会計など十八特別会計において、所要補正を行うことといたしております。  政府関係機関予算につきましては、国民金融公庫及び中小企業金融公庫において所要補正を行うことといたしております。  財政投融資計画につきましては、国有林野事業特別会計国民金融公庫等機関に対し、総額六千二百四十一億円の追加を行うことといたしております。  以上、平成三年度補正予算につきまして、その内容を御説明いたしましたが、なお詳細にわたる点につきましては、政府委員をして補足説明いたさせます。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださるようお願い申し上げます。  以上であります。
  4. 山村新治郎

    山村委員長 これにて大蔵大臣説明は終わりました。  引き続き、補足説明を聴取いたします。斎藤主計局長
  5. 斎藤次郎

    斎藤(次)政府委員 平成三年度補正予算内容につきましては、ただいま大蔵大臣から説明いたしましたとおりでありますが、なお、若干の点につきまして、補足説明いたします。  まず、一般会計予算歳出補正につきまして、御説明いたします。  災害関係経費追加六千八十四億円の内訳は、災害復旧等事業費五千八百六十四億円、農業保険費二十六億円及びその他の災害関係経費百九十五億円であります。  給与改善費三千二百六十七億円の内訳は、一般会計職員分一千百三十八億円、他会計繰り入れ分五百四十九億円、義務教育費国庫負担金等分一千七十八億円及び補助職員分五百二億円であります。  義務的経費追加八百八億円のうち主なものは、義務教育費国庫負担金二百六十六億円、公立養護学校教育費国庫負担金二十七億円、老人医療給付費負担金三十九億円及び国民健康保険助成費四百四十六億円であります。  貿易保険特別会計繰り入れ二百三十五億円は、ポーランド及びエジプトの債務返済負担軽減措置を実施するため、同会計繰り入れるために必要な経費であります。  住宅都市整備公団補給金等一千六百六十七億円は、同公団に対し、二年度決算において生じた借入金等に係る利息等の一部を補給するための補給金等を交付するために必要な経費であります。  地方交付税交付金四千四十二億円は、地方交付税交付金の二年度精算額であります。  その他の経費一千百八十四億円のうち主なものは、海外経済協力基金出資金二百七十九億円、繊維産業対策百七十六億円及び国際漁業再編対策費百二十一億円であります。  既定経費節減七千四百八十七億円は、既定経費節約額及び見直しによる不用額減額を行うものであります。  地方交付税交付金減額五千七百八十九億円は、今回の補正予算において法人税減収歳入に計上することに伴う地方交付税交付金修正減少額であります。  給与改善予備費減額一千三百五十億円は、政府職員等給与改善に伴い既定給与改善予備費を修正減少するものであります。  なお、一般会計及び特別会計において、一般公共事業に係る国庫債務負担行為四千六十八億円(事業費六千億円)等を計上することといたしております。  次に、一般会計予算歳入補正につきまして、御説明いたします。  租税及び印紙収入につきましては、最近までの収入実績等を勘案して、法人税一兆八千九十億円、有価証券取引税五千二百八十億円及び印紙収入四千四百五十億円の減収を見込んでおり、全体として二兆七千八百二十億円の減収となっております。  その他収入につきましては、日銀納付金等の増加三千四百五億円及び貨幣回収準備資金受け入れ等減少八百二十億円を見込み、差し引き二千五百八十五億円を増額することといたしております。  公債につきましては、一兆三千八百七十億円を追加発行することとしております。この結果、三年度の公債発行額は六兆七千三百億円となります。  二年度の新規剰余金のうち、同年度における地方交付税に相当する金額交付税及び譲与税配付金特別会計への未繰入額に相当する額と財政法第六条の純剰余金との合算額一兆四千二十五億円を計上いたしております。  特別会計予算につきましては、交付税及び譲与税配付金特別会計貿易保険特別会計など十八特別会計において、所要補正を行うこととしております。  政府関係機関予算につきましては、国民金融公庫及び中小企業金融公庫において所要補正を行うことといたしております。  財政投融資計画につきましては、国有林野事業特別会計国民金融公庫等機関に対し、総額六千二百四十一億円の追加を行うことといたしております。  以上、平成三年度補正予算についての補足説明をいたしました。
  6. 山村新治郎

    山村委員長 これにて補足説明は終わりました。     ―――――――――――――
  7. 山村新治郎

    山村委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  各案審査のため、本日、参考人として日本銀行総裁三重野康君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 山村新治郎

    山村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  9. 山村新治郎

    山村委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山花貞夫君。
  10. 山花貞夫

    山花委員 今、日本の政治経済倫理が問われています。このたび、総理のいわゆる三点セットが提出されました。国民の疑惑に対する誠実な姿勢を持ってのお答えが必要だと思います。  リクルート事件のぬれ手にアワの政治家政治資金づくりに見られた社会的不公正に対する国民の怒りが爆発したことについては、我々の記憶に生々しいところでありますけれども、多くの関連した政治家のうち、当時の宮澤大蔵大臣に対する責任追及の声がとりわけ高かったのは、たび重なる食言が原因でありました。余りにも無責任、不誠実な言動を繰り返したということが国民の強い印象としているところであります。最初はノーコメント、次に、私は国会答弁で虚構を申し上げたことはないと見えを切ってわざわざ全文千五百字の釈明文を発表し、服部恒雄秘書友人河合康文SE総合設計社長主犯説をつくり上げました。江副証言によって全部偽りであったことが明らかになりました。服部主犯説にすりかえて、そして六十三年十二月一日に最後釈明、六回目の訂正が行われたのであります。この一連の経過は、国会審議を侮辱し、国民を愚弄するものであったと言わざるを得ません。もしこのようなことが起これは、一国のリーダーとしての資格と資質を問われるものと言わざるを得ないのであります。  今回の三点セットの提出によりまして、従来の総理説明は、またその根幹において大きく異ならざるを得ないのではないかと思います。  まず、約定書が出ました。これは、これまでお話ありましたとおり宮澤喜一の名義、そして、従来は宮澤さんの名前で株を買って、服部さんのお金資金として、そして服部さんがファーストファイナンスお金を振り込んだ、こういう話の骨格であったはずであります。ところが、今回出された資料によりまして、ファーストファイナンスに対する振り込みは今の秘書である松本雅雄さんであったということが明らかになりました。したがって、総理がこれまで取引主体はあくまでも服部恒雄秘書であったということについては、やはり取引主体宮澤さん本人ではなかったか、少なくとも宮澤事務所取引ではなかったかというのは当然の結論です。私は、そのことが明らかになったと思っています。きょうはこの問題点を中心に伺いたいと思っています。  本論に入る前に、緊急の問題として一つ二つだけ伺っておきたいと思うのですけれども、実はやはり倫理の問題、宮澤派事務総長阿部文男さんにつきまして、昨年三月、鉄骨架空取引をめぐる巨額詐欺事件で元副社長ら幹部が起訴された鉄骨加工会社共和に、選挙費用や地元の事務所経費などの資金援助を含めて一つ会社に一億四千四百万要求したということが報道されました。次いで、これに関連して、要求した金額のうち一億円を受け取った、さらにこれを東京地検特捜部事件を摘発した直後にそのうちの五千万円を慌てて返したということが報道されています。阿部代議士本人も、所得税法政治資金規正法違反については覚悟していると記者に語ったということが報道されております。  この問題についてまず法務省に伺いたいと思いますけれども共和に関する事件の中で、この阿部代議士の関連したものが捜査対象となっているかどうか、このことについて伺っておきたいと思います。
  11. 田原隆

    田原国務大臣 お答えします。  具体的な案件でございますから、犯罪の成否については捜査機関が収集した証拠に基づき判断すべき事柄であるので、法務当局としてはお答えできないわけでありますが、あくまで一般論として申し上げれば、刑罰法令に触れると認められる事実があれば検察当局は適切に対処するものと考えております。  以上です。
  12. 山花貞夫

    山花委員 私は一般論として伺ったのではなく、阿部文男代議士につきましてどのような関心を持っているかということについて具体的に伺いたいと思います。重ねてお答えをいただきます。
  13. 田原隆

    田原国務大臣 具体的な問題でございますので、政府委員答弁させます。
  14. 則定衛

    則定政府委員 お答え申し上げます。  ただいま御指摘報道等につきましては、累次世間に流布されております内容について、検察当局としては承知しておると考えております。  しかしながら、どのような問題意識を持って、また具体的にどのような捜査活動をしているかといったことにつきましては、捜査の秘密に属する事項でございますので、この場でお答え申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思います。  いずれにいたしましても、大臣からも答弁ございましたように、一連の問題について検察問題意識を持って対応するという過程で、刑罰法令に触れる問題がありましたときには適切に対応するものと考えております。
  15. 山花貞夫

    山花委員 まだ、実はかねてから予想されておったという事案ではなかろうかと大方の国会議員は承知しておると思いますけれども、重大な関心を持ってこの問題に対応するということについて検察の決意を伺いたいと思います。
  16. 則定衛

    則定政府委員 検察といたしましては、先ほど申しましたように、あらゆる事項につきまして問題意識を持って対応するというのがその職員でございます。したがいまして、御指摘事件につきまして捜査を開始いたしますかどうかを含めまして、私どもとしてはこれを適切に見守ってまいりたい、こういうふうに思っておるわけでございます。
  17. 山花貞夫

    山花委員 今最後に、見守りたいというお話がありましたけれども、見守りたいということでは納得できませんね。見守る問題ではないと思います。我々が事態の推移を見守るということならばあり得るけれども、いわば捜査の当事者が見守るということでは、一体、この事件に対してどうするのか、納得できません。もう一遍御回答いただきたいと思います。
  18. 則定衛

    則定政府委員 先生御案内のとおり、検察はいわゆる独立した権限で捜査を行うかどうか、そういう立場にございます。私ども法務当局といたしましては、検察がどうすべし、どうあるべきという具体的な問題については申しかねるわけでございます。その点を御理解いただきたい、こう思っておるわけでございます。
  19. 山花貞夫

    山花委員 巨額お金のやりくりです。きょうの後の質問にも関係してくる、いわばそれは政治資金止してどう取り扱われたのか、あるいは所得税法違反になるのかどうかという問題にかかわります。  国税庁に伺いますけれども、この問題について関心対象となっているか、これまでこの問題について調査をしたかどうかについて伺いたいと思います。
  20. 冨沢宏

    冨沢政府委員 一般論としてお答えさせていただきますが、国税当局といたしましては、新聞等で報道された事柄につきましては、常に関心を持って、あらゆる機会を通じて、課税上有効な情報の収集に努めております。課税上問題があると認められる場合には、実地調査を行うなどにより、適正な課税に努めてまいりたいと考えております。
  21. 山花貞夫

    山花委員 今の質疑お聞きいただいて、総理、いかがでしょうか。総理派閥の、総裁派閥事務総長という立場にあるこうした方についての問題であります。所感を伺いたいと思います。
  22. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 ただいまの段階で正確な事実をよく存じませんので具体的に申し上げることを差し控えさしていただきますが、いずれにしても、政治に携わる者として常に法は的確に守らなければならないということを強く感じております。
  23. 山花貞夫

    山花委員 確かに、新聞報道以上の材料は関係機関でなければ持っていないということであります。しかし、きょう始まった問題ではなく、もうこれは昨日からいろいろ報道されておった。当然大事なテーマでありますから、本人から事情聴取するなり、あるいは報告があったんじゃなかろうか、当然あるんじゃないでしょうか。お調べになっているはずであります。あたかも無関心のような答弁では納得できません。この問題に対して、まさにみずからの派閥、冒頭申し上げましたとおり、政治経済倫理が問われている、そして、きょうも三点セットについての議論を行われる、こういう事態のときでありますから、調査したんじゃなかろうか。していないとするならば、調査をした上で改めて総理の見解を伺いたいと思いますけれども、この点について御意見を伺いたい。
  24. 加藤紘一

    加藤国務大臣 きのうきょう、土日での報道でもございますので、また事実関係いろいろお聞きしたりして、また別の機会にその状況を御判断させていただきたいと思っております。
  25. 山花貞夫

    山花委員 別の機会にということでありますので、また改めて我々の側から質問する機会が保証されたというように理解して、先に進んでいきたいと思います。  さて、もう一つだけ本論に入る前に伺っておきたいと思うのですが、前回私の方から宮澤総理にかかわったリクルート関係の、一つには株の問題、一つには宏池会に対するパーティー券の問題、そして第三番目に、宮澤総理個人の通帳に振り込まれた五千万円の問題、伺ったところでありますけれども、あとの二つの問題、五千万、五千万、一億というリクルート側からの献金問題につきましては、総理は一言で言って全く知らぬ、自分としてはわからぬ、私が個人としてそういう全員をもらったということはない、大体そういうことについては知らぬと、こういうふうにお答えになりました。ところが、私がいなくなった後でありますけれども、この問題について実は自分の思い違いであったと訂正されたようでありますけれども、どういうことなのか私は直接伺っておりませんので、改めて私の質問を否定したことについての訂正をお願いしたいと思います。
  26. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 初めに、前回の委員会におきまして私のいわゆる三点セットにつきまして御提示を求められまして、それに対しまして最善の努力をいたしますと申し上げ、予算委員会が再開されるに際しまして委員長まで関係書類を提示をいたしたところでございます。なお、それにつきましての御質問に対しましては、誠実にもとよりお答えをさしていただきたいと考えております。  そこで、ただいまお話のありました件でございますが、前回御説明を改めていたしましたときに御社席でございませんでしたので、改めて御説明をさせていただきます。  御指摘のありました五千万円は、御指摘のとおり、昭和六十二年三月に宮澤喜一名義の預金口座に振り込まれております、この口座の出入りは、管理はすべて事務所で行っておるものでございます。  この五千万円につきましては、検察当局の調べを受け、政治資金として認定されたものでございますが、政治資金規正法上の届け出をしていなかったため、同法違反で管理の責任者であった服部恒雄君、当時の私の秘書でございますが、平成元年五月、罰金刑二十万円に処せられました。政治資金規正法違反したことは極めて遺憾なことでございます。二度とそのようなことがないように、当時、事務所の者に厳しく言い渡したところでございます。
  27. 山花貞夫

    山花委員 今お話しになりましたのは、五千万の処理につきまして服部さんが政治資金規正法で二十万の罰金を受けたということに関して限りでありまして、すなわちこのお金につきましてはっきりしたことは、服部さんに対する公訴事実、記録に残っておりますとおり、あくまでも江副さんのポケットマネーというお金の出し方だったわけですから、百五十万を超えた場合には政治資金規正法違反となります。百五十万どころか五千万だったわけですからこれは当たり前の話でありまして、そこではっきりしたのは、百五十万を超える政治活動に対する寄附を受けたということについての罰則の関係であります。政治資金の問題というものは、受けたお金について一体どう管理したのか、どう記録したのか、どう届けるかということが問題となります。  自治省に伺いたいと思うのですけれども、まず、以下の質問の前提として、政治家政治資金を受ける受け方につきまして説明をしていただきたいと思います。
  28. 吉田弘正

    ○吉田(弘)政府委員 お答え申し上げます。  政治資金規正法上は、政治活動に関する寄附の授受につきましては特別の手続、方式に従うことを求めているわけではございません。寄附がなされたかどうかは、財産上の利益の移転がどのようになされたか、個々具体の事実関係に即して判断されるべき事柄と存じます。
  29. 山花貞夫

    山花委員 私の質問にお答えになっておらないわけですけれども政治資金め取り扱いについては三つの形があると考えています。一つは、全額を政治団体が扱う。第二番目、指定団体と個人が扱う。第三番目、個人が扱う。この点についてもう一度伺いたいと思いますが、間違いかな、いのか。そして、とりわけ五十五年法改正によりまして保有金に係る制度が新しくできました。その法の趣旨と概要について、仕組みについても加えて御説明いただきたいと思います。
  30. 吉田弘正

    ○吉田(弘)政府委員 お答え申し上げます。  政治資金を個人が、それから個人が政治活動に関する寄附を受けた場合でございますが、これは先生御指摘のように指定団体を通じて収支報告をする方法と、それから個人がみずから保有金として持っている場合は保有金としてこれを公表する方法がございます。政治家個人の資金についても、一般の国民の前にその寄附等について公表して、国民の前に政治資金の状況を明らかにしようということでこの法律がつくられているわけでございます。
  31. 山花貞夫

    山花委員 まだはっきりお答えになってないですね。こう伺った方がよろしいかもしれません。この五千万を受けたことについて、総理説明のとおり服部恒雄さんが二十万の罰金を受けました。このことにつきましては、宮澤事務所のシステムからいいまして、これは三点セットともかかわる問題ですけれども、ナンバーワンの服部さん、ナンバーツーの松本さん、実際上のお金のやりくりは松本雅雄さんがしておったということではなかったんでしょうか、したがって、このときの五千万についても全部松本さんが行った、こういう仕組みになっているようであります。当時松本さんも、処罰は受けませんでしたけれども、被疑者としての取り調べを受けています。こう説明しています。第一秘書服部さんが大臣秘書官となったときは第一秘書になった、松本さんが第一秘書になったと。服部さんが戻ってくると自分が第二秘書になったと。これで二十年、三十年とされてきたんでしょう。そうして、服部さんがリクルートコスモスの問題で身を引いた後は、松本雅雄さんがナンバーワンということだという報告をしております。服部さん在任中も事務所の経理面は私が責任を持ち、服部さんは細かいことには一切タッチしていなかったそうであります。政治献金の取り扱いは全部一任されてきたというように彼は供述しております。後の三点セットのかかわりで大変大事なことは、こういう説明をしていますね。今の五千万とは別の五千万、ちょっと余り話を混同してはいけないと思いますけれども、パーティー券の五千万についての説明、この五千万をもらったのは三月二十六日、その前五千万をもらったのは三月二十三日、三是らずの間に五千万、五千万ともらった。前の方の話でありますけれども、数日前に派閥政治団体である宏池会主催の宏池会三十周年記念の会というパーティーのパーティー券代としてリクルート側からお金をもらったということについて、彼はこう説明しています。政治献金を受ける窓口は一般的には私がなっていたものの、リクルート関係については服部が窓口になっておった、こういう説明をしております。そうして、繰り返しこうも言っています。宮澤事務所では、一般的には私が政治献金を受ける窓口になっていたのですが、リクルートについてだけは服部がリクルート秘書室の小野さんに話をつけていた、こう言っています。  したがって、後で問題となる三点セットお金のやりくりもこの説明を聞くとよくわかるわけでして、窓口は服部さん、実際の宮澤事務所の経理は全部松本さん、だから松本さんが振り込んだろうと、こういう構造もこの事件の中身からまた浮き彫りされてくるという問題があるから、私は五千万の問題についてちょっと詳しく伺っているところでありますけれども、自治省に伺いたいと思いますが、こうした五千万受け取った問題につきまして、実は検察庁で松本さんはこう報告しています。  宮澤個人名義の口座に振り込まれたもので、特定公職の候補者たる宮澤への寄附と見るべきでしょうが、宮澤個人は保有金を持たないという、そういう立場だったので、宮澤への寄附は指定団体のどこかに指定寄附すべきものだったのでありますと、こう言っています。すなわち、この説明のとおりなんじゃないですか。個人で受け取った、その問題については彼は検察庁で、宮澤への寄附は指定団体のどこかに指定寄附すべきものだったのですと、こう言っております。  この点について自治省に伺いたいと思いますけれども、個人の口座に振り込まれたこの五千万、問題の五千万などについては、本来は指定団体に指定寄附すべきものだったと自治省は考えておらないでしょうか。検察庁ではそういうふうに検事にやりとりをして、この事件の決着がついておりますけれども、自治省は見解違うのかどうか、伺いたいと思います。
  32. 吉田弘正

    ○吉田(弘)政府委員 政治資金規正法上、保有金の報告の対象となりますのは、先生御承知のように、特定公職の候補者が受けた政治活動に関する金銭等で、受けた年において指定団体に寄附された金銭等以外のものとされているわけでございます。(山花委員「結構です」と呼ぶ)秘書が受領した場合におきまして、それが特定公職の候補者への寄附となるかどうかにつきましては、当該金銭等が候補者本人に帰属したかどうか等、個々具体の事実関係に即して判断さるべきものであると考えております。
  33. 山花貞夫

    山花委員 今私が途中で結構ですと言ったのは、その前段のところが法律の普通の解釈なんです。お金を受け取った、指定団体に寄附していなかった、保有金として残るべき問題です。  後段の部分は総理のために自治省が知恵を絞りた答弁でありまして、したがって私は途中で結構ですと言ったのですけれども、帰属の問題をおっしゃった。帰属の問題といっても、政治資金を取り扱う、それだけの通帳に入ったのではないということを従来から私が指摘しておったところでありまして、あくまでも、だれがその通帳を管理しておったとしても、宮澤さんの事務所の金庫に入っておったとしても、これは宮澤さん個人に一たん振り込まれたものじゃないでしょうか。  同じ問題についてちょっと伺いたいと思いますけれども、実は同じような、ちょっと百万単位の、けたは違いますけれども金額で、これは、大蔵省どなたに聞いたらいいか、どなたでも結構でございますけれども、六十三年十二月に宮澤大蔵大臣に支払った退職手当、これはいつどういう金額をどういう方法で払ったのかということについて、念のため伺っておきたいと思います。
  34. 日高壮平

