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1991-03-12 第120回国会 衆議院 予算委員会第一分科会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成三年三月十二日(火曜日)     午前九時開議  出席分科員    主 査 松本 十郎君       魚住 汎英君    越智 伊平君       小澤 克介君    川俣健二郎君       新村 勝雄君    鈴木喜久子君       谷村 啓介君    草川 昭三君       藤田 スミ君    古堅 実吉君       楢崎弥之助君    兼務 上原 康助君 兼務 関  晴正君    兼務 竹内  猛君 兼務 馬場  昇君    兼務 松原 脩雄君 兼務 竹内 勝彦君    兼務 吉井 光照君 兼務 神田  厚君    兼務 塚本 三郎君  出席国務大臣         国 務 大 臣        (内閣官房長官) 坂本三十次君         国 務 大 臣         (国家公安委員         会委員長)   吹田  愰君         国 務 大 臣         (防衛庁長官) 池田 行彦君  出席政府委員         内閣参事官         兼内閣総理大臣         官房会計課長  荒田  建君         内閣官房内閣外         政審議室長         兼内閣総理大臣         官房外政審議室         長       有馬 龍夫君         内閣官房内閣安         全保障室長         兼内閣総理大臣         官房安全保障室         長       米山 市郎君         内閣官房内閣広         報官室内閣広報         官         兼内閣総理大臣         官房広報室長  岡村  健君         人事院総裁   弥富啓之助君         人事院事務総局         任用局長    大島  満君         内閣総理大臣官         房審議官    文田 久雄君         内閣総理大臣官         房管理室長   櫻井  溥君         総理府賞勲局長 稲橋 一正君         警察庁長官官房         会計課長    田中 節夫君         警察庁刑事局長 國松 孝次君         総務庁長官官房         会計課長    菊地 徳彌君         北海道開発庁総         務監理官    松野 一博君         北海道開発庁予         算課長     仁尾  徹君         防衛庁参事官  内田 勝久君         防衛庁参事官  玉木  武君         防衛庁参事官  宝珠山 昇君         防衛庁参事官  上原 祥雄君         防衛庁長官官房         長       日吉  章君         防衛庁防衛局長 畠山  蕃君         防衛庁教育訓練         局長      小池 清彦君         防衛庁人事局長 坪井 龍文君         防衛庁経理局長 村田 直昭君         防衛庁装備局長 関   收君         防衛施設庁長官 児玉 良雄君         防衛施設庁総務         部長      箭内慶次郎君         防衛施設庁施設         部長      大原 重信君         防衛施設庁建設         部長      黒目 元雄君         防衛施設庁労務         部長      竹下  昭君         科学技術庁長官         官房会計課長  岡崎 俊雄君         沖縄開発庁総務         局会計課長   山城  勉君         外務省北米局長 松浦晃一郎君         外務省情報調査         局長      佐藤 行雄君  分科員外出席者         国立国会図書館         長       加藤木理勝君         人事院事務総局         管理局会計課長 野田 禎男君         内閣総理大臣官         房参事官    佐藤 正紀君         内閣総理大臣官         房参事官    井上 達夫君         総理府迎賓館次         長       麻植  貢君         公正取引委員会         事務局官房庶務         課長      平林 英勝君         環境庁自然保護         局企画調整課長 永瀬  誠君         法務省訟務局民         事訟務課長   玉田 勝也君         外務省欧亜局ソ         ヴィエト連邦課         長       東郷 和彦君         大蔵省主計局主         計官      浜中秀一郎君         大蔵省主計局主         計官      細川 興一君         大蔵省理財局総         務課調査室長  南木  通君         大蔵省理財局国         有財産第二課特         別財産室長   佐藤  武君         文部省初等中等         教育局職業教育         課長      高  為重君         文化庁文化財保         護部記念物課長 吉澤富士夫君         農林水産大臣官         房企画室長   日出 英輔君         農林水産省食品         流通局消費経済         課長      城  知晴君         食糧庁業務部需         給課米流通消費         対策室長    諸川 勝徳君         林野庁管理部長 米田 博正君         建設省建設経済         局宅地開発課長 板倉 英則君         予算委員会調査         室長      多田 俊幸君     ───────────── 分料員の異動 三月十二日  辞任         補欠選任   新村 勝雄君     川俣健二郎君   草川 昭三君     河上 覃雄君   古堅 実吉君     金子 満広君   楢崎弥之助君     菅  直人君 同日  辞任         補欠選任   川俣健二郎君     小澤 克介君   河上 覃雄君     鍛冶  清君   金子 満広君     藤田 スミ君   菅  直人君     楢崎弥之助君 同日  辞任         補欠選任   小澤 克介君     谷村 啓介君   鍛冶  清君     草川 昭三君   藤田 スミ君     古堅 実吉君 同日  辞任         補欠選任   谷村 啓介君     鈴木喜久子君 同日  辞任         補欠選任   鈴木喜久子君     新村 勝雄君 同日  第二分科員松原脩雄君、吉井光照る君、第三分  科員竹内猛君、竹内勝彦君、神田厚君、塚本三  郎君、第七分科員上原康助君、関晴正君及び馬  場昇君が本分料兼務となった。     ───────────── 本日の会議に付した案件  平成三年度一般会計予算  平成三年度特別会計予算  平成三年度政府関係機関予算  〔内閣及び総理府所管総理本府、警察庁防衛庁)〕      ────◇─────
  2. 魚住汎英

    魚住主査代理 これより予算委員会第一分科会を開会いたします。  主査所用のため、その指名により、私が主査の職務を行います。  平成三年度一般会計予算平成三年度特別会計予算及び平成三年度政府関係機関予算内閣及び総理府、ただし経済企画庁環境庁及び国土庁を除く所管について審査を進めます。  政府からの説明を聴取いたします。坂本内閣官房長官
  3. 坂本三十次

    坂本国務大臣 平成三年度における内閣及び総理府所管歳出予算要求額について、その概要を御説明いたします。  内閣所管平成三年度における歳出予算要求額は百三十八億三千五百万円でありまして、これを前年度歳出予算額百二十九億八千二百万円に比較いたしますと八億五千三百万円の増額となっております。  次に、総理府所管平成三年度における歳出予算要求額は八兆一千三十九億一千七百万円でありまして、これを前年度歳出予算額七兆九千三百六十三億五千八百万円に比較いたしますと一千六百七十五億五千九百万円の増額となっております。  このうち、経済企画庁環境庁及び国土庁に関する歳出予算要求額については、他の分科会において御審議を願っておりますので、それ以外の経費について、御説明いたします。  以下、順を追って主なものを申し上げますと、総理本府に必要な経費四百八十六億二千万円、警察庁に必要な経費二千三十二億三千二百万円、総務庁に必要な経費一兆七千三百五十二億六千百万円、北海道開発庁に必要な経費七千三百四十五億二百万円、防衛本庁に必要な経費三兆九千二百八十四億八千六百万円、防衛施設庁に必要な経費四千五百七十三億四千四百万円、科学技術庁に必要な経費三千八百九十五億一千六百万円、沖縄開発庁に必要な経費二千三百五十八億二百万円等であります。  次に、これらの経費についてその概要を御説明いたします。  総理本府に必要な経費は、政府広報栄典関係平和祈念事業特別基金事業推進航空機購入等のための経費でありまして、前年度に比較して二十五億六千八百万円の増額となっております。  警察庁に必要な経費は、警察庁、その附属機関及び地方機関経費並びに都道府県警察費補助等のための経費でありまして、前年度に比較して四十八億一千二百万円の増額となっております。  総務庁に必要な経費は、総務庁一般行政、恩給の支給、統計調査等のための経費でありまして、前年度に比較して五百九十三億五千百万円の減額となっております。  北海道開発庁に必要な経費は、北海道における海岸漁港住宅、公園、下水道、農業農村整備造林、林道、沿岸漁場整備等事業経費及び治水治山道路整備港湾整備空港整備農業農村整備のうち国営土地改良事業に充てるための財源の各特別会計への繰入金等経費でありまして、前年度に比較して三百三十七億三千三百万円の増額となっております。  防衛本庁に必要な経費は、陸上、海上、航空自衛隊等の運営、武器車両及び航空機等購入並びに艦船の建造等のための経費でありまして、前年度に比較して一千百三億一千二百万円の増額となっております。  防衛施設庁に必要な経費は、基地周辺対策事業提供施設整備補償経費基地従業員対策提供施設移設等のための経費でありまして、前年度に比較して百六十八億二千九百万円の増額となっております。  科学技術庁に必要な経費は、創造的・基礎的研究充実強化科学技術による国際社会への貢献、科学技術振興のための基盤の整備科学技術振興調整費拡充等による科学技術行政総合的推進並びに原子力、宇宙、海洋、地球科学技術、物質・材料系科学技術ライフサイエンス等研究開発推進等のための経費でありまして、前年度は比較して二百十二億一千四百万円の増額となっております。  沖縄開発庁に必要な経費は、沖縄における教育振興保健衛生対策農業振興に要する経費並びに沖縄開発事業に要する海岸漁港住宅環境衛生施設都市計画農業農村整備造林等事業経費及び治水治山道路整備港湾整備空港整備農業農村整備のうち国営土地改良事業に充てるための財源の各特別会計への繰入金等経費でありまして、前年度に比較して百二十九億九千三百万円の増額となっております。  また、以上のほか新規継続費として、防衛本庁において二千二百二十二億七千五百万円、国庫債務負担行為として、総理本府において五十一億六千九百万円、総務庁において八百万円、北海道開発庁において百六十二億一千七百万円、防衛本庁において一兆三千六百六十三億二千万円、防衛施設庁において九百七十九億七千二百万円、科学技術庁において一千四百四十四億七千九百万円、沖縄開発庁において六十六億三千八百万円、を計上いたしております。  以上をもって、平成三年度内閣及び総理府所管歳出予算要求額概要説明を終わります。  よろしく御審議くださるようお願いをいたします。
  4. 魚住汎英

    魚住主査代理 以上で説明は終わりました。     ─────────────
  5. 魚住汎英

    魚住主査代理 内閣について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松原脩雄君。
  6. 松原脩雄

    松原分科員 今度の湾岸危機安全保障会議との関係についてお伺いをいたしたいと思います。  昭和六十一年に安全保障会議設置法ができまして初めて、いわゆる重大緊急事態という事態をいわば認定をして、今回政府が行動された、意思決定をされていかれたということだと思うのです。そこで、これは初めての経験だと思いますので、まず最初に、この湾岸危機について、安全保障会議設置法第二条第二項の重大な緊急事態だということで、内閣総理大臣会議にこの問題を諮らなければならぬということを決めた日を明らかにしてほしいと思います。
  7. 米山市郎

    米山政府委員 お答えいたします。  国連安保理決議に基づく関係諸国の対イラク武力行使が開始された事実を内閣総理大臣が認知をした日と申しますのは、一月十七日でございます。
  8. 松原脩雄

    松原分科員 そこで、内閣総理大臣がその事態を見て、重大緊急事態が発生したのだというふうにお認めになったその理由といいますか根拠、それはどういうふうになっていたのでしょうか。
  9. 米山市郎

    米山政府委員 重大緊急事態と申しますのは、法律にも書いてございますが、一言で申し上げますと、国防事態以外の我が国の安全に重大な影響を及ぼすおそれがある緊急事態のうち、通常緊急事態対処体制によっては適切に対処することが困難な事態、そういう定義になっているわけでございます。  今回の湾岸危機につきましては、その対処いかんによりましては、国際社会における我が国の立場あるいは石油資源安定確保といった面で重大な影響を及ぼすおそれがあるということで、我が国の安全に重大な影響を及ぼすおそれがある緊急事態である。一方、またその対処に当たりましては、外交方針支援策、また状況によっては邦人の安全確保及び経済安定確保といった多くの問題が密接に関係をしておりまして、かつまた非常に関係する省庁も多くまたがっているわけでございまして、緊急に統一的な対処方針を作成して強力な対策を進めていく必要がある。またその対処措置決定に当たっては、高度な政治的判断が必要とされるというようなところから、通常対処体制では適切に対処することが困難な事態だという判断内閣総理大臣としてされたわけでございます。
  10. 松原脩雄

    松原分科員 そこで、これは一般論なんですけれども、いわゆる重大緊急事態という場合を想定した場合は、一般論として超法規的措置、こういうものが許されるのかどうかという点について御見解をまず最初にお伺いしておきたいと思います。
  11. 米山市郎

    米山政府委員 重大緊急事態への対処措置実施に当たりましては、関係機関現行法制のもとでそれぞれの所管事項として行うものでございまして、超法規的措置というのを具体的にどういう意味先生おっしゃっておられるのか、私、必ずしもはっきりつかんでいない面もあろうかと思いますが、少なくとも憲法あるいは現行法制の枠の中で、関係機関がそれぞれ所掌に応じて対策実施をするということになっておりますので、超法規的な措置というようなことはあり得ないというふうに考えております。
  12. 松原脩雄

    松原分科員 これは官房長官も同じ御見解でしょうか。
  13. 坂本三十次

    坂本国務大臣 今政府委員が申し上げましたように、いわゆる超法規的措置という言葉もございますけれども、それは決して憲法の枠外ということじゃないのでありまして、緊急事態対処方針というものは当然憲法の枠内で行われるべきものであるし、その他の法律制度を前提としたものだ、そういうふうに思っております。
  14. 松原脩雄

    松原分科員 実は、この安保会議設置法審議された衆議院の内閣委員会で、当時の後藤田官房長官が、重大緊急事態の場合には、「超法規的なような事態もあり得るのではないかと言われれば、それは先例がございますからそういう場合もあり得る、」という答弁をなすっているわけですね。ですから、今の政府の御答弁とはちょっとここで食い違ってくるわけなのですね。この点の食い違いはどういうふうに理解をしたらよろしゅうございますか。
  15. 米山市郎

    米山政府委員 先生指摘のような議事録も、私も昨晩実はちょっと勉強さしていただきました。確かにそういう御答弁もございますが、当時の後藤田長官の超法規的措置と言われる意味がどのようなことを頭に置いて言われたのか、その辺定かではございませんけれども後藤田長官の言われているのは、いわゆる超実定法的なそういう措置を超法規的な措置というように、例えばダッカ事件に際しまして、犯人の不法な要求に応じまして収監されている犯人を釈放したという事実があるわけでございますが、確かにそれは法律には書いてない事柄ではございます。しかし、人命尊重という観点から、憲法に許された枠の中で違法な措置としてやったわけではございません。あくまでも緊急避難的な意味実施をした。しかし、それは法律には書いてない。そういう意味で恐らく当時の官房長官である後藤田官房長官がそのような発言をされたと私は理解をいたしております。
  16. 松原脩雄

    松原分科員 今のお話で超実定法というお言葉が出ましたですね。前のときは、官房長官は超法現的というふうにおっしゃっている。では、政府のお考えになっている超実定法的な措置というものは一体どういうものを指して定義をされるのですか、ちょっとはっきりさせておいていただいた方が今後のためにいいと思いますので。
  17. 米山市郎

