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1991-08-29 第121回国会 衆議院 証券及び金融問題に関する特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成三年八月二十九日(木曜日)     午前十時開議 出席委員   委員長 大野  明君    理事 衛藤征士郎君 理事 戸井田三郎君    理事 中村正三郎君 理事 穂積 良行君    理事 松永  光君 理事 加藤 万吉君    理事 中村 正男君 理事 草川 昭三君       浅野 勝人君    粟屋 敏信君       魚住 汎英君    遠藤 武彦君       尾身 幸次君    奥田 敬和君       金子 一義君    木村 義雄君       笹川  堯君    田中 秀征君       津島 雄二君    野田  実君       松本 十郎君    村井  仁君       村上誠一郎君    山下 元利君       山本 有二君    井上 一成君      宇都宮真由美君    大木 正吾君       仙谷 由人君    細谷 治通君       松浦 利尚君    水田  稔君       安田 修三君    渡辺 嘉藏君       坂井 弘一君    日笠 勝之君       冬柴 鐵三君    小沢 和秋君       正森 成二君    中井  洽君       楢崎弥之助君  委員外出席者         証     人         (野村証券相談         役)      田渕 節也君         証     人         (日興証券副会         長)      岩崎 琢彌君         田渕証人補佐人 山田  尚君         岩崎証人補佐人 伊達  昭君         証券及び金融問         題に関する特別         委員会調査室長 兵藤 廣治君 委員の異動 八月二十九日  辞任         補欠選任   村上誠一郎君     山本 有二君   正森 成二君     小沢 和秋君 同日  辞任         補欠選任   山本 有二君     村上誠一郎君   小沢 和秋君     正森 成二君     ————————————— 本日の会議に付した案件  証券及び金融問題に関する件      ————◇—————
  2. 大野明

    大野委員長 これより会議を開きます。  証券及び金融問題に関する件について、田渕節也君より証言を求めることにいたします。  この際、証言を求める前に証人に一言申し上げておきます。  昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によって、証人に重言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことになっております。  宣誓または証言を拒むことのできるのは、まず、証人証人配偶者、三親等内の血族もしくは二親等内の姻族または証人とこれらの親族関係があった者及び証人後見後見監督人または保佐人並びに証人後見後見監督人または保佐人とする者が、刑事訴追を受け、または有罪判決を受けるおそれのあるときであります。また、医師歯科医師、助産婦、看護婦、弁護士、弁理士公証人、宗教の職にある者またはこれらの職にあった者は、業務上委託を受けたため知力得た事実で他人の秘密に関するものについても、本人が承諾した場合を除き、宣誓または証言を拒むことができることになっております。  証人宣誓または証言を拒むときは、その事由を示さなければならないことになっております。  証人が正当な理由がなく宣誓または証言を拒んだときは一年以下の禁錮または十万円以下の罰金に処せられ、また、宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは三月以上十年以下の懲役に処せられることになっております。  一応このことを御承知おき願いたいと存じます。  次に、証人補佐人助言を求めることが許される場合について申し上げます。  すなわち、証人は、宣誓及び証言の拒絶に関する事項に関し、補佐人助言を求めることができることになっております。  助言は、その都度証人委員長にその旨を申し立て、その許可が得られた後に認められるものであります。  なお、補佐人は、みずから発言すること及びみずから証人に対して助言することはできないことになっております。  次に、今回の証人喚問についての理事会申し合わせについて申し上げておきます。  その第一は、資料についてであります。  証人は、証言を行うに際し、資料を用いることは差し支えありませんが、委員長許可が必要であります。また、これらの資料は、いずれも当委員会に提出していただくことになっております。  その第二として、証人メモをとることについてでありますが、尋問項目程度は結構でございます。  なお、補佐人メモをとることは構いません。  以上の点を御承知おきください。  それでは、法律の定めるところによりまして、証人宣誓を求めることにいたします。全員起立を願います。     〔総員起立
  3. 大野明

    大野委員長 議院証言法第五条の三の規定によりまして尋問中の撮影許可したいことになっておりますので、これより田渕節也君の証言が終了するまで、撮影は中止してください。  それでは、田渕節也君、宣誓書を朗読してください。
  4. 田渕節也

    田渕証人 宣 誓 書  良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、  又、何事もつけ加えないことを誓います
  5. 大野明

    大野委員長 宣誓書署名捺印してください。     〔証人宣誓書署名捺印
  6. 大野明

    大野委員長 御着席ください。  これより証言を求めることといたしますが、証人の御発言は、証言を求められた範囲を超えないこと、また、御発言の際には、その都度委員長許可を得てなされるようお願い申し上げます。  なお、こちらから質問をしているときには着席のままで結構でございますが、御発言の際は起立して発言をしてください。  なお、委員各位に申し上げます。  本日は、申し合わせの時間内で重要な問題について証言を求めるのでありますから、不規則発言等、議事の進行を妨げるような言動のないよう特に御協力をお願い申し上げます。
  7. 大野明

    大野委員長 これより証人に対して証言を求めます。  まず、委員長より委員会を代表して総括的にお尋ねをして、その後、委員各位発言を願うことといたしております。  それでは、私からお尋ねいたします。  あなたは田渕節也君ですか。
  8. 田渕節也

    田渕証人 田渕節也でございます。
  9. 大野明

    大野委員長 生年月日、住所職業を述べてください。
  10. 田渕節也

    田渕証人 私は、大正十二年十月二十五日生まれでございます。  住所は、東京都渋谷区松濤一の七の二六でございます。  職業は、野村証券相談役でございます。
  11. 大野明

    大野委員長 平成三年七月二十九日、日本証券業協会により公表された野村証券大口顧客に対する損失補てん額は、二百七十四億七千九百万円となっておりますが、これがすべてですか。平成二年四月以降については、ありませんか。  また、これらの損失補てんはどのような方法で行われましたか。
  12. 田渕節也

    田渕証人 お答え申し上げます。  平成三年七月二十九日に公表いたしました野村証券補てん額は二百七十四億七千九百万円でございます。  平成二年三月期に関しましては、社内で聞きましたところでは補てんはないというふうに聞いておりますが、ただいま大蔵省特別検査が、手前ども特別検査をいただいており、野村証券スタッフもその検査に御協力もし、なおかつ、自分とこで一生懸命にその後の補てん額が、補てんがないかということを目下調査中でございます。  補てん方法でございますが、これは、先ほど委員長質問の七月、本年の七月二十九日という日に発表いたしました二百七十五億円弱に関する補てん方法は、ワラント債、それから国債、それから国債の先物を売買して補てんをしたというふうに私は報告を受けております。
  13. 大野明

    大野委員長 今回の一連証券不祥事はまことに遺憾であると考えますが、野村証券法令通達及び諸規則の遵守をどのように考えて営業を行って雲いりましたか。
  14. 田渕節也

    田渕証人 今回の野村証券不祥事に関しまして、冒頭、おわび申し上げるとこでございましたが、ただいま不祥事に関する御質問がございましたので、一言おわびを申し上げたいと思います。  全国国民皆様、それから全国投資家皆様、今回の野村証券一連不祥事に関しましては、大変御迷惑をおかけし、お騒がせをし、本当に申しわけなく思っております。私といたしましては、ただいま現在、大変反省いたしておるところでございます。  なお、立法府の皆様には、こういう不祥事に関しまして、このようにお手数をお煩わせいたしまして申しわけないと心から思っております。御謝りさしていただきます。  御質問法令通達、諸規則に関しましては、私は、これは証券業者として当然絶対に守らなくちゃいけないことであると、特に社員の教育研修という場におきましては、何度も何度もそれを言い続け、自分では徹底してきたつもりでございますが、こういう問題が起こってまいりまして、なおかつ、しんからみんなに徹底をさしてなかったんだなと、どうも私の口先だけの教育研修ではなかったかというふうに、甚だ反省をいたしております。  営業に関しまして、今回も営業姿勢に非常に行き過ぎがあったんじゃないかと、通達に準じて疑わしいじゃないかという御指摘も受けております。その点ももちろん反省いたしておるわけでございますが、今後は、よく人、物、金とまあ三点セットのように言われておりますけども、証券会社の場合は、まず人であると、その人に本当に法令通達規則、なかんずく倫理的なルールというものを徹底して守らすという教育研修を徹底しなくちゃいけないと、まあそう思っているのが私の現在の心境でございます。
  15. 大野明

    大野委員長 野村証券石井稲川会会長とはどのような関係ですか。  また、野村証券系列貸金業者等による同氏に対する融資及び岩間カントリークラブの会員資格保証金預かり証の購入の経緯、目的、その他事実関係をお述べください。
  16. 田渕節也

    田渕証人 お答えいたします。  御質問稲川会会長石井氏に関して申し上げますと、私個人は今まで石井氏と一度も会ったことはございません。全く面識のない間柄でございますということをまず申し上げます。  野村証券お尋ねの方の関係は、昭和六十一年の秋、まあこのことは、今回証人喚問に出頭するに当たり、それと、前にこの五月末ぐらいから新聞紙上に大きく報ぜられた後、私は社内スタッフ、特に総務部の、総務部門責任者にいろいろ問いただして、その報告を受けた結果をただいまから申し上げているわけでございますが、昭和六十一年の秋に手前ども秘書室担当役員が、当時手前どもに出入りをいたしておりました総会屋から、ぜひ石井氏と会ってほしいというようなことがございまして、その取締役は外の会合で、その総会屋さんの紹介石井氏といろいろ懇談をしたということでございます。  その際、石井氏からいわゆる日本経済状況、それから金融状況、なお株式見通しなどいろいろ聞かれた模様で、それに対して適当に説明をしたようでございますが、なおかつ、取引をしたいのでだれかしっかりした人を紹介してくれぬかという話を、その取締役は当時の本店営業部長に、これは自分の知り合いの大事な人だからひとつ取引をやってくれと言って、そのときにはその属性を言わずに紹介をした模様でございます。  その後、石井氏の取引は、石井氏の取引代理人の方が最初から本店営業部長ところにはお見えになって、石井氏は一度もおいでになってないというふうに聞いております。  問題の東急株でございますが、これは平成元年……
  17. 大野明

    大野委員長 田渕君に申し上げます。  東急株でなく、これは申し上げておきますが、この次お聞きしますから、今岩間カントリーのことをお尋ねしたので、その点をお答えいただきたいと思います。
  18. 田渕節也

    田渕証人 はい。  岩間カントリークラブは、やはりことしの五月に非常に大きく新聞に取り上げられまして、そのときに私もびっくりしてすぐ調査を命じたわけでございます。  その調査結果の報告を聞きますと、本店営業部長ところにいつもおいでになられた石井氏の取引代理人の方が、自分の非常によく知っている岩間カントリークラブ役員の人と会ってくれということで、その岩間カントリークラブ役員の人が本店営業部長ところに来て、岩間カントリークラブ、非常にいいゴルフ場になる、ぜひこれに投資をしてくれという話があったようでございます。営業部長は、株の売買有価証券売買自分は本職だけれども、ゴルフ会員権投資というようなことは自分の権限にないと、しかしぜひとも頼むということで、本店営業部長はそのときの秘書担当役員に、非常にいいゴルフ場らしいからぜひこれに投資してくれと。その秘書担当役員は、野村証券では三口とか四口会員権を買うことはあるけれども、そんな十億とか二十億とかいうものに投資はできない、したがって何ら……
  19. 大野明

    大野委員長 証人に申し上げますが、時間の制約もございますので、証言をもう少し簡潔にお願い申し上げたい。と同時に、もう少し声を大きくしていただきたいということで、よろしくお願いします。
  20. 田渕節也

    田渕証人 はい、済みません。わかりました。  そういうことで、ファイナンス会社紹介をしたわけです、コマーシャルベースで考えてくれということを。ファイナンス会社は、そのときに自分の子会社平成ファイナンスという会社をつくりて、それでいわゆるゴルフ関連とかそういう長期投資をその会社でやらそうということで設立準備をしていたときでございまして、目論見書を見て、社長佐藤茂、それから建設資金は銀行がきちんと金を出している、ゴルフ場も半分ぐらいでき上がっているというようなことで、しかも、当時もうゴルフ場の値段がどんどん三千万とか五千万とか八千万とか上がっていたことについ乗じられたといいますか、これはもうかるんじゃないか、そういうふうに思って二十億円方購入したようでございますが、私は、その間の事情を聞き、今回もこの席に出席するに当たりまして、なぜ歯どめがきかなかったのだろうかと、属性ももう一つどうしてはっきりと調べたかったのかと、買うに当たって現地にも行っておりません、ただそういう書面だけ見て買っておるというそのうかつさというものに関しては、まことに残念で残念でしょうがないという気持ちがいたしております。
  21. 大野明

    大野委員長 平成元年秋東急電鉄株が急騰していますが、野村証券による同株の売買状況及び特別推奨の事実関係をお述べください。
  22. 田渕節也

    田渕証人 平成元年の十月十九日から東急株野村証券が取り上げているということを、今回出席に当たりまして調査報告を受けております。その間のことを私なりに調べて、それでその報告と平仄を合わすつもりで参ったわけでございます。  電鉄株が、状況だけざっと申し上げますと、電鉄株はちょうど約小一年前に京成電鉄が非常に上がっております。かれこれ三倍近く上がっております。もっとも京成は、これは株数も非常に少なくて、ちょっと買えば飛び上がるというような昔から性格を持っております。その後、東武電鉄、小田急電鉄というものが上がって、東急電鉄が何となく今にも上がりそうであったという状況にあった模様でございます。  野村証券は、前川レポート以来内需関連ということに注目しまして、野村総合研究所野村証券ともに割に内需的な株を推奨いたしております。その中にずっと東急電鉄が、ずっとといいますか断続的に入っていたということでございます。  平成元年九月の部店長会議、これには私も出席いたしておりますが、部店長会議の最後にいつも野村総合研究所担当者が、経済のファンダメンタルズとか業界見通しとか海外の問題とかいう報告を一時間ほどするわけでございますが、そのときに、向こう半年間のテーマ生活大国日本というようなテーマになるんじゃないかというような話がございまして、それを受けまして、野村証券の中に野村投資調査部という独立したディビジョンがございます。この投資調査部参考銘柄を決めるわけでございまして、その参考銘柄を決める際には、野村総合研究所、それから野村社内にあります国際調査室というところ、三者一体になって参考銘柄を決めるわけでございまして、そのときの十月に入っての参考銘柄は、まあちょっと難しい言葉ですがアメニティー、豊かさということだそうでございますが、アメニティーというキャッチフレーズで参考銘柄を決める、十数銘柄決めたわけでございますが、その中では東急、ソニー、それから三井不動産というような銘柄お客様方からの受けが非常によかったようでございます。  特に、十月下旬ぐらいに、当時の一般紙でございますが、先日私もそれをうちスタッフから見してもらったのですけれども、東急グループ五島昇さん、総帥の五島昇会長がお亡くなりになられたので、グループ間のサミット会議が行われて、お互いに株を持ち合って団結を強めるというような大きな記事が何度か新聞紙上にあらわれたというようなことも、非常に全国的に東急投資家に注目ざしたというような事実があるようでございます。  いずれにしましても、十月の十九日、二十日、十一月、十二月にかけまして、東急株が非常にお客様方の注目も浴び、野村証券の場合も、全国の、何といいますか中部地区、いや、ごめんなさい、中部地区は全然ほとんどやっておりません、近畿地区とか四国地区とかあるいは東部地区とか、そういうところが非常にたくさん取り上げております。  この東急株売買に関しましては、ことしの三月に大蔵省定期検査がございまして、そのときの定期検査でこの大量取引を、何と申しますか、相当厳しくお調べをいただきまして、私が総務担当役員に聞きましたところでは、野村投資家に対する投資勧誘のやり方に行き過ぎがあるという御指摘を受けておりますし、私もその間の事情を聞きましたところでは、やはり野村証券としては、その取り扱った営業店あるいは取り扱った営業部員行き過ぎがあったんじゃなかろうかというふうに、現在甚だ反省いたしておるところでございます。
  23. 大野明

    大野委員長 以上をもって私からお尋ねすることは終わりました。  次に、発言の申し出がありますので、順次これを許します。津島雄二君。
  24. 津島雄二

    津島委員 自由民主党の津島雄二です。  田渕証人大変御苦労さまですが、今回の証券不祥事は、我々国民にとって理解に苦しむほど不公正なものであるという印象は免れない。損失をこうむった一般投資家から見れば許しがたい気持ちになるであろうし、また、資本市場の健全な発展を願う人々から見ればまことに残念だと言わざるを得ないわけであります。  田渕証人は、日本証券業界のリーダーとして、また世界資本市場に重い責任を負っておられたわけであり、一九八八年にはタイムの表紙を飾ったジャパンマネー代表者である。日本経済の顔であった人である。そこで、国民の憤りや残念に思う気持ちに対して率直にこたえることによって、誠意をもって事態の究明に協力していただきたいと思います。  そこで、まず東急電鉄株売買の事実関係についてお尋ねをいたしますので、簡潔に御答弁いただきたいと思います。  今委員長の御質問に答えられて大体の流れはお話しになりましたけれども、それじゃ、一番問題の平成元年十月十八日から二十日ごろまでの実情について、会長報告を受けておられると思うのですが、例えば新聞によりますと、野村の百カ店以上のところで取り扱い株式の五〇%以上を東急電鉄株で扱ったとか、あるいは本店営業部などでは九〇%を超えていたとか、それからまた、日によっては全体の売買扱い高の中の野村シェアが三〇%、四〇%以上を超えていた日もあった。この事実はお認めになりますか。それからまた、そのことは企業のトップは御存じてしたか、このことをまず伺いたいと思います。
  25. 田渕節也

    田渕証人 お答えいたします。  ただいまの津島先生からの最初のお言葉でございますが、この一連不祥事は、不公正であり、一般投資家をないがしろにしている、証券市場の健全な発展に水をかけたと、世界に対する責任はどう考えるんだと、国民の憤りに対してどう対処するんだというお言葉に関しまして、私は四十数年間証券人を相勤めておりまして、本当にそういう御叱責を今受けるということは、片方では残念で残念で仕方がないと思うと同時に、片方ではこの責任自分にあると、だれにも責任は転嫁できないという気持ちも大半でございます。本当に全国投資家皆様に対しまして申しわけございませんでした、謝る言葉だけしかない始末でございます。  東急の事実関係、大体におきまして私も報告を受けてきたつもりでございます。東急の、東急電鉄の、まあ今お問い合わせの日にちに関しましてでございますが、私が聞いたところによりますと、野村証券株式部におきましては、一つ銘柄が月間通じて三〇%のマーケットシェアは超えてはいけないということだけはいつも厳格に守ったようでございます。ただ、一月を通してということばかりが頭にあったせいか、もちろん毎日毎日もそういうふうに努めたとは思いますけれども、東急電鉄に関しましては、十月の十九日からたしか四日間と、それから二十九日でございますか、締めて五日の間は、その日にちだけを見ますと三〇%を超えていたという報告を聞いております。  百カ店以上が店内の商いの五〇%ということを、実は正確に報告を受けてきておりませんので、その正確度をここで私申し上げるわけにいきませんが、まあ東急の十月十九日から三十日間のそういう今私が申し上げたようなことから類推いたしますと、あるいは過半数の店が店内シェアが五〇%以上になっていたんじゃなかろうかと類推をいたします。  本店営業部に関しましては、これは聞いてまいりました。本店営業部東急を、まあ全店いいますか、全店じゃなくて、うちのまあ目立った地域幾つかあるわけですが、その目立った地域に比べたら、本店営業部東急は余り取り扱っておりません。たまたま最初の二、三日東急を大きく取り扱ったというふうに私聞いております。そこから後ももちろん取り扱っていたと思うんでございますが、いわゆる非常に大きくということはないと聞いております。  最初九〇%というような数字も私聞いたわけですが、何でそんなことになっているんだと言ったら、まあそのころ本店営業部は、何といいますか株式営業が全般的に低調で、まあ出来高そのもの営業部として非常に少なかったと、非常に少ない中で、それじゃひとつ東急がおもしろそうだから東急をやってみるかというようなことで、東急にその日あるいはその次の日に集中したようでございます。  以上、報告を受けております。
  26. 津島雄二