    ○日高政府委員 御指摘の退職手当についてでございますが、二回支払いが行われております。昭和六十三年十二月二十三日に、退職手当額百五十六万八千四百円から税金五万九千二百円を控除した差額百五十万九千二百円を、それから十二月二十六日に、これは特別職給与法改正に伴う差額といたしまして、退職手当相当分三万七千二百円から税金二千六百円を控除いたしました三万四千六百円を、それぞれ支払っでございます。  支払い先は、御指定がございました銀行口座に銀行振り込みで支払っております。
  35. 山花貞夫

    山花委員 今言った銀行口座というものは、リクルートの五千万が振り込まれておったと同じ大和銀行衆議院支店総合預金口座〇一九六六三六、宮澤喜一名義のものであります。  大蔵省に念のため伺いたい。  これは別に政治資金として振り込んだんじゃないでしょう。宮澤総理に対する本人に振り込んだんでしょう。そのお金の帰属は宮澤さんだったんでしょう。この点について、まあ当たり前の話ですけれども、大蔵省に聞いておきたいと思います。
  36. 日高壮平

    ○日高政府委員 ただいま申し上げました退職手当につきましては、国家公務員退職手当法に従って支払われたものでございます。
  37. 山花貞夫

    山花委員 自治省に伺いたい。  今の話聞いておってどうですか。一たん口座に振り込んだお金はやはり一たん、あくまでも今のお金も恐らく松本さん管理しておったのですから政治活動に便りたかもしれませんけれども、一たんは宮澤さんのところに帰属したお金じゃないですか。当たり前じゃないですか。この点について自治省にもう一遍伺いたいと思います。
  38. 吉田弘正

    ○吉田(弘)政府委員 御本人に帰属したかどうか、個々具体の事実関係に即して判断すべきものでございまして、私どもについてそれは承知をしているわけではございません。
  39. 山花貞夫

    山花委員 今の話を聞きますと、要するに政治資金だったらばどんなに使ったって構わぬ、税金一銭も払わないでよろしい、そういうことになりますよ。じゃ具体的にこのお金について自治省は、政治資金として使われたかどうかということに関心を持ったのか持たないのか、持つつもりがあるのかないのか、こう伺いたいと思います。そうでなければ、五千万もらった、税金がかる金じゃないですか。一銭も税金がかってない。それは政治資金として受け取って政治資金として使ったからということじゃないですか。今の問題について自治省に伺いたいと思います。
  40. 吉田弘正

    ○吉田(弘)政府委員 自治省として、先生御承知のとおりに、実質的な調査権というものはないわけでございます。そういうことでございまして、  私どもの方からこれがどうこうということを言うべき性質のものではないと思います。
  41. 山花貞夫

    山花委員 要するにこれは裏金なんですね。今の事件の江副さんの調書につきましても、まあ江副さんも承知しているのです。百五十万が限度だということは承知しているのです。それで出したのだから裏金となったのかなと、これ拘置所で検事に言っていますね。受け取った方も実はそうだったわけでして、この金については合法的に処理をする余地がなかった一松本さんそう言っていますよ。したがって、裏金として処置することにした。裏金として処置したんです。裏金として処置した場合には、自治省、全く手がつけられないということなんですか。これは国税にも伺っておきたいと思います。政治家が裏金として処置した金については所得税も関係なし、政治資金規正法違反も関係なし、こういう取り扱いをやっているのかどうか、これは自治省と国税、双方に聞いておきたいと思います。
  42. 吉田弘正

    ○吉田(弘)政府委員 政治資金規正法という法律がありまして、その解釈については当然当方としてやっているわけでございますが、その事実関係を調査することにつきましては、実質調査権は自治省持っておりませんので調査はいたしていないということでございます。
  43. 冨沢宏

    冨沢政府委員 一般論として申し上げさしていただきますが、政治家個人が受けた政治献金でございます。これは雑収入収入金額となるわけでございますけれども、その収入金額から政治活動のために費消した金額を控除した残高が課税対象となるわけでございます。したがいまして、政治家個人が受けた金額の全額を政治活動のために費消したという場合には、課税関係は生じないということになります。
  44. 山花貞夫

    山花委員 今のお話は自治省よりは少しは筋が通っていると思います。政治活動の資金としてもらった、そのうちの政治活動に使った残りは対象となるんだ、こういうお話ですから。  例えば、この五千万について国税は関心を持ったんですか、持たないんですか。これから持つつもりありますか、ありませんか。もう時効だからといって全く関心を持たないんですかどうか、もう一遍聞いておきたいと思います。  要するに、国税の立場からすると、裏金は許さぬという立場なんでしょう、この点伺っておきたいと思います。自治省の立場というのは、裏金は結構ですという話ですよ。今の話は、そうなんですよ。これで通用してよろしいんでしょうかね。――今のまま、私はこの問題、質問を終わりますと、じゃ一体、裏金とすれば、一切政治資金規正法にはかからぬと、こういう結論になってしまうんです。したがって、これでは私は納得することができません。この点につきましては、裏金については一体どうするのか、こうした一般的な問題も含めて自治省の方に統一見解をつくっていただきたい、こういうように思いますけれども、この点委員長にお取り計らいいただきたいと思います。
  45. 吉田弘正

    ○吉田(弘)政府委員 裏金というお話でございますが、政治資金規正法上、政治活動に関する寄附であれば、それは当然にそれぞれの規制を受けるわけでございます。違反をすれば違反をするということになるわけでございます。
  46. 加藤紘一

    加藤国務大臣 この問題は、いわゆる裏金だったらこれについての政府の公式見解をどうするかということでございますけれども、その点については、政府の公式見解が私は出るわけないと思うのでございます。そういう意味で、そういう政治資金規正法違反したということで司法的な罰を受けておりまして、そして、服部秘書はそれで二十万円の罰金刑を受けております。(発言する者あり)
  47. 山村新治郎

    山村委員長 静粛に。
  48. 加藤紘一

    加藤国務大臣 そういう意味で、司法的な指弾を受け、そしてそれで裁判で確定して、そしてそういう間違いを犯したということを司法的にも処理を終わった事件でございますので、その点は御理解いただきたいと思っております。
  49. 山花貞夫

    山花委員 今の点については、私は冒頭指摘したのです。服部さんに対する司法処分というものは、本来百五十万だったけれども五千万だった、この、いわば入り口のところが問題となったわけでありまして、では、お金が五千万入った、お金の使い道について一体どうなるかということでありますから、官房長官のおっしゃったのは、いわば政治資金についての入りの部分についてはおっしゃるとおりということで私は問うていません。  一たん入ったお金についての使い道ということでありますから、それでは、もう少し質問を続けさせていただいた上で、集めたお金、出の方であるということについて、では一体こういうのはどうなるかということで、お答えがないので先に進んでおきたいと思いますけれども、では一体この五千万、どう使ったのか。これが政治資金に使われたということならばよろしいのです。そうでなければだめなんです。そうでなければ、税金の対象になるべきであります。政治資金として使われたのか、では一体どういう中身の政治資金として使われたのか、この点について御説明していただければ納得できるかもしれない。この点について、総理お答えをいただきたいと思います。
  50. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 この点は、先ほどから申し上げておりますように、略式命令を平成元年五月に政治資金規正法違反で受けたわけでございますけれども、その際の公訴事実によりますと、「昭和六十二年三月二十六日、株式会社リクルート代表取締役の地位にあった江副浩正から、公職の候補者である右宮澤喜一政治活動に関する寄附として、東京都千代田区永田町一丁目七番一号衆議院内大和銀行衆議院支店の宮澤喜一名義の普通預金口座に、五千万円の振込送金を受けてこれを受領し、もって同年中において同一の者に対してなされる百五十万円を超える政治活動に関する寄附を受けたものである。」公訴事実の認定は、政治活動に関する寄附として受けて、百五十万円を超えておった、したがってこれは政治資金規正法第二十六条第二号等々の罰条によって略式命令による罰金を受けた、こういうことでございますので、公訴の事実は、政治活動に関する寄附として五千万円を受けた、こういうことに認定をせられたものというふうに受け取っておるわけでございます。
  51. 山花貞夫

    山花委員 何度も繰り返しになりますけれども政治活動に関する寄附を受けたことについての処罰です。では、本当にこれを政治活動に使ったのかどうかということについて伺っているわけでして、総理は繰り返した答弁しかされませんでした。  では、こう言って、こうではないかと伺いたいと思いますけれども、後でこの問題となる服部さんの調書、こう言っていますね。「二人で」、これは松本さんと二人でやったことなんですけれども、「総裁選の裏工作資金として自民党の代議士に配って回り、全部使ってしまいました。」こう説明しています。「私はこの時、宏池会所属の代議士七、八人に百万円ぐらいずつ、宏池会以外の派閥の代議士七、八人に二百万から五百万円ずつ配りましたが、配った相手については私の口から言う訳にはいきません。」こう言っています。「派閥外に配った先は、当然まず総裁候補を持っていなかった派閥の幹部クラスの人達で、その中に山口県選出の方、滋賀県選出の方、鹿児島県選出の方がいました。また、派閥外でも私が個人的に親しかった人や年次別グループのリーダー格の人には裏工作資金を持っていきました。」若手でも「下働きしてもらわなければならない人に派閥外の代議士との飲食代として渡しました。例えば広島一区選出の方です。」等々。あるいはさらには、「派閥内でも不平ばかり言っている人には、不平を抑えるために金を配りました。例えば参議院議員で郵政大臣経験者の方です。」こう言っている。  こう配った内容について総理、承知していますか。この中身について説明していただきたい。そうでなければ、この金が政治活動に使われたかどうか明らかにならないじゃありませんか。具体的に政治活動にどう使ったのか説明してください。この点について説明を求めます。
  52. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 その調書は公になっておりますので、私も読んでおります。そういう事実を読んでおります。そして、そのような事実に従いまして先ほどのような罰金刑を処せられた、政治資金としての違法、政治資金規正法違反である、こういうふうに検察が認定されたものというふうに考えております。
  53. 山花貞夫

    山花委員 だれにどう配ったかということは説明していただけませんか。本人の口から、政治資金として使ったのだと、だから税金払わないんですということにならなければ国民は納得できないと思いますね。これはあくまでも、いわば罰金二十万というものは、受け取ったその入り口の話ですから、出口の話はない。この問題について、政治資金として使った、だから税金がからないのだというふうに説明していただかねば納得できません。この点についてさらに具体的に、だれに幾ら配った、言ってくださいよ。
  54. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 この調書を読んでおりますと、こういうことを申しております。自分は今は秘書をやめたけれども、三十年以上この世界で生きてきた者として、配った相手の名前をはっきりと口に出すわけにはいきませんので、お許しをくださいということを調書で申しておりまして、そのような陳述に基づきまして、公訴事実を、政治活動に関する寄附として五千万円の振り込み送金を受け云々と、そうして略式命令が下ったと思いますので、検察がそのように認定をせられた。で、それには本人も服する、こういうことであったと考えておるわけでございます。
  55. 山花貞夫

    山花委員 念のため自治省に伺っておきたいと思いますけれども、この手の金について、すなわち一たん受け取ったんだけれどもこの指定団体に出さなかった、保有金の取り扱いをして、いわば保有金についての帳簿の備えつけ義務等が、その他ありますけれども、そういうことをすべきではなかろうかと私は思いますが、自治省の方に最後にその点だけ確認しておきたいと思います。
  56. 吉田弘正

    ○吉田(弘)政府委員 保有金についてのお尋ねでございますが、保有金として収支報告の対象となりますのは、国会議員などの特定公職の候補者が受領した政治活動に関する寄附に関する金銭及び有価証券ということでございまして、秘書が受領した場合、これは本人に帰属したかどうか個々具体の事実関係に即して判断し、それが本人が受領していないということであれば保有金の対象にはならないわけですし、受領しているということになれば保有金の対象になるということでございます。
  57. 山花貞夫

    山花委員 やはり今の答弁聞いていますと、要するに、秘書が使った、秘書が使ったということにすれば一銭も税金払わなくてよろしい、こういう法律だというお答えですね。我々は、この問題について、改めて公選特、公職選挙法制度の公選特などで問題提起していきたいと思っておりますので、このことについてはあらかじめ通告をしておきたい、こういうように思います。  以上の問題について私が伺いましたのは、冒頭申し上げたきょうの一番のテーマ、宮澤さんの名義で買って服部さんがお金を集めて服部さんがお金振り込んだと思ったならば、最後松本さんだったということにつきまして、宮澤事務所、仮に宮澤総理個人の取引ということでなかったとするならば宮澤事務所としての取引だった、宮澤派閥政治資金づくりだったという結論、私たちの結論を明らかにするために今、服部さんと松本さんの関係というもの、これを実は伺ったわけでありますけれども、以下、三点セットの問題に関連して伺っていきたいと思います。  実は、この問題につきましては、三点セット、三点セットと言われますけれども、では一体三点セットというのは文書として何かということについては関係者間において認識が必ずしも一致していないということではないでしょうか。したがって、前回私が質問いたしましたときにも、三点セットと言われた一切の関係資料を出してください、こうお願いをいたしました。そうしてこのことに対して、委員長の方からは、山花委員の要求する資料を委員長に出していただくということになり、総理からは、委員長の発言のとおり最善を尽くしますということで、この間文書が出ました。  したがって、文書は三つだけではありませんでしたね。補足説明文書等も出てきたということでありまして、実は、いろんな文書が集まってこなければ、宮澤総理の弁明というものが本当のものであるかどうかということについてはなかなかわかりにくいところもまだ残っているということを冒頭指摘しながら、今回の文書、今委員長のお手元にありますけれども、文書の提出の時期、中身の前に、出す手続について伺っておきたいと思うのですけれども、これらの文書については、早くから手に入ったものもあった、最近になってやっと手に入れたものもあった、なぜ今まで出さなかったんでしょうかね。もっと早い段階で、実は、この前大蔵大臣当時いろいろこの問題があったときに出すべきだったんじゃなかったでしょうか。そのとき出せるものもあった、なぜ今日やっと出したのかということについて、総理の見解を伺いたいと思います。
  58. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 昭和六十三年の十二月に、このことにつきまして、その段階では参議院の特別委員会でございましたけれども、そういう文書を出すべきだというお話がございました。  実は、そのときに手元になかった文書が幾つかございまして、その一つは契約書でございますが、それはその後に、この事件が終了いたしました段階におきまして、いろいろ関係の方々の御協力を得て入手することができた。服部氏側に原本がございませんので、写しを入手する――写してはございません、先方側のものを入手して写しを御提出することができた。もう一つ銀行関係のものも、同様なことで、当時手元にございませんで、その後に、事件が落ちつきました後、銀行の協力によりまして、銀行側に残りましたものを御提出をいたした。そういう経緯がございまして、私としては、当時それらを御提示できておればという感じがいたしますけれども、それはやむを得なかったことでございまして、事件の関連で押収されておった。現にまだ押収されておるものもあるわけでございますけれども、そういう経緯がございましたわけであります。  その後、私が実は公職についておりませんでしたものですから、そういうものをどういう機会に御披露すべきか、必ずしも明確でありませんで、公職につきました最初のこの機会においてごらんを願おうということで、本会議においてもそういうことを申し上げ、前回の御質問に対しまして最善を尽くすということを申し上げたような次第でございます。
  59. 山花貞夫

    山花委員 まず第一に、三つの文書のうちの一番最初約定書、六十一年九月三十日付のものです。これは今説明がちょっとありましたけれども、ドゥ・ベスト社に頼んで東京地方検察庁の許可を得てコピーをもらってきたんじゃないかと思います。ちょっとそれを拝見したいと思うのですけれども、下の方に押収の番号がありました。これはコピーを入手したのはいつですか、最近ですか、従来から準備されておったんですか。いかがでしょうか。
  60. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 この書類は現在も押収物件であるわけでございますけれども辞任をいたしました、昭和六十三年十二月に辞任をいたしておりますが、その直後に、関係の方の協力によりまして入手をすることができました。
  61. 山花貞夫

    山花委員 ちょっとその二つの書類を見せていただきたいのですが。その三点セットのうちの二つですね。
  62. 山村新治郎

    山村委員長 この際、暫時休憩いたします。     午前十一時休憩      ――――◇―――――     午前十一時六分開議
  63. 山村新治郎

    山村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。山花貞夫君。
  64. 山花貞夫

    山花委員 九月三十日付株式売買約定書につきましては、検察庁に出てきたものについてコピーを入手したと伺いました。今も拝見しましたけれども、その他の文書につきましては検察庁に押収されていたということではないようです。通帳等の写しについても同様であります。  そこで伺っておきたいのですけれども、二番目の文書、松本さんが三千万円を振り込んだ振り込み依頼書、これは総理はいつごろから知っておったのでしょうか。
  65. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 これはただいまの最初の売買約定書より後の時点になるわけでございますけれども、私どもの、私どもといいますか、これを、松本雅雄の名になっておりますけれど炎そのものがございませんで、したがいまして、銀行側に写しかあるわけであるということを考えたわけでございますが、当時銀行自身がこのいわゆる捜査そのものとの関連を持っておりましたために銀行から協力を得ることがその当座は難しゅうございまして、その後になりまして銀行の方から振り込み依頼書が出てまいりました。そのコピーを写して委員長に御提出をいたしたものでございます。したがいまして、これは私が昭和六十三年に大蔵大臣をやめましてからなおかなり後のことでございました。
  66. 山花貞夫

    山花委員 第三番目の文書、普通預金口座取引内容についての回答書と服部さんの総合口座の通帳が出てますけれども、総合口座の通帳などは早くから御存じだったんじゃないでしょうか。この点について伺いたいと思います。
  67. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 さようでございます。この三菱総合口座の通帳は当初からわかっておりました。仰せのとおりでございます。
  68. 山花貞夫

    山花委員 最初のころからわかっていたという三菱の総合口座とこれに関連する文書でありますけれども、これも今も拝見したんですが、大事な部分が実は抜けているのですね、これは。全体として服部さんの口座だから服部個人だというのが説明の趣旨だと思いますけれども、しかしそれ、服部さんの総合口座といっても、その記録に残っておりますとおり、六十一年の十一月一日に新規で千円預け入れ、四日後に大和証券から五千二百二万三百円が振り込まれているという通帳です。すなわち、このリクルート株を売ってお金を受け入れるために特別につくった口座です。  したがって、じゃ一体この五千万受け取ったうち二千万の利益についてどうなったのか、三千万返したのかどうかということについては全然これを見ても実ははっきりいたしません。実はこの出入りだけではなく、冒頭私が指摘しましたとおり、三千万服部さんが個人のお金を集めて、個人で口座をつくって、個人で五千万もらって、二千万生活を潤わすために使ったということは、私は恐らく世の中は信用する人はだれもいないんじゃないかと思います。じゃ一体この受け取った五千万がどうなったかということにつきましては、この口座をそのまま出していただければその後の金の動きがはっきりいたします。肝心の十二月八日、六十三年十二月八日のこの三菱銀行有楽町支店からのいわば回答書というものにつきましても、全体が明らかになるんじゃない、ほんの一部だけ切り張りをして、いわゆるこれはよく言う残高証明書ですね、この時点の。で、一緒に出ております服部さんの通帳につきましても、表紙があって、一ページがあって、一番最初の二行だけある。六十一年十一月一日と六十一年十一月五日だけです。これはやっぱり、部分的に切り張りして出すんじゃなくて、丸ごと出していただいたらどうでしょうか。そうすれば、三千万借りたと言うけれども、本当に三千万どこかに返したような跡がそこに残っているのか、二千万について一体どうなっているのか、こういうことがわかるんじゃながろうかと思います。この点につきましては、まず三菱銀行有楽町支店から原簿を取り寄せていただいても結構だし、松本さんの口座をコピーして出していただいても結構だと思いますけれども、この点について宮澤総理にお願いをしたいと思いますが、いかがでしょうか。
  69. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 先ほど申し上げませんでしたが、服部恒雄氏が何人かの友人から金を調達いたしました。そしてそれを、私ども事務所で銀行関係、法律関係をずっとやっておりますのは先ほどおっしゃいましたように松本君でございますので、服部君の方から、これちょっと自分の、個人の話なんだけれども、銀行を呼んで払っておいてくれないかということがございまして、それで松本君は銀行に来てもらいまして支払いをいたした。で、その支払いをいたしました伝票が先ほどごらんいただいたものでございますが、それには支払い者は松本雅雄となっております。これはしかし、銀行の方で、入金でございますので、いつも金の取引をしております松本から入金をしたという意味で松本雅雄と書いておりますけれども、これはもとより松本雅雄の字ではございませんで、銀行員が整理をするためにこれを書いております。その銀行の方は今でも特定できますので、これは事実はいつでも確かめられるわけでございますが、と同時に、この振り込みは実は、書類でもごらんいただきますように、現金で振り込まれております。もし、もし宮澤事務所の方の払い込みでございますと、これは当然口座から口座へ払うわけでございますけれども、現金で払い込まれておることがこの振り込み依頼書ではっきりいたしておりまして、松本服部氏からの金を預かって、いわば取り次いで銀行に払ったということであると考えておるわけでございます。  それで、その金がファーストファイナンスに入りましたので、ファーストファイナンスは、これは当然当初から服部氏と取引をしておりますから、入金をしたということで服部氏のために大和証券に株式の口座を設定いたしまして、そしてそこへ株式が移動をするわけでございます。したがいまして、その口座から株式が売り払われましたとき、それは服部恒雄の名でもとより売り払われて売却されておりますし、そして、その売却代金は同じく服部恒雄の口座に入金をいたしておるわけでございます。委員の言われました口座はただいまおっしゃいましたところのその口座でございまして、それが三菱銀行有楽町支店の口座でございます。そこに六十一年十一月五日に大和証券から服部恒雄あてに五千二百万円が払い込まれておるわけでございますが、御指摘の点は、この口座を、その後どうなったか、もう少し全貌を明らかにすべきではないか、こういう御指摘でございました。  この点はお願いでございますが、これは委員長にもお願いを申し上げたいのでございますが、これは服部恒雄という人の実は個人の取引に関する通帳でございますので、そういう意味ではプライバシーの問題がございます。この御審議の必要上、この部分につきましては写しをとりましてごらんをいただいておるわけでございますけれども、この口座の出入りがその後どうなっておるかというようなことにつきましては、どうぞその点も御勘案を賜りたいと存じます。
  70. 山花貞夫

