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1991-03-12 第120回国会 衆議院 予算委員会第七分科会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成三年三月十二日(火曜日)     午前九時開議  出席分科員    主 査 愛野興一郎君       戸井田三郎君    二階 俊博君       上原 康助君    新盛 辰雄君       関  晴正君    兼務 井奥 貞雄君 兼務 前田  正君    兼務 志賀 一夫君 兼務 辻  一彦君    兼務 山中 邦紀君 兼務 鍛冶  清君    兼務 河上 覃雄君 兼務 薮仲 義彦君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 村岡 兼造君         郵 政 大 臣 関谷 勝嗣君  出席政府委員         運輸大臣官房長 松尾 道彦君         運輸大臣官房会         計課長     岩田 貞男君         運輸大臣官房国         有鉄道改革推進         総括審議官   大塚 秀夫君         運輸省運輸政策         局長      中村  徹君         運輸省国際運輸・         観光局長    寺嶋  潔君         運輸省地域交通         局長      佐々木建成君         運輸省港湾局長 御巫 清泰君         運輸省航空局長 宮本 春樹君         郵政大臣官房長 木下 昌浩君         郵政大臣官房経         理部長     吉高 廣邦君         郵政省郵務局長 小野沢知之君  分科員外出席者         警察庁交通局交         通規制課長   島田 尚武君         外務省中近東ア         フリカ局中近東         第二課長    大木 正充君         大蔵省主計局主         計官      原口 恒和君         通商産業省通商         政策局西欧アフ         リカ中東課中東         アフリカ室長  濱田 隆道君         建設省都市局都         市再開発課長  亀本 和彦君         参  考  人         (日本鉄道建設         公団総裁)   岡田  宏君         運輸委員会調査         室長      長岡日出雄君         予算委員会調査         室長      多田 俊幸君     ───────────── 分科員の異動 三月十二日  辞任         補欠選任   新盛 辰雄君     上原 康助君   武藤 山治君     馬場  昇君 同日  辞任         補欠選任   上原 康助君     新盛 辰雄君   馬場  昇君     小川 国彦君 同日  辞任         補欠選任   小川 国彦君     関  晴正君 同日  辞任         補欠選任   関  時正君     武藤 山治君 同日  第一分科員鍛冶清君、河上覃雄君、第二分科員  前田正君、志賀一夫君、第三分科員辻一彦君、  山中邦紀君、第六分科員薮仲義彦君及び第八分  科員井奥貞雄君が本分科兼務となった。     ───────────── 本日の会議に付した案件  平成三年度一般会計予算  平成三年度特別会計予算  平成三年度政府関係機関予算  (運輸省及び郵政省所管)      ────◇─────
  2. 愛野興一郎

    愛野主査 これより予算委員会第七分科会を開会いたします。  平成三年度一般会計予算平成三年度特別会計予算及び平成三年度政府関係機関予算郵政省所管について、昨日に引き続き質疑を行います。  質疑者は時間の厳守、また、大臣、各政府委員答弁を簡潔にお願いをいたします。  質疑申し出がありますので、これを許します。河上覃雄君
  3. 河上覃雄

    河上分科員 私は、普通郵便局設置の問題につきましてお尋ねをいたしたいと思います。  市制施行地集配郵便局のない自治体がございますが、集配郵便局設置する場合の基本的な考え方についてまずお尋ねをいたしたいと思います。
  4. 小野沢知之

    小野沢政府委員 お答え申し上げます。  集配郵便局ですが、従来からできる限り行政単位設置してきておりますが、具体的には人口面積取り扱い業務量等によって決定しておりますので、例えば東京都のように一行政区に複数の集配郵便局設置している場合もあれば、また隣接する市町村の郵便局集配事務等を行っているために集配郵便局設置されていない行政区もあるという状況にございます。このように集配郵便局を必ずしも行政単位設置していない理由についてでございますが、それは、新たに集配郵便局設置する場合、郵政事業の厳しい財政状況下の枠の中でいろいろな要素、例えば受け持ち区域人口面積とか、将来の発展状況とか、都市計画の規模とか、隣接する集配郵便局との距離とか、経済性とか、集配郵便局設置のための適地があるかどうか、そういった点などを総合的に勘案しながら候補局設置の可否を個々に決定しているところでございます。  今後とも、郵便局舎設置に当たりましては、安定した郵便業務運行確保中心とする郵政事業の円滑な推進都市開発計画等当該地域発展動向をよく見守りながら対処していきたいというふうに考えております。
  5. 河上覃雄

    河上分科員 私の居住する区域の中に綾瀬という市があるわけでありまして、この綾瀬市は特定郵便局が三局あって、普通郵便局はございません。市からもさまざまな要請、要望等郵政省当局に参っておることと思いますけれども、この綾瀬市、国の機関がほとんどないというのが現状でございまして、警察署もございません。そして保健所等もございません。しかも全く駅がない。綾瀬市を通過するのは新幹線の素通りだけ、あと周辺を全部路線がかすめております。その市もようやく八万になりました。間もなく十万は間違いなくいくだろう、こういうことになっているわけでありますが、極めて不可思議なところでございます。市民皆さん方要望も強いわけでありますけれども、今一生懸命市は町づくりに力を注いでおりますし、新しいタウン計画を積極的に事業化して今取り組んでいる最中でございまして、間もなくこれができれば一万数千名は人口増加が見込まれて、そして十万人を突破するであろう、こんな計画を持っております。そうした公共公益施設等を整備されてないために、ある意味では周辺地域に若干取り残されるような形があるわけでありますが、何とか、先ほど申し上げましたように少しずつ新しい町づくりに寄与してまいりたい、こう考えております。  現実的には、先ほど申し上げましたように特定局三局しかございませんし、職員も大体三名くらいしかおりませんものですから、隣接する藤沢市の北局へ行かなくてはなりません。こうした状況にございますので、何とか綾瀬市に本局としての集配郵便局設置する計画、これは近々あるいは将来的において計画はないのか。この点についてお尋ねを申し上げたいと思います。
  6. 小野沢知之

    小野沢政府委員 御事情、お立場、非常によくわかるわけですが、残念なことですが厳しい財政状況下にございまして、過去十年間でも集配郵便局は全国で十七カ所しか設置できてないという状況でございまして、そういう意味で、お気持ちはわかりますが、呼び水的に集配郵便局設置するという余裕が私ども郵便事業としてございませんが、その辺のことをちょっと御説明させていただきます。  集配郵便局設置につきましては、先ほど申し上げましたように人口面積業務量等によって決定しておりまして、これまでの設置例を見てみますと、特に発展が著しい地域に所在して当該地域を受け持つ集配郵便局新築、増築による局舎改善では、将来にわたって安定した郵便業務運行確保中心とする郵政事業の円滑な推進が困難な場合に事実上限定されて実施してきたというのが状況でございます。このように集配郵便局設置は限られた予算の範囲内で地域発展に伴う業務量増加に対処するために行っておりまして、都市としての発展が停滞している現況にある地域設置することは極めて困難という状況でございます。  なお、神奈川県の綾瀬市の集配事務等につきましては、昭和四十二年の藤沢北郵便局設置以来同局受け持ちとなっておりますが、その後、同局局舎が狭隘となったことから、二年半前の平成元年八月に藤沢市の下土棚から同市高倉へ移転新築しまして、今後の両市の発展に対応する局舎を整備したわけでございまして、現在、業務運行支障なく円滑に運営されているように聞いてございます。このように、今後の発展を見込んで藤沢北郵便局新築したばかりでございますし、業務運行も円滑に推進されておりますので、綾瀬市に新たに集配郵便局設置することは困難であり、目下のところその建設計画はございません。しかしながら、ただいま先生からニュータウンの計画があるというお話もございましたけれども、今後状況が変化いたしまして綾瀬市それから藤沢市の人口が急増し、またそれに伴って取り扱い業務量増加するといったことによって藤沢北郵便局局舎がさらに狭隘となり、業務運行にも支障が生じてくるということになった場合には、綾瀬市への集配郵便局設置を含めて郵便局舎施設全体の整備についても検討することにはなろうかと考えておりますが、現在の状況ではお答え申し上げる限界はそういうことでございます。
  7. 河上覃雄

    河上分科員 下土棚のときは綾瀬との隣接なので非常に近かったのですね。それが奥へ行ってしまいましたので、綾瀬市から見ますとますます遠い位置関係になる。藤沢市の方は比較的大きな市でございますので、最近では慶応大学も四月から開校されましたものですから、それに伴って人口増もさらに予定されます。その意味で、新しい郵便局舎の移転についてはいろいろとさらなる便宜を図られることと思うのですが、綾瀬立場からいいますとますます遠くなったというのが実感、実情でありまして、これは何とかしてもらいたいな、私はこんな感想を持つわけです。  これは私の勝手な考え方ですが、特定三局を昇格させるなんという道はないのか、新しく建てろというまでもない、その一局を移転してでも新しく建てられる要素あるいはそういう考え方、こういう考え方は採用できないのだろうか、こんなふうに思うわけでございまして、さまざまな変化に対応してそれまで待つということが、なかなか長い時間を要してしまえばそれだけ利便性を欠くわけでございますし、今、両市ともども人口発展があれば考えなくもない、こういうお話でございますが、今申し上げましたように、これはちょっとお伺いしますが、どのぐらい目安としてふえれば何とかなるのでしょうかね。そしてさっき申し上げたような、特定局を昇格するようなシステムはないのか、あるいはその中合併してでも一つ建てるという考え方はいかがなものか。この点ちょっとお願い申し上げたいと思います。
  8. 小野沢知之

    小野沢政府委員 先生の御発言ですのでこれから当該地域を注視してまいりますけれども、ただいま私どもが把握している状況ですと非常に難しいと思いますが、世の中というのはいつ何が起こってくるかわかりませんから、その辺の動きのことを期待したいと思います。  なお、特定郵便局窓口業務主体とするものでございまして、直ちにそれが集配業務につながるということにはなりませんので御了解いただきたいと思います。
  9. 河上覃雄

    河上分科員 一番市民皆さんが不便に感じていますのは、例えば書留郵便配達されたとき不在等である。滞留でありますと行かなくちゃならないとかいろいろなことがあるわけでありまして、ここはまた余り道路事情がよろしくないものでございますから、これの往復に要する時間等非常にかかるわけであります。少しでも皆さん利便性確保するためのものであるならばと、これが実感でありまして、こうした場合、お知恵もおかりしたいわけでございますが、何とかこうした事情を考慮してこれに対して講ずる手だて、措置というものはないのかどうか、今度はこういう角度お尋ねしたいと思うのです。
  10. 小野沢知之

    小野沢政府委員 ただいまお話を伺いましたような事情地域であるだけに、今御指摘の点、配意していきたいというふうに考えておりますが、具体的なことについて申し上げます。  配達時に受領印をいただく必要のある書留郵便物とか小包郵便物などは、お客様が御不在配達できなかった場合につきましては、郵便関係法令に基づきまして、不在配達通知書を差し入れることにより当該郵便物郵便局に保管している旨お知らせした上で郵便局に持ち戻るということになっているわけでございますが、郵便局に持ち戻った郵便物につきましては、以前はお客様指定する日に再度配達する取り扱いと、お客様配達局までお越しいただき郵便局窓口で受け取っていただく取り扱いを行っておりましたけれども配達局まで出向く不便を解消してほしいというお客様の御要望が多く寄せられておりますので、それにおこたえするために、昭和五十八年の六月以降不在持ち戻り郵便物受け取り方法多様化を図ってきたところでございます。その結果現在では、ただいま申し上げました二つの方法のほかに、次のような方法で受け取ることができることとなっております。これらの施策についての周知が徹底していない嫌いがありますので、ただいまPRに努力しているところでございます。  その四つの方法と申しますのは、一つ隣家等代人への配達ということで、お客様指定したお隣の家等代人配達する取り扱いでございます。二番目が、お客様指定した郵便局窓口での交付でございますが、お近くの郵便局または勤務先近くの郵便局など受け取るのに便利な郵便局指定していただいて、その窓口でお渡しする取り扱いでございます。三つ目勤務先への転送サービスということで、御家庭で受け取ることができないお客様のために勤務先へお届けする取り扱いでございます。四番目が、これは昨年の十月から実施した新しい施策でございますけれども郵便局長が委託したコンビニエンスストア等小包郵便物をお渡しする取り扱いでございます。  ちなみに、具体的に綾瀬市内コンビニエンスストアでの交付につきまして現地の状況を御説明を申し上げますと、コンビニエンスストアが五店舗あるそうですが、そのすべてと折衝中でございます。ところで、今のところ、保管スペースがない、人手不足によって対応することができないという理由で実現しておりませんけれども、なお継続して鋭意折衝していくようにというふうに指導いたしております。そのほかの受け取り方法は可能でございますので、最も都合のよい方法を選択して受け持ち集配局へお申し出いただければ、御指示のとおりの取り扱いを行うので、御利用願いたいというふうに考えております。  今後、より便利な受け取り方法とするよう改善努力いたしますが、例えば、コンビニエンスストアでの交付取り扱い箇所数をさらに拡大するほか、駅だとかお米屋さんだとか薬屋さんとかそういったところ、郵便物を受け取るのに便利な店舗をさらに探っていきたい、そういった努力を重ねたいと思います。  以上でございます。
  11. 河上覃雄

    河上分科員 綾瀬の概要につきましては先ほどもお話し申し上げたとおり、国の機関等ほとんどないと申し上げました。何とか活力ある町にも発展していただきたい、こう思っているところでありますけれども、昨年、郵政省さんと厚生省さんの間で、郵便局社会福祉施設合築に関するお話がございました。私は、今の綾瀬市など、こうした側面で大いに必要、また対象になり得るのではないか、こんなふうな感想を持っているわけでございますけれども、こうした建物をつくることによって市の活性化につながる、あるいは貢献できればと思うわけでございますが、このような市、このような状況綾瀬に対しましてこの合築という考え方はあるのか、この点についてお尋ねしたいと思います。
  12. 小野沢知之

    小野沢政府委員 お答えいたします。  郵便局社会福祉施設との合築につきましては、郵便局用地高度利用という観点社会福祉施設の充実を図るという観点から、昨年七月、郵政大臣厚生大臣との会見が実現し、これを推進するということで合意がなされましたことは事実でございます。  合築する建築物についてでございますけれども、安全、管理、防災等十分配慮するとともに、郵政省社会福祉施設設置主体双方にとって望ましい施設とするために、財政当局の御了解も得まして、平成三年度の予算政府案におきまして郵便局社会福祉施設との合築あり方に関する調査研究費確保されておりますので、そのあり方について近く多角的な調査研究に着手する予定でございます。  一方、そうした本格的な実施に備えるために早目早目に手を打とうということで、局舎改善が必要な郵便局で、機能面設備面から見まして比較的合築が容易な小規模の無集配郵便局三局をモデル局として選定いたしまして、昨年十一月以降厚生省関係地方自治体に提示いたしまして、現在具体化に向けて鋭意協議を行っているところでございます。郵便局社会福祉施設との合築本格実施につきましては、以上の調査研究モデル局試行実施の結果を踏まえて進めていく方針でございます。  そこで、綾瀬市についてこの辺の考え方を適合してみますと、綾瀬市において、今後の発展によりまして同市に所在する無集配郵便局建物新築が行われる場合、それから、新たな無集配郵便局設置が行われる場合につきましては、市当局と十分に意思疎通を図りながら郵便局社会福祉施設合築可能性について検討していくこととしたいということで、この辺に若干の活路があろうかというように考えております。
  13. 河上覃雄

    河上分科員 今の合築の基本的な考え方はわかりました。今の綾瀬みたいなこうした状況、もちろん建物、それから位置、さまざまな要素があるということも伺いました。端的に申し上げまして、これは検討する可能性があるのか、対象になり得るか、この点端的にお答えいただけますか。
  14. 小野沢知之

    小野沢政府委員 現在の私の立場からいたしまして、可能性があるかどうかという即答を求められますと非常に難しいので、先ほど申し上げたような回答に今のところとどめていただいてこれから研究を深めたいというふうに考えます。
  15. 河上覃雄

    河上分科員 ちなみに、この際お伺いしておきたいのですが、全国的にはこの合築計画はどのぐらい現時点でございますか。
  16. 小野沢知之

    小野沢政府委員 合築は、地元の地方公共団体と体育館との合築が一例ありまして、あと職員宿舎とか、そういうふうにまだケースとしては非常に少ない状況にございます。そこで、先ほど申し上げましたような本格的な調査研究実施した上で取り組みたい、こういうふうに考えている状況にございます。
  17. 河上覃雄

    河上分科員 この合築方式と申しますか、今申し上げました綾瀬市にもぜひとも対象としてお考えいただければ大変にありがたい、こう思うところでございます。  もう一点お伺いしたいわけでございますが、ニューメディア事業など、既存の特定局エリアスポットとして活用していこう、複合的な施設として活性化するための仕組みづくりやこのような観点からさまざまな工夫を将来的に考えておられるのかどうか、これは最後大臣お尋ねをしたいと思っております。
  18. 関谷勝嗣

    関谷国務大臣 先生指摘考え方と私も全く同一でございまして、二万四千もあるこの郵便局のネットワーク、こんなようなすばらしいものは他に類がないわけでございますから、それと今度は電気通信事業をどのように表裏一体の関係にして発展させていくかということが喫緊の課題であると私は考えておるわけでございます。そういうような考え方によりまして、現在郵トピア構想モデル都市とか、あるいは指定をいたしておりますが、テレトピア構想指定地域などを中心にいたしまして、ニューメディア機器の配備を行って試行的に今実施しているところでもございます。  したがいまして、今後、先生指摘のように、特定郵便局活性化を図る施策を展開するという意味におきましても、なお、そういうニューメディア機器郵便局に併合、設置をいたしまして、ますますその地域の方々の利便そしてまた利益に直接発展をするように、あらゆる角度から努力をしたい、そのように考えております。
  19. 河上覃雄

    河上分科員 将来の方向に向けましての大臣お話、大変ありがとうございます。  数多い拠点でございますし、私もいろいろと郵政局等歩きますと、もっともっとこれはいろいろな意味で町の核づくり中心になる可能性を持っておるな。私の母親など、七十六歳になりますが、いまだに銀行に行ったことはない。行くのは全部昔から郵便局。むしろ年寄りのサロンみたいな時代もありました。非常にそうした入りやすさ、使いやすさ等あるわけでございます。高齢化社会を迎えることでもございますし、いろいろな施策を講じられると思いますけれども、その一つのコアとしての役割を果たしていくことは非常に重要であろう、こんなふうに思っております。  と同時に、重ねて最後、総論になりますが、綾瀬みたいな状況の、町ならいいのですが市でございまして、ぜひ何とか、先ほどお話し申し上げましたように、さまざまな角度から御検討、そして活力あるものにしていただければありがたい、最後に強くこれはお願いを申し上げまして、私の話を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  20. 愛野興一郎

    愛野主査 これにて河上覃雄君質疑は終了いたしました。  以上をもちまして郵政省所管についての質疑は終了いたしました。  午後二時三十分から当分科会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午前九時二十五分休憩      ────◇─────     午後二時三十分開議
  21. 愛野興一郎

    愛野主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  運輸省所管について、きのうに引き続き質疑を行います。  この際、分科員各位に申し上げます。  質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力賜りますようお願いいたします。  なお、政府当局におかれましては、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。  質疑申し出がありますので、順次これを許します。前田正君。
  22. 前田正

    前田(正)分科員 私は、昨年の二月に衆議院に初めて当選をさしていただいたところでございます。  私は大阪二区というところでございまして、とりわけ大都会の選出でございます。御承知のとおり、大都会は大変に今駐車の問題で頭を悩ましておるところでございます。したがいまして、私も大変関心のあるところでございまして、駐車に関する問題について何点か御質問をさしていただきたい、かように思います。  今、東京が瞬時に十八万台の駐車があるとか、あるいはまた大阪は二十二万台の駐車があるとか言われておりますが、そのうちの約九五%以上が違法駐車と言われておるわけであります。東京に比べ、大阪というところは、通勤圏内が大体一時間内というところが大変多うございますから、電車で通勤をするのと車で通勤をするのと余りそう時間が変わらないために、割と、意外と車で通勤をするという方が多いというふうに私は考えておるわけであります。また、その駐車による弊害としては、夜、救急車が例えば住宅地域に入るときに車が駐車をしておって、そのためになかなか入れなかったために一命を取り落としたというふうな実例もあるように聞いておりますし、また、火事を引き起こした、そのときに消防車がその駐車のために入れなかったために大変な大火となったというふうなことも聞いておるわけであります。  そういう点で、最近の違法駐車実態をどのように把握をされておられるのか、まず警察庁お尋ねをいたしたいと思います。
  23. 島田尚武

    島田説明員 最近の違法駐車実態でありますが、平成二年の四月に東京二十三区で調べましたところ、これは幅員四・五メートル以上、四輪車を対象にしますが、瞬間のいわゆる路上駐車台数は二十万台余でありまして、その八八・二%が違法駐車、今先生お話がありましたように平成元年は十八万台余でありましたので、一年間で相当の増加を見ておる。一方、大阪市の場合でありますが、これは平成二年の八月に、同じく四輪車で、通行可能な道路ということで少し多く調べておりますが、ここでは二十万四千台余ということで、その八五・七%が違法駐車であった。なお、大阪市の一昨年との比較、平成元年平成二年を見ますと、若干事情が好転しているようであります。  いずれにいたしましても、この大都市における駐車の問題、事故や渋滞の原因になることはもちろんでありますが、今御指摘がありましたように、消防、救急活動やさらにごみ収集等を含めまして国民の生活に非常に深刻な影響を与えている、このように認識しております。
  24. 前田正

    前田(正)分科員 警察としてその違法駐車の現状を解消するために、警察官のパトロールで違法駐車の摘発並びにまたレッカーの移動、非常によくやっておられるところでございます。しかし、私どもが見ております現状では、そのときは既に、例えば横で連絡をし合って、警官が来たぞというふうなことでぱっと皆乗って散るわけですけれども、またそれが終わりましてから一台ふえ二台ふえ三台ふえてまたもとどおり、もとのもくあみやというふうな、そういう駐車の現状を我々よく見ておるわけでありますけれども、こういった現状を解消するためにさらにどのような対策を講じておられるか、その辺を警察庁の方からお聞かせをいただきたい、かように思います。
  25. 島田尚武

    島田説明員 このような都市駐車問題に対しまして、昨年の第百十八回国会におきまして、道路交通法及び自動車の保管場所の確保等に関する法律の改正をしていただきました。そして、道路交通法につきましてはことしの一月一日から施行になっております。また、いわゆる車庫法の方につきましては、この七月一日から施行ということで現在鋭意準備を進めているところであります。  この一月一日から改正法が施行になっております道路交通法関係駐車違反の取り締まり状況を見ますと、本年に入りまして、二月末現在で全国では駐車違反の取り締まりが四十五万五千件を超えておりまして、昨年の同期に比較しますとおよそ二〇%の増加になっております。また、東京ではこの間十一万件、同じく前年の同期に比較いたしましておよそ四一%駐車違反の取り締まりがふえている。大阪ではこの間およそ五万件でありまして、こちらの方は昨年に比べまして四%程度の増で、これから相当取り締まりがきつくなっていくだろうというふうに思います。  このような取り締まりと同時に、私どもといたしましては、何と申しましてもこれは附帯決議にも述べられていることでありますが、駐車場の整備等を含む構造的な対策が一方で車の両輪として進まなければならないというふうに考えておりまして、全国の都道府県警察に対して、特に重要であります自治体に、例えば公共駐車場の整備であるとか、あるいは駐車対策協議会、これはいろいろなところに関係しますので、道路管理者あるいは都市計画担当部門の方々を含めて駐車対策協議会の設置、また、車庫の面ではマンションの問題が非常に重要でありますので、いわゆるマンション要綱と称するようなものの制定の促進、あるいは駐車場法に基づく、きょうも建設省からお見えでありますが、附置義務条例制定の促進、こういったことについて自治体に強く住民等と一緒になりまして要望を申し上げている。あわせて警察の方といたしましても、ただ取り締まるだけではなくて、駐車場がどこにあるというふうなことを、例えば駐車違反の取り締まりをするときにそのワイパーのところに、付近にはこんな駐車場があるんですよというようなことを地図をつくって挟んであげるというようなこともしながら、マナー等を含めた向上に努力をしているというのが現状でございます。
  26. 前田正