    津島委員 証人にお願いを申し上げますが、幾つかお伺いしたいポイントがありますので、お伺いした点に限って簡潔に御答弁をいただきたいと思います。  そこで、集中的販売をされたという客観的な資料は十分にあると思うのでありますが、この集中的販売をされた理由は何なのか。これについて、例えばおたくの経営会議であるとかあるいは定例の重役会であるとか、そういうところでお決めにたったという事情はありますか、あるかないかだけお答えください。
  27. 田渕節也

    田渕証人 経営会議、そのころ経営会議は前社長の田淵君が主宰をいたしておりまして、専務会と彼は称したわけでございますが、その専務会に、経営会議と同じでございます、では、私がやってたころも、それから次の社長がやってたころも、いわゆる個々の株式推奨とか銘柄の分析とか、そういうものは一切、まあ一切と言うことは語弊がありますが、ほとんどやっておりません。全く経営方針とかあるいは経営政策、それから商品本部人たちに来てもらって、まあ例えば日銀の金融政策が今後どうなりそうだというような話題で終始をいたしていたと、現在もそうだと、そう思っております。
  28. 津島雄二

    津島委員 次に、暴力団との関係についてお伺いをいたします。  先ほど淡々として事実関係をお述べにたったのでありますけれども、この稲川会石井さんは直接面識はないと言われたからそうとして、この関係者から岩間カントリークラブ関係の会員資格保証証を買ってもらいたいと。それからまた次に、八九年、すなわち平成元年の十、十一月ごろに、担保に入れております東急株を信用取引から解いて、それを野村ファイナンスに紹介をして、ファイナンスの方に東急株式を入れて百六十億の融資を野村ファイナンスからされている。そこでポイントは、だれが野村ファイナンスに御紹介になったのか、このときに。これだけをお答えください。
  29. 田渕節也

    田渕証人 お答えいたします。  岩間カントリークラブに関しましては先ほど委員長に概要をお話し申し上げましたので、野村ファイナンス会社石井氏に百六十億円のファイナンスをしたということに関して申し上げたいと思いますが、よろしゅうございますか。  平成元年十、私も十一月だと思っていますが、十月か十一月かその報告を、確と記憶がございませんが、多分どちらかだと思います。私が調査して、まあ調査せしめて、その結果の報告でございますが、東急株式をたしか二百六十万株、平成元年の四月でございますか、石井氏が信用取引でお買いになって、そのまま信用取引で建ったままという状況下にあったわけでございますが、御存じのように信用取引には更改期限がございます。多分、その更改期限というときが来たか、あるいは信用取引の金利が、当時非常に金融緩和時代で、ほかの金融機関、まあファイナンス会社の金利がどうだったんか存じませんが、ともかく信用取引を現引きして、それで野村ファイナンスで融資をしてほしいということを、そのときの営業部長に相談がございました。営業部長は、当時非常に金融緩慢で、ファイナンス会社も幾らでも資金はあるいいますか、銀行さんが幾らでも金を貸してくれる、むしろ貸し付け先に奔走してたと、こういうようなことも漏れ聞いてたんだろうと思うのでございますが……
  30. 大野明

    大野委員長 証人に申し上げますが、要点を要領よく簡潔にということと、今津島議員のお尋ねは、ファイナンスのだれにだれが紹介したという人物を聞きたいので、周りのことじゃないと思いますので、その点よろしくお願いいたします。
  31. 田渕節也

    田渕証人 はい。当時の営業部長が、野村ファイナンスの、自分の同僚が向こうに行っておりますので、その同僚に対して、五十億円理引き代金をこの客に融資をしてほしい、こういう依頼をいたしまして、そのときも属性をはっきりと言っておりません。ただ……
  32. 津島雄二

    津島委員 今の点については、それじゃ御答弁はそれで結構です。  そこで、この稲川会石井さんとの関係ですけれども、否定できない事実は、昭和六十一年の十二月に信用取引の口座を開設しているということです。つまりお客さんとして公式に野村証券は認めている。信用取引ですからね。信用して取引しますよという信用取引を開設しているというこの事実。  それから、今の八九年十一月、平成元年十一月に、野村ファイナンスに、私の調査が事実かどうかあれでありますが、わざわざ営業部長が同道して行かれた。同道して相手の方に会っているのに、属性を言っておられたいということなんです。  私は、昨年麻薬防止についての法律を国会に通すのに苦労いたしましたけれども、まさに洗浄行為、金融機関の洗浄行為というのはこれでありまして、野村属性を言わずにこの人を頼むと言ったときから、その人は日本で一番信用のある人になってしまうんですよ。属性について、顧客の属性について何ら管理をしないというのが野村の体質なんでしょうか。属性の管理をどういうふうにやっておられるか、簡潔にお答えください。
  33. 田渕節也

    田渕証人 今のお言葉で、全く一言の言いわけもございません。属性の管理に関して非常に甘かったと思います。もう全くそれ以上の言いわけはございません。  それから、営業部長属性を言わずにファイナンス会社に同道したという報告は、私、実は受けておりませんで、今お伺いしてびっくりしたという次第でございます。本当に申しわけありません。
  34. 津島雄二

    津島委員 お伺いしたいところがいろいろありますので、一応次の損失補てん問題について事実関係をお伺いしたいと思います。  損失補てん行為がいわゆる通達が出ましてから後行われていることは、これは多くの方が指摘しておりますけれども、この損失補てんを、社内の最終決定をだれがどのように行われているのか。つまり、損失補てんをするには営業部門だけではできませんからね。WBとか国債とかを売買しなきゃならないから、会社ぐるみでやらないとこれはできないと思うのですね。だから、どのようにだれが決定をするのか、だれにどのくらいやるのか決定するのか、この点を簡潔にお願いします。
  35. 田渕節也

    田渕証人 損失補てん通達は、平成元年十二月二十六日にございました。それは、私は、当社の管理部門の最高責任者の水内副社長から報告を受けまして、私は、直ちに通達どおり至急総点検をしなさいよということを言った記憶がございます。  その後、先ほど申し上げました専務会、三月の中旬の専務会で、これは社長以下代表取締役が全部出席いたしております。私も同席いたしておりますが、その席で水内副社長から、総点検をした、全店からどうしても損失補てんをせざるを層ないというふうに申し出があって、自分もやむを得ないと判断したものが大体百六十億円強ある、ひとつこの損失補てん会社としてやらなくちゃいかぬと思うけれどもそれでよろしいかという報告がありまして、それはやむを得ぬだろうという社長の、あれですね、決定いいますか、があったことを記憶いたしております。したがいまして、自主報告にかかわる損失補てんは、責任者は、これは野村証券の経営そのものが責任でございます。
  36. 津島雄二

    津島委員 先ほど委員長の御質問に対しまして、法令あるいは通達の遵守に心がけていると言っておられるわけなんですけれども、通達が出てもなおかつ巨額の損失補てんをやった。さらに、株主総会で社長さんが、これについて大蔵省が承認をしているというような発言をされたという事実があるんですけれども、そのことについて、適当であったか適当でなかったか、一言だけ。正しいかどうか。
  37. 田渕節也

    田渕証人 社長発言は極めて不適当であったいいますか、正しくなかった、そう思っております。
  38. 津島雄二

    津島委員 そこで、先ほど、特別検査を今やっておって、公表されている以外にはあるかないかさらに詰めているということでありますが、この特別検査の結果がわかった場合には、もし何かあれば公表されますね。
  39. 田渕節也

    田渕証人 私としては直ちに公表すべきだと思っておりますし、野村証券に関しては直ちに公表をさせるつもりでございます。
  40. 津島雄二

    津島委員 非常に残念なことにたくさんの質問が残ってしまいましたけれども、最後に一つだけぜひともお伺いしなければならないのは、やはり公益性を最も重視しなければならない、信用をとうとぶ金融機関の一つである野村証券あるいは証券市場の皆さん方が、今まで一般国民、一般株主を軽んじていたのではないだろうか、これについて非常に重い責任があるということを私は指摘したいのであります。  一たん失った信用を取り戻すためにはよほどの努力が要る。取り戻すためにきょうから頑張っていただかなければならないわけでありますが、再発の防止と信用失墜からの立ち直りのために皆様業界で何を今心がけておられるか、かいつまんでお答えをいただきたいと思います。
  41. 田渕節也

    田渕証人 私、四十数年証券業界とともに歩み、証券業界の中でいわゆる同じかまの飯を食べさせていただいた身でございます。したがいまして、今考えていることは、ともかく一証券人として、何としても証券業界の信用の回復を図らなくちゃいけない。ましていわんや、野村証券の信用の失墜、確かに一たん失った信用でございますから長くかかろうかと思いますが、これは着実にきちんと信用回復を図りたいと思っております。  こういう問題の再発防止、まあこれは、今までの総理大臣あるいは大蔵大臣の国会の御発言をお伺いしておりまして、監視機関その他、いろいろ御苦労をいただいているわけでございますが、そういうことは当然、我々はできたものは一生懸命遵守するということでございますけれども、何よりも大事なことは、自分できちんとしたルールをつくってそれで自分で守るということが、これが何よりも大事だと思います。  野村証券の場合は、手前どもの創業者の野村徳七翁は、顧客とともに栄えるということを、これ、まず家憲のようにされておりました。私は、顧客とともにもちろん栄える原点に返る以上に、まず顧客の利益ということ、野村の利益はそれにフォローするというぐらいのつもりで今後やっていかなくちゃいかぬと思います。いずれにしても、自分で倫理ルールをきちんと決めて、そのルールに自分が合わしていく、そういうことかと存じております。
  42. 大野明

    大野委員長 これにて津島君の発言は終了いたしました。  次に、大木正吾君。
  43. 大木正吾

    ○大木委員 社会党の大木正吾ですが、証人にお伺いいたしますが、証人は政治団体なりあるいは政治研究会等に関係したことはございますか、端的に答えてください。
  44. 田渕節也

    田渕証人 お答えいたします。  政治協会、政治団体という、ちょっと私、定義がわからないわけでございますが、私自身、政治協会、政治団体に加入したことはないような気がするのでございますけれども、ちょっとその定義がわからないのでございますが。
  45. 大木正吾

    ○大木委員 山王経済研究会に入っておられたことはございますね。
  46. 田渕節也

    田渕証人 はい。
  47. 大木正吾

    ○大木委員 これはかつての、これから出てきます東急電鉄の故五島社長さんも一緒だったですね。五島昇社長も一緒でしょう。田渕会長ですね、当時の会長、そして故五島昇さんですね、東急電鉄社長でありました。一緒でしたね。
  48. 田渕節也

    田渕証人 お答えいたします。  山王経済会、中曽根元総理の後援会の一つだと思いますが、その会員でありましたことは事実でございます。それから、山王経済会に五島昇東急の前会長はお入りになってないと私は記憶いたしております。少なくとも一度もお顔を拝見したことがございません。
  49. 大木正吾

    ○大木委員 私どもの調査では、同じメンバーになっていた時期がございますので。  で、特にこの山王経済に対しまして、証人は政治献金等をされたことございますか。政治献金でございます。端的に。
  50. 大野明

    大野委員長 田渕証人証言をなさる前に委員長と言ってからやっていただきたいのですが。
  51. 田渕節也

    田渕証人 はい。済みません。平素の癖が出まして……。  山王経済会は、私は政治献金をしたことがないというふうに思っているんですが、政治献金に関しましては手前どもの秘書室長が大体全部心得ておりますので、一応聞きましたところ、年会費百万円を出しているという報告を受けました。
  52. 大木正吾

    ○大木委員 そこまでは私どもの方でも調べてはいるのですが、選挙の際等に特別野村として献金したことはございませんか。
  53. 田渕節也

    田渕証人 山王経済会に対して選挙の際に特別に献金したということの記憶はございませんし、多分ないと思っております。
  54. 大木正吾

    ○大木委員 少し資料がまだ不明確ですからこれ以上のことはきょうはここではやりませんが、いずれまた別の機会にさせていただきますが、私の手元の方には少しくやっぱりあるようなメモが届いておる点がございます。確認した上でやります。  それから、電鉄株の問題に入りますが、大変これはあちこちでもって宣伝されておるのですが、特に八七年、六十二年の九月以降十月、十一月、十二月、東急電鉄株シェアはどれくらいになっていますか。
  55. 田渕節也

    田渕証人 田渕でございます。  今お尋ねの年月日、いわゆる手前ども東急大量取引した年月目だと思いますが、それは六十二年でなくて平成元年だと思いますが、それでよろしゅうございましょうか。(大木委員「六十二年です。十月から十一、十二。——平成元年」と呼ぶ)平成元年でよろしゅうございますか。平成元年の、私が調査しまして報告を受けたところでは、野村東急電鉄大量取引を始めたのは平成元年の十月の十九日から十一月、十二月ということでございまして、その間の野村マーケットシェアは大体二四%から二六%ぐらいが十、十一、十二の間のマーケットシェアであったというふうな報告を受けた記憶がございます。
  56. 大木正吾

    ○大木委員 これ、いろんな資料が出てくるので、今のお話も十月、十一月、十二月で四〇%を超え、すなわち十月四〇・一〇%、十一月四〇・三七%、十二月四二・八五%、こういうことが私の手元の資料にございまして、さらに十月十九日に本店九〇%、東京池袋、荻窪で二十四日に八九、八九。平均しますと、十九日、要するに市場が閉まる直前等の様子を見てみますと、四〇%シェアというのが大変多うございまして、三百二十支店中、百支店が五〇%超の時期もございましたね。
  57. 田渕節也

    田渕証人 今大木先生のおっしゃられたこの四〇%というのはマーケットの中のシェア、全社のシェアマーケットシェアではなくて、たしか四大証券でございますね、四社の中のシェア。いつだったか国会の御質問の中で、たまたま私テレビで聞いていたときに、四社の中のシェア野村が四〇%を超えているというふうに聞いた覚えがあります。会社で特に調べておりませんが、先ほど私が申し上げたマーケットシェアの二十数%ということは、これは間違いがございませんので、四社のシェアだと思います。  四社の普通のシェアは幾らだと言われますと、四つで割れば二五%が普通のシュアでございますけれども、四社の中で野村証券の場合に平均よりか常に少し高いということでございます。
  58. 大木正吾

    ○大木委員 これはきのうの本委員会におきましても大変関心を呼んだ問題でございまして、また、きのうですか、司直の関係機関の方から、法務関係の方の機関の方から、関係会社あるいはその他の金融機関等に対しまして厳密にもっとやるというような注文がついて報告が出ていましたですね。けさ新聞に出ていました。それで、しかも検察庁等も相当に、株価操作になるんじゃないか、こういった問題の調べが進み、大蔵省の松野局長も、それに近い特別捜査をしている、こういう話が出ているわけですが、証人はそういった問題について、証取法に違反というような認識は全くございませんか。
  59. 田渕節也

    田渕証人 東急一連の、一連売買いいますか、平成元年十月から十二月にかけての売買に、先ほど私は、野村のある営業店あるいは営業マンに投資勧誘の態度に行き過ぎがあるという反省を申し上げました。その東急売買に関して現在も特別検査を受けております。特別検査の中の当然一項目でございます。  私が社内でいろいろな事情を聞いたところでは、私は、東急売買に関して証取法百二十五条、すなわち株価操縦の疑いは絶対にたい、そういうふうに私自身は確信をいたしております。ただ、商いに行き過ぎがあったいいますか、少し踏み外したような商いがあるという反省は非常にいたしておりまして、そういう営業姿勢に関する通達というものと照らし合わして、私自身非常に反省をいたしておる、そういう気持ちでございます。
  60. 大木正吾

    ○大木委員 もう随分とマスコミをにぎわして、野村の相当幹部の方々が大阪や東京、さらには福岡その他でもって絶対に五千円になるという話も講演会等でされたり、あるいは特別取引の多い方々を集めて話をされたり、そういったことをしていること、あるいは雑誌を通じまして推奨株としていること、そういったこと等について大蔵も調査中ではありましょうし、同時に、公安も重大な関心を持つ、こうおっしゃっているわけですが、絶対にと今おっしゃいましたね、田渕さん。絶対に株価操作あるいは証取法に違反しない、こういうふうに言い切ってよろしゅうございますか。その調査の、捜査の結果が出てもそうですか。
  61. 田渕節也

    田渕証人 私が調査報告の結果を社内で聞いたところによりましては、絶対に百二十五条の株価操作違反ではないと確信をいたしておるということでございます。  もちろん、証取法違反であるかどうかということを決定されるのはこれは大蔵省当局でありますし、それからただいま二件、検察庁に対して刑事告訴されておりますので、検察庁がお決めになるかいうことで、私自身が決めることではないわけでございますが、私の気持ちを大木先生が全言えとおっしゃられたので、そういうふうに申し上げた次第でございます。
  62. 大木正吾

    ○大木委員 調査の結果によりましてクロとされたときには、どういうふうに考えられますか。
  63. 田渕節也

    田渕証人 お答え申し上げます。  もう免許制下の野村証券でございまして、免許を与えていただいている大蔵大臣からこれはクロであるという認定を受けた場合には、全くそれにお従いする以外にはない、抗弁する余地はない、そう思っています。
  64. 大木正吾

    ○大木委員 いずれにいたしても、証人としておいでいただきましたことと、私たちが疑問に思っていること、同時に大蔵並びに司直が調査していること、こういったこと、結末が出てきた段階で問題がまた出てきますので、念を押して伺った次第です。  別のことに移りまして伺いますが、実は東急電鉄の株を稲川会に買っていただいた中で、資金提供されました野村ファイナンス、これの、きのう、おととい、私はちょっと情報を集めてみたわけでございますが、非常に金融面でファイナンスの方も窮屈な状態になっておる、こういうふうに伺いましたが、田渕さん、そのことは御存じですか。
  65. 田渕節也

    田渕証人 野村ファイナンスが、今御質問がございました融資に関しまして、全部で百六十億円という総額でございますが、その。担保になっている東急株が値下がりをしていて担保切れという状況、すなわち大変窮屈になっていることが事実というふうにファイナンス会社責任者から聞いております。それに対して野村ファイナンスはどういうふうにしているんだと言って聞きましたところ、ともかく何とか全額を返してもらわなくちゃいかぬので、毎日毎日相手に対して催告をしているというふうに私は報告を受けております。
  66. 大木正吾

    ○大木委員 これは非常に重大な問題を持っておると思いますので、ぜひ会長に考えておいてほしい問題ですが、利息の滞納だけでもって二千億円ですね、私が聞いた範囲では。そして、結果では担保力が減りていますから、そういう点で、族をばさっと売りたときは市場への影響は極めて大きい問題もございましょうし、そういう点考えられて、ぜひこの問題については、これはいえば株からさらに金融面への影響等も極めて大きい問題がありますから、そういう点で野村ファイナンスの動向についてはこれからもぜひ大蔵省等と十分な接触を持っていただきたい、こういうふうにしていただきたいと思います。
  67. 田渕節也

    田渕証人 ただいまのお話しのとおりに当然するわけでございますが、今の御質問、お話の中で利息の滞納云々というお話がございましたが、私が野村ファイナンスの責任者にそれも問いただしたところでは、利息の滞納は今のところ全然ないというふうに聞いております。
  68. 大野明