    山花委員 納得できません。恐らく私は、従来の議事録から拝見して、総理、プライバシーの問題と言うと思っていました。しかし、今回出されました三点セット一つとなっているこの関係の文書を拝見しても、さっき指摘したとおり、十一月五日の五千万円の入金に備えてわずか四日前の一日に、今も見ました、三文判でぽんとつくったものであります。新規口座を開設したのです。もし服部さん個人の取引ならば、自分の口座を恐らくたくさんお持ちでしょう、この口座へ入れてくれと言えばいいんじゃないでしょうか。そうじゃなくてわざわざ新しく口座をつくったということは、自分の私生活上のお金のやりとりは別に明細をはっきりしておかなきゃいかぬという、こういった宮澤事務所に対する責任感があったんだということを感じます。すなわち宮澤事務所資金服部個人の名義で受けるためにこれをつくったんだ、あの口座のできから見て、その原簿を見るとそう考えざるを得ません。  そうして、あの原簿のコピーとか通帳を見るとプライバシーが侵される、こういう御心配のようですけれども、あの口座を見て、これ見てわかるとおり、ほかに何も書いてませんね。明らかにこのお金のやりとりだけですから、恐らくこの後見たって一般の私生活上の出入りなんというのが出てくる口座ではないということは形から見てはっきりしているんじゃないでしょうか。これは恐らくこの五千万についてのお金の出し入れだけに使われている口座だったと思います。したがって、この意味におきましてはプライバシーの問題は心配ないのではなかろうか。そして、プライバシーといっても、これだけ大問題となった服部さんの立場からするならば、この問題、総理が頼んで当然出していただくべきものだと思っています。プライバシーの問題についてはぎりぎりのところ我慢していただく限界の中にあるんだと私は思います。  改めてこれ、通帳全体に対して出していただいて、五千万の金の使途についても説明をしていただきたいと思います。重ねて要請いたします。
  71. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 これはお言葉を返すようでございますけれども服部氏とリクルートとの間でいわば総合的なそういう取り決めと申しますかリクルート側の計らいのようでございますけれども、証券会社の口座を設定する、どういたしますか、それからどこの預金口座にいたしますかというようなことがございまして、服部氏としてはこのリクルートとの取引はもとより初めてでございますから、そのための口座を服部氏の名前で設定をしておるわけでございまして、これはもとより宮澤に関係のないことでございます。  お言葉を返すようですが、もしこのお金宮澤の口座に入ることが必要であったといたしますと、それは宮澤の口座を指定すればよろしいわけでございまして、そうでございませんで服部恒雄の口座に入っておるということは、この取引が、株式の売買から見ましても金の流れからいたしましても、服部恒雄氏のものであるということを申し上げることができるように思います。
  72. 山花貞夫

    山花委員 これね、通帳、そこにあるのをごらんのとおり、肝心なところは何もないんですよ、何もない、肝心なところは。したがって、いわば切り張りでしょう。切り張りで、一番当たりさわりのないところだけを二行書いてあるだけですね。二行ではわかりません。これはやっぱり金の使い道というものが大変大事です。一体どうなったのかということは通帳を拝見しなければわかりません。これはあくまでも出していただきたいと重ねて要求します。――今の点については、それでは質問を留保しまして、理事会の御協議の上改めて取り上げさせていただきたいと思います。  株式売買約定書について伺いたいと思います。  今も拝見しましたこの筆跡が、宮澤さんの主張するとおり、そして説明文ありますような服部さんの筆体なのかどうかということについては、これはわかりません。添付されているパスポートの署名と確かに筆跡は異なっております。宮澤さんの書体ではないという印象は受けるわけでありますけれども、それ以上はありません。  ここで改めて伺っておきたいと思うのですけれども、実は前回、もう訂正する必要がないと言ったかつての最後の弁明、答弁、十二月一日の答弁の際、服部君は昭和六十一年九月三十日に宮澤の名義で一万株の株式を申し込んだ、こういうように説明されていました。ところが、その後の議論も通じて、その約定書、確かに九月三十日の日付でありますから、それが作成された当時は総理服部さんもアメリカ、IMF・世銀総会にいらっしゃって留守だった。二十五日から十月二日までの間は留守だったということが明らかになりました。じゃ一体、そこに九月三十日付で書いてあるその約定書、いつ書いたんでしょうか。いつ、だれが書いたのかということについて改めて確認しておきたいと思います。
  73. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 調査をいたしますと、確かに九月三十日は、たしかIMFの総会に出席のため私はワシントンにおりまして、服部も随行をいたしております。九月二十五日から十月の二日まで海外出張の期間になっております。  そこで、いつこの署名が行われたかということでございますけれども、江副証人の国会における御証言によりますと、会社の者が服部氏に接触したのは九月の半ばごろであった、こういうことがございます。したがいまして、想像いたしますと、この現実の九月三十日と九月の半ばとの間、恐らくリクルート側の何かの御都合で、少しそれよりも前の日に契約をするが日付は三十日にする、そういうことではなかったかというふうに考えておるところでございます。
  74. 山花貞夫

    山花委員 一つだけ確認しておきたいと思うのですが、十二月一日の最後答弁につきまして、六十一年の夏ごろというのについては、今のお話でも九月中旬ごろと訂正された、こう伺ってよろしいですか。そしてその上で、九月中旬からIMFへ出発する九月二十五日までの間であるというのが今の総理答弁だ、こう理解してよろしいですか。
  75. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 服部氏の記憶によりますと六十一年の夏ごろということであったわけでございますけれども、別途に江副氏の御証言によりますと九月の、夏というよりは九月の中ごろに会社の者が接触をしたと言っておられます。そういたしますと、そのときから接触が始まったというふうに考えられますので、この署名の時期は恐らくその時期から九月三十日の間であろうという推定をいたしておるわけでございます。
  76. 山花貞夫

    山花委員 今六十一年夏を訂正されて九月三十日までと言ったって、九月二十五日はもう日本にいらっしゃらないのでしょう。いなければ書けないんじゃないですか。もうちょっと時期は絞ろうと思えば絞れるということだと思いますけれども、そこについても実はあいまいなように、一体だれが書いたのかということにつきましてはいまひとつはっきりしないわけでありまして、従来これ、総理は手元にないということで出さなかった、出せなかったという経過の中、かつてあった経過というものが、もしかするとこれは河合さんが書いたんじゃなかろうか、こういう疑問が一般にありました。いなかったのですから、服部さん書けないでしょう。あるいは最近の、今度の文書から見ると、松本さんかもわからない。  こういう、一体だれが書いたかわからないわけでありまして、私はこの問題については、やはり総理の主張の一番最初のところ、これは、宮澤喜一という名前は服部さんが書いたんだということを明らかにするためにはそんな難しい問題ではない。筆跡鑑定して出していただけばよろしいんじゃないでしょうか。この点については、服部恒雄秘書及び松本雅雄秘書から直接の事情聴取をする証人喚問等も必要だと思います。それから、筆跡鑑定をして出していただいたらどうかと思いますけれども、出していただいたらどうでしょうか、この点伺いたいと思います。これまた委員長の方にお取り扱いについても相談していただきたいと思います。――今の取り扱いを含めてなお私の方から質問した上で、少しまとめて資料とか証人については要求したいと思っています。  さて、この売買約定書第五項を見ると、受け渡しの期限というのは六十一年九月三十日になっています。受け渡しの期限でありますから三千万お金を払った、そして株を受け取らなきゃおかしいということについて一体どうなるかという疑問が当初からありました。十二月一日の総理答弁の後、この問題について江副さんが証人に出てきた、十二月六日の参議院の税特であります。ここで新しい問題が江副さんの方から明らかにされました。  矢田部議員が聞いているのですけれども、「宮澤さんの関係で一万株が渡っていると言われているわけですが、この関係は融資でしたか。」という質問に対し、ファーストファイナンスの融資の問題です、証人は、ファーストファイナンスが関与していたというふうに報道されておると、恐らくそうではなかったかと推測していますと、江副さん、そう答えました。そうして特に株のやりとりがない、お金は払ったことになっている、しかし株が来ていないということから見ると、服部さんがファイナンスを受けておれば株券は来なかったという、こういう説明をしております。  これだけじゃなくて、これは他党の方の質問なんですけれども、こういう問題については、ファイナンスを受けますということについてはあらかじめ服部さん側に説明しておいたんですかというやりとりで、もし必要があればファイナンスの道も開かれているように話をしてきたというふうに話しました。最終的に、なお確認して、服部さん、ファイナンス受けたんですかという質問に対しても、恐らくファイテンスの融資を受けたのではないかというように記憶している、こう言っているんです。ところが、総理は、ファイナンスは受けていなかったという答えのようです。我々は、率直に言いまして、なぜ総理の場合だけ別のがあり得るんだろうかということは初めからの疑問です。  実は、当時ドゥ・ベスト関係で株を買い受けた皆さんの取り扱いを見ると、この九月三十日、同じ日に二枚の書面、二枚じゃなくて実は何枚があったわけですけれども、大体内容につきましては、株式売買約定書、もう一つ大事な文書として金銭消費貸借契約書、ファイナンスの融資の関係です。不動文字でほとんど印刷されておりまして、会社の名前については、売買約定書については株式会社ドゥ・ベスト、消費貸借の方についてはファーストファイテンス株式会社と、こうなっていて、全部皆さんはファイナンスを受けている、だから株を受け取ってない。総理の場合にも株を受け取ってない。ということであるとするならば、当然ファーストファイナンスの融資を受けたんじゃないか、こういうように読めるわけでありますけれども、今でも総理としては、ファイナンスからは受け取っていないという立場を堅持されるんでしょうか。この点について、事実関係についていろいろ調査したようでありますから、お返事をいただきたいと思います。
  77. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 ファイナンスを受けておらないというふうに考えておるわけでございますが、実はその当時、江副証人に対しまして、これは十二月の六日でございますけれども、先ほどそういうことを言われました後、柳澤錬造君が質問をいたしておられまして、江副さんはこういうことを言っております。  宮澤大蔵大臣に御迷惑をおかけするといけませんので正確を期さなければならないと考えておりますが、実は、受け渡しのことにつきまして私は全く直接関与しておりませんので、どういう経緯があったか存じません。自己資金でお支払いになったとすれば、先ほど申しましたように、九月三十日の申込書をちょうだいし、先ほど来申し上げておりますように、日にちのずれが、お金の工面その他で若干おくれて十月十五日でございますか、十五日にお金の調達が全部完了してお支払いをいただいたと、そういうことではないかというふうに想像しておりますと言っておられまして、金の支払いは確かに十月の十五日でございますけれども、その間にファーストファイナンスというところの消費貸借があればその契約がなければなりませんが、そのような消費貸借の契約がございません。したがいまして、ファイナンスを受けたという事実はない。江副証人は、先ほどああいうことを申し上げましたが、そうでないとおっしゃるのであれば、その方が正しい、正確なお答えでございましょうと思いますということを言っておられます。
  78. 山花貞夫

    山花委員 今の江副さんの説明というものは、株の動きを中心として、説明がしにくかったというところに原因していると私は思っています。株というのはもともとリクルート社にあったんです。最後にまとめて持っていったんで、それまではぺーパーで動いているんじゃないですか。これは国会で証券局長説明しております。本来なら受け渡しはあるんだけれども、全部ファイナンスしたり融資したりしますから株は動いてないんですよ、最後に証券会社に持っていかれた。まとめて持っていって、一覧表のリストに従って売買が行われて、どんどん振り込まれたという経過ですから。  というようなペーパーの上のやりとり、まさにぬれ手にアワだったというところにこの問題のわかりにくいところがあるわけでありまして、したがって、今の総理のような説明であったといたしましても、売買約定書にある三十日に三千万払って株が一応引き渡されたことにたっている。それならば十五日払う必要はなかったわけです。十五日に松本さんが三千万を振り込んだ、この説明がつかなくなってしまう。その十五月間については一体どうなったのかということが疑問となってまいります。融資を受けたんですか、受けないんですか。受けなかったならば、その十五日間、もうお金は払い済みのはずなんだけれども、実際払ったのは十五日になってからだった、どうなっているんでしょうか。もう一遍、この辺について整理してお返事いただきたいと思います。
  79. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 そのことは、この六十三年当時私にもどうもはっきりいたしませんでしたのは、向こう側がどういうことをしておられたかがわからなかったものでございますから、その後、山花委員が言われますように政府委員答弁でわかってまいりました。今おっしゃいますように、先方は株を、先方と言っちゃいけないかもしれませんが、リクルートの方は株を一括して持っておられて、そしてその株式は服部恒雄君のところへは来ていないわけでございます。そして日にちが来ましたときに、先方がその株式を先方の手によりまして服部恒雄の口座におろして、取引の口座におろしていった、そういうことでございましたので、株券というものはついに服部恒雄君の前に登場していないということがその後の政府委員調査でわかりました。そういうパターンで行われておったようでございますので、したがって、株をもらったら金を払わなければいけないという状況が、株をもらったという状況が起こっていない、こういうことであったようでございます。
  80. 山花貞夫

    山花委員 株をもらっていないということについて、皆さんはファイナンスです。あの金銭消費貸借の契約書を見ると、その契約書の二条については、「乙は甲に対し」という書き方ですけれどもお金をファイナンス、例えばこの場合だと三千万借りる、その債務の履行を保証するために株式会社リクルートコスモスの株式、この件だったら一万株ということになりますけれども、本製約と同時に預け入れるということになりまして、したがってお金はファイナンス会社が払ってくれる。そのかわり株は渡らない、預かったままにしておく、ペーパー操作としてそうなっているんです。だから、総理の場合にも私はこの金銭消費貸借があったはずであると思っています。  もしないとするならば、服部さんがいなかったからということかもしれませんけれども、十五日間の説明、今の説明でもわかりませんね。取引は三十日に済んでいるんです。済んでいるとするならば、なぜ十五日になって松本さんが三千万払ったのか、ここのところの説明がつきません。この間は一体どうなったんでしょうか、重ねてお伺いしたいと思います。これまでもいろいろな格好で総理答弁しているんですけれども、よくわかりにくいですね。ここのところをお話しいただきたいと思います。
  81. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 今になりますと全体の姿がわかってまいったわけでございますけれども、三菱銀行に対する、十月十五日に支払ったという事実がはっきりいたしてまいりましたものですから、当時、金を払わなかったのではないか、ファイナンスを受けたのではないかということを随分私、国会でお話があって、そんなことはないはずでございます。服部が金を調達して払ったと申しておりますと何度も申し上げましたけれども、その証愚書類がないものでございますから、それを証拠立てることができなからだ。今度それが出てまいりましたのでおわかりいただいたわけなんで、つまりファイナンスは受けていない、ちゃんと金を三千万円払っているということでございます。  それならば九月三十日の契約と支払われた十月十五日の間がどうなっておったかということは、よくこちら側にわからぬことでございますが、服部は金をちゃんと払っておる、それをこのたび証憑書類でごらん願っておるわけでございます。
  82. 山花貞夫

    山花委員 よくわからぬということでは納得できませんね。これは明らかに、今そこにある調書、株式売買約定書によれば一契約をして受け渡しの時期、九月三十日になっているのです。この日に契約を終わっているのですよ。きょう出したこの三点セットのうちの一番最初の一番大事な文書を見れば、この日に終わっているのです。  そうすると、もう一点出してきた、十五日に振り込んだということがわかりませんね。一たん終わっているのだったらなぜ払ったのか。この契約書について、ただし金の払い込みについては十月十五日だというのならわかる。そういう例外があればわかりますよ。ほかのすべてのドゥ・ベスト関係と一緒に、九月三十日で売買は終わっているのですから。一貫してそういう説明だったですよ、これは。役所の方の関係の説明はそうです。九月三十日に契約は終わっています。終わっていないという考え方ですか。今のところもう一遍説明していただきたい。そこのところが十五日間よくわからないということでは、これは宮澤さんの説明、我々は納得するわけにはいきません。この十五日間どうだったのかということをきちんと説明していただきたいと思います。
  83. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 よくわからないと申し上げましたのは、そのリクルートあるいはファーストファイナンス側がどういうふうにしておられたかが私どもにわからないということを申し上げておるだけでありまして、十月十五日に金を払っだということは、もうその証愚書類で明らかでございますから、そのことには間違いがございませんことをお認めいただけると思います。
  84. 山花貞夫

    山花委員 十五日に払ったことはそれでわかったんです。わかったんです、十五日は。しかし、契約は三十日で終わっているんですよ。終わっているのを十五日に払ったというのは、ファーストファイナンスに払っている。契約は十五日までなかったんですか、このきょう出した三点セットは。どういうことですか、なかったんですか。この契約書はなかったんだ、十五日に改めてやったんだ、こういう説明ならばそれで受けましょう。そうじゃないです、今の総理説明というのは。あくまでもこれもあった、十五日もあったということでは、これは説明になっていませんね。この間の十五日間説明してください、これは。
  85. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 ただいまの点でございますが、これは三年前にもお尋ねのあったことでございますけれども、十月十五日に支払いをしていることが今証憑で明らかになりました。  九月三十日と十月十五日の間がどのような処理になっているかということは、これはリクルート側の問題でございますので、あるいは役所でわかっておられるかもしれませんが、私の方にはわかっていない。ただ、はっきりしておりますことは、借金というような消費貸借というような契約を一切いたしておりません。これははっきりいたしております。
  86. 山花貞夫

    山花委員 していなくて、どうしてこの十五日にファーストファイナンスに払ったのかということがわからないじゃないですか。株を買ったから、ドゥ・ベストの株を買ったんだ、ドゥ・ベストに払うんでしょう。リクルートを買ったらリクルートに払うんでしょう。なぜファーストファイナンス松本さんが振り込んだのかということの意味が全く宙へ飛んでしまいますね。この点、十五日間の整理をしていただかないと、これはわからないですよ。納得できません。
  87. 山村新治郎

    山村委員長 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。     午前十一時四十九分休憩      ――――◇―――――     午後一時九分開議
  88. 山村新治郎

    山村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。山花貞夫君。
  89. 山花貞夫

    山花委員 先ほど休憩前に最後の質問として、なぜ十月十五日にファーストファイナンス社に三千万払ったのか、売り主はドゥ・ベスト、ここのところがわからない。三十日に契約ができて、ドゥ・ベストに三千万払われたはずなわけでありますけれども、この十五日間の問題について伺いましたが、この辺について重ねてまず冒頭お答えいただきたいと思います。
  90. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 先ほど申しましたように、この取引はファイナンス会社のいわば金融を、ファイナンスを受けて払い込みをせずにやったんではないかというのではなくて、払い込みをいたしておるわけでございますが、約定書によりますと受け渡しの時期は九月の三十日ということでございます。  それで支払いの時期というものを約定書には別に定めておりませんので、したがって九月三十日に約定はできた、それで支払いの期日を十月十五日と設定したのは、何と申しますか、会社側のそういう事情であるのか、こちらからの事情というふうにも考えられませんのですが、受け渡し時期は決めておりますけれども、支払いの時期については十月十五日ということを服部君が言われておって約束をしておった、こういう状況のようでございます。
  91. 山花貞夫

