○二階
主査代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
─────────────
〔村岡国務
大臣の
説明を省略した部分〕
以下、
平成三
年度予算における主要な事項につきまして、御
説明申し上げます。
まず、鉄道
整備の
推進につきまして申し上げます。
今般、国鉄改革の総仕上げに向け、旅客鉄道会社の株式上場に備え環境の
整備を図るため、「新幹線鉄道保有機構」が一括保有している既設新幹線を関係旅客鉄道会社に譲渡することとしております。
この譲渡
収入の一部を鉄道
整備のための新たな財源として活用し、これらの特定財源に基づく助成と既存の
一般会計及び産業投資特別
会計からの助成とを総合的かつ効率的に行うため、「新幹線鉄道保有機構」を廃止し、新たに「鉄道
整備基金(仮称)」を設立し、
整備新幹線、幹線鉄道、大都市鉄道の
整備を着実に
推進することとしております。
このうち、まず、
整備新幹線の建設につきましては、北陸新幹線高崎・軽井沢間の建設を引き続き
推進するとともに、新たに北陸新幹線軽井沢・長野間、東北新幹線盛岡・青森間及び九州新幹線八代・西鹿児島について建設に着工するほか、北陸新幹線高岡・金沢間につきましては、着工調整費を計上することとしており、このため、前述の特定財源を活用するほか、新幹線鉄道
整備事業に係るNTT株売払
収入を活用した無利子貸付金として産業投資特別
会計の歳出
予算に百二十八億七百万円を計上しております。
さらに、
整備五新幹線のうちその他の区間につきましては、引き続き建設
推進準備
事業として
所要の調査を行うこととしており、このため
一般会計からの補助金として二十億円を計上しております。
第二に、幹線鉄道の
整備につきましては、主要幹線と新幹線との直通運転化、幹線鉄道の高速
化、既設新幹線の輸送力増強、鉄道貨物の輸送力増強に対し特定財源による無利子貸付等を行うほか、引き続き幹線鉄道の
活性化及びAB線の建設等のための
事業費を補助することとして百七十五億七千万円を計上しております。
第三に、大都市鉄道の
整備につきましては、「帝都高速度交通営団」、「
日本鉄道建設公団」が行う新線建設、在来線の大改良等に対し特定財源による無利子貸付を行うほか、地下高速鉄道、ニュータウン鉄道の建設費の一部の補助及びCD線、P線の建設に要した資金の支払利子額の一部の補給を行うこととして七百八十六億四千六百万円を計上しております。
第四に、安全・防災対策につきましては、鉄道施設の大規模な災害の復旧、防災
事業、踏切保安設備の
整備に必要な
経費の一部を補助することとして十八億四千二百万円を計上しております。
第五に、中小民鉄対策につきましては、欠損・
運営費補助及び近代化設備
整備費補助に必要な
経費として十九億七千五百万円を計上しております。
また、これらの鉄道
整備のために必要な財政投融資として、「
日本鉄道建設公団」に対し一千二百九十九億円、「帝都高速度交通営団」及び「住宅・都市
整備公団」に対し四百三十三億円を予定するとともに、旅客鉄道会社、大都市民鉄等の輸送力増強工事等を促進するため
日本開発銀行からの
所要の出融資を行うこととしております。
次に、国鉄改革の
推進・定着化対策につきまして申し上げます。
第一に、「
日本国有鉄道清算
事業団」につきましては、補助金として一千四億円、特定
地方交通線特別交付金を交付するために必要な
経費として二十三億七千八百万円を計上するとともに、財政投融資として四千百五十九億円を予定し、その他の資金確保のための措置と合わせ、長期債務等の処理を円滑に
推進するよう配慮いたしております。
第二に、「新幹線鉄道保有機構」及び「鉄道
整備基金(仮称)」につきましては、債務の償還・利払い等の資金繰りの円滑化を図るため財政投融資として三千四百二十七億円を予定するとともに、旅客鉄道会社等の
政府保証債の借換資金の円滑な資金調達を図るための財政投融資として一千六十八億円を予定しております。
次に、運輸関係
社会資本である空港、港湾及び海岸の
整備につきまして申し上げます。
第一に、空港
整備につきましては、新たに「第六次空港
整備五箇年
計画」を策定することとし、その初
年度に当たる
平成三
年度は、当省
