○
下村泰君 賛成
法案でございますので、別にたくさんの質問をする必要がないと思いますが、
一つだけさせてください。
おととしの五月に市民バンクというのができまして、これは身体障害者にとっては利用の価値が大変高い。
銀行といえば、こちらが銭を預けに行くときはにこにこして迎えてくれますけれ
ども、借りるときになると大変渋々こわもてになりますね。ですから、ある人なんかよく言いますわ。
銀行なんて飲み屋と一緒、銭を持っていくときは喜ばれるけれ
ども、銭がなくなるとシカの十で横向く、そう言われております。
ところが、今度できました市民バンクというのは、同じ
金融機関でも随分違うんですね。
銀行の方は
土地の投機なんかにはどんどん
融資したりなんかして、
貸金業者はばかばかこれで
土地転がしをしたりなんかします。しかし、今度の市民バンクについてちょっと私は私なりに研究してみたんですけれ
ども、ここにある
新聞記事をちょっと読ませていただきます。
「市民バンクのおかげで、やっと一息つけそうです」と、笑顔を見せるのはハンディホイーラーの会・代表の
中村陽子さん。
同会は平たく言えば、障害者のためのタクシー会社。雨の日は車イスで通勤している人たちから依頼の電話が相次ぐ。晴れている日でさえ、車イスの人はタクシーをつかまえられないから、雨の日は同会に頼まないと身動きがとれない。
中村さん自身、足が不自由なため、車イスを使う生活。「現在の行政サービスは、障害者のニーズに応じていません。だからこそ障害者の人たちが使いたい時に頼めるタクシーが必要」と考え、四年前に設立した。
会がスタートした当初は、メンバーの乗用車二台を改造して使っていたが、昨年、ワゴン車、乗用車など三台の車を購入した。この購入資金を
銀行から借りようと思ったが、「担保もないうえ、任意団体ですから無理」と、冷たく断られた。仕方なく車のディーラーから一四%という高い
金利で借り、月々、十二万円払い続けていた。
今回、市民バンクから残金の四百五十万円を五・七%の
金利で借りることができた。
中村さんは「ローンの支払いが今までの半分の六万円になりました。私たちのような福祉
関係の仕事に、
融資してくれる
銀行は少ないので、市民バンクは心強い味方です」
こう話していらっしゃるんですが、こういう記事をお聞きになりまして、いわゆる市民バンクのあり方と
銀行のあり方、これに対して
大蔵省がどういう御意見をお持ちか聞かせていただいて、おしまいにします。