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1991-08-05 第121回国会 参議院 本会議 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成三年八月五日(月曜日)    午前十時一分開議     ━━━━━━━━━━━━━ ○議事 日程 第一号   平成三年八月五日    午前十時開議  第一 議席指定  第二 常任委員選任  第三 常任委員長選挙  第四 会期の件  第五 国務大臣演説及び報告に関する件     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、日程第一  一、新議員の紹介  一、参議院規則の一部を改正する規則案  一、日程第二  一、常任委員長辞任の件  一、日程第三  一、特別委員会設置の件  一、永年在職議員表彰の件  一、参議院事務局職員定員規程の一部改正に関   する件  一、日程第四  一、議員名尾良孝君逝去につき哀悼の件  一、国家公務員等任命に関する件  一、日程第五      ——————————
  2. 土屋義彦

    議長土屋義彦君) これより会議を開きます。  日程第一 議席指定  議長は、本院規則第十四条の規定により、諸君議席をただいまの仮議席のとおりに指定いたします。      ——————————
  3. 土屋義彦

    議長土屋義彦君) この際、新たに議席に着かれました議員を御紹介いたします。  議席第五十四番、選挙選出議員埼玉選出関根則之君。    〔関根則之起立拍手〕      ——————————
  4. 土屋義彦

    議長土屋義彦君) この際、お諮りいたします。  伊江朝雄君外九名発議に係る参議院規則の一部を改正する規則案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 土屋義彦

    議長土屋義彦君) 御異議ないと認めます。  よって、本案議題といたします。  まず、発議者趣旨説明を求めます。伊江朝雄君。    〔伊江朝雄登壇拍手
  6. 伊江朝雄

    伊江朝雄君 ただいま議題となりました参議院規則の一部を改正する規則案について、提案趣旨及びその内容を御説明いたします。  本案は、先般の国会法の一部改正により、社会労働委員会厚生委員会労働委員会とに分けられたことに伴い、両委員会委員の数及び所管を定めるとともに、常任委員会委員の数を変更しようとするものであります。  以下、その内容を申し上げます。  第一に、厚生委員会及び労働委員会委員の数をそれぞれ十九人とすることとしております。  第二に、厚生委員会所管を、社会福祉に関する事項外項目とし、労働委員会所管を、労働条件及び労働者保護に関する事項外項目とすることとしております。  第三に、内閣委員会地方行政委員会法務委員会外務委員会文教委員会商工委員会運輸委員会逓信委員会及び建設委員会委員の数をそれぞれ十九人とし、大蔵委員会委員の数を二十二人とし、農林水産委員会委員の数を二十一人とすることとしております。  以上が本案提案趣旨及びその内容でございます。  何とぞ御賛同くださるようお願い申し上げます。(拍手)     —————————————
  7. 土屋義彦

    議長土屋義彦君) これより採決をいたします。  本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  8. 土屋義彦

    議長土屋義彦君) 総員起立と認めます。  よって、本案全会一致をもって可決されました。      ——————————
  9. 土屋義彦

    議長土屋義彦君) 日程第二 常任委員選任  議長は、本院規則第三十条の規定により、厚生委員及び労働委員議席に配付いたしました氏名表のとおり指名いたします。     —————————————    議長の指名した委員は左のとおり ○厚生委員       小野 清子君    尾辻 秀久君       木暮 山人君    清水嘉与子君       田代由紀男君    田中 正巳君       西田 吉宏君    前島英三郎君       宮崎 秀樹君    菅野  壽君       日下部禧代子君    田渕 勲二君       竹村 泰子君    浜本 万三君       木庭健太郎君    高桑 栄松君       沓脱タケ子君    粟森  喬君       勝木 健司君 ○労働委員       岩崎 純三君    川原新次郎君       佐々木 満君    山東 昭子君       田辺 哲夫君    仲川 幸男君       平井 卓志君    向山 一人君       清水 澄子君    庄司  中君       対馬 孝且君    西岡瑠璃子君       西野 康雄君    細谷 昭雄君       中西 珠子君    林  紀子君       乾  晴美君    橋本孝一郎君       西川  潔君      ——————————
  10. 土屋義彦

    議長土屋義彦君) この際、常任委員長辞任についてお諮りいたします。  内閣委員長井上孝君、地方行政委員長野田哲君、法務委員長矢原秀男君、外務委員長岡野裕君、大蔵委員長大河原太一郎君、文教委員長下稲葉耕吉君、農林水産委員長吉川博君、運輸委員長中川嘉美君、逓信委員長一井淳治君、建設委員長矢田部理君、予算委員長平井卓志君、決算委員長及川一夫君、懲罰委員長久保亘君から、それぞれ常任委員長辞任いたしたいとの申し出がございました。  いずれも許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 土屋義彦

    議長土屋義彦君) 御異議ないと認めます。  よって、いずれも許可することに決しました。      ——————————
  12. 土屋義彦

    議長土屋義彦君) 日程第三 常任委員長選挙  これより厚生委員長及び労働委員長並びにただいま辞任を許可され欠員となりました常任委員長選挙を行います。
  13. 沓掛哲男