所管一般会計予算に八百三十二億二千百万円、総理府
所管一般会計予算に百三十九億九千万円を計上し、これに
対応いたしまして空港
整備特別
会計の
歳入歳出予算額を四千七百十三億五千四百万円とし、空港の
整備及び環境対策等を
計画的に
推進することとしております。
まず、新東京国際空港につきましては、国際航空輸送需要の増大に対処し、我が国の
国際交流上の拠点としての機能を確保するため、「新東京国際空港公団」において、同空港の早期完全空港化を図るべく空港施設等の
整備を実施することとし、
事業費として一千七百三十八億円を予定しております。このため、空港
整備特別
会計において、「新東京国際空港公団」に対する出資として二百五十億円を計上するとともに、財政投融資として七百二億円を予定しております。
次に、航空輸送力の増強と航空機騒音問題の解消を図り、国内航空ネットワークの中心としての機能を確保するため、東京国際空港の沖合展開を
推進することとし、空港
整備特別
会計において一千三百二十億六千三百万円を計上するとともに、同
事業の財源の一部として財政投融資一千二百三十五億円を予定しております。
次に、関西国際空港につきましては、「関西国際空港株式会社」が空港島、空港連絡橋、空港諸施設等の建設を行うこととし、空港
整備特別
会計において、同株式会社に対する出資として五百十八億円を計上するとともに、財政投融資として六百三十六億円を予定し、その他の資金を加え、
事業費三千八億円を予定しております。
次に、国土の均衡ある発展をめざす交通基盤
整備の一環として、国際・国内航空ネットワークの拡充を図るため一般空港等の
計画的
整備を
推進するとともに、地域航空の発達を図るためヘリポート等の
整備を促進することとし、NTT株売払
収入を活用した無利子貸付金九十七億五千八百万円を含め、空港
整備特別
会計において一千三十六億八千六百万円を計上しております。
次に、環境対策
事業につきましては、空港周辺の
整備を促進するため、移転補償等を行うとともに、緩衝緑地帯等周辺
整備事業を
推進し、空港周辺
整備機構及び
地方公共団体が実施する空港周辺
整備事業について
所要の助成を行うこととし、空港
整備特別
会計において二百七十二億三千百万円を計上しております。
次に、航空輸送力等の
整備を
推進し、利用者の利便
向上を図るため、航空機の導入等について、
日本開発銀行及び
日本輸出入銀行からの融資を予定しております。
第二に、港湾
整備につきましては、新たに「第八次港湾
整備五箇年
計画」を策定することとし、その初
年度に当たる
平成三
年度は、当省
所管一般会計予算に一千七百四十九億七百万円、総理府
所管一般会計予算に一千四十三億八千六百万円を計上し、これに
対応いたしまして、港湾
整備特別
会計の
歳入歳出予算額を四千三百六億円とし、効率的な物流体系や快適な旅客交通体系の形成、豊かで潤いに満ちたウォーターフロントの創出及び地域の
活性化等を目指した港湾の
整備を
計画的に
推進することとしております。
なお、港湾
整備特別
会計の
歳入歳出予算には、港湾
整備事業に係るNTT株売払
収入を活用した無利子貸付金四百七十三億八百万円を計上しております。
また、物流・産業・生活に係る多様な港湾機能の
高度化、輸入品の急増、
国民の自由時間の増大に
対応した海洋性レクリエーション需要に対処していくため、港湾の再開発、沖合人工島の
整備等を民間活力をも活用しつつ
推進することとし、NTT株売払
収入を活用した
日本開発銀行からの無利子貸付等による民活法特定施設の
整備等を進めることとしております。
第三に、海岸
事業につきましても、新たに「第五次海岸
事業五箇年
計画」を策定することとし、その初
年度に当たる
平成三
年度は、当省
所管一般会計予算に二百五十七億三千六百万円、総理府
所管一般会計予算に四十六億八百万円を計上しているほか、
運輸省関係海岸
事業に係るNTT株売払
収入を活用した無利子貸付金として産業投資特別
会計の歳出
予算に四十七億九千六百万円が計上されており、高潮、津波及び海岸侵食の脅威等から国土を保全するため海岸保全施設の
整備を
計画的に
推進し、海辺とふれあえる安全で潤いのある海岸空間を創出することに努めるとともに、海岸環境
整備事業を実施することとしております。