    米山政府委員 具体的な条文はないけれども憲法の精神あるいは法制度趣旨等からして許される、そういうものを超実定法的措置というふうに私ども理解をいたしております。
  18. 松原脩雄

    松原分科員 それではもう一点。今度は、自衛隊法の百条の五の第一項に基づく政令ができました。いわゆる自衛隊機派遣の問題です。あのときに、その政令の中を見ておりますと、湾岸危機に伴い生じた避難民救援輸送のためだというふうに書いてある。その定義を見ると、やはり湾岸危機について重大緊急事態という用語政令の中には使われているわけですね。これは安保会議設置法で言う重大緊急事態と同じ意味を指しているのでしょうか。これが第一点ですね。  二つ目に、安保会議設置法に言う重大緊急事態という用語言葉、それは今指摘した政令以外にどこかほかの法令の中で使われている事実があるかどうか。これを先に聞かしてください。
  19. 米山市郎

    米山政府委員 今先生指摘政令の中に含まれております重大緊急事態とは、国際連合安全保障理事会決議第六七八号に基づく国連加盟国イラクに対する武力行使が開始されてから平和と安定の回復が達成されるまでの我が国にとっても重大な緊急事態を指すものでございまして、お尋ねのように同一のものであるというふうに御理解をいただいて結構であろうと思います。  それから、ほかにこのような用語が使われている法令があるかというお尋ねでございますが、この二点だけでございます。
  20. 松原脩雄

    松原分科員 今申し上げました自衛隊機派遣に関する政令ですけれども、どうも従来の政府答弁と違う。従来でいけば法律の改正をしなければ出せない事態である確もかかわらず、政令というものを使って自衛隊機派遣をやろうじゃないかという、今回そういう措置をおとりになった。その措置は、従来の考え方でいうと一般的な任務として恒常的に行わせる場合を想定していたんだ。ところが、このような重大な緊急事態に伴った臨時応急措置であるからして、この自衛隊法百条の五ですか、これの政令によって自衛隊機派遣ができるというその論理の仕組み、これはまさに先ほどから議論しております超法規的もしくは超実定法的な事態緊急重大事態には許されるんだ、そういう基本的な考え方があって、その考え方に基づいて今回の政令措置がなされた。その政令措置政府に許されるということは、今言った重大緊急事態における超法規的もしくは超実定法的なこともあり得るという考え方があるからそういう措置をおとりになったというふうに考えざるを得ないのですが、その点については政府見解はいかがでしょう。
  21. 米山市郎

    米山政府委員 政令所管は私どもではございませんので、責任ある答弁としてはいかがかとも思いますが、この問題につきましては、一月十七日の午後安全保障会議を開きまして、自衛隊輸送機による避難民輸送可能性といったようなものも議論がなされております。そして、一月二十四日に安全保障会議において、避難民輸送実施するということについての基本的な方針、あわせてそれに必要な政令措置を行うという決定がなされているわけでございまして、先ほど申し上げましたように、私ども所管する政令ではございませんので大変恐縮でございますけれども、私ども理解をしておりますのは、総理も再々素直に法律を読んでこの政令をつくったということを申されてきておりますけれども法律の授権の範囲内で政令が制定されたものというふうに理解をいたしております。
  22. 松原脩雄

    松原分科員 そうすると、今回のこの政令措置については超実定法的もしくは超法規的な考え方は作動しなかったと考えておられるわけでしょうか。
  23. 米山市郎

    米山政府委員 当然そのように考えております。
  24. 松原脩雄

    松原分科員 一月二十四日の安保会議決定で、自衛隊機派遣をすること、そのために内閣政令をつくるべしたという決定をされておられますね。これは安全保障会議設置法でいうとどの条項に当たってこの会議は開かれ、決議をされたんでしょうか。
  25. 米山市郎

    米山政府委員 この政令自体安全保障会議審議をしているわけではございませんで、自衛隊輸送機による避難民輸送実施ということについての基本方針安全保障会議決定をしたということになっております。これは自衛隊の活動に係る事柄でございまして、文民統制の徹底を図るという見地から、第二条第一項第五号「その他内閣総理大臣が必要と認める国防に関する重要事項」ということで総理はお諮りをし、答申をいただいているわけでございます。
  26. 松原脩雄

    松原分科員 最後に、これは官房長官にお伺いしたいのですが、この政令はもう制定されているという形になります。では、この政令がいわば失効するという場合にはどういう手続をお考えになっているのか。それから、安保会議重大緊急事態というのを今回の湾岸危機では認めたわけですね。その重大緊急事態があるから自衛隊機派遣をするという政令をしたとなっておりますが、それでは、その重大緊急事態は将来自然消滅的になくなっていくのか、それとも安全保障会議重大緊急事態消滅をしたという判定をするのか。それは結局政令失効関係してくると私は思うのですね。この点についてはどんなふうにお考えになっておりますでしょうか。
  27. 坂本三十次

    坂本国務大臣 失効手続は、これは安保会議にかけてもようございますけれども、最終的には、法律的には閣議決定をすれば失効するということになります。これは総理がよく予算委員会でも申し上げたようでありまして、防衛庁長官もその前の答弁でもしております。  それは政令の性格から見れば、もう湾岸地帯が平和になって、そして難民も出ないようになって、国際連合関係機関からの要請もなくなってというようなことになれば、これはもういわゆるその周辺国の今度の湾岸危機に関する限りのことですから、失効する、自然消滅するということを防衛庁長官も言うておりましたが、さらに御質問がありまして、総理は、必要があれば、そういう事態になれば失効させます、こういう答弁もしております。つまりそれは、閣議失効させると言えばそれで消滅する、こういうことだと思います。
  28. 松原脩雄

    松原分科員 重大緊急事態消滅ですね、それは安保会議で検討する予定はあるのですかないのですか。
  29. 坂本三十次

    坂本国務大臣 消滅の場合は、総理が特に必要と認めればこれは安保会議にかけてもよろしゅうございますけれども、もうかけなくてもいいよということになれば、いきなり閣議消滅をさせるということも、その方が法律的にはウエートが高いんじゃないか、私はそう思っておりますが、細かい法律解釈は、政府委員がおりますからさせます。
  30. 米山市郎

    米山政府委員 重大緊急事態が発生した場合におきましては、内閣総理大臣は必要があると認めるときは当該重大緊急事態への対処措置について会議に諮るということで、これは法律的に明記をされておりまして、その規定によりまして一連の手続を一月十七日にとったわけでございます。  では、当該緊急事態が解消した場合どうなのかということでございますが、安全保障会議を開催してその旨を明らかにするというようなことは法的には要求をされてはおりません。したがいまして、今回の湾岸危機におきましても、必ずしも安全保障会議を開催して重大緊急事態が解消した旨を明らかにしなければならないというふうには考えておりません。  いずれにいたしましても、先ほど官房長官が御答弁申し上げましたように、今回の湾岸危機に関する重大緊急事態が解消した場合に、閣議において湾岸対策本部が廃止をされるということになりますと、重大緊急事態が解消したということが客観的にも明らかになってくるというふうに私ども理解をいたしております。
  31. 松原脩雄

    松原分科員 終わります。
  32. 魚住汎英

    魚住主査代理 これにて松原脩雄君の質疑は終了いたしました。  次に、馬場昇君。
  33. 馬場昇

    ○馬場分科員 平成三年採用予定者の高校卒の国家公務員III種、その中で特に林業の採用試験についてお尋ねしたいと思います。  平成二年度実施されましたこの採用試験はどういう日程で行われましたか。
  34. 大島満

    ○大島(満)政府委員 平成二年度のIII種試験の試験日程でございますけれども、試験公告を六月四日に行いまして、申し込み受け付け期間を七月四日から七月十一日に定めまして、この期間に受け付けをしております。その受け付けの結果、第一次試験を九月三十日に行っております。そして、第一次試験の合格者の発表を十一月二日に行いまして、その第一次合格者に対する第二次試験を十一月七日から十一月二十日にかけて行っております。そして、最終合格者発表を十二月十四日に行うというような日程でIII種試験を行いました。
  35. 馬場昇

    ○馬場分科員 この一次試験、二次試験はどのような試験種目で行われておりますか。
  36. 大島満

    ○大島(満)政府委員 林業に限ってということでお答え申し上げたいと思います。  III種林業試験区分の試験種目は、教養試験と専門試験、多肢選択でございますが、これが一次試験でございます。そして、第二次試験といたしまして人物試験を行っているということでございます。
  37. 馬場昇

    ○馬場分科員 この試験では、高等学校の内申書だとか成績とかいうのは全然見ていないのですか。
  38. 大島満

    ○大島(満)政府委員 そういった高等学校の内申書とか試験成績というものは見ずに、私たちが、人事院が実施いたします試験の結果で判定をしていくということになります。
  39. 馬場昇

    ○馬場分科員 この林業III種の人物試験を第二次試験でやるわけですけれども、この人物試験の内容とか実施方法はどういう形でやっているのですか。
  40. 大島満

    ○大島(満)政府委員 第二次試験で実施いたします人物試験につきましては、III種の林業の場合には個別面接の方法によりまして行っております。受験者の人柄とか性向等の面から採用後の職務遂行への適格性というものを評価しているわけでございますが、具体的には仕事に対する意欲とか対人的な対応能力等の観点から見て国家公務員としてふさわしいかどうかを確認することにいたしております。
  41. 馬場昇

    ○馬場分科員 人物試験の実施方法は。
  42. 大島満

    ○大島(満)政府委員 先ほど申し上げましたように、個別面接という方法でやっております。
  43. 馬場昇

    ○馬場分科員 人事院が全部全国へ行って個別面接しているのか、だれが個別面接をやっているのか。
  44. 大島満

    ○大島(満)政府委員 林業試験の場合には、人物試験につきましては、人物試験を実施し、評定及び判定を行うことということで林野庁に委託をして行っております。
  45. 馬場昇

    ○馬場分科員 例えば、九州で試験を受ける者、北海道で試験を受ける者、東京で試験を受ける者、林野庁はどういうぐあいにしてその試験をやっているわけですか。おたくが委託するわけでしょう。そうしたら、営林局単位でやっているのですか、それともどういう格好でやっているのですか。
  46. 大島満

    ○大島(満)政府委員 林業試験の場合に、先ほど申しましたように人物試験の実施、評定及び判定を林野庁に委託しておりますが、これは実際には林野庁下部機関といいますか、組織構成単位でございますそれぞれの地域の営林局で行っておられるということになります。
  47. 馬場昇

    ○馬場分科員 日本に十営林局があるわけですね。その十カ所の営林局へ委託してそこで人物評定をする、こういうことを今お聞きしたのですけれども、十カ所でやる場合、きちっとした、例えば一定の全国共通の評価表があるのか、その評価表をみんな、十の営林局であるわけですから、アンバラが出ないようにどういうぐあいにして全国公平に行うかとか、そういう手だては何かやっているのですか。
  48. 大島満

    ○大島(満)政府委員 委員御指摘のように、多数の人間が参加をいたしまして人物試験をやりますので、その間の公平性とか統一性を担保することが非常に重要でございます。そういうことで、人物試験の実施を委託している各省庁に対しましては、人物試験の目的、実施方法、留意事項等記述しました手引書、これは「人物試験実施事項」という冊子にまとめておりますが、それに従いまして統一的に実施するように人事院といたしては指導をしております。  具体的な指導内容といたしましては、偏りのない評価を行うための技術的な指導、さらに受験者の基本的人権、プライバシー等の侵害を防止するための注意等でございまして、人物試験の実施前に関係者と十分な打ち合わせを行っているというのが現状でございます。  なお、人物試験の試験官につきましては、資格要件を全国的に統一するほか、受験者と特別な関係にある場合には試験官となれないこととする等、公正な実施を実現するように配慮を行っておりますし、また人物試験で評価を行うに当たりましては、複数の試験官による評定を総合することによりまして客観性を確保するというような配慮も行っているところでございます。
  49. 馬場昇

    ○馬場分科員 これは林業職で、営林署で採用するわけですけれども平成三年度採用者について林野庁は、採用試験は人事院がするわけですから、人事院に対して平成三年度の採用についてはこういうような採用をしたいとかこういう者を採用したいとか、採用についての希望とか意見とかを何か申し述べはされましたか。
  50. 米田博正

    ○米田説明員 平成二年度の国家公務員採用III種試験林業の実施につきまして、林野庁として人事院に特に要望したことはございません。なお、人事院から昨年五月に平成三年度の採用予定数について照会がございましたので、それにつきましては私ども考え方を回答申し上げております。
  51. 馬場昇

    ○馬場分科員 この予定数については、例えば平成三年度採用、二年度採用、人数について変化がございますか。
  52. 米田博正

    ○米田説明員 具体的な数字については差し控えさせていただきますけれども考え方といたしましては、平成三年度の定員がどの程度になるか、あるいは定年前退職がどうなるかということがその時点では不確定でございますので、いろいろな前提を置きまして、さらに前年度の実績等を勘案いたしまして、一応の見込み数を人事院にお示ししているということでございます。
  53. 馬場昇

    ○馬場分科員 これは総裁、ここから聞いておいていただきたいのですが、今までずっと聞いてみますと――その前に、この三年度採用のものを二年度に試験をしましたね。その前年度、平成元年にやったとかあるいは昭和何年にやった、前年度とことしの試験が何か特別変わったことはありますか。
  54. 大島満

    ○大島(満)政府委員 従前の方法、内容等変えた点はございません。
  55. 馬場昇

    ○馬場分科員 ところが、物すごく変わった、異常な状態が出ておるのですよ。熊本営林局内で一次試験に合格して二次試験に合格しなかった者、これが他の局に比べて物すごく多い。熊本営林局は二次試験の合格者が少ない、これが一つです。  もう一つは、過去、去年、おととし、例年に比べても、一次試験に合格しておりながら二次試験に通らなかった者が他局に比べて異常なほど熊本営林局については多いわけです。平成二年度実施の、ことし実施しましたものを見てみますと、一次試験に合格をして二次試験に合格した比率ですが、北海道局は全員合格しております、一〇〇%。青森局も一次通った者は二次全部通っておる、一〇〇%。秋田局は九六%、前橋局は一〇〇%、東京は七一%ですが、長野局が八〇%、名古屋局は一〇〇%、大阪局も一〇〇%、高知局も一〇〇%、なのに熊本局だけは六二%なんです。何で熊本局は、ほかは一次を通った者は二次にほとんど通っている、しかし、熊本局だけが一次に通って二次に六二%だけしか通っていない。まさにこれはほかの局に比べて異常な状態ですけれども、これは何か原因があるのですか。
  56. 大島満

