○日野委員 私たち社会党の方でも、実は去年、随分各国の大使館を回りました。そして、
日本の
立場に対する理解を求めて歩いたわけですが、各国に行ってみますと、自分の国の力というものは、やはり外交
交渉にいろいろ影響するものでございますね。
日本のように私の方の国はそう強い国じゃないものですから、どうぞ
日本さん頑張ってください、こういうような形になっているわけですね。そう言っても、
お互いに一緒に頑張りましょうということを言ってくる。そうすると向こうでも、いや本当に
お互いにこれは頑張ってまいりましょう、こういうふうな答えをいただきながらずっと各国の大使館を回って、本国にそういう話を伝えてもらったわけであります。非常にいい関係ができたと私は思っておりますが、ぜひともこれはやはりこっちから
大臣が行って、いろいろな国に話しかけていくということは非常に効果があるだろうと私は思っています。その国の
政策の問題は
政策の問題だ。しかし、人と人がきちんと、何といいますか、顔を合わせてというかフェース・ツー・フェースで話をするということは、これは説得力があるものでございますよ。ひとつそういうことでやっていただきたいというふうに私
どもは希望をいたしておきたいと思います。
それから、もうそろそろ時間がなくなってきたのでありますが、先ほどから話は出ておりますが、今の
日本の
農業をこのままにしておいてはいけない、これはもう共通の感想であります。我々も、今の
日本の
農業の生産力の低下、これがかなりのところまで来ているということについて非常に強い憂慮を持っておるのです。何といっても政治家として一番やらなくちゃいけないことは、国民を飢えさせてはならないということですね。天候不順だったとかどこかの国から入ってこなくなったとか、そんなことは言いわけにすぎないのであって、まさに我々は常に国民に対して十分な
食糧を供給するという体制をつくっておかなければならないというふうに思います。
それについても、我々は既に
農業の三法案というものを今作成しておりまして、これは次の国会に恐らくできるのではないかと思います。まず、地域
農業振興法案というような法案を基本にしまして、そのほか二法を今法制局の方に入れているわけでありますが、やはりここでも我々考えるのは、
日本の
農業の生産力を上げていくということだろうというふうに私思います。
どうも、いろいろ
経済学者というのは
数字をいじるものですから、心の取り
扱いが下手でありますな。マルクスなんかも、すべてこれは
経済的によくなれば心も変わる。こう見た。しかし、それは失敗して、現在ソ連のあの崩壊ということにもなってきておりますし、厚生
経済学なんというのがあって、
経済がよくなれば心もおさまるんだというような、それが心の厚生にもつながるというようなことを言った人なんかもいるわけでありますが、ケインズなんかを見ても、やはりソ連のやっていることを見て、こんなに
経済的な自由がない、それから精神の自由がない、これはうまくいくはずがないということを彼は言うわけですね。彼は非常に強い期待を持ってソ連に行って、ソ連の現状を見て、そして小さな論文を書きます。「ショート・ビュー・イン・ルシア」という小さい論文を書きまして、それから一般理論を構成していくわけなんですが、そのケインズでさえもやはり心というものをこの
経済の中に読み込んでいくということは下手だ。現在の
日本の政府の
経済運営のあり方を見ても、この心の
部分をきちんととらえることに成功していないというふうに私は思っているんです。
日本人の持っているメンタリティーというものは、これはやはり米文化がずっとつくり上げてきたものなんでありまして、いろいろ
経済摩擦だとかなんとか言われるとすぐ
農業がやり玉に上がる。
農業に補助金の使い過ぎではないかとか、金のかげ過ぎではないか、こんなことをよく
経済学者なんかも言うわけですが、私は、そういうことではなく、
農業には
農業としての、大事な
日本の文化を
維持し、
日本人のメンタリティーをつくり上げてきたというプライド、そういうものを持って
日本の
農業の生産力の向上に努めていただきたい、このように思うのです。米の
輸入自由化を阻止しようというのもその一環でありましょう。それから、これからの
日本の
農業の生産力、これは米のみならず、
輸入に頼らずに生産力を上げていくための奮闘をお願いしたいと心から思います。
大臣、いかがですか。