次に、地域における公共交通の維持
整備につきまして申し上げます。
第一に、地域住民の生活に不可欠な路線バスの運行を維持するため、都道府県が生活路線維持費補助金、廃止路線代替車両購入費等補助金を交付する場合において当該都道府県に対してその一部を補助することとし、これに必要な
経費として百五億円を計上しております。
また、特定
地方交通線の廃止に伴い代替輸送として必要となるバス
事業を経営する者に対し、「
日本国有鉄道改革法等施行法」等に基づき、その
運営に要する費用を補助することとし、これに必要な
経費として十四億二千五百万円を計上しております。
第二に、バス輸送サービスの改善により公共交通機関としてのバス利用を促進するため、バス
事業の
活性化のためのシステムの
整備等に要する
経費の一部を補助することとし、これに必要な
経費として五億四千万円を計上しております。
第三に、離島住民の交通を確保するため、離島航路
事業者に対する補助に必要な
経費として三十八億四百万円を計上しております。
次に、海運、造船及び船員雇用対策等につきまして申し上げます。
まず、海運対策につきまして申し上げます。
第一に、外航海運対策の
推進につきましては、
日本開発銀行からの融資として四百三十億円を予定し、外航貨物船及び外航客船の
整備を行うこととしております。
また、外航船舶建造融資利子補給を行うために必要な
経費として四千三百万円を計上するとともに、
日本開発銀行による利子補給金相当額の猶予措置を引き続き講ずることとし、これに伴う
日本開発銀行に対する交付金として三十二億三千九百万円を計上しております。
第二に、「船舶
整備公団」につきましては、同公団が行う業務の円滑化を図るための補給金として三億九千八百万円を計上するとともに、財政投融資として、産業投資特別
会計からの出資三億円を含む四百四十八億円を予定し、その他の資金を加え、
事業費六百四十億円を予定し、離島航路を含む国内旅客船及び内航貨物船等の共有建造、余剰船舶等の係留船への改造等を行うこととしております。
次に、造船業基盤
整備対策につきまして申し上げます。
第一に、技術を核とした造船業の
活性化、海上輸送の
高度化、船舶に関する環境保全への積極的
対応等を図るため、「造船業基盤
整備事業協会」に対し、次世代船舶の
研究開発促進
事業及び環境保全技術の
研究開発事業に必要な
経費として九億三千六百万円を計上するととも、船舶新
技術開発のための
日本開発銀行からの出融資及び造船
事業者の生産体制を
整備するための
日本開発銀行からの融資を予定しております。
第二に、地域の
活性化を図るとともに、造船業の
活性化にも資する
施策として、造船業の技術を活用した海上浮体施設
整備事業を
推進するため、NTT株売払
収入を活用した
日本開発銀行からの無利子貸付及び
日本開発銀行からの融資を予定しております。
第三に、国際水準並みの延払い条件で船舶輸出を行うために必要な
日本輸出入銀行からの融資として百億円を予定しております。
次に、船員雇用対策等につきまして申し上げます。
第一に、船員雇用対策といたしましては、外国船への配乗を促進する等外航船員雇用対策を講ずるとともに、日ソ・日米漁業交渉等による減船に伴う漁業離職船員対策等を
推進することし、これに必要な
経費として十一億四千二百万円を計上しております。
第二に、開発途上国の船員養成に
協力・
貢献するため、開発途上国船員を対象とする研修を
推進する
事業に要する
経費の一部を補助することとし、これに必要な
経費として六千百万円を計上しております。
次に、
国際交流の
推進・
観光の
振興につきまして申し上げます。
第一に、
日本人の海外旅行の促進を図ること等により、国際相互理解の増進、国際収支のバランスの改善等に資するために必要な
経費として三億八千六百万円を計上しております。
第二に、「九十年代
観光振興行動
計画」の
推進に関連して、国際
観光振興会の海外
観光宣伝
事業等の実施に要する費用の一部を補助するために必要な
経費として二十二億四千四百万円を計上するとともに、恵まれた自然の中で
観光レクリエーション活動を行う場としての家族旅行村及び来訪外客と地域住民との交流の場としての
国際交流村の
整備に要する費用の一部を補助するために必要な