    沓掛哲男君 常任委員長選挙は、その手続を省略し、いずれも議長において指名することの動議を提出いたします。
  14. 小川仁一

    小川仁一君 私は、ただいまの沓掛君の動議賛成いたします。
  15. 土屋義彦

    議長土屋義彦君) 沓掛君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 土屋義彦

    議長土屋義彦君) 御異議ないと認めます。  よって、議長は、  内閣委員長梶原清君を指名いたします。    〔拍手〕  地方行政委員長山口哲夫君を指名いたします。    〔拍手〕  法務委員長鶴岡洋君を指名いたします。    〔拍手〕  外務委員長大鷹淑子君を指名いたします。    〔拍手〕  大蔵委員長竹山裕君を指名いたします。    〔拍手〕  文教委員長大木浩君を指名いたします。    〔拍手〕  厚生委員長田渕勲二君を指名いたします。    〔拍手〕  農林水産委員長永田良雄君を指名いたします。    〔拍手〕  運輸委員長峯山昭範君を指名いたします。    〔拍手〕  逓信委員長粕谷照美君を指名いたします。    〔拍手〕  労働委員長向山一人君を指名いたします。    〔拍手〕  建設委員長山本正和君を指名いたします。    〔拍手〕  予算委員長中村太郎君を指名いたします。    〔拍手〕  決算委員長久保田真苗君を指名いたします。    〔拍手〕  懲罰委員長対馬孝且君を指名いたします。    〔拍手〕      ——————————
  17. 土屋義彦

    議長土屋義彦君) この際、特別委員会設置についてお諮りいたします。  科学技術振興に関する諸問題を調査し、その対策樹立に資するため、委員二十名から成る科学技術特別委員会を、  公害及び環境保全に関する諸問題を調査し、その対策樹立に資するため、委員二十名から成る策境特別委員会を、  災害に関する諸問題を調査し、その対策樹立に資するため、委員二十名から成る災害対策特別委員会を、  選挙制度に関する調査のため、委員二十五名から成る選挙制度に関する特別委員会を、  沖縄及び北方問題に関する対策樹立に資するため、委員二十名から成る沖縄及び北方問題に関する特別委員会を、  土地問題及び国土利用に関する対策樹立に資するため、委員三十名から成る土地問題等に関する特別委員会を、  また、国会等移転に関する調査を行うため、委員十名から成る国会等移転に関する特別委員会を、それぞれ設置いたしたいと存します。  まず、科学技術特別委員会環境特別委員会災害対策特別委員会選挙制度に関する特別委員会沖縄及び北方問題に関する特別委員会土地問題等に関する特別委員会設置することについて採決をいたします。  以上の六特別委員会設置することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 土屋義彦

    議長土屋義彦君) 御異議ないと認めます。  よって、科学技術特別委員会外特別委員会設置することに決しました。  次に、国会等移転に関する特別委員会設置することについて採決をいたします。  本特別委員会設置することに賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  19. 土屋義彦

    議長土屋義彦君) 過半数と認めます。  よって、本特別委員会設置することに決しました。  本院規則第三十条の規定により、議長は、議席に配付いたしました氏名表のとおり特別委員を指名いたします。      ——————————
  20. 土屋義彦

    議長土屋義彦君) この際、永年在職議員表彰の件についてお諮りいたします。  議員服部安司君は、国会議員として在職すること二十五年に達せられました。  つきましては、院議をもって同君の永年の功労表彰することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 土屋義彦

    議長土屋義彦君) 御異議ないと認めます。  同君に対する表彰文を朗読いたします。    〔服部安司起立〕  議員服部安司君 君は国会議員としてその職にあること二十五年に及び常に憲政のために力を尽くされました参議院は君の永年の功労に対しここに院議をもって表彰します    〔拍手〕     —————————————
  22. 土屋義彦

    議長土屋義彦君) 原文兵衛君から発言を求められました。発言を許します。原文兵衛君。    〔原文兵衛登壇拍手
  23. 原文兵衛

    原文兵衛君 お許しをいただきまして、私は、議員一同を代表して、ただいま永年在職のゆえをもって表彰せられました服部安司先生に対しまして、一言お祝い言葉を申し述べさせていただきます。  服部先生は、昭和三十三年、第二十八回衆議院議員選挙に当選され、政界に入られました。以来衆議院議員選挙に六回当選され、十八年余にわたり衆議院議員として御活躍されてまいりました。その後、昭和六十年、参議院奈良選出議員補欠選挙に当選され本院議員に転ぜられて、このたび国会議員として在職二十五年に達せられたのであります。  この間、先生は、衆議院建設委員長として豊富な政治経験と円満なるお人柄により慎重審議に当たり、よくその職員を全うされました。  また、第二次池田内閣内閣官房副長官、第三次池田内閣並びに第一次佐藤内閣郵政政務次官福田内閣郵政大臣として国政の枢機に参画し、その卓越した政治手腕を遺憾なく発揮されました。  一方、党内におきましては、自由民主党総務局長建設通信各部会長国土開発調査会長総務等の要職を歴任されております。  このように、服部先生は、その豊かな人格とすぐれた識見によりまして、我が国議会政治発展のため多大の貢献をしてこられたのであります。  なお、先生は、その御功績にかんがみ、昭和六十年秋には勲一等瑞宝章を受章されました。  ここに我々議員一同は、服部先生の二十五年間の御功績に対しまして深甚なる敬意を表しますとともに、本日はえある表彰を受けられましたことに対し、心から祝意を表する次第であります。  現下、我が国をめぐる内外の諸情勢はまことに厳しく、本院に対する国民の期待もますます高まっておるところであります。どうか服部先生におかれましては、この上とも御健康に留意され、まずまずの御活躍を願い、本院の権威高揚我が国議会制民主主義発展のためより一層の御尽力を賜りますよう、切にお願い申し上げる次第であります。  簡単でございますが、お祝い言葉といたします。(拍手
  24. 土屋義彦