    ○大島(満)政府委員 平成二年度のIII種林業区分につきまして、最終合格結果を見ますと、第一次試験の合格者で最終的に不合格となった者が多い熊本地域があることは承知をいたしております。平成二年度のIII種林業区分の熊本地域の二次試験の結果を見ますと御指摘のような事実があるわけでございますが、第二次試験として行う人物試験につきましては、その実施を他省庁に委託する場合には、人事院が作成いたしました人物試験実施の手引書に従いまして全国共通の内容、方法で実施するように指導していることは、先ほど御答弁をしたとおりでございます。  平成二年度の具体的な熊本市、八代市に係るIII種林業区分の人物試験の委託試験の実施につきましても、人事院として手引書の指導を含めて林野庁当局と十分な打ち合わせを行い、また林野庁では、部内の試験官予定者に対し事前の研修を十分に行った上で人物試験を実施しておりまして、御指摘のような状況は、このように適正に試験を実施した結果生じたものと考えております。
  57. 馬場昇

    ○馬場分科員 もう少し具体的に申し上げますと、一次試験に通って二次試験で不合格になったというのが全国で三十六人おりますね。ところが、この中で三十一名は熊本局ですよ。日本全国、北海道からずっとやってほかの局で落ちた者は五名、熊本局だけが一局で三十一名不合格になっているのですよ。これは異常な状態とは思いませんか。みんな平等にやっているわけですからね。それでここだけこんなに不合格だということは異常な状態でしょう。それが今聞きますと、公正にやったからということで、異常な状態の起こった原因というものについて何かわからないか。総裁、これは異常な状態だと思われますか、熊本局だけこんなに不合格が出ているのは。総裁、どうですか。
  58. 弥富啓之助

    ○弥富政府委員 私もこの数字を初めて見たわけでございますが、平成二年度におきましては、第一次合格者数が熊本地区は六十五名でございますね。元年は四十名、それから六十三年五十八名、四十五名、五十何名とこういうふうになって、大体熊本、八代地区は一次合格者の数が全国に比べまして非常に優秀な地域だとは思います。四分の一ぐらいがそのように占めておるわけでございまして、たまたま合格者数を見てみますと三十九名、一次合格者数が六十五名の三十九名でパーセンテージが非常に落ちておるということはそのとおりだろう、これは数字の上から見てそのように私も考えられます。  ただしかし、先ほどから局長の方から申しておりますように、やはり人物試験ということになりますと、これは確かに一般の公務員試験と違いまして、先生の御心配といいますか、人によって違うのじゃないか、そういうふうな考え方がお心の中にあるのかもしれませんけれども、人事院当局といたしましては、先ほどのように公平を確保するということでいろいろな方策をとっているようでございます。ただそれが、今言いました全国で十か十一あります各営林局ですか、そこに公平に示達が行っているかどうか、それはあるかもしれませんけれども、やはり人事院当局といたしましては、林野庁と十分に打ち合わせの上やっておることでございまして、その内容等につきましては今後さらにそういうことのないように十分に連絡調整、指導、公正の確保、そういうことについて十分に注意をしてやっていきたい、かように考えております。
  59. 馬場昇

    ○馬場分科員 他局に比べてだけではないのです。熊本局は、例年に比べて従来一次試験に通って二次試験を通る者は八〇%をずっと超しているのです。  例えば、従来から見てみますと、大体八五%以上は通っているのです。平成二年度採用は、十名以上合格した中で二次合格者の比率は、北海道一〇〇%、青森八二%、秋田一〇〇%、長野八三%、名古屋九三%、大阪九〇%、熊本八五%、そうなっているのですよ。熊本は例年ずっと八五%以上ぐらい通っているのです。ことしだけ六二%に落ちている。だから考えてみますと、例年から横を比べて、全国に比べてみてもぐっと落ちている、縦に比べてもずっと八〇%以上通っておったのにことしだけ六二%になっている、これは異常だとしか言われないわけでございます。こういう点で、熊本営林局が面接はしたわけですから、人物試験をしたわけですから、熊本営林局は人物試験をして従来と同じように人事院に試験結果を報告しているのかどうか、何か人物試験をして、ことし少し違ったような報告をしているのか、どうですか。
  60. 米田博正

    ○米田説明員 先ほど人事院からのお答えにもありましたように、人事院からの委託を受けまして、営林局、支局で二次試験の人物試験をやっております。その基準等につきましては、先ほどもありましたようなことで人事院から明確に示されておりますので、その基準に従いまして、そして、事前に人事院の地方事務局と密接な連絡をとりながら毎年試験をやっております。  そういう中で、二年度の試験につきましても営林支局で実施いたしまして、その基準に従いまして公正に試験をした結果につきまして、人事院に御報告をしているわけでございまして、今年度の人事院のそういう基準に従って公正にやった結果をそのままお伝えしている、そういうことでございます。
  61. 馬場昇

    ○馬場分科員 これは委員長もたまたま熊本ですけれども、一次試験に合格した学校は九州全体で十校あるのです。その中で、不合格を出した学校だから、なかなか校名は言いにくいから言いませんけれども、A校、B校、C校という学校、三校の例を申し上げますと、A校は、平成元年度実施した試験では一次試験通って二次試験に通った者が七八%で、不合格となった者は四名なのです。ところが、ことしは、平成二年度実施のものは十二名、ここは不合格になっているのです。五七%しか二次に合格していないのです。二一%二次合格率が下がっています。B校は、去年の場合は一名不合格で、一次から二次に通りました率は九〇%、ことしは五名二次に落ちまして、六七%しか通らなくて二三%下がっている。C校は、去年の場合は二名不合格で、八五%二次を通っておるが、ことしは七名不合格で、六七%しか通っていない、一八%下がっておるわけです。  そして先ほど言いました、全国で不合格者は三十六名です。それで熊本局で不合格者はさっき言いました三十一名ですけれども、この三校で二十四名不合格になっているのです。これは他局に比べてみても、例年に比べてみても、そしてほとんどこの三校に不合格者が多く出ている。これは異常としか思えないわけですけれども、これは二次試験は人物試験と言ったでしょう。そうすると、不合格者を出して、他局、他県、日本じゅう例年に比べてことしは多い、それは人物試験でそうなったんだと言われたら、地元とか本人とか学校とかどういう感じがすると思われますか。  まず総裁、感情はどうでしょうか、そういう状況が起こったのを見て何と思うでしょうか。生徒は、父兄は、学校は、熊本県民はどう思うでしょうか。
  62. 弥富啓之助

    ○弥富政府委員 委員長もそうですが、私も、父が熊本県でありますので、熊本は今も見ましたら、非常に優秀な成績で入っているんだなというふうに思っておりました。  ただ、今言われましたように第二次試験は人物試験でございます。人物試験で落ちたというのは、結果的にそういう数になったということでございますので、それについては今先生言われましたように、どう思うかというと非常に気持ちがよくないということでございましょう。しかしながら、私が申し上げますのは、ただこれはいかにしても競争試験でございまして、しかも人物試験ということになりますと、これは確かに試験官の主観というものは入らないわけではございませんけれども、それの公正の担保のためには、人事院としていろいろな気を配っているということは先ほど来申し上げているとおりでございまして、それを行ってそういうふうな結果になった、これはまことに熊本県の方に対しては申しわけないわけでございますけれども、ただ、私先ほどから申し上げているように全国で統一した手引書によって行っているわけでございますので、全国で統一したその標準を保持していこう、そういうことはこれからも指導していきたい、そういうふうに考えております。
  63. 馬場昇

    ○馬場分科員 全く熊本関係者にしては血も涙もないような答弁でございますけれども、これはおかしいですよ、総裁。長く時間がありませんから総裁にここで言っておきますけれども、やはり人事院が主体的にこの試験をするわけですから、そして熊本営林局が二次試験を担当してやったわけですから、人事院と熊本局がちゃんと試験の状況を見てみればわかるわけです。一次試験の状況を見、二次試験はちゃんとデータがあるわけですから、見てみればわかるわけですよ。だから、これは結果がこうなったということじゃなしに、何でそうなったかという原因が問題なんですよ。何でこうなったかという事実をぜひ解明してもらわなければならぬと思うのです。  言っておきますけれども、この三校というのはずっと戦後、この林業III種、高校卒で全国の合格者の三〇%以上合格してきて、ここで合格した者が北海道の局に行く、四国に行く、東京におる、あるいは九州におる、ほとんど営林署の最前線で日本の林業を支えてきているんですよ、この三校出身者が。今全国におりますよ。言うならば林業発展のために尽くした学校、あるいは言うならば名門校と言ってもいいのじゃないかと思うのですよ。そういうところにこういうのがことし突然出たということはどうでしょうか。もう現地の父母とか学校とか生徒とか地域とか、本当に驚いているのですよ。そして、真相は何だ、原因は何だということで大問題になっているのです。だから高校の校長とかあるいは父兄とか、熊本営林局に行っているのです。何でこうなったんだ、理由を明らかにしなさい、こういうことを実は言っておるわけでございます。  そうして、こういうことについては本当に明らかにして――例えばこういうことが起こるのですよ。例年一次を通った者は二次に通るでしょう。十二月の発表ですよ、二次は。そのときはもう普通の民間の就職はほとんど終わっているのです。一名か二名しか不合格がないからといって、そういう就職指導を学校はやっている。ことしは十二名もとか三十一名もとか通らないときた。さあ就職するところはどこにもない、就職指導はできないと学校は言っているのです、こういう状況になってきた場合には。そして大問題に実はなっておるわけでございまして、従来、そういう人たちにとってみれば、一次に通っておったんだからと思って就職しない。人生を左右するような大問題になっているのです。  だから、ここでこの事実をきちんともう一遍、データがあるわけだから、人事院と営林局と合わせてみて、こういうところに問題があった、例えば人事院についてみると、私が聞いておるところによると、ことしは去年と少し変えているところがあると聞いておるのです。例えば人物で見てみたいと思うから一次試験を余計採るとか、そういうこともあったんじゃないかとか、一つの県に合格者を集中させないという方向も動いたんじゃないかとか、こういう問題がある。そしてまた、熊本局は他局に比べて面接が厳しかったんだ。例えば日本じゅうどこへでも行くかと言ったら、生徒はどこへでも行くと答えたと言っているのですけれども、そういう点について、面接がそういうところで辛かったんだ、ょそと違ったんだ、厳しかったんだ、こういう声もあります。また受験生はそういうことで非常に混乱しているわけですから、これはそういう事実を、またデータを見てぜひ明らかにしていただきたいと思いますが、どうですか。
  64. 弥富啓之助

    ○弥富政府委員 ただいまの先生のお話はよく承りました。
  65. 馬場昇

    ○馬場分科員 総裁、人事行政というのは信頼がなければ成り立っていかないわけですから、今熊本県民は関係者を中心にして物すごくこの人事院の試験に対して批判を集中して疑問を持っているのですから、ぜひ問題を明らかにしていただきたいと思います。  時間が来てしまいましたので、文部省来ていますか。こういうことで今学校では就職指導ができないと言っているのです、子供の人生を左右すると言っているのですよ。だから、こういう点について、就職指導を担当している文部省としても、この原因をぜひ明らかにして、就職指導なんかで学校に混乱が起きないようにしていただきたいということを人事院と林野庁に申し出ていただきたい、熊本県ではやっているのですから。どうですか。
  66. 高為重

    ○高説明員 今先生指摘のように、就職は、公務員を志望しております者については、一応その結果を待ってから進路変更等対応するということで行われておりますので、御指摘のようなケースですと、試験の結果を待って、生徒の希望等をできるだけ生かして他の民間等への就職指導に鋭意努力をされることになろうと思っております。私どもといたしましても、そういう適性に応じた適切な進路指導が行われるよう今後とも努力をしてまいりたいと思っております。
  67. 馬場昇

    ○馬場分科員 私が言っているのは、学校が就職指導に困る、そして生徒自身がもう例年普通の、一般の就職試験を受けていないのですから、こういう異常な状態が起きたということで、就職指導に困るからきちんと原因を明らかにして、人事院に対する要請とか、就職指導ができるようにやらなければいかぬから、そういうことについて原因を明らかにしてください、そういうようなことを申し込みなさいと言っているのですよ。
  68. 高為重

    ○高説明員 私どもといたしましても、県、学校等に事情を聞きまして適切に対処してまいりたいと思っております。
  69. 馬場昇

    ○馬場分科員 終わります。
  70. 魚住汎英

    魚住主査代理 これにて馬場昇君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして内閣についての質疑は終了いたしました。     ─────────────
  71. 魚住汎英

    魚住主査代理 次に、総理本府について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。竹内猛君。
  72. 竹内猛

    竹内(猛)分科員 先日、総理府が、平成二年の十月に「食生活・農村の役割に関する世論調査」を行いました。これに関連して、農林水産省並びに関係省と、それから環境庁に関しては、筑波の学園都市と土浦に関連する環境問題、それから渡良瀬遊水池において今第三空港をつくろうとしておることに関連をして若干御質問をいたします。  まず最初に、岡村広報室長見えていると思いますが、あれは三年ごとに調査をされるのか、定期的にやられるのか、この世論調査、これについて、ひとつそのあり方についてお尋ねしたい。
  73. 岡村健

    ○岡村政府委員 お答え申し上げます。  必ずしも三年とは限っておりませんが、前回は三年前に実施いたしております。
  74. 竹内猛

    竹内(猛)分科員 三年前の農村と農業に対する世論調査の結果と、それから今回の結果との間に著しい差があるかないか、これについてお尋ねします。
  75. 岡村健

    ○岡村政府委員 前回、三年前と比較いたしまして、それほど顕著な差は認められないようでございます。
  76. 竹内猛

    竹内(猛)分科員 さてそこで、今度のこの世論調査で出てきている結果というのは、農村あるいは食糧、農業という問題について、我々が日ごろから主張してきたことについてかなり明らかに民意が出ている、こういう感じがします。  それは、今まで、農業とか食糧とか農村というのは過保護であってむだ遣いをしている、それから、海外に安い食糧があるからこれを輸入をすれば内外価格差というものは縮んでいく、こういうような傾向が財界あるいは行政改革あるいはマスコミ、評論家、こういうところから出ておりました。それが今回は、そういう問題について、それは確かに湾岸戦争というものがあってそしてイラクが食糧に不足を来している、あるいはソビエトにいろいろな問題がある、各地で食糧が不足をしているということがあって、それが反映したかわかりませんが、いずれにしても農村の役割について、「食糧生産」の六三・四%というものが農業に対する、国内の生産に対する位置づけを明らかにしているということ、あるいはまた、自然環境を保全をするという役割についてもそれが出てきたということは、これは健全な好ましい結果だと私は思っていますが、この二年間か三年間の間にそういうことについて明らかになったことに対しては、これは農林水産省が担当しているわけだから、農林水産省としてはこの経過についてどのように感じられているか、その感想を。
  77. 日出英輔

    ○日出説明員 昨年十月に行われましたこの世論調査の結果を見てみますと、ガット・ウルグアイ・ラウンドの議論以降、農業なり農村に対するいろいろな議論が出ておりましたが、大変冷静な判断で、食糧あるいは農村の役割というようなことあるいは日本の食生活の問題、こういったことにつきまして国民が判断をしておる、こういうふうな感じを持っているわけでございます。
  78. 竹内猛