    大野委員長 この際、仙谷由人君から関連発言の申し出があります。大木君の持ち時間の範囲内でこれを許します。仙谷由人君。
  69. 仙谷由人

    仙谷委員 日本社会党の仙谷でございます。  引き続きお伺いをするわけですが、人生の先輩にこんなことを申し上げてまことに申しわけないのですが、もうちょっと簡潔に、できればイエスかノーか、その程度で結構ですから、ひとつお答えをちょうだいしたいと思います。  まず、今回の事件、不祥事稲川会とのおつき合いという点でございますけれども、これが発覚したのは、そもそもウエスト通商という暴力団系の会社に対する兵庫県警の外為法違反の捜査に端緒があるというふうに言われております。ことしの四月十五日から四月十七日、野村証券にも兵庫県警から任意の捜査が入ったはずでございますが、そういう事実があったかどうか。  そしてまた、その段階で警察当局の方へ、この株の売り買いでございますね、一九八九年の四月から十一月、十二月にかけての東急株売買手口及びその売り方、買い方、つまりだれがこんなに買ったのか、だれが買わせたのか、こういうことですね、これを資料として提出をしてありますでしょうか、どうでしょうか。二点です。
  70. 田渕節也

    田渕証人 四月十五日から十七日の神戸の……(仙谷委員「兵庫県警」と呼ぶ)兵庫県警から手前どもに任意捜査があったかどうかいう事実は、私現在知っておりません。(仙谷委員「知らない」と呼ぶ)はい。  それから、東急に関する資料は、検察の特捜部に全部出しております。
  71. 仙谷由人

    仙谷委員 多分大蔵省の方へも東急株売買に係る売買手口及び売り方、買い方は報告なさっておると思うのですが、野村証券の方からこの委員会もしくは国会の方へ、八九年の四月から十二月玄での売買手口及びその売り方、買い方、これを提出なさるおつもりはございませんでしょうか。あるかないかだけで結構です。
  72. 田渕節也

    田渕証人 ちょっと検討させていただきたい問題のような気がするのですが。
  73. 仙谷由人

    仙谷委員 この問題、昨日の委員会でもこれだけ大きい問題になっているわけですね。回転売買、集中売買、そして株価操縦、そしてその背後には暴力団がいる。先ほど津島議員の言にもございましたように、マネーロンダリングじゃないかという疑いまで出てきておるわけでございます。これはやはりどうしても国会に提出をしていただく、そしてそれを国民が、今度の問題というのは何だったのか、国民の目のもとでこれを論議するということが必要だと思います。後ほどしかるべくお取り扱いをお願いを申し上げたいと存じます。  ちょっと話題を変えます。  先ほど、総会屋の手引きで稲川会石井会長野村とおつき合いをするというふうになりました。この総会屋の氏名、それから先ほどおっしゃった秘書室の担当とおっしゃる人の氏名、それから、その後代理人として野村証券の方と取引等々で折衝した、つまり稲川会代理人ですけれども、この人の氏名、そしてさらには、本店営業部長の氏名、この四つをまず明らかにしてください。
  74. 田渕節也

    田渕証人 お答え申し上げます。  非常にお恥ずかしいのですが、総会屋の氏名、昨日まで覚えていたのでございますが、実は今どうしてもとっさに頭に出てきませんので、後ほどお届けいたします。  それから、お尋ねの当時の秘書室の取締、秘書室担当取締役は、徳本と申します。それから、歴代の営業部長、これは一番最初が松田で、その次が山下、それからその次が天明、天に明るい、天明と申します。取引代理人の名前は、相島さんというお方……(仙谷委員「え、相島功」と呼ぶ)はい。と聞いております。下の名前は知りません。
  75. 仙谷由人

    仙谷委員 時間かかりますので、私の方からお伺いしますのですが、結局、稲川会との関係は、野村証券としては山下さんが直接の窓口になった。そうすると、その上司は松井義雄さんという方になるわけですか、それがまず第一点ですね。  それからもう一つ、この株価操縦を疑われておる時期の営業の方の責任者でございますが、これはまず橘田さん、その下が中野さん、その下が武樋というのですか、このあたりで営業活動を盛んにやった、こういうふうにお伺いしていいですか。
  76. 田渕節也

    田渕証人 営業部長の山下の上には本店長という営業担当の役員が、取締役がいます。このときの本店長の名前はたしか、もし間違っていたら御勘弁いただきたいと思いますが、渡辺取締役だと思います。それから、今おっしゃられた橘田、中野、それから武樋というのは、武樋はこれは株式部の担当取締役でございます。橘田と中野は、その当時どちらかが、多分中野が営業担当専務で、橘田が株式担当専務だ、そういうふうに今の記憶で、ちょっと違うかもしれませんが。
  77. 仙谷由人

    仙谷委員 時間がございませんので、次のテーマに入りますが、岩間カントリークラブ会員権の購入でございますが、平成ファイナンスで購入したということなんですが、この平成ファイナンスというのは八九年の六月に資本金三千万で設立をした会社でございますね。この資本金三千万の会社が、設立後直ちに二十億円のゴルフ会員権を購入したことになっている。資金はどこから出ているのでしょうか。そして、この会員権購入の決裁をしたのはだれですか、これ。まさかあれでございましょう、先ほど名前が出ていらっしゃりた山下さんが、平成ファイナンス関係のない山下さんが会員権購入の決裁をするというわけにもいきますまい。野村証券のやはりトップの方で、買ってやれ、そういうことを言っているんだったら、買ってやれという決裁があったんじゃないでしょうか。
  78. 田渕節也

    田渕証人 平成ファイナンスは、野村ファイナンスに何といいますか、ぶら下がっている子会社でございまして、野村証券からいえば、これは独禁法の関係で株は全然持っておりませんけれども、まあ孫会社というような感覚でございます。  先ほどもちょっと触れましたが、野村ファイナンスはなるべく短期の融資を中心にする、それで、いわゆる投資というものは余りやらないわけで、ゴルフ場とかそういうものは投資項目に入りますから、そういう投資をする会社を下に一つつくろうという計画をずっと持っていたことは確かなようでございます、これも後で報告を聞いたわけですが。その計画を持っているときに、岩間カントリーの話が来たので、それを購入した。購入した責任者は、これはその金そのものは野村ファイナンスから融資されておりますので……(仙谷委員「全額」と呼ぶ)全額だと思います。野村ファイナンスの責任者が当然知っていたと思います。
  79. 仙谷由人

    仙谷委員 これは、この会員権購入について買い戻し確約書があったという説がございます。当初からあったのか、途中から、つまり昨年の今ごろといいますか、十一月ごろからあったのか、ちょっと問題になっております。当初からあったかないか。そして、買い戻し確認書に、さる財界の有名実業家が買い戻しの念書、確認書を書いているということもあります。御存じでございましたら、この名義人、確約書というのがあったかないか、名義人はだれか。確認書を書いた名義人ですね、これを説明をいただきたいと思います。
  80. 田渕節也

    田渕証人 当初は口約束だったと聞いております。昨年のたしか十一月にオープンした。それで、その後十二月に確約書が入ったそうでごきます。  その確約書の名義ですね、相手の名義は、私が聞いたところの記憶では、佐藤茂という名になっているというふうに聞いております。
  81. 仙谷由人

    仙谷委員 それじゃ、時間がございませんので、終わります。
  82. 大野明

    大野委員長 これにて大木君、仙谷君の発言は終了いたしました。  次に、草川昭三君。
  83. 草川昭三

    ○草川委員 公明党・国民会議の草川であります。  証人には大変御苦労さんでございますが、簡潔にお答え願いたいと思います。  先ほど証人は、野村証券の株主総会で田淵義久前社長大蔵省、了解をしているんだという趣旨の発言をした、そのことについて、これは不穏当だという御答弁をなされました。ところが、田渕会長は、その後お宅を訪問をしました数人の報道陣に対して、事実は一つ野村は悪くないと語ったと言われておりますが、それでは今の答弁と矛盾をするのではないか。  率直にお伺いしますが、大蔵省証券局の態度に御不満を持ってみえるのかどうか、明確にお答え願いたい。
  84. 田渕節也

    田渕証人 私が真実は一つということが週刊誌に出たわけでございますが、一つは、この真実という言葉、実は昔、山本有三の「真実一路」、それ以来実は真実いうこと、真実一路が非常に好きな言葉で、すぐ出る癖があるということだけ申し上げておきます。  これは数人の記者と会った席ではございません。あるとき、少し外で酔っぱらってうちに帰ったとき、多分十一時ごろだと思うのですが、一人の記者が損失補てんということに関していろいろ質問をする。僕も答えたわけですが、僕は、いや、損失補てん大蔵省の御指導に基づいてやったんだよと言ったわけですね。ということは、十二月二十六日の大蔵省通達というのは行政指導であると私は心得ているわけですね。通達は即行政指導だと。だから、その行政指導によったんだ。今から通達と申し上げますが、その通達の第二項目は、いわゆる営業特金を整理するようにといいますか、投資顧問に移すか、移さない場合は相手から今後一切承認とか補てんとかいうことはもうやらないといって契約書をとるということになっている。その整理を早くやれということを僕が言ったことも事実で、それじゃそこで当然これ、トラブルが起こる。そのトラブルが起こる……(草川委員「いや、大蔵に不満があるかどうかだけ、その結論だけ」と呼ぶ)いや、もう大蔵省に、あれですわ、今現在不満はございません。
  85. 草川昭三

    ○草川委員 大蔵に不満がないということの御答弁でございますので、この件を、本来の営業特金のお話を聞いていますと長くなりますので、時間がございませんので、野村証券稲川会との取引についてお伺いをいたします。  先ほど、本店営業部の顧客は総会屋だというお話がございましたが、名前は失念をしたということでございますが、それは、後に竹井博友氏のことを私お伺いしますが、大物総会屋と言われる嶋崎栄治氏か、あるいはその関連の方でないのか、お伺いをしたいと思うのです。
  86. 田渕節也

    田渕証人 田渕でございます。  全く嶋崎氏と違いますし、関連の方ではないような気がいたします。  本当に、名前、もうすぐ思い出します。
  87. 草川昭三

    ○草川委員 じゃあ、また後ほど思い出していただきたいと思います。  稲川会系企業の代理人は相島功だということは言われましたが、その方の肩書は稲川会系企業と言われる隆寿興産の相島功専務、これは俗に言う横須賀一家と言われている方ですが、その点は御承知かどうかお伺いします。
  88. 田渕節也

    田渕証人 田渕でございます。  今の会社の名前が、私が聞いたところではちょっと記憶ございません。
  89. 草川昭三

    ○草川委員 また、じゃあ、記憶はないということでございますので、ぜひお願いをしたいのは、本委員会、時間が非常に短いので、質問がたくさんあります。お聞きできない点がたくさん残りますと、私どもはもう一度証人に来ていただきたいということを委員長にお願いをしなきゃいかぬ、こういうことになりますので、簡潔にひとつお願いをしたいと思います。  野村証券稲川会関係者との間で一千百万株に上る東急電鉄株取引を行いましたね。その取引によって野村証券が得た手数料は約五千万円だと言われておりますが、その金額について明らかにされたい。
  90. 田渕節也

    田渕証人 私が報告を受けたところでは、今先生がおっしゃられた、おおよそ五千万円相当額に間違いないと存じます。
  91. 草川昭三

    ○草川委員 この際、お伺いをいたしますけれども、野村証券は他の暴力団との取引があるのかどうか、明らかにしていただきたいと思います。
  92. 田渕節也

    田渕証人 これも社内総務担当責任者質問をしたわけでございますが、野村証券の全店の口座がただいま五百三十万口座ぐらいございまして、そこらの問題に関しては完全に調査のしょうがないいいますか、現在は把握のしょうがないので、決定的なことは言えないという返事でございました。
  93. 草川昭三

    ○草川委員 はっきりしない答弁でございますので、調査をされてみえるということでございますので、その結果、わかればぜひ当委員会に後日報告をお願いを申し上げたい。これは要望を申し上げておきたいと思います。  それから、稲川会関係との取引は、禁止をされている借名口座で取引が行われております。私は、先ほど名前が出ましたこの相島功氏が発注をしました東急電鉄株売買に関する資料を持っておりますけれども、顧客名は相島氏でなく、石井進前稲川会会長を初め稲川会関係の名前になっておるのですね。いわゆる借名口座は許されていないのに、野村の場合はだれがどのような判断でこれを認めたのでしょう。お伺いします。
  94. 田渕節也

    田渕証人 その点も社内報告を聞いたわけでございますが、口座に対して、途中でございますね、途中、いわゆる住所の証明書というようなものはきちんととって、それから借名、仮名でないというふうなことを途中したようでございますが、最初、借名、仮名があったんじゃなかろうかと、そういうふうに認識いたしておりまして、これはもうまことに申しわけないと、そう思っております。  それからなお、どこかの時点で申し上げるべきことだったかと思いますが、稲川関係口座すべて、ことしの六月に一切閉鎖になっておりますことをちょっとつけ加えさせていただきます。
  95. 草川昭三

    ○草川委員 業界の雄である野村証券の窓口においては、今お認めになった借名口座があった、仮名口座もあったという、この問題については、非常に私は重要な問題をお述べになったのではないか、こう思います。  続いて、東急佐川急便の渡辺前社長との関係についてお伺いをいたします。  東京佐川急便の渡辺広康前社長とお会いになったことはありますか。ことしになって何回お会いになったのか。また、最後に会ったのはいつでしょう。会った用件は何ですか、お伺いします。
  96. 田渕節也

    田渕証人 私は、東京佐川急便の渡辺氏といまだかつて一回も会ったことがございません。ことしももぢろん会うはずがございません。
  97. 草川昭三

    ○草川委員 お会いになっていないという御答弁でございますので、では、この件についてはどうでしょう。東京佐川急便の渡辺前社長は、稲川会系の企業、隆寿興産の相島功専務、先ほど言いましたね、この方は稲川会横須賀一家の方ですが、この方を発注者として五百六十五万株の東急電鉄株取引をいたしまして七億一千四百万円の売買益を上げている資料を私は持っておりますけれども、証人はそのことを御存じでございますか、お伺いをいたします。
  98. 田渕節也

    田渕証人 私が稲川会関連の報告を受けた、主として兄会長石井進さんに関して受けているわけでございますが、それはすべてで千百万株、先ほどの信用取引も含めて千百万株という報告を受けておるわけでございますが、今おっしゃられた五百数十万株というものはその中には入ってないという報告を、と思います。少なくとも、その中には入っていると数字が合わないようだ気がします。
  99. 草川昭三

    ○草川委員 これは細かい点でございますので、会長というお立場もございますので、またこれ、後日明らかにしていただければ結構だと思います。  続いて、地産の竹井博友容疑者と光進の小谷光浩被告との関係についてお伺いをしたいと思うのです。  巨額の脱税容疑で逮捕されました地産の竹井博友氏が中堅商社加商の株の買い占めを行った際、証人は竹井被告を加商側に紹介する紹介状を書かれました。竹井被告が買い占めていた加商株を加商側に買い戻させる工作に加担をしたのではないか、こう言われておるわけでございますが、そのときの紹介状は加商側の並木弁護士にあてたのか、石川喜一社長にあてたのか、あるいはまたどのような経緯で竹井博友氏をわざわざ紹介をされたのか。それは、幹事証券の立場からいっても大変背信行為ではないかと思うのですが、その点どうでしょう。
  100. 田渕節也

    田渕証人 お答え申し上げます。  竹井氏を知りましたのは相当昔でございまして、はっきり覚えませんが、十数年以前だと思います。読売新聞の、亡くなられた務台会長さんからの御紹介だったと記憶いたしております。  先ほどの並木弁護士、加商の顧問弁護士の並木氏を竹井さんに紹介したことは事実でございます。今から、後で調べたわけでございますが、ちょうど四年半ぐらいもう前になると思いますが、竹井さんがふらっと会社に来られて、ということは、竹井さんと会うことはせいぜい一年に二度か三度かというようなことでございますが、ふらっとあらわれて、それで、加商の顧問弁護士をやっている並木氏を知っているかと。私は、並木さんは経済同友会のメンバーであり、副委員長もしたことのある人で、私、同友会の副代表幹事をやっていましたから、ええ、知っていますよ、何ですかと。いや、紹介状を書いてくれへんか。ああ、何事ですか。いや、実は自分ところは、地産は別会社で食品会社の、いろいろやっておられます、食品の輸入商社の加商といろいろ取引もしたいので、加商の社長は並木氏のことは何でも聞くというふうな話を聞いた……(草川委員「反省の弁だけ」と呼ぶ)そういうことで、四年前に、ただ竹井氏を紹介しますという一筆を書いたわけでございます。
  101. 草川昭三

    ○草川委員 今お話がありましたように、並木弁護士はその後逮捕されておりますね。反省の弁ありや否やということをお伺いをしたいわけですが、もう一つ、竹井博友氏を加商側に紹介したことによって、証人は金品等の見返りの謝礼を得た事実はございませんか、あわせてお答え願いたいと思います。
  102. 田渕節也

    田渕証人 竹井氏と長いつき合いでございますが、金品をもらったことは一度もございません。
  103. 草川昭三

    ○草川委員 証人は竹井博友氏と大物の総会屋と言われる嶋崎栄治氏と三人でお会いになったことがありますが、その目的は何だったのか、お答え願いたいと思います。  なお、もう一本ついでに、証人は巨額の脱税事件で勾留中のこの今の竹井博友氏及び恐喝罪等の刑事被告人の小谷光浩、そして野村証券の田淵前社長及びおたくの会社の徳本満彌重役らと同席をしたというお話を聞いておりますが、その点についても事実かどうか、お伺いをしたいと思います。
  104. 田渕節也

    田渕証人 今おっしゃられたお問い合わせの件は、どれも事実でございません。  ということは、嶋崎栄治氏と私、この数年間お会いしたことはございません。昔、総会の席でお会いしたぐらいでございますから。一度もお会いしたことがないから、それはありません。  小谷氏とは、小谷さんはずっと勾留されているわけでございますが、これもいろいろうわさがございましたけれども、ただの一回もと言うと、これ、ちょっとまずいのですが、たった一回だけ、先ほど申し上げました中曽根さんの後援会でゴルフの会が、あるいは毎年やっているのかもしれませんが、一回だけ私、それに出席したことがあるのです。そのときに小谷氏が来てて、それでスタートのときに一緒に写真が写っていたという、たったそれ一回だけでございます。  それと、私の名誉に関することでございますから、あえて詳しく言いますが、小谷氏はその山王経済会に一度も顔を出したことがありませんから、私は、山王経済会のメンバーではないと思っております。
  105. 草川昭三

    ○草川委員 その小谷氏を紹介したのが野村証券証人ではないかと言われておるのですが、紹介はされなかったのですか。
  106. 田渕節也

    田渕証人 田渕でございます。  要するに、全く会ったことがたいわけでございますから、これ、紹介云々ということはあり得ません。
  107. 草川昭三

    ○草川委員 私、質問時間が来ましたのでこれで終わりますが、会長というお立場もあるわけでございますから、個別のことについてなお疑問点がたくさん残っております。ぜひ、詳細なことを知っている、明確な答弁ができるしかるべき社内の方を、今後当委員会等に来ていただくようなことをぜひこの場で約束を、確約をしていただきたい。  また、これは委員長にもお願いを申し上げて終わりたい、こう思います。
  108. 大野明

    大野委員長 これにて草川君の発言は終了いたしました。  次に、正森成二君。
  109. 正森成二

    ○正森委員 日本共産党の正森でございます。  今、先ほどあなたの証言では、平成元年の三月中旬に専務会を開きまして、支店から損失保証せざるを得ない、申し出てやむたしということで百六十億円強補てんした、こうなっていますが、支店から損失保証やむなしという声が出たのはなぜなんですか。それは支店が事前に販売のときに損失保証を約束していたからですか。そうしか考えられませんね。
  110. 田渕節也