    前田(正)分科員 警察として随分御努力をいただいていることは私どももよく承知をいたしておるところでありますが、ひっかかる方とひっかからない方がこれはあるわけであります。これは人で、警察官が取り締まるということでございますから、これは全体的に全部が一度にということは不可能だと思いますが、できるだけ全力を挙げてこの駐車違反摘発にひとつ御努力をいただきたいというふうに思うわけであります。  さて、違法駐車の対策を進めるには、先ほどもお話がありましたとおり駐車場の整備がやはり必要であろうと思います。しかし、現在大都市ではこの数年の間地価の値上がりが大変ひどく、大阪なんかも特にそうでありますけれども、今まで民間駐車場というものよりも、もっと収益の上がるマンションを建設をしてみたりあるいはまたビルを建設をしたりして、非常に収益のよいものにかえつつあるわけであります。また、駐車代の料金もそうでありますが、これは大阪でありますが、民間で大型乗用車大体一時間八百円ぐらいの料金であります。一時間で八百円というのはこれは余りにも高過ぎるような気がするわけでありますから、ついつい我々大阪では、もったいないというふうな話の中から、五分や十分や十五分ぐらいだったら路上にとめておく方が得だろう、見つかったらしゃあないから罰金払うたらいい、そういうふうな考えのもとに意外と駐車というものがあるように思うわけであります。したがいまして、都市における駐車場整備の現状というものがいかになっておるのか、あるいはまたこの整備現状を建設省の方ではどのように認識されておるのか、その辺をお聞かせをいただきたいと思います。
  27. 亀本和彦

    亀本説明員 駐車場法によりまして届け出が必要でありますような公共用の、言いかえれば時間決めの駐車場でございますが、そういったものの整備量は、昨年の三月末現在で全国で百五十九万台余になっております。この数字自体は十年前の数字に比べまして一・九倍の増加にはなっておりますけれども、自動車自体も非常にふえているということがございます。そこで、自動車の保有台数と比較して考えてみますと、昨年の三月末現在で自動車三十五台に一台分の駐車場スペースがあるということになります。この数字も十年前に比べまして約一・二倍の整備水準になっております。  このように駐車場の整備量自体は伸びてきておりますけれども、今日の全国の都市におきます路上駐車、先ほどお話がありました違法駐車の蔓延ということ、それから駐車場の不足を原因といたします地方都市中心市街地での活力の低下、こういったような問題に見られるように駐車場の整備はいまだ不十分であるというふうに認識しております。したがいまして、建設省といたしましては、これまで以上に積極的に駐車場の整備を促進しなければならないというふうに認識いたしております。
  28. 前田正

    前田(正)分科員 昨年、道路交通法の一部を改正する法律案及び自動車の保管場所の確保等に関する法律の一部を改正する法律案に対する衆議院の附帯決議においても、駐車場に対する施策の充実を早急に図ることが決議されたところでございます。  公営駐車場が大都市には余りにも少な過ぎる。今年の予算の中で、私どものおります大阪市にも二カ所ほど、道路の地下の部分に約二百五十台程度の駐車場をつくるということに決まったようでありますけれども、全体的なことから考えまして二百五十台という数字は、もちろんないよりもあった方がいいというのは当然でございますけれども、とても二百五十台の数字ではどうしようもないというのが現状であろうと思いますし、また地下というのは、私も専門家ではありませんけれども、道路の下にそういう地下の駐車場をこしらえるということはコスト的にも非常に高くかかる、そんな感じがいたします。何か話を聞きましたら、一台の車を駐車するのに大体地下でありましたら数百万か一千万ぐらいのコスト高ということになるような感じがするわけであります。  しかし、都市においての空間というものが非常に限られておるわけでございまして、そういうところの部分も使わなければならぬということはよくわかるわけでございます。しかし、私が考えますところ、大都会には大変緑の多い公園というものが必ず何カ所かあるわけでございます。この公園の公共空間というものを利用されて公園を二階建てで二階へ上げて、下をピロティー方式にして下に駐車場をつくる、上は公園にしてそのまま地域の公園としてお使いになるということになりますと、そういう点では、地下に駐車場をこしらえることよりも、手軽な公園を利用して駐車場をこしらえる方が、より単価的に、コスト的に非常に安くなるような感じが私はいたしますので、こんなこともあわせて御検討もいただきたいと思います。  またもう一方、公共的駐車場もさることながら、民活を利用しなければならぬというふうに思っておりますし、例えば固定資産税を安くするとか税制面で考えてあげるとか、あるいはまた駐車場の建設資金等々につきましては十年間無償でそういう設備に対してはお貸しするというふうな思い切った施策をしなければならぬと私は思うわけであります。その辺の建設省の取り組みの現状について、一遍ひとつお聞かせをいただきたいというふうに思うところであります。
  29. 亀本和彦

    亀本説明員 先生指摘のように、建設省といたしましては、従来から、公共、民間の役割分担のもとに、一つ駐車場法に基づきまして附置義務条例という条例をつくることによって、一定の建築物をつくる場合については必ず駐車場を附置させるようにするとか、もしくは有料道路融資等の融資制度を使いまして民間公共セクターがつくります駐車場の整備をしてきたわけでございます。  しかしながら、さきの国会でいわゆる車庫法等の改正の際に種々御指摘があったように、駐車場の整備はまだまだ不十分であるということで、平成三年度からは総合的かつ計画的な駐車場対策を進め、商店街の活性化ないしは安全かつ円滑な道路交通を確保するために大幅な補助制度を拡充することといたしたいという御提案をしているところでございます。  特に、商店街等におきます民間の共同駐車場につきましては補助制度を創設し、また、市街地再開発事業等の面的な開発事業におきましては従前からあります補助制度の拡充をすることによって駐車場の整備を進め、また今般五カ年計画をつくることになっております特定交通安全施設等整備事業によりまして、道路管理者みずからが駐車場を整備していく、公共団体みずからが整備をしていくということを進めていくことにしております。あわせまして、従前からやっております民間第三セクターに対する融資制度の拡充も図ることにいたしております。  また、先生指摘の税制面におきましても、民間の駐車場に対します所得税、法人税にかかります割り増し償却制度の創設、固定資産税、不動産取得税の特別措置の大幅な拡充、これは税制改正でお願いしているところでございます。  また、そういった駐車場の整備を進める際に、道路、公園等の公共空間の地下利用、それから、つくりました駐車場の有効活用を図りますための駐車場案内システムの整備、こういったことについてもやっていきたい。特に駐車場の用地難ということがございますので、道路、公園の機能を損なわない範囲内でそういったものの整備を積極的に推進して用地を活用してまいりたいというふうに考えております。  さらに、今国会に道路法及び駐車場法等の一部を改正する法律案を御提出いたしておりまして、市町村の駐車場整備計画の策定の推進、それから附置義務制度の強化、こういったあたりの施策も同時に推進して駐車場の整備を図っていきたいというふうに考えております。
  30. 前田正

    前田(正)分科員 特に、私が申し上げたこの大都会における駐車は非常に深刻な問題でありまして、公民両方あわせながら、まず駐車場の確保というものが非常に大事だと思います。警視庁で幾らハエを追うようなことをやっても、駐車場がない上にその取り締まりを強化するというのも、車を運転する方にも大変酷な話だというふうに思っておりますので、大変大胆な施策によって、できるだけ公民あわせて非常に多くの駐車場の確保ということについて、ひとつ建設も努力をしていただきたいというふうに考えておるところであります。  さらに次に、その違法駐車等による影響もございまして、この大都会というのは大変に交通が混雑をしておるわけであります。高速道路でありながらも、高速料金を払っておっても、何台かの車が故障になったりあるいは事故を起こしたために非常に停滞をする。何か、高速に乗ったことが速いのか遅いのかよくわからぬというふうなこともあるわけであります。私は、韓国へ行きました折に、その交通の状況を少し調べてまいりましたら、ナンバープレートなんかで、一のつく日にちは最後の末尾が一の車は走れないとか、あるいはまた、二のつく日は最後の末尾が二のナンバーが走れないというふうな、大変ユニークなそういう施策を取り入れておるという韓国でございました。なかなかおもしろいなというふうな感じもいたしましたけれども、実際日本で、それが国内でできるかどうかというのは非常に疑問でございますが。  幸いにして大都会は、公共的乗り物機関というものが大変整備をされておるところであります。私どもとして一番身近に乗るのが地下鉄でございますが、この地下鉄の整備というものが大都会においてかなりそういう点ではおくれておるような感じがいたしますけれども運輸省のその取り組みについて、ひとつお聞かせをいただきたいと思います。
  31. 佐々木建成

    ○佐々木(建)政府委員 先生お尋ねの、大都市における道路交通の渋滞の解決策としての地下鉄の整備でございますが、限られた都市空間の制約に適切に対応できるように、地下鉄などの大量公共輸送を中核としました効率的な交通体系を形成する必要があるというふうに私ども認識しております。  その点につきましては、昨年の道交法の一部改正それから車庫法の一部改正の際に付されました附帯決議の中でも、「都市の交通悪化の現状を改善するためには、公共交通の充実が不可欠である。」というふうに触れてあるわけでございます。そういった観点から、私どもとしましては、東京大阪といった大都市圏ごとに策定されました鉄道網整備計画、これは運輸政策審議会の答申に基づいた計画でございますけれども、そういった鉄道網整備計画に基づきまして、各種の助成制度を活用するなどによりましてその進捗を図っているわけでございます。大阪圏につきましては、平成元年五月の運輸政策審議会の答申に基づきまして、新線の建設やあるいは複々線化等を進めているという状況でございます。  それで、大都市鉄道を整備しますときに、用地費が非常に高くなっているとか工事がなかなか難しくなっているとか、いろいろ難しい問題があるわけでございますけれども、大都市鉄道を計画的に整備するための助成制度の充実を図るということで、平成三年度の予算案におきまして鉄道整備基金という特殊法人の設置を盛り込みますとともに、この鉄道整備基金による地下鉄補助金の大幅増加を政府予算原案で決定しております。これは、前年度四百一億の補助金が六百五億にふえるというような五〇%強の増加でございますが、そういった大幅増加を行いまして、従来よりも一層手厚い助成を行うということにしております。これらの関係法案につきましては、きょうの衆議院の運輸委員会で御可決いただいて、さらにこれから審議が引き続き行われるということになるわけでございますが、これらの措置によりまして大都市鉄道の整備が一層進捗するものと考えておりますし、私ども努力していきたいと思っております。
  32. 前田正

    前田(正)分科員 都会における地下鉄は、大変便利な乗り物であり、値段的にも非常に手ごろなものであるというふうに思っております。また地下鉄も、最近は普通のサイズとミニ地下鉄というのがありまして、ミニ地下鉄はコスト的にも多少安く上がるようでございまして、そういうミニ地下鉄なんかも場合によっては、大量に運ぶことはなかなかできませんけれども地域によってはそういうものも導入してはというふうな話から、我々の大阪市でもミニ地下鉄の導入というものが積極的に進められていること、我々も大変に喜んでおります。  また一方、地下鉄ということは、これも先ほどお話が出ておったように、コスト的に大変高くかかるようでございますし、都市機能としてはもちろん地下鉄も大事だと思いますけれども、モノレールというのは柱だけで、空間をうまく利用すれば通れるわけでございまして、場合によっては、ニュートラムだとかモノレールだとか、こういうものもあわせて、地下鉄の関連する整備というものをぜひ一遍検討していただきたいというふうに思っております。  それから、大都市は二十四時間国際都市と言われるわけでございまして、現在も外国との情報交換等々があるわけでありますから、まさに深夜、夜中でも働いている方が非常に多い。まして大阪には、新国際空港という二十四時間オープンのすばらしい空港を今建設をするわけであります。したがって、外国のそういったお客さんがどんどん空港へ来られましても、そこからのアクセスの点で、実際都心へ入ってきたりするのに大変いろいろと問題があろうというふうに思っております。  それからまた、一方では、私どもの飲み屋街といいますか新地というところがありますけれども、ここらあたりのホステスさんが夜お帰りになるのに、電車がございませんし、また、夜はタクシーの数が大変に少ないこともありまして、お酒の場所に車を乗っていくというのはどうかと思いますが、働きに行く方々、ホステスさんあたりがずっと道路わきに自分の車をおとめになって、帰りしなそれに乗られる、そういうことであの辺が非常に混雑をするということであります。銀座も一部そういうところがあるように聞いておるわけでありますけれども、これからの国際都市は二十四時間体制の大都市として、やはりその交通網の運行する時間帯というものを私はもう少し考えてもらいたいというふうに思っております。ニューヨークの地下鉄は、何か朝あたりまでずっと走っておるようでありますけれども、この大都会の地下鉄は大体十二時前後で最終電車ということになるようでございますから、それ以降の方々はほとんどが、帰るにはタクシーか自分の車か、どちらかということになるわけであります。働いていらっしゃる方は、毎日ということになりますとタクシー代なんというのもばかになりませんから、当然自分の車に乗ってこられる。また、駐車するのに、そういうところの駐車代金が高いせいもあって、路上駐車違法駐車をする。こういう繰り返しがあろうかというふうに思っております。  したがいまして、都市における地下鉄が、現在あるわけでありますから、これが朝までということになりますと、労働組合の関係なりあるいはまた電車の整備等々も踏まえまして、これは大変だろうと思いますけれども、もう一時間か二時間ぐらい、せめて一時か二時ぐらいまで、間隔を少し間引いてでも運転すれば、その利用をすることによって随分路上駐車なり市内における混雑というものが緩和されるというふうに私は考えております。  その辺の運輸省としてのお考えを、一遍お尋ねをいたしたいと思います。
  33. 佐々木建成

    ○佐々木(建)政府委員 幾つかお尋ねがございました。  まず最初に、ミニ地下鉄というようなお話がございましたけれども、この点は先生指摘のように、それほど輸送量が多くない路線でリニアモーターのミニ地下鉄というのが既に採択されておりまして、大阪の花博の京橋から鶴見緑地までは開業しておりまして、平成三年度予算では、さらに京橋から心斎橋までの延伸を採択しているという状況でございます。それから、東京におきましても十二号線などでその導入が計画されているということで、需要の動向それからコストの関係によって適宜採択が行われていくことと思われます。  それから、モノレール等につきましても、中量規模の輸送機関として評価されているわけでございますので、路線によってそういうものが全国的に採択されることが今後進められると思われます。 それから、三番目の深夜輸送の点でございますけれども先生指摘のように都市活動の深夜化傾向というのがありまして、東京などでは二十四時間化というようなことが言われておるわけでございます。こういった深夜輸送の需要に対応しまして、これまでも、例えば鉄道につきましては夜間の時間帯の列車の増発をかなりやってきております。それから、終電時刻の繰り下げ、これも十分ではございませんけれども実施をしてきている。それからバスにつきましては、深夜バスの導入、拡充ということをやっております。これは、鉄道の端末駅における団地との関係の深夜バスもございますし、終電がなくなった後の鉄道代替の長距離の深夜バスというものも導入されているということでございます。それからタクシーにつきましても、例えばブルーラインタクシーの導入というようなものが講じられておるわけでございまして、どの輸送機関とは一概に言い切れない面があるわけですが、鉄道、バス、タクシーが一体となった輸送力増強対策を推進していくことが必要であるというふうに思われます。  しかしながら、今御指摘の鉄道による終電時刻の大幅な繰り下げという点につきましては、私どももいろいろやらなければならないという問題意識は持っておるわけでございますけれども、例えば終電になりまして始発の間が三時間ぐらいありますと、その間に路線の保守点検をやらなければならない、これは安全対策として必要でございますので、そういった時間の確保の問題。それから深夜に列車が走る場合の騒音の問題だとか、それから運転要員あるいは駅務要員を含めた要員の確保というようなこともございます。  そういったことで、ニューヨークの地下鉄の例が出ましたけれども、ニューヨークの地下鉄は、私が聞いておるところでは複々線の路線になっておるということで、片方をとめて片方を動かすことが可能だということで、あるいはそういうことになっているんじゃないかと思いますが、日本の地下鉄の場合はまだ複線でございますので、そういった意味での一定の制約もあるということでございます。  そういった問題もあるわけでございますけれども都市活動の深夜化といった実態に即応した深夜輸送対策の推進には引き続き努力してまいりたいと思います。
  34. 前田正

    前田(正)分科員 時間になりましたので、もう一つだけ質問したかったわけでありますけれども、時間がありませんので、それではこれで終わります。ありがとうございました。
  35. 愛野興一郎

    愛野主査 これにて前田正君の質疑は終了いたしました。  次に、山中邦紀君。
  36. 山中邦紀

    山中(邦)分科員 私は、タクシーの労働条件、なかんずく賃金と最近の運賃改定に関係して質問をいたしたいというふうに存じます。  運輸省の発行しております平成こ年度の「運輸経済年次報告」、これは特に一章を割きまして「労働力不足の進行と運輸」ということでいろいろ論述をしておられます。その中にはもちろんタクシー事業に関する部分があるわけでありますけれども、タクシー事業関係におきます人手不足実態、それからそれがどういう形で影響を及ぼしているか、車の台数、実働率あるいは運転手さんの雇用数などにあらわれていると思いますが、御説明をいただきたいと思います。
  37. 佐々木建成

    ○佐々木(建)政府委員 タクシーの運転者としての人手不足状況でございますけれども、経済構造の変化とか、あるいはタクシー事業の労働環境の特殊性などが原因となりまして、タクシー運転者になります希望者が年々減少の傾向にあるということで、特に東京などの大都市におきまして顕著になっておるわけでございます。  東京を例にしまして申し上げますと、法人タクシーに雇用されるための前提となる東京タクシー近代化センターへの運転者の登録数が、ほぼ十年前の昭和五十五年度において七万二千三百人程度であったものが、年々減少を続けまして、平成元年度においては六万四千三百人程度となっておるわけでございます。  このようなタクシーの運転者不足のため車両の稼働率の低下を招きまして、需要の旺盛な深夜の時間帯を中心に乗り場で長時間待たされるといったような、利用者にとってタクシーが拾いにくい状況になっているということでございます。
  38. 山中邦紀

    山中(邦)分科員 その原因についてはどう見ておられるか、今度のお答えの中でおわかりでありましたら、タクシー運転者の人数も減っているのではないかというふうに思いますので、それも含めてお答えをいただきたいと存じます。
  39. 佐々木建成

    ○佐々木(建)政府委員 やはりハイ・タクの運転者の賃金水準が他の一般の産業の労働者に比べて相対的に低いというようなことが原因ではなかろうかと思います。  数字を申し上げますと、労働省の平成元年度の賃金構造基本統計調査によりますれば、全国のタクシー運転者の年間平均給与額が三百七十万円というふうになっておりまして、全産業の男子労働者の平均が四百七十九万円でございますので、百九万円ほど低くなっておるという状況にございます。そういったことが大きな原因ではなかろうかと思います。
  40. 山中邦紀

    山中(邦)分科員 私は岩手の出身でありますけれども、地元におりましても実感を持ってそういうことを感ずるわけであります。タクシー労働者の平均年齢も上がっているのではないかというふうに思います。また、新しく採用される人が全体のタクシー運転者の中で占める割合も減っているのではないかというような点は、実情を把握しておられましょうか。
  41. 佐々木建成

    ○佐々木(建)政府委員 まず平均年齢について申し上げますと、全国のタクシー運転者の平均年齢が昭和五十五年度で四十・四歳であったわけでございますが、平成元年度では六年高齢化しまして四十六・五歳というふうに延びておるわけでございます。  それで平均の勤務年数と申しますか、それについて申し上げますと、昭和五十五年が平均勤続年数が六・七年であったわけですが、平成元年度では九・三年というふうに長くなっているわけでございます。これは若い人が入ってきにくいというようなことが一つの原因になっているのではないかと思います。
  42. 山中邦紀

    山中(邦)分科員 そういう人手不足の原因は、全産業的に人手不足が言われてはいるけれども、特にタクシー業で著しいのは、労働条件が過酷である、若い人がなかなか集まりにくいというところにあると思います。賃金面のみならず、労働時間の問題も現在問題になっているわけでありますので、その辺の実情も例示をしてお話を願いたいと思います。
  43. 佐々木建成

    ○佐々木(建)政府委員 タクシー労働者の労働時間につきましては、一般産業の男子の労働時間に比べて長いというようなことがございます。それで、これはタクシー運転者に限ったことではございませんけれども、労働時間の短縮ということが進められておりまして、現在まで週四十八時間であったものを四月から四十六時間にする、それからさらに二年後には四十四時間にするというようなことを現在進めているわけでございます。
  44. 山中邦紀

    山中(邦)分科員 労働条件にかかわって人手不足の要因をお述べになったわけでありますけれども、昨年、東京を皮切りに運賃の値上げが行われたようでございます。全国的にほぼ一巡をしたのでありましょうか、また運輸省のこの運賃値上げの認可に対する態度はどういうものであったのでしょうか。
  45. 佐々木建成

    ○佐々木(建)政府委員 先生指摘のように昨年、東京、横浜で大都市としましては六年ぶりにタクシーの運賃改定をやりまして、それの目的の大きなものとして、時短を含みますタクシー運転手の労働条件の改善ということをうたって実施したわけでございます。  その後、昨年の秋、名古屋と神戸について運賃改定の実施をしました。それは、趣旨は東京、横浜と同様でございます。  それから本日付でございますけれども大阪のタクシーにつきまして運賃改定を実施しました。その目的につきましては同様に主たる目的は労働条件の改善というようなことでございます。京都につきましては平成元年実施をしたという実績がございます。  そういうことで、六大都市につきましては一応一巡したということでございますが、地方の都市につきましては適宜また実施をそれぞれの地区で進めているという状況でございます。
  46. 山中邦紀

    山中(邦)分科員 運賃の認可は各地域にある運輸局が行うというふうに承知をしておりますが、労働条件改善を目的に値上げを認めたということは、具体的にはこれは事業者にそういう趣旨を徹底させることになると思いますが、どういう方法で徹底をさせているのか、それからその目的が実行されているかどうかについてはどうこれをチェックをしておられるのか。
  47. 佐々木建成

    ○佐々木(建)政府委員 東京の例で申し上げますと、昨年の五月の運賃改定に際しまして、関東運輸局長が所管しておりますので、関東運輸局長から通達を労働条件の改善等につきまして出しまして、事業者に対する指導をしております。また、関東を例に申し上げますと、労働条件の改善実施状況につきましては昨年の八月末までと、それからその次はことしの四月末までにということで報告をとるというようなことを実施しております。それから、他の局につきましても大同小異といいますか同じようなやり方をしております。
  48. 山中邦紀

    山中(邦)分科員 東京地区においては値上げは九・六%程度、このように聞いております。そして、これを前提に六十万程度の支給は当然ではないかというのが運輸局側のお考えのようですが、このとおりでしょうか。
  49. 佐々木建成

    ○佐々木(建)政府委員 昨年の五月二十六日の東京の運賃改定率は、今先生指摘のように九・六%の増収ということを考えてやったわけでございます。そのときに、国会での当時の地域交通局長答弁で六十万円程度の賃金の改善になるだろうという御答弁を申し上げたことがあるわけでございますが、その後九・六%の実収率が実はなかなか上がりませんでして、七・八%程度の実収になったわけでございますので、六十万円までいっていませんで、大体四十八万円台ぐらいに最終的になるのではないかというふうに推定しております。全部がまだまとまったわけではございませんので、四月の時点での結果を見て最終的には見たいと思いますが、およそそういうふうに推定されます。
  50. 山中邦紀