    議長土屋義彦君) 服部安司君から発言を求められました。発言を許します。服部安司君。    〔服部安司登壇拍手
  25. 服部安司

    服部安司君 お許しをいただきまして、一言御礼言葉を申し上げさせていただきます。  ただいま、私の永年勤続に対しまして、院議をもって表彰の栄を賜りました。さらにその上、原文兵衛先生から、本院を代表されまして心温まる御丁重なお祝いのお言葉をいただき、感激で胸がいっぱいでございます。まことにありがとうございました。  私の本日のこの栄誉は、ひとえに先輩同僚各位の御指導、御鞭撻おかげで、きょうの喜びをかみしめ、深く感謝をいたしております次第でございます。また、微力な私を多年にわたりまして支えていただきました奈良県民皆様に対しまして、深く御礼を申し上げます。  今や我が国は、国際的にも国内的にも多くの問題を抱えております。それだけに、国会の果たすべき責務もまた重く大きいと申さねばなりません。私も、甚だ微力かつ不敏でございますが、皆様の驥尾に付して、残された期間を精いっぱい頑張っていきたいと思います。  先輩同僚皆様の御指導、御鞭撻を心よりお願い申し上げまして、御礼言葉といたします。  ありがとうございました。(拍手)      ——————————
  26. 土屋義彦

    議長土屋義彦君) この際、参議院事務局職員定員規程の一部改正に関する件についてお諮りいたします。  議長は、本件につきまして議院運営委員会に諮りましたところ、一議席に配付いたしました参議院事務局職員定員規程の一部を改正する規程案のとおりとする旨の決定がございました。
  27. 土屋義彦

    議長土屋義彦君) 本規程案に御異議ございませんか。    〔「異議なししと呼ぶ者あり〕
  28. 土屋義彦

    議長土屋義彦君) 御異議ないと認めます。  これにて休憩いたします。    午前十時二十一分休憩      ——————————    午後二時四十二分開議
  29. 土屋義彦

    議長土屋義彦君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  日程第四 会期の件  議長は、会期の件について議院運営委員会に諮りましたところ、会期を六十一日間とすべきであるとの決定がございました。  会期を六十一日間とすることに賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  30. 土屋義彦

    議長土屋義彦君) 過半数と認めます。  よって、会期は六十一日間と決定いたしました。      ——————————
  31. 土屋義彦

    議長土屋義彦君) 議員名尾良孝君は、去る五月六日逝去されました。まことに痛惜哀悼の至りにたえません。  同君に対しましては、議長は、既に弔詞をささげました。  ここにその弔詞を朗読いたします。    〔総員起立〕  参議院わが国民主政治発展のため力を尽くされさきに内閣委員長の重任にあたられました議員商工委員長従四位勲二等名尾良孝君の長逝に対しつつしんで哀悼の意を表しうやうやしく弔詞をささげます     —————————————
  32. 土屋義彦

    議長土屋義彦君) 瀬谷英行君から発言を求められております。この際、発言を許します。瀬谷英行君。    〔瀬谷英行登壇
  33. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 本院議員参議院商工委員長名尾良孝君は、去る五月六日、急逝されました。まことに痛恨のきわみであります。  私は、君の突然の訃報に驚き、荘然として、しばし言うべき言葉を失いました。まして、御家族の驚きと悲しみがいかばかりだったかを思うと胸が痛みます。  私は、ここに皆様お許しをいただき、議員一同を代表して、従四位勲二等改名尾良孝君のみたまに対し、謹んで哀悼言葉をささげたいと存じます。  君は由緒ある家柄の名尾家四男として、大正六年三月、生をうけられました。長じて埼玉県立旧制浦和中学を経て中央大学法学部に学び、昭和十六年十二月、太平洋戦争開戦に続き、同大学卒業されました。このときの繰り上げ卒業は、開戦に伴い卒業学徒を一刻も早く軍隊に送り込むための措置でありました。  私はくしくも君と同じ大学学生時代を過ごし、同期の卒業であります。しかも、後に同じ埼玉選挙区で立候補し、二回にわたり選挙を行うというめぐり合わせとなりました。  地域における大学同窓学員会総会ではともに招待され、選挙を前にしてあいさつをすることとなりました。君は私と並び、年長のゆえをもって先にあいさつをさせていただくが、我々は今、党が違い立場が異なっても、予科以来の学友で卒業も同じ同期の桜だ、二つの議席をこの二人で確保させてほしいと訴えました。私も全く同感であり、ともに当選することこそなお良好である、と結んだことを記憶しております。  私たちは良識の府に恥じない紳士の戦いを約束し、政策を競い、お互いの個人的攻撃は一切行わず、さわやかな思いで選挙戦を行い得たことを慰めといたしております。  君は、かつて私にしみじみ述懐したことがあります。  おれは運がよかったと思っている。あの戦争が始まったために我々は翌年三月を待たずに繰り上げ卒業となり、臨時徴兵検査を受けることになった。甲種合格の者はもちろんのこと、第一乙から第二乙の者まで、体に異常がない限りあらかた軍隊にとられることになった。それなのに、おれはあの検査で第三乙になり軍隊に行かずに済んだのだ。当時は若干世間体が悪かったが、おかげでおれは、みんながほとんど軍隊に入隊して毎日の猛訓練でしごかれている間悠々と勉強を続け、今の司法試験に当たる高文の司法科試験に合格した。  もしみんなと同じように軍隊にとられていたら、翌年の司法試験など受けられるわけがたかった。それどころか、激戦の戦場に行って、運が悪ければ戦死をしたかもしれない。現に、我々の同期の仲間の中には戦場で若い命を失った者が少なくない。おれにとって第三乙は救いの神様だった。命が助かっただけではない、弁護士の資格まで戦争が終わらないうち保証されることになったからだ。  ところが、昭和十九年になって戦局がすっかり不利になってきたら、第三乙のおれにまで召集の赤紙が来た。同期の仲間に比べて二年以上も遅く軍服を着ることになったが、幹部候補生試験を受けて見習い士官になったころは戦争も末期に近づいていた。海を渡って遠い戦場には行けない状態にたっており、広島通信隊に配属された。  そして運命の八月六日、広島原子爆弾の洗礼を受けることになる。朝から暑い日だった。じりじり照りつける炎天を避け、早く日陰に入りたかった。いつもより三十分ほど早く兵隊を引率して山の陰に入ったところで原爆が炸裂した。間一髪のところで原爆の直撃を避けることができたが、これも偶然であり、運がよかったとしか言いようがない。  この後が大変だった。救助活動で、見るも無残な状況に直面することになった。広島市内は焼け野原となり、死体が散乱し、生き残った人々もやけどでぼろきれ同然だった。さながら亡霊のような人々の助けを求める悲痛な叫びを、おれは生涯忘れることができない。理屈がどうあろうと、あんなことは絶対に許せないというのが原爆に対するおれの見解だ。  君のこのような懐古談は、私にとっても忘れがたい貴重な思い出になりました。  確かに、君の戦時中の体験は幸運に恵まれたと言っても間違いはないでしょう。しかし、戦後の君の人生街道は、運だけではなく、みずからの努力と識見によって開拓されたものであります。  弁護士生活から県の弁護士会長に、さらに県会議員として県政に転じ、県政のベテランとして活躍をされ、藍綬褒章を受章、県議会議長に、さらに国政に転じてからは自民党埼玉県連会長にと、向かうところ必ず頂点をきわめられ、ことしの地方選挙でも大きな成果を上げられました。いずれも、年月と経験、それぞれの分野における人間関係の円滑な完成を必要といたします。  君は生来豪放らいらく、小事にこだわらず、権威に憶することなく、常に堂々士所信を貫いてこられました。また一面、酒を好み、ゴルフに興し、積極果敢、自由奔放な生きざまは立派だったと思います。  私は今、党派を超えて必置きなく語り合える五十年来の古きよき友を失ったことを、本当に残念に思います。  今日ほど、政治に対する国民の信頼を回復することが深刻に求められているときはありません。数カ月前まで、君がこの演壇で商工委員長として淡々と報告をされたことを思い、君の温容をしのび、本院を代表して、心から御冥福を祈り、哀悼言葉といたします。      ——————————
  34. 土屋義彦