    田渕証人 そのときの状況は、前年の十二月二十六日の大蔵通達という、まあこれは事後の損失補てんを禁じた通達で、もちろん、これ、事前の保証というのは、これはもう禁止行為でございますから、その前から当然禁止されているわけです。それといわゆる営業特金でございますね。このいわゆる営業特金というのがなかなか悩ましいわけなんでございますが、とにかくこれを早急に投資顧問会社に移すからその相手から判こたくさんもらえということで、少なくとも私としましてはですよ、私としましては、もう早くその営業特金をもう整理しろよ、それで将来もう余り問題を残すたという気持ちがたくさんあったことは事実で、それで多分、営業特金を早う整理したいという過程で、各営業店からこういうトラブルがどうしても起きると、あるいは長い将来を考えたらここで補てんをして、せめて元本だけはお返しして、それで損して得とれいいますか、まあ取引の維持強化いいますか、あるいは幹事関係をもっとよくしたいというような、まあまあそんたような気持ちが随分働いて、全店からあれだけのものが総務担当の、先ほど申し上げた副社長ところに来たということだと思います。
  111. 正森成二

    ○正森委員 営業特金を打ち切りたいと思った、こういう動機を言っておられますが、その打ち切るのについてお金を出さなきゃならないというのは、やっぱり事前に何らかの形で損失保証があって責任をとらざるを得なかったのではないかと思いますが、次に進ましていただきたいと思います。  我々が報告を受けているところによりますと、あなたも先ほど言われましたが、大和、日興両証券はいわゆるプレミアム商品と言われている新発のCBとかですね、あるいはワラント債とか新発株、それによる補てんも含めて金額を報告しているんですが、野村と山一はそれを含めておられませんね。今度大蔵省からそれも含めて検査せろ、こういうことになっていますね。そうすると、それを含めますと当然九〇年三月以前でも、九〇年四月以降でも新たに補てんが出てくる、こういうことじゃないですか。
  112. 田渕節也

    田渕証人 お答え申し上げます。  その点に関しましても、社内の管理本部の責任者に私も聞いてまいったわけでございます。私いささかずぼらな会長で、まあ財界活動ばかり一生懸命やっていて、そこら辺のこと非常に疎いということは、とれは全くお恥ずかしい限りでございますが、私が聞いたところでは、CB、ワラントの新発物は、野村証券の場合は、これは普通の営業活動であり、一般の売買であるというふうに把握をしたので、いわゆる補てんの対象とは考えなかったという報告を受けております。  ただ、今正森先生おっしゃられた、その、今特別検査が入っておりまして、そういう点も検査いたしておると思いますし、指摘があれば、最初申し上げたように、直ちに公表はしなくちゃいかぬ、そう思っております。
  113. 正森成二

    ○正森委員 先ほど他の委員質問に、野村としてはその結果を公表したいというように言われましたが、その割り当てを受けた中に政治家がおられても当然公表されますね。
  114. 田渕節也

    田渕証人 政治家の方のことは、まあ今全然存じ上げませんし、ないと思いますが、ともかく一般の商い、いや補てんに類するものだと認定された場合はすべて自主報告をいたします。
  115. 正森成二

    ○正森委員 暴力団の石井進氏との関係で聞きますが、あなたの委員長に対する答弁によりますと、昭和六十一年春、秘書担当役員が、出入りの総会屋からぜひ石井氏に会ってほしいというので会った、こう言っていますね。そうすると、秘書担当役員は、少なくとも属性を知っていたことになりますね。しかも十分に知悉しながら、この人、室長、我々の調べたところでは恐らく徳本さんだと思いますが、当時うなずいておられますね。本店営業部長に、自分の知り合いの大事な人だから、こう言って紹介したというのですね。そうすると、おたくの大事な役員は、暴力団が大事な人だ、こういう認識だったのですか。そうなりますね。しかも秘書室長というのは一番社長会長と連絡を密にしなきゃならない役割なのに、それが社長会長に一言も連絡しなかったというようなことは考えられないじゃないですか。
  116. 田渕節也

    田渕証人 当時の秘書室担当取締役の徳本君は、先ほど申し上げたように、自分石井氏と直接会ったわけでございますから、当然属性を知っております。  それで、なぜ大事な得意先だと言って属性を言わずに紹介をしたかいう点は、これは本人にも、まあ本人は今回の問題で既に、まあその前に関係会社の不動産会社の専務になりまして、今回、まあ何といいますか、解職いいますか、首になったわけでございますが、その徳本は、まあ何といいますか、やっぱりどういう関係か断り切れないし、それから何となく言いにくかったいうような、極めて個人的な心境だったとしか私は想像ができません。
  117. 正森成二

    ○正森委員 私は、言いにくかったというようなことでは済まないと思いますが、先に進みます。  ゴルフ会員権について、先方から頼みに来たときに、あなたの証言では、投資をしてくれぬかと言われたと言いましたね。そうすると、これは単なる会員権売買でなくて投資だったのですか。投資だということになれば、一層その暴力団に対して有利な配慮をしたということになりますね。しかも、その投資について、属性を言わずにやるなんというようなことは考えられないんじゃないですか。  それから会員証も佐藤茂名義で、それから買い戻し確認書も佐藤茂名義だと言われますが、そんな買い戻し約定書を出さなければならないということが、これはコマーシャルペースでなかったということでないんじゃないですか。我々は疑問に思わざるを得ません。ですから、そういう、その保証金預かり証と確認書を当委員会にお出しいただくことを、委員長にぜひお願いしたいと思います。  一言お述べください。
  118. 田渕節也

    田渕証人 どうもゴルフ場ゴルフクラブのことは私も詳しくありませんが、いろいろ会員権にオプションがついてたり、何といいますか、法律的にももう一つすっきりしない面があるんじゃなかろうかという気が個人的にはしているわけで、この岩間カントリー関係ありませんけれども。  投資最初の話をこう聞きますと、何度も聞いたんで私も頭がこんがらかっているんですが、何年か後にこれはもういい値段で買い戻しますよという口約束みたいのがあったいうことは、これはやはり投資と、それから、その後のそういう契約書みたいなもんですね、これもあるいうことは投資だと、そういうふうな……
  119. 正森成二

    ○正森委員 出していただけますか。委員長、出していただけるんですか、買い戻し確認書を。議院証言法では、必要があれば出さなきゃならぬことになっているんですよ。  質問を終わります。
  120. 大野明

    大野委員長 これにて正森君の発言は終了いたしました。  次に、中井洽君。
  121. 中井洽

    ○中井委員 証人は先ほど、大蔵省の行政指導があって営業特金を閉じなきゃならない、閉じるについてはトラブルがいろいろあってというところでほかのお答えになられました。その後、推測いたしますと、それについて補てんをやむを得ずやった、そのことが田淵前社長の、大蔵省がお認めをいただいておる、こういう株主総会での発言につなかったと私どもは考えておりますが、間違いありませんか。
  122. 田渕節也

    田渕証人 田淵君の総会の発言は、私も総会に出席してたわけで、総会独特の一つは雰囲気の中の質疑応答だったということ。それから、私自身が横で聞いてどう思ったかと、これお恥ずかしいんですが……(中井委員「いや、直接に答えてください、私のことに」と呼ぶ)はい。それで、やはりさっき申し上げたように田淵君の御承認云々というのは、これは不穏当いいますか、やはり不適切だと、今考えてみましても間違っていると、そう思います。承認ということはあり得ようはずがない、この筋書きからいきましてですね。
  123. 中井洽

    ○中井委員 昨日、私は当委員会質問いたしましたし、今正森議員からもお尋ねがありました。自主報告を出された中で、野村証券は、国債先物売買、いわゆる国税の対象となるものだけに限って補てんとして出されておる。このことは、大蔵省ときっちりと野村証券がすり合わせをやられて、そしてお出しになられたんじゃないか、他の証券会社はそこのところができずに、いろいろなものを含んだ総括的な損失補てんリストを、金額を出された、私どもは判断をいたしますが、いかがですか。
  124. 田渕節也

    田渕証人 今の御質問に関して、私が知っとる限り、損失補てんのやり方、自主報告に関して大蔵省とすり合わしたというようなことはあり得ない、そう思っております。
  125. 中井洽

    ○中井委員 私どもも、株式の割り当て等で野村証券がおやりになった損失補てんのリスト、大蔵の検査で出ようと出ないとみずからディスクロージャーなさる、こういうことをお約束をしていただきたい。このことが一つ。  それからもう一つは、海外にあります子会社を通じてかなり複雑な大口客に対する補てんを行っておるといううわさが言われております。大蔵省特別検査をやると言っておりますが、海外の子会社まで手が伸びない、こういうお答えでありました。野村証券はこの際、海外子会社のリストも、あるいは資料大蔵省に提出をして、海外子会社を通じての損失補てんがあったのかなかったのか、きっちりと明確にするために協力をされる意思がありますか。
  126. 田渕節也

    田渕証人 お答えいたします。  私が調査を命じましてその結果を聞いたところでは、補てん問題に関しまして野村の海外現法がかかわった事実はないというふうな報告を受けております。ないと思います、私は。
  127. 中井洽

    ○中井委員 先ほど証人のお答えの中で、総会屋の話が出てまいりました。また、その後の御発言総会屋さんという言葉もあったやに記憶をいたしております。  野村証券は、現在も総会屋とおつき合いがありますか。
  128. 田渕節也

    田渕証人 現在のことは、実は私、調査をしてまいっておりませんので、現在どうなっているかということは存じておりません。(中井委員「いつならおわかりですか、いつのことなら」と呼ぶ)まあ、何といいますか、随分昔はいろんな総会屋の人が、あれですね、時々うちの、この何といいますか、渉外担当いいますかね、そういう担当のところに来られてたというふうに聞いております。
  129. 中井洽

    ○中井委員 先ほどのお話は六十一年でありまして、随分昔ではなかろうかと思います。したがいまして、総会屋とのおつき合いについても御報告をいただきたい。また、その総会屋と禁止されておる金銭的な便宜の供与があるのかないのか、それらについても御報告をいただきたいと思いますが、いかがですか。
  130. 田渕節也

    田渕証人 田渕でございます。  総会屋とのつき合いは、例の、よく記憶いたしておりませんが、あれですね、商法が変わったときでございましたか、ともかく株主総会のやり方なぞもきちんと今までと違ってやれというようなことから、随分変わってきたと思います。ほとんど金品の授受っていうもんはないんだろうと思っております。特に調べてきたわけではございません。
  131. 中井洽

    ○中井委員 今回の東急電鉄株の問題で、私どもいろいろと資料を見ているんですが、大きくわからない一つは、野村証券と日興証券石井暴力団前会長と同じおつき合いをしておる、同じやり方で金を貸し、同じやり方で融資をし、おつき合いをしておる、これがどうしてかさっぱりわかりません。この点に関して、田渕証人は、野村証券と日興がこの石井会長との取引で、二社で相談をして同じような取引にした、こういう事実があるのかないのか御存じでありますか。あるいはまた、石井会長から強要されて、あるいは頼まれて両社とも同じスタイルをとったとお考えですか。
  132. 田渕節也

    田渕証人 ただいまの御質問に関して、今回出席する前に、私も社内の、これはまあ総務担当責任者の者に、そういう質問があるかもしれぬけれども、そこらはどうなっているんだと聞きましたら、さらに調べてくれたわけですが、日興証券との間で石井氏に関してのいわゆる情報の交換とか、相手が、日興さんがどういうようなことをしているとか、あるいは野村がしていることを日興が知っているとか、そういうことは全くないようでございます。ないと聞いております。
  133. 中井洽

    ○中井委員 時間ですので、終わります。
  134. 大野明

    大野委員長 これにて中井君の発言は終了いたしました。  次に、楢崎弥之助君。
  135. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 進歩連の楢崎弥之助です。時間が五分間ですから、答えはイエス、ノーでお願いをいたします。  大変証人は顔が広くて、政界にも御友人その他おられると思います。私が独自で調べました野村証券関係の政治団体及び政治家に対する政治献金を私の調べた範囲内で申し上げますから、イエスかノーでお答えをいただきたい。  まず、政治家個人に対する献金、時間がありませんから、政治家の個々の名前は省きます。総額でいきます。平成元年四千七百万円、平成二年三千二百万円。自民党の国民政治協会、平成元年三千五百万円、平成二年三千百万円。それから政治家の政治団体献金、これも個々は言いません。総額で言います。平成元年四千二百万円、平成二年二千四百万円。山王経済研究会、先ほど話が出ましたが、これは昭和五十八年四月から毎年会費一年百万円納めておられますから計九百万、そういうことになりますが、大体そういうところでございましょうか。
  136. 田渕節也

    田渕証人 楢崎先生の突然の御質問でございまして、まあイエスかノーかで返事しろとおっしゃられたわけでございますが、そこらの数字の細かいところは何ともお答えようのしょうがない、こういうことで御勘弁をお願いしたいと思います。
  137. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 後刻機会がございましたら、ぜひ当委員会へ御返事をいただきたい。  それから、いわゆる稲川会石井進前会長に対する野村ファイナンスの融資状況でございますが、まず担保をどんどん出されておりますね、融資されておりますから。八九年十一月六日二百九十二万五千株、そして十一月七日、それで四十億円の融資、翌十一月八日十億円の融資、十一月十三日五百五十七万五千株また担保としてとられて、そして翌十一月十四日百十億円融資をされた。九〇年三月二日、追加担保二百万株徴求をされた。三月二十八日、百五十万株徴求された。四月十日、百万株徴求された。八月十三日、百五十万株徴求された。総計現状で千四百五十万株、融資総額は百六十億円。ところが、きのうの東急株の終わり値は八百五十円ですから、千四百五十万株の時価は百二十三億二千五百万円になっていますので、担保不足分は三十六億七千五百万。一体これをどうされるおつもりか。それが一つ。  それからもう一つ。私、結論だけ申し上げますが、今まで聞いておりまして、一つは、広域暴力団の買い占めに加担をされておる。これは事実ではないか。二番目に、みずから強引な相場づくりをやられたんではないか。三番目に、利益を出し損ねた暴力団の株を今申し上げたとおり引き取ってお金の面倒を見られたのではないか。さらに、小谷さんが山王経済会の会員ではないというようなお話がありましたが、これはやや偽証に近い。機会がありましたらそれは明らかにいたします。注意をいたしておきます。  今私が申し上げた結論に対して御反論がございましたら、それをお聞きして終わりたいと思います。
  138. 田渕節也

    田渕証人 田渕でございます。  小谷氏が山王経済会のメンバーであるかないかということは、さっきありませんと言った覚えはなくて、出席したのを見たことがないということで、偽証はかないませんから。(楢崎委員「わかりました」と呼ぶ)  先生よくお調べになっておられまして、野村ファイナンスから私が聞いたところ、この細かい数字はもう私の頭にははっきりとはございませんが、今お伺いしているところでは、全くの正確な数字だと思っております。  現在、株価がどんどんどんどん下がっておりまして、先ほど申し上げましたように利息は入っている模様でございますが、担保は切れておりまして、野村ファイナンス会社責任者に聞いてみたところでは、もう何としてもこの回収は図らなくちゃいかぬということで、まあ随分しんどい思いをしていると思うのでございますけれども、毎日毎日ともかく催告をする。その催告を積み重ねることをきちんと実績にしていくんだということを、ただいま聞いております。  それから、最後に先生がおっしゃられました稲川会に関して野村証券がいずれにしても本社、それからファイナンス会社とその両方でかかわりを持ったということはまことにけしからぬじゃないかというお話に関しまして、もう私もなぜ早く歯どめがかからなかったのか、国民皆様をお騒がせして申しわけない。きょうこうして何度も何度も謝っているわけでございますが、いずれにしましても、今回のことを教訓にしまして、今後はきちんと社会倫理というものを一番先に掲げまして私自身も野村証券も行動いたしたい、そう思っております。
  139. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 御苦労さまでした。
  140. 大野明

    大野委員長 これにて楢崎君の発言は終了いたしました。  以上をもちまして、田渕証人に対する尋問は終了いたしました。  御苦労さまでございました。御退席くださって結構でございます。
  141. 田渕節也

    田渕証人 どうも皆様、大変ありがとうございます。
  142. 大野明

    大野委員長 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時三十分休憩      ————◇—————     午後一時二分開議
  143. 大野明

    大野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  証券及び金融問題に関する件について、岩崎琢彌君より証言を求めることにいたします。  この際、証言を求める前に証人に一言申し上げます。  議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によって、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことになっております。  宣誓または証言を拒むことのできるのは、まず、証人証人配偶者、三親等内の血族もしくは二親等内の姻族または証人とこれらの親族関係があった者及び証人後見後見監督人または保佐人並びに証人後見後見監督人または保佐人とする者が、刑事訴追を受け、または有罪判決を受けるおそれのあるときであります。また、医師歯科医師、助産婦、看護婦、弁護士、弁理士公証人、宗教の職にある者またはこれらの職にあった者は、業務上委託を受けたため知り得た事実で他人の秘密に関するものについても、本人が承諾した場合を除き、宣誓または証言を拒むことができることになっております。  証人宣誓または証言を拒むときは、その事由を示さなければならないことにたっております。  証人が正当な理由がなく宣誓または証言を拒んだときは一年以下の禁錮または十万円以下の罰金に処せられ、また、宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは三月以上十年以下の懲役に処せられることになっております。  一応このことを御承知おき願いたいと存じます。  次に、証人補佐人助言を求めることが許される場合について申し上げます。  すなわち、証人は、宣誓及び証言の拒絶に関する事項に関し、補佐人助言を求めることができることになっております。  助言は、その都度証人委員長にその旨を申し立て、その許可が得られた後に認められるものであります。  なお、補佐人は、みずから発言すること及びみずから証人に対して助言することはできないことになっております。  次に、今回の証人喚問についての理事会申し合わせについて申し上げておきます。  証人は、証言を行うに際し、資料を用いることは差し支えありませんが、委員長許可が必要であります。また、これらの資料は、いずれも当委員会に提出していただくことになっております。  次に、証人メモをとることについてでありますが、尋問項目程度は結構でございます。  なお、補佐人メモをとるととは構いません。  以上の点を御承知おきください。  それでは、法律の定めるところによりまして、証人宣誓を求めることにいたします。全員起立を願います。     〔総員起立
  144. 大野明

    大野委員長 議院証言法第五条の三の規定によりまして尋問中の撮影許可しないことになっておりますので、これより岩崎琢彌君の証言が終了するまで、撮影は中止してください。  それでは、岩崎琢彌君、宣誓書を朗読してください。
  145. 岩崎琢彌

    岩崎証人 宣 誓 書  良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、  又、何事もつけ加えないことを誓います   平成三年八月二十九日
  146. 大野明

    大野委員長 宣誓書署名捺印してください。     〔証人宣誓書署名捺印
  147. 大野明

    大野委員長 御着席を願います。  これより重言を求めることといたしますが、証人の御発言は、証言を求められた範囲を超えないこと、また、御発言の際には、その都度委員長許可を得てたされるようお願いいたします。  なお、こちらから質問をしているときには着席のままで結構でございますが、御室言の際は起立して発言をしてください。  なお、委員各位に申し上げます。  本日は、申し合わせの時間内で重要な問題について証言を求めるのでありますから、不規則発言等、議事の進行を妨げるような言動のないよう特に御協力をお願い申し上げます。
  148. 大野明

    大野委員長 これより証人に対して証言を求めます。  まず、委員長より委員会を代表して総括的にお尋ねをして、その後、委員各位発言を願うことといたします。  それでは、私からお尋ねいたします。  あなたは岩崎琢彌君ですか。
  149. 岩崎琢彌

    岩崎証人 さようでございます。
  150. 大野明

    大野委員長 生年月日、住所職業を述べてください。
  151. 岩崎琢彌

    岩崎証人 生年月日は、昭和三年十一月二十九日生まれでございます。  住所は、東京都杉並区浜田山一丁目一番地の十五号でございます。  職業は、日興証券の副会長でございます。
  152. 大野明