    山中(邦)分科員 岩手の場合は本年三月六日から一〇・五%の値上げということで認可がされ、実施がされているのであります。この場合、運転者にとっては年間どれぐらいの増収を見込んでおられるのか、おわかりならばお教えを願いたいと思います。
  51. 佐々木建成

    ○佐々木(建)政府委員 ことしの三月六日から岩手県におきましてタクシー運賃の改定をやったわけでございますが、改定率が一〇・四%ということで、タクシーの運賃値上げをすることによりましてお客様が逃げるというふうに考えませんで、逸走がないというふうに考えておりますので一〇・四%の増収になるだろうということで認可をしたわけでございます。実績的なものは、まだ三月六日からでございますのでこれからということになります。
  52. 山中邦紀

    山中(邦)分科員 一〇・四%ということのようですが、東京の従業員の年間予想収入増、当初六十万だったというのと同じ観点で、東北岩手の場合は見込みの数字が出されておりましょうか。
  53. 佐々木建成

    ○佐々木(建)政府委員 そういった見込みの数字は出ておりません。
  54. 山中邦紀

    山中(邦)分科員 ただ、増収分が全部従業員の待遇改善、賃金面に回されるとすれば、基礎的な数字があれば当然出てくるはずのものですね。
  55. 佐々木建成

    ○佐々木(建)政府委員 運賃の改定率として一〇・四%やったわけでございます。それで、そのうちの恐らくは相当の部分が人件費ということになると思われるわけですので、逸走がなければかなりの高い率になると思いますが、どういうようなお客さんの乗りぐあいになるのかというあたりがまだわからないものですから、それ以上のことはまだ考えておりません。
  56. 山中邦紀

    山中(邦)分科員 他の運輸局同様、東北運輸局も運賃値上げによる増収分は従業員の待遇改善に回すようにという通達を関係業者に発し、そしてその後の実施状況をフォローし、チェックする、こういう体制になっておりますか。
  57. 佐々木建成

    ○佐々木(建)政府委員 今先生の御指摘のとおりでございまして、三月六日の運賃改定に先立ちまして、二月二十六日付で東北運輸局長から岩手県の旅客自動車協会の会長あてに「タクシー事業の改善等について」という通達を発しまして、労働条件の改善につきまして「今回の運賃・料金改定申請の趣旨にのっとり、運転者の給与体系、労働時間等の労働条件の改善、向上を積極的に推進し、労働意欲の高揚を図ること。」とか「労働時間等の改善について、関係機関の指導を受けつつ適切な対応に万全を期すこと。」といったような内容を含んだ通達を出しまして、本年の六月末日、それから明年の三月末日までに改善状況を報告するようにという通達を出しております。
  58. 山中邦紀

    山中(邦)分科員 全国的にそういう指導をなさっているということがわかったわけでありますけれども、この改善状況の報告を徴しまして、これを点検し、当初の値上げ目的に沿わない場合はさらに指導する、こういうことを行っていただけるのでしょうか。
  59. 佐々木建成

    ○佐々木(建)政府委員 報告を徴収しました結果を見まして、それが今回の運賃改定の趣旨に沿わないような内容になっている場合は、事業者に対して強く改善の指導をしたいと思います。
  60. 山中邦紀

    山中(邦)分科員 労働力不足とその原因、そしてその対応策の一つとして「労働内容に見合う賃金水準の確保」、これは先ほどの年次報告の百二十七ページにも出ているところでありますけれども一つの方策として極めて大事なものだと思います。ところで、この「労働内容に見合う賃金水準の確保」というのは具体的には何を考えておられるのか。金額であるのか、他産業との比較であるのか、あるいは賃金の改善をインセンティブにして人手不足が解消するまでのことを考えておられるのか、この辺はいかがでしょうか。
  61. 佐々木建成

    ○佐々木(建)政府委員 先ほど御答弁申し上げましたように、タクシーの運転者の賃金水準は他産業の賃金水準と比較して相当低い水準となっているわけでございます。人手不足の折、その格差をできるだけ縮小するように事業者を初め関係者が努力する必要があると考えております。具体的にどこまでどうすべきか、あるべき姿がどこかということはなかなか難しいと思いますけれども、全産業の平均にできるだけ近づくような努力を重ねる必要があると認識しております。
  62. 山中邦紀

    山中(邦)分科員 全産業の平均労働賃金は賃金センサス等で数字が出てくると思いますが、これは全産業男子ということになるのでしょうか。それから、具体的には最近年次に発刊された賃金センサスを見ればわかる、こういうことになるのでしょうか。
  63. 佐々木建成

    ○佐々木(建)政府委員 労働省の平成元年度の賃金構造基本統計調査という統計調査がございまして、その統計調査の結果によれば、先ほど御答弁申し上げましたように全国のタクシー運転者の年間の平均給与額が三百七十万円、これに対して全産業の男子労働者の平均が四百七十九万円で、百九万円の差があるというふうに申し上げているところでございます。
  64. 山中邦紀

    山中(邦)分科員 百九万の差を埋めることを期待をしておる、こう承りました。全国全産業男子平均労働賃金というお考えですか、地域性とかそういうことは特段この際は考えておられないというふうに承ってよろしいですか。
  65. 佐々木建成

    ○佐々木(建)政府委員 私が御答弁申し上げましたのは、あくまでもタクシー運転者全体のグループ対、他の全産業の労働者のグループとのマクロでの物の考え方を申し上げたわけでございますが、当然地域的に差が一般産業でもございますし、タクシーでもあると思うわけで、そのあたりは格差についても場所によって違うと思うわけですが、そういった差はあるものの、基本的にはできるだけ近づけていくのが望ましいというふうに思っております。
  66. 山中邦紀

    山中(邦)分科員 そのような質問を申し上げたのは、運賃の金額がそれぞれ違いますから、それが平準化していく傾向でもあればまた別だがという趣旨でお伺いをしたものです。  せっかくに「労働内容に見合う賃金水準の確保」ということを掲げておられます。必ずしもこの内容は全産業の平均賃金というものに直結したものではないので、むしろ過酷な労働というような観点、あるいは社会的なプレステージを向上させなければいけないという観点、いろいろな観点があると思いますので、この中身を実際に働く人たちあるいは労働組合の意見などを聞いて充実させていっていただきたいというふうに希望をいたします。  ところで、今度の運賃改定については、賃金値上げ、端的に言えばそういうことでしょうが、そういう目的があってのことだというわけでありますけれども、今回の運賃値上げで目的とする全産業男子平均労働賃金に達しなかった場合、いずれまたいろいろな事情で運賃改定時期が来ると思いますが、次回においてもなお同じような目的を掲げて運賃値上げを行い、業者に通達を発し、そうしてその実施状況をフォローし、チェックし、指導するということをやっていく方針ですか。
  67. 佐々木建成

    ○佐々木(建)政府委員 お答え申し上げます前に、一般産業の労働者の賃金との比較の点、ちょっとお答えさせていただきたいのですが、一般産業の賃金水準が最終目標であるという意味で申し上げたわけではなくて、今差が相当あるものですから、それをできるだけ縮小していくことが望ましいという趣旨で申し上げたわけでございます。  そういう前提で、一回の運賃改定で先ほどの御指摘によればまだ労働内容に見合う賃金水準になっていないではないかというようなことがございます場合には、運転者の労働条件についてはさらに関係者が地道な努力をこれから展開していく必要があるというふうに考えるわけでございますので、今後とも事業者に対して労働条件の改善努力を促すということ、それから、運賃改定の機会等があります場合には労働条件の改善が着実に図られるように引き続き強力に指導していきたいと考えております。
  68. 山中邦紀

    山中(邦)分科員 数字的に全国平均にきっちり合わなければいかぬというところまでのお話ではないわけでありますけれども、その間の差を縮小することを目的としているということは、結局は最後、平均に達することを目的としているというふうに受けとめられるわけであります。  これまで、運転手の安定した労働条件をつくる、それが交通安全にも結びつくということから、保証給というような指導をなさっておられますけれども、私、働いている人にいろいろ聞きますと、オール歩合の運賃体系をとっているところでも、賃金が少ないために、とにかく食わなければいけませんから一生懸命働く。したがって、保証給の数字が掲げられても、それは何ら労働条件の安定には意味をなしていない。とにもかくにも生活するために働くということから、自然保証給部分は超えてしまうということを申しております。  やはり人手不足に端を発するかもしれませんが、しかし、単にそれだけでなしに、認可制の運賃である、労働集約型の産業である、そうして交通安全に結びつくバランスのある職場の労働者構成を維持するというような観点からいいますと、賃金の一定水準の保証、行政側による指導というのは私は非常に大事だと思います。その先に企業努力があり、労働者の労働があり、労使交渉で実際の具体的な賃金が上乗せされて決めていかれるべきだというふうに思っております。  そういう意味最後大臣にお伺いをいたしますけれども、労働内容に見合った賃金水準の確保、のみならず、その維持という意味で、次回以降の運賃改定も含めて、全国平均に達しない場合は、繰り返し運賃改定の際に待遇改善を業者に指導、要請する、こういう態度をぜひ継続していただきたい、このことについてのお考えはいかがでしょうか。
  69. 村岡兼造

    ○村岡国務大臣 先ほど来先生が御指摘のとおり、また局長答弁したとおりでございまして、タクシーの運転手の労働条件というものは時間が長い、きつい、そして賃金が少ない、こういう状況でありますので、運賃改定時には労働条件の改善ということを必ずつけております。今後また、運賃改定の場合におきましても、これは継続いたしますし、もしそのとおりになっていないというのであれば強く指導もしていきたい、こういうふうに強力に指導してまいりたい、こう思っております。
  70. 山中邦紀

    山中(邦)分科員 ぜひ、ただいま表明された態度を部内にも徹底をされ、そして業者にも周知をさせていただきたいというふうにお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
  71. 愛野興一郎

    愛野主査 これにて山中邦紀君の質疑は終了いたしました。  次に、鍛冶清君。
  72. 鍛冶清

    鍛冶分科員 きょうは時間をいただきまして、私は、私の選挙区、地元の問題でございますが、新北九州空港の早期実現の問題、さらには、三月に入りまして二十七日からですか現空港が再開になりますが、その問題につきまして、八点にわたってお尋ねをいたしたいと思います。よろしくお願いを申し上げます。  最初にお礼でございますが、新北九州空港の早期実現について運輸省当局では随分と御努力をいただいておりまして、地元の者も大変期待もし喜んでおる次第でございます。また、現空港の再開ということについても御尽力をいただきまして、地元を代表いたしまして、この機会に厚くお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。  それでは、具体的に質問に入らせていただきます。  空港の問題は、もう私が申し上げるまでもございませんけれども地域経済浮揚の核として、その存在意義というものは非常に大きなものがあると思いますし、航空需要というものは年々増加傾向にあるわけでございます。北九州地域につきましては、西瀬戸内経済圏それから東九州経済圏のネットワークづくりのために、また地域経済の浮揚という立場からも新北九州空港の早期実現というものを期待をし、今強力に地元でも推し進めているところでございます。この新北九州空港につきましては、私は過去何回かにわたって運輸省当局に御質問も申し上げ、お願いも申し上げてまいりました。それを踏まえながら、また御質問させていただくわけでございます。  私は昭和六十三年三月九日に、同じくこの衆議院の予算委員会第七分科会の席上でいろいろと当局にお尋ねをいたしました。その折に、航空局長から非常に理解のある次のような御答弁をいただいたわけです。  そのとき航空局長は、北九州圏域二百万人の利便性及び地域活性化のために新北九州空港は必要であり、その立地については、周防灘海域がすぐれており、投資効率の面から考えても、既に造成、計画中の土砂処分場を活用するのが最も適当であり、新北九州空港の開港の見通しは、新門司沖土砂処分場の推移及びMLS開発の推移が順調にいけばという条件の中で、昭和七十年代の中ごろ、平成十年になると思いますが、そのころになるのではないかというふうな御答弁をいただいたわけです。  地元も非常に喜びまして、その後、現空港との間の問題が起こっていろいろと御協力を願ったわけでございますが、さらに運輸省におかれては、平成三年度の政府予算の概算要求の中で、新北九州空港建設のための実施設計調査費を要求していただいた、これも深く感謝するところでございます。残念ながら、最終的には大蔵省の査定の段階で一応この件については先送りになったわけでございますけれども、新北九州空港建設に本格的に取り組む姿勢を示していただいたと私どもは理解をいたしております。  その結果、新北九州空港建設のための調査費は計上は見送られましたけれども、昨年十二月二十七日に平成三年度政府予算折衝後の記者会見で事務次官が次のように言われております。「新北九州空港建設のための実施設計調査費は、空域等空港の利用計画等が未定のため認められなかったが、当面、飛行場を埋め立て用途とする港湾整備事業による新門司沖土砂処分場建設の先行きを見つつ、具体的な空港計画について今後検討していくこととされた。」こういうふうに発表されております。  地元の私どもとしましては、この次官の記者会見でのお話は、新北九州空港建設がこれによって非常に前進をしてきたのだ、実はこういう受けとめ方をしているわけでございます。これらのことを前提に置きながら具体的に個々にお尋ねをいたしたいと思います。  最初に、六十三年の御答弁のときにも入っておりますが、MLSの開発、これが空港建設に、開港について重要な問題になっておるわけでございます。このMLSの開発の現状は現在どういうようになっているのか、お尋ねをいたします。
  73. 宮本春樹

    ○宮本政府委員 お答えいたします。  我が国のMLSの開発状況につきましては、運輸省に電子航法研究所というところがございますが、そこで機器の開発評価研究を進めておりまして、昭和六十二年度から平成元年度まで熊本空港で試作装置による性能評価を行っておりました。それに引き続きまして、現在、当該試作装置を仙台空港に移設いたしまして、管理運用面での調査研究ということを平成二年度それから平成三年度、継続して行うということになっております。  この実用化でございますが、これらの調査研究のほかに、機上につけます装置の整備計画、あるいは諸外国におけるMLSの整備状況、そういうことも勘案の上対処することになると思うわけでございますが、具体的には、現在、第六次空港整備五カ年計画を策定中でございまして、その作業の中で検討してまいりたい、そのように思っております。
  74. 鍛冶清

    鍛冶分科員 このMLSの開発については、技術的にも大変だと思いますし、需給の関係からいっても世界的に特に多いのかなというようなこともございますが、そういう状況を乗り越えながら、今いろいろと開発に力を入れていただいているというお答えでございますけれども、ぜひこの開発については進めていただきまして、新北九州、ひいては九州浮揚のためにも役立たせたいというふうに私たち念願しておりますので、この開発について強く御要望を申し上げておきます。  次に、お尋ねいたしたいと思いますが、新北九州空港の建設に当たっては、先ほどの次官の新聞記者会見の中でも言われておりましたように、空域の確保が非常に重要である、この確保が大きな課題であるということでございます。現在、これについての検討はどういうような状況になっているのか、ひとつお尋ねをいたしたいと思います。
  75. 宮本春樹

    ○宮本政府委員 お答えいたします。  新北九州空港につきましては、現在のところ周防灘の海上の土砂処分場の利用が有力であるということは先生指摘のとおりでありますが、これを念頭に置きまして、土砂処分場建設事業の推移を踏まえながら、御指摘の空域調整の問題を含めて、空港計画に関する検討を進めているところでございます。  空域調整の問題につきましては、御承知のとおり防衛庁の空港との間で調整の問題があるわけでございます。いろいろ調整は行っておりますが、現在のところまだ具体的な合意を得るには至っておりません。今後さらに努力を重ねて調整を図ってまいりたい、そのように思います。
  76. 鍛冶清

    鍛冶分科員 ぜひ調整を図っていただきたいわけですが、この空域問題というのは本当に専門的なことになりますので、具体的なことは私どももよくわかりかねるところもあるのです。確かに、二つの航空自衛隊の基地の中に挟まれておりまして、特に今度は埋立地が南北にわたっての流れになっておりますから、その離着陸について非常に難しいのだろうなということは技術的にわかるわけでございますが、どうかひとつこの問題は強力に推し進めていただきまして、ぜひその中で話し合いの解決というものをつけていただきたい、これも強く御要望を申し上げておきます。  それから、先ほどちょっと私が御紹介、御紹介というよりも次官のおっしゃった発言をここで述べさせていただいたのですが、その昨年十二月の次官の記者会見の中で、この埋立地のことに触れておられるわけです。「新門司沖の土砂処分場建設の先行きを見つつ、空港計画について今後検討」こういうふうに述べられておるわけでございます。今も御答弁の中で、この土砂処分場を念頭に置きながらというふうにもおっしゃっておられたのですが、新空港の早期実現のためには、この埋め立てが円滑に進むことが非常に重要なことになっているんだというふうに理解するわけでございます。この点についてはいかがでございましょうか。
  77. 宮本春樹

    ○宮本政府委員 お答えいたします。  お話しの土砂処分場の埋め立ては、その用途を飛行場として取り組むということにされております。どういう性格の飛行場となるかにつきましては、空港計画に関する今後の検討結果を待つ必要があると思うわけでございますけれども先生の御指摘のとおり、埋め立ての円滑な進行ということは、用地づくりが進むという意味におきましても、また空港計画に関する検討や調整を促すという意味におきましても極めて重要なもの、このように考えております。
  78. 鍛冶清

    鍛冶分科員 そういう方向で私どもは、これが実質的には新北九州空港に活用されるというふうに理解をしておるわけでございますが、そういう流れの中で、ぜひこれも御協力の中で進めていただきたい、こういうふうに思います。  次に進ませていただきまして、現在、運輸省では第六次空港整備五カ年計画、先ほどお答えの中にもございましたが、この計画策定の作業中、こういうふうにお聞きいたしております。新北九州空港は、第五次空港整備五カ年計画の中での実施計画というものは残念ながら外されたわけでございますけれども、この計画につきましては第六次五カ年計画の中でも採択される、こういうふうに考えておりますが、この点についてはいかがでございましょうか。
  79. 宮本春樹

    ○宮本政府委員 お答えいたします。  お話しのとおり、第六次空港整備五カ年計画の作業でございますが、去る三月一日に三兆一千九百億円という投資規模の閣議了解を得たところでございます。今後、昨年の八月に運輸大臣の諮問機関でございます航空審議会という審議会がございますが、そこの中間取りまとめというものがございますが、それに沿いまして具体的内容についての検討を進めて、本年の秋ごろには航空審議会の答申を得て五カ年計画の閣議決定を行う、そういうスケジュールで作業を進めております。  計画の策定に当たりましては、中長期的な航空需要の増大に対応する、あるいは国内・国際ネットワークの充実、多様化を図る、あるいは三大空港プロジェクトの完成を最優先課題とするということもございますが、それとともに地方空港の整備についても大型化、ジェット化、あるいは地方拠点空港のターミナル地域の整備、そういうことを中心に力を注ぐ考えでございます。  具体的なプロジェクトそれ自体につきましては、今後、中間取りまとめに示された考え方を踏まえて検討していく状況でございまして、今お答えする段階ではございません。
  80. 鍛冶清

    鍛冶分科員 ぜひひとつ計画の中に採択をしていただくようお願いをいたしておきます。  それから、今も触れましたのですが、次の御質問でございますが、実施設計調査費につきましては、平成三年度の予算案の中では見送られたわけですけれども、この調査費につきまして今後どのように考えていらっしゃるのか。実際は、これは調査費がつくことによって事業着手というふうな形になるんだろうと思いますが、早期に実現をしていただきたいわけですが、この点についてひとつお答えをいただきたいと思います。
  81. 宮本春樹

    ○宮本政府委員 お答えいたします。  先生お話しのとおり、新北九州空港につきまして、現在の五カ年計画にもこれはのっておるわけでございまして、予算要求時におきまして実施設計調査費を要求したという事実はございますが、残念ながらこれは認められなかったわけですが、いずれにいたしましても、周防灘の海上の土砂処分場の利用が有力であるということを念頭に、当面土砂処分場の建設を円滑に進めるために、公有水面埋立法の手続を進めるに当たり埋立地の一部を飛行場とすることを認める、そういうことにするとともに、今後土砂処分場の造成と並行して具体的な空港計画について検討を進める、そういうことにしたわけでございます。  本空港の事業着手につきましては、今後当該土砂処分場の埋め立ての進捗状況を見守る必要があるわけでありまして、それを見つつ空港計画に関する検討の進みぐあいを踏まえて決めていく、そういう段取りであります。
  82. 鍛冶清

    鍛冶分科員 本当にこの件につきましてはひたすら御要望申し上げるわけでございますが、どうかひとつこの新北九州空港の早期開港に向けて今後の一層の御努力を心からお願いを申し上げたいと思います。  次に、続きまして現北九州空港の問題についてお尋ねをいたします。  運輸省におきましては、新空港開港までの間の暫定措置といたしまして、今回北九州空港に定期便を就航させるということに確定いただきました。平成元年度から二年度にかけまして約四十一億円を投じて滑走路の延長工事等空港整備を行っていただいたわけでございますが、本年一月十四日、運輸省航空局は、本年の三月二十七日から定期便を再開する、そして北九州—東京間一日一往復を就航させる、こういうことを発表していただきまして、具体的にいよいよ二十七日から北九州—東京間が一日一往復でございますが再開されることになりました。  この北九州空港の定期便の就航につきましては、昭和五十八年十一月に大阪への便が運休になりまして全く途絶えておったわけでございますが、七年五カ月ぶりに再開をしたということで、地元の浮揚のためにも起爆剤になるということで、私ども地元民一同、実は大きな期待をいたしておるわけでございます。この努力に対しまして再度お礼を申し上げたいわけでございますが、この件に関連をいたしまして三点お尋ねをいたしたいと思います。  一つは、北九州—東京便が一日一往復ということになっているわけでございますけれども、北九州圏域の二百万人の航空の利便性というものを考えますと、どうしても一日二往復以上東京便が必要であるし、この増便をお願いしたい、こういう切なる願いがあるわけでございまして、この点についてぜひ実現をしていただきたい、こう思うものでございますが、この件についていかがでございましょうか。
  83. 宮本春樹

    ○宮本政府委員 お答えいたします。  現在の北九州空港、先生お話しのとおり千五百メートルの滑走路を百メーター延長いたしまして千六百メーターにいたしまして、ジェット化を図るということでこれは完成いたしました。それで来る三月二十七日から北九州—東京線、日本エアシステムが一日一便の運航を行うということになったわけでございます。  ただいま先生から北九州空港の東京路線の二便以上の増便についてお話がございました。これは地元から大変要望が強いということは私どもは十分承知しているわけでございますけれども、これも先生御高承のとおり、羽田空港が非常に物理的に混んでおりまして、発着枠が大変厳しく制限されておる、そういう状況でございます。  それに対しまして、北九州はもとよりでございますけれども、全国の各地方公共団体あるいは関係先生方等から羽田に対する乗り入れ路線の開設であるとか、あるいは増便、そういうことについて極めて多数の要望が出されている、そういう私どもにとっては極めて厳しい状況にあることもまた事実でございます。  私どもといたしましては、こういう状況を踏まえながら、今後当該路線の航空需要の動向でございますとか、あるいは地元公共団体や航空会社の考え方、そういうものを勘案しながら厳しい枠の中で検討していかなければならない、そういう状況でございますが、ただいまの先生の強い要望も念頭に置きながら検討を進めていきたいということでございます。
  84. 鍛冶清

    鍛冶分科員 羽田の方も、私も伝え聞くところで、確認をしたということでもございませんけれども、空港の使用時間につきましては、その延長とかいう問題を含めていろいろ検討されておるし、あるいはそれが実現も近いというようなお話も伺っております。ひとつそういうこともあるようでございますので、そういう機会も活用していただきながら、今、念頭に置いてということをおっしゃっていただきました。ひとつ念頭に置いたものを実際に実行していただきますようにお願いを申し上げておきたいと思います。  さらに、もう一つお尋ねをいたしますが、北九州空港整備に当たっての施設計画の中で、一日六往復の利用というものを運輸省計画策定の中で見込んでおられるようでございますけれども、私ども地元の者といたしましては、東京便以外に他の路線についてもひとつぜひ開設をお願いしたい。特にいろいろその地域については要望があるのでございますが、名古屋とか鹿児島とか、さらには宮崎、沖縄等、こういった地域について東京との便以外にぜひ開設をしていただきたい、こういう要望があるわけでございます。この件についてはひとつぜひ実現をしていただきたいと思いますが、いかがでございましょう。
  85. 宮本春樹