    山花委員 大変疑問がさらに強くなるわけです。  今お話しのとおりこの契約書、受け渡し時期というものが九月三十日である。この金の支払い期日については十五日だった、こういう趣旨のようですけれども、それならばこの中に金銭の支払い時期十五日と書くべきですね。書いてないのです、書いてない。そのほかの皆さんはすべてドゥ・ベスト関係、お調べになっていると思いますけれども、九月三十日に全部支払いと受け取り、そして融資をしてもらって担保に預けた、処理が済んでいます。宮澤総理の分だけが全く例外だということは、これは考えつかない、これが第一の理由。  もう一つ大事な問題として、総理は六十三年十二月七日、最後の税特です、この点についてこうお答えになっている。「服部君は融資を受けておりません。また、融資を申し込んだこともございません。」これはきょうと同じです。大事なのはその次、ファーストファイナンス社の経理において仮払いとして処理をしておったそうです、こういうように答弁しています。この答弁、撤回するわけですか。  十五日間の説明として、三十日契約できたけれども支払いは十五日だったというのがきょうの答弁。前回と一番大事な江副さんの証言の後の答弁では、やっぱりこの間説明がつかないから、十五日間ファーストファイナンス社が仮払いをしておった、こういう答弁でした。当時、皆さんも御記憶だと思いますけれども、その間はつなぎ融資であったのかどうか、そして利息七%どうだったのか、こういう話でありますけれども。ということがなければ、説明がつかなければ、なぜ、この後聞くつもりですけれども松本雅雄さんの払い込みはこれはファイナンスにしていますね。ドゥ・ベストじゃない。やはりこの間融資があったんじゃないですか。そうでなければ説明つかないんじゃないでしょうか。
  92. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 融資がなかったということは、何度も申し上げましたように消費貸借契約が結ばれておりませんので私はそうでないと思っておるのでありますし、それにこの売買約定書は、受け渡し時期を九月三十日としておるのみであって、支払い時期について別段触れておりませんので、三十日でなければならないと考える理由もないわけでございます。それは恐らく、何と申しますか、十月十五日にお願いすればいいんだということでそうなったのであろうと思います。それ以外にどうもこれという事情はよくわかりませんが、ただ、今おっしゃいました私の答弁は、実は江副さんが一週間ぐらい待ってくれと言われて、その期間仮払いという形で処理したケースもある云々と言っておられまして、そうしますと、会社の方がそういう処理をされたケースがあるのかなということを私はお答えをいたしておりますけれども、ただこの場合には支払いの時期を九月三十日と別に決めておりませんので、この場合を指されたのかどうかはちょっと十分定かでございません。
  93. 山花貞夫

    山花委員 そうすると総理、あれですか、この受け渡しの時期が三十日、株はもらうんだけれども金は払わなくてよろしい、こういう契約だという趣旨ですか。だれが見たってそうはならないですよ、この契約書は。受け渡し時期というのは、お金の支払い、株の引き渡し、これが九月三十日ということになっておったと、この契約書それ以外読めないと思いますが、株はもらった、お金は払わないでいいんだ、こういう内容はないでしょう、この契約読んで。とてもこの契約書の解釈からは、これは法制局長官読んでいただいたっていいけれども、こんな考え方出てきませんね。余りにも契約とはかけ離れた答弁と言わざるを得ません。  もう一遍、この点よく検討していただきたいと思います。これでは通用しないです、世の中に。そのほかの皆さんの場合には、全部三十日に受け渡し、支払い済んでいるんです。この契約の解釈はどう考えたってそうです。もし例外的に株は先にもらうんだけれどもお金は十五日先でもいいよということならば、あるいは一週間先でいいよということになれば特約がつくべきでしょう。当たり前の話だよ、これを読んで。ということと、仮払い説は撤回されるのですかということについて、二つ伺っておきたいと思います。
  94. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 ほかの皆さんの場合というのを私存じませんが、ファイテンスを受けるのであればあるいはそういうことがあったかもしれませんが、ファイナンスは受けておらないということを一つ申し上げておきたいと思います。  それから株のことは、先ほど山花委員が御自身でおっしゃいましたように、株式は本人に渡されておらないわけでございます。それは先ほど言われましたのでおわかりの上で言っておられるかと思いますが。  それからもう一つ、なぜファーストファイナンスに支払いをしてほしいと言われたかということは、想像いたしますと、恐らくドゥ・ベスト社自身が株式を保有するのにファーストファイナンスから融資を受けておって、その融資を返済するという形で、したがってファーストファイナンスに払うことを指定されたのではないかというふうに今想像いたします。
  95. 山花貞夫

    山花委員 今も、仮払いのところについて撤回されるかどうかについては明確でありませんでしたけれども、この点については金銭消費貸借を結んだ側のやりとりを見るとまた問題点がはっきりいたします。  さっきも触れましたけれども、この日に契約ができるんです。そうして株券については担保として預け入れる、そのかわり代金はファーストファイナンスが全部融資するという、全部御指摘のとおり書類上の操作でありまして、書類上の操作はしっかりしているのです、これ。株はリクルートの会社から動いていない。書類上の操作としては、お金の支払いとか融資のやりくりとかあるいは株の受け渡し、全部しっかりしている。すなわち、この契約書によって九月三十日に代金は三千万払ったことになって、株も受け取ったことになる。受け取ったけれども預かっている、こういう仕組みなんです。融資か何らかの形がなければ、十五日間、この間について説明がつかないのです。これ、どう見たって、くどいようですけれども、九月三十日、この受け渡しの問題について、代金の支払いは先だったということはどう見たって出てきませんね。これで納得すれば私は国民の皆さんから笑われますよ、この契約書を見て。私はそれは納得することはできませんね。どこからそれが出てくるのですか。金は後でよろしい、株はもらったけれども金は後でよろしい。しかもこれは小さい株じゃないですよ。一万株である、三千万円。お金はどこかでやりくりをしているはずなんです。したがってこの解釈からは、九月三十日からはどこからも出てきません。  そしてもう一つ。さっきまたお答えにならなかったけれども、融資はなかったけれども仮払いではなかったのか、これは撤回されるのですか、きょう。そこのところはっきりしてください。撤回されるのかどうか。これは、撤回されるとすればまた別の展開がありますので、この点も正確に話していただきたいと思います。
  96. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 まず繰り返して申し上げますけれども約定書には受け渡しの時期は書いてございますけれども、代金の支払いの時期については何も約定していないということをまず申し上げます。  次に、株が来たのに金を払わなかったのかとおっしゃる点については、株は先ほどおっしゃったような事情で受け取っておらないという事情がございます。  第三に、おっしゃいますようにもし九月三十日にファイナンスを受けたのであれば、十月十五日になぜまた払い込んだのかということにならざるを得ません。実際十月十五日に払ったことはもう書類でお認めいただいておりますので、九月三十日に別段の、一般のとおっしゃいました、そういう意味での、丸抱えという言葉はちょっと悪うございますけれども、そういうファイナンスを受けたようなことはない。でございますから、三千万円の払い込みをいたしておるわけと思います。
  97. 山花貞夫

    山花委員 じゃ、仮払いというようなことも一切なかった、こういうことですか。これ、三回目です。三回目か四回目ですよ。撤回するんですか。
  98. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 その仮払いの件は、先ほども申し上げましたように、江副証人が、場合によっては仮払いという形で処理をしたケースがあるという報告を受けていると言っておられますので、先方としてはそういうお考えであったのかもしれないと言って、当時御答弁をいたしておりますが、それは今でもそういう推測は私はあり得ることだと思いますので、それでよろしいんではないかと思います。
  99. 山花貞夫

    山花委員 そうすると、恐らくそれは江副証言を踏まえて考えれば仮払いであった、こういう考え方ですか。念を押します。
  100. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 そうは申していないので、当時仮払い云々ということを使いましたのは、江副さんがそういうことを言っていらっしゃる部分もございますから、そういう処理をあるいは一般的にされたのかもしれない。しかし、それは、この場合がそうだということを私は存じませんものですから、そういうふうに申したわけでございます。
  101. 山花貞夫

    山花委員 融資でないということを認めると、仮払いというような形で説明せざるを得ないんです、この話は。しかし、仮払いということでは、これまた説明がつかなくなるから、私は撤回したんだと思う。しかし、この契約書で九月三十日、株はもらうんだけれども、代金の支払いは書かれていないという言い方は、この契約書からは出てこないと思います。そうすると、十五日だったんですか、十日だったんですか、一週間だったんですか。その支払い時期については一体いつだったんでしょうか。十五日ということは初めから決まっていたんでしょうか。決まってなくて、たまたま十五日の払いだ。いつでもよかったということなんですか。  この点について、じゃ、支払い時期については先に延びておったということならば、一体いつまで延びておったのか。この点についてどういう約束があったのか、明らかにしていただきたいと思います。これは服部さんから聞いているでしょう、できる限り調べてとおっしゃっておったんですから。その辺、明らかにしていただきたいと思います。
  102. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 再度申し上げますけれども、その支払いの時期を九月三十日にしろという約束はないわけでございます。約定書にはそういうことを記載しておりません、ごらんのように。  したがって、十月十五日までの間、何か払わないでおったのはどういうわけかと言われましても、九月三十日に受け渡し時期が書いてあるだけであって、支払いの時期はいつということを約定書が書いていないわけでございますので、その間をどうしたのかと言われましても、ちょっとそれはお答えのしようがありませんで、いわんや株は受け取ったのに金を払わないのかと何度も言われますけれども、株式は御承知のような仕組みで、受け取っていないのでございます。
  103. 山花貞夫

    山花委員 受け取っていないのは全部の皆さんがそうなわけでして、書類上の整理はしてあるんです、これは。そこで、総理の場合だけは非常にそこのところが、融資はなかったという前提に立ちますから説明がつかなくなっておるということだと思います。  これは、この解釈の問題は全く納得できないということについて、また後に触れたいと思いますけれども、今、払い込みをやりました、払い込み依頼書の関係。これも確かにファーストファイナンスに払い込んだということにはなっていますね、ファーストファイナンスに。あのドゥ・ベストじゃないということですから、松本さん、ここで消費貸借か仮払いか、何らかの便宜があったからファーストファイナンスに払ったということだと思うのですね。株の代金、ドゥ・ベストに払ったんじゃない。あのファーストファイナンス社というものは単に売り買いの代理人その他ではなかったということだと思います。  ということであるとするならば、この松本さんの振り込み依頼書それ自体の問題点が出るわけですけれども、ここでは最近になって、平成三年十一月の十三日に取り寄せたという振込金受取書というのも出されてます。これも説明に必要な一切の関連資料の一つとしてお出しになったと思いますけれども、これは再発行されてますけれども、新しい意味は何もないものだと思いますね。あくまでもこの振り込みがあったことを銀行の立場説明をしたもの。  問題は、ここで振り込んだのならばファーストファイナンスの領収証があるはずなんですよ、振り込んだことについて。これはないのですか。じゃ一体その名義は、だれに領収証を出しているんでしょうか。松本さんに出しているのかな、服部さんに出しているのかな、宮澤さんに出しているのかた。この辺の説明がつけばこの文書によりましてまた問題が明らかになるのですけれども、これは服部さんだと思ったのが松本さんの名前になっておったということではありますけれども、この関係を物語るものでは何もないのですね。その意味におきましては、せっかく出されたけれども服部さんの名前が松本さんにかわったという意味におきましては大変大事な意味を持ちますけれども、それ以上のものは何も示されていないということをこの際指摘しておきたいと思います。  これはあれでしょう、領収証等については一切ないんですか。この点について伺っておきたいと思います。念を押しておきたいと思います。
  104. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 おっしゃいますように、振込金受取書再発行、これは別に新しいことを証明しているものではございません。上の方にございます、当時の振り込み依頼書を確認をいたしたものでございます。銀行から正規に振り込まれているというふうに考えております。
  105. 山花貞夫

    山花委員 何も受取書はないのでしょうかということも伺いました。  そしてもう一つ、きょうの宮澤総理答弁によって新しいテーマが出てきたと思います。というのは、三十日付の契約は代金の支払いは先だったということになっている。代金の支払いが先だったということになりますと、株だけ先にもらってお金を払わないという理屈はありませんから、この段階、十五日の段階で一体株はどうなったのですか、書類上の操作だとは思いますけれども。もし十五日に払ったとするならば、その時点で、お金を受け取ったからといって株の預かり証その他がなければ、今度は株も来ない、お金だけ払っちゃった、こういうことは商慣習上ないんじゃないでしょうか。この点について一体どうなっていますか。お金は払った、株は全然知らないというのじゃないでしょう。そのときには株券の預かり証ぐらい当然来なければ理屈に合わないと思いますけれども、きょうの宮澤総理答弁によりますと、そこでの株が一体どうなったのか、だれが預かっているのか、リクルートが預かっているのか、ファーストファイナンスが預かっているのか、これが全く新しい疑問として出てきますね。この点はどうなるのでしょうか。
  106. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 これは当時、少しおくれましてから私が関係者から聞かせたところでございますけれども、私自身ではございませんけれども、この仕事の主幹事証券は大和証券でございます。それで、大和証券が顧客につきまして、リクルートコスモス社が株券を持ってまいりまして、したがって株券はリクルートコスモス社が持っておったということになりますが、それで口座の開設手続等を代行いたしまして、そしてリクルートコスモス社がまた株式を売却する、代金を名義人の銀行口座に振り込むというふうに、そういう代行になっておるようでございます。服部恒雄氏のものもその中に含まれていたようでございまして、リクルートコスモス社の担当者の要請があって、口座開設申込書を幹事証券である大和証券に持っていって口座開設を行った、こういうことのようでございます。  したがって、山花委員の言われますように、株式は服部恒雄には一切渡されたことがないということ、それから、したがいまして、株式を受け取ったときには代金を払うのが普通であろうと仰せられましたけれども、株式は姿を見せていないままでリクルートコスモス社が一括して口座開設手続等を代行しておる、どうもこういうのが事実であったというふうに、後に調べた者が申しておりました。
  107. 山花貞夫

    山花委員 今のお話は私が潤いている先の話でありまして、恐らく十一月四日の出来事についてお話しになっているのでしょう。リクルートが株を持っていったのは十一月四日です、たしか。私が問題にしているのは、初めからそれはリクルートにあったのだということを前提にして聞いています。  しかしその前に、書類上のやりとりとしては、ほかの皆さんの場合には九月三十日、契約のときに融資をして担保として株券を預けた、こういう、書類上全部整備されています。総理の場合、それは何もないのですね。したがって、おくれて金を払ったとするならば、一体株はどうなったか。書類上は、預かり証がリクルート社あるいはファーストファイナンスから来ているはずであります。これは一遍調べていただきたいと思います。この点につきましては、後に資料請求その他で私の方からもう少し整理してきちんとした回答をいただきたい、こういうように思います。  さて、松本さんが三千万キャッシュで振り込んだ、こういう関係でありますけれども総理は従来からこの点について、宮澤事務所お金を持っていったのじゃない、こういうように説明されていますね。きょう私が最初服部さんが二十万の罰金を受けたケースについて少々引用しましたのは、宮澤事務所の中ではお金のやりくりは全部松本さんがやっておった、政治団体三つあった、そして備後会については、代表は服部さんだったけれども、やはり会計責任者、実務的には全部お金のやりくりは松本さんがやっておったということについて、さっき明らかにしたつもりです。今度の場合にも、私どもは、三千万のお金松本さんがやりくりをしたのだと、こう思っています。備後会一つでも、最近の一年間の政治資金のけたを見てみますと、大体六億とか八億とか、たしか十億ちょっと足らないくらいのお金が一年間やりくりされている、こういうように思っていますから、二、三千万のそういうやりくりは松本さんなら可能ではなかろうかとも思うわけです。そして、ただ松本さんが言っておるのは、リクルート関係だけは窓口は服部さんだったと、こういう格好になっています。窓口はそうだったのでしょう。  ということになると、実はそれは松本さんの金だったということではないという総理のお話に納得するためには、じゃ一体この三千万、友達から集めたと言っている、どこから集めたのですか。このくらいのことは話していただかなければとても納得できませんね。そうでなければ宮澤事務所の金ですよ、説明できないということならば。この三千万の金、キャッシュなんですから、幾ら個人としてナンバーワンの地位にあった服部さんとしても、三千万キャッシュで右から左、自分の金庫から出るはずないでしょう。やりくりしているはずですよ。出どころについて二、三の友人その他という話もありますけれども、一体どこから出てきたのかということについては、ぜひこれは、これだけ時間がたっている問題です、大事な、疑惑を晴らすための総理答弁を伺いたいと思います。
  108. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 最初のお話は、この金は服部氏が調達したのでなく宮澤事務所の金ではなかったかという点に関してでありますが、これは、ごらんいただきました振り込み依頼書によりましても、ここに、この現金という「現」のところに、「振」でなくて「現」のところに丸がついておりますのは、現金をもって支払われたということでございますけれども宮澤事務所の支払いでございましたら、普通、口座間で支払いをするのが通例でございます。この場合に、この三千万円が現金で払われたということがこの振り込み依頼書にはっきりいたしております。  次に、その現金が払われた経緯でございますけれども、先ほど御引用になられました、これは検事調書の一部でございますけれども服部氏が言っております、政治団体に関するもの等はほとんど松本が窓口になっていたのですが、リクルート関係に限っては自分がやってきたということを申しております。そういうことがございます。ですが、最初に、九月の中旬でございますか、そういう話を受けましてから服部氏がずっとこのことをやっておって、そして九月三十日に約定書ができております。支払いは、向こうの言いますように、ファーストファイナンスに十月の十五日にということで、服部氏がその支払いのための金をつくってまいりまして、そして松本君に対して、これは宮澤の方の会の金ではないのだけれども、君はしょっちゅう銀行の人と、ほとんどしょっちゅう銀行の人が来ておりますから、銀行にこれをファーストファイナンスの口座へ払い込むようにしてくれということを松本君が言われました。それで、取引銀行の担当者を招致して、招きまして振り込みを依頼したわけでございます。  それに対して、それは常に、常々知り合いの銀行の人でございますから、顔見知りでございますから、そのお金松本雅雄様からお振り込みがあったという書類を作成をいたしております。この書類にある松本雅雄は、もちろん本人の字ではございませんで、これは銀行員が整理として松本雅雄様と記名をいたしております。この銀行員は現在もおられまして、特定ができますので、この点は御本人の話で確認することができます。  それからもう一つ服部氏がこの金をどういうふうに調達してきたかということでございますけれども本人がいろいろな機会に新聞等に言っておりますところを読みますと、四人の友達から借りだということを申しております。その四人の名前というのを、当時から私は別段聞いておりません。これは何と申しますか、そのお方々のお立場もあろうというふうに考えております。
  109. 山花貞夫

    山花委員 今、服部さんが金を集めて松本さんにその金を渡したということについて話がありました。もしこの取引主体があくまでも服部さんの個人の取引であったとするならば、やはり服部さんが自分で振り込むというのが当たり前のことじゃないでしょうか、三千万の金なんですから。それを松本さんに頼んだのは、やはりそうじゃなくて宮澤事務所の金であった、こういうように逆に総理の話を伺いますと私たちは考えます。  同時に、今、新聞などを見てみれば、四人の友達からということだった、それ以上のことはわからぬということでは、これでは我々は今の疑惑といいますか、疑問に対して何の説明にもなっていないと思いますね。一体あの三千万というのはどこから集まったのか、また二千万というのはどこに使われたのか、この二つの問題について、新聞で見たなんということではだめだと思います。これはやはり総理が責任を持って服部さんから当然聞いていると思うし、聞いてやはり話していただかなければ、我々としては大事なこの問題点について納得することはできません。  当たり前のことなんじゃないでしょうか。これだけ大問題となった、そしてこれが一体個人の取引だったのか、宮澤さん本人だったのかあるいは宮澤事務所だったのか、そのことがかかるお金のやりくりということになるならば、三、四人とか言っておる、あるいはこの問題について大体自分としては考える必要もだかったというようなことを前に国会でおっしゃったこをもあるわけなんですけれども、とんでもない話でありまして、やはり入りと出の問題、この問題についてはできる根り正確に明らかにしていただきたいと強く要求をいたしたいと思います。
  110. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 払い込みは伝票で松本雅雄様となっておりますけれども、その後の処理は、この払い込みによりまして服部恒雄氏の証券の口座ができまして、そこへ服部恒雄氏に株式が移り、そうして売却代金がまた服部恒雄氏の銀行の口座に振り込まれておりますから、ファーストファイナンス側、リクルート側としては終始これが服部氏の取引であったということはわかっておるということの証明になってまいると私は思います。  それから、四人の友人というのは、これはまさしく服部恒雄氏の私的な関係について起こっておることでございますので、その名前を明らかにするということは、これはそういうお方々のいわばプライバシーに関係をするのではないかと存じます。
  111. 山花貞夫