    大野委員長 それでは、お尋ねいたします。  平成三年七月二十九日、日本証券業協会により公表された日興証券大口顧客に対する損失補てん額は三百三十一億円となっていますが、これがすべてですか。平成二年四月以降についてはありませんか。  また、これらの損失補てんはどのような方法で行われましたか。
  153. 岩崎琢彌

    岩崎証人 七月の二十九日公表いたしました補てん金額三百三十一億、これは間違いございません。  それから、平成二年以後の補てん金額でございますけれども、これにつきましては、日興証券といたしましては自己申告もいたしてございませんし、税務上自己否認をいたしておりません。したがいまして、現在のとこ補てん金額はないと、そういうふうに聞いておるわけでございます。  しかしながら、現在、大蔵省特別検査が入っておるわけでございます。また、日興証券といたしましても、それと同時に、その補てんの有無につきまして現在精査中、そういう過程の段階にあるわけでございます。そういう意味で、現在のところ把握しておりません。  それから、補てんのどういうやり方、どういう手口でやったかということでございます。  補てん方法、これにつきましては、ほとんどが通常の売買取引の中で行われてるわけでございます。それを大きく分類しますと三つあるわけでございます。一つは、外貨建てのワラント債売買取引において行ったものでございます。二つ目は、株式それから債券それからそれぞれの指数の先物を取引を利用して行ったものでございます。それから三つ目は、新発のCB、転換社債それからワラントの配分によって行われた。分類いたしますと、その三つでございます。
  154. 大野明

    大野委員長 今回の一連証券不祥事はまことに遺憾であると考えますが、日興証券法令通達及び諸規則の遵守をどのように考えて営業を行ってきましたか。
  155. 岩崎琢彌

    岩崎証人 これは私、大変、冒頭で委員長の御質問がある前に、私、国民皆様また投資家におわびをしなければいけなかったわけでございますけれども、ここで時間をいただきまして、ちょっとおわびを申し上げさしていただきたいと思います。  証券市場というのは、申すまでもなくこれはオープンマーケットでございます。オープンマーケットでございますから、一般に開かれた市場でございます。したがいまして、そういう中におりまして一番大切なものは何かといいますと、やはり市場が公平でなければいけない、公正でなければいけない、それから透明でなければいけない、そういうことが私は大原則、これは資本市場のまあ原則、憲法に当たるわけでございます。そういうものにつきまして、今回の不祥事は大変それを裏切ったということで、本当に国民皆様また投資家の皆さんにおわびしなければいけないということを申し上げたいと思います。  今、委員長から御質問のございましたその法令それから通達等に対する、遵守に対する日興証券の態度はどうか、こういうことでございます。  これらの法令それから通達につきましては、取締役会を含めてこれの趣旨それから内容につきまして説明をして、そしてまたそれを、遵守方につきまして厳しくやっておるところでございます。また、社員につきましても、特にいろいろな機会、例えば会議とかそれから教育、指導、そういうあらゆるチャンスを利用しまして、それの徹底を図っておるわけでございます。  しかし、遺憾ながら今回の大きな不祥事を出来したということにつきまして、我々を含めてのそういうものに対する自覚、認識、それから徹底、それから管理の甘さ、そういうことが露呈したわけでございます。その面では、深く深く反省しておるわけでございます。今後かかることがない、二度とないようにということを決意している次第でございます。
  156. 大野明

    大野委員長 日興証券石井稲川会会長とはどのような関係ですか。  また、日興証券系列貸金業者等による同氏に対する融資及び岩間カントリークラブの会員資格保証金預かり証の購入の経緯、目的その他事実関係をお述べください。
  157. 岩崎琢彌

    岩崎証人 日興証券稲川会石井氏との関係でございますけれども、これは日興証券本店営業部の顧客ということのみでございます。  それから、その石井氏に対する融資についてでございます。これは、石井氏からの代理人の依頼が本店営業部にございまして、これは時期は元年の三月ごろと聞いております。そして本店営業部が、融資を日興関連会社で担当して、行っております。その日興クレジットに紹介いたしまして、そこから平成四年、それから平成二年の五月まで、五回にわたって融資をしたわけでございます。  それから、岩間カントリークラブ会員権の取得の問題でございます。岩間カントリークラブ会員権の取得の一番初めの発端というのは、岩間開発という会社がございます。そこの監査役の人が、岩間カントリーについて日興証券紹介をしてくれということで話があって、それを日興証券の物件の購入を担当しております総務部の者が話を聞いたと。そして、いろいろな経緯がございまして、実地に二度ほど岩間カントリーでございますか、カントリークラブを二度ほど、これは六十三年とそれから平成元年の初めにかけて二度ほど足を運びまして、実地に見て、これは投資価値がある、利用価値がある、そういうふうに判断をいたしまして、折からあの平成元年のころは株式ブーム、株式じゃなくてゴルフブームでございましたので、それに関連する日興証券の系列の会社紹介したわけでございます。そして、その購入につきましては、その関連した会社の判断によって会員権を購入したわけでございます。
  158. 大野明

    大野委員長 平成元年秋東急電鉄株が急騰していますが、日興証券による同株の売買について事実関係をお述べください。
  159. 岩崎琢彌

    岩崎証人 平成元年の秋ということでございますと、九月、十月、十一月ころかと思います。その間三カ月における日興証券東急株に対する買いシュア、売買の中で買っておるシェアというのは平均して九%くらいでございます。九%というのは、日興証券が東証全体でのその売買シェアというのが八%から九%でございますので、大体まあ巡航速度といいますか、そういう感じでございます。そして、その三カ月の間に日興証券としましては、これは多分私の記憶では、聞いておるところによりますと、九月、十月は売買においては日興証券は売り越しになっている、買いよりは売りが多い、こういうふうに、調べではそういうふうになっております。  そして、その間自己売買がどのくらい関与したかということでございますけれども、東急株の中、東急株における日興証券売買は、一番少ないのが十月、東急株全体の中で一%を割って〇・二%ぐらいである。三カ月平均しても一%前後ということになっておるわけでございます。そういう意味で、ボリュームとか手口から見ますと、東急電鉄株に対して日興証券がかかわった、大きくかかわったということは、私はないと信じておるわけでございます。
  160. 大野明

    大野委員長 以上をもって私からお尋ねすることは終わりました。  次に、発言の申し出がありますので、順次これを許します。尾身幸次君。
  161. 尾身幸次

    ○尾身委員 尾身幸次でございます。  今回の証券業界一連不祥事は、まさに自由主義経済社会の根幹を揺るがすものでございまして、本件に関しましては、先ほど証人のお言葉にもありましたが、関係者に深く反省を促しますとともに、二度とこういうことが起こらないような対策を確立する必要があるわけでございます。そこで私は、ただいま委員長の質疑がございましたが、その質疑に補足する質問をいたしまして、特に損失補てん問題について、その原因や実情について明らかにしたいと考えるわけでございます。  岩崎証人にお伺いをいたします。  日興証券損失補てんは、昭和六十二年の十月から平成二年三月までの間に五十九件、三百三十一億円というふうに発表されているわけでありますが、この時期的な内訳、特に平成元年通達が出ました平成元年の十二月から平成二年の三月までの期間にどの程度の補てんがなされているか、お伺いをします。
  162. 岩崎琢彌

    岩崎証人 私の記憶では、通達が出た元年十二月から二年の三月までの間に補てんした金額は、二百三十六億円というような記憶でございます。
  163. 尾身幸次

    ○尾身委員 今のお話のとおり、全体の補てん額三百三十一億円に対して約七割強が、二百三十六億円が平成元年の、いや平成二年の一月から平成二年の三月までの三カ月間に集中しているわけであります。  平成元年の十二月の大蔵省証券局長通達は、一つは顧問たしの特定金銭信託、いわゆる営業特金を解消するか、あるいは利回り保証などを行わない旨の確認書をとるというような適正化をすることを要求しております。この点が一点であります。しかし、それと同時に、事後的な損失補てんも禁止するということを明らかにしている。この二点が、この元年十二月の証券局長通達の趣旨であります。そうして、その通達があったにもかかわらず、元年二月の、元年じゃございません、二年の一月から三月までの三カ月間に七割もの補てんが実行されたということは、どういうふうに解釈をしたらいいのか。あえてこの通達違反を犯してまでなぜこの短い期間に多額の補てんをしたのか、その事情をお伺いをさせていただきます。
  164. 岩崎琢彌

    岩崎証人 いわゆる営業特金が、その通達の出た後の三カ月に補てん額が非常に大きい、三百三十一億のうちの七割も占めているじゃないか、どういうわけだという御質問でございます。  私は、日興証券のいわゆる営業特金というのが、ブラックマンデーの後にやはり一番膨れているわけでございます。私の記憶では、八七年がブラックマンデーでございまして、八八年の三月期が一兆一千億を超えている、いわゆる特金が超えている。これは非常に、マーケットがもしも悪くなったらこれは大変なことになる、そういうことで、私は営業特金を縮小するように、適正を図るように、これを指示してまいったわけでございます。そして、その後いろいろな努力がございまして、八八年から八九年の九月期、一年半くらいの間に、営業特金の額が多分三〇%から四〇%くらい減らしてきているわけでございます。そういうところで、そういうような状況大蔵省の方から十二月二十六日の通達が出たわけでございます。  そういうことで、私としましては、営業特金を可及的速やかに減らせ。そして大蔵省からも、営業特金を今先生御指摘のように減らしなさい、調整しなさい、それから投資顧問会社に移しなさい、そのかわり補てんはいけませんよ、そういうような通達が出たわけでございます。私どもといたしましては、そういうことを守って減らす方向であったわけでございますけれども、先生が御高承のように、元年が終わって二年になった途端に株価が大暴落に見舞われた。これは大変歴史的な大暴落でございまして、つるべ落としの大暴落、株価でいいますと日経平均が一万円を超す大暴落、二八%も三カ月の間に下がった。そういうあらしの中で特金を調整する、こういうような状況にあったわけでございます。  そういう過程におきまして、営業特金を運用している担当者、それから相手方さんの担当者との間に、減らすことにつきましていろいろな話し合いがあったわけでございます。必ずしも、そういうような状況でございますから波風が立たないということはないと思います。ある場合には大変冷たい風も吹いた、こういうふうに思うのが常識でございます。そういう中で、何としても、結果的でございますけれども、営業特金を減らすということに非常に重点が移りまして、そして片一方の補てんを厳に慎むということにつきまして、意識的ではございませんけれども結果的に軽視された、そういう形になって、その三カ月にさっき先生の御指摘のありましたような七〇%、三百三十一億円の七〇%の補てんが行われた、こういうことだろう、こういうふうに私は聞いておりますし、理解をしておるわけでございます。
  165. 尾身幸次

    ○尾身委員 補てんの具体的なやり方でありますが、先ほど外貨建てのワラント債あるいは株式、債券、指数先物等々のやり方でやったというお話でありましたが、現実に補てんをやるときには、どういう、具体的に一つか二つでいいんでありま」すが、実例をお示し願いたいと思います。
  166. 岩崎琢彌

    岩崎証人 先ほど補てんのやり方について、パターンとして三つ申し上げたわけでございますけれども、例えばワラントの場合は、これはワラントというものの実勢値段というものがかなりあいまいである、そういうことでワラントを安く譲渡して高く買い取る、そういうこともございます。  それで、あと一々どこに対してどういうような手口でやったということは、私はつまびらかには全く知っておりませんけれども、例えば債券の中でもその一日の動きの中でやる。私のところは、言われておりますように取引所の価格の、大口取引店の中には、債券につきましては取引所で表示される価格の上下二%ということは許容されているわけでございますが、私に報告を受けた段階では、我々の債券における補てんの場合はその上下二%を使ってない、実勢価格でやっている、その範囲内でやっているというふうなことも聞いております。それでございますから、先生の御質問に対してこれははっきりお答えになるかどうかわかりませんけれども、そういうこともあったということで、本当に一々のことについては私は存じておりません。
  167. 尾身幸次

    ○尾身委員 この場合、先ほどから一月−三月の間に担当者同士で営業特金の縮小に関して相手方との間で波風が立っていたというようなお話がありましたが、お客の企業の方から、じゃこれだけ損をしているんだから、証券会社がその分だけかぶって我々に補てんをしてくれたらいいじゃないかと、具体的にですね、そういうことを要求されたような例がこの期間にあるわけでございましょうか。
  168. 岩崎琢彌

    岩崎証人 一番よく知っているのは、相手方の担当者どこちら側の担当者でございます。私の聞いている範囲では、欠損分を全部埋めるとか、そういうようなはっきりした話は私は聞いておりません。  しかしながら、我々が補てんした先というのは、だぜ我々がそういう補てんをやったかということにまた戻るわけでございますけれども、例えばある企業との間の、日興証券とそこの企業との関係というのがこれはまた結構長い。それから、これからも長くつき合っていかなければいけない、そういうような我々の意識があるわけでございます。ですから、その企業とかの過去、それから現在、将来、そういうことをいろいろ見据えて、日興証券自体がそこに、その企業に補てんした方が、補てんといいますか、何らかの形でもって好意をあらわした方がいいんじゃないか、日興証券がそう考えて、日興証券で判断してやったということが補てんの動機になるわけでございます。
  169. 尾身幸次

    ○尾身委員 一般にお客の企業から、資金の運用の担当者同士で、株の値段が下がっているかもしれないけれども、しかしもっと運用利回りの成績を上げてもらいたいという要求が、一般的な形で出てくることは当然予想されるところであります。  例えば、先日も話題に出ましたけれども、日興証券が三十七億円補てんをしております相手先の公立学校共済の場合などは、平成元年の九月十八日付の文章で、総務部長の名前で「特定金銭信託の運用について」というのを出しておりまして、「本年の八月」というのは元年八月でありますが、元年の「八月までの貴社の営業特金の運用状況は目標の通算総合利回り七%を下回っております。総合利回りのアップについて格段の努力をお願いいたします。運用利回りが七%を通算において下回る場合には契約の解約等もありますので、念のため申し添えます。」というような文章が出されているわけであります。  私はこの公立学校共済の資金運用の担当者気持ちとしては確かにわかるし、あるいはこういう文章を出さないまでも、顧客企業の資金運用担当者がもっと運用利回りを上げるという要望を、今のような文章の形であるかどうかは別として、相当要望というか圧力というか、そういうことを証券会社の方に向かってしたのではないかということも想像されるわけでありますが、その点は実情はどういうふうになっておりますでしょうか。
  170. 岩崎琢彌

    岩崎証人 今、公立学校の共済組合のお話が出たわけでございます。これにつきましては、利回りを補整しろとかそういうことではなくて、私は努力目標を示した、こういうふうに認識している、こういうふうに聞いておるわけでございます。ただ、一般論からいって、そういうような文書がほかにあるのかというと、これは私は聞いておりません。  ただ、今先生がおっしゃるように取扱者、実際に実務の担当者同士では、もう少しうまく運用してくれよ、我々のところには運用計画もあるんだから何とかしてちょうだいとか、もう少しおまえ考えてやれとか、そういう会話というのは、これはあったということは想像にかたくないわけでございます。そういうことを受けて、担当者は相手方の意思、意思といいますか希望といいますか、そういうものをそんたくした、これはあると思いますし、特にそういう公的機関というものの資金性格とか、それからそういうところの使命とかいうことも重々わかっておりますので改善に努力したんだろう、そういうふうに私は話を聞いて認識しておる次第でございます。
  171. 尾身幸次

    ○尾身委員 私は、今お話を伺っておりまして、これは気持ちはわかるけれどもやり方の方向が違う、やはりこういうものは自己責任原則で、株で運用するわけでありますから、上がったり下がったりするのは当然のことでありまして、自己責任原則でやるべきである、その点についての考え方が、特に証券会社として甘かったのではないかと思うわけであります。  そこで、補てん先企業との今の関係でありますけれども、この補てん先企業のリスト及び金額が発表された後で、ほとんどすべての補てん先企業の方は、補てんを受けたという認識はしていない、こう言っているわけであります。ただ、発表になった後で、証券会社からこの取引がいわゆる損失補てん取引なんですよ、こう言われて、確かにその取引はあった、だから納得はしないけれどもその取引がいわゆる損失補てん取引であるということをわかったという企業はあるわけでありますけれども、事前に、あるいはその時点において認識している受け取り企業はどうもなさそうだという感じがするわけであります。  そこで質問でありますが、お客の方から、先ほどのような利回りをもう少ししっかり上げてほしいという一般的な要請があった場合にも、あるいはお客の方からそういう特別な要請がなかった場合においても、日興証券として補てんという形で利回りアップを図った場合において、その補てんをした時点で、顧客企業に対して、これはこういう形で何億円の補てんをこういう取引でやりますよということを知らせたようなことがあるのか。それから、あるいはそこを知らせないまでも、受け取った企業が、ああこの取引補てんだなというふうにはっきり意識していたと考えられるようなケースがあるのか。その点について御説明をお願いしますし、もしそういうのがあれば、その具体的なケースについて教えていただきたいと思います。
  172. 岩崎琢彌

    岩崎証人 ただいま先生の御指摘の、証券会社投資家自身の自己責任原則、それをおまえら自体が踏み破ったのじゃないかということについては、返す言葉もございません。反省しておる次第でございます。  そして、今第二の質問で、その補てんの行為においた場合に、おまえたちは補てん先に対しておれば補てんしてやるよ、そういうことを知らせたことがあるか、それから向こうの方はそういうことで、ありがとうございますと知った例があるかという御質問でございますけれども、それについては、私はなかったというふうに報告を受けておるわけでございます。しかしながら、お互いにお金のやりとりじゃなくて有価証券取引を通じて行うことでございます。それでございますから、先ほどから申し上げておりますように、何とかしてくれよ、もう少し利回りをうまく上げるように頑張ってちょうだい、そういうことでいろいろと努力した。そうして、それをいろいろと報告書などを見ると、うまくいっている、おまえうまくやってくれたなというような、扱い社においては、いろんな例がありますから全部とは申し上げませんけれども、そういうような感触があった場合も私はあろうかと思います。ただしそれが、トップの方までその報告が行っているかということは、これは先生、私は別問題だろうと思います。
  173. 尾身幸次

    ○尾身委員 日興証券補てんとして発表したものの中には、当初は日興証券自身としては補てんとして認識をしていなかったけれども、その後の税務調査において税務当局に経費であることを否認されて補てんとした、補てんとして発表したものもあるというふうに聞いているわけでありますが、これについて、日興証券としては税務当局の判断に十分納得しているのか。もし納得していないのであれば、もっと堂々とこの点を主張すべきではないかと思いますが、その点はいかがでしょう。
  174. 岩崎琢彌

    岩崎証人 今、更正決定のことの御質問でございます。  何分にも、この補てん行為というのは取引の中でやっておるわけでございます。したがいまして日興証券では、これは通常の取引だ、こういうふうな考え方もあるわけでございます。また一方では、税務の方から検査がございますと、これはいろいろと調べたけれども補てんじゃないか、こういうことで意見といいますか認識といいますか、そこのそごというものが出てきたんだろうと思います。そういうことにつきまして、日興証券と税務当局との間でいろいろと私は話し合ったのではなかろうかと思います。そして、相当十分時間をかけて話し合いの中で、その間にいろんな紆余曲折が私はあったんだろうと思います。  そういうことで、日興証券は話の中で、これはやはり補てんであった、税務署の言うような補てんであったということになって更正決定をしたわけでございます。そういう更正決定を受けた分につきましては、後から事後的にこれは補てんであるという形で大蔵省に自主申請したわけでございます。
  175. 尾身幸次