    竹内(猛)分科員 特に自然環境の維持という問題に深い関心を持つようになったということは、これは非常に大事なことだと思うのですね。農業というのは単に物をつくる、それだけではなしに自然環境、水や緑や空気の浄化をし国土の保全をする、こういう役割について五四・四%、こういうかなりのものが出たということは非常に好ましい方向である。こういうものが政策の上にどういう形で生かされるかということが問題なのであって、世論調査が世論調査でとどまって一回新聞に発表したらそれでおしまい、こういうことではこれは意味がない。やはりそれが出たら政策の上に実現をしていかなければこれは意味がないと思うのですね。その点については、これは担当は農林水産省だから、農林水産省はこれをどういうふうに受けとっているのか、それでどうしようとしているのか。
  79. 日出英輔

    ○日出説明員 先生おっしゃいますように、農村の役割につきまして食糧生産という以外の非常に幅広い役割をこの世論調査では評価をしておる、世論調査の結果として出ているんだろうと思っております。  このような農村の役割につきまして世界的に、特に、例えばECなんかで申し上げますと、先生も御案内のとおり農村の持ちます役割を非常に高く評価をしております。具体的には例えば景観の保持でありますとか最低限の人口の維持といったような目的を持った対策が既に講じられております。そういう意味で、こういった農村の幅広い役割を政策に取り入れていくというのは世界的な一つの大きな潮流であろうというふうに思っておるわけでございます。  農林水産省といたしましても、こういった大きな流れの中で今申し上げました農村の多面的な役割を大きく広げていくあるいは大きく引き上げていくといったような放策を今後とも一層強めていきたいというふうに思っておりまして、ただいま少しそういう面での大きな政策の勉強をいたし始めたところでございます。
  80. 竹内猛

    竹内(猛)分科員 きょうは大蔵省が見えているから聞いてもらいたいことがある。それは、確かに日本の農家自体が生産をした粗収入というのは十一兆になるかならないか、予算は三兆一千億程度ですね。その中で、水とか緑とか空気を浄化する、国土を保全するという役割を計算すると、計算のしようにもよるけれども三十兆とか三十六兆、こうなっておる。もし日本に後継者がいなくなって肥培管理をしない、そういうことになったときに、日本の農村の状況というよりも都市におけるいろいろな災いが出てくる。そこで、過保護であるということ、水や緑や空気をきれいにしたり洪水を防止するというこの水田が持っている役割というようなもの、あるいは山が森林二法で今度は大分前進をしているけれども、山の問題についても、ともかく人減らしだけすればいいんだ、安上がりに何でもやろう、こういう考え方に対して、本来であればこれは外務省や通産省やそういうところにも物を言いたいわけだけれども、大蔵省としては農業が持っているそういう役割、つまり社会的役割というか、こういうものについてどのような評価をされているか、大蔵省の考え方を聞きたい。
  81. 浜中秀一郎

    ○浜中説明員 ただいま御質問いただきました農村あるいは農業の持っているその意義、これは先生指摘のとおりでございます。他方、日本の経済社会が国際社会の中から孤立して存在するということもできない、これまた御案内のとおりであり、その間において適切な政策をとっていくということが非常に重要と考えている次第でございます。また、特に御指摘の環境面につきましては、最近におきます国際的な高まりの中で、農業の持つ意味などにつきまして各方面からその関心が高まり、政府としてもその対応を図っていくべきところでございます。  いずれにいたしましても、大変奥行きの深い問題でございまして、引き続き検討させていただきたいと思っております。
  82. 竹内猛

    竹内(猛)分科員 そこで、今度は米の問題についても結果が出ていますね。米は日本人の主要食糧である、これは九四%。もっと食べるべきだというのが六八%。米食は健康に対してよろしくないというようなことをいろいろ言われてきたけれども、そうじゃない。七七%は健康にいいと言っている。それから、従来米を食うとがんになるとか病気になるとか太るとかという形で、米を食わないようにとマスコミが盛んにやってきて、確かに米の消費は減ってきている。それを我々は、米を消費するように消費拡大の運動を一生懸命続けてきているけれども、マスコミは、ともかく外国に安い食糧があるからそれを買えばいいじゃないか、そう言っている。しかし、この今出てきた世論というのは、まさに米は健康食である、大いに食べろ、こういうことになっている。その格差というのは一体何だ。それについて農水省等はどういう格差解消努力をしているか。このことはやはり担当省の責任ですね。これはどうです。
  83. 諸川勝徳

    ○諸川説明員 お答えいたします。  米は日本人の主食でありまして、古来から日本文化の礎として重要な役割を果たしており、また栄養に富む食品でもございます。これまでも米を中心といたしました健康的な食生活の推進を図るため、専門家の協力による普及啓発、テレビによる情報提供、あるいは「米まつり」の開催等各般の施策を講じてきたところであります。このような努力もありまして、総理府の世論調査によりますと、先生の御指摘のとおり米が日本人の主食として最もふさわしいと思う人が九割を超えておるなど、米が国民から高い支持を得ているところでございます。率直に言いまして、米の消費拡大の担当者といたしまして大変心強い限りでございます。  こうした米に対する高い支持を背景にいたしまして、米の消費拡大を推進するに当たりましては、米の栄養、健康面でのPRが非常に重要な課題であると認識しており、先般一月二十四日、日本医師会の協力を得ましてシンポジウム「お米・健康サミット」を開催し、医学界の各分野を代表される専門家の方々から医学的あるいは栄養学的観点から、米と、米を中心とした日本型食生活のすぐれた点が指摘されたところでございます。また、去る三月九日にはシンポジウム「二十一世紀の主食・お米 女性からのメッセージ」を開催いたしまして、これも各界で御活躍の女性の方々から、未来につながる食物としての米についてさまざまな角度から提言をいただいたところでございます。  今後ともこのような努力を通じましてお米のよさや、あるいはお米を中心とした日本型食生活が日本人にとって健康にもよく、栄養バランスの面から見てもすぐれていることを国民にも十分理解してもらえるような積極的なPR活動を行い、一層の米のイメージアップに努め、自信を持って米の消費拡大を推進することとしていきたいと思っております。
  84. 竹内猛

    竹内(猛)分科員 日本型食生活、こういう言葉が八〇年代に言われた。これも引き続いていると思うのですが、これに対しても八九・五%、大変高い支持率がある。最近の病気を見るとがん、脳卒中、僕なんかも太っている方だけれども、そういう太り過ぎ、栄養過多かな、つまり米と野菜と、適当に魚を食べたり海藻類を食べると非常に健康だというが、小学校のころから物すごく太った子供がいる、糖尿病がある。こういうようなことを考えてみると、日本型食生活というものは徹底していないのじゃないか、これを徹底させるべきじゃないか、これだけ支持があるのだからもう少し米を食ったり野菜を食ったり、僕らも含めてそういう反省をしながらやらなければならないと思っている。これはどうです、日本型食生活に対する浸透について少し足りないような気がするのですけれども、いかがですか。
  85. 城知晴

    ○城説明員 お答え申し上げます。  御承知のように現在の我が国の食生活は、米を中心にいたしまして、野菜、魚、肉、乳製品というふうにまさに栄養バランスのとれた、諸外国に比べましても極めてすぐれた特質を有している食生活が形成されてきております。ただいま先生の御指摘のように、今回の調査結果におきましても、前回を約五%上回る八九・五%の方が日本型食生活を今後も続けたいというふうに考えていると思われまして、私どもといたしましては、現在の食生活のすぐれた特質が国民一般に広く理解されておるのじゃないか、このように考えております。  ただ、ただいま申し上げましたように、平均といたしまして栄養バランスのとれた極めてすばらしい食生活でございますが、個々の方それぞれについて見ますと一定の栄養の偏り等々もございまして、今後ともますますバランスのとれた日本型食生活を推進していく必要があると考えております。このため農林水産省といたしましては、昨年の十一月に今後の望ましい食生活を進めるための新たな指針を策定いたしております。この新日本型食生活の指針とも言うべきものを今後国民一般に広く普及定着させていきまして、風土に根差した日本型食生活をますます日本国において定着させていきたい、このように考えております。
  86. 竹内猛

    竹内(猛)分科員 この点も農林省を激励してもっと日本型食生活が隅々まで徹底するように、学校にも学校給食などもやめないように進めていかないと、パンばかり食わしているのはぐあいが悪いんだ。米を食わせるように努力をして、そしておいしい米は食用に、多収穫の米は多目的に使うようにする。土地改良をやって金を取って、減反で今度はまた奨励金を出すなんて、そんな農政というのはおかしいでしょう。委員長、そういうふうに思わないかね。思うでしょう。まあ委員長と話をしてもしようがないから……。  そこでその次に行くと、現在の結果からいえば、穀物自給率が三〇%、それからカロリーで四八%になっちゃっている、現在の日本の状況は。そして、海外から輸入する額は四兆二千億を超している。農林水産省の予算よりも多い農産物が輸入されておる。それは安全性がはっきりしない。ともかく物でさえあればよろしいという形で、しかもそれは特定の国から圧倒的に多い。その上に今度は米まで輸入しようと言っている。きょうの新聞なんかを見ると、アメリカはカリフォルニアあたりではもう水がなくなってかなり食糧が往生している。自分の国に食べ物が不足しているときに外国へどんどん出そう、それで赤字の解消をしようと言ってもそれは無理な話だ。だから、日本のように減反をして米価を引き下げられたりあるいは生産調整をしているときに、なお米まで手をつけていくということではなくて、これはやはり国会の決議があるように、五十三年来三回も決議をしている。これは自給率を六〇%まで上げるとということについてちっとも不思議じゃない、世論がそうなっているんだから。それに対して社会党の土井委員長が一昨年宮崎で提案をした。穀物自給率六〇%、それからカロリーで七〇から八〇にしよう、一挙に上がるのじゃない、それはかなり長い期間をかけてやろうじゃないか、中山間地帯をもっと大事にしよう、後継者が残るようにしようと言ったら、これは自民党はひどいんだな、こういうチラシをまいて社会党は無責任だと、こうやっておる。  だから、参議院の定数一名区が二十六ある、その中で三年前には一名しか社会党系はとれなかった。今度は二十三社会党でとって、自民党さんは三しかとれなかったじゃないか。それは総理大臣の女性問題やリクルートや消費税や、あれやこれやある。それは総合したものだけれども、少なくとも農村に変化があったことは実事だ。その変化というのは、もうこれ以上農村が後退してはだめだという抵抗ですよ。熊本だって松野頼三さんもそのときは落ちたし、それから宮崎も落ちたし、それから衆議院では大騒ぎをしてでかい声を出す松田九郎だって落ちた。こういうように名物がみんな一人一人落ちて、山中のおやじも落選するし、江藤さんも、農林大臣だって去年は落ちたじゃないか。我々が農業問題を言っても自民党に話をする相手がいなくなっちゃった。それぐらいに変化しているのだから、その変化を考えると、土井委員長の提案というのは、あざ笑うのではなく、あれは真剣に考えてもらわなければ困る。それはどうですか、室長
  87. 日出英輔

    ○日出説明員 私どもも食糧自給率の維持向上の問題につきまして、もちろん多大な関心を持っているわけでございまして、昨年の長期見通しで、私どもはだんだん落ちていくカロリー自給率を何とか五割の線で抑えようということを考えて天下に公表しているわけでございます。  先生おっしゃいますように、穀物自給率の方でただいま三〇%、カロリー自給率で四八%でございますが、穀物自給率を三〇%から六〇%まで上げようといたしますと、大体千二百万トンの穀物の大増産を必要とするということでございます。私どもとしますと、もう既に飼料穀物の輸入の体制などもきちっと決まっておるというようなところでございますので、私どものできる限りの食糧自給率の維持あるいは向上ということは、元気を出してやっていきたいと思っておりますが、現実的な目標といたしますと、なかなかそこまで行かないというのが我々の中の考え方でございます。  今後とも食糧自給率の向上につきましては、国民の大多数の方々から積極的な施策を講じて引き上げるようにというような気持ちも随分出ておりますので、そういう意を体しまして政策を実行してまいりたいと思っております。
  88. 竹内猛

    竹内(猛)分科員 食糧を安定的に供給しろという声は、国内でやれというのが七三・六%もある。こういうふうに考えてみると、国内でもっと自信を持って生産を高めていく必要があるし、一挙にやれといってもそれは無理だ。一挙にやれといっても無理だけれども、それを段階的にやっていく。これについては農林省もどうも少し憶病になっているのではないか。もっと勇気を出してやってもらいたい。これがまず一つの注文ですね。  それから、安全性という問題がある。食糧の安全性という問題が消費者から出ている。少しぐらい高くても国内でつくったものの方を欲しいという声が強い。今までは日本でつくったものは高くてどうもぐあいが悪い、だから海外に安いものがあればいいじゃないか、こういう論調が強かった。この世論調査を通じて、きのうの毎日新聞の論説が変わってきたのですね。これは非常にいいことだと思う。ああいうふうにマスコミが論説を一応変えるようになったということは、まさにこれは世論調査の一つの結果だと思う。だからこういうものを中心にして、農業の問題については本当に生産の安定化それから農村への定着、こういう問題についてももっともっとしっかりやってもらいたい。これは農林省に注文する。  それから環境庁が今来ていますが、二つ環境庁に御質問します。  一つは、古河市と群馬県と栃木県の間にある渡良瀬遊水池、これは三千三百ヘクタールぐらいある、日本で一番広いところですね。これは田中正造が足尾銅山の問題で闘いをして、公害を除去するためにという形で谷中村を引き揚げてつくった遊水池であって、自然にできたものじゃない。そこへ今度は、国有地だから第三空港をつくろうという形で、せっかくあそこには自然の鳥獣類がたくさんいるし、それから湿原という形で、今、北海道に二つ、宮城県に一つ、四番目に、湿原地帯の国際条約ですか、ラムザウル条約に五千人も署名をしている。ここはつぶさないようにひとつ守ってもらいたいというのが一つ。  それからもう一つは、土浦と筑波の間に、四全総で開発をしようとしているところがあります。大池天王池、この水面は建設省が管理をして、この周辺は民有地だからここをつぶしていこうという形で今計画があるようです。それから、筑波に洞峯公園という公園がある。この公園ももとは沼だった。今、周辺が十ヘクタールありますが、地下水をとったために底が抜けて、底抜けの公園になっている。だから、関東、首都圏のすぐれた自然を残している大きなところにこういうような自然があったり、鳥獣類がすんだり、ワシやタカやキツネがすんだり、それから蓮があったり、そういうところは最小限残しておくべきだ、公益的な公園、つまり公益的な地域として残すべきだというふうに考えているのですが、環境庁、これはどうですか。
  89. 永瀬誠