    山花委員 この問題について事情は、我々こうした疑問が残るからには服部さん、松本さんから直接聞く必要があると思います。  この問題についてはまだ理事の皆さんに御相談いただきたいと思いますけれども、取り扱いとして、同時にいろいろきょうの質問の中からあるんじゃなかろうかということについての書類などについても後ほど請求させていただきたいと思いますが、そういうことの協議は協議として、やはり私はこの場では、今、三、四人、プライバシーとおっしゃいましたけれども、御本人の了解があればよろしいことだと思いますね。そういう努力もしていらっしゃらないのですから、本人はどうですかと、これだけ大事な問題なんですから協力してもらいたいというような努力はして当たり前なんじゃないでしょうか。服部さんにもそういうことをしていないというようなお話ですね。これでは納得できません。どこまで、努力やってここまでわかったんだけれども、ここが限度である、これは当たり前のことじゃないでしょうか。これは三千万集めた方についても同じ。そして、さっき質問いたしまして、質問を留保いたしました二千万の使い道ですね、これについても、服部さんの口座について全体出していただいて、こうなっておると、入り口の三千万と後ろの二千万について。今のお話では納得できません。できる限りこれは調査してくるべきだったと思いますよ。この問題について、再度総理の見解を承りたいと思います。
  112. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 二千万と言われますのは、売却代金でネットの利益になった分と存じますけれども、これは服部氏の話によりますと、当時自分は秘書をしておりました、秘書としての交際その他に一年半ぐらいの間に使いました、このように申しております。  それから、その四人のことでございますが、お言葉ではございますけれども、全くその四人の人たちはいわば私的な立場で金を貸したということでございますから、そういう方々の立場もこれは御考慮を賜れないかというふうに存じます。
  113. 山花貞夫

    山花委員 今私的とおっしゃったけれども、四人ぐらいから借りてきたんでしょう。また四人に返したんじゃないですか。そういう入り口と出口の問題がはっきりすれば、ある程度説明がつきます。全然明らかにしない。四人に三千万借りたんだろう、五千万もらったならばそのうちから三千万四人に返したのだろう、こういうことは口座その他の流れの中で明らかになるものじゃないでしょうか。口座だったら、わかれば、例えば名前を消したって、こうだということは説明つくと思いますね。この点については、やはりこれは核心です。  冒頭に申し上げましたとおり、初めの名義が宮澤だったけれども服部さんが書いたものだ、二回目、二つ目の問題として三千万は服部さんがつくったものだ、三番目、服部さんが振り込んだのが松本さんに変わったということから、やっぱり取引主体はだれかということについての根本的な疑問が残っているわけです。依然として、きょう一日伺ったけれども、この問題は残ります。新しい問題も出てきた。ということならば、前後の関係については明らかにしていただかなけれはこれは到底納得できませんね。結論として、あの服部さんじゃなく取引主体が変わるんだということなら別ですけれども、そうでなければ、私は到底この点納得することができません。  今の問題点を含め、まず第一の約定書につきましては、鑑定等の問題について問題提起をいたしました。第二番目の問題については、今やりとりがございました。それから最後の通帳の関係、口座の証明の関係につきましては、これについて、切り抜きではなく全体を出していただきたいということについてお願いをいたしました。また、直接事情を聞きたいということについてもお願いいたしましたけれども、そうした問題について、私は、残る時間、また理事に相談していただきまして、後ほどそういう問題について整理がついた段階まで質問を留保いたしたいと思います。  この際、以下の関係資料について、なお御調査していただきたいということを要求しておきたいと思います。  まず第一、株式売買約定書第五項に基づきファーストファイナンスがドゥ・ベストに三千万円を支払ったことを証明するファーストファイナンスの帳簿及び振り込み書等これを証明する資料。  第二、ドゥ・ベスト社が九月三十日付で宮澤名義あてに株を売却した際、これは今の支払いが十五日ということもかかわってまいりますけれども、当然つくられているはずの有価証券取引税法第十二条に基づく有価証券取引書及び領収書、これは相対取引でありますけれども、ドゥ・ベスト社が保管しているはずであります。譲渡を受けた者、した者の住所、氏名または名称が記載されております。  第三番目に、購入した宮澤名義の株券、これはリクルートにあったとされるものでありますけれどもファーストファイナンスに預けたことを証明するファーストファイナンスまたはリクルート社発行の預かり証があるはずであります。  第四番目に、十月十五日に松本雅雄名義でファーストファイナンスに振り込んだ三千万円についての出どころを証明する、今私が伺ったところでありますけれども、銀行口座等の資料があれば、これを出していただきたいと思います。  第五番目、この十五日に払い込みが終わった後のファーストファイナンス社またはリクルート社等発行の株券の預かり証。  第六番目、服部恒雄名義の三菱銀行総合口座通帳(口座番号普通預金四七五四三二〇)あるいはこの原簿のコピーについて出していただきたい。  私としては、三点セット関連の資料として、以上六点の文書の提出を、検討の上、求める次第であります。  なお、理事会で相談していただくとして、服部恒雄秘書松本雅雄秘書、そして当時のファーストファイナンスの社長小林宏さんについて、証人喚問を要求いたします。  以上でございます。
  114. 山村新治郎

    山村委員長 山花委員に申し上げます。  ただいまの要求に対して、理事会において協議の上取り扱いさせていただきます。
  115. 山花貞夫

    山花委員 結果を伺って、残余保留した質問については、機会あればまた質問させていただきたいと思います。  以上をもちまして、質問を終わります。
  116. 山村新治郎

    山村委員長 次に、草川昭三君。
  117. 草川昭三

    ○草川委員 草川でございます。  理事会の申し合わせによりまして、当初、補正予算あるいは来年度予算の基本的な政府の取り組み姿勢あるいはまた、午前中にも出ましたけれども共和問題についての質問を私どもも予定をしておったわけでございますが、先ほど申し上げた申し合わせによりまして、リクルート問題に集中をして質問をさしていただきたい、こういうように思います。  まず、私どもの基本的な姿勢ということを申し上げますと、今回提出されました三点セットは、宮澤総理の関与の有無を明らかにするために、実は公明党が、参議院でも非常に強く三点セットという言葉で表現をいたしまして申し入れた経過もございます。しかし、その内容は我々が求めたものとはほど遠く、疑惑の解明にはつながりません。そればかりではなくて、新たに松本秘書の関与が明らかになったわけでございまして、いわゆる宮澤氏の政治資金づくりの一環として株取引が行われたのではないか、いわゆる宮澤事務所ぐるみの疑いが一層濃くなったのではないか、特に午前中の質疑を聞いておりましても率直な私の印象でございます。総理は、自民党新総裁になられたときに、残っているのは政治家本人倫理の問題だ、こういうことを言っておられますが、果たしてその総理が反省をなされて資料提出をされたのかどうか、私は大変疑問に思うわけであります。  そこで、以下、売買約定書あるいはファーストファイナンスヘの代金払込証明書等さまざまなことをお伺いしたいと思うのですが、その前に、総理のいわゆる政治資金規正法に基づく届け出団体の数ですね、それから全国にも随分届け出られているのがございますから、いわゆる指定団体は一体幾つなのか、それから任意団体は一体幾つなのか、その任意団体のいわゆる年間の資金量等をまず最初にお伺いをしておきたい、こういうように思います。
  118. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 調べてまいりましたが、東京都千代田区に設立している政治団体は備後会、みどり会、むらさき会及び時事問題懇談会で、前三者を指定団体として届け出をいたしております。  四団体の平成二年度め収入額の総額は約七億三千万円であります。  それから、都道府県選挙管理委員会に届け出をしている政治団体はございません。  都道府県単位で私を後援してくださっている政治団体は約二十団体あり、その中で指定団体は一団体であります。
  119. 草川昭三

    ○草川委員 では、もう一つ事前にお伺いをしておきたいのでございますが、松本雅雄さんという名前が新しく出たわけでございますが、これは先ほど来も出ておりますが、政治資金規正法違反の被疑者として平成元年五月に、東京地検の取り調べの調書を拝見をいたしますと、ナンバーツーだということを認めておみえになるようであります。服部さんが秘書官になられたときには私がナンバーワンだということを言っておみえになります。特に、これら団体の会計帳簿、これら団体と特定公職の候補者として宮澤政治献金を受け入れるためにつくった銀行口座の預金通帳などは私が管理しており、現金はTBRビル内の宮澤事務所の金庫に保管し、そのかぎは私が管理いたしておりました、そのかぎは私が管理をしていたというのが今まで出ておりませんので申し上げますが、かなり松本さんを宮澤さん自身も信頼をされて、重要な位置づけとして御認識にたっておられるのでないでしょうか、お伺いします。
  120. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 松本雅雄君は、やめました服部恒雄君がかつて採用をいたしまして以来、いわば、ただいまおっしゃいましたような立場でおるのでございますけれども、専門が経理でございますので、経理とか政治団体等の法規、そういうことをずっとつかさどってまいりました。今日もそういうようなことを主としてやっております。
  121. 草川昭三

    ○草川委員 それで、宮澤さんの場合の自治省届け出の政治団体は、先ほど備後会、みどり会、むらさき会等のお話がございましたが、その中で、私どもが拝見をいたしますと、一番主要な政治活動をやっておみえになりますのは備後会だというように拝見をいたしますが、その取引銀行はどこでございましょうか。
  122. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 申しわけありません。それはちょっと私、存じません。
  123. 草川昭三

    ○草川委員 それは本当に御存じたいかどうかわかりませんが、三菱銀行有楽町支店でございます。それで、三菱銀行有楽町支店を通じまして、内容は一々申し上げませんけれども、年間がないの扱いの政治資金というものが備後会を通じて動いているということは、御存じのとおり公表されているわけでありますのでございますから、私は、この三菱銀行の有楽町支店であるということをまず一番最初に認識をしながらこの話を進めませんと、お聞きしないといかぬと思うのですが、その点どうでしょう。
  124. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 私、今確かにきちっと申し上げられませんけれども取引があると考えております。
  125. 草川昭三

    ○草川委員 では、そういう背景のもとに、一番最初約定書の話から申し上げますが、約定書のサインというものは服部さんが書いたということでございますけれども、その日付については、午前中の質疑を聞いておっても明確ではございません。いわゆる九月三十日という日付になっておるのですが、実際書き込まれたのは何日なのか、もう一度お伺いしたいと思います。
  126. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 それは先ほども申し上げたことでございますけれども、この日に当人は外国出張中であったということでございます。他方で、この株の話がリクルート関係者から服部恒雄氏のところに持ち込まれましたのは、江副氏の証言によりますと九月の半ばごろであったと思うということでございますので、したがいまして、その時期と、この九月末には出張をいたします。その間のある時点であろうというふうに推察をいたします。
  127. 草川昭三

    ○草川委員 それで、その間について総理服部さんに、その期間は一体いつなんですかというようなお問い合わせはやられていなかったのですか、ただいままで。
  128. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 それは、何日というようなことを聞いてはおりません。
  129. 草川昭三

    ○草川委員 この予算委員会総理が我々に、ある程度私どもも納得した資料が、こういうことをおっしゃっていますね。正確に言いますと、これはたしか山花さんの御質問だと思うんですが、「この問題を自分として知っておきますために資料をきちんといたしたいと考えておりました。」だから、資料をきちんとしたいと考えておられるなら、当然私の今のように、約定書を何日に書いたんだ、あんたは出張しておったんでしょう、はっきり言いなさいよということを、きょうここでお答えにならないというのは、この十一月十四日の予算委員会の御答弁とかなり反している。一番最初に申し上げましたように、政治家本人倫理の問題だと国民の皆さんにおっしゃってみえるわけですから、大変私はこれは不親切な御答弁ではないかと思うんですが、どうでしょう。
  130. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 昭和六十一年九月三十日と書いておりますが、その何日前であったか、先ほど申しましたように、九月中旬より後、そしてこの日までの何日間がということであれば、私は特にその点が何か大事なことであるというふうに自分で考えておりませんものですから、この約定書のとおりというふうに申し上げておるわけでございます。
  131. 草川昭三

    ○草川委員 それは、大変恐縮でございますが、総理自身がこの問題についての事の重要性をお気づきでないということだと思うんです。この問題から始まったんでしょう。そして大蔵大臣をおやめになったぐらいのこれは重要な問題、事の始まりなんですよ。約定書がそもそもの始まりですから。それで、その約定書宮澤喜一と書かれたわけですから。自分の意思にかかわらず、自分の一番の秘書服部さんが書いたその日付を特定をなされていない。しかも三年間あるんですよ。三年間の間放置をして、放置をすると言うと言葉が悪いんでございますが、三年間の期間がありながら、なぜ約定書は、おい服部君、一体いつ書いたんだよというぐらいのことを言われるのは至極当然中の当然だと思うんですが、どうなんでしょう。
  132. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 実は、服部恒雄氏とは三年間大変疎遠になっておりまして、このことについて話すというような実は関係になっておりません。で、私としては、しかし九月の中旬――下旬ということであれば、それが何日であるというようなことは、その時期がそういうふうにわかっておればそれでよろしいんじゃないかなと私は実は考えております。
  133. 草川昭三

    ○草川委員 ですから、余りこう言うのは大変恐縮でございますけれども総理のことでございますから、確かに今のようなお話があったかもわかりません。しかし、このリクルート問題というのは、名前を聞いただけでも忘れることができないと言っておやめになったはずですよ。大変総理にとってはショッキングなお話だったと思う。しかも、三年間という空白があった。この三年間の間、日本のいわゆる大変実力者と言われる政治家がリクルート問題によって政界の表へ出られなかったほどの歴史的な事件ですよ。それをある程度期間がたったというので総理が新しく総理に就任をなされたわけでありますが、当然のことながら、国民の前にその間の経緯というのをしっかりと御説明をされるというのが、私は総理・総裁になる前提ではないだろうか。しかし、その日付が中旬から下旬であればアバウトでいいではないか、これは私はいただけないと思うんですが、総理がそうおっしゃるなら、そういう総理だというように認識をして次の話に移っていきたいと思います。  そこで、ファーストファイナンス社への代金の払込証明書について、十五日間の空白というのが午前中も大変中心になりました。要するに、十五日間の空白というのは、一体それは融資なのかあるいは特別な配慮なのか、あるいはその間がわりにだれかがお金を払ったんではないか、さまざまな意見がありますが、これは私は事は簡単だと思うんですよ。十五日間の空白というのは、宮澤さんが特別扱いにされたということなんですよ、これは。もうその一言なんですよ。だから、あれでしょう、前の参議院の議事録を見ても、普通の一般の方々が株の売買、これは非公開でもですよ、売買した場合には、約定書を出せば当然四日目には払い込む、こういうことになっているわけでしょう。十五日間の空白というのは、明らかに宮澤総理というこのサインを相手側が意識をして特別な配慮をした、それ以外にこれは解決できない話なんです。どうなんでしょう。
  134. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 何か、株式を入手したらば、それから何日間に払うというような意味のことを言われましたんですが、先ほどからるる申し上げましたとおり、服部恒雄氏はその株式を入手しでおらないわけでございます。入手をいたしておらないわけでございます。それから、約定書にも代金支払いの時期というものは示されておりません。それは恐らく、株式を入手しないということとの関連があるのかもしれませんが、いずれにしても示されておりません。  特別扱いを受けたと思いませんのは、全体を融資で、ファイナンスで、いわば自分の金を出さずに処理をするという方法もあったというふうにほかのケースで聞いておりますけれども、この服部氏のケースは三千万円を払い込んでおるわけでございますので、そういう意味で何か特別に優遇を受けたということとは私には思いにくいわけでございます。
  135. 草川昭三

    ○草川委員 わかりました。私の常識と総理の常識が違っているわけであります。私どもは一般の庶民でありますから、約束をして株の申し込みをする、一般的には、四日後には払いなさいよ、ああそうですかという、こういうことだと思うのですずとこるが、今総理のお話は、九月三十日に約定書を書いたことは書いたんだけれども、株をもらっておりませんよ、だから、もらわないからいいじゃないのという、こういう御答弁ですよね。ところが、一般の方々はその間に、一般の方々という場合ちょっと語弊がありますから、この場合でも九人の方に特定をされているんじゃないですか、これは。  それでファイナンスを利用されて、これは後ほど加藤官房長官にもお伺いをいたしますが、たしか加藤さんの場合はいわゆる売買益だけを受けられたわけでしょう。そういうことですから、その間に売買益だけがひょこっと入るわけじゃありませんから、加藤さんのお名前かだれのお名前かは別といたしまして、かわりにリクルート社の方が申し込みをし、これがドゥ・ベストから還流した株かどうかは別といたしまして、それで売って、売る場合も相手側が指定をして売る、そして売買益が出るから払い込まれました、こういうことになるわけで、ちょっと加藤さんの例をお聞きしたいと思うのです。
  136. 加藤紘一

    加藤国務大臣 私の場合は、株数は総理の場合の半分でございましたけれども、その売買の形式やなんかは総理の場合と違いまして、それを購入する代金もリクルートファイナンスからファイナンスを受けております。それで消費貸借というのをやりまして四十日間ほどの利子を払っておりまして、ですから、そういう意味では私の方がある意味じゃ全部向こうに依存している関係なんであります。  それで、服部さんのケースの場合には、私のより実は非常に生まじめにおやりになっていると思いまして、やはり自分でお金を集めて払い込んで、ですからちゃんと、相手側にお金の方も面倒見てもらうという形とらなかったものですから、若干時間がかかったんじゃないかなと思います。というのは、売買契約日は私たちと同じ日になっていますから。だから、午前中からちょっと議論を聞いていて、何となく、まじめにやった方が何か十五日間の差で大分追及を受けているような事実になっていまして、そういう意味じゃ、ちょっと後ろで聞いていて申しわけなく思っております。
  137. 草川昭三

    ○草川委員 それは官房長官、当時からあなたは宮澤さんの大変な股肱の何とかでございますから、そういう後ろで聞いておって大変御心配をなされておるのか知りませんけれども、それは全く違う話ですね。私は、あなたの方があっけらかんのかんでしょう、どなたかがおっしゃいましたが、そういう形で売買益だけ受けられた、そしてそれをもう最初から認められておりますので、割と何というのですか、うそを言ったとか言わないとかという話からは外れておりますけれども、事の根本というのは、それは同じことなんですよ、我々が追及したいというのは。要するに特定の利益を受けられたわけですから。だから、一般の国民からいえば、政治家というのは何だという強い不満があったから今日までリクルート、リクルートという形で来ているわけですから。それはまた別として、私は今の答弁はいただけない、こう思います。  そこでもう一回、今度は宮澤さんの方に話を戻しますけれども、問題はその服部さんが三千万円を集めて入金をされた。これは現金で入金をされた、十月十五日に。現金で三千万円というのは、私、これはかなりの金額だと思うのでございますが、自分の金ならば自分で当然振り込みをされるか、あるいは銀行の方々を通じて直接渡されるのか、こういうことになると思うのでございますが、その点について不思議だとは思われませんですか。
  138. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 松本秘書は、昔、服部恒雄氏自身が採用したのでございますけれども、ずうっと長いこと一緒に仕事をしておりまして、いわば指図を受けて動く、その間、金融、政治法規等々を一番専門にしておった、こういう長い関係でございますから、これひとつやっておいてくれというようなことは、これは十分信頼の上でやっておることだというふうに、私は別段そこを不思議に思っておりません。
  139. 草川昭三

    ○草川委員 いや、私が聞いておるのは、現金三千万円というものを、どういう理由で行けなかったか知りませんけれども松本君よ、あんた払い込んでくれよと言われるようなことは通常あり得ることですかとお伺いしているのです。
  140. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 この場合は銀行の人に来てもらったのであると思いますけれども、よく来ておられますから、そういう機会を利用してこれを払っておいてくれと、それは別段私は異常なこと、異例なこととも思っておりません。
  141. 草川昭三

    ○草川委員 やはり我々とは違うと思うのですね。私どもは三千万円というのを現金で、正直なことを申し上げて見たことはございません。皆様方は三千万ぐらいどうってことないかもわかりません。そういうずれが、私は、今日日本の政治倫理の不信につながっていくんではないでしょうか。  その三千万というお金をどこで服部さんは松本さんに渡されたのか、お聞きになったことはございますか。
  142. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 これは多分、松本雅雄君は事務所国会の近くに持っておりまして、そこへいつも、経理関係のことをやっておるわけでございますから、そこに銀行の人が来たりまた来てもらったりというようなことをしております。その場所であったというふうに存じます。  確かに三千万円という金は大変大きな金で、私はそのことが日常茶飯事と申そうとしたのではございませんけれども服部松本の当時の信頼関係というものはそういうものであったということを申し上げたかったのでございます。
  143. 草川昭三