    議長土屋義彦君) この際、国家公務員等任命に関する件についてお諮りいたします。  内閣から、  科学技術会議議員に北原安定君を、  宇宙開発委員会委員田島敏弘君を、  公害等調整委員会委員海老原義彦君、小谷宏三君及び南博方君を、  運輸審議会委員植村香苗君を、  また、労働保険審査会委員山口泰夫君を任命したことについて、それぞれ本院の承認を求めてまいりました。  また、公安審査委員会委員中川順君を任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。  まず、科学技術会議議員任命について採決をいたします。  内閣申し出のとおり、承認することに賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  35. 土屋義彦

    議長土屋義彦君) 過半数と認めます。  よって、承認することに決しました。  次に、宇宙開発委員会委員運輸審議会委員及び公安審査委員会委員任命について採決をいたします。  内閣申し出のとおり、いずれも承認または同意することに賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  36. 土屋義彦

    議長土屋義彦君) 過半数と認めます。  よって、いずれも承認または同意することに決しました。  次に、公害等調整委員会委員及び労働保険審査会委員任命について採決をいたします。  内閣申し出のとおり、いずれも承認することに賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  37. 土屋義彦

    議長土屋義彦君) 総員起立と認めます。  よって、全会一致をもっていずれも承認することに決しました。      ─────・─────
  38. 土屋義彦

    議長土屋義彦君) 日程第五 国務大臣演説及び報告に関する件  内閣総理大臣から所信に関し、西田国務大臣から平成三年雲仙岳噴火災害に関する報告について、それぞれ発言を求められております。これより順次発言を許します。海部内閣総理大臣。  〔国務大臣海部俊樹登壇拍手
  39. 海部俊樹