    ○宮本政府委員 お答えいたします。  北九州からどのような路線をつくるかという問題でございますが、先生御高承のとおり、東京以外に大阪の空港につきましても同様に発着枠に厳しい制約があることは御承知のとおりでございます。東京大阪は極めて厳しい制約がございますが、そのほかの空港につきましては空港制約あるいは騒音問題というのが比較的少ないわけでありまして、そういう空港については、私どもといたしましても、従来、航空路線というのが東京大阪の両空港に集中する二眼レフという状況があることにつきまして、やはり航空のネットワークというのですか、網のように路線網を引いていくということが今後のあり方としては望ましいのではないか、そのように考えております。  ただ、残念ながらそういう路線は必ずしも需要が十分にはないという問題もあるわけでございまして、今後航空会社からどのような路線を引きたいかということについて申請がございますれば、それは逐次認めていく、そういう方針で臨むつもりでございます。
  86. 鍛冶清

    鍛冶分科員 ぜひこれも前向きにひとつ取り組みをお願いしたい、御要望を申し上げておきます。  時間はまだちょっとありますが、最後大臣お尋ねをして終わりたいと思いますけれども、今までのやりとりの中で大臣も新北九州空港についての御認識を新たにしていただいたと思いますが、どうかひとつ新北九州空港の早期開港についてぜひ大臣にも強力に御努力お願いをしたい、御要望を申し上げますとともに、空港を整備するということは大切でございますが、整備したものを極力活用するということが私はまた重要である、こういうふうにも思っております。  こういう観点から、利便性の高いネットワークの形成を目指していただきまして、現北九州空港を初め各空港の路線の充実を図っていくべきである、こういうふうに考えるわけでございます。具体的なことは今航空局長からも御答弁もございましたが、さらにひとつ大臣の方からもこれに対する御見解を伺いたいと思います。
  87. 村岡兼造

    ○村岡国務大臣 第一点は、先生、新北九州空港をぜひ実現をしろ、こういうようなお話でございますが、先ほど来局長からも答弁がありますし、また先生の強い要望も踏まえて今作業を進めておりますが、念頭に入れて作業を進めてまいりたい、こう思っております。  第二点の利便性の高いネットワークということでございますが、先ほどもお話しのとおり、現北九州空港の中で東京への二便以上の増便、こういうお話がございました。実は、今私どもで最重点に考えておりますのは成田と羽田と関西空港でございますが、私もその重要性にかんがみまして、この前、羽田に視察に行ってまいりました。それは御承知のとおり、先ほども答弁ありましたとおり、全国各地から羽田乗り入れ、ところがもう今発着枠が満杯だということで、埋め立てしながらいくものでございますから、地盤沈下とか何かそういうものがおさまってから空港をつくっていく、こういうような状況もありまして、今のところ平成七年でないと完成をしない、こういう状況でございますが、それにあわせましてまた先生要望等も実現をさせていきたい、こう思っております。  そしてまた、そのほかに東京やあるいは大阪以外の路線のこともございましたが、航空会社の要望等も受けまして、今先生全般にわたって空港の問題を言われましたが、御承知のとおり航空に対する需要はもう相当年々高まっておりまして、十年後には現在の国内線でも二倍の需要が出てくるであろう。私どもも空港の整備に一層頑張ってまいりますとともに、先生の御要望を踏まえましてそれについて頑張っていきたい、こう思っております。  以上でございます。
  88. 鍛冶清

    鍛冶分科員 最後に、これまた御要望になりますが、御承知のように、北九州市では今都市再開発計画というものがメジロ押しにずっといろいろ積み重なってきております。いろいろなプロジェクトもできて、地元の浮揚ということに今一生懸命です。特に北九州市は、福岡などに比べまして、また全国的にも、経済浮揚という立場から見ますとやはりおくれがちで、むしろゼロ成長というよりもずっと沈滞してきたといういきさつがございまして、その中で何とかして浮揚しなければという地元の皆さんたちの意欲というのが実はあるわけですけれども、そういう中で特に新北九州空港、また現空港を含めての基盤の中で、日産自動車の工場もございますが、これも拡張計画が出てまいりました。今回、港の方にですか、トヨタもあそこに進出するということで、インフラ関係も含めて整備を一生懸命やるという中で、地元でも今どんどんそういう点の事業が進んでいっているわけですね。そういういろいろなことからいいましても、二年、三年前とは違った意味で、十数年前、新北九州空港の話が出たときとは違った意味で需要もふえ、また需要の増加も見込まれるというような状況にもなってきているわけでございまして、航空の需要というものは相当高くなってくるというふうにも実は私どもは考えております。  そういう流れの中でのことでございますので、重ねての御要望でございますが、どうか新北九州空港の早期開港へ向けての運輸省当局の御努力と、現空港の新しい便の開設を含めての浮揚についての推進方を心からお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。大変ありがとうございました。
  89. 愛野興一郎

    愛野主査 これにて鍛冶清君の質疑は終了いたしました。  次に、辻一彦君。     〔主査退席、新盛主査代理着席〕
  90. 辻一彦

    ○辻(一)分科員 きょうは私、整備新幹線問題と湾岸の原抽汚染に絡んで、将来日本としては原油汚染に対する防災基地的なものを東南アジア等につくる必要があるのじゃないか、この二点を若干問題を提起しながら、要望もかなりありますが、申し上げたいと思います。  第一に、この新幹線の整備のねらいというものは、これはもう言うまでもなく東京一点の集中から国土の分散、均衡ある発展ということをねらいにしていると私は思いますが、特に私たちに縁の深い北陸新幹線につきましては、日本の政治都市東京と経済都市大阪、この二つを直結するというところに非常に大きな意義があるというふうに自分たちは考えております。大臣のこれに対する認識をひとつ聞かせていただきたいと思います。
  91. 村岡兼造

    ○村岡国務大臣 第四次全国総合開発計画にも示されておりますように、整備新幹線は、中距離、大量輸送機関としての鉄道特性を発揮しつつ、航空あるいは高速道路輸送に対して有効かつ適切な競争力と代替補完機能を有する交通機関として、多極分散型国土の形成に資する質の高い幹線交通ネットワークの重要な柱として位置づけられるものと考えております。
  92. 辻一彦

    ○辻(一)分科員 この北陸新幹線ですが、昭和四十八年の十一月に閣議で整備計画が決まってから、十八年が実際たっております。福井県民にとっては非常に長い悲願でありますし、私の方も四十七、八年ころは参議院におりまして、この国会でいろいろ論議をした思いがありますが、お互いに非常に長い時間がたっている、そして長い悲願であるということが言えると思います。  県内では今、小松から南越間のルート、それから駅が確定しまして着工準備作業所というのも設けられて、近く工事実施の認可申請も行われる、こういう期待を持っておりますが、しかし南越から大阪の間は、なおルート、駅も未発表でありまして、県南、県の南の方では地区の住民も非常にじりじりした思いで待っている、こういう状況にあります。  そういう点も踏まえて二、三質問したいんですが、小松—南越間の工事実施認可申請はおよそいつごろ出されるような見通しであるか、まずこの点をちょっとお伺いいたしたい。
  93. 大塚秀夫

    ○大塚(秀)政府委員 小松—南越間については基本スキームにおいて所要の準備を行うこととされているところでございまして、平成三年度の予算におきましても、ルートの調査費として引き続き整備新幹線建設推進準備事業費により環境影響調査あるいは経済設計調査、計画調整調査等の調査を行うこととしており、これらの調査を鋭意進めてまいりたいと考えておりますが、ただいま先生御質問の工事実施計画の申請の予定時期につきましては、平成三年度の着工区間を含めまして、施設整備の進捗状況を勘案しながら基本スキームに沿って適切に今後対処してまいりたいと考えております。
  94. 辻一彦

    ○辻(一)分科員 これは、今いつということを聞こうというのも多少無理なことですが、そういう点ではひとつ、多年の悲願でありますから一日も早くこれが認可申請が行うことができる、こういうようにぜひ努力をいただきたい、こういうことを強く要望いたしておきたいと思います。  そこで、工事実施の認可の申請がいずれ行われると私は期待しておりますが、それが行われるとしたならば、あとは手順はどういうふうになるか。ちょっとこれは念のために鉄建公団の方で伺っておきたいと思うんです。
  95. 岡田宏

    ○岡田参考人 先生お話がございましたように、工事実施計画の認可申請は日本鉄道建設公団が運輸大臣に対して行うものでありますけれども、この認可申請の手続といたしましては、私ども日本鉄道建設公団が、将来これが完成した場合の営業主体となりますところの鉄道事業者と十分協議をいたしました上で工事実施計画を作成することになるわけであります。その上で、運輸大臣に認可申請を行うことができるよう所要の準備を整えていくということに相なる次第でございます。
  96. 辻一彦

    ○辻(一)分科員 福井にせっかく工事準備の作業所が設けられて、この作業所ができるとみんなは非常に期待をしておるんですが、せっかく作業所も設置をされておりますから、これが早く申請が行われて、行われましたら公団の方も迅速な取り組みをしていただくように強く望んでおきたいと思います。  そこで、残っている南越—大阪間のルートは、先ほど申し上げたように四十八年の十一月、閣議で整備計画として若狭回りというように決まっております。  ところが、北陸新幹線が具体化するのに長い時間がかかる。そういう点で、ルートについていろんな雑音や不協和音が外部から入って、非常に福井県の県民として、また福井県の県南地方、嶺南といっておりますが、南の方の若狭地方の住民は大変迷惑に思っておるんですね。ところが、幸い、昨年の十一月でありますが、福井県の知事とそれから滋賀県の知事が福井で会談をやりまして、北陸新幹線については閣議決定どおりに若狭回りを滋賀県としても支持する、こういうことを確認をされたということがあります。  私は、運輸省としても北陸新幹線は若狭回りというこういう閣議決定の線を変えられるようなことはあるまいとは思いますが、念のためにちょっとこのことについて所見を伺っておきたいと思うんです。
  97. 大塚秀夫

    ○大塚(秀)政府委員 北陸新幹線の南越—大阪間につきましては、昭和四十八年十一月十三日に策定されました整備計画におきまして主要な経過地として小浜市付近が定められておりまして、現在この整備計画を変更する予定はございません。
  98. 辻一彦

    ○辻(一)分科員 これは、日本の運輸行政の最高責任者、大臣も一言ちょっと意見を伺っておきたいのです。
  99. 村岡兼造

    ○村岡国務大臣 今、総括審議官が答えたとおりでございます。
  100. 辻一彦

    ○辻(一)分科員 この整備計画のいろんな申し合わせが今ありますが、それによると、五年後に見直すということがまとまっておるわけですね。そこで私は、この南越から大阪間のルートそれから駅、こういう公表は少なくもあれから五年後、言うならば再来年ということになりますが、この見直しの時期までに明らかにされるべきである、こう思っておるのでありますが、これについてはどうか、ちょっとお尋ねしたい。
  101. 大塚秀夫

    ○大塚(秀)政府委員 南越—大阪間につきましては、基本スキームにおいて所要の調査を行うこととされており、平成三年度予算においても整備新幹線建設推進準備事業費により所要の調査を進めてまいることとなっておりますので、ただいま先生指摘の駅、ルートの公表時期につきましては、平成三年度の着工予定の区間を含めて、これらの整備の進捗状況等を勘案しながら、基本スキームに沿って今後適切に対処してまいりたいと考えております。
  102. 辻一彦

    ○辻(一)分科員 いずれもなかなかここでははっきりしたことが言いにくい問題であるということはよく承知しておりますが、十八年間も県民の皆さんが待ちに待っている、そういう悲願である、こういうことをひとつよくよく頭にそれぞれ入れていただいて、ぜひこの若狭ルートの一日も早い公表、それから駅の公表、これをできるようにひとつ努力お願いしたいと思います。  こういう話をしていると、何か福井で私だけが新幹線について申し上げているように思われるかもわからぬのですが、実は東京大阪を直結するところに非常に大きな意義がある。そういう点で、今兵庫、大阪、京都、滋賀、福井、我々の同僚議員十名でもって北陸北近畿開発研究会というのをつくっておるのですが、これは何回か東京、国会で集まりも持ち、運輸省の方からもそれぞれ出席をいただいていろいろと説明を聞く機会もございましたし、過日、十二月の上旬には、一行、福井現地の方に足を運んで、公団の方からも名古屋の方からも来てもらったりして説明を聞きながら、横断的なつながりを持って、これは東京、近畿を直結する非常に大きな意義を持つのだから、今言った五県でひとつ連携をとりながらやっていこう、こういう努力をしておりますので、そういう動きもあるということをちょっと参考までに御紹介しておきたいと思うわけです。  そこで、大臣に所見を伺いたいことがこの問題で最後一つあるのですが、それは、私が予算委員会の総括質問あるいは一般質問で何回か触れたわけでありますが、実は福井県の若狭地方という福井県の南の方は、日本一はおろか世界一の原子力発電所の集中的な基地である、こう言えると思うのですね。御承知のとおりですが、今十二原子力発電所があります。その容量は大体一千万キロワット、それから今三つ建設中ですから、この十五が全部フルに動くようになりますと千二百万キロワットの原子力発電基地になります。私もソ連のチェルノブイリ、アメリカのスリーマイルだとかイギリス、ドイツ、フランスの原子力関係は随分いろいろな機会に回ってみましたが、これだけ一定の地域に原子力発電所が集中しているところは世界どこにもない。そういう意味で、大変多くの問題を抱えながら、国のエネルギーの面については大変大きな役割を果たしている地域である。  それで、福井県だけなら一台あれば足りるのですね。八十万キロワット一つあれば県内の電力を満たせるわけです。だからあとの十四はこれは全部近畿圏に電気を送っておる。そういう意味で近畿地方の、関西の電力の非常に大きな分野をこの地域で担っておる、こういうことが言えると思うわけなんです。  御承知のように、こういう中で数年前に敦賀の日本原電が放射能漏れで非常に問題になったことがあります。それから最近は、私もしばしば取り上げておりますが、関西電力美浜の発電所二号機によって連日新聞、テレビに出されている。この中で住民の人は、事故に対する不安とそれからイメージがダウンするということを非常に悩んでおるわけですね。福井県の電力なら一つあればいいのに、これだけたくさんあるのだから、我慢して日本の大事なエネルギーをここで支えている、こういうような気持ちでおるわけです。  したがって、せめて一つ明るいものが欲しいわけですね。一つは、電力の面でこれだけの荷物を担っておるのだから、またもう一つは、東京大阪、北陸—東京、北陸—大阪を直結する、そういうような中で新幹線が通るということは地域住民に非常に明るさをもたらすわけなので、国のエネルギー基地としての持つ重要な役割、こういう中で住民が一つの明るさを求めておるというのが北陸新幹線の若狭回りである、こういうふうに言えるのではないかと私は思うわけです。  そういうことを踏まえて、日本の運輸行政の最高責任者であります運輸大臣からひとつ所見をお伺いいたしたいと思います。
  103. 村岡兼造

    ○村岡国務大臣 きょうの午前中に運輸委員会で鉄道三法を上げていただきました。先生御承知のとおり、財源問題で十数年にわたって決まっておらなかったのでございますが、三新幹線が着工できる状況がだんだん整いつつあります。これは大きな前進であろう、こう思っております。  また、ただいま先生言われました若狭線というか、この整備新幹線については、先生の御要望のとおり地元から強い要望がありますことは私どもも十分承知をいたしております。運輸省といたしましても、新幹線鉄道が多極分散型国土の形成に資する質の高い幹線交通ネットワークの重要な柱として位置づけられるものであることから、その整備について、基本スキームにのっとり着実に推進してまいりたい、こう思っております。
  104. 辻一彦

    ○辻(一)分科員 この問題はこれで終わりますが、ぜひひとつ運輸当局また鉄建公団の方もそれぞれ御努力お願いいたしたいと思います。  第二は、私は中東湾岸における原油汚染の問題について二、三伺いたいと思うのです。  湾岸戦争において、イラクの暴挙によって大量の原油がペルシャ湾に流出をして広範な環境汚染が行われている、これはもう御承知のとおりと思います。湾岸戦争は停戦になったわけですが、環境破壊の傷跡ははかり知れないものを傷跡として大きく残しておるという状況にあります。  まずそういう点で二、三伺いたいのでありますが、湾岸の原油流出の量はおよそどれくらいに推定されるか、ちょっとお尋ねいたしたい。
  105. 大木正充

    ○大木説明員 お答えいたします。  おおよその数字でございますが、百万バレルから約三百五十万バレル程度と推定されております。
  106. 辻一彦

    ○辻(一)分科員 これはなかなか幾らとはかることは容易でないと思うのですが、当初言われておったよりもかなり少な目であるということは結構だと思っております。  そこで、原油汚染に対して各国がそれぞれ対応した、我が国もそれの対応をしたのですが、まず、各国がこれについてどういう対応をしたかということについて、概要をちょっとお尋ねしたい。
  107. 濱田隆道

    ○濱田説明員 主要各国は、原油流出直後から、サウジアラビア、カタール、バハレーン各国の淡水化プラントや工業地帯の周囲にオイルフェンスを設置する等のための技術的対策を講じているほか、流出原油の影響を調査するために専門家の派遣を行っておるところでございます。
  108. 辻一彦

    ○辻(一)分科員 それでは、我が国は一体どういう対応をしたか。
  109. 大木正充

    ○大木説明員 我が国の対応について御説明させていただきたいと思います。  我が国は、応急対策として、まず環境問題に積極的に協力するという観点から、サウジアラビア、バハレーン及びカタールに対してオイルフェンス等、油の防除のための資機材を送付することとして、まずオイルフェンスをこの三カ国に送付いたしました。そして、引き続きさらなるオイルフェンスの供与とともに、油の吸着材、オイルスキマー、小型油回収船等の資機材を送付することとしております。そのほかに、外務省、環境庁、農水省、通産省、運輸省及び国際協力事業団の専門家から成る調査団を、流出原油の防除及び大気汚染を含む環境汚染対策に関する調査のために、サウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦に派遣中でございます。
  110. 辻一彦

    ○辻(一)分科員 私の経験ですが、非常に規模が小さいのですが、去年の一月に丹後半島、若狭湾でタンカーが座礁して流出事件があったのですね。そのときにオイルフェンスを持っていったんだけれども、湾外の日本海の荒波では波が大きくてオイルフェンスはなかなか使えないわけですね。それから、油の回収も波が高くて使えない。そういうことで、結局は湾内へどんどん入ってきて、最後には、一番有効なのは人間がひしゃくですくってくみ上げるという、まことに原始的なんだけれども、この人海戦術に何千人という人が、自衛隊までも出てひしゃくでくみ上げて、高浜町は人口一万二千のところが夏は二十一万にも膨れ上がるような海水浴地帯ですから、油があったら大変なので、もう必死になって何千人という人が出て汚れたのを手でみんな集めたのですけれども、オイルの汚染というのは処理がなかなか難しいのです。ペルシャ湾は波がどうなのかわからないのだけれども、オイルフェンスは有効だったわけですか。
  111. 大木正充

    ○大木説明員 ペルシャ湾は波が静かでございまして、オイルフェンスが非常に有効であるということでございます。
  112. 辻一彦

    ○辻(一)分科員 それから、湾岸では海水を淡水化していく、これが命の綱なんです。これにかなり大きな被害が起きかけたのですが、かなり救われたようですけれども、この海水淡水化対策、汚染対策をどうしたか、簡単で結構でございますからお答えください。
  113. 濱田隆道

    ○濱田説明員 淡水化装置の油の防除につきましては、ただいま外務省の方からお話がございましたとおり、サウジ等の要請を受けましてオイルフェンスを送りましたのが第一弾でございまして、これは、サウジ、バハレーン、カタールの三カ国に既に送っておりますが、その後、第二弾といたしましては、オイルフェンス、それからオイルスキマー、油吸着材といったようなものを現在順次送付いたしております。
  114. 辻一彦

    ○辻(一)分科員 オイルフェンスがかなり有効なようであって、それは大変いいことだと思います。  そこで、今回のような大規模な原油流出事故というのは、イラクがもうああいうように海に流したわけですから、こんなことが再三あってはならないわけですが、しかし、我が国の場合に、去年あたりは二億二千万キロリッターの原油を輸入しており、その非常に大きな部分が中東原油である。そうしますと、中東から東南アジア、日本に至るオイルルート、こういう中でタンカーの座礁であるとか事故が起こるということは、将来いろいろと考えられるわけだと思います。そういう点で将来、日本の、あるいは関係のあるタンカーが事故を起こして原油の汚染が起こる、相当な規模で起こるという場合に、我が国はほかの国のお世話にただなっているだけではなしに、積極的な汚染対策を講ずる必要がある。  そういう点で、このオイルルートの中間といえば東南アジアになるのですが、ここらに防災基地を置いて、そして、今言ったようなオイルフェンスを相当量常備するとか、あるいは油の回収船を配備するとか、基地にいろいろな装備を配置して、そういうときに対処できる体制をつくるということが大変大事じゃないか。領海に入り込むのは容易ではないけれども、許可があれば行って外国のタンカーでも協力をする、こういうことは我が国が国際的な貢献をする分野からいっても大変有効な道ではないかと思いますが、そういう構想が運輸省の方に、防災基地というようなことで、あるということを、昨年、災害の委員会でも私若干論議したことがありますけれども、そこらについてどういう考えを持っていらっしゃるか、お尋ねしたい。
  115. 中村徹

    ○中村政府委員 ただいま先生お話のございましたような構想を、特に東南アジア、ASEAN地域中心に実現すべきであるというふうに私ども考えておりまして、これは結局、ODAベースで各国の協力体制をつくって、そしてそういう防除体制を整備するということしかないだろう。  そのために私どもとしては各国に呼びかけをいたしまして、本年一月には横浜において国際会議を開催いたしまして、私どもOSPAR計画というふうに名づけておりますけれども、そのOSPAR計画推進するためのフォーラムを開催いたしまして、これによって関係各国の意見交換をし、意見を集約しながら、これをODAベースで資機材を整備するとか専門家を研修するとか、そういったことを実現していきたい。目標時期としては、平成五、六年ぐらいまでに何とかそういうものを実現してまいりたいということで、ただいま努力をいたしておるところでございます。
  116. 辻一彦

    ○辻(一)分科員 若干OSPAR計画についてお尋ねしたいのです。  これは、東南アジアあたりのどういうところにそういうような基地を置き、そして油の回収船等も常時配備をするのか。あるいは、今言ったODAであれば、東南アジアの各国に支援をして、そこでその船を用意してもらって一緒に国際協力でやるとか、いろいろなことが考えられると思うのですが、具体的に言うとどういうことをお考えになっていますか。
  117. 中村徹

    ○中村政府委員 この点につきましては、これからの各国との話し合いの中で決まってまいります問題ですので、現在は全く我々の構想だけということでございます。  資機材を整備し、その中で、最もうまくいけば油回収船等もそこに常備して、ある程度専門家もそこに常備し、その基地を中心に活動をする。その基地はやはり一番便利なところというので、まだ具体的にどこの国ということを考えているわけではございませんけれども、やはりASEAN地域のどこかにというふうに、構想的には考えておるという状況でございます。
  118. 辻一彦

    ○辻(一)分科員 もう一問で終わりますが、大臣、これはさっき申し上げたように、国際的に日本が貢献する分野で非常に意味のある分野であるし、それから、日本が中東から大量の原油を入れているこの実態からしても、私はぜひ今の構想を強力に推進すべきであると思います。担当大臣としての決意の一端を伺って、終わりたいと思います。
  119. 村岡兼造