    ○尾身委員 相手先に本当にこれが、この取引補てんであるということをはっきり知らせずに補てんをひそかにしてしまえば、相手は喜ばないかもしれない、それにもかかわらずどうして補てんをしたんだろう。あるいは、そういうことをすると日興証券に、会社損失を与えることになるのではないか、見方によればこれは背任行為ではないかという見方もあるわけでございますが、そういう状況の中でなぜ補てんということをしたのか、その点についてお伺いをさせていただきます。
  176. 岩崎琢彌

    岩崎証人 補てん先がその補てん行為を認識してたい、おまえらは一方通行でやったんじゃないかというお話でございますけれども、我々といたしましては、お客さんとの間の長い取引でございます。そしてそういうような非常に、先ほど言いましたように、いわゆる営業特金を減らすという中で、本当にあらしの中でやる。ところが、お客さんの方とは長い関係であるということで、我々としましてはやはり現在、先を見据えてこの会社との関係を維持していきたい、そして将来もっと発展さしていきたい、そういう考えがございまして、そして日興証券は、自体がそうすることが日興証券のためになるということで、日興証券の判断でやったわけでございます。
  177. 尾身幸次

    ○尾身委員 今の説明でありますと、大口のお客へのサービスを特別によくする、そして運用の成績を上げてお客を確保したいんだ、一般のお客、小口の大衆投資家にはやっていないような特別なサービスあるいはそれを損失補てんという形でやったということでありますが、これはまさに経済行為としては本末転倒でありまして、資本主義社会の自由経済の根幹のメカニズムを、公共的役割を持っている証券会社みずからが行ったということで、私はその責任は極めて重大である、二度とこういうことがあってはならないと思っているわけであります。  時間の関係質問を省略いたしますが、暴力団との不明朗な関係についても、公共的役割を持った企業として大いに反省をすべきであると考えているわけでございます。  この二点について、岩崎証人からきちっとしたお答えをいただきまして、私の質問を終わらせていただきます。
  178. 岩崎琢彌

    岩崎証人 今、尾身先生のいろいろな御叱正、これは聞いておりまして胸に刺さるような痛みを感ずるわけでございます。まさにそのとおりで、非常に私はいたく、また深く反省しておるわけでございます。  先ほど、委員長の御質問のときにちょっと時間をかりておわびしたわけでございますけれども、何しろ証券という仕事、マーケットという仕事というのは、オープンマーケットである、相対の商売じゃない、これは開かれた市場である、そういうところにやっぱり非常に安心して入ってくる。そのためには信頼が第一である、そのためには公明正大でなければいけない、公平でなければいけない、そしてどこからつっついても透明でなければいけない、これが憲法でございます。それを損なったということにつきましては本当に申しわけない、これは本当にそういう面で、申しわけないという言葉で謝れる筋合いのものではございませんけれども、深く深く反省しておるわけでございます。  今後こういうことが絶対に起こらないように、いろいろな施策、これは物の考え方を含めて、それからまた制度的、組織的なことも含めて、こういうことが絶対に起こらないように決意しておる次第でございます。
  179. 尾身幸次

    ○尾身委員 終わります。
  180. 大野明

    大野委員長 これにて尾身君の発言は終了いたしました。  次に、仙谷由人君。
  181. 仙谷由人

    仙谷委員 今すばらしい御決意を披瀝していただきましたので、ひとつ透明性のあるお答えをいただきたいと存じます。  そこでまず第一点、今のお答えにもあったわけですが、公立学校の共済組合ですね、この点についてお伺いしたいんですが、結局結果といたしま一しては、日興証券において三十七億一千六百万円の補てんをしておるわけでございます。これで今証人がおっしゃった努力目標たる七%を超えたのかどうか、このことをまずお伺いしたいと思います。
  182. 岩崎琢彌

    岩崎証人 その補てん三十七億をして、最終的に利回りが七%を超えたかどうかということでございます。  これは先生、はっきりした記憶はございませんけれども、私は超えてなかったというふうに記憶しているわけでございます。これは、はっきり間違いないという自信はございません。
  183. 仙谷由人

    仙谷委員 あいまいでございますが、多分七%を超えでないとしても、その近辺まで押し戻すためにこれだけの多額の補てんをされたんだろうと思いますね。といいますのは、公立学校共済組合はその期の利益が四十六億八千五百万円、全体としてですね。その中で日興証券が行った補てんが三十七億一千六百万、それからその他の準大手、中堅で補てんをしていただきまして、五十九億四千九百万円の補てんを受けておる。つまり補てんがなければ当期利益が出なかった、そういう団体でございます。したがいまして、利益として計上されておるのは全部補てんということになるわけであります。だから、日興証券補てんがこの当期利益にあずかって余りあったといいますか、非常に大きな力になったということになると思うのです。こういう努力目標を日興証券において履行する、それをイレギュラーな手段で行う。今の証人のお話でございますと、市場原理を無視し、いわば証券業としての自己否定であるかのような行為を行ったということになるのではないかと思います。そういう点についてはお認めいただけますか。余り長々とした答えは要りませんから。
  184. 岩崎琢彌

    岩崎証人 これはあくまでも、先ほどからるる申し上げておりますように、公立学校の共済組合、それの使命それからその重要性ということにつきまして、我々は強く強く認識して括ります。その資金の性格等についても強く強く認識しております。そして先ほどの七%ということは、これは私は努力目標である。ですけれども、今言ったようだ共済組合の性格がちいって一生懸命やらなきゃいけない、そういう判断に立って日興証券がその独創の判断でやったわけで、結果的に仙谷先生の御指摘のようなことになったというふうに思います。
  185. 仙谷由人

    仙谷委員 例えば警察の共済組合も、当期利益が十四億五千七百万円、補てんを日興証券から受けたのが十四億四千大百万円、ほとんど補てんが利益になっておる、こういうことになっておるのですね。したがいまして、証券会社の立場としては、長くおつき合いをしたいとかなんとかというお話をさっきされておりましたけれども、この種のお金についてはその時点で、営業特金とか投資一任勘定とかそういうことをやるべきじゃないということを言うべき立場にあったんじゃないかと思うんですね、むしろ。つまり株価は下がる可能性もあるというのを、証券会社としてはちゃんと忠告をしてあげなければいけない立場にあったんじゃないかと思うんですね。  そこで、ちょっと話題を変えてお伺いするわけですが、証人はこの問題、いわゆる一連不祥事が発生した段階の記者会見の中で、うだけの裏で悪魔がほほ笑んでおった、こういうことをおっしゃったようでございます。報道をされております。うたげというのは何でございますか。これはバブルのことですか。それから、悪魔というのは何でございますか。これはやくざとか事業会社も悪魔のうちに入っておるんでしょうか。
  186. 岩崎琢彌

    岩崎証人 一々そのうたげとは何ぞやとか悪魔とは何ぞや、そういうようなことを精査して申し上げたわけではございません。これは、私が六月の二十四日に社長をやめた段階でいろいろと聞かれた中で、私は表現がいいのか悪いのかわかりませんけれども、そういうことが口をついて出たわけでございます。というのは、うたげというのは、仏とすれば、たびたび予算委員会なんかでもお話を聞いておるわけでございますけれども、八五年以降八九年まで続いた——それまでは物の経済であった、だけれども、その八五年のいろいろな経済指標、金融指標を見れば、これは金の経済になっている、これは紛れもない事実なんでございます。そういう中で、証券会社はそういうような基盤の中で経営をやり営業活動をやっていた、これも事実でございます。そのために、きのうあることがきょうもあるだろう、あしたもありなん、そういうような物の考え方がだんだんだんだんしみついてきた。そういうことを称して、私は悪魔だなあと。これはそういう意味で、今までの惰性だとか安直さだとか、物の考え方が安易に流れた。これは何もだれがどうしたというのじゃなくて、日興証券全体の経営もそうでありたし、それから社員もそういう面でだんだんだんだん軸が非常にずれてきたんだろう、そういうことを総称して私は申し上げたわけでございます。
  187. 仙谷由人

    仙谷委員 要するに、バブルの中で株式相場があるいは債券の相場が右肩上がりでどんどんどんどんいって、落ちることはないだろうというふうに証券会社も考えておったというふうにお伺いするわけですが、そんなことは株式の原理原則からしてあり得ないわけでありまして、まことに、何というんですか、お粗末な話ということになるだろうと思うんですね。  それに関連してお伺いするわけですが、日興証券におきまして特定の事業会社とまだこの営業特金の解消について合意に至ってない、何か営業マンの言葉で言いますとしこっておる、あるいはもっと違う言葉で言いますと何かクリニック口座というふうに言うようでございますけれども、まだ交渉しておって解消できてないというのがおありになるというふうに聞くわけでございますが、そういうのはおありになりますか。
  188. 岩崎琢彌

    岩崎証人 先生御承知のとおり、元年の十二月の二十六日の通達は、これは(仙谷委員「あるかないかだけでいいです」と呼ぶ)はい。そういうことに関しまして日興証券が、しこっているというのはよくわかりませんけれども、そういうことで難航しているというものは一つもございません。そして、確認書が全部入っております。
  189. 仙谷由人

    仙谷委員 いや、確認書があるかないかじゃなくて、解消できていない、解消したいんだけれどもできていない……。
  190. 岩崎琢彌

    岩崎証人 現在残っているというのはございます。
  191. 仙谷由人

    仙谷委員 例えば、公刊された本の中に伊藤忠との関係が書かれてございます。伊藤忠は日興証券が幹事証券会社でございますので、表に出た補てん額は二千九百万でございますけれども、こんなので済むはずはないわけであります。つまり、補てんをするとすればこんなので済むはずたい。高尾さんという副社長さんがいらっしゃいますか、おたくに。いらっしゃったのですか。この方が伊藤忠におわびのあいさつに、つまりパフォーマンスが悪いということで、運用成績が悪いということでおわびのあいさつに行かれたら、大変高度な要求を、つまり補てんの要求をされて憤然として席を立ったということが本に書いてあります。片や伊藤忠の方は、パフォーマンスが悪い証券については改善してほしいというふうに要望しておった、当たり前の話じゃということを言っておることが物の本に書いてあるのですね。  例えばの話でございますけれども、この伊藤忠商事については、現在どのくらいの営業特金が残っておって、どういう交渉をしておるのか、お聞かせ願いたいと思うのです。
  192. 岩崎琢彌

    岩崎証人 伊藤忠の現在残存している、いわゆる営業特金が幾らあるということについては、承知しておりません。
  193. 仙谷由人

    仙谷委員 ちょっと話題を変えますけれども、日興証券はこの補てんについてはほとんどが和解金的なもの、つまりその前段階でトラブルが存在したんだ、つまり解消についてのトラブルが存在したんだということのようでございますけれども、間違いございませんか。
  194. 岩崎琢彌

    岩崎証人 はっきり先生のおっしゃっているような和解金では、私はないと思います。その特金を適正化する、解消するという段階で、先ほどからるる申し上げておりますように大変なあらしの中でやったということで、それは難航したということは私はあると思います。それから、先ほどから言いました、その間に冷たい風も出たとかそういうことがあると思いますけれども、これはそういう相手が補てんしてもらったとかそういうことの認識にかかわらず、日興証券はそことの、企業との将来についてかくあるべし、こういうような意識で、そして日興証券の判断でやったことでございます。
  195. 仙谷由人

    仙谷委員 難航したというのが主語がないですけれども、主語は交渉がということに普通なると思うのですね。つまり、解消についての交渉が難航した。その理由は、株価がどんと下落して、つまり営業特金の中身の運用成績が悪いからだ、最初と話が違うじゃないかということになって難航したというのが普通ですね。最初と話が違うというところは、当然のことながら、いい運用成績で回しますよというおいしい話が両者の間で当然のことになっていた。つまり業界用語で言うニギリがあったから、営業特金を解消するについても難航をし、お金をつけないと解消できなかった、こういうことになるんじゃないですか。
  196. 岩崎琢彌

    岩崎証人 ニギリがある、初めから保証があるということは、私はないと聞いておるわけでございます。  それで、それではどうして難航したかということでございます。私は一々のケースについては承知しておるわけではございませんけれども、その難航した中に、もう少し、おれらはこう考えているのにもう少し何とかしてくれという、そういうこともあっただろうと思いますし、この特金の期限が来てないじゃないか、もう少し延ばしてやってくれないかとか、そういういろいろな希望なり要求があったということはあると思います。そういうことも含めて、私は難航したんだろうと思います。
  197. 仙谷由人

    仙谷委員 長くつき合っていかなければならないから、こういうまあイレギュラーな方法で、いわば株式市場で生きる証券業としても自己否定をするような格好でやった、こういうお話ですけれども、そうなりますと、今証券投資信託で八三%が元本割れをしておる、こういうことになるわけですね。この個人とか一般の投資家については、長くつき合わなくていいから補てんしないという話になってくるわけでございます。そうですね。  だから昨日も長岡理事長がいらっしゃって、個人投資家が大事だ、一般投資家が大事だということをおっしゃるわけだけれども、それはお題目だけで、結局は大口投資家、つまり引受手数料が入るような事業会社、そこだけしか優遇しない、こういう話になるんじゃないですか。やはり長くつき合うために市場原理を、市場の原則を否定するというのは、大変な間違いであったということになるんじゃないでしょうか。
  198. 岩崎琢彌

    岩崎証人 長くつき合うためにおまえらは差別化したんじゃないかというお話でございますけれども、補てんの問題を見ますと、そういうことは形になっているということは否定いたしません。そういう面で、我々は本当に、襟を正すということじゃなくて衣を脱ぎかえて、新しく生まれ変わってやらなければいけないと思っておるわけでございます。  それから、投資信託のことでございます。これは、自社のことを言うとなんでございますけれども、確かに一般の投資投資信託をお買いになった方に大変な御迷惑をかけている、これは重々知っておりますので、当社を見ましても、現在元本割れしているのが、株式投信で元本割れしているのが七〇%近くたっている。それから、私のところは来年の七月まで元本割れしているのがまだ一本しかございません。ですけれども、来年いっぱいということを考えますと、まあこれはそれほど大きくは割っておりませんけれども、投資家が期待している運用利回りを下回っていることは間違いないわけでございます。そういう面で、こういうような市況環境でございますけれども、このまず投資信託、これの運用の改善ということ、これはやはり一般投資家に対するはっきりした信用回復の知らせにたるだろうというふうに私も認識しておりまして、投信委託会社におきましても、そういうことで鋭意努力しているわけでございます。我々は、今後こういういろいろな一連不祥事の大きな、また非常に痛い反省に立ちまして、信用の回復に地をはってでも努力するつもりでございます。
  199. 仙谷由人

    仙谷委員 私の持ち時間が終わるそうなんで、あと一点だけお伺いしますが、岩間カントリークラブの件でございますが、会員権の購入ですが、投資のつもりで買ったんだというふうなことを、さっきも野村さんが来ておっしゃるし、証人もおっしゃる。しかし、このグリーンサービスという会社、ではほかにゴルフ会員権を十億、二十億というオーダーで投資のために購入したということが、ほかの例があるのかどうか、これをまずお答えいただきたいと思います。  そして、グリーンサービスというのは、八九年の八月三十日に設立された会社でございます。そうですね。八九年の八月三十日に設立されるや否や、この岩間カントリークラブ会員権を二十億円購入しておる、こういう事実がありますね。そして、この会社は資本金はたかだか三億円、ほかにも事業少々やっておるようでございますけれども。そして現在は、多分日興クレジットから導入したお金でこの二十億円の会員権を買っておると思うんですが、これは多分そのまま、それこそしこっておるというか、つまりグリーンサービスという独立の営業体から日興クレジットの方へ返済ができる、できたというふうな状況にたいんではないかと思いますが、その点いかがでございますか。
  200. 岩崎琢彌

    岩崎証人 そのグリーンサービスのように、岩間カントリー会員権をほかに買ったところがあるかという御質問、第一の……(仙谷委員「グリーンサービスにおいて」と呼ぶ)グリーンサービスにおいてはそういうことはございません。  それで、確かに先生のおっしゃいますように、グリーンサービスというのは八九年の八月に設立されたわけでございます。そして二十億は、金はどこから出たということでございますけれども、私が聞いておるのとはちょっと違いまして、日興クレジットからではございませんで日興企業の方から、親会社の日興企業の方から出ているわけでございます。
  201. 仙谷由人

    仙谷委員 そのままになっているかどうか、借金が。
  202. 岩崎琢彌

    岩崎証人 現在はそのままになっております。
  203. 仙谷由人

    仙谷委員 じゃ、大木代議士とかわります。
  204. 大野明

    大野委員長 この際、大木正吾君から関連発言の申し出があります。仙谷君の持ち時間の範囲内でこれを許します。大木正吾君。
  205. 大木正吾

    ○大木委員 岩崎証人にお伺いいたしますが、暴力団稲川会との関係でございますけれども、これはどういういきさつでおつき合いが始まったのか、あるいは野村さんとのお話し合い等があっためかどうか、まずこれを伺います。
  206. 岩崎琢彌

    岩崎証人 稲川会石井氏との接触といいますか、接触はどういう形かといいますと、本店営業部で長くいらっしゃったお客さん、この人からの紹介でございます。  そして、野村証券と何か関係があったのかということにつきましては、全く潤いておりません。
  207. 大木正吾

    ○大木委員 日興クレジットを通じましての融資が二百二億円と伺っていますが、そうでございますか。
  208. 岩崎琢彌

    岩崎証人 はい、そのとおりでございます。
  209. 大木正吾

    ○大木委員 実はこれの関係、融資額ですね、これについての担保について伺いたいのですが、どんなものが担保に入っておりますか。
  210. 岩崎琢彌

    岩崎証人 担保は、主として東急電鉄株、正確な数字はわかりませんけれども、千五百万株弱だろうと思います。そのほかに九銘柄、例えば、株数はよくわかりませんけれども、私は忘れましたけれども、NTTとか新日鉄とか、そういう株があと九銘柄入っておるわけでございます。担保になっております。
  211. 大木正吾

    ○大木委員 私の手元にあります資料ですと約十銘柄でございますね。その中に、東急電鉄がダントツで千四百五十七万五千株、次に金額に直して大きいのがNTTの六百三十株ですね。あと新日鉄等がございますが、これの時価との関係で現在の担保額に見合いますか。
  212. 岩崎琢彌

    岩崎証人 最近の時点で二百二億の融資と対比いたしますと、担保が不足しております。
  213. 大木正吾

    ○大木委員 どれぐらい不足していますか。
  214. 岩崎琢彌

    岩崎証人 報告によりますと、五十億くらい不足していると思います。
  215. 大木正吾

    ○大木委員 実はこの問題、もっと聞きたいと思っておりましたが、予算委員会あるいは本特別委員会におきましても余り問題になっていたい、先ほど仙谷君の質問に対してお答えになりましたいわゆるごみですね、ごみ。証券会社に言わせますと、損失補てんの対象にもなら。ない個人もしくは小さい投資家、これが実はNTTの関係でいきますと相当大変な数に上るわけですが、これについての証人の考え方を若干伺いたい、こう考えています。
  216. 岩崎琢彌

    岩崎証人 大変、今先生ごみということをおっしゃったわけですが、私も会社に入って、私、二十九年に入っておるわけでございますから四十年近くあれでございますけれども、ごみという話ははっきり言って私は聞いたことないのでございます。私は聞いたこと本当にないのでございます。  それから、NTT三回にわたって売り出し、公募が行われたわけでございます。そして、一番初めの売り出しか百十九万円と聞いております。高いものが二百五十五万円と聞いております。現在、それが八十万円を割っているということでございます。これは、先生御承知のように、非常に広い層にわたって販売されて、そして御所有いただいていると思います。そういう面で、NTTが今こういうような値段にあることに対しましては、我々証券会社として非常に残念なことであるというふうな認識が強いわけでございます。
  217. 大木正吾