    国務大臣海部俊樹君) 第百二十一回国会の開会に臨み、当面する諸問題につき所信を申し述べ、皆さんの御理解と御協力を得たいと存じます。  初めに、先般の雲仙岳噴火により亡くたられた方々とその御遺族に対し深く哀悼の意を表し、また、負傷された方々避難生活を続けておられる方々に心からお見舞いを申し上げます。  天皇皇后両陛下におかれましては、被災地において、親しくお見舞いをいただいたところであります。  政府は、災害発生後、直ちに非常災害対策本部設置し、調査団を派遣するとともに、私も現地において、長崎県知事島原市長深江町長からの御要望を承り、これまでに本部決定した二十一分野にわたる救済対策を鋭意実行に移しているところであります。  今回の災害は、近年にない大規模な火山活動によるものであり、既に長期に及んでいるため、避難されている方々生活教育環境などの安定確保がとりわけ重要であります。このため、政府、県、市町一体となって、応急仮設住宅建設を初め各般の対策を講じているところでありますが、引き続き、地方財政への十分な配慮も払いながら適切な応急対策を強力に推進するとともに、災害終息後のこの地域の防災、振興活性化などの地域づくりについても真剣に考慮し、必要な措置を積極的に講じてまいります。  なお、雲仙岳火山活動は、現在も予断を許さない状況が続いています。今後とも、住民の方々の生命の安全を第一に適切な避難措置などを講ずるとともに、引き続き厳重な観測、監視を行ってまいります。  今般明らかとなった証券会社による特定顧客に対する損失補てん、一部特定関係者との不明朗な取引など一連の証券業界の不祥事は、免許会社としての規範に反し、内外の一般投資家の証券市場に対する信頼を大きく損なったものであり、公正な社会という理念から見てもまことに遺憾であります。  政府は、損失補てんたどを行った証券会社に対し社内責任の明確化や営業自粛を行わせるとともに、このような事態に立ち至ったことについての行政当局の責任を重く受けとめ、厳正に対処いたしました。さらに、先般、大手証券四社を含む証券会社十七社から補てん先の企業名などが自主的に公表されたところであります。  今後は、こうした問題の再発を防ぎ、一般投資家の信頼を回復するため、取引一任勘定取引や事後的な損失補てんの禁止を含む証券取引法の改正案を今国会に提出すべく全力を挙げるとともに、証券会社に対する検査体制の充実強化を図るなど、証券会社の営業姿勢の適正化や証券市場における公正性の確保に努めてまいります。  また、今回の証券業界の不祥事に関連して、行革審に対し、証券市場の監視、適正化のための是正策について検討を要請したところであります。  なお、一部の銀行において職員の関与した不祥事が発生したことはまことに残念であり、関係者に強く反省を促すものであります。  私は、就任以来、政治改革の実現こそが時代から託された使命と考え、不退転の決意で取り組んでまいりました。国民の皆さんが信頼のできる、わかりやすく公正な政治を確立し、その負託にこたえていくことが政治の原点であります。しかしながら、謙虚に振り返れば、いわゆる政治と金の問題に端を発して、国民の不信感が高まってきた現実を認めないわけにはいきません。  政治改革の根本には政治倫理の確立があり、一人一人の政治家が高い倫理観を持って、みずからを厳しく律する姿勢を徹底していかなければなりません。他方、制度面においても改めなければならない問題が現在の政治の仕組みにあることも事実ではないでしょうか。  議会制民主主義を支えるのは選挙であり、議会政治は政党政治であります。しかるに、現在の衆議院の中選挙区制のもとでは、いかなる政党であっても、多数の議席を確保し責任ある政権党となるためには、同じ選挙区から複数の候補者を立てざるを得ないのです。すなわち、百三十の選挙区すべてで一名ずつの当選者を出しても、五百十二の議席の四分の一を占めるにすぎないのであります。複数候補者を必要とするこの制度においては、主義主張を同じくする候補者同士が、政策以外の分野で個人的レベルでの争いを強いられます。政策論争を離れた選挙では、政党政治の中心たるべき政策はともすれば大切な場面で姿を消し、有権者との個人的かつながりが重視され、その維持、拡大に莫大なエネルギーが費やされるのです。政治倫理や政治資金をめぐる問題の底流には、選挙活動を初め政治活動の大部分を候補者個人の責任で対処しなければならない現行選挙制度があると考えます。また、長年にわたり政党間の勢力状況が固定化し、政権交代が行われたい結果、政治に緊張感が失われできます。このような、いわば制度疲労を起こしている中選挙区制を改め、政策自体を争点とする政党本位の選挙が行われる制度にすることが必要であります。このことが、国民政治への参加意識を高め、政治を身近なものにしていくことにもなるのです。  政府は、以上のような基本的な考え方から、政治改革の重要な柱として、政治倫理の確立と政治資金の公正さの確保、さらには内外の課題に国全体の観点から的確、機敏に対処する政治を確立するために、小選挙区比例代表並立制を提案しています。小選挙区制に比例代表制を並立させることで、少数意見の国政への反映にも配慮し、より細かく民意を吸い上げることとしております。選挙区割りについては、厳正中立な第三者機関である選挙制度審議会で策定したものをそのまま提案しています。その中で、一票の格差も、やむを得ない場合を除き、一対二未満になるように努力をしていただきました。また、今回の案では、衆議院の議員定数を五百十二から四百七十一に大幅に削減し、政治改革に臨む私どもの決意を国民の皆さんにはっきりとお示ししたつもりであります。  政治改革の端緒となった政治資金自体の問題については、今日、政治にある程度の資金が必要であることは事実ですが、本来の政治活動以外の部分に多額の費用がかかり、その集め方、使い方に大きな批判があることは御承知のとおりであります。  