    ○草川委員 そうすると、念のためにお伺いをしますが、その三千万を松本さんに渡されたのはTBRビル内の宮澤事務所でお渡しになった、こういうように理解してよろしゅうございますか。
  144. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 実は、そこのところはちょっと確認をいたしておりませんので、確認をいたします。
  145. 草川昭三

    ○草川委員 先ほど事務所で渡したとおっしゃるのは、まだほかにも事務所があるということでございましょうか。
  146. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 恐らくは、今草川委員の言われたとおりだと思うのでございますけれども、ちょっとそれは松本秘書に確かめることができますので、確かめさせていただきます。
  147. 草川昭三

    ○草川委員 ではまず、その払い込みの場所はどこか。もちろん金額が三千万ということはもう既に御答弁になっておられますけれども、場所の特定をぜひお願いを申し上げておきたいというように思います。  それで、松本さんの位置づけでございますが、私先ほど、宮澤事務所の金庫に保管し、そのかぎは私が管理していました、そのかぎを私が管理していたというのは、かなりこれは宮澤事務所としては重要な位置づけだと思います。今は、経理が堪能だから経理のことをすべて任せているという答弁でございましたが、私は、単なる事務屋さんということではなくて、かぎを持っておるわけですから、しかも服部さんに採用されたという御関係もあるし、三千万という現金を預かっても信頼されるという位置づけ、これは宮澤事務所の私は全体の一つのかかわり合いがこの払い込みのところにあらわれているのではないか、こう思うのですよ。いわゆる宮澤事務所ぐるみでこの株の売買の問題の流れが動いておるのではないかと思うのですが、その点はどのようにお答えになられますか。
  148. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 前段はそのとおりなんでございますけれども一そこのところがすぐそういうことではございませんで、つまり、長いこと経理をやっておりますから、銀行とも毎日――毎日でもございませんけれども常時つき合いがある、それはそのとおりでございます。そして非常に信頼をして、きょうまでも仕事をしておってくれるわけでございますけれども、したがって服部氏が、松本君ちょっとこれを銀行に渡しておいてくれな、払っておいてくれなというようなことは、これは二人の間ではそれはもう十分あることでございます。  そこで、問題と申しますか申し上げておきたいのは、何かこれが宮澤事務所取引であるとすれば、それは当然口座間で資金の移動をいたします。わざわざ現金で払い込むというようなことは、これはいたしませんことは御推察いただけると思います。
  149. 草川昭三

    ○草川委員 ちょっと、今総理、大変重要な御発言があったのですが、この話は実は後で質問しようと思ったのですが、今総理は、宮澤事務所の金ならば口座から口座とおっしゃいましたね。口座から口座に振り込むのが本当だとおっしゃいましたね。もう一回確認します、その点。
  150. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 申し上げようといたしましたのは、わざわざ現金を持ってこずとも、口座を持っておるわけでございますから、現金を要せずしてそこからの振替の振り込みが普通ではないか、とういうことを申し上げようといたしました。
  151. 草川昭三

    ○草川委員 それで、総理のそのTBRの中にある事務所の通帳というのは大和銀行の通帳ですよね。これは見てきたとかという意味でなくて、先ほど申し上げておりますように、平成元年の五月、東京地検の取り調べで、松本さんの供述調書では大和銀行の通帳というのが添付をされているわけであります。午前中にも出ましたように、宮澤喜一さんのお名前で、〇一九六六三六という大和銀行の通帳があるわけであります。さっきの五千万の振り込みもそこに振り込まれているわけであります。  ここで、定例的に、そのNHKの出演料だとかさまざまなものがございますが、百万とか二百万とか百五十万とかいろいろな、まあこれが政治献金なのかどうかわかりませんが、振り込みがなされておりますね。それをある程度まとめて備後会の方に振り込まれていますね。だけれども、その振り込みを現金でおろして備後会の方に持っていかれている例があるんですが、先ほど口座から口座とおっしゃったのと事実は違うんでございますが、その点はどうなんでしょう。
  152. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 ちょっと御質問の意味がよくわからずにおりますけれども、この今言われました大和銀行の口座というものはございますが、私の政治活動に関する一つまり私的でない、会館に入ってきますような金でございますけれども、原稿料であるとか放送料であるとか、あるいは退職金であるとか、そういうものをここで扱っております。ほかにも無論口座が、先ほどお話しのような三菱銀行にあるのであると思いますけれども、先ほどの服部氏の依頼によるものは三菱銀行の方へ現金で払っておる、この大和銀行の方とは無関係のことでございます。
  153. 草川昭三

    ○草川委員 じゃ、大変恐縮でございますので、ちょっと話を前へ戻しまして、いわゆるこの松本氏の、秘書の名前で振り込み証明書が提示をされたわけでございますが、これは、この振り込みが事実上服部氏によるものであることについて、相手側、ファーストファイナンス社の担当者が承知をしているために、実は振り込みは松本さんの名前だけれども服部さんの株に振り込まれたんですよ、株取得に振り込まれたんですよという証明が出ましたね、一昨日。これは、午前中にも出ましたけれども、振り込みが事実上服部氏によるものであることについて相手側のファイナンス社の担当者が承知をしておるということは、まさしく事務所一体の受けとめ方をしたんではないでしょうか。こういうことを私は言いたいんですが、やはりこれはそういうことには関係なく、服部服部松本さんは松本さんの、単なる事務局員だというような位置づけなんで事務所一体でないとおっしゃりたいんでしょうか。
  154. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 私はそう思っておりまして、つまり事の始めは、六十一年の九月の中旬以降のある日に売買契約書ができまして、それはリクルートの人と服部氏との間であったわけでございますが、それに従いましてその後のことのいろいろ打ち合わせがあって、この金はファーストファイナンスに十月十五日にお払いくださいということがございました。それで、ファーストファイナンスにいたしますと、そのとおり十月十五日に金が入ってまいりましたので、そこで株式を服部恒雄という口座を設けまして、そこへやがて移し、そこから売買が服部恒雄の名で行われ、売買というか売ったわけでございますが、そこからまた服部恒雄の口座にその金が流れたというふうに、相手側と服部恒雄氏との間にはこの取引服部恒雄氏との取引であるということが当初から最後まで了解されておった、そのために金が入ってきましたときに迷わずにそれを服部恒雄氏のものとして株式を移した、こういうことであろうと思います。
  155. 草川昭三

    ○草川委員 そこでお伺いをいたしますけれども、一体服部氏は三千万円の現金をどこから集められたのかというのがずっと疑問になっていますね。それで、それは個人のことだからだめ、こういうお話でございました。ところが、これは私どももいろいろと調べさせていただいて大変恐縮ですが、十五日の日、これは六十一年の十月の十五日、今総理の御答弁になった、払い込みなさいという日ですよ。この日に宮澤喜一名義の先ほど指摘をしました大和銀行の衆議院支店から現金が五百万円引き出されているんです。十月の十五日に現金が五百万円引き出されているという事実は、これはお認めになると思うのでございますが、どうなんでしょう。
  156. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 これは即決の検察調書に伴いまして検察が公表されました総合預金口座の写してございます。それによりますと、そういう事実がございます。
  157. 草川昭三

    ○草川委員 そうすると、これはその通帳には現金と書いてあるのですよ。私が先ほどお伺いしたように、もし、この五百万という現金がどこへ持っていかれたんでしょうね。あて先は当然のことながらお知りになっておられると思うのですが、どうでしょう。
  158. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 これを見ておりますと、八月にも百万円、二百万円、今十月に五百万円、また十月に二百万円、十二月に二百万円、かなり現金として支出をされておる部分がございます。ちょっと私これが何であったかを存じておりません。ただいまちょっとこれを見ただけでございまして、私はこの口座のことを全く自分で、任せっきりにしておりますので、ちょっと御説明できにくうございます。
  159. 草川昭三

    ○草川委員 今の答弁は、先ほど来私が御指摘を申し上げておりますように、十分精査したものをお見せしたいとおっしゃってみえるわけですから、そういう今のようなことを承知をしていないというわけにいかぬと思うのですよ。そういう答弁では私は納得できませんね。
  160. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 これはちょっと突然のお話でございますので、この五百万円が何であったかということを、さあ調べられますかどうか、これはちょっと、いずれにいたしましても調べてみます。
  161. 草川昭三

    ○草川委員 よろしゅうございますか、私、対応が悪いと思うのですよ。それは、一番最初に申し上げたように、こんなものは、言っちゃ悪いけれどもこんなものは見られているのだから、総理も事前に精査していただかなければ困ると思うのです、それは。――じゃ、これは委員長、後できちっとしてくださいよ。  だから私が事前に、これは例えばの話ですよ、例えばこの五百万がこの通帳から備後会に入っておるかもわからぬでしょう。だから、備後会に入っておるならば、口座から口座へ移したという前の答弁は間違いですよと私は言っているのです。自分の内輪同士なら口座から口座に入れりゃいいんだよ。ところが、十月十五日に現金を五百万円引き出しておるので、同じ十月の十五日ですから、この金は三千万の一部じゃないですか、当然そういう質問があることは予測をしていただかなけれはこれは困るですよ。ある日突然三年前の通帳がどうのこうのといって、私はそんなむちゃなことを言っておるつもりはない。十月の十五日に現金を引き出しておみえになるから、三千万の一部じゃないですかという質問がなぜ悪いんですか。当然でしょう。当然だという、お答えくださいよ。それで、後日答弁をするならしてくださいよ。私は、政治資金ならば口座から口座だとおっしゃってみえるから聞いているんだから、むちゃを言っているつもりはありません。
  162. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 それは、申しわけないんでございますけれども、この大和銀行の口座は私のいわば会館が保管をいたしておりまして、私のいろんな意味での政治活動に直接会館が関係するものを出し入れをしておりますので、その服部恒雄君の口座では全くございませんものですから、このたまたま同じ日に五百万円が支払われているということとただいまのお話と、どうも私関係づける、全くそういう考えが浮かびませんでしたので、急にお尋ねがあってお答えができないのでございますけれども、これが何のために出されたか、これはいずれ調査をいたしておきます。
  163. 草川昭三

    ○草川委員 ですから、他人の懐をどうのこうのでなくて、政治資金の関係で、例えば宮澤さんの大和銀行のところにいろんな金額が振り込まれているけれども、この金額が例えば自分の内輪の移動ならば口座から口座だとおっしゃったから、じゃ口座から口座でないお金が出ておるからどうなんでしょうか、こういう質問になったわけです。でございますから、その点は、これはまだその通帳全体の問題を含めまして根拠をお示し願いたいというように思います。  これで、問題は、松本さんの関与の問題でございますけれども、金庫番であるところの松本さんがいわゆるファイナンス社に対して払い込んだ、これはただ単にかわりに払い込んだというわけには我々は了解をするわけにはまいりません。この間の関係がどういう位置づけだったのか、どういうやりとりがあったのか、ぜひ私は服部さんあるいは松本さんにも直接お伺いをしないとこの間の解明ができません。今のように総理の方からも細かいことについては承知をしていない、しかし少なくとも三年の間総理はこの間についての御反省なりあるいは今後の対応なりを研究してみえたわけでありますから、不意打ちでも何でもない。一体十月十五日のお金は、服部さんが本当に友達なのか、あるいは自分の政治資金の方からそれが流用されているのかどうか。なければないで、ただいま私が質問したら、それは違いますよ、備後会に入れたんなら入れたんだよという答弁ができるはずですよ。できないんでしょう。だから、それは私はおかしい、いわゆるおかしいというよりも総理の姿勢に私は問題があるということを申し上げたい。総理が積極的に国民の前にあるいは我々の質問に対して事前に、そうじゃないんだよ、そうじゃないんですよ、これこれしかじかだということをおっしゃらなければ、私はこれからの大変難しい日本の将来を切り抜ける総理にはならぬのではないか、こんなように思うわけであります。  そこで、さらにこの売却代金の入金証明書についてお伺いをしたいと思います。  三菱銀行の有楽町支店に服部氏の個人口座の口座が新規に開設をされたわけでございますが、この口座は一体だれが開設をされたのか。実際は服部氏ではないのではないだろうかという私は疑問を持っておるのですが、その点どうでしょう。
  164. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 服部恒雄名義の口座でございまして、服部恒雄氏が開いた口座と存じます。
  165. 草川昭三

    ○草川委員 服部氏はこの口座を開設したわけでございますが、新聞報道によりますと、たしか朝日新聞ですが、株の割り当てを受けるということについて、そのことのいいか悪いかを大蔵省に相談をしたというインタビューがございますが、大蔵省はそのような相談を受けられたことがあるのかないのか、お伺いをします。
  166. 金子義昭

    ○金子(義)政府委員 新聞に報道されたような事実関係につきましては、大蔵省として承知しておりません。
  167. 草川昭三

    ○草川委員 本人にこれもおいでを願いまして、どなたに相談をされたのかどうか、あるいはまたそういうサゼスチョンを受けてこの口座をつくられたのかどうか。なぜこの口座をつくったのかということをお伺いする理由は、服部氏個人のものだという前提で今問題が進んでおるわけです。ところが、服部氏個人の利益としてこのものを見るならば、当然服部さんはどこかに日ごろの通帳を別に持ってみえると思うのです。その自分の持っている個人の通帳に売買利益というものを指定して入れていただくというのが服部個人の証明になると思うのでございますが、そういう個人の通帳が私は別にあると思うのでございますが、総理はその点についてお確かめになられたのかなられぬのか、お伺いをしたいと思うんです。
  168. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 それは確かめたことはございませんけれども、恐らく別に口座は持っておるでございましょうと常識的には考えます。
  169. 草川昭三

    ○草川委員 では、どうして本件だけは別に新しく売買益が振り込まれるわずか数日前に口座を開設したのか、お伺いをしたいと思うのです。わかりませんか。
  170. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 これは本人の当時の話によりますと、自分はリクルート株関連のこれは初めての取引なのでそのために口座をつくったのである、こういうことを言っておったそうでございます。
  171. 草川昭三

    ○草川委員 ちょっとここは重要ですが、そうでございますではなくて、このことについてお確かめになられたかどうか、お伺いをしたいと思うのです。
  172. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 当時、私ども秘書が確かめております。
  173. 草川昭三

    ○草川委員 それで、この口座を、売却代金の入金というのはたしか六十一年の十一月五日、その直前に開設をした。この開設の申し込みの書類というようなもの、あるいは店の方に、銀行の方にその入金の、入金というか口座を開設を申し込んだという受け取りがあるわけでございますから、それらについては、委員長、どうでしょう、ぜひ我々の資料要求の一つに入れていただきたいと思うのですが、どうでしょうか。
  174. 山村新治郎

    山村委員長 草川委員に申し上げます。  理事会で後刻協議させていただきます。
  175. 草川昭三

    ○草川委員 じゃ、続いて売却代金の五千二百二万円のうち、いわゆる借金であるところの三千万をいつ引き出したのか。その点も総理服部さんに質問をされたのでしょうか。お伺いします。
  176. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 聞いておりません。
  177. 草川昭三

    ○草川委員 そこら辺が、総理、どのように御理解なすっておみえになるのでしょうか。そのあたりは根掘り葉掘り聞かれて対応されるのが我々の常識だと思うのですが、どう思われますか。
  178. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 当時から私は、服部氏が個人的な取引をしたということを、そのように聞いて思っておりますものですから、その金をどこから集めたとかあるいはどういうふうに返したとかいうことは、私は、服部氏のことでございますから、聞いておりません。
  179. 草川昭三

    ○草川委員 三年前に総理をやめられたときの状況というのを我々も鮮明に覚えておるわけでございますが、今私どもが質問をしておるようなことについて非常に不明確な答弁をされる、何回かそれが訂正される、それがゆえに一挙に不信感が強まって、三点セットということになられたわけですから、そういうことを思い出していただければ、なぜ服部氏が自分の個人の口座に金を入れなかったんだ、なぜ特別にそれを組んだのか、そこらあたりは当然御質問になるのが常識だと思うのですが、どうですか。
  180. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 私が最後に、これは自分の個人的な取引であったということを確認いたしましたので、それをもって御報告をすれば足りる、こう考えたわけでございます。
  181. 草川昭三

    ○草川委員 もう一つ、ちょっと大変これ、私の質問でございますから、総理は聞かれたかどうかでございますが、この服部氏の名前がリクルート事件に取りざたされをし出したのは、たしか六十三年の七月六日ですね、新聞に出だしたのは、服部さんに割り当てがあったというのは。ところが、その直後の六十三年の七月十三日に、この三菱銀行の口座が閉鎖されているんですよ。それは御存じですか。
  182. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 存じません。
  183. 草川昭三

    ○草川委員 存じないというのは、私は甚だ不本意ですね。委員長、一昨日我々に三点セット、一昨日ではなくて先週の金曜日に開示がございましたね。あの我々に三点セットの資料をいただきました中に、私も確認をいたしましたけれども、三菱銀行の服部恒雄様あての総合口座を我々は拝見しましたね。この総合口座に、普通預金のお届け印の上に細長い印で、六十三年七月十三日解約となっていますよ。解約というんですか、解消というんですか、それは今も総理、お手元に持っておみえになりますから、御確認できるのでしょう。
  184. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 六十三年七月十三日三菱銀行株式会社通帳、これは何と読むのでございましょうか、判が書いてございますけれども、これちょっとどういう意味か、私、よくわかりかねております。
  185. 草川昭三

    ○草川委員 これは政府委員でありませんからちょっと悪いですが、秘書官、私は秘書官に質問したんだから、ちょっと耳打ちしてくださいよ。どういう意味か御説明してください。
  186. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 印は読めました。株式会社三菱銀行通帳の印でございます。そこへ六十三年七月十三日となっております。これはちょっと専門家に調べさせていただきます。
  187. 草川昭三

    ○草川委員 我々への過日の秘書官の御説明によりますと、七月十三日に口座は閉鎖している、その数字だというふうに私は聞いておりますが、改めてもう一回、そうかどうか、これは重要な点でございますので、再度御質問します。
  188. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 六十一年にこの口座は開かれておりますが、六十三年七月十三日のこの意味がどういう意味でございますか、よく専門家から聞きまして御報告いたします。
  189. 草川昭三

    ○草川委員 じゃ、今ここで御答弁できない、こういうお話でございますが、委員長にこれは改めてお伺いをしますが、我々は、この三点セットというのは理事会だけの公表なんですよ。一般のこの委員の方々には公表されていないわけですよ。そしてほかの方々にも公表されていませんね。だけれども、私どもは代表としてこの問題を取り上げて、そしてその判断の上に見さしていただいたわけです。ですから、この服部さんの新しく開設をされた口座のあり方というのは非常に重要な位置づけだと思っているのです。だから、いつオープンになったのか、口座が開設されたのは、これは明らかになりましたね。いつ閉鎖をされたのか。その時点は、私は、げすの勘ぐりではございませんけれども、先ほど言ったように、リクルート問題について服部氏の名前が出たのが六十三年の七月六日、その直後の六十三年七月十三日に閉鎖をされておるとするならば、これは私は問題のような気がするのですよ。しかも、我々に示されましたこの口座というのは五千二百万の後ですね、その後は全部示されていませんね、我々に。いつ五千万が引き出されたのか、あるいはとりあえず友人に返す三千万がいつ引き出されたのか、ここは非常に重要な問題だと思うのです。  その点は、これは総理というよりは委員長、どう判断されます。基本的なことについて、院として委員長がお預かりをされたのですよ、総理から。委員長がお預かりをされた資料のもとに我々は今議論しているのですよ。ところが、その資料について明確な御答弁がない。おかしいでしょう。これはちょっと棚上げして議論を進めろというわけにいかぬと思うのですが、どんなようにお考えになられますか。
  190. 山村新治郎

    山村委員長 理事会で協議させていただきます。
  191. 草川昭三

    ○草川委員 では、時間がどんどん過ぎていきますので、ここで証券局に少しお伺いをしておきたいことがあるのです。  まず、服部氏の大和証券の口座はいつごろどこでどのように開設されたのか。大和証券の方です。お答え願いたいと思います。
  192. 金子義昭

    ○金子(義)政府委員 当時、主幹事証券、大和証券でございますが、に確認しましたところ、一部の顧客についてはリクルートコスモス社が株券を持ち込み、口座開設手続等を代行したというふうに聞いております。これらの中に服部氏名義のものが含まれていたということのように聞いております。
  193. 草川昭三