    ○大木委員 実は手元に、八七年ですから六十二年の十月二十二日の株式新聞、この焼いたものを持ってまいりました。ちょうど真ん中の辺にこういうことがございます。「すべての道はNTT大蔵省証券業界売り出し成功に結集」こういう記事がございまして、この前後、ちょうどブラックマンデーの直後でございます。そういう関係ですから、証券株式をめぐる環境は必ずしも好ましい環境ではなかったのですね。ですから、そういった際に、大蔵省と四大証券を中心とします。界が結集して、そしてNTTの株を持ち上げていこう、あるいは値下がりを防ごう、こういったことに関する行為、もしこういった行為があったとしますと、どういうふうに証人はお考えになりますか。
  218. 岩崎琢彌

    岩崎証人 先生の今お話しいただきましたその第二回目の公募の分の時期は、おっしゃるようにブラックマンデーのちょっと前でございます。そして、それを大蔵省証券会社が一緒になって株をつり上げたということは、私は絶対にない、これははっきり申し上げていいと思います。
  219. 大木正吾

    ○大木委員 幾つかの資料がここに手元にあるわけでございますけれども、ちょうど昭和六十二年の大蔵省の予算の歳入見込み額に、NTTの株式売却益といたしまして四兆九千七百二十五億計上し、そして若干の手数料等が入りますので、売却益は四兆九千九十八億、こうなるわけですね。そのうち国債償還財源に三兆六千九十八億を使っておりまして、それ以外にもいろいろ、大蔵省はいろいろな企業等に貸し付け尊いたしておりますから、要するに予算としては総額四兆九千七百二十五億がこの株式の第二次放出の際に得た大蔵省の収入なわけでありますね。  これについて、実はその当時の雑誌等にも出てくるわけでございますが、ちょうど国会と大蔵省との中間ぐらいに位置します。あるビルの中で、大蔵省の当時の松川という流通市場課長さんと四大証券株式部長さんがしょっちゅう会合されまして、そしていわば国の歳入が減っては大変ですから、そういった面で、ブラックマンデーでもって下がりつつあった株、そういった環境の中におきまして、二百六十万前後でもって売りに出ようという話をされているということも報道がございますが、こういったことは御承知ありませんか。
  220. 岩崎琢彌

    岩崎証人 今先生がおっしゃったことについては、全く承知しておりません。
  221. 大木正吾

    ○大木委員 承知していなければ、これはこういった雑誌に対して告発でもしてもらいたい気がいたしますけれども、いずれにしても、これは証人が直接の責任者というわけではございませんから、一応差し控えておきまして、単に情報源として持っておきます。  そこで、東急電鉄の株に対しまする問題、さらにはNTT問題、これについて株価の集中という形になるかあるいは株価操縦となるか、大変解釈が難しいところなんですが、大蔵省が四大証券を中心とします証券業界と結託をして、今でも百六十五万人余り残っています個人株主、一株から五つぐらいしか持っていない方々、こういった方々を食い物にして税収に充てる、補てんの対象にはならない。きょうの株価は、ついにNTT七十五万五千、きのうの終わり値はこうなっていますね。二百五十五万で売った株だけじゃないと思いますが、一応そう仮定いたしますと、実に三分の一を割って、いわば百八十万程度損をしている、こういう経過になるわけですね。  こういったものを放置しておいていいかどうか。私に言わしむれば、国の方でもって何がしかの無償増資、そういった形でもって報いるかどうか、何らかのことをすべきだ、こう考えるのですが、どうですか。
  222. 岩崎琢彌

    岩崎証人 私は、株価というのは人為的にでき上がるものではない、株価操作ということになると証取法の百二十五違反になるわけでございます。株価というのは、そのときの経済環境ではなくて、第一番目にはその企業の実態、業績が反映されるわけでございます。それが私はマーケットメカニズムだろう、これはもう株式市場の大原則であろう、こういうふうに考えておるわけでございます。
  223. 大木正吾

    ○大木委員 そういった大原則をここでもってべらべらしゃべられても、わかり切ったことたんですから、問題はこういった実情ですよ。NTTの株を持って、しかもNTTの株が結果的には果たした役割は、皆さんの商売を広げて、国民全体に対しておれも株を買ってみようかという気を起こさせたこと、これは事実でしょう。そういった中でもって、買った額の三分の一以下でもって泣いて、証券界を恨んで、NTTを恨んで、大蔵省を恨んでいる方々、こういった方々の気持ちに立った場合に、証人はどういう御感想をお持ちですか。
  224. 岩崎琢彌

    岩崎証人 これは私は、現在こういうような我々の不祥事、スキャンダルによって市場が非常に低迷している。ところが海外を見回しますと、アメリカにしてもロンドンにしてもこれは史上最高値を更新している。日本のファンダメンタルズは悪くはない。企業業績も悪くはない。そういう段階で、私らが一刻も早く市場、これの信用を回復することが先生のおっしゃるようなNTTの問題にもつながるわけだ、こういうふうに認識しておるわけでございます。
  225. 大木正吾

    ○大木委員 個人株主が非常に少ない日本株式市場ですから、もしおっしゃるように信用回復されて、証券市場を回復されましていくというならば、例えば中期的にお考えになりまして、五年間程度でもって個人株主を四割ぐらいにふやしていくとか、あるいは大手銀行の一部が証券業界に乗り込むとか、実は今度の証券取引法の改正があったときに、大手証券会社は相当に大手銀行の株式市場に対する進出に抵抗されたという話が報道にございまして、あなた御自身個人株主をふやしていくことについては賛成ですか。それで、中期的にどういう見通しをお持ちですか。
  226. 岩崎琢彌

    岩崎証人 私は、株式市場の担い手の一番大きいのは個人株主だと思います。それはなぜそういうふうに申し上げるかと申しますと、私はロンドン市場それからニューヨーク市場を見ますと、非常にああいう市場は機関家マーケットの色彩がだんだんだんだん強くなっている、個人が減っている。そのために、私は市場が活性化してない。特にロンドンはそうなっている。そういうような海外の弊害を見まして、私はもう一遍そういう面で個人株主、これをふやすように、我々は、先ほどから言うように襟を正して信用の回復をやること、そういうことが、遅いようだけれどもそれが一番早道だと私は考えております。そういう面では先生と同じ、もう本当に石にかじりついても個人株主をふやす、そのためには信用を回復することが第一であろうと思います。
  227. 大木正吾

    ○大木委員 後段の分については証人とは直接——大蔵大臣あるいは証券局長といるところでやってみたかったのでありますけれども、なかなかずっと予算委員会から拝見していましてこの問題出できませんので、つい証人に対してお伺いしましたけれども、どうか証券業界がもっとしっかり信用を回復されて、そして個人の方々がかつてのように配当を中心としながら株式に妙味持つ、こういった状態にしていただきたいことをお願いしておきます。  終わります。
  228. 大野明

    大野委員長 これにて仙谷君、大木君の発言は終了いたしました。  次に、日笠勝之君。
  229. 日笠勝之

    ○日笠委員 公明党・国民会議の日笠勝之でございます。  まず、いわゆる暴力団関係者との取引についてお伺いしたいと思います。簡潔にお答えください。  いつ、どこで、どういう名義で、だれが来て口座を開設いたしましたか。
  230. 岩崎琢彌

    岩崎証人 開設は、昭和六十一年の九月に本店、日興証券本店営業部で、そして石井氏の代理人が参って口座を開設したわけでございます。(日笠委員「口座名」と呼ぶ)口座名は石井隆匡というんでございますか、石井隆匡という名前だろうと記憶しております。
  231. 日笠勝之

    ○日笠委員 その代理人のお名前と石井隆匡という名前は本名なんですか、改名なんですか。
  232. 岩崎琢彌

    岩崎証人 私に報告受けているところによりますと、これが「隆匡」が俗称なのか「進」というのが本名なのか、その辺についてはしかとわかりませんけれども、いずれにしても本人であることは間違いないわけでございます。
  233. 日笠勝之

    ○日笠委員 どなたが来られましたか、具体的なお名前を、よろしければ。
  234. 岩崎琢彌

    岩崎証人 その石井氏の税理士と称する、称するって、税理士の方でございます。
  235. 日笠勝之

    ○日笠委員 お名前を。
  236. 岩崎琢彌

    岩崎証人 大場税理士というふうに伺っております。
  237. 日笠勝之

    ○日笠委員 その石井隆匡という方が暴力団関係者と知ったのはいつごろでございますか。
  238. 岩崎琢彌

    岩崎証人 六十一年の九月から商いがございまして、それまでは、入り口の段階では全く知らなかったわけでございます。そして、翌年の報告を受けたことによりますと七月、翌年の七月か八月ごろに取扱者がその石井氏の受け渡しか何かで横須賀の、これは本宅だろうと思います、そこに伺ったときに、どうも雰囲気がちょっと普通ではないということで気がついた、こういうふうに聞いておるわけでございます。
  239. 日笠勝之

    ○日笠委員 それでは、融資ですね、融資については先ほど証人は日興クレジットが平成元年四月ごろから行った、こう証言されましたけれども、お間違いございませんか。
  240. 岩崎琢彌

    岩崎証人 そのように聞いております。
  241. 日笠勝之

    ○日笠委員 私どもは、日興クレジットの前に、日興DCカードサービスと日興ミリオンカードサービスに融資をまずした、その後、日興クレジットの方へその分を移管したといいましょうか、このように聞いておりますが、いかがですか。
  242. 岩崎琢彌

    岩崎証人 先生の御指摘のように、その平成元年の四月というのは、日興DCカードとかそのMCカードとかこういう会社がございまして、そこから融資を受けて、そしてその後に、平成八年にそれを合併して日興クレジット会社ができた——済いません、平成元年の八月でございます。にクレジット会社ができたということで、それで省略してそう申し上げたわけで、省略してって、大変申しわけございません。
  243. 日笠勝之

    ○日笠委員 その融資は、だれが融資を頼みに来たんでしょうか。だれが受け付けたのでしょうか。そしてまた、具体的にどういう働きかけがあったんでしょうか。
  244. 岩崎琢彌

    岩崎証人 報告を受けたところによりますと、先ほど言いました代理人の方からどこか融資しているところはないかということで、その扱い者のところに話があったわけでございます。そして、その扱い者が部長に、これは本店営業部長でございます、それがそのクレジット、まあそのときはMCカードの方かDCカードか、同じような会社でございます、そちらの方の役員に話を持ちかけたわけでございます。そして四月に入って、初めの段階としてはトータル二百二億でございますけれども、多分五十一億くらいの融資を受けたように報告を聞いております。
  245. 日笠勝之

    ○日笠委員 例えば、野村さんもそういうふうに融資をしてくれそうだとかそういうような話があって、じゃ、うちもと、こういうふうなことで融資を実行した、こういうことはございませんか。
  246. 岩崎琢彌

    岩崎証人 その石井氏が野村証券と商いをしているということは知っていたようでございますけれども、そういう融資に関して、野村がどうした何がどうしたということは、あったということについては私は聞き及んでおりません。
  247. 日笠勝之

    ○日笠委員 岩間カントリークラブ会員権資格保証金預かり証についてお伺いいたしますが、これは、いつ、だれから、どういう働きかけがあって購入したのですか、購入させた指示をしたのですか。
  248. 岩崎琢彌

    岩崎証人 依頼をしたのは、先ほど言いました大場という税理士のように聞いております。というのは、その税理士が岩間カントリーの監査役をやっておるわけでございます。そして、営業マンに物件の、私の関係する会社の物件の購入についてだれか紹介してくれないかということで、日興証券総務部の物件を担当している部長に紹介したわけでございます。そして、その部長が会って、そしてそのときには、その部長はその人がどういう人であるかということは知らなかったわけでございます。それで、よく大手客というのはそういう依頼が時々あるわけでございます。それで放置していたわけです。そうしたら、後で一回来て見てくれないかということで、その者が、あれは六十三年と平成元年に二回現地を、造成中のゴルフ場を見に行ったわけですね。場所からいってもそうだし、投資価値があるという、そういう判断をして関係会社紹介した、こういうふうに聞いております。
  249. 日笠勝之

    ○日笠委員 そうしますと、六十二年の夏ごろには暴力団関係者と知った、その後、この融資が行われたり、またこの会員権の購入ということになってくるわけですね。特に会員権の購入となれば、暴力団関係者が経営している、まあオーナーかもしれないような会員権の預かり証を買えば、これは将来そういうことが広く知れ渡りますれば、その会員権を買う人がたくなっちゃって四千万一口のこの会員権が暴落するかもしれない。二回も現地へ行ったんなら当然そういうことも調査をして買うのが、これはできたばかりのグリーンサービスですから当然だと思いますけれども、そういう暴力団関係者と知りながら融資も行う、会員預かり証の方も購入する。これは、知りながらやっているということは、まさに暴力団に便宜供与した、このように言われても仕方がないと思うのですが、証人はどのようにお考えでしょうか。
  250. 岩崎琢彌

    岩崎証人 初めから、その本店営業部の方はその属性についてはわかっているわけでございますけれども、融資とそれから岩間カントリー紹介につきましては、その属性については話してない。それですから、本当に紹介を受けた我々の、我々というか、総務部担当者とかクレジットの担当者というのは知らなかったわけでございます。その岩間カントリーなるものが、そういうところが経営しているということは、本当につゆ知らなかったわけでございます。
  251. 日笠勝之

    ○日笠委員 それでも、暴力団関係者の代理人が来て口座を開設したわけですから、その方も当然暴力団関係者、税務顧問ですから、このように思わたければいけませんですね。大体そういう属性をきちっと知らせていくというのが社内管理じゃないのでしょうか。その点の手抜かりということにはどうお考えですか。
  252. 岩崎琢彌

    岩崎証人 先生のおっしゃる御指摘につきましては、私は言い返す言葉がございません。はっきり言いまして、管理ミスであるということは認めます。
  253. 日笠勝之

    ○日笠委員 そして、平成元年の六月でございましたか、会員権の預かり証を購入をしたわけですね。二十億円分でございます。そのときに、この買い戻しの「確認書」というのがあるやに聞いておりますが、ここに、手元にある資料が真正の資料であるかどうか、ちょっと確認のために読み上げてみます。  「確認書(甲)」(甲)は、これはある会社ですから名前を伏せます。「(乙) 岩間開発株式会社」  第一条 乙は、甲が岩間カントリークラブ法人会員権五十口の会員であることを確認する。  第二条 甲は、乙が上記ゴルフ場を開業時より三年間パブリックコースとして運営することに異議がないことを確認する。  第三条 乙は、上記ゴルフ場の開業時から三年を経過した時点で、甲の申出により会員権を買い戻すことを確認する。   以上のとおり相違ないことを相互に確認するため、本書面を作成し、甲乙各一通を所持する。     平成二年 月 日 となっています。  「(甲)」これは名前を伏せます。「(乙)岩間開発株式会社 代表取締役佐藤茂」  これは真正のものでございましょうか。
  254. 岩崎琢彌

    岩崎証人 真正のものでございます。
  255. 日笠勝之

    ○日笠委員 そうすると、会員権を購入するときには会員制のゴルフコースである、しかしそれが途中でパブリックに変わっちゃった、だから三年後にまた会員制のコースに戻すときにこれを買い戻すんだ、こういうことの確認書だと思うんですけれども、日付が、私の手元のは平成二年十一月ですね。会員権の預かり証を購入して五カ月後のこれは確認書になるわけですね。預かり証を購入した五カ月後の確認書ということは、その会員権購入時の確認書ならわかるんですが、その五カ月間のタイムラグがあるということはどうしてですか。
  256. 岩崎琢彌

    岩崎証人 その確認書というのは、昨年の十一月三十日というふうに先生おっしゃいました、そのとおりでございます。それは、その岩間カントリーが実際プレーできるようになって、それでオープンした日でございます。それで、その前はまだ造成中ということでございます。
  257. 日笠勝之

    ○日笠委員 時間がありませんので、次に、政治献金のことについてお伺いをしたいと思います。  私どもの調べによりますと、日興証券さんの政治献金は、政治家個人への、これはトータルでございますが、平成元年二千八百万円、平成二年三千四百万円、それから財団法人国民政治協会への平成元年の政治献金が二千三百八十一万円、平成二年が二千三百二十五万円、また政治家のパーティー券の購入代金が、平成元年が一千百万円、平成二年が六百万円、大体年間六千二、三百万円というふうに承知しておりますが、ほぼこれに問違いございませんか。
  258. 岩崎琢彌

    岩崎証人 私は政治献金について、その先生のおっしゃった数字については存じ上げておりません。
  259. 日笠勝之

    ○日笠委員 それでは証人個人は、個人として政治献金はしたことがございますか。
  260. 岩崎琢彌

    岩崎証人 国民政治協会というのでございますか、これは自民党の政治協会でございますか、これには毎年、金額は十万円ですか、その金額はよくわかっておりませんけれども、しております。
  261. 日笠勝之

    ○日笠委員 官報に掲載されたのを見ますと、岩崎証人は、昭和六十年が十五万円、六十一年、六十二年、六十三年それぞれ二十五万円、平成元年十二万五千円となっております。念のために申しておきます。  さて、どうも巷間言われるのは、きょうのお二人の証人喚問は、どちらかというと野村証券さんの証人喚問が七割、日興さんの方は三割ぐらい、どちらかというと連れ子で証人に呼ばれたのだ、こういうふうなうわさもあるのです。がしかし、それなりに私は調べてみますと、例えば野村さんと対比をすればわかるのですが、野村証券石井隆匡名義で口座を開設したのは六十一年の十二月四日なんです。日興さんは六十一年の九月四日で、三カ月早いのですね。それから融資額も、野村さんは百六十億円と言いました。きょうお聞きすると、日興さんは二百二億円で、約四十億円も多いのです。それから大蔵省資料提出によりますと、いわゆる東急電鉄株の買い占めた株数は、野村さんは一千百万株で、日興さんが千五百万株で四百万株多いのですね。こういうのを見ていきますと、この口座をつくったのも早い、融資額も多い、そしてまた東急電鉄株の購入株数も多い、こうなってきますと、何か連れ子で来たという感じじゃなくて、どっちかというと日興さんの方が先導してきたような感じがするわけですね。そういうふうに、野村さんと対比してみてどうたのかということを、社内で検討したことがございますか。
  262. 岩崎琢彌

    岩崎証人 今、全く初めて聞いたことでございます。それで、社内でそういうようなことを検討したということは、全く聞いておりません。
  263. 日笠勝之

    ○日笠委員 それでは、次の観点からお聞きいたします。  いわゆる四社社長会、いわゆる四大証券会社社長会、それからまた四社懇、四社の副社長さんクラスですか懇談会、こういうものと大蔵省との接点ほどういうものがあったのですか。
  264. 岩崎琢彌

    岩崎証人 四社社長会というのは、四社の社長大蔵省の審議官以上の方と月に一回ずつお会いしているわけでございますけれども、中身の方は、これは本当に雑談といいますかヒューマンリレーションの方が多くて、政策的な話とかそういうことは、私、余り出たためしかない。それから、四社懇でございますけれども、これは副社長会でやっておるわけでございまして、私、副社長の在任期間というのは短かったもので、その四社懇に一回も出た、そういうものに出たことがないわけで、どういうことをやっているかということはつぶさには知っておりません。
  265. 日笠勝之

    ○日笠委員 五十九法人、三百三十一億円の補てんリストを自主公表されました。これは補てん先と金額だけでございますが、公表されたのは。実際にいつ、どういう手口で、幾ら補てんしたのか、こういうことは大蔵省には報告はしているのでしょうか。
  266. 岩崎琢彌

    岩崎証人 その三百三十一億の補てん金額、それから件数、これは二年の三月に大蔵省の方に申告したと思います。それで、手口について大蔵省の方に個々にわたってつぶさにしたかどうかということについては、私は聞き及んでおりません。
  267. 日笠勝之

