○辻(第)
委員 時間で十分申し上げることができなかったのですが、大体その辺のところでも十分御理解をいただきたい、このように思います。
あと五分なんですが、もう
一つお尋ねをいたします。
それはタクシー労働者の労働条件の改善の問題でございます。私はこの問題はもう十年来繰り返し繰り返し当
委員会や交通安全
対策特別
委員会で要望をしてきたんですが、タクシー労働者の労働条件というのは、先ほどトラックの
お話もありました、タクシー労働者のもありましたけれ
ども、タクシーでいいますと、大体一般の常国産業労働者に比べて年収が百二十六万少ないという統計もあるのですね。それから時間でいいますと五百時間長い時間働いておられる。長い時間働いてしかも非常に収入が少ない、大変な厳しい職場でございます。そういう
状況の中でタクシー労働者がだんだん減ってこられて、その労働者不足のために車が十分稼働しない。最近、私は奈良の
状況を労働組合の方に聞きますと、もう八〇%を切って七五%、実効率というんですか、という
状況にもなっておる。これは深刻な事態だと私は思うのですね。
そこで、そういう
状況、背景の中で、去年、奈良でいいますと六月十四日に運賃の改定が認可をされましたね。その主要な目的は労働条件の改善、労働条件の改善ということは、安全で快適な輸送の
確保ということになるのですね。魅力ある産業づくりということ、若年な労働力の吸収をも図る、こういう
運輸省の
指導もあったと思うのです。そういう
状況の中で、全国的に見ていろいろ非常に改善をされたところと極めて不十分というところがあると私は思うのです。私は奈良のことをきょう申し上げるのですが、それ以外にあちらこちらから、もう運賃は値上げされた、労働条件の改善ということで値上げされたけれ
ども、実際は極めて不十分だという
お話を聞いてしいるのです。
奈良の例で申し上げますと、ひどい企業は、企業が赤字だから値上げされたんだとか、あるいは
運転者の労働条件改善などは指示されていないんだとか、こういうところがあるのですね。それから、もう極端な刺激的累進オール歩合制の導入、水揚げ九十万円以上は五〇%、百万円以上はさらに率をふやす、こういうことで連動、公休日オール出勤を進める、こういうことで労働力不足をカバーするなど、この運賃改定の目的に反し、しかも道路運送法だとか運輸規則二十一条ですか、これに反する違法行為を公然と行っているところがあるのですね。また、一般的にはノースライドで十分だ、こういう傾向が業界を支配をしている。そういうことで、運賃改定後の改善がほとんど見られないという
状況もあるのです。
これに対し、当局は御努力をいただいているんです。私もこれで近畿
運輸局へ事前も含めて二回か三回行っているんです。しかし、実態は先ほど申し上げたようなことであります。苦労していただいているのですが、やはりやり方に問題があった。もう時間がありませんので、私は詳しいことは申し上げませんけれ
ども、そういうことです。
悪いことばかり言いましたけれ
ども、いい例もあるのですよ。中川タクシーさんというところは、歩合が五%上がって手当の増額が一月から実施されて、ノースライドの効果とあわせて月額約五万円程度上がったというところもあるのです。いいことも言っておかなければいけませんので、ちょっと言っておきますが……。
ところが、奈良県の
中心の大手があるのですが、ここは完全スライドという格好なんですね。これは余り労働条件の改善にならないですね。そういうことがあるので、それ以外のところではノースライドにすればもうこれで十分なんだと、大手が完全スライドをやっておるわけですから、ノースライドでもう十分かんだということであとまともに進まないという傾向があるのが実態だ、私はこのように聞いておるのです。
そういうことで、この労働条件の改善、先ほど申しました実効率が非常に低下をしておるタクシー業界が、国民、市民のニーズにこたえていくためには、本当に労働条件の改善をきっちりやっていただきたい、こう考えるのですね。
局長の御答弁と、最後に
大臣の御決意のほどを伺って質問を終わります。