    ○草川委員 これは一般論としてもう一問証券局に聞きますが、株券を所持する者がその株券を売却するために証券会社に口座開設を申し入れた場合、その株券が申し入れられた本人のものでなかったとしても、証券会社は口座を開設し、その株券を売却して、株券を持ち込んだ者が指定した銀行口座に売却代金を振り込むことには問題がないのか、あるのか、証券局にお伺いします。
  194. 金子義昭

    ○金子(義)政府委員 商法二百五条によりますと、株式を譲渡するには株券を交付することを要し、株券の占有者はこれを適法の所持人と推定するものとされておるところでございます。したがいまして、株券を所持する者の指示に従い口座を開設し、その株券を売却して、その銀行口座に売却代金を振り込んだ、こういう行為は通常の商行為でございまして、問題はないと考えております。
  195. 草川昭三

    ○草川委員 今の大蔵省の証券局の答弁は、実は非常に重要な意味を持っておるのです。で、証券局の答弁にこれまで明らかになっている事実関係と今回提出をされました三点セットを当てはめてみます。  今の答弁によりますと、たとえ持ち込まれた株券が宮澤さんの名義で、宮澤さんが所有する株券であったとしても、大和証券に服部氏の口座の開設がされて、売却した後、服部氏が指定する三菱銀行有楽町支店の服部氏名義の預金口座に売却代金を振り込ませることができるということなんです。そういうことを今言っているのです。ただし、この場合、今も答弁がありましたように、実際にはリクルートコスモスの社員が服部氏にかわって大和証券にこれらの手続を依頼している。すなわち、宮澤総理が所有する株であっても、秘書服部氏の名前で売却でき、その代金を服部氏の口座に振り込めるということなんです、今の答弁は。  そうであれば、今回総理から提出された三点セットと、補足資料として総理から提示をされました大和証券が服部氏にあてたリクルートコスモス株の売買応募報告書は、服部氏がみずから所有する株を売却したという証明には全くならないのです。宮澤さんの株を服部氏が宮澤さんのかわりに売却をしたということにすぎないのですよ、今の答弁の延長というのは。結局これは、総理自身の株の売買である、そして新たに松本氏の関与が明らかになり、宮澤事務所ぐるみで売買を行ったということではないか、そういうように私は主張したいのですが、総理はどのようにお答えになられますか。
  196. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 ちょっと今のお話がよくわかりかねたのですけれども、私自身はそういう株を全く所有しておりませんのですから、株の現物はないのでございます。こちらに渡っていないのでございますから、そのようなことが起こるはずがないと思います。
  197. 草川昭三

    ○草川委員 そういう今の午前中の答弁の上に私は申し上げておるのです。要するに株というのは、申し込んで手に入れて売ったという事件と違うのですよ、いわゆる還流株ですから。そして、あらかじめ政界の主要な方々に配った特別ケースなんですから。だから午前中の十五日間の問題も出てくるわけですよ。だから、総理はそのことを十分御承知のはずですよ。服部さん自身も大蔵省に相談したと朝日新聞のインタビューに答えているのだから。それで、こういうやり方ならいいだろう、だから特別の口座を開設し、やばいと思ったから特別の口座を閉鎖した。そして事務所ぐるみで、服部さん自身がどのように使われたのかこれからもお聞きしなければなりませんけれども、少なくとも午前中の質問あるいは今私が質問をしたことに対する総理の御答弁では、私は、結局宮澤さんの名前ということを利用しようしまい関係なく、相手側は宮澤さんだから株を割り当てたのです。だから、特別な便宜を計らったのです。  そして、ほかの方々と違って、多分服部さんは三千万円集めてきたんでしょうね。しかし、その三千万円の友達四人のだれに借りたかということは今もっておっしゃらぬわけですよ。そんなことはAさん、Bさん、Cさんでもいいじゃないですか。一千万ずつなのか、五百万ずつなのか、あるいは先ほど私が言った五百万がその中に入っているのか入ってないのか、そういうことも我々の目の前に提示をされて、そして、何ゆえに個人のところに入らないのか、別の口座を新設したのか、そしてそれを閉鎖したのかということ、一連のものを、私が聞いておる限りではしょせん、これはもう一回前へ戻りますけれども、明らかに宮澤株というもので動いていた、服部株ではない、ただいろんなやりとりがある、しかも今回松本さんが関与したということについて、私はこの疑いを解消するわけにはまいりません。  どうかこの際、私が今申し上げたことについてもなかなか御答弁にならぬ、松本さん、服部さんにこの国会に来ていただこうということを我々は提言するのですが、そのことについて総理は御同意なされるでしょうね。どうですか。
  198. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 前段におきまして、何か私がこの株を持っておったという、そういう推定でお話しされましたけれども、九月の中旬でございますか、そもそもこの話がリクルートの人と服部恒雄氏との間で始まっておりますので、私はその間、最終のところまで全く関与をいたしておりませんから、ちょっと前段のお話は私によくわかりかねるということでございます。  それから後段のことは、私はかねて申し上げましたとおり、これにつきましての関係のいわゆる三点セット、証憑等々を委員長のお手元まで提出を申し上げ、皆さんに御審議を願っておりまして私自身誠実にお答えをいたしておりますので、どうぞ私の申し上げることを御信用を賜りたいと存じます。
  199. 草川昭三

    ○草川委員 今の御答弁に承服しかねるからこそお二方を呼ぼう、そのことについてどうか、私の意見を信用しなさい、信用できません、そういうことです。それは私は承服しかねますので、ぜひお二方の証人喚問、あるいはまた、私は、大和証券の五百万の問題、あるいはなぜ閉鎖をしたのか、あるいは三菱銀行有楽町支店の新しい口座開設の問題等を含めまして、ぜひ資料の提出を求めて、私としてはちょうど一時間になりましたので、残余の質問は保留をして終わりたい、こう思います。  以上です。
  200. 山村新治郎

    山村委員長 次に、三浦久君。
  201. 三浦久

    三浦委員 総理にお尋ねをいたします。  今まで総理の御答弁を私は非常に注意深く聞いておりました。しかし総理答弁は、総理が一九八八年十二月の一日に最後釈明だということで御答弁され、そしてまたそれをめぐって十二月の七日、八日、大蔵大臣辞任をされる直前まで御答弁をされておったその答弁内容と非常に食い違っておるのですね。総理自身は、これはもう最後釈明なんです、もうこれが間違っていれば代議士もやめます、大蔵大臣もやめます、そういう気持ちですということをその当時吐露しておられましたね。ところがきょうは、今申し上げましたように、参議院の税特委で最後釈明として言われた言葉、答弁と全く違うことを言われておるのですよ。  私はそういうことから見ても、総理がこの株の取引服部の個人取引、もっと平たく言えば、総理にないしょにしてそして自分の私腹を肥やすためにやった行為だということは到底考えられない。私も同僚議員と同じように、これは宮澤事務所ぐるみで、宮澤という政治家政治資金を集めるためのそういう行動であったという疑惑を非常に深く持つものであります。  この点について、私は前提として、いわゆる宮澤代議士のときもありました、今は総理大臣ですが、その当時は大蔵大臣、その当時の大蔵大臣秘書官、いわゆる服部さんと、そしてまた第二秘書また第一秘書をやったりする松本雅雄さん、このお二人の関係についてちょっとお尋ねしておきたいのですが、基本的なことは大体今出ましたですね。今までの質問で出ました。一つ確かめておきたいのは、松本氏は服部氏を自分の上司だと思っている、こういうふうにおっしゃっているんですが、そう理解してよろしいですか。
  202. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 冒頭に、私が昭和六十三年の十二月に申し上げましたとこみと今日申し上げましたこと、並びに、差し上げました証憑によってお読み取りいただけることとは、私は別に違っておらないというふうに存じております。  それから次のお尋ねでございますけれども、本来先におりましたのは服部恒雄氏でございまして、これはもう昭和三十年そこそこからでございますから長かったんでございますが、その服部氏が当時、何年ぐらいたちましてからですか、松本君をひとつ採用しようじゃないかということで私に申しまして採用したのでございます。ですから、当時そういう関係でございました、そのとおりでございますが、この出来事が起こりまして、私、大蔵大臣辞任をいたしまして服部恒雄氏も事務所をやめまして、それ以来はそういう関係ではなくなっております。
  203. 三浦久

    三浦委員 それで、今までのお話を聞いておりますと、松本雅雄氏は宮澤事務所会計責任者ということでございますね。それは先ほどもお尋ねがありましたように、いわゆる自治省に届け出られている四つの団体、これの実質的な責任者だった。現在もそうでしょう。そしてまた、いわゆる総理の特定公職の候補者たる立場で取り扱われる政治献金を取り扱うその責任者でもありますね。その宮澤事務所に金庫があるということが今話に出ました。その金庫には現金が保管されておって、その現金は松本雅雄さんが保管をされているのではありませんか。
  204. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 私は中を存じませんけれども、一般に金庫にはしばしば現金が入っておりますし、その保管は松本雅雄君がやっておると思います。
  205. 三浦久

    三浦委員 その金庫の中には何千万円というお金が現金で入っている、そういうこともあったんじゃありませんか。
  206. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 的確には申し上げられませんけれども、やはり用心というものもございますから、なかなかそういうことは用心深い管理者でございますから、どうでございましょうか、確かめる方法もございませんが、いかがかと思います。
  207. 三浦久

    三浦委員 総理、あなたは、服部恒雄氏が政治資金規正法違反で二十万円の罰金を受けましたね、そのときの調書をごらんになったんじゃございませんか。ごらんになったようですね、先ほどからの答弁を聞いていますと。この答弁によりますと、この五千万円のお金は自分が松本に指示して銀行からおろさせて、そしてTBRの宮澤事務所松本が管理する金庫に保管させておきましたと、こういうふうに述べられているのです。これは松本氏も認めております。ですから、五千万円とかもっとたくさんのお金をばらまいたと言っておるわけですから、五千万円ぐらいのお金は入っているということは当然あるんじゃありませんか、総理が知らなくても扱っている御本人がそう言っているわけですから。明白に書いてありますよ。
  208. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 そういうことも何か例外的にあったかもしれませんが、普通はどうもそういうことをいたさないと思います。
  209. 三浦久

    三浦委員 そうすると、五千万円の現金がこの金庫に保管されておった、そういうことがあったということは菊認めになったわけですね。そうしますと――いや、そうでしょうそれは、そういうことがあったんだから。そういたしますと、政治団体の会計責任者は松本氏だ、それでまた、総理政治献金の受け入れの大和銀行通帳の管理者も松本氏だ、現金を入れている金庫の管理者も松本氏だ、それで、松本本人も認めているように、まさに松本氏は総理政治献金を一切仕切っていた人物です。この松本氏が株購入代金の振り込み依頼書の依頼人になっているということですね。  そうすると、この松本氏が服部氏から頼まれたから払い込みをしたというふうに総理は言われるのですけれども、こういう最高の会計責任者がその三千万円のお金の意味もわからずに、ただ振り込んでくれと言われて、はいそうですかと、子供の使いみたいに振り込みに行くというようなことは私はとても考えられない。  そういうことから見ると、例えば売買約定書宮澤喜一名義で行われているんですからね。そしてまた、会計お金の振り込み、購入代金の振り込みもあなたの事務所会計責任者の名前で行われているのです。そうすれば、常識的に見れば、だれが見たってこれは宮澤事務所としての行動でやったんだというふうに思うのが当たり前ではないでしょうか。総理はその点とう思われますか。
  210. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 先ほども指摘がありましたけれども松本君は私の事務所でずっと経理をやっておるのでございますから、無論私の事務所の金を扱っておるわけでございますけれども、そういうことで銀行とはしょっちゅう会っております。他方で、かつての服部氏と松本君とはそういう関係でございますから、服部氏が松本君に、ちょっとこの金をこういうところへ振り込んでおいてくれよと言えば、これは、はいはいと言うのは、そういう関係でございます。別に、だから松本が扱ったからそれが宮澤事務所の金だなんということにはこれはなりませんので、わかりましたと言って払い込んだ、こういうことであったというふうに聞いておるわけでございます。
  211. 三浦久

    三浦委員 総理、三千万円というお金なんですね。それも総理にないしょで、自分の私服を肥やすというためにやっている行動なんですよ、あなたに言わせれば。私はそう思わないけれども、あなたに言わせれば。そうすると、それを処理するのに何で宮澤事務所会計責任者にわざわざ代金の振り込みをお願いするのですか。もっと別の人にお願いするか、自分でやるのが当たり前でしょう。大体、あなたに秘密でやっておることなんでしょう。あなたそう言っておられるね。報告もない、事前の相談もないと言っておられるのだから。そうすれば、何で宮澤事務所に三千万円というようなびっくりするような金を持っていって、そしてそれを振り込んでくれなんて松本氏に頼むんですか。これは大体筋が通りませんよ、そんな話は。それは虚構ですよ。総理自身どう思われますか、これは作り話じゃありませんか。  それで、じゃ、もう一つ言いましょう。この振り込み名義人が松本の名義になっているけれども、しかしそれは銀行員が書いたんだと、こう言っていますね。こんな大事なことを銀行員が自分で書きますか。これこそ本人に書いてもらうところじゃありませんか。我々だって銀行の取引ありますよ、そんな三千万なんという大きな金じゃありませんけれども。銀行員が来て、そして貯蓄をおろす、そういう手伝いしてくれるときありますね、振り込みの手伝いしてくれるときあります。しかし、その名義の名前は、自分のところは自筆で書きますよ、みんな。それで、届け出た判こを押すんですよ。それを銀行員が勝手に書いたらどうするんですか、そんな教育は銀行員は受けておりませんよ。それは後でもって、依頼人やそのいわゆるおろしてくれと頼まれた人、また振り込んでくれといって頼まれたその依頼人の意思がどこにあるのかということが後で問題になったら大変ですから、必ずこれは御本人の意思でやったんですということで、自筆で書くのが当たり前なんですよ。そこだけは必ず自筆で書かせるんですよ、銀行員というのは。  ですから、あなたの答弁というのは、そういう意味では大変私は取引の常識に反しているし、虚構に虚構を重ねた、やはり偽りのシナリオだというふうに思わざるを得ないんですが、そうじゃないんですか総理、事実。
  212. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 そうじゃありません。それは、おろすときは大変厳重なんでございますけれども、振り込むときでございますし、まあ本当に三日に上げず会っておるわけでございますから、これ振り込んでくれよと言えば、はあと、銀行はいわば預かる立場でございますからね。で、処理として、松本雅雄様という処理をしておるわけで、そしてそれが振り込まれて、払い込まれた、こういうことでございます。  それから、虚構と言われますけれども、実際、現金で三千万円が銀行に払い込まれたということは、ごらんいただきました証愚書類ではっきりしておるわけでございますから、虚構でも何でもございません。
  213. 三浦久

    三浦委員 それだったら、三千万円の現金を銀行員に渡したってあなたおっしゃいますね。そうしたら、そのときに銀行員から松本雅雄さんあてに、その預かり証が出ておるはずですよ、預かり証が。それはなぜ御提示なさりませんか。
  214. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 それがごらんいただきました振り込み依頼書の写してございます。
  215. 三浦久

    三浦委員 それは違うんです。あなたの事務所でもって現金を渡したというわけでしょう。そうすると、それが果たして振り込まれたかどうかということはわからないわけですからね、後にならないと。ですから、そのときに必ず銀行員というのは、通帳を預かっても現金を預かっても、現金を預かった場合には現金を預かりました、通帳と判こを預かった場合には通帳と判こを預かりましたと、そういう領収書を置いていくんですよ。それがなかったらおかしいじゃありませんか。それはもう取引の常識ですよ。それは取引依頼書というものとは別の問題じゃありませんか。
  216. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 この、ごらんいただきますとわかりますが、振り込み金受取書、そして三菱銀行となっております。ですから、これは受け取りましたということでございます。
  217. 三浦久

    三浦委員 そうじゃないんです。あなたの事務所でこんなものができるはずないじゃありませんか。宮澤事務所で、あなたは、だって銀行員を宮澤事務所に呼んだというんでしょう。そこで三千万円を渡したというんでしょう。それで振り込みをお願いした、こう言われるわけでしょう。ですから、宮澤事務所でもってこんな振り込み依頼書ができるわけはないんですよ。そこで、結局お金を渡したら、三千万円という大金の受領書が、受取書がなきゃおかしいのですよ。それはないのですか。あなたの事務所に保管されてあるはずでしょう。それは出すべきです。  いかがですか、委員長。それは当然あるのが当たり前ですよ。預かり証があるのが当たり前ですよ、それは。当たり前じゃないですか、あなた。そんなこと、何預かったかわからないで銀行員が銀行に行きますか。それは出すのが当たり前じゃないですか。――理事会で御協議いただきたいと思います。  総理、お尋ねしますが、三千万円の出どころです。この三千万円の出どころについて、総理は八八年の十二月一日の参議院の税特委、御存じですね、記憶されておられますね。そのときに、これは服部からよく聞きました、自分の持っているものを集めて用立てした、こういうことでございますと、こう言っています。いいですか。議事録持ってきていますから、ここに。自分の持っているものを集めて用立てしたというふうに思います。それで、じゃ自分の持っているものはどういうものだ、預金なのかと聞かれまして、いや、預金だけではないと思います、何かよくわかりませんという答弁ですよ。  きょうはどういう答弁されましたか。もう総理答弁を起こしましたけれども、先ほど申し上げませんでしたが、服部恒雄が何人かの友人からお金を調達いたしました。これ、全然違うことじゃないですか。私の持っているものを集めて用立てたということと、何人かの友人からお金を借りた、そして集めたということとは全然内容が違うことじゃないでしょうか。どうでしょうか。
  218. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 当時の速記録、持っていませんけれども、今三浦委員がお読みになりましたように、自分の持っているものも出しました、しかし、それだけではなくて友達から出してもらったと、こういうことでございます。
  219. 三浦久

    三浦委員 総理、あなたはそういうことは全然言っておりませんよ。正式に読みましょうか。「これは聞いておりまして、服部が自分の持っておりましたいろんなものを集めまして出した由でございます。」「服部氏の個人の預金口座から集めて出したということですか。」こう聞かれて、「預金でありますかどうかは存じませんが、まあ六十近い人でございますし、家族もあり相当の生活をいたしておりますから、その程度の才覚は私はあったであろうと思います。」こう言っているのですね。  ですから要するに、いろいろ自分の持っているものを集めた、こう言っているのです。だから、その上に借金をしたなんてあなたは全然答弁なさっていない。どうしてこんな答弁になるのですか。どうしてこんな答弁になるのですか。同じ一つの事実についてどうしてこんな違いが出てくるのですか。あなたは当時、服部から聞いていると言うのでしょう。最近また服部から聞いているのでしょう。同じ事実についてこんな違った答弁が出るというのは、これは虚構だということだからなんですよ。どうしてそういう違った答弁が出るのですか。
  220. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 要するに、自分も幾らか蓄えもある、しかし、その才覚というところなんでございますけれども、ですけれどもそれだけですと足りないのですから友達から借りたと、こういうことであるんだ、本人はそういうふうに言っておるというふうに私は読んでおります、最近。
  221. 三浦久

    三浦委員 それは総理、あなたの弁解なんです。  最近、朝日新聞の十月三十一日付、これに「四人の友達に計三千万円を借り、事務所秘書を通じてこ云々、こういうインタビュー記事が載っているのですよ。ですから、あなたはこれに合わせているだけの話なんです。そうすると、あなたは八八年の十二月一日や七日、八日、あの参議院の税特委でうそを言ったということですか。そんなことは許されないじゃないですか。裁判だったら、総理、こんな一つの事実について、まるっきり反対のそういう供述が出てくるということは、彼が用立てたということの事実そのものが非常に疑問だということを意味するんですよ。  それじゃ、時間がありませんから、ちょっと先を急ぎましょう。いや、何を笑うんだよ。笑うことはないじゃないか。じゃ、答弁してください。どうしてこんなに答弁が違ったのか答弁してください。――じゃ、答弁がないから、質問を先に急ぎましょう。  松本雅雄氏は、この三千万円のお金が未公開株の代金であるということを知っていたと私は思わざるを得ないわけです、彼の地位とまた服部氏との関係からいって。その点について、総理はどういうふうにお考えですか。
  222. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 それは、先ほどの検事調書にもございましたのですけれども、普通、経理のことは松本君がやっておるのでございますが、リクルートの場合に、服部氏が自分で言っておりますように、この場合は自分がいろいろやっておったということでございまして、この払い込みの性質を松本君が知っておりましたかどうか、ちょっと私はどうかなと実は思います。
  223. 三浦久