    ○日笠委員 それでは、きょうこのように証人喚問、それからまたあしたは参考人質疑と、証券金融問題の徹底究明、解明をして、そして明朗な公正な証券市場にしていくというための場でございますので、ぜひその五十九法人、三百三十一億円の補てんの時期と金額と方法、これをぜひ当委員会へ御提出してくださることを要望いたします。  最後の質問でございますが、この補てんというのは、損失補てんというのは突然降ってわいたような話じゃないと思うのですね。証人が知っている限りでは、日興証券内ではいつごろから、金額は小さいかもしれませんけれども、いつごろからこの損失補てんというのはあったと、このように御認識されていますか、どのように御認識されていますか。
  268. 岩崎琢彌

    岩崎証人 前もあったんじゃないかということでございますけれども、私は報告ははっきり受けておるわけでございませんけれども、というのは、補てんというのはどういうことなんだということ自体もよくわかっておりませんけれども、もしもありたとしても、大変御迷惑かけた現在のような広範囲で多量なことということは私はなかった、こういうふうに思っております。
  269. 日笠勝之

    ○日笠委員 先ほど補てん三通り、三つの方法をおっしゃいましたけれども、いわゆる現金での補てんは日興さんはたかったのでしょうか。
  270. 岩崎琢彌

    岩崎証人 現金の補てんは、幾つかあったように聞いております。
  271. 日笠勝之

    ○日笠委員 それでは、最後にお聞きしたいのはこの補てんの問題でございますが、日興証券の場合は最低額が九百万円以上の自主報告になっておりますが、藍沢証券なんというところは十四万円までの報告をしておるわけですね。えらい乖離があるわけですが、最後にお聞きしたいのは、最低額が九百万円以上の報告ですが、それ以下は一切なかった、こういうふうにお考えでしょうか。
  272. 岩崎琢彌

    岩崎証人 我々は大蔵省の指示に基づきまして補てんを精査いたしまして、九百万円が最低、結果的に最低になるということで、何も我々は足切りをして九百万円という、そういうことでやったのではないというふうに報告を聞いております。
  273. 日笠勝之

    ○日笠委員 終わります。
  274. 大野明

    大野委員長 これにて日笠君の発言は終了いたしました。  次に、小沢和秋君。
  275. 小沢和秋

    小沢(和)委員 日本共産党の小沢和秋でございます。  あなたは稲川会の問題をいつ、だれからの報告でお知りになったのでしょうか。
  276. 岩崎琢彌

    岩崎証人 稲川会の問題は、多分ことしの二月か三月だろうと思いますけれども、神戸の水上警察署が日興の先ほどから言っておりますクレジットに対して、融資について参考資料を出すように、こういうような要請があったということで私の方に報告が来て、初めて知ったわけでございます。
  277. 小沢和秋

    小沢(和)委員 そうすると、それまでは全然御存じなかったというわけですね。うなずいておられるからあえてお尋ねはいたしませんけれども、しかし、先ほども既にお話があっておりますように、取引開始後一年目の六十二年の七月には、石井氏が暴力団稲川会会長であることを、本店の営業課長がつかんでおるわけです。私も若干の期間サラリーマンをしたことがありますけれども、そういう重大なニュースを課長がつかんだら、私はびっくり仰天してすぐ上司に報告し、それが社長であるあなたのところまで行くと考えるのが常識だと思いますが、いかがでしょうか。
  278. 岩崎琢彌

    岩崎証人 先生の御指摘のとおり、そういうような案件があれば、重要な案件があれば、それを上司に報告するというのは私は当然であろうかと思います。それでございますから、そこで私が先ほどうたげの裏に悪魔がほほ笑むと言ったのは、そういうことに対して、特異な事例であるということに対する認識、感覚が麻痺していたんじゃないか。それから、そういうことが報告されない。そして、上の方に報告——権限委譲といっても裏は必ず報告義務があるんだ、こういうことに対して非常に考え方が、判断が甘かった、こういうふうなことで反省しておるわけでございます。
  279. 小沢和秋

    小沢(和)委員 仮に、通常の株取引では、そういう非常に調子がよかったから、報告をしたければいけないという感覚が麻痺をしておって、そのために報告がなかったとしても、今もお話に出ました岩間カントリークラブゴルフ会員資格保証預かり証、この紙切れ同然のもので二十億円を出せという話が石井会長代理人である大場氏から要求が出たときには、これは全く質の違う話だと思うのです。この段階でどうして来なかったのでしょう。
  280. 岩崎琢彌

    岩崎証人 その岩間カントリークラブを購入したグリーンサービスという会社は、我々の関連会社の日興企業の子会社に当たるわけでございます。そういうことになりますと、そのグリーンサービスというのは日興証券から見ると孫会社になってくる。そうすると、親会社の日興企業の役員会でそういうことを決めたわけでございます。それで我々は、その日興証券の関連会社の日興企業に対してはどういうような監督をしているかといいますと、人事政策とか、人事というのは役員人事でございます。それから資本政策については、いろいろと相談に乗っているわけでございますけれども、関連会社の日常の業務の運営に関しましてはそこに権限を委譲して任せている、こういうことでございます。
  281. 小沢和秋

    小沢(和)委員 初めから日興企業とかあるいはグリーンサービスとかいうところに話が来たというのなら、あなたのお話わかるのですよ。ところが、最初には本店の営業部に来たわけでしょう。先ほどのお話では、それから総務に回り、クレジットの方に回りと、この間に属性についてちゃんと言っていなかったから、そのことを知らないで融資をしてしまったというようなお話になったようですけれども、とにかく最初はあなたの方の本店の営業部に話が来ているのですから、これを知らなかったとか、こういう連絡がなかったことについて、今のように弁解はできないんじゃないですか。
  282. 岩崎琢彌

    岩崎証人 事実関係で言えば、クレジットというのは、これは先生、違うのでございます。融資しているのはクレジットではございません。企業でございます。そして、ちょっと時間が長くなるのですが、グリーンサービスというのはなぜ設立したかという……
  283. 小沢和秋

    小沢(和)委員 いや、そんなこと聞いていません。そんなことは聞いていません。だから、本店が知っておったのに、どうしてあなたのところに届かなかったかということが問題なんです。
  284. 岩崎琢彌

    岩崎証人 ああ、済みません。  日興証券がそのカントリークラブなるものを買えば、私どもの方で当然わかるわけでございますけれども、その物品購入についての責任といいますか、振り分けをやるのは日興証券総務部がやるわけです。それですから、営業体はそこに相談したということでございます。そしてそこが、これは日興証券案件じゃないから日興不動産とか企業に紹介した、こういう筋合いでございます。
  285. 小沢和秋

    小沢(和)委員 だから、振り分ける前に、話はとにかく日興の本社の方に来ているわけでしょう。そうじゃないのですか。それだったら、逃れられぬじゃないですか。
  286. 岩崎琢彌

    岩崎証人 これは話は日興の総務の方に、物品購入ですから、その営業体から行ったということは自然の流れで、そういう先ほどから言いましたように、大手客というものは物品購入だとか物品のいろいろなことについて、こうしてくれああしてくれと言っても、営業体はこれは困るわけでございます。それですから、そういうセクションに話を持っていったということでございます。
  287. 小沢和秋

    小沢(和)委員 いや、だから、そもそも話をおたくの本社の営業に持ってきたのが、この暴力団の日常あなたの方に荒い買いについて指図をしておる代理人の大場さんでしょう、岩間開発の監査役とか言ったって。だから、それを聞いたら、普通の株の売買とは違う話だ、これは重大なことだということで、あなたの方に話が行かなければそもそもおかしいんです。  それで、もう一つ続けてお尋ねしますけれども、その岩間の預かり証購入で二十億のお金を出したから、今度はさらにそれに乗じて、先ほどからお話があっている二百二億の融資というふうに話がエスカレートしていったのではないのですか。これもあなたの方に、そういう重大な事態になっても依然として何も相談もなかったわけでしょうか。
  288. 岩崎琢彌

    岩崎証人 先生の御指摘株式に対するクレジットからの融資と、それからその岩間カントリーに対する融資という、融資といいますか会員権を買ったということで、我々は、我々といいますか、その日興企業、グリーンサービスというのは、融資したという考え方がないわけでございます。会員権を買ったということでございます。融資ということじゃなくて、会員権を買ったということで、現在それを持っているわけでございます。
  289. 小沢和秋

    小沢(和)委員 では、最後にもう一つ別のことをお尋ねします。  今もお話が出たんですが、四大証券は、社長から実務担当者まで何段階も大蔵省と会合して、意思疎通を密接に行っていると聞いているのですが、先ほどのお話では、何かその会合は雑談が多いというふうに言われたんですが、私はこれは月に一度ずつぐらい会合をやっていると聞いているんですが、そんな頻度で集まるたびごとに雑談ばっかりやっておったんですか。それは信じられない。当然そこで損失補てんも議論し、大蔵省補てんを事実上了解しているという感触を得たから、日興も補てんを行ったのではありませんか。
  290. 岩崎琢彌

    岩崎証人 先ほどのお尋ねで、社長会は何をやっているかという話でございますので、社長会の話を申し上げたわけでございます。それで、社長会の話、それから四社懇の話で、その補てん問題について大蔵省と事前に相談したとかサゼスチョンを受けたとか、そういう話は全く聞いておりません。
  291. 小沢和秋

    小沢(和)委員 終わります。
  292. 大野明

    大野委員長 これにて小沢君の発言は終了いたしました。  次に、中井洽君。
  293. 中井洽

    ○中井委員 先ほど証人は、補てんの中身はワラントあるいは債券、株の先物、それから転換社債の配分、現金も二、三あった、こういうお答えになりました。まあ方法としてはすべての手口であろうかと思いますが、すべての手口を補てんとして届け出をしなさい、これは大蔵省の指導であったわけですね。中身も指導であったわけですね。
  294. 岩崎琢彌

    岩崎証人 その補てんしたものについては自主的に出しなさいというのは、大蔵省の方から三月末にあったというふうに聞いております。それで、中身のことに関しましては、私は今承知しておりません。
  295. 中井洽

    ○中井委員 十二月に通達が出て、三月までに出したさいということでなかったんですか、これが一点。  それから、十二月に指導が出て、三月までに出しなさい、届け出をしなさい、整理をしなさい、こう言われたことを、日興証券としては三月までは黙認をしていただける、こうお考えになって二百数十億の損失補てんを一気にやった、このように理解してよろしいですか。
  296. 岩崎琢彌

    岩崎証人 三月までに特金について大蔵省の方は、通達に基づいて、その趣旨に基づいてよく精査しなさい、そして申告しなさいということでございます。それに関連して、その特金を解消する、適正化する中で補てんを黙認するなんという話は、私は一切聞いておりません。
  297. 中井洽

    ○中井委員 先ほどからお心のこもった反省の言葉をお聞かせをいただきました。それはそれで私どもはそのとおりであろうかと思いますが、しかし補てんの中身、相手との関係でお答えになられたことは、私どもは全然理解できません。また、お聞きになっている国民も、そんなばかなことはないとお思いになっていると思います。私どもは、補てん先もちゃんと理解をしておやりになった「このように考えております。  そこで、ひとつ逆の聞き方をさしていただきますが、営業特金を三月までに解消するとやっておやりになった中で、補てんも受けずに了解をして営業特金をおやめになった会社幾つぐらいありますか。それは、日興さんの営業特金の中で何%ぐらいですか。
  298. 岩崎琢彌

    岩崎証人 補てんもなしに営業特金を解消したのは幾つあるか、日興の中で幾つあるかという御質問でございますけれども、私は、非常に申しわけございませんけれども、それは調べておりません。ですから、私はわかりません。
  299. 中井洽

    ○中井委員 それらのお客さんが、日興さんにとっては長くつき合いたくない客であるか、しかし、株式の常識やあれからいけば立派な客じゃなかったんでしょうか。そういったところを、もう少しお考えをいただくべきだと私は思います。  時間がありませんので、次に参ります。  暴力団絡みの問題でありますが、先ほど長くおつき合いのあった客が石井という元暴力団の会長紹介した、こういう話でありましたが、この方のお名前、職業お尋ねを申し上げます。この職業総会屋と言われる人であるのかどうか、お尋ねいたします。
  300. 岩崎琢彌

    岩崎証人 これは、固有名詞は私わかりませんけれども、女の人でございます。女の人でございます。(中井委員「女性ですか」と呼ぶ)女性でございます。そして、石井さんとどういう関係にあったということは、それは私はわかってないわけでございます。
  301. 中井洽

    ○中井委員 その方が営業本部へ紹介したんですか、それとも野村さんのようにやはり秘書担当というか渉外担当というか、総務担当の重役にこの石井紹介したんですか。
  302. 岩崎琢彌

    岩崎証人 これは先ほどから、本社の営業部のお客さんなので、営業部の人に紹介したわけでございます。
  303. 中井洽

    ○中井委員 日興の営業本部で扱っているお客さんの中で暴力団の数、どのぐらいあるか、おわかりですか。
  304. 岩崎琢彌

    岩崎証人 これは、この問題が起きましてから、それを厳重に調べるように指示いたしました。そして今までの段階では、暴力団であるという、これは暴力団であるという報告は受けておりません。しかしながら、これは大変重要なことではございますので、もっとしっかり調へる、こういう指示は出しております。
  305. 中井洽

    ○中井委員 もう一つお尋ねをいたしますが、この石井という暴力団の前会長東急電鉄を買った。日興さんも随分商いをなさった。これは石井と日興とで御相談をたすっておやりになったのか。まある井の代理人です。あるいは日興さんが、日興の営業本部がお勧めになっておやりになったのか。あるいは逆に、石井という暴力団が買い占めに入る、それを日興が聞かされてちょうちん買いというやつをおやりになったのか。この三つのうちいずれですか。
  306. 岩崎琢彌

    岩崎証人 この石井氏が東急電鉄を買う、どういう意思で買ったのかということでございますけれども、これの石井氏の注文に関しましては、東急だけでなくて、六十一年から、九月からの商いの状況をよく聞いておりますと、我々は全部受け身の商いでございます。全部向こうの指示によってやっているわけでございます。したがいまして、東急も向こうの注文に応じて受け身の商いでやったわけでございます。したがいまして、こちらから勧めたということは一切ございません。
  307. 中井洽

    ○中井委員 もう一つ補てんの問題に戻ってお尋ねをいたしますが、この補てんを日興さんは海外子会社を通じて複雑な形でおやりになったということはありませんか。今また大蔵省が調べておりますが、大蔵省特別検査でも、海外子会社には届かないと聞かされております。大蔵省から要請があれば海外子会社の書類もお出しになる。お誓いをいただけますか。
  308. 岩崎琢彌

    岩崎証人 私は、海外子会社をいろいろと使って補てんをやったかどうかということについては、よく報告するようにと、精査するようにということを命じたわけでございますけれども、そういうものは一切ございません。(中井委員「書類の方はどうですか。検査には協力なさいますか」と呼ぶ)検査、海外ですか。(中井委員「子会社の書類も出されますか、大蔵省に」と呼ぶ)海外ですか。海外の書類を出すといっても、補てんをしてたいものですから出しょうがないと、先生、思うのでございますけれども。
  309. 中井洽

    ○中井委員 もう一つだけお尋ねをいたします。  このニューヨーク証券取引所に、日本の四大証券がそのまま取引として上場されていない。これがやはりとかく言われるわけであります。信頼回復の一つとして、日本大蔵省よりもはるかに厳しいと言われておりますニューヨークの証券取引所へ、四大証券あるいは日興証券さんがきちっと上場される、こういうおつもりはありませんか。
  310. 岩崎琢彌

    岩崎証人 これはニューヨーク上場に関しまして、ある何年か前に一回考えたことがあるわけです。ところが、日興証券のこれ連結になりますと、ヨーロッパとかアメリカとか、そういうところの公認会計士が違っちゃっているわけですね、全部。同じ公認会計士じゃない。ですから、そういうことがありまして断念したわけでございますけれども、現在の段階では、私は社長ではございませんけれども、現在の段階ではニューヨーク市場に日興証券の株を今上場するということは、するということは聞いておりません。
  311. 中井洽

    ○中井委員 終わります。
  312. 大野明

    大野委員長 これにて中井君の発言は終了いたしました。  次に、楢崎弥之助君。
  313. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 進民連の楢崎弥之助です。時間が短いから、イエスかノーで御答弁をいただきたいと思います。  まず、午前中も野村の前会長にお聞きして確かめたのですけれども、政治献金の問題について、私が独自で調べた点を今から申し上げますから、最後に、そのとおりですならそのとおりですとおっしゃれば結構です。  まず、政治家個人献金総額。個々の政治家はやめます。平成元年二千八百万円、平成二年三千四百万円。自民党の国民政治協会、平成元年二千三百八十一万円、平成二年二千三百二十五万円。政治家の政治団体献金の総額、平成元年四千三百万円、平成二年四千九百万円。問題の中曽根さんの山王経済研究会にも、現金長の梅村正司さんが参画されていますね。それで、毎年会費百万円納めておられるはずです。以上、間違いございませんか。
  314. 岩崎琢彌

    岩崎証人 先生、今お話しいただきました数字に関しては、私は聞き及んでおりません。
  315. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 それでは、後ほと確かめて御返事をいただきたいと思います。大体間違いございませんから、念のために言っておきます。  それから、先ほどもちょっと社会党の大木さんが取り上げましたが、これは重要な点ですからもう一度確認しておきます。石井進氏に対する担保と融資の関係であります。  まず、平成元年四月十八日五十一億円貸し付けられておりますね。これは日興DCカードサービスですね。そして、先ほどもお話しのとおり、NTT以下十社の株を担保にされております。続いて、元年八月七日二十億円、これは東急の百六十万株担保。同じく十月三十一日六十億円貸し付け、担保は東急三百三十万株、これは日興クレジットですね。先ほどの八月七日の分は、日興ミリオンカードサービスですね。それから十一月一日三十六億円、これは東急株二百五十万株ですね。これは日興クレジットです。それから次に、先ほど申しました四月十八日ロ興DCカードサービス、これは平成二年の四月十八日に同興クレジットにかわっておりますね。それから平成二年五月一日三十五億円、これは東急株三百七十六万二千株ですね、担保が。貸付元は日興クレジット。  それで、先ほどの元年八月七日の二十億円、日興ミリオンカードサービスは、これは平成二年五月七日に日興クレジットにかわっておりますね。だから、全部貸付元は日興クレジットになる。総額は二百二億円。そして、担保の時価は百五十億ですね。だから、先ほどお答えのとおり大体担保割れは五十億。大体これをどうされるおつもりですか。  私の聞くところでは、日にちを区切って、例えば十月末なら十月末、もうこれを片づける意思が石井さんの方にないならば、手持ちの担保は全部売ります、そして後は請求をし続けます、そういう回収の方法と申しますか、そういうふうに私は聞いておりますが、そのとおりでしょうか。
  316. 岩崎琢彌

    岩崎証人 今、担保及び融資のことにつきましてはそうでございます。そして、その融資の期限という、最終期限というのを今度は十月三十一日に区切ったことも事実でございます。そういうことで、今五十億くらい担保が足りないわけでございます。  それで、今最終期限はそういうふうにしておりますけれども、今鋭意担保、一番いいのは貸し付け、融資を返してもらうことでございますけれども、担保を入れるように、先生の御指摘のように日興クレジットが貸しておるわけでございますけれども、日興証券も一緒になりまして、今鋭意その融資の回収に努力しているわけでございます。
  317. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 終わります。ありがとうございました。
  318. 大野明

    大野委員長 これにて楢崎君の発言は終了いたしました。  以上をもちまして、岩崎証人に対する尋問は終了いたしました。  御苦労さまでございました。御退席くださって結構でございます。  次回は、明三十日金曜日正午理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時九分散会