今回の改革では、政治資金は政党中心に調達するという流れをつくるとともに、政治資金の公開性を高め、規制の実効性を確保することとしています。また、連座制の強化を初め選挙の腐敗行為に対する厳正な措置をとり、さらに、これら一連の制度改革の上に立って、諸外国でも見られる政党に対する公費負担制度を導入することとしています。これは、政党の政治活動が国家意思の形成に資するという公的性格に着目したものであり、また、政治活動の公正さの確保や財政基盤の強化などの上でも必要なものであると判断しました。  なお、参議院議員選挙制度の改革については、引き続き論議を深めているところであります。  現在の衆議院議員選挙制度は、戦後の混乱期を除いて六十年を超える歴史を有しており、今回の改革は、この歴史の中で積み重ねられた弊害を思い切って除去しようとするものであります。この改革は、国会議員一人一人の政治生命に直結する問題であり、厳しく利害が対立し、政党間にも議論があるところであります。しかし、今、政治の現実を見るとき、この厳しくつらい改革を何としてもなし遂げ、国民の信頼と負託にこたえられる新しい政治をつくり上げていかなければなりません。公職選挙改正案を初め政治改革関連三法案の成立に向け、皆さんの御理解と御協力をお願い申し上げます。  我が国の財政は依然として極めて厳しい状況にあり、これまでの大幅な税収増加をもたらしてきた経済的諸要因が流れを変えていることなどを踏まえ、今後の予算編成に向け、引き続き制度や歳出の徹底した見直しに取り組んでまいります。また、先般提出された行革審の第一次答申などを最大限に尊重し、国、地方を通じた行財政の改革を推進してまいります。  私は、先月、ロンドンにおいて開催されたサミットに出席し、世界の平和と繁栄に大きな責任を有する先進民主主義諸国の首脳と、二十一世紀に向けた国際秩序の強化や世界的パートナーシップの構築を目指して、率直かつ活発な意見交換を行ってまいりました。この中で私は、アジア地域からの唯一の参加国として、この地域の視点を積極的に取り上げ、今回のサミットをグローバルなものにすることに意を注いでまいりました。  また、サミットに先立ち、ブッシュ大統領とケネバンクポートの別荘で会談し、日米の協力関係が両国のみならず世界全体のためにも極めて重要であり、世界的課題に両国が共同で対処することが世界の平和と繁栄に必要不可欠であることを改めて相互に確認したところであります。  国際社会が国連のもとに団結して湾岸危機を克服したことを背景として、今回のサミットでは、新しい国際秩序を構築していくに当たっては、国連を中核とする多数国間の協力を重視するという姿勢が明らかにされました。これは、冷戦構造克服後の世界に健全な方向性を与えようとするものであり、従来から国連中心主義を提唱してきた我が国の立場にも沿うものであります。  今後、各国は、このような世界平和の維持における国連の機能、役割の強化に積極的に参加し、それを強力に支援していかなければなりません。我が国としては、これまでも国連による平和維持活動に対し資金面で重要な協力を行うとともに、選挙監視団に要員を派遣するなど人的側面での協力も実施してまいりましたが、今後、人的な面での協力を一層適切、迅速に行うことができるよう国内体制を整備することが必要であります。先般の湾岸危機を通じ、国民の間でも、我が国が世界平和のために、資金、物資面のみならず、人的側面においても積極的な役割を果たしていくべきであるとの共通の理解が定着したものと考えます。もちろん、我が国の平和主義の理念は過去の歴史の反省の上に立って堅持してまいりますが、この理念を現実のものとするためにも、人道的な国際協力を一層進めるとともに、世界平和を守る秩序づくりの国際共同作業には我が国としても積極的に参加し、なし得る役割を担っていくことが必要であります。  このような考え方から、国際緊急援助活動を従来にも増して充実強化するため、自衛隊の参加を可能とする法改正を行うことについて検討を進めているところであり、国連の平和維持活動に対する協力については、自民、公明、民社三党間の合意の経緯や今後の協議をも踏まえつつ、国際平和協力に関する新たな法案について、我が国として積極的な役割を果たし得るものとなるよう鋭意検討を進め、今国会に法案を提出できるよう努力してまいります。  なお、ペルシャ湾への原油流出などによる環境汚染に取り組まれた専門家や技術者の方々、クルド人を中心とする避難民救済やバングラデシュのサイクロン災害のために努力された国際緊急援助隊、そして、現在ペルシャ湾で機雷の掃海作業に従事している自衛隊員を初め、これまで我が国の国際的な人的貢献に御苦労いただいた方々に対し、ここで改めて感謝と敬意を表します。また、先般、ペルーで国際協力事業に尽力され、テロにより亡くなられた方々に対し、謹んで哀悼の意を表するとともに、このような事態の発生の防止に最善を尽くしてまいります。  さきの湾岸危機が我々に残した教訓の一つに、自国の安全保障に必要な限度を超えた軍事力がいかに危険であるかという問題があります。今後、こうした事態の再発を防ぐためにも、軍備管理・軍縮の推進が極めて重要であり、核、化学・生物兵器などの大量破壊兵器やミサイルの拡散を防止するとともに、通常兵器の移転につき、その透明性、公開性を増大させていくことが必要であります。なお、私は、従来より核の究極の廃絶を訴えてまいりましたが、このたび米ソ間で戦略兵器削減条約が署名されたことは、極めて喜ばしいことと考えます。  本年五月、我が国の提唱により開催された国連軍縮京都会議には私も参加し、通常兵器の移転に関する国連報告制度の創設を初め、我が国の軍備管理・軍縮に関する考え方を具体的に明らかにしました。