    ○永瀬説明員 今先生お話ございましたように、渡良瀬川の遊水池あるいは筑波研究学園都市周辺の大池天王池周辺地、いずれもそれぞれ自然環境が残されている地域でございます。その地域におきまして、それぞれ各種の開発構想なり計画が県等の段階で今検討されている状況にあるというふうに承知しております。具体的な内容等についてはまだ決定段階ではないということでございますけれども、そういうふうなことが検討されているということでございます。  一般的に申し上げまして、このような大規模な開発計画が検討される場合におきましては、自然環境保全というふうなものにも十分配慮いたしまして検討していただく、そして適切に事業が進行していくというようなことが必要であろうと考えております。
  90. 竹内猛

    竹内(猛)分科員 もう時間が来たからこれ以上質問することはできませんが、農水省の問題についてはまた別の機会に、今度は外務省、通産省に来てもらってしっかり詰めていかなくちゃならぬし、環境庁も今の問題についてはこれからも、これは黙っておるわけにいかない問題です。  つまり、二十四時間の国際空港ということになると、東京の一つの区が移ったような、ああいう人口過密な古河市の周辺に、それは騒音問題でなくて轟音で、もう大変な状況になる。空港をつくることには反対しないですが、それは関西の空港みたいに海の上につくったり野つ原につくればいいので、何も人の住んでおる真ん中に公有地があるから簡単にできるだろうなんて、そんな安易なことを考えられては絶対許すことはできないから、これは反対であるということを強く申し入れると同時に、大池の問題についても、一定の開発はしなければならないけれども、残すべき自然はちゃんと残していくということをやってもらいたい。環境庁、その点についてはもう一遍答弁してください。
  91. 永瀬誠

    ○永瀬説明員 先ほども申し上げましたとおり、そういった開発計画を行う際におきましては、自然環境の保全に十分配慮して計画を策定していただく必要があるというふうに考えております。そのような方向で指導もしていきたいと思っております。
  92. 竹内猛

    竹内(猛)分科員 終わります。
  93. 魚住汎英

    魚住主査代理 これにて竹内猛君の質疑は終了いたしました。  次に、川俣健二郎君。
  94. 川俣健二郎

    ○川俣分科員 きょうは三十分の分科会の時間をいただいたので、シベリア抑留強制労働補償という問題について、官房長官にぜひ聞いてもらいたいことと、今後の対処方針などを当局から聞きたいと思います。  私も十何年、合わせて十何回、当委員会なり各委員会で質問を続けてまいったわけでございますが、ゴルバチョフも来月は名簿を持って正式に参りますし、労働証明書というものもキリチェンコの関係団体と約束したようでございますけれども、そうなると、裁判の行方、戦後処理は終わったというかつての報告、さらに加えて「ザ・セッド・パワー」というジュネーブ条約の解釈がどういうことかということになりますと、戦後、「ザ・セッド・パワー」という横文字を日本語に「当事国」と訳して、「当事国」というのは名前のとおり当事国なんで、ソ連の方が補償すべきだと解釈しておった。  ところがその後、関係団体が調査し、我々も諸外国を調査してみると、「当事国」とは、簡単に言うと捕虜になった人方の祖国というか、ここでいえば日本。フランスの捕虜がドイツに、そしてフランスへ帰ったらフランスが補償する、捕虜にしたドイツは補償しないのだ、こういうことが明確になった。なぜそれが明確になったかというと、忘れもしない、六十一年のダブル選挙が始まろうかという際に、選挙に我々の目も向いておって、この日本列島全部が選挙風景の際に、時の外務大臣の安倍晋太郎名で、「ザ・セッド・パワー」の解釈誤訳があった。というのは、今まで政府は「ザ・セッド・パワー」、「当事国」というのは、ソ連が補償するのだと解釈しておったが、その後いろいろと検討した結果、この「当事国」とは日本が補償しなければならないというように誤訳を訂正するという一片の公報が九月に出たわけです。そして十二月の選挙に入ったわけですが、そうなると、外務大臣が、責任のある人が従来、補償するのはソ連であると言い切ってきたのが、やはり「当事国」、日本が補償するという解釈だけは間違いない。  しかし、実際問題補償するかどうかということになりますと、善後策がありまして、この善後策というのは、ジュネーブ条約が一九四九年、戦後四年後ですね、それに対して日本は四、五年後の一九五三年に加盟して調印した。ソ連の方はさらに一年おくれて五四年に加盟した。昭和二十九年加盟。日本は昭和二十八年に加盟。したがって、その前に帰国しておった抑留者に支払うということは、法律の不遡及の原則を盾にして政府はどうしてもうんと言わない。そこで、全国シベリア抑留者補償協議会が自分たちの会費を持ち寄って裁判になってきた。  まず裁判の経過を、逆ですが、法務省の方からあらまし聞かせてもらえますか。
  95. 玉田勝也

    ○玉田説明員 御説明申し上げます。  このシベリア訴訟の争点は非常に多岐にわたっておりまして、その主たるものを申し上げますと、一つとして、自国民捕虜補償原則という国際慣習法の成立の有無と、それに基づきます直接請求の可否、それから二番目に、憲法十三条、十四条、十七条、十八条及び二十九条三項による国家補償の請求の可否、三番目に、憲法二十九条三項によります損失補償請求の可否、それから四番目に、国家賠償法一条一項または民法七百九条に基づきます損害賠償の可否が問われているものでございます。  第一審の東京地裁、平成元年四月十八日の判決は、これらの争点につきまして、原告らの主張はいずれも理由がないということで、原告らの請求をいずれも棄却しております。  以上でございます。
  96. 川俣健二郎

    ○川俣分科員 現在はどういう状況ですか。
  97. 玉田勝也

    ○玉田説明員 先ほど御説明申し上げました東京地裁の判決に対しまして、一審原告は、第一審の段階では六十二名の方々が原告となっておられましたが、そのうち四十名の方が控訴されまして、現在東京高等裁判所に係属中でございます。この第二審におきます請求金額は一億七千三十万円でございまして、控訴審におきまして、現在まで八回の口頭弁論が開かれておりまして、次回は、平成三年五月二十三日に第九回目の口頭弁論が開かれる予定でございます。
  98. 川俣健二郎

    ○川俣分科員 あなたはそれ以上言う立場でないと思うのですが、そこで「英軍等管理下の地域から」、いわば南方だ、「帰国した日本人捕虜に対しては、個人計算カード等の書類に基づき、抑留中の労働賃金に相当する金額が支払われている。」これは、大事なことは、「個人計算カード等の書類に基づき、」何もないところでおれは強制労働受けてきたよという口頭ではこれは無理だ。しかしそれに基づいて「抑留中の労働賃金に相当する金額が支払われている。」南の方から帰ってきた人は。  極寒シベリアで、あのように到底筆舌に尽くせない、言い尽くせない、語り尽くせない難儀をしてきた北の方から来た人にはなぜ払わないのだろうか、それは証明がないからだ、こういう一点張りで、私もいろいろと苦慮しながら質問してきたのでございます。シベリアで労働した事実が確認できないことが理由だった。まず、この質問に入る前に、事実関係があったかどうか、大蔵省が支払ったんだろうから、大蔵省どうですか。
  99. 南木通

    南木説明員 お答え申し上げます。  終戦後、いわゆる外地から引き揚げてこられた方々の帰国の際、これはGHQの指令によったわけでございますけれども、一定の限度額、一般の方であれば千円、軍人であれば、例えば将校が五百円ということでございますが、そういうものを超える現金、外貨あるいは証券額の国内への流入というものを制限しておったわけでございます。  ところが、御指摘ございましたように、英軍の占領地区等から引き揚げてこられた捕虜の方々につきましては、連合国が発行した個人計算カード等の捕虜期間中の収入金を立証する証明書を所持しておるという場合につきましては、先ほどの千円とか五百円とかという限度額を超えまして、その立証される収入金の額までの移入なり交換ということは認められていたわけでございます。そしてその際、日本政府が連合国にかわってその支払いを現金で行ったものと承知いたしております。
  100. 川俣健二郎

    ○川俣分科員 それで、総額どのぐらいになるのですか。
  101. 南木通

    南木説明員 まことに恐縮でございますけれども、総額等につきましては、資料等が、まとまったものがございませんので承知いたしてございません。
  102. 川俣健二郎

    ○川俣分科員 これは、シベリア抑留、そのほかにモンゴルもいると思いますが、その皆さん方にこれから支払うという段になると思う。労働証明書、そして名簿を一国の大統領が正式に持ってくる。そうなると、当然ながら政府は何らか考えな きゃだめなんじゃないんだろうか。どうでしょうか。
  103. 東郷和彦

    ○東郷説明員 国際法上の観点から御答弁申し上げたいと思います。  労働証明書というようなものがどういう内容のものであるか、これが必ずしもはっきりしない時点で御答弁申し上げることには若干の困難がございますが、仮にシベリア抑留者が、抑留国であるソ連側から抑留中の労働時間等につき証明する何らかの文書の発給を受けた、仮にそういう場合でございますけれども、国際法上の観点から申し上げれば、このような文書の発給があったとしても、抑留者の所属国である、この場合我が国でございますが、我が国がこの抑留者の方に対して労働賃金の支払いを行う義務というものは、国際法上の観点からは生じないというのがこれまで累次国会等で御説明してまいりました考え方でございます。
  104. 川俣健二郎

    ○川俣分科員 国際法上というのはどういうことですか。
  105. 東郷和彦

    ○東郷説明員 この問題を考えます場合の関連の国際条約というものとして、先ほど先生の方からも御指摘のございました一九四九年のジュネーブ第三条約というのがあるわけでございます。しかし、この条約の適用につきましては、先ほど先生もおっしゃられましたように、政府考え方としましては、この条約が成立したのが一九四九年でございまして、今問題になっております日ソ間の事象、戦闘行為というものは一九四五年で終了しているという観点から、この一九四九年の条約に書いてある内容というものが国際法上の義務として日本にかかってくるということにはならないというのがこれまで申し上げている考え方でございます。
  106. 川俣健二郎

    ○川俣分科員 ちょうど外務省が来ておったのでいい機会なんだが、そうするとあなたの言うのは、一九四九年のジュネーブ条約は抑留者が帰ってきてからの条約なので、したがって不遡及の原則でさかのぼって支払うという義務がないという論点ですか。
  107. 東郷和彦

    ○東郷説明員 今先生指摘の不遡及の義務という論点と、今私が申し上げました観点とが法律的にどういう整合性になるか、ちょっと私自信がない点がございますが、国際法という観点で考えますと、締結された条約というものが、一九四九年の条約でございます。今回問題になっております事象というのは、その条約が締結される以前に起きた事象でございます。  この一九四九年の条約というのは、御案内のように二九年の条約というのがございまして、その後のいろいろな事象が判明して一九四九年は諸事項を取りまとめて一つの考え方を打ち出したものでございまして、その考え方の内容というものは、その事象の以前に起きたものにはそのまま適用されることにはならない、その条約に加盟して義務を負った者に対して、それ以前の問題に対して直ちにそのまま適用されることにはならない、こういう考え方でございます。
  108. 川俣健二郎

    ○川俣分科員 東郷さん、それは、大事なところに自信がないと言われたんでは、これは大変なことになるよ。外務省はその責任があるのですか。労働証明書によって支払わなきゃならないか、なるかという判断のセクションは外務省ですか。
  109. 東郷和彦

    ○東郷説明員 今申し上げましたのは、国際法上の観点からこの問題をどう考えるかという点でございます。
  110. 川俣健二郎

    ○川俣分科員 肝心なところへいくと国際法上だと。じゃ、一歩下がって、諸外国はやっておりますか、やっておりませんか。ジュネーブ条約は一九四九年、戦後四年後。全部、フランス、イタリー、調べてきたよ、僕は。年金で支払っているあるいは一時金で支払っている、そういったいろいろなスタイルはあるが、補償しておるんだよ、ジュネーブ条約で。それを知っているのかね、あなたは。どうです。
  111. 東郷和彦

    ○東郷説明員 諸外国の例につきましても、鋭意資料を集めて勉強している所存でございます。
  112. 川俣健二郎

    ○川俣分科員 勉強しているなんという状態でこれで事足りると思ったら大変なんですよ、あなた。いいですか。時間がないから言いますけれども、きょうの新聞にも出ていましたが、シベリア抑留者は六十三万九千六百三十五人、亡くなった方は四万六千八十二人。そしてその亡くなったほかに前線の収容所などで、もう既に遺骨でお帰りになった人が一万五千九百八十六人。墓地は三百四十一カ所、三万四千四百二十二柱。マスコミですらこういうように詳しく書いておる段階で、今検討中、勉強中ということは、これはどうなんですかぬ。これはあなたのソヴィエト連邦課長のところでやる権能がないんじゃないの、総理府じゃないの、どうです。
  113. 文田久雄

    ○文田政府委員 お答え申し上げます。  先生ただいまその労働証明に関する所管総理府ではないか、かようのお尋ねかと存じますが、御承知のとおりこの戦後処理問題に関しましては、さきの大戦におきましては戦後処理問題の中にも恩給欠格者問題だとか引き揚げ者問題だとかただいまお示しの戦後強制抑留者問題、多々ありまして、これをいかに対処すべきかということは、さきの戦後処理問題懇談会の御提言を得まして、私ども総理府といたしましては、六十三年七月一日に制定を見ました平和祈念事業特別基金等に関する法律、この基金をもって関係者の御労苦に対しての慰藉をする、こういうことで、お示しの戦後強制抑留者の方々に対する問題につきましてこの法に基づくところをもって対処をしているところでございます。
  114. 川俣健二郎

    ○川俣分科員 いや、審議官ね、その話まで発展しないんだよ。祈念事業とかなんとかというやつは、お気の毒だということで話をそらしていったことの経過を知っているものだから、その祈念事業だってこれから時間があれば言いたいんですよ。団体が二つある。いつの間にか新しい団体が出てきたんですな。調査室の資料によると、今言うのは全国抑留者補償協議会、もう一つ相沢英之会長となっておるが、全国戦後強制抑留補償要求推進協議会中央連合会、こういうのが調査室から届いたんです。これだって、祈念事業、片っ方に財団というものを格好をつけさせといて五億出す、片っ方にはびた一文も出さない。そういうことをやってその場しのぎでやろうったって、それは無理。これだけの当事者がいるんですから、まだ生存者が四十数万いるんだから、しかも裁判やっているんだから。  問題は、これと取り組むという姿勢が見当たらないのよ。官房長官、見当たらないの。なぜかというと、いつの間にかこの問題を取り上げるセクションがなくなっちゃった。戦後処理問題懇談会というものは検討さしたら、さしたのか、そのように持っていったのかわかりませんよ。もう戦後処理は終わったということで予算委員会に出したんだ。南方の方から来た人には大体終わったかもしれないけれども、シベリアの方はまだ一文も終わってないよ。  じゃ、もう一つ聞くんだけれども審議官、せっかく今出たが、このシベリア抑留者、五十万近い人方が、もしこれから政府が労働証明をもらったらこれを出すべきか出すべきでないかとか、そういったような検討をする組織、機構というのを聞かしてくれない、これは一体何人でやっているの。
  115. 文田久雄