    ○村岡国務大臣 今、運政局長からも答弁がございましたが、この油流出に関しては大変重要な問題であると考えておりますので、ODAの一環としてOSPAR計画を五、六年ごろを目指す、こういうことでございますが、強力に推進していきたい、こう思っております。
  120. 辻一彦

    ○辻(一)分科員 終わります。どうもありがとうございました。
  121. 新盛辰雄

    新盛主査代理 これにて辻一彦君の質疑は終了いたしました。  次に、関晴正君。
  122. 関晴正

    ○関分科員 私は、新幹線の問題についてお尋ねをしたい、こう思います。  長い間の盛岡以北青森までの新幹線を実現していただきたいという願いが、やっとかなえられるような方向に来た、こう思います。かつて私が運輸委員をしておりましたころに、何で青森までの新幹線というものをおくれさせねばならないんだ、上野—東京間にかける金があるならば、盛岡以北までやった方がいいではないか、そっちの方がどれだけ役に立つかわからないではないかという論をしましたときに、できる限り早急に盛岡以北青森までを実現したいと思います、こういう答弁が時の運輸大臣の細田さんからあったわけであります。自来、その答弁というものが生かされることなく、とにかく毎年毎年、懸命な陳情運動というのがなされましたけれども、実ることなく過ごしてきたわけであります。  今度ようやく盛岡以北青森までの新幹線ということで腰を上げていただいたわけでありますけれども、この新幹線の計画を見ましても、さしたる期待というものがわいてこないのであります。なぜわいてこないかということになりますというと、計画の中では、沼宮内まではミニ新幹線、沼宮内から八戸まではフル規格の新幹線、そして八戸から青森まではこれまたミニ規格の新幹線、ミニ、フル、ミニと、こう三段階の格好で工事が進められる、一体こういうミニ新幹線というものはどういうものなんだろう、なぜこんなに待たせられてそうしてミニなんだろうという率直な疑問と不信が県民には強いわけであります。  この問題について私どもは、極めて政治的に事が進められた、青森県の知事選挙があるために、何とか格好をつけなきゃならないだろうということから出てきた一つの線であったと。しかもその線も、知事の選挙をめぐっていろいろとまた停滞もあったわけであります。とにかく、今の青森県の北村知事、この選挙のこともあればやはりやらなきゃならない、一時危ぶまれながらやっと通ったという形になっているわけであります。  私の申し上げたいことは、百五十万青森県民、そして青森県民の北には北海道民がおるわけです。北海道民も国民として、県民も国民として、同じように新幹線の恩恵をもたらすようにしなきゃならない、しかもこれは我が国の本州における重要な幹線であります。そういう幹線をミニだ、フルだ、ミニだ、その先どうなるんだということになりますというと、なかなか先が見えておりません。 そこで私は、この新幹線は、ミニだ、フルだ、ミニだと言いながら、少なくとも現在の計画でいけば何年にこれを完成させようというふうに考えておられるのか、完成度ですね、これでいって利用できる時点というのはいつなんだ。そうして、これでいって現在の上野—青森間をどれだけの時間短縮で利用することになるのか。こういうことを見ますというと、これまたさほどのことではないな、こういうふうに思うのであります。  そこで大臣に聞きたいことは、それらのことの計画が、このおくれている青森県の交通政策といいましょうか、運輸政策というものにおいて、これでいいんだろうか。まあ北の外れだからおまえたちはこれで我慢しろ、こういうようなことでいいんだろうか。軽井沢と長野の間はミニといいながらも、ミニから今度はフルに格上げされたようであります。何でそこが格上げされてそうなったのか、これもひとつあわせて理由も聞きたいな、こう思いますので、とりあえず今申し上げたことにかんがみて、大臣もまた一番近い我が青森県のことでもありますから、誠心誠意ひとつこれに対する取り組み方というものが欲しいなと思うわけでありますので、まずは大臣の新幹線に対する決意と申しましょうか、考えているところを先にお尋ねしておきたい、こう思います。
  123. 村岡兼造

    ○村岡国務大臣 関先生、今いろいろなことをおっしゃられました。私も青森県の隣の秋田県でございまして、青森を初め東北の皆さんがこぞって盛岡—青森間の新幹線の整備ということで、私どもも運動に参加したことがございます。  しかし、おっしゃいますように、三路線、ミニあるいはフルあるいはスーパーといろいろこういうようなことがあって、全部なぜフルにしないのか、余り喜んでいない、こういうようなことも聞いておりますが、御承知のとおり、先生一番わかっているとおり、この整備三線、今鉄道三法をお願いをしてそれに着工できるようになったのでございます。それまでは財源不足でなかなか十数年も決まらなかったというのが最大の原因であり、そしてまた、運営し、やっていくのがJR各社でございます。過度の負担にならないように、あるいは第二の国鉄にならないように、こういうことでいろいろ技術の方々あるいは事務当局の方々が相談して、基本スキームというものが策定されましてこういう案になったと私は思います。また、JRの方の運転をする方も、これでいいんだというような状況にもなったろうと思います。  したがいまして、お尋ねの三路線につきましては、おおむね十年を目途に整備を進めてまいりますし、それから、上野—青森間、現在、これができますと五十分程度の短縮になる、こういうふうに聞いております。この計画に沿って着実に推進をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
  124. 大塚秀夫

    ○大塚(秀)政府委員 今のお尋ねの中に、もう一点、軽井沢—長野間についてはなぜフルにしたのかという点がございましたので、この点について私からお答えしたいと思います。  軽井沢—長野間の規格につきましては、私ども関係者が、長い間着工に至らなかった整備新幹線についてその打開策を検討した際に、他の区間についてもいわゆるミニ新幹線、スーパー特急等を採用して投資効率の高いところからやっていくという過程で、この区間もそのような問題を検討したのでございますが、フル規格新幹線、ミニ新幹線いずれであっても、軽井沢—長野間は収支採算性、投資効果等の点で評価点が高かったわけでございます。そして結論が得られずに、昭和六十三年の基本スキームにおいては三年以内に決定することとされ、昨年十二月、予算編成過程で、必要な調整を行った上で、標準軌新線、つまりフル規格で建設することとされたものでございます。  一方、東北新幹線につきましては、基本スキームにおいてミニ新幹線、フル規格を組み合わせることとされたものであり、この基本スキームに沿って整備を進めてまいりたいと思います。  ただ、先生、ミニ新幹線のことを御指摘になられましたが、ミニ新幹線という言葉は必ずしも適当かどうか、法律上は新幹線直通線と言っておりますが、これは、在来線にもう一本広軌の線を使って、若干路盤も改良して直通乗り入れをするので、決して在来線と同じようなものじゃなしに、便利になる点を御理解いただきたいと思います。
  125. 関晴正

    ○関分科員 フル規格にしますと、ミニに比べて時間短縮は相当なものだと思うのですが、その点はどのくらいになりますか。
  126. 大塚秀夫

    ○大塚(秀)政府委員 確かに、ミニの区間についてもフルにしますと時速が速くなりますので、上野—青森間につきましては、フルにした場合には、先ほど、現在の規格では約五十分と申し上げましたが、フルの場合には一時間半ぐらいということでございます。
  127. 関晴正

    ○関分科員 私どもの願いとしまして、何としてもフル規格の新幹線にされないものだろうか。ミニにして短縮される時間、フルにして短縮される時間を考えますというと、大変な隔たりであります。本州の北端の青森、この青森と盛岡を考えますときに、この経済格差といいましょうか、新幹線のフル規格とミニ規格による差というものは著しいものがある。  やがて北海道まで新幹線というものは行かなければならないものだ、こう思うのです。行かなくてもいいんだ、もう北海道は飛行機で片づけようよ、鉄道輸送は断念しよう、こう言うならばまた別であります。遠いところをどうしても速く近づける、それが新幹線の使命だろうと思うのですが、その場合、青森どまりになって、北海道はもう先がないんだ。逆に、北海道まで行くんだ、こう考えることによって、東北新幹線盛岡以北もこの規格でいいのかしら、やはり青函トンネルというものを見ながら展望するときには、これでは北海道民には済まないな、だれも鉄道利用するんじゃなくて飛行機だ、こう利用客が行ってしまうんじゃないだろうか、こういうことを考えますというと、そこにも盛岡以北青森というものはミニじゃなくてフルにしなければならない、そういう必然性があるんじゃないだろうか。  先ほど私は、長野がなぜなったのか、こう申し上げましたが、その理由は何か明確でなかったな、こう思うのであります。言うなれば、利用者の、採算の問題でそうするんだ、こうおっしゃっておるのか、それともオリンピックがあるので、あそこだけはまたそういう点で考えなければならなくなった、こう言うのか、その辺についても分析した一つの判断があったのだろうと思うのです。私は何も軽井沢—長野がそうなったからといって、これをいけないと言っているのじゃありません。よかったと思っているわけです。喜んでいる。  だがしかし、反面、私どもの方は青森で終わりだということじゃなくて、北海道にも道民がおられてこれを利用するんだ、そういうことのために青函トンネルというのはできたのです。せっかく青函トンネルというものをつくって、しかもフル規格の新幹線が通るようにあれはつくったわけですよ、莫大な金と時間をかけて。それが何の利用もないままに今日あって、そして今日の計画の中にもそこまでの展望がないままでとにかくおやりになる。金がないから、金がないから、こう言っているのですけれども、採算だけを考えて、財政だけを考えてこれでいいんだということはどうしても合点がいかないわけであります。  そういう意味においては、今の暫定的な段階においてはこういうことでおるけれども、やがてはそういう方向で転換することもあり得るものというふうに私どもは期待しておるのですけれども、その期待は無理な期待でございましょうか。お伺いしておきます。
  128. 大塚秀夫

    ○大塚(秀)政府委員 整備新幹線につきましては、いわゆるフル規格、標準軌新線についての整備計画というのは現にあるわけでございます。今回、鉄道整備基金の設立等に伴う鉄道関連三法案におきましても、この新幹線鉄道直通線あるいは新幹線鉄道規格新線というのは、全国的な新幹線鉄道のネットワークを形成するための暫定的な、新幹線鉄道に準ずる高速輸送体系というように位置づけておるわけでございます。  それではこの暫定的な高速輸送体系をいつ本来的なフルにするかということになりますが、ここまで至るに、整備計画昭和四十八年十一月につくって以来これだけの時間がかかりまして、私どももようやく今回いろいろな知恵を出して鉄道整備基金を設立したわけでございます。将来、この現在の基本スキームの進捗状況、また採算性の問題、並行在来線の取り扱い、JRの経営状況、国民経済的な投資効果、いろいろな面を総合的に検討して対処しなければならないと考えておりますので、ちょっと時期ということについては申し上げられませんけれども、あくまでもこれは整備計画の第一歩であり、しかも地元の高速輸送体系への要請にこたえたものと御理解いただきたいと思います。
  129. 関晴正

    ○関分科員 盛岡—沼宮内間がミニで整備をする、そうして沼宮内—八戸がフルで整備をする、そうして八戸—青森はミニでやる、こういうことなんですが、盛岡—沼宮内をミニでやった後、八戸—青森も大方またミニにせざるを得ないということになるだろうと私は思うのですけれども、いや、そうでもないんだ、部分的にそこがミニになったとしても、やはり八戸—青森間というものもまた考えれば、ミニにとらわれない考え方というものもやがて出てくる、またそうしてもらわなきゃならない、こう思うのです。また、そう思いますというと、そこだけがフルじゃなくて、やはりわずか沼宮内までの三十キロをミニで済ませていいのかということもまた考えるところにぶつかってくるだろう。  私は何としても、今三時間とちょっとで青森と東京がつながるようにされないだろうか。今日五時間以上ですね。そうして、そのためには青森の八甲田トンネルというものをつくって、そうして大々的に計画を進めるということが一番いいことじゃないのか、そういうようなことにどうしても踏み切ってもらわなきゃならないんじゃないだろうか、こう思うわけであります。  そういう意味では、北海道の展望もしながら、青森の八甲田トンネルというものを考えて、そうして進めるということもしなければ、後で取り返しのつかないようなことで、後戻りができないようなことにされてしまっては困る、こう思うのでありまして、そういう点については、ひとつ大臣の新幹線に対する、今の姿はそういうやむを得ない姿としておいても、やはりこれは本当の意味の新幹線にすべく全力を挙げて当たってもらえないだろうか、こう思いますので、その点についてのひとつ御決意なり、お気持ちでも結構でございますので、示していただければ、こう思います。
  130. 村岡兼造

    ○村岡国務大臣 先ほど来総括審議官が整備新幹線の、今現在決めているのは第一歩だ、心情的には私も関先生と同じでございますけれども、何しろフルにいたしますと現在のところでは膨大な金がかかり、あるいはまた担当して経営をしていくJR各社がこれはなかなか現状では容易でない、こういうような事情もありまして、心情としては同じでございますが、とりあえずこれでやって、その間にまたいろいろな検討課題もあろうかと存じますので、そういう時点でまたいろいろ検討を開始をしていかれるものだ、こう思っております。
  131. 関晴正

    ○関分科員 そもそも新幹線というものは、これは全部国の負担でやってこられたものですよね。今度新しく整備新幹線ということになりますときに、おくれるだけおくれていながら、負担はまた地方にも求める、その上、在来線についてもぶった切ってしまう、こういう発想でもあるわけです。  在来線をぶった切るというこの発想は、これまでの新幹線には全然適用することがない。そうして、これからのものにはそういう方針で臨む、こういうわけですが、これはもう在来線をぶった切られるところの町村長さんにとってみますと大変な心配であります。新幹線ができるのはいいけれども、おれの方の在来線がなくなって、そうして日常の通勤対策はどうするんだ。これについては、すべて市町村、自治体の負担にだけ任せて管理運営ができるようにという第三セクター方式というものを求めておられるようであります。  こういう在来線の廃止そのものを私はよしとするものではありませんけれども、廃止するわけにはいかない、そうしてやはり管理したいという場合の自治体の負担というものについては、これは政府としてもよほど考えてあげなければならないのじゃないだろうかと思うのですけれども、これにはびた一文出さないでやりなさいというお考えなのかどうか、伺っておきたいと思います。
  132. 大塚秀夫

    ○大塚(秀)政府委員 まず最初の御指摘でございますが、現在営業中の既設新幹線につきましては、特に輸送需要が多い区間であり、在来線をあわせて経営しても成り立つと判断しましたことから並行在来線の経営分離問題は生じなかったものでございますが、整備新幹線については既設新幹線に比べて輸送需要が少ないことから、並行在来線を維持させることはJRに過重な負担を負わせることになると判断し、整備新幹線の並行在来線の取り扱いについては、地元自治体及びJRの意見を踏まえて適切な結論を得ることとしたものでございます。  今回、整備新幹線の整備を行います並行在来線の取り扱いにつきましては、整備新幹線の着工に際し、地域で十分御検討の上、並行在来線のJRからの経営分離の結論を得られるものと理解しており、欠損補助等の措置を講ずる考えはございませんが、それ以外のJRからの要員派遣や運行面での協力については、今後我々も十分検討してまいりますし、JRについて必要な指導をしていきたいと考えております。
  133. 関晴正

    ○関分科員 この新幹線の着工に当たって、在来線沿線の町村長さんの御了解がない限り進めないつもりですか。御了解がなくてもやはり計画等は進めて、そしてやるべきものはやらなければならない、こうお考えになっているのか、その辺はどうですか。
  134. 大塚秀夫

    ○大塚(秀)政府委員 地元公共団体との調整が行われた上で着工すると考えております。
  135. 関晴正

    ○関分科員 了解がなければ、了解されるまで工事は延びていく、こういうことでございますか。
  136. 大塚秀夫

    ○大塚(秀)政府委員 組織体としての地方公共団体の合意が得られることが前提になると考えております。
  137. 関晴正

    ○関分科員 今の計画でいきますというと、先ほど十年はかかる、こうお話しになったようでありますが、この計画でいく工事の手順というものはどういうふうになっておりますか。
  138. 大塚秀夫

    ○大塚(秀)政府委員 ただいま国会で新幹線関連の三法案を御審議いただいているところでございますが、この法律が成立しますと、全国新幹線鉄道整備法の改正条項に基づきまして鉄道建設公団の方で工事実施計画の認可申請をし、その認可を受けて鉄道建設公団が実施するということが基本でございます。
  139. 関晴正

    ○関分科員 いろいろ申し上げましたけれども、せっかく方針をとられたわけでありますから、まずフル規格に入っているところから急いで着工を進めていく、そして、ミニ規格を予定しているところについては、直ちにミニだというような入り方をしないで、ある程度そこには弾力性を持って対処し突き進んでいただければと思います。昨今の我が国の財政事情というようなものもまた相当な変化というものも出てくるでありましょうから、現状の判断だけでそういかないで、我々県民の期待する方向に進んでいただきますことを希望しますし、悔いを千載に残すような計画にしないで、青函トンネルというものをも十二分に活用して、六百万人もおられる北海道の道民の足をもやはり考えなければならない、そういう観点に立って進んでいただきますことを強く願いまして、質問を終わりたいと思います。
  140. 新盛辰雄

    新盛主査代理 これにて関晴正君の質疑は終了いたしました。  次に、上原康助君。     〔新盛主査代理退席、戸井田主査代理着席〕
  141. 上原康助

    上原分科員 大臣、どうも大変お疲れさまです。  私は、離島空港の整備について、大臣初め関係者の御見解をお尋ねをさせていただきたいと思います。  ことしの三月一日閣議了解された第六次空整、第六次空港整備五カ年計画が明らかになっているわけですが、その六次空整の五カ年計画で沖縄県の離島空港の整備にはどのようにかかわろうとしているのか。いろいろお尋ねしても、ことしの秋ごろにしかその具体的な箇所とか全体計画、全体像というのは策定されないということのようですが、現段階でおわかりの範囲でよろしゅうございますので、ぜひお聞かせを願いたいと存じます。
  142. 宮本春樹

    ○宮本政府委員 お答えいたします。  先生からお話のございましたとおり、第六次空港整備五カ年計画、去る三月一日に総枠三兆一千九百億円、今の五次に比べまして六六・一%増という計画の総枠が閣議了解されたわけでございまして、これからのスケジュールといたしましては、これからその中身について詰めまして、ことしの秋ごろ五カ年計画を閣議決定したい、そのように考えているわけであります。これは何も空港整備の五カ年計画にとどまりませんで、各種五カ年計画はいずれも総枠を閣議了解し、その後いろいろ内容を詰めて閣議決定、そういう段取りを踏むものであるというふうに理解しているわけでございます。  その中身の詰め方につきましては、昨年の八月に運輸大臣の諮問機関でございます航空審議会から、この計画策定についての考え方について、基本方針についての中間取りまとめというのをいただいておりますので、それに沿って詰めてまいりたい、このように考えている次第でございます。  その中で、やはり何といいましても金額的に大きなものを占めておりますのは、いわゆる三大プロジェクトと言われております成田空港の完全空港化、羽田空港の沖合展開、それから関西の新空港が金額的には大きなものを占めておりますけれども、これからの我が国の航空需要とかいうものを考えますと、やはり地方の空港の整備というのは非常に大切ではないか、航空のネットワークを国内、国際ともネットワークとして張っていく必要があるのではないかということも指摘されているところでありまして、地方の空港の整備についても力を入れていきたい、そのように考えております。
  143. 上原康助

    上原分科員 そこで、後でちょっと気になることもお尋ねしますが、私もこれまで機会があればたびたび航空管制の問題であるとか、特に空域問題、沖縄の離島空港整備のことについてはお尋ねをしてまいりましたが、運輸省初め政府関係当局の御努力によって那覇空港を初め逐次整備されてきたことは敬意を表したいと思います。ただ、那覇空港の現状というのは、せんだっても沖縄・北方対策委員会でも取り上げたんですが、あの国内ターミナルにしてもあるいはその他の施設にしても、残念ながら離島空港としての体裁をなしていない。私も随分あっちこっちの地方空港へ行くんですが、あんなへんぴというか片隅に追いやられたターミナルなんてないですね。それは御承知のように、那覇空港が自衛隊との共同使用になって、もう皆さんひさしを貸して母屋をとられてしまっている。運輸省、空港管理をやっておられるわけですから、そういう面ももう少ししっかりやらにゃいかぬということを重ねて注文をつけておきたいわけですが、いろいろ御努力しておられることには敬意も表し、また我々もバックアップをしていきたい。  たしか平成三年の予算で、懸案となっておりました、多年の念願でありました南大東空港の実施設計調査費が計上されたと思うんですね。これは用地の確保等々めどがたっているようでありますので、今後の見通しと、大体どの程度の期間あるいは予算で完成に持っていかれようとするのか、お聞かせいただきたいということ。  もう一点、南大東はそういう方向で進んでいるわけですが、北大東の方はまだまだ手つかずの状況であります。たしか宮古の多良間空港は今滑走路の補修整備をやっているかと思うんですが、いずれもせめてYS11機クラスが就航できるように早期に拡張ないしは新しく設置をしてもらいたいということが言われているわけですが、今私が指摘をした箇所について、今後の計画なりお見通しをお聞かせを願えればありがたいと思います。
  144. 宮本春樹

    ○宮本政府委員 お答えいたします。  三空港についてお尋ねがあったかと思うのでございますが、まず最初に南大東でございますが、南大東空港は先生御承知のとおり、沖縄県が設置、管理しております第三種空港で、現在八百メートルの滑走路を有しておるわけです。現在、小型機による定期便が那覇との間に開設されております。南大東島は那覇から約三百七十キロメートル離れておりまして、航空は島民の足として必要不可欠の交通手段と認識しておりまして、現在の空港につきましては小型機のため就航率が低い、あるいは座席利用率が高く座席の確保が非常に困難である、そういう問題がございまして、今後の需要の増大に対応するためにはYS11型機等の機材が就航可能となるように滑走路の千五百メートルへの延長が必要である、そのように考えております。この千五百メートルへの延長事業を平成三年度より着手する、そういうことで現在御審議願っております予算にその予算も計上しているわけでございます。今後どのように工事が進むかということもございますけれども、供用開始は大体平成九年ごろではないか、そのように予想しております。平成三年度におきましては航空法の設置許可等所要の申請手続を処理し、実施設計調査を行う、そういうつもりでおります。  それから次に、北大東についてお尋ねがございました。北大東についてはまだ私どもは十分に検討しておりません。これから調査しなければならない事柄だろうと思います。  それから多良間につきましては、現在、YSが就航可能になるようにというお話があるわけでございますけれども、沖縄県側とこれから空港整備五カ年計画の策定の手続の段階で十分調整してまいりたい、そんなように考えております。
  145. 上原康助

    上原分科員 一応調査をして、もちろんこれから一挙にというわけにはいかないでしょうが、やはり将来、できるだけ近い将来にYS11クラスが就航できるような空港に持っていきたい、そういう計画というか、お考えはあると理解していいわけですね。
  146. 宮本春樹

    ○宮本政府委員 現在、どういうふうにするかということを決めている状況ではございません。これからいろいろ地元の状況とかそういうものを十分伺った上で判断いたしたい、そんなように考えているわけでございます。
  147. 上原康助

    上原分科員 できるだけ今私が述べたような方向にひとつ手がけていただきたいと思います。  それともう一点、久米島空港の整備も、これは滑走路を二千メーターに持っていく。今YSが就航しておりますが、これは米軍の空域問題がいろいろ災いをしているということも一時言われておったわけです。また、地先やそのごく一部の土地取得で合意に至っていないという、最近解決したとも聞いておりますが、そういう面はどうなっているのか。南大東は供用開始は大体平成九年ごろと今明らかになったわけですが、久米島の方はどうなるのか。これが一つですね。  あと、これも何度か沖特あたりでも議論されてきたことなんですが、空域問題ともかかわっている、あるいは伊是名村の空港立地要望もあるということで、伊平屋空港の整備についてはどういうお見通し、計画なのか、この二点もぜひ重ねて明らかにしておいていただきたいと思います。
  148. 宮本春樹