経費として三億円を計上しております。
また、総合保養地域に係る特定民間施設並びに民活法に基づく国際
会議場施設及び国際市民交流基盤施設の
整備を図るため、NTT株売払
収入を活用した
日本開発銀行等からの無利子貸付及び
日本開発銀行等からの出融資を予定しております。
次に、貨物流通対策につきまして申し上げます。
深刻化する物流業の労働力不足等に
対応した効率的物流システムの構築及び輸入促進に資する物流システム形成のための調査を行うこととし、これに必要な
経費として四千二百万円を計上しております。
また、モーダルシフトの受け皿となる鉄道について主要幹線貨物輸送力の増強を行うため「鉄道
整備基金(仮称)」からの無利子貸付を行うとともに、物流拠点及び輸入インフラの
整備を図るため、NTT株売払
収入を活用した
日本開発銀行等からの無利子貸付及び
日本開発銀行等からの融資を予定しております。
次に、
運輸省関係の
技術開発の
推進につきまして申し上げます。
まず、二十一世紀における高速交通機関として重要な役割を果たすことが期待されます超電導磁気浮上方式鉄道につきましては、引き続き山梨実験線の建設を促進し、実用化に向けた
所要の
技術開発を
推進するため、
技術開発費の一部を補助することとして四十五億円を計上するとともに、
日本開発銀行から
所要の融資を予定しております。
また、運輸の分野における広範な利用要請に応えるため、多
目的機能を有する人工衛星システムの開発のための実証実験に必要な
経費として六千七百万円を計上しております。
次に、地球環境問題への
対応につきまして申し上げます。
地球温暖化、オゾン層の破壊、海洋汚染等の地球環境問題に
対応するため、観測・監視・予測体制の充実・強化、環境変化による
社会経済への影響の評価を行うとともに、地球規模での環境保全対策を
推進することとし、これに必要な
経費として六億二千六百万円を計上しております。
次に、海上保安体制の充実・強化につきまして申し上げます。
第一に、海上における捜索救助に関する国際条約(SAR条約)及び海上人命安全条約(改正SOLAS条約)の発効、日米原子力協定に基づくプルトニウム海上輸送の護衛実施、国際的な新海洋秩序形成の動き等に
対応して、北西太平洋海域等における船舶の航行安全体制の確立、広大な周辺海域における我が国の権益の確保等を図るため、継続分としての巡視船三隻、ヘリコプター三機の
整備に加え、中型巡視船一隻、小型巡視船一隻、小型巡視艇七隻の代替建造及び海上保安通信体制の
整備を行うとともに、海洋調査の充実・強化を図るため、中型測量船一隻の代替建造等を行うこととし、これらに必要な
経費として百四十七億二百万円を計上しております。
第二に、船舶交通の安全確保を図るため、光波標識、電波標識等の航路標識の新設及び改良に必要な
経費として七十五億六千七百万円を計上しております。
次に、気象業務体制の充実・強化につきまして申し上げます。
第一に、台風・集中豪雨雪対策等観測予報体制の強化を図るため、静止気象衛星業務の
推進、アメダス等地上気象観測施設及び気象レーダー観測網等の
整備に必要な
経費として三十一億九千二百万円を計上しております。
第二に、地震・津波対策及び火山対策の強化を図るため、地震計・検潮施設の
整備等に必要な
経費として一億七千三百万円を計上しております。
第三に、気候変動対策の強化を図るため、観測・監視・予測体制の
整備に必要な
経費として三億四千二百万円を計上しております。
第四に、海洋及び海上気象観測体制を
整備するため、海洋気象観測船の代替建造に必要な
経費として四億五千百万円を計上しております。
このほか、
平成四年にイタリアのジェノヴァ市において開催される「国際船と海の博覧会」に我が国も公式参加することとし、これに必要な
経費の一部として、
一般会計に二億六千四百万円を計上するとともに、港湾
整備特別
会計及び空港
整備特別
会計においても
所要額を計上することとしております。
最後に、安全対策でありますが、運輸行改の要諦である安全の確保を図るため、
所要の
予算を計
上しております。
以上をもちまして、
平成三
年度の
運輸省関係の
予算につきましての
説明を終わりますが、何とぞよろしく御
審議のほど、お願い申し上げます。
─────────────