    ○文田政府委員 お答えを申し上げます。  先生お示しの、私どもの基金法の執行事務に関しましては、定員が七、八名の定員でもって総理府に平和祈念特別基金に関する推進室というのが置かれておりまして、これが基金法の所管をいたしておりまして、その基金法に基づく平和祈念事業特別基金というのが実施事務を担当いたしておりまして、ただいま申し上げました推進室はこれの指導監督を行う、こういう仕組みで行っておるところであります。
  116. 川俣健二郎

    ○川俣分科員 この行革のうるさいときに七、八名とはどういうわけですか。何名ですか。室長というのはどの人だよ、ちょっと答えてごらんなさい。何名でやっているんだ。
  117. 文田久雄

    ○文田政府委員 お答え申し上げます。ただいま先生に七、八名という大変あいまいなお答えを申し上げて、大変失礼いたしました。定は八名であります。
  118. 川俣健二郎

    ○川俣分科員 その八名のキャップはだれですか。
  119. 文田久雄

    ○文田政府委員 ただいまお示しの室長は、井上達夫という総理府内閣総理大臣官房の参事官でございます。
  120. 川俣健二郎

    ○川俣分科員 私の手元に、説明員の一人に井上参事官というのがありますが、その方ですか。じゃ、その方はちょっと出てください。今現在どういうことをやっていますか。
  121. 井上達夫

    ○井上説明員 お答えいたします。  私のところの定員でございますけれども、ちょっと前へ戻りますが、先ほどの定員は四名でございます。(川俣分科員「随分違うな」と呼ぶ)はい。ただ実際は臨時的なところもございまして、プラス四人の援助をいただいている、実態は八名で仕事をしております。  私のところの仕事でございますが、今審議官からも御説明いたしましたように、六十三年に平和祈念事業特別基金というものができておりますので、その基金の監督及び基金事業推進に当たるというのが私のところの事務でございます。
  122. 川俣健二郎

    ○川俣分科員 四名でしょう、総務庁に届いている定員は四名だろう。ところが、今問題になっているのは五十万前後、その人方をどうするか。この五十万前後の問題を、四名の中で何名やっていますか。
  123. 井上達夫

    ○井上説明員 お答えいたします。  先ほども説明いたしましたように、私のところの組織の仕事は、基金法の施行に関することということでございます。それで、基金法に基づく基金では、戦後強制抑留者の問題も含めまして恩給欠格者、在外財産問題と申しますか、引揚者の問題を行っておりますので、それらについて一元的にやっているということでございますので、戦後強制抑留者については何人という人数的な割り振りはいたしておりません。
  124. 川俣健二郎

    ○川俣分科員 それじゃ答弁にならないんだよ。生きた答弁じゃないの。かみ合わないの、あなたのあれは。今五十万の人方が強制労働をされた労働証明書を、ゴルバチョフが本会議場でおわびの一語があるかどうか知りませんよ、確かに強制労働いたしましたということで持ってくる。それは四名で片手間でやっているような状態であるからこの問題がいつまでたっても解決しないのだと思います。  官房長官、これはもう機構を何とか考えないといけないのじゃないでしょうか、私はこう思います。祈念事業というのは、戦後はもう終わった、戦後処理は終わったという懇談会の答申による機構なんです、それは経過は知っているんだから。だけれども、それが惹起したわけよ。一つは、「当事国」というのは解釈が間違っておったという官報は出したが、今外務省が言うように解釈が、法理論が二つに分かれると思います。それは帰ってきてからの条約だから、後からだから支払う義務がないのだという参事官の大体の考え方。しかし、国際慣行、国際条約、ほとんどの海外はさかのぼって条約によって払っているのです。今要求するのはその事実関係を調査することですよ。この点。  それから、二月二十一日に予算委員会でうちの武藤委員の方へ、名簿に基づいて御遺族にきちんと通報を差し上げたい、こういう返答があった。これを後で出してください。  それから、財団法人の設立基金の拠出者名、役員構成、運営委員、これは理事会にかけるということで予算委員会の渡部委員長が締めくくったが、その後どうなったかは後で知らせに来てください。  それから、平和祈念事業平成二年度六十五億、特別補助金五十九億五千九百万円、合わせて百二十四億五千九百万円、これの使途、決算、どういう使い道をやったか、後で出してください。  そこで、時間がありませんから最後に官房長官に伺いますが、これだけの、今通称相沢会、通称斎藤会という二つの会の問題については、前の委員もかなり官房長官出席のもとでやったようですから、時間がありませんのでやれませんが、いずれにしてもどちらも補償は欲しいわけですから、それだけはわかると思います。そうなると、今の総理府の四名の定数でどうしてできるか。室長はどういう肩書か知りませんよ。室長というだけで我々じゃ身分はわからない。参事官ですかね。こういうことを考えると、官房長官、何か一言言ってくださいよ。私は機構が必要だと思う。官房長官、どう思いますか。官房長官でいいですよ。何のために官房長官座っているの、そこに。
  125. 文田久雄

    ○文田政府委員 まず事務的に私からお答えをさせていただきたいと存じます。  私ども所管をいたしておりますのは平和祈念事業特別基金等に関する法律でございまして、先生ただいまお示しの戦後強制抑留者問題に関しましては、政府内部ではそれぞれの所管に応じまして担当いたしておりますので、私ども総理府といたしましては、この平和祈念事業特別基金等に関する法律を執行する、こういう責務を負っておりまして、その員数は甚だ少のうございますけれども、総勢八名で一生懸命対処いたしております。そういうことで、新たに定員をもって措置することは考えていないところであります。
  126. 川俣健二郎

    ○川俣分科員 あなたは言う資格ないのですよ。政治家同士話しているのよ。何言うのよ。
  127. 魚住汎英

    魚住主査代理 質疑者に申し上げます。質疑時間が経過していますから……。
  128. 坂本三十次

    坂本国務大臣 私も第二次大戦で南方の方に行きまして、いわゆる抑留をされた一人であります。暖かかったから助かったものの、シベリアの人はそれこそ大変だったとお察しをいたします。しかし、戦後処理の問題について、全部政府が責任を持って補償するということはとてもできないという結論に政府は達しまして、そしていわゆる平和祈念事業として慰藉事業を行う。本当に御苦労さまでございましたが、とても政府はこれ以上できません、戦争の傷跡はどうかひとつみんなで分け合って、助け合って立ち上がっていきましょう、そういう趣旨から平和祈念事業というものができたことだろうと思うております。  特にシベリアの問題については、それは非常にお気の毒なことであるということで政府全省庁おのおの担当いたしまして、決してばらばらというわけではありませんが、いわゆる対ソ関係、外交関係は外務省でやりますし、それから抑留者の死亡者の遺骨収集、墓参は厚生省でやりますし、遺族に対する年金の支給は総務庁、厚生省でやっておりますし、それからまた、今お尋ねの八人の定員と言われましたが、先ほど申し上げましたように、まことに申しわけないがこれでひとつ我慢をしてくださいという、この基金による慰労金それから慰労品というものを総理府でやっておりまして、チームワークをできるだけとって進めていきたい、こう思うておる次第でありまして、どうぞ気持ちは御理解をいただきたいと思います。
  129. 川俣健二郎

    ○川俣分科員 終わります。
  130. 魚住汎英

    魚住主査代理 これにて川俣健二郎君の質疑は終了いたしました。  次に、竹内勝彦君。
  131. 竹内勝彦

    竹内(勝)分科員 最初官房長官にお伺いしておきますが、昨年、自民党、公明党、民社党との間にいわゆる国連平和維持活動に関する協力に関しての合意文書が交わされておりますけれども、その問題に関しまして、この国連平和維持活動に対するいわゆる協力に関しての新組織はどういうようにつくっていこうとしておるのか、そうして法案をどのような状況でこの国会に出していこうとしておるのか。最初官房長官に今までのこのPKOに関しての経緯を踏まえて御答弁いただきたいと思います。
  132. 坂本三十次

    坂本国務大臣 昨年の国連平和協力法とでも申しますか、それ以来三党合意に至りまして、そして特に平和維持活動に貢献をしたい、人の面でも貢献したい、そういう三党間で合意がなされまして、そして政府・与党が一体なものですからまず自民党の方から政府の方に対しまして、政府もかねがね平和維持活動などについては勉強しておるだろうから、いろいろな問題点についてひとつないしょというか内輪の中で、いろいろ問題点などがあったらそのノーハウを知らせなさい、こういうのが内々ございました。  ですから、私どもが昨年来勉強しておったようないわゆる知識に基づきましていろいろな問題点をアドバイスしたというところでありまして、問題は、政府が原案をつくっておいて、あるいは素案みたいなものまでつくっておいてそれを自民党に上げたというのではありません。勉強しておったようないろいろなことを御参考にというて自民党に示したということでありまして、政府案というものは、これはございません。  ですから、これはもう三党合意書を読みましても三党でいわゆる法律案をつくるということになっております。もちろん、今後政府がどの程度まで協力せよというようなお話が別途出てくればこれはまた別でありますが、三党が協議をして、そしてPKO活動その他人道的援助等についてノーハウを知らせよということでございましたので、参考のために政府が勉強していることをお知らせしたということであります。これからは三党が主体になって、そして寄り寄り協議をし、まとめていかれることであろう、政府はいわゆるノーハウの面で縁の下の力持ちをせよということなら、それは御協力申し上げますというのが現在の状況であります。
  133. 竹内勝彦

    竹内(勝)分科員 官房長官、この湾岸戦争に関してさまざまなその後の報道がありますね。例えばアメリカの世論は日本に対して、余り当てにならない、そういうような世論の反応が出ておりますね。それからまたある報道によれば、勝者と敗者と分けたならばその敗者の方に日本が含まれておる、そういう報道もございますよね。そういうものを見て官房長官として、九十億ドル支援、これを今国会におきまして本院においても決定したわけでございまして、そしていよいよもう支出していく状況であろうと思いますが、この国際化の中におきまして日本はどういうことが対応できるのか、日本として国際社会にどのように貢献していったらいいのかということを政府として、また官房長官はそこの重要な立場におる人として物事を、例えば九十億ドルの支出の問題に関しましても、我が党の中におきましてもあらゆる議論をいたしまして、そうして国際社会の中でどう貢献したらいいのかということでその結論を持っていったわけでございます。  されば政府といたしまして、この九十億ドルの問題もそうでずが、例えばPKOの協力に関して早急にどう対応していかなければならないかということを検討していかなければならない、そういう立場ではないかと思いますので、官房長官もう一度、これは三党のことだからそっちでやってくださいよというような、そんな簡単なものではないと思います。もちろん三党は全力を挙げてこの問題に取り組んでまいります。しかし、官房長官としてそういう立場におる長として、私は、今の御答弁では国民は納得できないのではないか、どういうような法案になっていくのか、政府提案になるのか、あるいは三党の議員の議員立法になるのか、あるいは今国会中にそれをちゃんとはっきりしたものにしていきたいとか、どういうように持っていくのか御答弁をいただきたいと思います。     〔魚住主査代理退席、新村主査代理着席〕
  134. 坂本三十次

    坂本国務大臣 今私があなたに御答弁を申し上げたのは、いわゆる新しい国連平和維持活動について政府が積極的に取り組まないのではないかというお考えでございましたら、そうではございません。しかし、昨年のあの平和協力法案ですか、あれの審議の経過などを見ておりまして最後に出てきたのは、三党の方々が国会で責任のある政党として、おれたちはこう思う、三党でひとつ新しい法案づくりをやりたい、こういう御趣旨でありました。そこで、政府といたしましてもその三党合意は了承をいたします、こうお引き受けをしたわけでありまして、政府は責任がないということはございません、日本の最大の課題でありますから。しかし、まずその方法として、三党でしっかり話を練り上げていくぞということが三党合意ですから、それに対して我々は全面的な協力をいたしますということになっております。  今の段階で政府提案だとか、いや議員提案にするとかというようなことは三党間で寄り寄りお話し合いをされて、そしてその過程においてまた政府にも御相談はあるだろう、こういうふうに思うておりますが、今は政府はできるだけのノーハウを差し上げて三党合意を前進させていっていただく、そして国会の中における大きなコンセンサスをだんだん練り上げて一本化していくというようなところを今サポートする。今後の問題については三党の御協議に従って政府としても全力を挙げて努力をしてまいりたい、この気持ちはいささかも変わりはありません。
  135. 竹内勝彦

    竹内(勝)分科員 それでは、その三党合意が、これはもちろん全力を挙げて進めていくことは間違いないわけでございますので、政府として、官房長官としてはどういうように考えを持っていますか。自分としては、例えば今国会中に成案を見たいとか、あるいはそれはどうでもいいのだとか、そんなようなことはないと思いますけれども官房長官個人のお考えを聞いておるのです。
  136. 坂本三十次

    坂本国務大臣 それは私とすれば、三党合意ができるだけ早く成功をおさめるということにつきましては、これを心から期待をし、私どもも御協力を申し上げるという気持ちには変わりはありません。  ただ、三党合意のこの成果につきまして、案ができればそれは私どももまた御協力をいたしまして、いい案ができればなるべく早いにこしたことはない。それは、案さえできれば今国会中にもお願いをしたいという気持ちは持っておりますが、その三党合意の締めくくりの仕方、仕上がりのあり方、それからまた国会の情勢その他を見まして、そして私どもできるだけ協力をするというのが今の立場でございまして、私坂本個人の意見を言えとおっしゃっても、ちょっと立場上差し控えさしていただきますが、とにかく全力を挙げて御協力をし、そして三党からのお指図があれば、政府としても全力を挙げて努力をするということだけは間違いはありません。
  137. 竹内勝彦

    竹内(勝)分科員 それではちょっと中身に関してお伺いしておきます。  これは、中身に関しては自衛隊とは別個の組織である、こういう合意、いわゆる自衛隊とは別に新たなる組織をつくっていく、こういう意味で、予備自衛官も含めて自衛隊とは全く別の組織で考えていく、こういう考え方でよろしいでしょうか。
  138. 有馬龍夫

    ○有馬政府委員 自衛隊とは別個の組織とすることにつきまして、三党間には合意がございます。これを念頭に置いて、先ほど来官房長官が仰せられているように、さまざまなことを検討、勉強しているということでございます。
  139. 竹内勝彦