    ○宮本政府委員 お答えいたします。  まず久米島の空港でございますが、久米島空港はやはり沖縄県が設置、管理する第三種空港でございまして、ジェット機の就航を図るために、現在千二百メートルございますが、これは先生お話しのとおり、二千メーターへの滑走路の延長事業を六十三年度から事業採択しているところでございます。供用開始は大体平成九年ごろという予定でございます。本年度、航空法の設置許可あるいは公有水面埋立法による埋立申請手続を終了いたしまして、平成三年度からは護岸工事に着手する予定でございます。なお、先生から、用地問題が一部あって難航しているんではないかというお話がございましたけれども、この問題は、一部場所を変えるとかそういうことで円満に解決した、このように伺っているわけでございます。  それから伊平屋空港、伊平屋島についてもお話がございましたが、これについて私どもはまだ十分に沖縄県側から事情を承っておりませんので、これは沖縄県の意向も十分承った上で今後検討してまいりたい、そのように考えております。
  149. 上原康助

    上原分科員 もう一つ、久米島の場合の米軍との空域問題で支障があるということも聞かされておったんですが、それは解決したのですか、どうなんですか。
  150. 宮本春樹

    ○宮本政府委員 久米島空港につきましては、米軍との空域の問題は、久米島空港の整備について支障がないようになっているというふうに伺っております。
  151. 上原康助

    上原分科員 伊平屋については県の方の方針がまだ固まっておらないのか、よくそこまでは十分は確めてありませんが、しかし、かねがね強い要望があることは御案内のことと思います。これもぜひ十分ノートしておいていただきたいと思いますし、同時に、これも内閣委員会あたりで相当議論をしてきたことなんですが、伊平屋空港を設置をするに当たっては伊江島の訓練空域の問題がネックになっている。きょうは時間ありませんので細かくは触れられませんが、これはそれが障害でなかなかうまくいかないのじゃないのかと思うのですが、県もその点を非常に苦慮しているのじゃないのかと思う。この点どうなのかということと、もう一点、これも復帰直後からの重要課題で一時は前進するかのようであったのだが、那覇空港への進入管制問題ですね、いわゆる嘉手納の米軍が握っている嘉手納RAPCONと言われている。いつまで日本の空をアメリカの占領下の状況下に置いておくのか。放置しておくのか。大変納得しがたい点なんですが、この二点についても現段階における運輸省の対処の仕方あるいはお考えというものを聞かせておいていただきたいと思います。
  152. 宮本春樹

    ○宮本政府委員 まず最初に、伊平屋空港と飛行経路の確保についての米軍との所要の調整の問題ですが、先生御案内のとおり、伊平屋空港が整備される場合には民間航空機の飛行経路を確保するために米軍と所要の調整が必要である、そのように考えております。  それから嘉手納RAPCON、いわゆる那覇空港の進入管制を日本側に返還させるという問題につきましてはかねがね御議論いただいているところでございますが、運輸省といたしましては、既に進入管制業務を十分実施し得る能力を日本側としては備えていると考えておりまして、昭和六十三年五月に開催されました日米合同委員会の下部機関である民間航空分科会におきまして、米軍に対しその返還を要請しているところでございます。これに対し米側は、米軍の運用上の所要にかんがみまして本件返還は極めて困難である、そういう見解を現在示しているところでございますけれども、いずれにいたしましても運輸省といたしましては、今後とも外務省と協議しながら米側と接触をいたしましてこの返還問題について解決を図ってまいりたい、そんなように考えております。
  153. 上原康助

    上原分科員 ちょっと大臣、席をお外しになったわけですが、離島空港整備の問題と私が今具体的に沖縄の離島名あるいは空港名を挙げてお尋ねしましたが、ぜひ第六次空整の中で、もちろんこれは三大プロジェクトがあるし各都道府県とも自分たちの空港整備というのはこれは当たり前のことで、強い要望があると思うのですが、しかし離島の離島という面、先ほども新幹線問題、鉄軌道問題、議論ありましたが、私は沖縄ほど損している県はないと思いますよ、本当にこういう交通ネットという面で。しかも、戦後二十七年間離されておったということと、僕はだから沖縄までトンネル掘れと言うのですよ、本当に平等なら。青函掘ったように島伝いにトンネルぐらい掘るなら話はわかる。それだけ区別と差別というか犠牲というか、実際問題として損しているわけです。そこはぜひ政府として、特に大臣、政治家としては御認識をいただきたい。しかも依然として空域が非常に広範囲にわたって米軍に占拠されている。嘉手納RAPCONも今おっしゃるようにもう復帰直後から問題になったんだが、日本側にその能力と技術と体制があってもアメリカは離さない。こんなばかな話ありますか、一体。そういうことについて、話は離島空港整備の問題とそういう安保に絡むことと関連するわけですが、これらのことについて運輸大臣としてどのように対処していかれようとするのか、御見解を聞かせていただきたいと思います。
  154. 村岡兼造

    ○村岡国務大臣 上原先生、離島の空港の問題での要望の点でございますが、この離島の問題につきましては地元の意見もよく聞きまして今後調整をし検討をしていきたい、こう思っております。
  155. 上原康助

    上原分科員 嘉手納RAPCONのことは触れませんでしたが、そこもひとつ御検討いただいて、運輸省にはそういう受け入れ態勢はできている、だがアメリカの都合によってあるいは軍事優先ということによって空の管理権、航空管制権というものが日本の主体でできないという、これはだれが考えても納得しがたいことですから、その点についてもさらに御努力を願いたいと思います。  そこで、時間があればモノレールのこととか那覇—座間味間の琉球エアーコミューターの件についても聞きたいわけですが、その前にもう一点、これも随分要求なり要望して議論してまいりましたが、沖縄の産業振興を考えた場合に観光リゾート産業の振興というのは非常に重要なんですね。第一次産業の振興にとってももちろんこの連動する観光産業というのは重要視されている。その場合に、観光リゾートという場合にどうしても飛行機を利用する。ほとんど九五、六%、九割以上は今飛行機でしょう。そうなりますと航空運賃の問題があるのですよ。航空運賃は沖縄振興にとって密接不可分のことなんですね、安いのか高いのかということで。これまでこれを議論すると、いや沖縄は東京—札幌とか東京—福岡とかあるいは東京を起点にして国内だったら比較的割安なんだという言い分もあるのだが、確かにキロ当たり単価ではそうかもしらない、それは沖縄は特別措置なんかもまだ若干ありますからね。しかし、御承知のように現在の運賃体系は総合原価主義を採用しているのですね。私はここで、別の計算方法として路線別原価主義があるのじゃないですか。この方法による運賃のことについてはどういうわけか運輸省は公表しないですね。総合原価主義で込みでやっている。  今、沖縄—東京間というのは特に湾岸戦争等があったことにもよるかもしれませんが、沖縄航路だけではあるいはないかもしれませんが、航空会社でその需要にこたえるために増便を計画していると思うのですね。これも羽田空港の発着枠の関係でなかなか増便が難しい。正直申し上げて、今なかなか席はとれませんよ。ずうっと満席が続いているのですよ。もちろんそれは時間帯なり日にちによってはそうでない場合もありますけれども。この状況からすれば沖縄—本土線の利益率が高いのは、上がっているのは常識ですね。ドル箱だと言われている。だから路線別原価主義を採用して沖縄の航空運賃を再検討して下げるべきだと私は思う。きのうもどこかで私言ったんだが、日本のやり方というのは何でも金太郎あめみたいに画一主義で、この点は我々県民としては納得しがたい。ほかの都道府県のように新幹線とか政府の予算によってこれだけの交通ネットワークを整備をした、そういう恩恵を受けていない。地下鉄もないじゃないですか。何もない。戦後四十六年の蓄積あるいは二十七年の施政権分断の間における損失というのは甚大なものなんですよ。こういうことについてはもう少しきめ細かく、血の通う心のある運輸行政というか、運賃単価基準決定というのかをやっていただきたいと思うのですが、私が今指摘したことについてどういう御見解なのか、ひとつお聞かせいただきたいと思います。
  156. 宮本春樹

    ○宮本政府委員 お答えいたします。  まず、運賃の定め方についての御議論があったわけでございますけれども、基本的に申し上げますと、私どもは国内の航空運賃につきましては路線別の原価主義にのっとってやっているわけでございます。先生は、総合原価主義であって、それを路線別原価主義に改めるべきではないかというお考えがあったと思うわけでございますが、完全に路線別とは申しませんけれども、基本的には路線別原価主義にのっとって運賃を定めている、そういうことでございます。したがいまして、先生からもお話がございましたけれども、従来からの運賃のお話に対しましては、キロ当たりの賃率と申しますかそういうもので比較すると、東京—那覇間でとりますと、例えば沖縄の賃率は二十一円をちょっと切るぐらいでありまして一番低い、そういうことでありまして、路線別でいえば、賃率が一番低い路線なのでこれを引き下げることはなかなか難しいということを申し上げておることは御承知のとおりであります。  一方、ほかの国内路線につきましては、特に北海道等を中心に、そういう路線別に見てみると運賃がどうも相対的に高いのではないか、そういう御議論もございまして、先般いろいろな方の御意見も承った上で国内運賃について一部引き下げを実施することになったのでありますが、そのときにも沖縄の運賃についても当然検討いたしましたけれども、路線別に見てみましても、現在のところ、それを引き下げるべき理由が見当たらないということで、引き下げは行わなかったわけでございます。  観光の振興を図るためには、沖縄にとって航空路線の充実なりその運賃というものが非常に大切であるということは、先生おっしゃるとおりでございます。私どもも、今後も機会あるごとに、運賃につきまして、あるいは路線網の充実につきまして検討いたしていきたいと思いますけれども、現在のところは、従来からお答えいたしておりますように、沖縄関係の路線については、特にほかの路線に比して運賃が割高である、そういうことは私どもの方の検討ではなかなか出てまいらない、そういうことを申し上げざるを得ないと思うわけでございます。  それから、路線網の充実につきましては、先ほど来御説明いたしておりますとおり、東京あるいは大阪の両空港の物理的な発着が非常に厳しい状況にあることは御承知のとおりでございます。そういう中で、わずかに出てきました発着枠をどのように配分するかということにつきましても、込みぐあいを見ておりますが、私どもが承知している限りでは、例えば東京—那覇線のロードファクターは六〇%台の上の方、六八%、あるいは、大阪—那覇線も六六・五%という状況で、他と比して必ずしも高い状況ではない。六十数%というのが本質的に高いか低いかということについてはもちろん議論がございますけれども、現在、空港の制約等がございまして、全体として航空路線が込んでいる、そういう状況からすると、相対的にはそう高い方ではない。そういう状況もございまして、東京大阪の増便枠を沖縄に振り向けることはなかなか困難な状況で、今後の輸送需要の動向とかそういうことも十分見きわめながら、先生の御要望も承った上で検討してまいりたい、そんなふうに考えております。
  157. 上原康助

    上原分科員 もう時間が来ましたので、路線別か総合原価主義かはまた後で議論しますが、数字は魔物で、操作する方にいつも有利に皆さんやっているのですから、あなたは笑っているけれども。国際線にしてもそうなんだ。これは、みんな疑問を持っているわけですから、あなたがそう言うなら、また、いずれ数字を探してきて、一緒にどこかで議論をやりましょう。だが、増便の問題にしても、あれだけ常に席がとれないほど満席であるのだから、どう考えてももうかっていると思うな。そうであるなら、一遍決めたからてこでも動かぬということではなくして、もう少し真剣に考えてみたらどうですか。その点を強く要望しておきます。  そこで、最後に、この第六次空整を見ても、地方拠点空港を活用したネットワークの充実、多様化というところがあるんです。これには九州の拠点空港は——新千歳、その前にいろいろ書いてありますが、福岡という。那覇が抜けているんです。北海道の新千歳があるなら、やはり南の玄関は沖縄ですよ。福岡はもちろん大事。大臣、こういうところは、どうも沖縄の本当の将来の、第三次振計とか二十一世紀に向けての本当の国際交流あるいは拠点、日本全体のいろいろな総合政策の中で沖縄の位置づけというものをどうしていくかというのを少し見落としているな、まだまだ我々が目を光らせて注文をつけぬと、沖縄は、取り残されてしまうことはないとは思うのだが、そういう感じがしてなりませんね。ですから那覇空港も、沖合展開の問題とか、どうしても国際第一種空港に持っていってもらいたい、こういう強い願望がありますので、ターミナル整備の問題を初め、政府のそういったマスタープランというか基本計画に沖縄ももう少し大事に位置づけるようなことをやってもらいたい。これは北海道が聞いたって、福岡が聞いたって、鹿児島が聞いたって、私は異論はないと思う。ひとつ大臣の御見解を聞かしていただきたい。
  158. 村岡兼造

    ○村岡国務大臣 先ほど来の先生の御意見等を踏まえまして、地方の拠点空港、何も今例を挙げられたところばかりでなく、条件が整えば国際化その他ということも考えておりますので、御意見を踏まえて検討してまいりたい、こう思っております。
  159. 上原康助

    上原分科員 よろしくお願いします。終わります。
  160. 戸井田三郎

    ○戸井田主査代理 これにて上原康助君の質疑は終了いたしました。  次に、薮仲義彦君。
  161. 薮仲義彦

    薮仲分科員 私は大臣に、我が国の大動脈、特に東京大阪間の輸送力についてお伺いをしたいと思うわけでございます。私も静岡に住んでおるわけで、毎日新幹線を利用させていただいております。その立場も踏まえて質問させていただきます。  今、東京大阪の交通手段としては、いわゆる航空機による方法、それから新幹線、あるいは東名等があるわけでございますが、やはり東京大阪間の大動脈というのは、日本の経済にとっても、また我々の国民生活にとっても、非常に重要な路線であることは論をまたないところでございまして、大臣が行うであろう総合交通政策上も、この大動脈を確保するということは非常に重大な課題だと思うのでございます。  そこで、最初に航空局にお伺いしたいのですが、羽田—大阪間のいわゆる航空便、これを例えば今増便しよう、こういう要請があったら可能なのかどうか、お伺いしたい。
  162. 宮本春樹

    ○宮本政府委員 お答えいたします。  先生御案内のとおり、羽田の空港それから現在の大阪の伊丹の空港、いずれも物理的に満杯でございまして、先生ただいま具体的にお話のございました大阪東京間の便の増便ということは現実には大変困難である、そのように考えております。
  163. 薮仲義彦

    薮仲分科員 飛行機が増便できない、こうなりますと、新幹線によらざるを得ないのが二番目の手段でありますけれども、最近私は新幹線に乗っておりまして、本当に大丈夫かなと感ずることが多々ございます。最近の混雑の度合いが今までとは違って、私も国会に当選させていただいてから十数年たっておるわけでございますが、当時と比べて最近の込みぐあいがひどいな、特に朝夕の「ひかり」、それから週末の金曜日、こういうときには乗れない人が出てきているのではないか。特に、我々が駅のカウンターで余席がありますかというような問い合わせをしますと、ずっと遅い出発の列車まで切符をとれない、こういう状態が続いているわけで、今、飛行機がだめで今度は新幹線に乗ろうとすると、一番乗りたい時間に物すごい混雑。この混雑の度合いを我々は正確にはわかりませんので、新幹線の輸送能力と実際に旅客が利用している利用率、現状は大体どうなのか、そして、これから将来適正な輸送能力を維持しながらこの東京大阪間の輸送というのに耐えられるようになっているのかどうか、これをお伺いしたいと思います。
  164. 大塚秀夫

    ○大塚(秀)政府委員 手元に詳細な資料がございませんが、「ひかり」、「こだま」それぞれの時間帯別の乗車人員を見ますと、特に「ひかり」の混雑が最近甚だしく、朝夕では一〇〇%を超えているところもあるような状況です。また「こだま」につきましても、夕方の時間帯には一〇〇%を超えるような混雑率を示しているところもございます。
  165. 薮仲義彦

    薮仲分科員 これは総括審議官、正確な資料で答弁してもらわぬと困るのですよ。私は、この新幹線の状況についてきょう質問しますよということは通告しておいたはずです。  私の手元の運輸省からいただいた資料を見ましても、これは輸送量とそれから輸送力といいますか、現実に乗っている方と輸送できる能力とを見ますと、これはもう運輸省の資料ですからおわかりのとおり、完全に乖離しているわけです。乗客の方が輸送力を上回りますよ、こういうようにお客が乗れない状態が現にきているわけです。手元にお持ちじゃないのだったらお見せしますけれども、これも運輸省の資料です。これをごらんになってわかるとおり、ここの黒く塗ってあるところは、席がありませんよ、立っていなさい。今完全に、先ほど申し上げましたように、通勤時間帯の「ひかり」は立っていなきゃならない。  これは今申し上げたように、飛行機に変えることができない。じゃ新幹線を増強してもらえるのかどうか。いわゆる輸送力を増強するということになりますと、我々は専門家ではありませんけれども、通常考えられるのは、じゃスピードを上げましょう。今、「こだま」の平均スピードで走っているこのスピードをもう少し上げて、このことによってじゃ輸送力を増強できるかどうか。あるいはまた、今の編成を一両でも二両でもふやして、編成増によって乗客を運んでいきましょう。編成増といいますけれども、これは各停車駅のホームの長さもありますし、いろいろな問題があって簡単に編成増ができるのかどうか、この辺は大丈夫なのか。もう一つは、では一時間当たりの今の東京からの出発本数を増強できるのか。単純に考えてこの三つしかないと思うのですね。  では、具体的に一つ一つ聞きますけれども、今のスピードを、例えば今新聞などでは、二百七十キロ等のこの「スーパーひかり」の話が出てまいりますけれども、スピードアップすればどれだけ輸送量が増強されて、今のこの席が足りないという状態を解決できるのか、また、じゃ今の編成を一両でも二両でも編成増ができるのかどうか。この点どうですか。
  166. 大塚秀夫

    ○大塚(秀)政府委員 これはいろいろ技術的に検討しなければならない問題があると思いますけれども、基本的に申し上げますと、スピードアップによりましても、ターミナルにおける列車の回転率といいますか、そのようなネックによってなかなか輸送力増強が難しいというふうに理解しております。
  167. 薮仲義彦

    薮仲分科員 もう少しきちんと答えてください。輸送力増強によって、今のスピードを上げることによって、今お客さんが立っていなきゃならないようなのにきちんと対応できるのですか。もう一つは、私が言ったのは、車両の編成増はできるのですか。できるかできないか、明確に言ってください。
  168. 大塚秀夫

    ○大塚(秀)政府委員 今申し上げましたように、技術的な問題がありまして、編成増、それから、今言われましたような二階建て等による輸送力の増強、スピードアップ等については、現在、JR東海の資料等をもとに東海道新幹線輸送力増強問題懇談会で検討中でございますので、ちょっとここで数字的には申し上げられません。
  169. 薮仲義彦

    薮仲分科員 私はもともと運輸委員でございますから、今の運輸省の事務次官の林さんが分割・民営のときにずっとやっていらっしゃったとき、これは一つ一つやった経験があるのです。その上で申し上げますと、今総括審議官は簡単におっしゃったけれども、車両の編成増なんというのはそんなにできるものじゃありませんよ。スピードアップしたり二階建てにして、今のこの困難な輸送に対して増強できるほどふえっこないですよ。一度計算してみていただきたい。こういうせっかくの大事な委員会なんですから、これは本気になって我々の質問に答えてもらわないと困るのですよ。我々は運輸委員会で余り質問する機会がないから、地元の多くの方から要望されて、運輸省が真剣になって取り組んでほしいという声を私は言っているのですから、これは国民の声ですよ。  じゃ、現在の一時間当たりの輸送力増強という問題に行きましょう、だったらば。  今、御承知のように、JR東海は七・四体制なんですよ。一時間に「ひかり」七本、「こだま」四本通しているのです。十一本しか東京から出せないのですよ。じゃ今、あの十一本をふやすのにどうしたらいいんだ。  じゃ例えば、総括審議官にお伺いしますけれども、いろいろなやり方をおっしゃるんだったら、今の東京駅の体制で、運転技術や運転のそのいろいろなシステムを取り上げて、それで今の七・四体制よりふやせますか。
  170. 大塚秀夫

    ○大塚(秀)政府委員 東海道新幹線の輸送力増強問題が、先生指摘のとおり、重要な問題であり、また、七・四体制をさらに八・四体制あるいはJR東海の言います将来九・三・三体制に持っていくにはどういう対策が最も適当か、極めて重要な問題でございますので、JR東海等の意見も聞きつつ、現在、懇談会で検討しているところでございます。
  171. 薮仲義彦

    薮仲分科員 私の質問に的確に答えてほしいのですよ。今の体制で、七・四体制から一時間に一本でも二本でもふやせますかと聞いているのですよ。それをはっきり答えてください。
  172. 大塚秀夫

    ○大塚(秀)政府委員 この体制をどのような、例えば電気設備の改良等もございますが、ターミナルにおいてふやせるかどうかというようなことについて、今検討中でございます。
  173. 薮仲義彦

    薮仲分科員 ターミナルの問題だけじゃないのですよ。あそこの大井の操車場へ持っていったり、いわゆる列車を掃除したり汚物の処理をしたり水を入れたり、いろいろなことをやらなきゃならないのですよ。今ぎりぎりでやっているのですよ。今の状態で七・四体制をできるかと言われたら、それはいろいろやり方があるかもしれない。しかし、あの列車の引き込み線の中に、そんなに一時間に十一本以上ほうり込むということは非常に困難ですよ、技術的に。ですから我々は、この七・四体制をどうしてくれるんだ、東海道、JR東海の沿線の人は、これは一番関心の深く高いところなんです。おっしゃったように、我々は、これを増強してほしい、九・三・三の、「ひかり」九本、通勤「こだま」や「こだま」の体制にしてほしい、こう思っておるのです。  ただ、もうこんなことで余り時間をとっておられませんからずばり言いますけれども、我々は少なくとも新聞紙上でいろいろなことを聞いておるのですよ。私もこの国鉄の分割・民営のときにかかわった一人として申し上げますと、何を言っているんだと、私は心の底から怒りが込み上げてくるのですよ。今申し上げたように、航空機の増便はできない、新幹線は座る席がなくて立っていなさい。しかも今度、上場の問題も出てくる、新幹線の買い取るという法律ももう通ったはずです。こうなってきて、じゃ、JR東海の沿線に住んでいる我々は、もっと快適な新幹線による足の確保ができるのですか、こういうことが一番問題なんですよ。  新聞紙上を見ますと、JR同士のけんかみたいな話がおもしろおかしくマスコミでは出ています。私をして言わしめれば、何を言っているんだ、JRの西であろうと東であろうと東海であろうと、何を考えておるか。本来は、まだあなた方の役職は国鉄になっているのですよ。そうでしょう、国鉄の改革推進総括審議官でしょう。まだ国鉄という名がついているのですよ。みんなはJRになっていますけれども皆さん方の肩書はまだ国鉄のはずですよ。あの国鉄というのは何だ、国民が営々として国民の税金であの国鉄というものを守り育ててきた、国民共有の財産ですよ。会社が民営化されたから会社の意のごとくしようなんておこがましいと私は思うのですよ。いろいろな社長の流言飛語が記事に出ておりますけれども、何をのぼせ返って思い上がっているんだ、あの分割・民営の原点に返れ、国鉄は国民共有の財産ではないか、国家国民のために、本当に国全体の均衡ある発展のためにどうあるべきか。一社の社長が——一企業のためにこの国鉄の分割・民営に国民が賛成したのではないのですよ。国民共有の財産として、東であろうと西であろうと東海であろうと関係ない、国のために大動脈はどうするか、しっかりとした決意を持たなかったらどうするのですか、そんないいかげんなことを言っていて。国民の前に恥ずかしくないのですか。国民の財産ですよ、あれは。たかが一企業のものではありませんよ。間違わないでほしい。私は、そういう点が非常にふまじめで、分科会だからといって甘く見ないでいただきたい。  我々国会議員は本気になって日本の将来を考えて、どうあるべきか。やはり今やらなければならないのは、いろいろなことを、学者は検討会をやっている、総括審議官の諮問委員会でやっているのはわかっている。本来なら私は大臣の諮問委員会でやってもらいたいぐらいの決意なんです。大動脈が、今言ったようにお客さんに立ってろというのでしょう。開業二十六年間、老朽化だって激しいし、だったら大臣が、本当にあの東西の大動脈の東海道新幹線は国家的な大事な事業である、国民の合意のもとにJR東海の輸送力は増強します、国民の皆さん心配しないでください、こう言うのが総括審議官であり、私は村岡大臣は昔からよく知っておりますから、そんなことはないと思って、きょうは大臣の決意を聞こうと思って来たのです。東海道沿線の人がどれほど運輸省に期待しているか、あんなくだらない会社ごときの、そんな自分の土地だとか人の土地だとか言って、間違えなさんな、その前に国民の共有の財産だということを忘れるな、私はそれを言いたくて、きょうおるのでよ。もっと本気になって日本の将来を考えて、日本の大動脈をどうするか、国民の皆さんに恥ずかしいですよ、あんなこと言われていて。株の上場をしてどうのこうの、そんなことで浮かれているときじゃないのです。  今、第二東名だって簡単にできませんよ。これから十年先なのかあるいは十五年先なのか、通りませんよ。今新幹線を増強するしかないじゃないですか。大阪空港だって騒音問題でもう満杯じゃないですか。二百便以上飛ばしちゃいけないのでしょう。もっと具体的に数字言ったらどうですか。我々は、少なくとも何とかならないか、航空機はどうなんだ、いろいろなことを考えて、やはりとりあえずは、この大動脈のためにはJR東海の増強しかないだろう。こんなことはJR東海のためでもない、東のためでもない、西のためでもない、日本の国のためにJR東海の増強は必要である、少なくとも総括審議官たる者、きちっとそれぐらいの決意を持って、おたおたしないで、びしっとやったらいいじゃないですか、情けない。あなたに聞くよりも、村岡大臣にお伺いしたいと思うのです。  我々国民は、あの東西の大動脈の中で今増強できるのはJR東海の、さしあたっては増強してほしい。あの品川につくる、つくらない、場所はどうであれ、やはり今のままの東京駅だけの始発であっては間に合わない。品川から始発の列車もつくらなきゃならないのか、いずれの拠点であろうとも新しい駅をつくって増強していただくことが、中央リニアだってそんなに簡単にはできないんですから、私は大臣に、国民に向かってJRの、この東海沿線の皆さんに不安のないような輸送力の確保を本気になってやっていただきたいと思いますが、大臣いかがですか。
  174. 村岡兼造