国連報告制度については、今回のサミットでも支持が表明されたことから、この制度の確立を、関係国とも協力しつつ、秋の国連総会に決議案として提案し、その実現を期してまいりたいと考えます。我が国としては、サミットにおける宣言をも踏まえつつ、今後とも、軍備管理・軍縮のための国際的努力を積極的に推進する上で必要な役割を果たしていく決意であります。  また、私は、さきの通常国会で、我が国の経済協力の実施に当たっては、その国の軍事支出の動向、大量破壊兵器の開発、製造や武器輸出入の動向などにも十分な注意を払うことを明らかにしました。この考えはサミット諸国からも好意を持って評価され、他のすべての援助国も同様の措置をとるよう奨励されたところであり、我が国は今後とも、この点をも踏まえ、的確な経済協力を実施してまいります。  なお、武器輸出三原則などにより厳格な武器輸出管理を実施してきている我が国としては、今般の武器の不正輸出事件を重大に受けとめており、容疑事実が確認された場合には現行法にのっとり厳正に対処していくとともに、今後とも、産業界に対する指導の強化など一層厳格な輸出管理を実施してまいります。  サミット諸国首脳の共通の認識となったウルグアイ・ラウンド交渉の成功は、多国間の自由貿易によって経済的繁栄を享受し、ここまで発展してきた我が国が、率先して取り組んでいかなければならない課題であります。  今回のサミットで、年末までに交渉を成功裏に終結させるべきであるとの確固たる決意が示されたことは、今後の交渉に大きな弾みを与えるものとして極めて重要であったと考えます。この交渉は、市場アクセス、農業、サービス、知的所有権など広範な分野を対象とし、二十一世紀に向けて世界の経済的繁栄の枠組みを構築するという極めて重要な交渉であります。この秋以降本格化する交渉には、国民の皆さんの御理解を得つつ、万全の準備をもって臨む決意であります。なお、米については、我が国における米及び稲作の格別の重要性にかんがみ、国会における決議などの趣旨を体し、国内産で自給するとの基本的な方針で対処してまいります。  サミット終了後に行われた参加国首脳とゴルバチョフ大統領との会談において、参加国首脳は、ペレストロイカの正しい方向に沿ったソ連の改革への自助努力を支援していくことを表明し、現状では技術的支援が有効との共通の立場から、IMFや世界銀行との特別提携関係や技術的支援の拡充などにより、サミット参加国が協調して適切な協力を行っていくというメッセージをゴルバチョフ大統領に伝えました。  また、ソ連の新思考外交は全世界にわたって適用されることが必要であり、この関連で、北方領土問題の解決を含む日ソ関係の正常化が重要であることが参加国によって確認されました。  さらに、アジア・太平洋地域の平和と繁栄を図っていくためには、ASEAN拡大外相会議を初めとしたこの地域の既存の枠組みを通じ、対話と協力を拡大していくことが必要であり、また、中国の経済、政治両面にわたる改革の推進、不安定要因である朝鮮半島問題やカンボジア問題の解決、モンゴルの民主化と市場経済化が図られることなどが重要であると考えます。こうした認識も議長声明に盛り込まれたところであり、我が国としても引き続き、地域全体の平和と繁栄のため積極的な役割を果たしてまいります。私が近く中国、モンゴル訪問を予定しているのも、このような基本姿勢に立ったものであります。  今回のサミットに引き続き、私はEC議長国であるオランダを訪問し、ルッベルス・オランダ首相、ドロールEC委員長との間で初の日・EC首脳協議を行いました。ECは、経済面のみならず政治面での統合を推し進め、国際政治面でも大きな役割を果たしつつあることから、我が国とECがグローバルパートナーとして、日米関係におけると同様、政治、経済、文化などの面で幅広い関係強化を促進していくことが不可欠であります。今回発表した日・EC共同宣言は、このような関係の新しい時代を象徴するものであります。  このような御報告のできるのも、安定した経済発展を遂げてきた日本の総合的な国力と、先人の方々の努力の積み重ねのたまものにほかなりません。  一昨年、ソ連、東欧諸国で始まった政治、経済の民主化に向けての胎動は、この地域に限らず、アジア、中南米、アフリカの諸地域でも広く見られ、今や民主主義の力強い息吹やその再生は、全地球的規模で深く大きなうねりを見せています。我々がここ数年目の当たりにしたこの民主主義の歴史的前進は、人類の新しい時代の夜明けを予感させるものであります。  私は、このように民主主義という価値観が人類の普遍的な原理として世界の人々に受け入れられ始めたこのときに、改めて日本自身が我が身を振り返り、民主主義の一層の前進のために努力していくべきであると考えます。  今回提案している政治改革は、国民選挙を通じ、みずからの代表者を政策やそれを掲げる政党の優劣で判断、選択でき、その結果、政治に民意を的確に反映できるシステムを構築しようとするものであります。政策、政党本位に民主主義が真に機能してこそ、国民の皆さんが我が国の運命をみずから主体的に選択、決定できる、本当に主権は国民にあると言える世の中になるのではないでしょうか。そして、このことは、国際社会において我が国の果たすべき役割、責任がますます増大する中で、我が国の進むべき針路に誤りなきを期していくためにも大切なことであると思うのです。  改革には痛みを伴います。しかし、この痛みを乗り越え、みずからを改革できる者にこそ未来があると信じます。二十一世紀に向け、先進民主主義諸国の枢要な一員として、我が国の民主主義の基盤を確固たるものとしていくために、政治改革はぜひとも実現させなければなりません。  ここに、改めて皆さんの御理解と御協力をお願いいたします。(拍手)     —————————————
  40. 土屋義彦