    竹内(勝)分科員 この三党合意に関しては、平和原則を堅持する。それから、国連決議に関連して人道的な救援活動に対する協力を行うものである。そのほかございますが、そういったものがあるわけでございます。  このPKOには、いわゆる非武装の軍事監視団もしくは選挙監視団、いわゆる停戦や休戦の監視パトロール、当事者間の合意事項の履行監視、兵力撤退の監視、こういったものがございます。もう一つは、自衛用の最小限の軽武装をしたいわゆる平和維持軍、これは紛争の再発防止、敵対行為の停止、兵力引き離し、治安維持などこういったものはどうしても武装をしなければならないであろう、こういうように考えられますが、この二つの組織、両面に参加できると考えておりますか。あるいはこの武装をした方に関しては、憲法の平和原則、こういったものを堅持する、それからまた国連決議に関連して人道的な救援活動、こういったものに協力するんだという合意がある限り、この武装をした平和維持活動というものは非常に難しいものではないかとも考えられますが、お考えはどうでしょうか。
  140. 有馬龍夫

    ○有馬政府委員 今先生が御指摘になられました項目を含むこの三党間の合意覚書に基づきまして、国連の平和維持活動についてまさに種々検討、勉強しているというところでございます。
  141. 竹内勝彦

    竹内(勝)分科員 この件に関しては、そうすると、私はこの武装をした平和維持軍に関しては我が憲法の原則から照らし合わせて非常に難しいのではないか、こう思いますけれども、御見解を聞かしてください。
  142. 有馬龍夫

    ○有馬政府委員 先般来、この三党間の合意の中には、「この組織は、国連の平和維持活動に対する協力及び国連決議に関連して人道的な救援活動に対する協力を行うものとする。」という項目も含まれておりますけれども、これに沿って今勉強しているというところでございます。
  143. 竹内勝彦

    竹内(勝)分科員 それでは、官房長官にもう一点お伺いしておきます。  先ほど私が申し上げましたように、湾岸戦争終結後、これだけ、九十億ドルの支出を決めたにもかかわらずこの対応というものは遅かったのではないか、こういうように私は思うわけです。アメリカの世論やら世界の世論というものをいろいろと考えてみても、早急にこれはGCCに支出していかなければならない、こういうものではなかろうかと思います。どういうように支出をしていくのですか。
  144. 松浦晃一郎

    ○松浦(晃)政府委員 おかげさまで国会で九十億ドル、これは円建てで計上さしていただいておりますので一兆一千七百億円と申し上げたいと思いますが、御承認いただきましたので、早速日本政府とGCCとの間で交換公文を結びたいと思っております。この交換公文につきましてはきょうの閣議決定をしていただきましたので、一両日中に交換公文の署名に入りたいと思います。サウジアラビアにおきます日本大使とGCCを代表いたしますビシャーラ事務局長とで交換公文に署名しました後でできるだけ早く、先生がまさに御指摘のように拠出をする予定でございます。  ただ、具体的な国別配分に関しましては、これは従来国会で申し上げておりますが、まさに湾岸平和基金の運営委員会でこれから議論するということでございまして、とりあえず日本政府としては早急にこの湾岸平和基金に拠出するということでございます。
  145. 竹内勝彦

    竹内(勝)分科員 官房長官、こういう状態なんですよ。とりあえず、早急にとかというような言い方だけで――今もう世界は本当に日本に対して、これだけ努力しているにもかかわらずいろいろと批判があるのですよ。長官として責任ある答弁をしてください。
  146. 坂本三十次

    坂本国務大臣 政府で一兆一千七百億を拠出するということを決定して、その後鋭意国会にお諮りをして、そして先般御了承をいただいたところであります。全力を挙げてここまでやってきたということであります。しかし、国会の御了承を得られましたので、本日の閣議において決定をいたしました。正式に決定をしたわけであります。ですから、今局長の申しましたように、サウジアラビアの恩田大使とそれからGCCの事務局長との間で交換公文の署名をした後できるだけ早く拠出をする、できるだけ早くというのはもう一両日中にも差し上げる、こういうことであります。
  147. 竹内勝彦

    竹内(勝)分科員 それでは官房長官、もう結構でございます。  時間の関係でもう一点だけにさしていただきます。  現在の迎賓館、年間どれぐらいの使用の状況なのか。それから、国公賓の方々が関西あるいは京都へ行かれる場合が多いわけでございますが、そういう面を踏まえて京都に迎賓館を設置したらどうかというような要望、意見が出ておると思いますが、そういった中身に関して。それから、いわゆる第二迎賓館というか京都への迎賓館の設置に関して、どのような状況になっておるのか、御説明いただきたいと思います。
  148. 麻植貢

    ○麻植説明員 お答え申し上げます。  迎賓館におきます国公賓の接遇件数でございますが、過去三年間で十二件というふうになっております。年度別に見ますと、昭和六十三年度は四件、それから平成元年度は五件、平成二年度は現在までのところ三件ということで合計十二件となっております。  なお、国公賓以外の賓客の接遇といたしまして、過去三年間にこのほかに十六件ということに相なってございます。
  149. 竹内勝彦

    竹内(勝)分科員 この第二迎賓館の京都からの要望は、具体的にはどういう要望でございますか、その中身をもうちょっと詳しく説明していただきたいと思います。
  150. 佐藤正紀

    佐藤(正)説明員 御説明いたします。  昨年七月と十二月に京都に迎賓館をつくりたい旨の要望を京都府知事それから京都市長、京都商工会議所会頭の三者連名でいただいております。その中身は、関西が国際化が進展しているということを踏まえまして、京都にも賓客を接遇する施設を設置していただきたいという趣旨であったと理解しております。
  151. 竹内勝彦

    竹内(勝)分科員 それでは、この京都への第二迎賓館に関しての調査費等の検討はなされておるのか、あるいは今後そういった考え方に沿って検討されるのか、その辺を御答弁いただきたいと思います。
  152. 佐藤正紀

    佐藤(正)説明員 総理府といたしましては、ただいま申し上げました要望をも含めまして、平成三年度におきまして、関西圏における国際化に対応いたしました施設の整備のあり方等につきまして調査研究を行うことを検討しております。その線に沿いまして関係省庁と調査内容等につきまして今詰めておる最中でございます。
  153. 竹内勝彦

    竹内(勝)分科員 それではもう一点だけ、恐縮でございます。  昨年の予算委員会におきましても私、質問いたしました、いわゆる第二国立国会図書館、国会図書館関西館というものを、これも同じく関西学研都市のところにある京阪奈丘陵、そこにつくるという動きで第一次基本構想、第二次基本構想と進んでおるわけでございますけれども、この関西館の完成目標、それから第二次基本構想というものはどういうように進んでいくのか、そういったものも時間の関係上一括して御説明いただきたいと思います。
  154. 加藤木理勝

    ○加藤木国立国会図書館長 国立国会図書館の関西館の構想の進捗状況でございますが、御承知のように国会図書館におきまして関西プロジェクト調査会を設けまして、答申がございましたのは昭和六十二年のことでございます。その答申の中で、国の財政状況を踏まえた必要経費の裏づけ、要員の確保等考究すべき重要な事項が多々あるので、これらのことについて国立国会図書館において慎重に検討すべきであるという御答申がございました。その答申に沿いましてそれをどういうふうに実現していくかということで第一次構想ができたわけでございます。  その構想の中で平成八年を目途とするということで進めておりましたけれども、その後さらにただいま申し上げました答申の検討すべき事項をいろいろ検討してまいりますと、なお調査を行うべき事項が多々ございますので、それを現在調査をして、第二次構想として成案を得たいと思っております。  そういうことで、現在まだ第二次構想の成案には至っておりませんが、これは早急に成案を得たいと思っております。その中で、平成八年の実現ということは現在の状況では非常に困難な状況になっているのではないかと思います。そういうことで、この実現の時期もあわせてこの調査事項の進捗を見ながら検討をいたしてまいりたいと思います。
  155. 竹内勝彦

    竹内(勝)分科員 それでは、現在の国会図書館の保有できる数というのはどれぐらいなのか。このままふえ続けていくと平成十五年ぐらいですか、あるいはもっと前なんですか、いっぱいになってしまうというように伺っておりますけれども、どう対処していこうとしておるのか。それから諸外国の図書館の動向、そういう比較についてあわせて御説明いただきたいと思います。
  156. 加藤木理勝

    ○加藤木国立国会図書館長 現在の図書の数でございますが、これは図書が五百五十万冊、それから雑誌、新聞が約十二万タイトル、それからマイクロ資料、レコード、地図等が約六百万点ということになっております。そういうことで現在書庫をなお整備中でございますけれども、そういうことをあわせましてもあと十四年程度であろうと思います。さらに、現在図書及び資料が逐年増加中でございますので、そういうことも考えますと、あるいはこれは若干早まることもあろうかと思っております。そういうことで、その書庫対策といたしましても、何らかの対策を講じなければならない、書庫をいわば増設することを考えなければならない、そういうような考えで現在検討中でございます。関西館もそのような考え方から出たものでございます。  それから、外国の状況ということでございますが、御承知のようにアメリカの議会図書館、これは二千万冊の図書を持っております。そして、これは非常な、革新的な機械化を進めております。それから、イギリスの図書館は、これは約千三百万冊ということで、これまたドキュメント・サプライ・センター、文献提供施設といいますか、そういうようなものをつくってなお世界各国にサービスを提供するような動きをしております。現在それをしておりますし、それをまた進めようとしております。それから、フランスの図書館もまたイギリスと冊数においては大同小異でございますけれども、これもまた新しい図書館を建設する機運になっております。  各国の状況は、大ざっぱに申し上げるとそういうような状況でございます。
  157. 竹内勝彦

    竹内(勝)分科員 終わります。
  158. 新村勝雄

    新村主査代理 これにて竹内勝彦君の質疑は終了いたしました。  次に、塚本三郎君。
  159. 塚本三郎

    塚本分科員 官房長官、突然で恐縮です。お急ぎのようですから、端的に。  ことしの秋、政府は専用機二機を導入することを決めておられるようでございますが、これを運用管理するところはどこの所管にするのか。聞くところによると小委員会を設けたというふうな状態ですけれども、そのものずばり、総理官房長官がきちっと、こういう目的だからこういうところに実は任せるべきだというふうにやった方が早いと私は思う。常識からいえば、私は防衛庁航空自衛隊に任せるべきだと思っております。  何か政府は防衛の関係になると全部逃げ腰で、そして厄介者扱いという態度がそこここに見えます。私はそれは間違いだと思っております。特に重要な、総理を初めとするVIPを中心にして運ばなければならぬとするならば、空の問題はやはり練度というか、慣熟した運用が大事だということは常に言われているところでございます。秋だとするならそのパイロットは既に訓練をし、そしてまた機体がどういう構造になっておるかくらいは今から既に勉強していかなければならないというときに、これから小委員会で機体が来てからというようなことでは間に合わないし、またもったいないと私は思うのです。だから早くきちっと決めて、そしてそこに訓練をせしめるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  160. 坂本三十次

    坂本国務大臣 今度の本予算で専用機の最終的な要求を盛り込んであります。ですから、予算をまず通していただかなければなりませんけれども、それが済みましたならば、専用機検討委員会というのは設けてありまして、そこで目的のほかに管理というような部門につきましても検討をしたい。何せ目的もいろいろ広範囲にわたるものでありますから、いろいろ専門的に詰めていきたいと思っております。  ただいま塚本議員のおっしゃったような御意見も聞いておりますが、しかしまだそういう方向でまとめるということにはなっておりません。今のところ所属については全くの白紙であります。よくあなたのおっしゃったことも考えながら、しかし非常に広範多岐にわたる問題でもありますし、いろいろな皆さんの御意見もございましょうから、広く取りまとめて検討を進めたい。今のところ白紙でございます。
  161. 塚本三郎

    塚本分科員 希望を一言だけ、恐縮ですけれども。  やはり民間機といえども練習、訓練を重ねていかないと危険だというときでございますし、特にVIPを中心に運ぶのですから、この点は早く決めていただいて、そして訓練に訓練を重ねていかないと、どこへ飛ぶかということなども政府は全世界に向かって飛び立っていかなければなりませんから、そういうことをすると半年や一年先になってしまう、機体だけ入ったけれども運用できないというようなことのないように、それにはやはり私はこれからの日本を考えてみますと、航空自衛隊が一番素直だと思います。これをわざわざ避けるようなことはすべきではないということだけ希望として申し上げておきます。  防衛庁長官に意見を交えながらお尋ねいたします。  今度の中東湾岸戦争は、一面から見れば情報の戦争でもあると伝えられております。ところが、国民は随分判断を違えて、こんなに鮮やかに、こんなにてきぱきと短期間に終わったことに驚きの目を持っております。しかし、私の手に入る情報だけからしますならば、これが当然のことであったと私は前から仲間にも発言をしております。ところが、情報量が余りにも不足しておる。したがって、全世界に、外に向かっての情報、国内の情報、そして国民に対する宣伝、この三方向から考えてみますと、まず第一に、外に向かっての情報をとるために戦前は駐在武官が各国に派遣されておって、軍事情勢に対する情報は相当的確にとっておったと思います。  ところが、日本においてはこういう事件があってから初めてサウジに、何か外務省をかりて情報とりに防衛庁から行ったとか、あるいはまたワシントンではわずかに将補が一人で、あとは一佐が二人おいでになったとか聞いておりますけれども、やはり陸海空の将補クラスの人を出しておかないと――というのは、外国は、特に軍というのは位があるのですね。だから、下の人はそれと同じ人としかつき合えない。将校なら将校、あるいは将軍なら将軍と同じレベルでつき合うから同じレベルの高度の情報をとることができると思うのです。そういう点が極めて不足しておったのではないか。今は駐在官というのですか、一体どんな状況になっておるか、御報告いただきたい。
  162. 池田行彦

    ○池田国務大臣 お答え申し上げます。  先生指摘のとおり、情報の収集というのは外交全般についても大変大切なことでございますが、その中におきましても、やはり防衛駐在官を通ずる情報の収集というのは、今回の状況、事情だけではなくて、大切なことだと思います。  そういった意味で、これまでも私どもも外務省の方と御相談申し上げながら防衛駐在官の充実を図ってまいったところでございますけれども先生指摘のように、ただいまの状況で必ずしも十分とは申せない状況でございます。現在、全世界で三十八名の防衛駐在官が行っておりますけれども、またそのランクによって情報の収集にもいろいろ制約があるという話、そういう面もございましょう。そういった観点から申しますと、三十八名のうち、尉官と申しましょうか、将補がワシントンに一人おりますが、あとは大部分が佐官であり、一部劇百もあるという姿でございます。  外務省全体としてもいろいろ体制の強化に努めておられるところでございますが、そういった中で、防衛駐在官についてもいろいろ御相談しながら充実してまいりたいと考えております。
  163. 塚本三郎

    塚本分科員 同じ敗戦国のドイツと比べてみて、日本はどんな程度になっておりますか。わからぬかな、時間がかかるようならもう……。
  164. 畠山蕃

    ○畠山(蕃)政府委員 恐縮でございます。ちょっとドイツのデータはわかっておりません。
  165. 塚本三郎

    塚本分科員 じゃ、後から知らせてください。  それで数の問題とともに、ワシントンで将軍はたった一人なんですよ。やはりこれからは情報なんです。その次が武器なんでしょう。だから一番大切なのは情報なんです。だから将軍クラスをできるだけ陸海空で、ここは陸が大切、ここは海が大切、ここは空が大切、枠をふやすことができなかったら、クラスを上げて高度の情報をとるということは防衛庁長官の権限としてできるのではないかと思いますので、そういうことに心を砕いていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  166. 池田行彦