    ○村岡国務大臣 薮仲先生、今東海道新幹線の混雑の状況、代替として航空の方がなかなかできない、そういうことで、また、立っておる状況もあるということで、本質的には私も品川の駅、しばしば問題になっておりますので承知をいたしております。したがって、その必要性にかんがみまして、東海道新幹線の輸送力の問題につきましては、運輸省として学識経験者等を含めた東海道新幹線輸送力問題懇談会を開催し、輸送力増強の必要及び輸送力増強策について技術的検討を行っておるところであります。なお、JR東海が提案している品川に新駅及び車両基地を設ける案についても、懇談会において輸送力増強策の一つの案として技術的に検討を行っているものであり、今後できる限り早く結論が得られるように鋭意検討してまいりたい、十分に今の薮仲先生の御意見も踏まえて真剣に検討しておるところでございます。総括審議官もいろいろ新聞やその他であるものですから、多少の遠慮、影響等を考えて先ほどの答弁になったと思いますが、内部ではこの問題に真剣に検討を加えておりますことを申し添えさせていただきます。
  175. 薮仲義彦

    薮仲分科員 これ以上この問題についてはやめておきますけれども、どうか大臣、これはもう大臣が御専門の国土交通の枢要な問題であって、どうか大臣の時代に国民が安心できるような東西交通の大動脈の確立、方途の確立を重ねてお願いをいたしておきます。よろしくお願いします。  そこで、私はいつも新幹線に乗っておるのですが、決してこれは悪いというわけじゃないんですけれども、東海道新幹線から東北・上越へ乗りかえますと、路盤、路床の違いあるいはいろんな近代的な技術の相違かもしれませんけれども、どうもJR東海はもうちょっと震動が少なくならないかな、非常に東北・上越はスムースな発着であって、乗っていて震動をほとんど感じない、すばらしい技術の向上ということを私は自分の体で感じました。やはり将来JR東海も平均スピードを上げていく、ここに資料ございますけれども、これだけ上げていって、今の軌道で絶対不安はないと思うのですけれども、やはりもう少し安定走行ができるように技術的な改善をしていただけないものか、これはやはり乗っている側からいうと少し揺れがひどいな、走っている列車の中を歩くのにも左右に体が振れるわけです。もう少し安定した乗り心地というものは将来のために研究いただきたいと思いますが、これはいかがですか。
  176. 大塚秀夫

    ○大塚(秀)政府委員 東海道新幹線に関する動揺問題について、JR東海はこれを低減するために旧型車両の新型車両、一〇〇系統でございますが、これへの置きかえを促進しておりますし、また先生指摘のように軟弱路盤についてはこれを改良、また軌道の保守管理を強化する等の措置をとっているところでございますが、これからも車両の動揺低減についての対策をさらに推進するように適切に指導してまいりたいと思います。
  177. 薮仲義彦

    薮仲分科員 もう一つ、これはお願いしたいんですけれども、これはやむを得ないというのは我々も心の中では思っているんです。というのは、今のJR東海は非常に雪に弱いですね。先日も本会議のときにひかりが約一時間数十分遅延する、ちょうど岐阜のあたりで雪が多いと非常に列車のダイヤが狂ってくるわけです。まあ東北・上越を例にとるのは過酷な話でありますけれども、あの雪国の中を余り雪に影響されないでダイヤどおり走れる。JR東海もある一カ所だけが非常に雪に弱い。ああいうものをやはり将来のために、私は技術力で、いろんな投資によって改善をしていただけないか。やはり国民にとってはJR東海が安定して、雪に弱いとか雨に弱いとかそういう不安を解消することが、私は輸送というものの一番使命だと思うのですね。安定した走行と決まった時間内にお客様を目的地まで運べる、そうしますと、今のJR東海の一番の弱みの雪に対してもう少し研究開発をしていただけないものかと思いますが、いかがでしょう。
  178. 大塚秀夫

    ○大塚(秀)政府委員 東海道新幹線の雪害対策として、これまでJR東海ではスプリンクラー、雪落とし設備あるいはラッセル装置などハード面を整備しますとともに、降積雪情報の収集や運転規制などのソフト面の対策によって雪による輸送障害を最小限にとどめる施策を行ってきておりますが、会社側では今後も雪による列車おくれを防止するための雪害監視システムの開発あるいは新型除雪機の開発などの技術開発を促進して対応することとしております。  我々としましても、今後とも東海道新幹線の雪によるおくれの改善対策をさらに推進するように、JR東海に対しましても適切に指導し、またその進捗を見守りたいと考えております。
  179. 薮仲義彦

    薮仲分科員 これも将来のJRのあり方として検討しておいていただきたいと思いますのは、今いわゆるエアメールがあるわけですけれども東京から大阪まで飛行機で行こうという方もいらっしゃるわけです。でも、これで新幹線のスピードがもうちょっと上がって、あと数十分東京から大阪へ近くなったら、飛行機の人は新幹線へ移ってくるのじゃないか、こう思うのですね。そうなったときに、かつて国鉄の貨物は残念ながら敗退をしたことがありました。でも、将来新幹線の今おやりになっていらっしゃるレールゴーサービス、新幹線を使っての荷物の輸送ということは、いかにファックスがあろうと、あるいは宅急便が速かろうと、必ず駅から駅の間はこの新幹線の持っている輸送力のすばらしさ、これは必ず勝つときが来るんじゃないかな、こう私は心の中でひそかに思っておりますが、きょうは時間がありませんのでやめますけれども、どうかこのレールゴーサービスの方向性については国民のために研究を進めておいていただきたいと思うのです。余計なことで時間を食いましたので、非常に残念なんですけれども大臣ひとつお願いしておきます。  私は、昭和六十三年から外務大臣それから文部大臣それから運輸省に対してずっとお願いしてきたことがあるのです。これは一番心配しますのは、ことしも夏休みが近づくわけです。今、国際社会ですから子供たちが海外旅行に行くわけです。新しい文化、カルチャーショックといいますか、そういうことによって新しい世界を見る目が開いて、すばらしい経験だと思うのです。ただ、ちょうど私は六十三年に残念な事故の相談を受けまして、それ以来ずっとお願いしておりますのは、海外旅行というケースがあるのです、それから留学というケースがあるのです、それからここに出ておりますホームステイというプログラムがあるわけです。私が相談を受けたのは、ホームステイというプログラムで事故に遭ったわけです。これは向こうのアメリカでも、そのアメリカの御家庭に入って、向こうの家族の一員として生活を一週間なり十日なり続けるというプログラム。  これで一番心配なのは、相手のうちがどういうおうちかということが非常に大事になってくるのです。事故を受けた方も、相手の御家庭がとてもホストファミリーになれるような御家庭でないところへ行ってしまった、また次の子供もお見えになるということで、心配してお父さんとお母さんが連絡をくださって、しかもトラベルエージェントから来た一枚のペーパーが、電話番号が一番狂っていたために全然娘に連絡がつかなくて、もう悲しみのどん底に打ちひしがれて、いまだに立ち上がれないケースなんですけれども、私はこのホームステイというもののプログラム、これはことしのプログラムです。一九九一年のプログラムですけれども、これがここ三年来全然変わらないのです。何が変わらないか。きょうは文部省、外務省も来ていただいているのですが、それは何回も同じことを言っておりますので大臣に心にとどめておいていただきたい。夏のときに、小中学生や小さな方が悲しい思いをしないでもらいたい。この中で、このことだけは大臣、記憶しておいてください。  「現地事情でホストファミリーの決定が遅れたり、出発前後に変更されたりする場合があります。」「ホストファミリーのリストは氏名、住所、電話番号を記載してお渡しいたします。その他詳細はお伝えできないことを予めご了承ください。」ホームステイで一番大事なのは、ホストファミリーがどういう家族で、お父さん、お母さん、そして兄弟がどんな方がいらっしゃるのだろう、お互いに交流し合っていくのがホームステイなんです。  私は、根本的にこの旅行業者の方のプログラムはホームステイについて認識が誤っておりますということを言っているのです。ホームステイじゃないのです。もしも旅行業者がおやりになるのでしたら、英語の体験ツアーだとか向こうとの交流ツアーとか一つの拠点を設けて、その近所の方々と交流したって小学生や中学生なら大きなカルチャーショックなんです。これはきょうは時間が参りましたからやめますけれども、ことしの夏休みにまた悲しい子供が出ないように、このホームステイは、私は中山外務大臣にも、きょうも井上文部大臣に言いました。どうかこの三省で御検討いただいて、子供たちが国際人として育つような、明るい、安心できるホームステイに——そして私は担当の課長に言うのですよ。あなたの子供をこのトラベルエージェントのホームステイに出しますか。喜んでとは口を濁してお答えにならない方の方が多いのです。ならば、もう一度大臣、三省で御協議いただいて、子供たちの人生を明るく豊かなものにしていただくことをお願いするわけですが、大臣、いかがでしょうか。
  180. 村岡兼造

    ○村岡国務大臣 先生がホームステイに関しましてしばしば発言され、要望されている点をお聞きをいたしております。したがいまして、今の旅行業者等も含めまして、今の時点でよいのかどうか、旅行者が安心してホームステイに行けるようにするために、文部省や外務省そして運輸省と、今後、先生の提言されております問題等につきまして検討して、改善をしていきたいと思っております。
  181. 薮仲義彦

    薮仲分科員 終わります。
  182. 戸井田三郎

    ○戸井田主査代理 これにて薮仲義彦君の質疑は終了いたしました。  次に、志賀一夫君。     〔戸井田主査代理退席、主査着席〕
  183. 志賀一夫

    志賀(一)分科員 きょうは、お邪魔させていただきまして空港問題についてお尋ねをいたしたいと思います。  今日におきまする航空需要は、国内外におきまして大変急カーブにふえつつあるわけであります。国の二十一世紀を展望いたしました航空需要を見まするに、国内、国際におきます旅客は、八九年度の実績値に対しまして二〇〇〇年の予測値は、いずれも一・七一倍、一・九〇倍と大幅な増加となると予想されておるわけであります。これら増大する航空需要に対して、運輸省当局は鋭意御努力なさっておられると思うのでありますが、それらについて若干御質問をいたしたいと思います。  まず最初には、第六次空港整備五カ年計画策定のスケジュール及び基本的な考え方についてお聞きをしたいと思います。  去る三月一日、第六次空港整備五カ年計画の総投資規模についての閣議了解がなされたと聞いておりますが、第六次空港整備五カ年計画策定にかかわるこれまでの経緯及び今後のスケジュールはどのようになってまいるのかお聞きをしたいと思います。また、個別空港を含む最終計画はいつごろ決定されるのかもお伺いしておきます。もう一つは、第六次空港整備五カ年計画考え方についてでありますが、第六次空港整備五カ年計画策定に当たっては、いわゆる三大プロジェクトを中心として整備をするという方針とお聞きするのでありますが、第六次空港整備五カ年計画全体の基本的な考え方はどのようになっておられるのか。また、その中で地方空港の整備についてはどのように計画策定をなさるおつもりなのかをあわせてお伺いしたいと思います。
  184. 宮本春樹

    ○宮本政府委員 お答えいたします。  第六次空港整備五カ年計画の策定につきましては、ただいま先生からのお話もありましたとおり、去る三月一日に対前計画費六六%増の三兆一千九百億円の投資規模の閣議了解を得たところでございます。この投資規模を前提にいたしまして、昨年の八月の航空審議会の取りまとめに沿って具体的な内容についての検討を進め、本年秋ごろには航空審議会の答申を得て五カ年計画の閣議決定を行う、そういうスケジュールで作業を進めているところでございます。  計画の策定に当たりましては、中長期的な航空需要の増大、ただいま先生からの具体的にこういう需要ではないかという御指摘はそのとおりでございます。航空需要の増大に対応しつつ、国内・国際ネットワークの充実、多様化が図られるように、また、御指摘もございましたけれども、新東京国際空港の完全空港化、東京国際空港の沖合展開及び関西国際空港の開港という三大空港プロジェクトの完成を最優先課題として推進するつもりでございますが、それと同時に一般空港の整備等所要の空港整備も積極的に推進したい、このように考えております。
  185. 志賀一夫

    志賀(一)分科員 二番目には、福島空港の整備状況についてお伺いをいたしたいと思います。  福島空港につきましては、せんだって大臣がわざわざ遠路のところをおいでをいただきまして御調査賜りましたこと、しかも将来に明るい展望のあるようなお話もございまして、県民ひとしく歓迎をし喜んでおられるようであります。今後とも一層福島空港につきまして御支援、御協力賜りますように心からお願いを冒頭申し上げておく次第であります。  福島空港は、御承知のように、第五次空港整備五カ年計画に組み入れられて以来、地元の大変な熱意、協力によりまして、極めて順調に関係法令等の手続、用地買収等も進みまして、昭和六十三年度の現地工事の着手以降もスムーズに進んでいるとお聞きをいたしておりますが、現時点における進捗状況について、まずお伺いをいたしたいと思います。また、開港時は平成五年三月というふうにお聞きをしておるわけでありますが、予定どおりの開港が可能であるかどうかもおただしをしたいと思います。
  186. 宮本春樹

    ○宮本政府委員 お答えいたします。  福島空港は、ただいまお話のありましたとおり、福島県が設置、管理する新しい空港として、滑走路二千メートルの第三種空港でございますが、昭和六十一年度に新規に事業着手しているところでございます。昭和六十一年度に航空法の設置許可、空港整備法の政令指定等所要の手続を終了いたしまして、昭和六十二年度より用地買収を行い、昭和六十三年度に工事着手したものでございます。供用開始予定は平成五年三月とされておりまして、大体順調に工事が進んでおって、予定どおり完成するんではないかと思っております。  現在の状況を申し上げますと、この空港の工事の特色は、先生よく御存じのとおり大規模な切り盛りを伴う山岳空港でございまして、工事に当たりましては、地元の福島県は工事の円滑な実施を図るために専門家から成ります福島空港技術検討委員会というものを設置いたしまして、そのアドバイスを受けつつ慎重に工事を進めている、そういう状況であります。平成二年度は、用地造成をもって、事業全体の進捗率は約七〇%となっております。また、平成三年度では、用地造成を終えまして、滑走路、誘導路及びエプロンの新設等の土木工事を概成するとともに、無線とか照明施設等の整備を行う予定でございます。また、ターミナルビルにつきましても、今年度ビル会社が設立され、基本設計、実施設計を終えて、次いで平成三年度より工事着手する予定であると承っております。現在、工事はすべて順調に進行していると聞いておりますので、先生お尋ね平成五年三月完成ということは予定どおり進むのではないかと期待しているところでございます。
  187. 志賀一夫

    志賀(一)分科員 次に私は、福島空港の滑走路二千五百メートルへの延長の見通しについてお尋ねをいたしたいと思います。  福島空港については、地元といたしましては、二千メートルの滑走路で開港後直ちに二千五百メートルに延長できるよう第六次空港整備五カ年計画への組み入れを強く要望しておるところであります。この件につきましては、県、地元須賀川市、玉川村のみならず、県内の数多くの経済団体あるいは農業団体を含めて全県挙げての要望でもあります。このような反対の一つもなく挙げての要望があるというのは全国的にも恐らく珍しい事例ではないかと思いますが、それだけに県民の熱意もまた大変なものだということをぜひお酌み取りをいただきたいのであります。空港へのアクセス道路の整備にも力を入れているというふうに聞いていますし、空港の周辺に公園を配置するなど環境整備にも十分配慮していると理解しておるところであります。また、就航予定先であります札幌、名古屋、大阪、福岡等との経済交流も平成元年より積極的に行っておるところであり、栃木、茨城両県との連携もただいま着実に進めつつあり、需要の拡大に努めているというふうにお聞きをいたしておるところであります。  また、既に御案内かとも思いますが、日本航空、東北では初めてだそうでありますが、既に福島空港について正式に路線の就航について表明を公表いたしましたし、つい最近はまた全日空が正式に乗り入れを表明していることをお聞きをいたしております。全日空、日本航空という二社が続いて開港前、二年以上も前にこのような申し入れをなされるということは極めて異例のことではないかと思うのでありますが、こうした事態を考えますと、福島空港の将来性について大きな期待が寄せられているのではなかろうか、そんなふうに考えているところであります。したがって、そういうところから福島空港の二千五百メートル延長事業の第六次空港整備五カ年計画への組み入れについては、運輸省としてはどのようなお考えを持っておられるのか、お聞きをいたしたいと思う次第であります。
  188. 宮本春樹

    ○宮本政府委員 お答えいたします。  福島空港につきまして現在、先ほど申し上げましたとおり二千メートルということで工事中でございますが、完成後引き続いて二千五百メートルへ滑走路を延長をしてほしい、これを第六次空港整備五カ年計画に取り入れてほしいという御要望が出ていることはそのとおりでございます。先ほどからお話のありましたとおり、県あるいは地元の須賀川の市長さんあるいは玉川村でございますとか、御関係皆さんからも再三にわたり御要望も承っておりますし、福島県選出の諸先生方からもそういう御要望を常に承っているところでございます。ただ、先ほど申し上げましたとおり、第六次空港整備五カ年計画にそれぞれの空港をどのように扱うか、いろいろな要望がございますけれども、それにつきましては、これから秋までに具体的に詰めて、秋口に第六次空港整備五カ年計画を決定するという段取りを御説明しました。現在その作業中でございまして、現段階で御要望の福島空港の二千五百メートルということをこの五カ年計画でどのように扱うかということを申し上げられないのは残念でございますけれども大臣もごらんになったわけでございまして、御要望の強いということも十分承っておりますので、そういうことを念頭に置きながら検討を進めたい、そんなように考えております。
  189. 志賀一夫

    志賀(一)分科員 福島空港は、先ほども申し上げましたけれども、非常に全県民的な盛り上がりの中で進められつつあるわけでありますが、空港全体の構想にしましても、将来への大きな展望という点でまた運輸省当局といたしましていろいろな角度から御指摘する点も多々あるのではなかろうかと思うのでありますが、そういう点についてはぜひ忌憚のない御指導を賜りたい、そんなふうに思っておるところであります。  さて、最後の点としてお伺いしたい点は、福島空港の国際貨物空港としてあるいはまた首都圏第三空港としての可能性、こういう点についてであります。  福島空港は御承知のように首都圏に非常に近接しているという状況下にあるわけであります。今一極集中とかというふうに申されまして、首都圏問題というのは大変大きな時の政治課題になっておるわけでありますが、首都圏が北に移るということを予言した人はまだ聞いておりませんけれども、しかし東北、特に福島県のような北関東とも言ってよろしい地域は土地が低廉でしかも広大な土地があるという点では、首都圏が北に移動するというのはこれは自然の流れではないかとさえ私は思っているわけでありますが、そういう点からいいましても福島空港に期待するところのものが非常に多いのではないかと思います。また、新幹線、高速道路等のアクセスの整備も極めて順調に進んでおるところでありまして、首都圏空港の補完機能を十分持ち合わせているものと私は考えているところであります。日本の空の玄関口であります成田空港は既にパンク状態であるあるいはまた空域が極めて狭隘になっているというふうに言われておりまして、災害度の危険性の極めて高いということなどを考え合わせれば、少しでも危険性のない地域に安全な空港を求めるというのもけだし当然のことではないかというふうに思うのであります。国の「第六次空港整備五箇年計画の基本的考え方」の中にも「東京圏における発着貨物についての今後の需要の大きさを勘案し、必要に応じその立地条件から新東京国際空港の補完的役割を果たしうるような周辺空港の活用整備について検討する。」こんなふうにも書かれておるわけであります。そういう点を考えましても福島空港がそのような条件に極めて合うのではなかろうかというふうに考えているところであります。  したがって、これから貨物空港として種々条件が整えば、その中で国際貨物空港として極めて有望だとの声もお聞きをしているところでありまして、運輸省としては、今後福島空港を国際貨物空港として整備することにつきましてどのようなお考えを持たれておられるのか、お聞きをしたいと思います。  さらにまた、先ほども若干触れましたが、首都圏におきまする第三の空港としての位置づけも将来可能ではなかろうか、そんなふうに思うのでありますが、お考えをお聞きしたいと思います。
  190. 宮本春樹

    ○宮本政府委員 お答えいたします。  先生もお引きになりました昨年の八月の航空審議会の中間取りまとめにおきましては、将来の首都圏の国際航空貨物需要の増大に対応する一つの方策といたしまして、新東京国際空港の補完的役割を果たし得るような周辺空港の活用について検討することが必要だ、そういうことが言われているわけでございます。ただいまお話のありましたとおり、成田の貨物の取扱高は世界一でございまして、非常に混雑している、もうさばき切れなくなっている、そういう状況もあるわけでございまして、周辺の空港の補完的な活用が必要じゃないかという話があるわけであります。ただ、先生御案内のとおり、貨物というのは、コスト、所要時間等によって、経済原則で動くものでございますので、そういうことを勘案しなければならないわけでございますが、福島空港は先生からもお話のありましたとおり首都圏には比較的近接している、それから高速道路等で結ばれているという立地条件に恵まれている面もあるわけであります。将来首都圏の航空貨物需要の一端を担うことも十分考えられると思いますし、それから最近におきます先端産業の立地状況、そういうものがだんだん東北にも多くなってきている。そういうことで、東北地域の航空貨物をさばく、そういう需要も今後あるのではないかというふうに考えておりますが、いずれにいたしましても、現在検討中でございまして、今後開港後の需要動向等を踏まえながら検討していく必要があるのではなかろうかというふうに考えるわけでございます。  また、首都圏の空港能力の拡充について、第三空港の話がございました。これも中間取りまとめにおきましては「二十一世紀初頭における東京圏の国内航空需要に対応するためには、空港能力の拡充が必要であり、東京圏における新規の空港の設置、既存の空港・飛行場の活用等について、用地、空域、環境、アクセス等の諸問題に関する総合的な調査を関係者が連携して進める必要がある。」ということが言われているところでございまして、平成三年度よりこの調査に着手したい、そんなように考えております。現在どこが候補であるとかどのような空港を対象にして検討する、そういうことは全く決めておりませんが、現在御審議中の予算にこのための予算も含まれておりますので、これが通過しました暁には平成三年度より調査に着手したい、そのように考えております。
  191. 志賀一夫

