○及川一夫君 二人の同僚が各般にわたって質問を展開しましたので、私は
衛星問題と労働安全の問題について絞って御質問させていただきたいと思います。
ロケットを伴う
衛星問題ということでは、どうも私が発言をすると何か変なふうになるんで、嫌だなという気持ちを実はしているんです。前の2Xのときには、点火した途端に恐らく宙返りじゃないかと、こういうふうに冗談のつもりで言っていたのが、まさにそのとおり当たってしまった。それから今度の問題でも、十九日に上げますという御連絡をいただいたときにも、これは飛んでいって途中でやるんじゃないかと、こう言ったら、またそのとおりに実はなっちゃったんです。別に私はロケットの専門家でも何でもないんですけれ
ども、何となくそういう予感がしたから言うただけの話なんですが、当たってしまった。しかも、
衛星のa、bを
補完するという役割のものが二つとも落っこっちゃったわけですね。
これは一体どういうことなんだろうということを、みずから言葉として発したことを含めて反省しながらいろいろ考えているんですけれ
ども、皆さんだけを責める意味じゃなしに、自分も責める意味で少し甘さがあるんじゃないかという感じがしてしようがないんです。
例えば、2bの
補完という意味で2Xと、こうある。今度3aの
補完は3Hと言うんですな。XとH、一体どんな意味があるんじゃと、これ。
補完だといって2Xと言ったものが、今度はなぜ3Hと言うんだと。いろいろ聞いてみると、3Hというのは日本語で言う
補完の補、ローマ字のHをとったと言うんです。そんなら一体Xの方は何じゃ、これ。わからない。ところで、Xというのはバッテンですよね。縁起が悪いからHに変えたみたいな話に聞こえるんだよ。そんな安易なことでこの問題に処するというのは、これは我々も少し反省しなきゃいかぬなという気持ちがしてしようがないんですよ。
それと、島
会長には別に意地悪を言うてきたわけじゃないんですけれ
ども、国内で七百億もかかるものがなぜアメリカで買ったら百二十億とか百三十億でロケットを含めてやれるのかという、それで私は中古品じゃないかみたいな話をしたら、
会長は新品じゃと言って怒ったんですよね。ああそうですか、結構でございますと、こう思ったが、うまくいかなかった。それで、今度のものも同じような大体値段なんです。
そこで、私は自分なりに調べてみましたら、実は今まで日本で利用する意味での
衛星、これを上げた数が四十四回実はあるわけです。郵政省もそうだし、気象庁もそうだし、もちろん
NHKもそうだと。あと民間関係もいろいろ上げています。四十四回ある。その中で、
衛星が故障を起こしたというのは一回ですけれ
ども、ロケットの打ち上げに
失敗したというのは二回あるんですよ、今度の問題を含めまして。どうしてそうなのと思ってずっと見ていくと、実は国産品は全然打ち上げに
失敗していないんです。何か知らぬけれ
どもアメリカの製品だけが、数が多いからしようがないんだ、当たったのが不幸なんだと言えばそれまでだけれ
ども、アメリカ製品、しかも安い金額、別に中古品とは言いませんけれ
ども、どっちにしても何か安くてアメリカ製品でというふうにつなげちゃうと、何となく嫌な感じが私はするんです。
そして、ニューヨークタイムズの新聞、打ち上げ
失敗の話もここに出ているんですけれ
ども、
失敗の話をこの新聞で見てみますと、ゼネラル・ダイナミックス社というのは、ロケット打ち上げ、商業用の打ち上げに参加したのはどうもそう長い歴史はないようですね。どちらにしても新規参入者という書き方になっています。何かスペースシャトルから商業用の荷物を積みおろしする、これについては大統領の命令なんかでそういうものに参加したというような記事も書かれて、アトラス計画では三億ドルほどの借財を教えているというようなことも書かれている。しかし、この会社自体は百七十八回もロケットを打ち上げている、にもかかわらず今回こういう
事故を起こしたと。七年前にも打ち上げに
失敗したが、その原因というものを見ますと、燃料タンクの漏れだったと。それから三年後には落雷によってうまくいかなかったというものがあって、今回の
事故はエンジンに点火しなかったということなんです、二段目のときに。そんなことは例がなかったと言うんです。
それがなぜ今回起きたのかというようなこと等を考えてみますと、まあ推測だから何も断定的に言うわけにいかないんだが、いろんなうわさを聞きますと、日本の通信技術とかハイビジョン技術に対するいろんな意味の恐れがあって、それで何かやったんじゃないかというような陰謀説みたいな話まで飛んじゃっているんですよ、これ。だから、私はやめろとは言いませんけれ
ども、
衛星を打ち上げるという場合に、もう少し会社の選び方であるとかそれから製品の優秀性とか、そういうものはかなり慎重に対応しなきゃいかぬのじゃないか。
さっき
放送行政局長が経済的な問題だけでは困りますよという意味のことをおっしゃられましたよね。まさにそのとおりだと思うんです。安くていい物が一番いいわけだけれ
ども、
補完が必要だ必要だって飛びつくように安けりゃということでやるようなやり方、恐らくこの委員会でもそれこそ七百億も五百億も
補完にかかる言うたらなかなか通らないでしょう。そういうことを含めて少し考えてほしいと思うんですが、この点いかがですか。
会長ね、別に責めているわけじゃなしに、私も反省をしながら
放送衛星というものをどう考えるかという意味で申し上げたわけですから、いかがでしょうか、感想を聞きたい。