  41. 西田司

    国務大臣西田司君) 私は、政府を代表いたしまして、平成三年雲仙岳噴火災害について、その状況を御報告申し上げます。  まず、今回の災害による多数の犠牲者の方々に衷心より哀悼の意を表しますとともに、被災者及び避難されている方々に対して心からお見舞いを申し上げる次第であります。  加えて、災害発生以来多くの国民皆様方から地元に対して寄せられた義援金を初めとする多大な御支援、御協力に、心から感謝の意を表する次第であります。  また、天皇皇后両陛下には、去る七月十日、被災地に行幸啓になり、親しくお見舞いいただいたところであります。  次に、噴火等による被害の状況について申し上げます。  雲仙岳は、昨年十一月に約二百年ぶりに噴火をいたしまして、本年五月中旬ごろから活動が活発化し、特に六月三日十六時頃発生した火砕流により、死者、行方不明者四十一名、負傷者十一名の人的被害が発生いたしました。その後、六月八日に大規模な火砕流が発生いたしましたが、事前に災害対策基本法第六十三条の規定による警戒区域等が設定されたことなどにより、幸い人的被害は発生いたしませんでした。なお、六月三日及び八日の火砕流による物的被害といたしましては、建物全壊三百八十二棟、半壊二棟及び一部損壊二棟となっております。  また、土石流は五月中旬から降雨に伴いたびたび発生しておりましたが、六月三十日に大規模な土石流が発生し、これによる被害は、負傷者一名、建物百六十五棟となっております。さらに、大量の降灰等により、農作物等に大きな被害が生じております。  火砕流、土石流及び降灰等によるこれまでの施設等関係被害につきましては、甚大な被害が発生しているものと思われますが、現地調査が不可能なため状況の把握は困難であり、今後火山活動の鎮静化を待って、鋭意調査を行う所存であります。  住民の避難については、住民の安全を確保するため警戒区域の設定等が行われ、長崎県島原市及び深江町で一万人を超える方々が長期にわたり避難をされており、住民生活地域経済に大きな影響が生じております。  政府といたしましては、雲仙岳火山活動の活発化に対応し、以前から防災関係機関等の緊密な連携及び防災体制の強化に努めていたところでありますが、今回の災害に関しては、まず、一部住民の避難状況も踏まえ、五月二十九日に島原市及び深江町に災害救助法を適用いたしました。  続いて、六月三日の火砕流により多くの人的被害が発生したこと等により、災害応急対策をより強力に推進していくため、直ちに翌四日、関係二十四省庁から成る平成三年雲仙岳噴火非常災害対策本部設置し、住民の安全を最優先に、観測、監視の強化、厳重な警戒体制の確保とともに、被災者等に対し適切な救済措置を講ずることなどを当面の重点事項として決定し、全力を挙げて災害応急対策に取り組んできたところであります。  なお、災害状況等を把握するため、これまで二回にわたり政府調査団の現地派遣をいたしております。  また、住民避難の長期化の状況や地元地方公共団体等の要望も踏まえ、災害対策関係の現行の諸制度、諸施策を最大限に活用し、住民生活安定確保。に万全を期していくとの考えのもとに、六月二十一日及び七月九日の二次にわたり雲仙岳噴火災害に係る被災者等救済対策決定し、二十一分野八十三項目に上る対策を鋭意推進しているところであります。  これらのうち主要なものを申し上げますと、民生対策として、災害弔慰金の支給等に関する法律に基づく災害援護資金の貸付限度額の引き上げを行うこと。  住宅対策として、公営住宅等の空き家の活用、応急仮設住宅及び災害公営住宅の建設を促進すること。  文教対策として、児童生徒の就学を確保するため、小中高等学校の仮設校舎の建設に対する助成措置を行うこと。  農林漁業対策として、作物被害等に対し、仮渡しを含め共済金等の早期支払いを行うとともに、農林漁業金融公庫の施設資金の災害貸し付けに関し激甚災害法の適用措置に準じ三%の低利の特別措置を行うなど、金融対策の拡充を図ること。  中小企業対策として、災害復旧貸し付けの発動、中小企業体質強化資金助成制度の特例措置、中小企業信用保険の特例等のほか、政府系中小企業金融機関等において激甚災害法の適用措置に準じ三%の低利の特別措置を行うなど、金融対策の拡充を図ること。  雇用対策として、被災事業所の休業に伴う一時的離職者に対する基本手当の支給等雇用保険の特例措置を講ずるとともに、職業相談・紹介等を行うこと。  活動火山対策特別措置法の適用により、学校施設、社会福祉施設等の降灰防除対策の促進を図ること。  地元の意向を踏まえ、今後、集団移転促進事業の円滑な実施を図ることなどであります。  雲仙岳火山活動は依然として活発で予断を許さない状況にあり、長期化する災害に対処するため、政府といたしましては、関係省庁及び関係地方公共団体との緊密な連携のもとに、今後も引き続き事態の推移に応じ適切な措置を迅速に講じていくとともに、既に決定した被災者等救済対策を総合的かつ迅速に推進してまいる所存であります。  また、今後、火山活動の鎮静化を待って、被災施設の復旧等に万全を期してまいりますとともに、災害状況や地元地方公共団体の要望等を踏まえつつ、必要な措置について検討を行い、この地域の防災、振興活性化等の地域づくりを積極的に進めてまいる所存であります。  以上、雲仙岳噴火災害に関し、その災害状況政府対策につきまして御報告申し上げた次第であります。  我が国は、その自然的条件から災害を受けやすく、災害から国土を保全し、国民の生命、身体及び財産を守ることは国政の基本であります。政府といたしましても、全力を傾注し災害対策の推進に取り組んでまいる決意であり、国民及び議員各位の御理解、御協力をこの機会に改めてお願い申し上げる次第であります。
  42. 土屋義彦

    議長土屋義彦君) ただいまの演説及び報告に対する質疑は次会に譲りたいと存じますが、御異議ございませんか。一    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  43. 土屋義彦

    議長土屋義彦君) 御異議ないと認めます。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時三十二分散会      —————————— 平成三年八月五日(月曜日)     開 会 式  午後零時五十九分、参議院議長、衆議院参議院の副議長常任委員長特別委員長、参議院調査会長、衆議院参議院議員内閣総理大臣その他の国務大臣、最高裁判所長官及び会計検査院長は、式場に入り、所定の位置に着いた。  午後一時一分、天皇陛下は、衆議院議長の前行で式場に入られ、お席に着かれた。    〔一同敬礼〕  午後一時二分、衆議院副議長櫻内義雄君は、式場の中央に進み、次の式辞を述べた。    式 辞   天皇陛下の御臨席をいただき、第百二十一回国会の開会式を行うにあたり、衆議院及び参議院を代表して、式辞を申し述べます。   現下、わが国をめぐる内外の諸情勢はきわめて多端であります。   われわれは、この際、内政、外交の各般にわたり、当面する諸問題に対処して適切な施策を強力に推進し、もって国民生活の安定向上につとめなければなりません。   ここに、開会式にあたり、われわれに負荷された重大な使命にかんがみ、日本国憲法の精神を体し、おのおの最善をつくしてその任務を遂行し、もって国民の委託にこたえようとするものであります。  次いで、天皇陛下から次のおことばを賜った。     おことば   本日、第百二十一回国会の開会式に臨み、全国民を代表する皆さんと一堂に会することは、私の大きな喜びであります。   ここに、国会が、当面する内外の諸問題に対処するに当たり、国権の最高機関として、その使命を十分果たし、国民の信託に答えることを切に希望します。    〔一同敬礼〕  衆議院議長は、おことば書をお受けした。  午後一時六分、天皇陛下は、参議院議長の前行で式場を出られた。  次いで、一同は式場を出た。    午後一時七分式を終わる