    志賀(一)分科員 福島空港につきまして、かなりな御理解をいただいておる、そんなふうに思っておるところであります。  本日は大臣にいろいろお伺いしたいこともございましたが、後日に延ばすことにいたしまして、大臣の方でも現地を十分調査していただきましたので、福島空港への県民の期待にこたえられるように、どうか今後ひとつ御支援、御協力賜りますように心からのお願いと期待を申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  192. 愛野興一郎

    愛野主査 これにて志賀一夫君の質疑は終了いたしました。  次に、井奥貞雄君。
  193. 井奥貞雄

    井奥分科員 昨年の四月にこの問題につきましても御質問をさせていただく機会をいただきました。そしてまた本日再度の機会をちょうだいをいたしまして、心から厚く御礼を申し上げる次第であります。  私は特に今回は二点の問題でお伺いをさせていただきたいと思います。  その一点は、昨日でありますけれども、今までは第二常磐新線、この呼称で今日まできたわけでありますが、首都圏新都市鉄道株式会社というのが昨日発足をいたしました。阿部さんが社長に就任をなさいましたが、この問題が一点であります。そして、もう一点は、地下鉄十一号線の問題であります。この問題二点をあわせまして御質問をさせていただき、お答えをいただければありがたいというふうに思っております。  御案内のように、首都一極集中、そのあおりが東京から千葉県、そして埼玉県、こういう形で、新しく住まわれる方々の流れというものが朝夕のラッシュに集結をいたしまして、もう大変な混雑は御高承のとおりであります。こういった問題を含めて第二常磐新線の建設の案が出てきたわけでございます。これも昭和六十年七月に運政審の第七答申をいただいて、そしてちょうど昨年でありますけれども、昨年の四月に決起集会を開催をいたしましたが、JR東日本の参加も得られずに、私たちは大変ふんまんやる方ない気持ちでいっぱいでございまして、そういった面でも昨年は御質問を申し上げた次第でありますが、一転、この一年間においてこんなにも、こういった運輸当局の皆さんのお力添え、御配慮をいただいて、昨日、新会社が発足を見るに至ったわけでありまして、もう感謝の限りでございますけれども、いろいろな問題がありますが、特に第一点として常磐新線整備の今後の見通しについてひとつお伺いを申し上げたいと思います。
  194. 佐々木建成

    ○佐々木(建)政府委員 常磐新線の整備につきましては、その具体化を図るために、関係地方公共団体等が第三セクターにより整備する方向で検討が行われてきたわけでございます。その結果、昨年十一月、沿線の一都三県が地方公共団体主体とする第三セクターを本年度中に設立すること等に合意をいたしまして、ただいま先生の御指摘のとおり、昨三月十一日に第三セクターとして首都圏新都市鉄道株式会社が創立されまして、常磐新線整備に向けての具体的な事業活動が開始されることになったわけでございます。  今後、常磐新線の整備につきましては、先生御承知のとおり、大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法、いわゆる一体化法に基づきまして、まず一都三県が関係市町村等の意見を聞きながら十分調整しまして基本計画の作成を行うということになるわけでございますが、運輸省としましては速やかに基本計画が作成されるよう関係地方公共団体が一層努力されることを期待しておるわけでございます。  この基本計画ができますと、これを踏まえまして第三セクターが鉄道事業の免許、それから工事施行認可等の諸準備を進めるとともに、都市計画決定とかあるいは環境影響評価等を行っていくという必要があるわけでございます。運輸省としましては、基本計画の作成を初めとしますこれらの準備作業が地方公共団体関係者の努力と協力によって円滑に進められることによりまして、平成四年度中に着工に至るよう努力してまいりたいというふうに考えております。
  195. 井奥貞雄

    井奥分科員 この一都三県、十六の自治体が主役になって今日まで御指導いただきながら進めさせていただいてまいりました。今佐々木局長から御答弁をいただきましたけれども、これは自治体路線、ローカル路線であっても地方自治体が主体になってこういうことをやったというのは初めてだろうと私は思うわけであります。そして約八千億くらいの総予算で今後進めていくというふうに聞いておりますけれども、こういった時代背景、バブルの影響でかなり土地も下がったというものの、まだまだ土地の買収というのは大変なものでありまして、こういった面で約八千億ないしは一兆円という試算も出ておるようでございますけれども、この授権資本が五十六億というふうに私は聞いておりますが、この出資等については、この約二割くらいがかつての慣例で、一千六百億くらいな形でスタートをするのだ。あとは、大臣いらっしゃいますが、十四日に上がるのではないかと言われている鉄道整備基金法、この法案が通りましたら、特に大都市鉄道枠というのが三年度予算で百二十三億計上されておるように私は承知をいたしておりますけれども、こういった面でぜひとも、これはJRも、ただ単に運行委託だけではなくて、何かの形で出資に参加をしていただく、あるいはまた国の方も何とかそういった形での御指導をいただければ、逆に経団連とか経済界、そういった方々にも出資に応じてもらえるのではないかなというふうに思います。  なぜ私がこういうことを申し上げるかといいますと、いわゆる東京湾横断道路、御案内のように川崎から千葉県の木更津に渡りますけれども、あの大きなプロジェクトの出資比率というのが、大体今は二〇%と言っておられますけれども、あの横断道路は約三割でありました。そういった面でぜひともひとつ経済界の方々やそれぞれの一般の、一般といいましてもいろいろありますけれども、そういった方々にも参加をしていただけるような何か施策というものをぜひともひとつお考えをいただければありがたい、このように思います。  そして、もう一点でありますが、JR東日本の方に特にお願いを申し上げたいのは、この八千億の総予算の中には含まれていないように私は聞き及んでおりますけれども、南千住から荒川まで今貨物路線があるわけでありますから、それを何とか無償で使わせてもらうわけにいかないだろうか。もう一点は、秋葉原から筑波学園都市まででありますけれども、秋葉原、いわゆる神田のかつての青果市場でありますが、あそこの地下を何とか、それも無償で使わせていただきたい。その費用を払いますと、秋葉原だけでも千五百億くらいかかってしまう、あるいは千住だけでも七百五十億くらいかかる、こういうことでございますので、こういった面につきましてお考えをひとつお聞かせをいただきたいと思います。
  196. 佐々木建成

    ○佐々木(建)政府委員 まず出資の点でございますけれども、事業費に対しまして約二割程度の出資ということを期待しておるということでございまして、これは公共団体とそれから民間といいますか関係の財界といいますか、広く民間からというような考え方で進められておるわけでございます。  ただ、JRにつきまして、大幅な出資をするというようなことについてはなかなか期待しがたいということだと思いますが、別途JRの協力の点、全般的に申し上げたいと思いますけれども、JRにつきましては、当初いわば第二種の鉄道事業者というような形での議論があったわけでございますが、現在では、先生指摘のとおり、一種事業者としての第三セクターが整備、運営を行いまして、その運行の委託を受けるという立場がまずございます。それから、運行の委託のほかに、額はどれくらいになるかはこれからでございますけれども、第三セクターに対する出資ということがございます。それから、鉄道事業者としてのノーハウあるいはマンパワーの提供というようなことがございます。それから、今御指摘の、用地の使用の面でどういう協力ができるかというようなことでございまして、そういった点について、第三セクターサイドといいますか公共団体サイドは、JR東日本から今申し上げたような協力を得たいというふうに希望していると承知しております。運輸省としましては、JR東日本が民営化された会社であるというステータスにあるわけでございますので、第一義的にはJR東日本の経営判断によるということだとは考えますけれども、常磐新線の円滑な整備が確保されるよう、JR東日本に対して必要な指導を行っておるところでございまして、今後も必要に応じ指導してまいりたい、こういうふうに考えております。
  197. 井奥貞雄

    井奥分科員 JR東日本というのは大変なノーハウと人員を持っているわけであります。私は今の局長の御答弁はよく理解できるわけでありますけれども、我々は鉄道をつくれば運行だけはやってあげる、こういう姿勢ではとても困るわけであります。私はJR東日本の住田さんのところにお邪魔をしたりいろいろなことで陳情させていただきますけれども、何となく、自分たちはそのつくった上を乗ってあげる、こんな感じで受け取るわけであります。ですから、こういった問題につきましては、そうではなくて、ぜひ一歩踏み込んでいただいて、これは開発路線でありますから、当面は赤字でありましても、必ずこの周りに、私は千葉県四区におりますけれども、流山で約七百ヘクタールの区画整理事業をいたします。隣の柏の北部でありますが、そこで約千ヘクタールの開発をいたします。少なくとも五十万人から六十万人の人口がふえてまいります。こういったことを含めて、これからは黒字路線になるわけでありますから、こういった面で、ただその地方自治体がやった、そして鉄道整備基金、そういうものを活用させていただいてつくった、それだけの運用だということだけではなくて、積極的にそういったものにつきましても協力をいただけるように、佐々木局長からぜひともひとつそういう面で御指導いただければありがたい、再度この点をお願いを申し上げる次第であります。
  198. 佐々木建成

    ○佐々木(建)政府委員 重ねてのお答えになるかと思いますけれども、JR東日本の協力がなければこのプロジェクトの円滑な遂行というのはできないと思いますから、運行委託の点、それから鉄道事業者としての経験が非常に深うございますので、マンパワーの点も含めまして、いろいろな面で御協力できる点があると思います。  それから、用地の使用でございますけれども、民間会社でございますから、例えば土地を持っておりますとそれ自体に税金がかかるとか、そういったこともございますから、厳密な意味での無償というわけにはなかなかまいらないと思いますけれども、用地の使用について、いろいろな従来の経緯を踏まえまして協力を指導していきたい、こういうふうに思っております。
  199. 井奥貞雄

    井奥分科員 ありがとうございました。  常磐新線整備に関して運輸大臣の御所見もお伺いしたいと思っておりますが、特にこの問題につきましては運輸省だけでこれから進めていけるわけではありません。しかし、運輸省の適切なる御指導をいただいて、そしてこれは建設、自治、最後は大蔵だと思っておりますけれども、こういった形での省庁の縄張りを超えて一日も早い実現ができますように、ぜひともお願いを申し上げる次第でございます。  特に建設省におきましては、漏れ承ったわけでありますが、例えばこれは、きょう建設省は来ておられますか。——お願いをしていなかったわけでありますが、例えば江戸川がございます。江戸川を挟んで三郷とそれから流山ということになりますが、そしてもう一つは柏を挟んで向こうの取手、それは利根川でありますが、鉄道の線路を敷くあるいは橋梁をつくる、そこにはスーパー堤防でなければならないというふうな制約があるそうであります。スーパー堤防をつくることにいたしますと、またスーパー堤防だけの一つの規制があるそうでございまして、これから一体になって進めていただくという面では、なかなかこれはきつい面があろうと思いますが、その面につきましても、ひとつぜひとも枠を超えて御協議をいただいて進めていただくようにお願いを申し上げたいと思っております。  大変申しわけございませんけれども、村岡大臣の御所感をちょっとお伺いしたいと思います。
  200. 村岡兼造

    ○村岡国務大臣 御承知のとおり、常磐新線は、昭和六十年の運輸政策審議会答申第七号におきまして、西暦二〇〇〇年、平成十二年を目標として整備すべき路線とされておりまして、その後の関係者の協議によりまして、私も昨日、首都圏新都市鉄道株式会社の創立総会の式典にも出席をいたしてまいりましたが、同線の整備は、首都圏における住宅地需要に対応するとともに、通勤通学輸送の混雑緩和を図るために重要な役割を果たすものであると認識しております。さらに、井奥先生が今言われました建設省との関係もございますので、十分連携をとりながら、この常磐新線の実現に最大限に努力してまいりたい、こう思っております。
  201. 井奥貞雄

    井奥分科員 大臣、ありがとうございました。  ちょうど今千葉県は、新国際空港を中心にいたしまして、ただいまも御質問がございましたけれども、おかげさまで、県民が戸惑うぐらいの大変な発展ぶりをいたしております。成田、そして千葉から東京、こういった形での輸送アクセスというのは、一つ一つ御指導いただいて、おかげさまで整ってまいりました。  例えば一昨年の京葉線の開通や昨年の武蔵野線の東京までの乗り入れ、ことしの三月三十一日には北総鉄道が開通をいたします。そういった面につきましては、特に総武線沿線、東西線の多少の煩雑はございますけれども、市川とか浦安とか、そういった千葉から東京までの乗り入れの件につきましては、かなりの面で緩和をされてまいりました。これもひとえに当局のおかげだと私たちは感謝を申し上げております。  特に一点、地下鉄の十号線でありますけれども、新宿から市川の本八幡まで行っております。それが鎌ケ谷の方に延伸するのか、あるいは千葉の県営鉄道としてニュータウンの方から本八幡まで行くのか、これは私どもで再度詰めていかなければならない問題だと思っておりますが、この件につきましては、ぜひともひとつ別のこういう機会を設けていただければありがたいというふうに思っております。  きょう二点目でありますが、特に地下鉄の十一号線の問題につきましては、昨年、蛎殻町、水天宮前まで半蔵門線はおかげさまで開通をいたしました。あとは住吉を通って、それから四ツ木、金町、そして松戸に、この形でのお願いを申し上げるわけであります。この十一号線と八号線、八号線は十一号線以前に決定を認可をされたわけでありまして、昭和五十七年一月に免許申請が行われておりますし、そして、この八号線と十一号線というのは、住吉から四ツ木までが同じ路線の上でラップをしてレールの上を走っていく、こういうことでございます。こういった形で、この十一号線の件につきましては、八号線と一緒でありますから、何としてもこの問題につきましては免許申請をしていただけるように御指導いただきたい。過日も私は、営団地下鉄の中村総裁に、地元の市長や区長さんたちと一緒に陳情に参りました。そのときにいわゆる営団では、運輸省の方から金が出ない、だからこれは私たちは申請ができないんだ。運輸省の方に聞きますと、これは営団から申請をしてこない、こういう申請がないものを私たちがどうのこうのできない。こういうことでありまして、卵か鶏かということになるわけであります。  私はきょうここに、特に運輸大臣最後には、よし、そうしてやろう、こういったお答えをいただけるものだと思って、期待をして今質問させていただいておるのでありますけれども、私事で恐縮でありますが、私の住まいは松戸であります。当選以来一年余たちましたが、毎日電車通勤をいたしております。この十一号線が開通するまで、これは私は選挙民の公約でありまして、もう大変な混雑であります。それで、これはニュータウンが茨城県にでき、あるいは千葉県の一番東にでき、そうしますと首都圏に近いところというのはもう乗車が二両ぐらい見送らないとできないわけですね。こういった日々でありますから、何としてもそれがネックになって、首都圏という頭があって、そして新しいニュータウンという胴体から送り出してきて、松戸とかあるいはそういったところが、全部ネックで、そこで固まってしまうということであります。第二常磐新線も、これはあと十年で開通ということで、来年度から着工でありますが、やがてはそこの開発をされたところで吸収をされて、交通緩和、いわゆるそういった面でのラッシュ緩和にはならないと思います。そういった面で、十一号線をぜひとも延伸をいただいて、松戸あるいは金町周辺のそういった通勤のそれぞれの方々を首都圏に違った面で十一号線で送り出していくんだ、こういった形で、ぜひこの免許の問題、免許の申請の問題、それと大野運輸大臣のときに私も質問させていただきましたが、これは営団が望ましいという御回答でありました。しかし、これは営団でぜひともやっていただく、それからこういった面の申請、免許申請をぜひ出す、こういった形での御意見、お答えをひとついただきたい、このように思います。
  202. 佐々木建成

    ○佐々木(建)政府委員 井奥先生指摘の地下鉄十一号線の水天宮前から松戸方面への延伸の問題でございますけれども、御指摘のとおり、六十年の七月の運輸政策審議会答申によりまして、西暦二〇〇〇年までに整備することが適当である路線として位置づけられておりまして、地元関係者の要望が大変強いということも十分承知しておるわけでございます。  御承知のとおりでございますけれども、現在、営団の地下鉄の新線建設につきましては、十一号線、三越前から水天宮前間の〇・九キロについて、昨年十一月二十八日に運輸営業を開始したところでございます。また、七号線の岩淵町から駒込間六・八キロにつきましては、本年十一月の開業を目指して現在工事中でございます。それからさらに七号線の駒込から溜池間九・二キロにつきましては現在工事中でございまして、七号線の溜池から目黒間五・四キロにつきましては工事に着手すべく鋭意準備を進めているところでございます。  これらの工事線、それから着手予定線のほかに、現在未着手の次期計画路線としましては、御要望の十一号線水天宮前から松戸間とともに、八号線の豊洲から亀有の間、それから十三号線の池袋から渋谷の間というのがございまして、今後長期にわたりまして段階的に整備を進めることとなるものと考えております。  こういった地下鉄の整備の重要性、特に営団の新線の建設の重要性にかんがみまして、平成三年度予算案に入っております鉄道整備基金の中で営団の新線建設事業に対する無利子貸し付けの制度を盛り込んだところでございます。そういうことで、今後とも営団による地下鉄網の早期整備に努めてまいりたいと考えております。  それから、十一号線の事業主体でございますけれども、営団半蔵門線の延長でございますので、そこまでは営団がやっておりますから、営団地下鉄が整備主体となるというふうに考えておりまして、従来もそういう御答弁を申し上げていると思います。  免許申請については、ちょっと、他のいろいろ、今申し上げました路線の関係もございますし、そういうことになかなか言及しにくい状態でございますので、御了解願いたいと思います。
  203. 井奥貞雄

    井奥分科員 最後にまた大臣からしっかりと御答弁をいただきたいと思っておりますが、特にその七号線につきましては、平成の七年に完成というふうに私は聞いております。そういった面もございますので、ぜひこの六月ぐらいからことしいっぱいが、私は、決定していただくには一番いい時期ではないのかな、個人的にこういうふうに感じているわけでございますけれども、ぜひとも営団地下鉄がやるということをこれは明確にひとつ御答弁をいただきたいのが一点でありますし、そしてもう一点につきましては、ぜひともこれは、国の助成金というのは四〇%、これは整備基金、無利息のお金でありますから、これを出していただく、もう一点は、地方、東京都だと思いますが、これが四〇%でありますから、ぜひこれは、できないわけがないわけでありまして、ぜひともこの二点につきまして、大臣からひとつ御答弁をいただければありがたいと思います。
  204. 村岡兼造

    ○村岡国務大臣 先ほど局長からいろいろ御説明もありました。全般的に大都市圏の鉄道の整備というのは緊急を迫られておるということも私も承知をいたしております。しかし用地の取得がいろいろな状況で困難なところも方々にあるということも聞いておりまして、この具体的な十一号線につきましてきょう初めて井奥先生要望等もお聞きをいたしましたので、運輸省といたしまして、常磐線の混雑緩和等のため十一号線の早期整備に向けて努力してまいりたい、こう思っております。さらに検討を重ねていきたい、こう思っております。
  205. 井奥貞雄

    井奥分科員 ありがとうございました。大臣の力強いお答えをいただきましたので、これに向けてぜひひとつ頑張っていただきたい、このように思っております。  それから、地下鉄の八号線でありますが、現在は亀有が一つの終点となっております。しかし、それから先には、前回も私こういった質問をさせていただきしたが、武蔵野線方面という形での矢印をちょうだいいたしております。野田市、関宿というのは千葉県の一番北部にあるわけでありますが、ぜひともそちらに延伸を将来していく。そして、その野田、関宿の市民、町民はそのことを日一日と待っているわけでありますから、そこでとどめることなく、ぜひともひとつその方向に今後とも御指導、御鞭撻をいただきたい。これは特に佐々木局長お願いを申し上げておきます。  時間がありませんので、最後になりましたけれども、村岡運輸大臣、秋田県の御出身でありまして、大変、人のぬくもりを本当によく理解をしてくださる大臣でありますし、私も何度かお目にかからせていただきまして、人間的魅力、そして指導力、これが本当にたけたすばらしい指導者であります。私たちは誇りに思っておるわけであります。どうぞそういった意味におきまして成田の新国際空港の開港につきましても、山村大臣、それから江藤大臣、そして大野大臣とそれぞれがいろいろな形での農民の方々との対話、あらゆることを進めていただいておりますけれども、それは継続をしていただきながら、国際国家日本としての役割をやはり果たしていかなければならない、私たちは大変そういったことを思いながらもじくじたるものがあるわけでございまして、あるときにはひとつ政府が思い切って、こういうことも千葉県民の一人としても私は心からそういうものを待つ一人であります。そういった意味で、これからもできるだけの協力、努力を重ねてまいりますけれども、どうぞひとつ日本の運輸体系全般にとりまして今一番新しい、そしてまた大変なときだと思っておりますが、すばらしい御指導のもとでさらにこの日本国の交通網が整備をされて、将来そういった国民のそれぞれがあのときによかったと言われるような運輸行政をやっていただきますように心からお願いを申し上げまして、もう時間が来たようでございますので、あと所感をいただければありがたいと思っております。
  206. 村岡兼造

    ○村岡国務大臣 もう先生成田の問題につきましては御承知のとおりでございまして、もういま一歩のところに来ております。二%程度の用地買収、二十一ヘクタール程度でございますけれども、なかなか反対がございまして、また今まで大変な犠牲者も出た。しかも一方、三十数カ国乗り入れておりますけれども、実はそのほかにまだ四十三カ国ほど乗り入れを希望していますが、私が大臣になりましてからも、発着枠の問題で日米の摩擦、そういうものにもなりかねない状況でございまして、一日も早く成田の完全空港化が望まれるわけでございますが、幸いと申しますか、いろいろ歴代の大臣の方々の御努力によりまして、地域に振興連絡協議会、こういうものができまして、何とかシンポジウムというものもしたい、私どもはそれに積極的に参加をし、まず話し合いでこれ以上の犠牲者を出さない、しかし不法なものについては毅然とした態度で行っていく、こういうふうに考えております。地元の関係者の地域振興の協議会、正確な名前ではないのですが、そういう方々の今後のシンポジウム、話し合いでひとつあそこの空港をやっていく、そういうものに現在期待をし、そういうものの会で要請がございますれば、私もそれに参加をして成田空港の必要性を説きまして、御理解を得て、一日も早くその用地問題が決まりますと、一年半程度で完全空港化できるという話も聞いておりますので、一生懸命頑張っていきたい、こう思っております。
  207. 井奥貞雄

    井奥分科員 ぜひ頑張っていただきたいと思います。  この申請の問題、しつこいようでありますが、佐々木局長から、もう一度ひとつ確たるお言葉をいただければありがたいと思います。中村総裁に対して申請を早く出すように御指導いただきたい。
  208. 佐々木建成

    ○佐々木(建)政府委員 十一号線の今後の進め方につきましては、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、早期整備を図るよう努力するというふうに申し上げましたので、その線に従って私ども努力していきたいと思います。
  209. 井奥貞雄

    井奥分科員 どうもありがとうございました。時間が来たようでございますから、これぐらいにさせていただきますが、どうぞ大きな県民の期待と負託、信託にこたえて、ぜひともひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。きょうはありがとうございました。
  210. 愛野興一郎

    愛野主査 これにて井奥貞雄君の質疑は終了いたしました。  次回は、明十三日午前九時より開会し、運輸省所管について審査を行うこととし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時五十二分散会