    三浦委員 そうすると、余りはっきり否定はされておりませんね。知らなかったんじゃないかなと思うという程度のことですね。  私は、今総理が言われましたように、あの供述調書の中に書いてますね、一切政治献金の問題は松本雅雄氏が扱っていた、しかし、リクルートの関係についてはいろいろ今までにいきさつがあるので大枠は全部自分が決める、例えば政治献金を幾ら、いつ幾らにする、いつ払い込んでもらう、そういうことは全部やる、服部氏がやる、しかし、その後の事後処理の問題については、服部さんから松本雅雄氏に指示して、そして後、リクルート社の社長室の小野さんと松本さんで処理してもらっている、そういうふうに言われていますね。それはそのとおりですか。
  224. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 それは調書に書いてあるとおりだと思います。
  225. 三浦久

    三浦委員 そういたしますと、今度の場合でも、服部さんという方はあなたの秘書官だったわけですね。大臣秘書官ですよ。大臣秘書官だけではなくて、またその直前までは第一公設秘書だったわけですから、そういう関係からしていえば、おれが宮澤名義でもってこういう株の売買をしたよ、その払い込みの期日はいついつだよ、だから、おい、頼むぞ、よろしく頼むぞと言って当然私は松本氏に連絡をしたと思う。そして、松本氏がその後いろいろな事務処理をやったというふうに私は推測いたしておりますけれども、事実はそうではなかったんでしょうか。
  226. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 どうでしょうか、この金について松本は自分で調達したわけでもございませんし、松本が関与しているのは、預かってそれを払い込んだという部分だけでございますから、どうでしょうか、そう深く知っておったのではないような気が私はい化します。
  227. 三浦久

    三浦委員 ですから、さっきから言っているように、三千万という大金を何の意味もわからずに、特にそれもファーストファイナンスに送金をする、振り込むという行為ですよ、その意味を知らないでやるなんということはあり得ないじゃありませんか。いいですか、総理、もしあなたの信頼している服部恒雄氏があなたに隠れて自分の私腹を肥やす、そのためにあなたの名義を利用して株の売買約定書をつくって、そしてその後一連の行動をしたというふうに考えれば、説明ができないことがいっぱいあるんです。例えば、昭和六十一年の十一月一日付で株の売却代金の通帳が新しくつくられましたね、服部名義の。つくられましたね。これはそうすると、大和証券にこの株の預かり口座ができたのはその前でしょう。大和証券に服部名義の株の預かり口座ができたのは十一月一日の前ですよね。前でしょう。いかがですか。
  228. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 ちょっとよくわかりませんが、この資料によりますと、約定年月日六十一年十月、いや、これは売買の約定でございますね。ですが、少なくともこのときにはですからできておったことになりますですね。(三浦委員「そうですよ」と呼ぶ)はい。
  229. 三浦久

    三浦委員 ところが十一月の一日にしか売却代金の受け皿がなかったんですよ。ところが、実際に大和証券に口座をその前につくる、その口座をつくるときには、当然申し込み用紙の中に、この株の売却をした場合には、その売却代金は何々銀行の何々支店のだれだれ名義に振り込んでくれという書く欄があるんですよ。それが書かれていないということを意味しているんですね。もしか服部氏が自分の私腹を肥やすためにやろうとしたのであれば、当然大和証券に対してその口座をつくるときに振り込みの銀行口座も指定したはずなんです。それが指定されていないというのはどういうことなんです。どういうことなんですか、それは。答弁願います。
  230. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 ちょっとよく御質問の意味がわかりかねますけれども、この大和証券の書類によりますと、受け渡し月日は十一月の五日であって、そして三菱銀行の口座は十一月一日にできておりますから、これでよろしいんじゃございませんでしょうか。
  231. 三浦久

    三浦委員 よろしいんじゃないんですよ。全然私の言っていることを理解されていませんね。  もう時間がないから、もう一つだけ、じゃ、聞きます。  大和証券のいわゆる口座名を服部名義にするように指示したのはどこのどなたでしょうか。
  232. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 これは、先ほど政府からも御説明がありましたように、代行でございますか、リクルートコスモスですか、それが一括してやりましたんで、本人の意思を体して口座を開いたと思います。ですから、服部恒雄氏でございます。
  233. 三浦久

    三浦委員 そうすると、服部恒雄氏がじきじきやった、そういうふうにあなたは御理解されているのですか。
  234. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 たしか先ほどのお話は、代行を行った、その代行をする人が、本人すなわち服部恒雄氏の意思を代行したんじゃございませんか。
  235. 三浦久

    三浦委員 それでは、三菱銀行有楽町支店に新規の売却代金受け入れの銀行口座ができましたね。これも、松本氏がよく利用している銀行につくったわけです、有楽町支店に。これをつくったのは、松本氏ですか、それとも服部氏ですか、それともまたその指示を受けた宮澤事務所の事務員の方ですか、具体的にお聞きします。
  236. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 これはもうもとより服部恒雄氏と思います。
  237. 三浦久

    三浦委員 そうすると、実に奇妙なことが起きますね。三千万円という大金を振り込むというそういう行動は大っぴらにやって、いわゆる宮澤事務所を使ってやって、そうして今度大和証券の口座をつくる、また売却代金の受け入れ口である銀行口座をつくる、そういうことだけは御本人がやる、そんなことは常識上考えられないことであります。  私は、このことは明らかにしなきゃならない問題だと思いますので、もう時間が来たようでありますから、委員長、この事実全体、非常に不自然なことが多いんです。まだまだ解明しなければならない点がたくさんあると思いますので、服部恒雄氏とまた松本雅雄氏の証人喚問、さらにあの新規に十一月一日付で作成された銀行の通帳ですね、これは、金の出どころとそしてまた使い道、使途、これを明らかにする上で非常に大事な問題ですから、全記録が、全部の出入金が記録されているそれをお出しいただきたいというふうに思います。そのことを要求して質問を終わりますが、委員長、よろしくお取り計らいを願います。
  238. 山村新治郎

    山村委員長 理事会で協議をいたします。  次に、伊藤英成君。
  239. 伊藤英成

    伊藤(英)委員 宮澤総理国民の最高のリーダーであります。それで公明正大でなくてはならぬわけでありますけれども国民から疑惑を持たれているこの問題について、総理がみずから率先をして、しかも積極的に明らかにしなければならぬ、そういう責任があると私は思うんですね。  それで、これまでの総理答弁を聞いておりますと、例えば秘書に聞いたところによるととか、あるいはその問題は聞いたことがないとか、あるいはプライバシーにかかわるから公表できないというように、総理みずからが真相を明らかにする熱意というものがなかなか感じられない。そういうことで、一国の総理としての自覚を欠いているんではないか、あるいは責任を欠いているんではないか、こういうふうに思いますが、いかがですか。
  240. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 私は、この委員会の御審議を承りまして、いわゆる三点セットを御提出することが一番公明な方法であると存じまして、委員長のお手元に御提出をいたしたわけでございます。
  241. 伊藤英成

    伊藤(英)委員 その三点セットは私も見ました。先週の金曜日ですが、私自身も見せていただきました。しかし、本日の答弁の状況を聞いてますと、今申し上げたように、総理が積極的に明らかにしようとしているようには思えないという意味で申し上げたわけであります。  それで、今申し上げたように、先週の金曜日に三点セットを見せていただいたり、きょうの質疑を聞いていても、ますます幾つかの疑問を持ちます。私に与えられている時間は非常に制約されておりますので、今は五点まとめて質問を申し上げますので、それぞれについてお答えをいただきたいと思います。  第一は、総理服部秘書の個人取引と言ってきましたけれども宮澤事務所会計責任者である松本氏が株購入代金三千万円の振り込み依頼として記載されている事実が示すように、この取引総理本人あるいは宮澤事務所ぐるみの取引ではないかという疑問であります。これが第一。  第二点は、リクルートからの一万株の譲渡は本当にあったんだろうかということであります。  それから第三点は、服部秘書の個人取引というなら、本人一人で調達できない三千万円の調達、それから売買益二千万円という金額は余りにも大きいんではないんだろうか、このような額の取引総理に相談することもなく本当にできるんだろうかというのが三点目。  それから第四点目は、この売買益二千万円を秘書の交際費として一年半で使ったというのは、常識として本当に妥当なんだろうか。そして、その売買益二千万円も含めて五千二百万円の使途、実際に五千二百万円入った、それはどういうふうに本当に使われたのかということがやはり不明確だということが第四点。  第五点は、服部秘書はなぜやめたんだろう。これは懲戒免職なんだろうか、あるいはひょっとしたら総理のスケープゴートなんだろうかということさえ思いますが、いかがですか。  この五点、お願いします。
  242. 宮澤喜一

    宮澤内閣総理大臣 大体お答えいたしておりますことと一部重複いたしますが、お許しをいただきたいと存じます。  この三千万円の振り込みにつきまして、松本雅雄君が服部氏から頼まれまして銀行に現金を渡しましたことは先ほど申し上げたとおりでございます。これは、宮澤事務所の金でももちろんございませんし、松本氏の金でもございません。服部氏が調達をしてきまして、これが現金でありますことはこの振り込み依頼書によって明確になっております。また、銀行員がそれを依頼人として松本雅雄と伝票処理をいたしておりますけれども、これはもとより松本の書体ではございませんことは、当時関係せられました銀行員が今特定できますので、その方の話によって自分が書いだということが明らかになっております。  そういう意味で、素直に考えますと、もともとリクルートの人とこの話をしたのが服部氏でありましたし、金を調達したのもそうでございましたし、それが振り込まれまして株式の口座が設けられましたのも服部名義でございますし、売買代金が入りましたのも服部の口座でございます。ということで、その点につきましては、資料がそれを示しておると存じます。  次に、株式の譲渡があったのかというお尋ねでございますが、先ほども申しましたように、株式の現物というものはついに服部氏の目に触れることはなかったのだと思いますけれども、三千万円のものが払われまして、そしてそれが五千二百万円でございますか、そのように売却をされたわけでございますので、そういう意味での株式の所有権の移転というものがあったというふうに考えるべきではないかと存じます。  それから第三に、その三千万円の出どころでございますが、これは申し上げましたように、服部氏が自分の友人たちから才覚をした、それが中心の金であるというふうに承知をしております。  差益の二千万円、これは相当大きな金、三千万にしても二千万でもなかなか大きいじゃないかということは、そうでございます。そうでございますが、長年こういう仕事をしておりまして、まあ私、何と申しますか、そういうことを一々相談せずに自分の責任でやっておって、従来そういうことで来ておりましたということから、特に私に相談するような種類のことでなかったと考えたと思います。  それから、交際費としてそういう大きなものを秘書が一年半なりの間に使うことは妥当かなということでございますけれども、まあそれは、会食でございますとか、いろいろ交際費といっても全く私的というようなことばかりでもございませんで、相当のやはり金が必要であったということであろうかと、具体的にはきちっとわかりませんが、思います。  それから最後に、なぜ服部恒雄氏はやめたのかということにつきましては、これは第一には、私に事態の真相を話しませんでしたために、私が何度も国会で誤ったお答えをせざるを得なかった、これは私が深く責任を感じておりますけれども、そのことについての責任がやはり一番服部氏が痛感をしたところで、それでぜひ引きたいということを申したのでございます。
  243. 伊藤英成

    伊藤(英)委員 今答弁を聞いておりまして、本日も、それぞれほぼ同じような答弁がございました。私は、今、答弁を聞いていて、常識的に考えてなかなか信じにくいなという話も多々あります。したがって、その疑問はとても解明されている状況と思えないということであります。  したがって、民社党としても、まず証人喚問として、これを明らかにするために服部秘書それから松本秘書、それからファーストファイナンスの小林社長、元社長でしょうか、の証人喚問と、資料提出につきましても、これは各党から要求されております約定書の署名者を特定するための服部松本両氏の筆跡鑑定書等の資料を民社党としても要求をしたいと思いますので、委員長の方でよろしくお願いいたしたいと思います。
  244. 山村新治郎

    山村委員長 それでは、理事会に諮ってただいまの要求等協議させていただきます。
  245. 伊藤英成

    伊藤(英)委員 よろしくお願いします。
  246. 山村新治郎

    山村委員長 次に、楢崎弥之助君。
  247. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 私は、まず冒頭に、六十三年九月八日の日にリクルート告発をいたしました。この根拠は刑事訴訟法の二百三十九条、「告発」というところでありります。後から出てまいりますから、これを明白にしておきます。  一つ「何人でも、犯罪があると思料するときは、告発をすることができる。」二「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」この刑事訴訟法第二百三十九条によって、私は現実にわいろの提供を申し込みを受けましたから、告発しなければならないと思いました。そのための資料として、証拠として、私の好みではございませんでしたけれども、また、はめられたらいけないというその緊急避難の意味もありましてああいう隠し撮りをいたしました。そのことをまず、二百三十九条ということをまず念頭に置いていただきたい。  以下、私は、めったにないことですけれども、時間が限られておりますし、非常に重大でありますので、文章にしてきましたから、演説はやめます。読ませていただきます。  法務大臣と刑事局長にまずお伺いします。  宮澤総理よりリクルート未公開株購入に関するいわゆる三点セットが提出されました。株式売買約定書には購入者として宮澤喜一の氏名が記入され、宮澤の印が押されております。宮澤総理説明によりますと、約定書宮澤喜一の署名はあるいは押印は、同氏の元秘書服部恒雄氏が宮澤氏の了解もなく全く無断で行ったもの、これはメモが添えられております。この約定書について宮澤氏は一切関知していないとのことでありました。もし、総理のこの説明及び売買約定書に添付された服部メモが真実であるとすれば、服部秘書のこの約定書作成は刑法第百五十九条の私文書偽造罪に明らかに当てはまります。また、リクルートコスモス未公開株の譲渡につき、リクルートコスモス前会長の江副氏は、この未公開株はたとえ家族であろうと秘書であろうと政治家本人に譲渡したものである、そういう趣旨の証言をいたしております。そして、ただいま述べましたように、約定書に基づいて現実に株式の取引が行われております。したがいまして、先ほどのような総理の御説明を前提といたしますと、この約定書に基づいて服部秘書は、宮澤喜一の名前をかたってリクルートコスモス未公開株をだまし取ったということに形式的にはなります。これは刑法第二百四十六条の詐欺罪に当たるものと思います。そして、私文書偽造罪、同行使罪、詐欺罪は刑法五十四条により牽連犯として一つになって一罪として処分されることになります。もし私文書偽造のみであれば、刑事訴訟法二百五十条により、約定書が作成されたという昭和六十一年九月三十日から五年を経過した平成三年九月末日に公訴時効が完成し、訴追されることはありません。わずか二カ月前に時効は成立しておる。  ところが、天網恢々疎にして漏らさずです。詐欺罪が成立するとすれば、刑事訴訟法二百五十条によって公訴時効は七年になります。したがって、刑事訴訟法二百五十一条により、この私文書偽造、詐欺罪はともに少なくとも平成五年九月末日までは公訴時効が成立をいたしません。したがいまして、今日現在、以上述べました約定書作成に関連する犯罪は捜査、訴追が可能なものと私は思います。  そこで、お尋ねをいたします。  私は、今述べました事実を前提として、本件約定書作成とその後の約定書の履行に関連し、服部秘書に私文書偽造罪、同行使罪、詐欺罪が成立する可能性があるかないか、また可能性があるとして、捜査当局として捜査を考えられるのか否かについて、まずお答えをいただきたい。
  248. 則定衛

    則定政府委員 お答え申し上げます。  突然の御質問でございますので、いささか戸惑うわけでございますが、一般的に、特定の事実関係を前提といたしまして、それが果たして犯罪になるのかならないのか、この点につきましては、御案内のとおり、権限のあります捜査機関が各種の捜査活動、証拠収集を経ました上で初めて責任ある答えを出すことができるわけでございます。  今楢崎先生、いろいろと、何といいましょうか、具体的事実を楢崎先生の御理解のもとで開陳いただきまして、それについて果たして犯罪の成否いかんと、こういうことでございますが、今申しましたような建前から申しまして、この席でどちらともお答えいたしかねるのが私ども法務当局立場でございますので、その点御理解いただければと、こう思います。
  249. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 それでは、捜査当局が判断することですね。  次に、総理にお伺いをいたします。  ただいま刑事局長はあのような答弁をされました。総理はいわゆる……(「法務省の官房長)と呼ぶ者あり)刑事局長じゃないのですか。どっちでも結構ですよ。私は最初、法務大臣か刑事局長にお願いしますと言ったから、そう思ったのです。顔知りませんから。  私文書偽造罪という犯罪の時効が平成三年九月末日に成立し、総理説明どおりとしても、服部秘書に対する刑事訴追がないとの判断からこの時期に提出されためではないかという、もう時効が、私文書偽造だったら五年間ですから、時効が成立した、二、三カ月前。これは勘ぐりです。まさかそういう悪い方ではないと思うけれども、時期がちょうどそうなるものだから、私文書偽造の方だけで考えられて、もう時効が成立したとして今の時期出されたのではなかろうか。しかし、服部秘書は時効が完成していないものとして処罰される可能性があります、捜査当局の判断いかんによっては。それで、総理の忠実な秘書が、総理の名前をかたって金銭目的のために犯罪を犯したと考える者は私は一人もいないと思います。普通人ならば、自分の名前をかたって犯罪を犯した者がいるとすれば、そのまま放置することはあり得ません。刑事訴訟法、さっき冒頭申した二百三十九条の規定によって、告発等の処置をするでありましょう。しかし、総理自身も、今日まで服部秘書を告発する等の行為は一切されておりません。総理御自身の了承のもとに、服部秘書がリクルートコスモス未公開株を購入する作業をしたものとだれもが考えるのではありませんか。総理、あなたの了承のもとに服部秘書約定書にあなたの名前を書いたということであれば、服部秘書は犯罪者にはなりません、あなたがもし了承しておればですよ。ところが服部さんは、勝手にやったと言っている。そこに問題がある。服部秘書が犯罪者として社会から非難されることを防ぎ得るのは、総理、あなたしかないのです。かつて不幸な事件があった。竹下元総理の兄会計秘書さんの不幸な事故がありました。私はこれを思い浮かべます。  それで、総理の過去の政治家としての御活躍を多くの国民は認めておると思います。だから、この際総理は、率直に約定書はあなたの了承のもとに作成されたものであることをお認めになれば、服部秘書を救い得ると同時に、政治家として、また一人の日本人として道義的責任を認められる、政治家宮澤喜一の進退を決せられてはいかがでしょうかというのが私の考えてあります。  そして、明日も七分間ありますから、私は証人の喚問をいたしたい。今まで出ておる方々、つまり松本さん、服部さんあるいはファーストファイナンスの、私は担当の人がいいと思いますけれども、いいですわ、小林さんでも。それから大和証券。これはなぜか。売却代金を、払込名義人の松本さんではなく、あるいは売買約定書宮澤さんでもなく、なぜ服部口座に入金されたのか、大和証券がですよ。どうしてかといいますと、服部さんの名前は全然出てきてない。売買約定書にも購入代金払込証明書にも服部さんの名前は出てきてない。それなのになぜ大和証券は服部さんの口座に入れたのでしょうか。その間の事情を聞きたい。大和証券の責任者を証人としてお願いします。  それから、問題は、あの六十年四月二十五日、第三者割り当てをやった、リクルートコスモスは。そしてそれが六十一年の十月三十日のあの店頭公開、登録の直前になり還流をさせたいわゆる還流株、ここにすべての問題がある。そして政治家の名前あるいは官僚の名前は全部そこに出てきた。ドゥ・ベストしかり、ビッグウェイしかりです。だから、ドゥ・ベストと売買約定書を結ばれていたのでしょう。だから、ドゥ・ベストがその還流を宮澤さんにやんなさいと指図したのは一体だれか、それを私はドゥ・ベストから聞きたい。つまり、サインをしたときには、約定書、そうしたらドゥ・ベスト側の責任者のサインがあるはずです。だから、ドゥ・ベスト側がだれから指図を受けて宮澤さんとの、形式上はですよ、宮澤さんとの約定書をつくったのか。だから、ドゥ・ベストの責任者菅原さんを呼びたい。なぜならば、このドゥ・ベスト社長の菅原さんは寸もう一つの還流株、渡っている人があります、名前は言いません、ここにおられますから。ビッグウェイです、ビッグウェイの社長を兼務している、この人は。だから、ぜひこの人をお願いします。そして、還流株の流れについては江副さんを呼びたい、還流株が一番問題でありますから。  最後に一問だけ、私は、この刑訴法二百三十九条、これは理事会の決定によってあの三点セットを見せていただいた。そして私は犯罪事実はさっきあると、私文書偽造と詐欺罪。だから、理事会として、こういう、もし皆さんで御相談をいただいて、これは犯罪の疑いがあると、私が言っているような。そうすれば、この刑訴法二百三十九条によって告発をしなければならない義務がある。これをひとつ理事会で御相談をいただきたい。  以上、終わります。
  250. 山村新治郎

    山村委員長 本日は、これにて散会いたします。     午後三時五十一分散会