    ○池田国務大臣 御趣旨の点十分に踏まえまして、外務省ともよく協議しながら情報収集機能の充実に努めてまいりたいと存じます。
  167. 塚本三郎

    塚本分科員 次に、内の情報なんですけれども、私、制服の、名前は申し上げませんが、ときどきお会いをして、戦争になればもちはもち屋に任せろということがあるのです。ある制服の幹部と相談をいたしました。一月の上旬と記憶しております。十五日前です。戦争になるであろう、どうですかと聞いたら、戦争は避けることができないでしょうとこう言った。空爆で爆撃が始まったときに、これからの行く末はどうなりますか、君がアメリカの総司令官だったらどんなことをしますかというふうに私は聞いたのです。徹底的に空爆でもって、いわゆる相手方に対する制空権をとって、相手方が立ち向かえないように徹底的にいたします。これが第一。  そして、もはや向こうから空に向かって出てこれなくなったら、今度は大型ヘリでもって、上から爆撃でやると通り過ぎるから命中率が悪い、今度は大型ヘリで上からロケットを撃ち込んで、相手方が砂の中にうずくまっておっても、逃げることなく徹底的にせん滅いたします。これで過半数の戦力をなくして動けなくなってしまうのです。たまらなくなって逃げるときにこれを後ろから追っかけてまいります。そうすると、十対一ではなくして、こちらはほとんど被害なくして目的を達することができます。  そしてこう言うのです。先生二月二十五日を記憶しておいてください。二月二十五日には必ずクウェートを解放してクウェートに返すというのが実は国連の目的でございます。私はなるほど、理論に合うと思っておった。これは制服の大幹部ですよ。にもかかわらず、いわゆる評論家の諸君たちはいろいろなことを言っておりました。内におけるところの情報というものをきちっと今度政府はとっておったかどうか、私は疑問に思うが、いかがでしょうか。
  168. 池田行彦

    ○池田国務大臣 御指摘のとおり、もちはもち屋ということは、それは確かにあると存じます。しかしながら、いろいろな情勢を判断します場合には、そういった軍事的な側面からの分析あるいはそういった推定でございましょうか、そういったものも一方でございますが、また政治的な面からのいろいろな判断も入ってくるということもあると思うのでございます。そういった意味で両方の考え方と申しましょうか、情報というものを総合して誤りのない判断をしてまいらなくちゃいけないものと考えております。  そういった観点から申しますと、私どもはやはりシビリアンコントロールの面から、日本の政治において軍事に対する政治の優先というものは確保しなくちゃいけないと思いますけれども、事情勢の分析とかそういうものにつきましては、おっしゃるようにやはり専門家の見方というものは大切なわけでございますので、そういったことにつきましては、いかなる予断も偏見もなくそういった判断というものは十分踏まえて、そしてまたさらに政治の要素を加えて考えていかなくちゃいけない、このように考えます。
  169. 塚本三郎

    塚本分科員 予断も偏見もあっていいんです。しかし、そういう判断というものの前に情報だけは集めなければならない。私はそれを聞いてなるほどと思ったのです。二月二十五日までには解放いたします。ということは、これは自衛隊はアメリカと随分密接に連携をとっておるから、ああ、アメリカの司令官はそういうふうは情報を流してきておるのだなというふうに私は判断いたしました。  そこで長官、私は率直に、総理はどう言っておるかと問うたら、お呼びじゃございません。ここなのよ、長官。こんなに貴重な資料を、情報をあなたたちの部下が握っておりながら、お呼びじゃございません。このことは、政治的な判断がすべてになってしまって、貴重な、陸海空のそういう諸君が命運をかけて、もちはもち屋で、安全保障のためだけではない、世界の中における日本として情報を握っておる。お呼びじゃございません、この答えを聞いたときに私は慄然といたしました。どう判断なされますか、長官。
  170. 池田行彦

    ○池田国務大臣 具体的なただいまの御質問について真正面からお答えするのは差し控えさせていただきたいと存じますけれども、そういった専門家として収集している情報、これは政治判断をするところへも的確に伝達されなくてはならないと存じます。  そして、お呼びでないというお話ございましたけれども、御承知のとおり、我が国の安全保障について審議いたします安全保障会議には統幕の議長も総理判断によって呼ぶことができることになっておりまして、事実上おおむね出席しております。そうしてまた、私ども防衛庁あるいは自衛隊で収集いたしました情報も外務省とも連携をとりましてやっておりますし、それからまた、もとより私自身が文官である長官の立場で各幕の情報も聞きまして、それをまた内閣の方にも反映する仕組みになっておるわけでございます。  そういった意味で仕組みはあるはずでございますけれども、それが十分機能していないことがあったとするならばそれは残念なことでございますので、将来に向かって我が国の政策判断に誤りのないように十分に専門家の情報というものを生かしてまいりたい、このように考えております。
  171. 塚本三郎

    塚本分科員 統幕議長が出席をいたしておることも承知しております。ただ、呼ばれれば行って、オブザーバーできちっとしておるわけじゃありませんけれども、座っておるだけです。問われなければ答えることのできない扱いしかしていないところに問題があるのです。問われれば答える。私はこれがいい悪いと言っているのじゃないですよ。そういう仕組みにしかなっていないから、長官、あなたなり総理なりが、心を砕いて情報収集で皆様方に知っていただくように努めるのが、大切な大切な国連を預かるところの総理と長官の任務だというふうに御注意申し上げておきます。  それから今度は国民に向かって、もう本当に夜夜中まで情勢についていろいろな報道がありました。中でもしょっちゅう評論家、自称専門家がテレビにじゃんじゃん出ました。しかし、国民は判断に随分間違いがあったと思います。第二のベトナムになる、あるいはまたアメリカは泥沼に入り込んだ、こんな議論がぼんぼん出てきたこと、御承知のとおりでございますね。ところが、陸海空のいわゆる制服の諸君は的確に判断しておる。しかし、彼らの情報を本当は政府、あなたたちが吸い上げて国民にPRすべきであったと思う。吸い上げてなければ、彼ら自身が外に向かって発言しようとしても、ほとんどそれは封じられてしまっておる。  また、アメリカのように制服の諸君が堂々と言わしていただく舞台がないことは、いいか悪いかは私は申し上げるわけにいきませんが、かくして第二のベトナムになる、あるいはまた泥沼に入り込む、日本もそこに九十億ドルを出すことによって同じように泥沼に入るという世論がごうごうと沸き起こって、先ほどの官房長官答弁のごとく、御苦労なさらざるを得ないし、自衛隊というと逃げて回る、率直に私申し上げて。こういう残念な結果になってしまっておること、御承知のとおりです。  したがって、こういう問題については、外における駐在武官等をできるだけ情報を高度にとれる人を派遣していただきたい。そして内においても専門家、私などはイスラエル大使においでいただいて聞きますると、的確に湾岸情勢についてはどなたよりもどこよりも、あのモサドといいますか、イスラエルの情報網はKGBやあるいはまた御承知のCIAよりもはるかにまさっておる。私は何度もイスラエル大使に御意見を拝聴いたしました。的確に判断をしてこんなこともおっしゃったのです、あの開戦の前のときに。  一番解決で困った解決は、日本の中でごうごうと沸き起こってきた世論でございました。あの国境線の南にあるところのルメイラ油田を持たせてやれば喜んで帰る。あるいはまた、彼らは湾岸に輸出の基地を持っていない、だからワルバ島あるいはブビヤン島を持たせて帰れば凱旋将軍となって帰るでしょう。戦争するよりも安上がりだ。こんなことができないのかという世論に日本は満ち満ちておりました。  ところが、それは最悪の解決になりましょう。なぜならば、既にサダム・フセインは原爆を用意いたしております。一年ないし一年半後には完成するでしょう。そうしたら三年以内には第三次世界大戦になることは避けられません。なぜならば、既にイスラエルに対して、あるいはまたエジプトに対して、あるいはリビアと結んでスーダンを通ってイエメンと包囲網を結成して、そしてサウジを乗っ取ろうとするでしょう。第三次世界大戦になることは避けられません。だから凱旋将軍として彼らを帰すことは一番悪い実は選択でございます。  長官、ああ戦争を避けることはできないな。この意見は直ちにブッシュ大統領にも通じておるはずだ。ところが、日本は平和ぼけが欲ぼけになって、やらずに済めばそれでいい、こういう世論になっているのです。もう少しこの情報というものを的確にしたならば、日本が自衛隊を出すことができないならば、人の支援ができないならば、せめて九十億ドルという御決断に対してもっと素直に国民は協力してくださったと思います。そういう意味で、国内でさえも、私どもごとき立場に立つ者でもこれだけの情報と判断資料を提供していただいたのです。それを政府がもたもたしておいでになるというのは、あるべきそういう財産を生かし切っていない、そう思いますが、いかがでしょう。
  172. 池田行彦

    ○池田国務大臣 私ども政府といたしましてもこれまで情報を的確に収集し、またそれを政策決定の上で生かしていく、さらに国民の皆様方に正確な情報をお知らせするという点で努力をしてきたつもりでございましたけれども、足らざるところがあれば、将来に向かってそれをさらに改善に努めてまいりたい、このように考えます。
  173. 塚本三郎

    塚本分科員 C130、小牧基地にあります航空自衛隊機を飛ばそうということを特令で決められました。この是非は私は今論ずる時間がございません。せっかく決めたならば、空というのは外国に飛ぶ訓練ができていないのです。陸は御承知のとおりミサイル発射などについてアメリカと一緒にアメリカでやっております。海はリムパックで世界じゅう相当動いております。空は出ていないのです。まして海を飛ぶときには目標がないのです。まして中東における航空地図も手に入っていないのでしょう、行ったことがないのだから。そのときに行くことを決めたら、要請があれば飛ばせるというならば、あるないにかかわらずやはりそういう訓練をしておく必要があるのじゃないでしょうか。  だからこの際、幸い行かずに済んだから、今のうちに外国に――せいぜい沖縄か硫黄島までぐらいでしょう。海は天と地しかないのですから、陸や海と同じように、外に向かってこういう訓練をさせておかないといざというときに間に合わないということですから、これは外に向かっての訓練を実は空もさせていただきたいという希望が強い。  もう一つは、この席で、予算委員会で我が党の米沢書記長に、行かれるところの隊員さんに対する保障、あるいはまたいろいろな手当、こういうものについては特別考えますという御答弁がありましたが、その二つに対して御答弁をいただいて、事務方もやきもきしておりますから終わらせていただきます。
  174. 池田行彦

    ○池田国務大臣 まず第一点でございますけれども、確かに自衛隊航空機は国内を主として運用しておりますので当然のことでございますが、海外へ渡洋という経験が少ないのは御指摘のとおりでございます。しかし、これは本来の任務がそうなっているのでやむを得ざるところがあるわけでございますが、一点申し上げますと、C130についても、これまで年間二機ぐらいが米国へ参りまして、いわばこれは行事に参加するためでございますが、その途次事実上渡洋の訓練になっている、こういう点があるのは先生御承知かと存じます。  今回のC130の派遣計画と申しますのは、これはあくまで暫定的な、しかも特例的なものでございましたので、そのために格別の訓練をするというのは非常に難しゅうございましたけれども、それでも支障のないように極力やってまいったつもりでございます。将来に向かって貴重な御意見として承っておきたいと存じます。  それからいま一つ、派遣される隊員の処遇の問題でございます。これは御指摘のとおり、やはり隊員の方々の安全面、安んじてその任務についていただく、そして誇りを持ってその任務についていただくために万全の措置を講じなくてはいけないのは当然でございますので、私ども政府部内におきまして鋭意検討してまいりました。ただ、現在までのところ具体的な要請がないので、一体どういう状況の中でどこへ参るかが確定できませんので、具体的にはこういうふうにいたしましたというお話は申し上げられない段階でございますけれども、これからまだ可能性があるわけでございますから、もしこれから具体的に任務につくことになるならば、そういった点で心配のないような措置を早急に講じていける、そこまでの段取りはさせておるところでございます。
  175. 塚本三郎

    塚本分科員 一言だけ、長官 。そうすると、また今度も具体的にならなければというか、行きなさいと言ったときには既にそれが、こういう場合はこう、こういう場合はこうというのをつくっておくのが本当じゃないか。これだって国民の税金ですから、膨大な金をつぎ込んだというふうに誤解を招くこともあります。あるいは余りにも警察と自衛隊との差が三対一ぐらいで低いということもささやかれておりますから、それは家族にとっても大変なことですから、御心配ないよということだけはこれは前もってつくっておくのが本当だと思いますよ。どうでしょうか。この地域ならとか、こういうところといった場合、場合が想定できるのですからね。大綱だけでもおつくりいただくということが必要だと思いますが、その答えだけ求めて私の質問を終わります。
  176. 池田行彦

    ○池田国務大臣 今先生指摘があったように、私どもも最も大切に考えているところでございますので、具体的な計画が、輸送の方の計画が決まり次第それに対応できるように、心配のないように対応できるように体制を組んでおる、こういうことで御理解いただきたいと思います。
  177. 塚本三郎

    塚本分科員 終わります。
  178. 新村勝雄

    新村主査代理 これにて塚本三郎君の質疑は終了いたしました。  午後二時三十分から再開をすることとし、この際、休憩いたします。     午後零時九分休憩      ────◇─────     午後二時三十分開議
  179. 松本十郎

    ○松本主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  総理本府について質疑を続行いたします。神田厚君。
  180. 神田厚

    神田分科員 きょうは、総理府関係で叙勲とそれから公益法人、この二点に絞ってお尋ねをしたいと思っております。  まず初めに叙勲のことでございますが、制度として確立をされているわけでありますが、どういうふうな状況になっておりますか。     〔主査退席、魚住主査代理着席〕
  181. 稲橋一正

    ○稲橋政府委員 現在の叙勲の制度でございますけれども、一つは生存者叙勲、大きく言いまして春、秋に出します生存者叙勲というのがございます。これが一回に四千五百という数でございますので、年間にいたしますとほぼ九千件という数を出してございます。それが大きく分けて一つでございます。  もう一つ死没者叙勲というのがございまして、これはその都度亡くなったときに、一応のやり方といたしましては死亡後一月以内に出そうということでもってやってございます。この数が同じく八千数百人くらいいるという状態でございます。  ほかにも、例えば外国人が来られたときの相互儀礼叙勲とか、大公使が離任されるときの儀礼叙勲等々ございますが、大きく分けますと、国民を相手にして数多く出ておりますのは、ただいま申し上げました春秋叙勲と死没者叙勲、こういうふうに御理解いただければと思っております。
  182. 神田厚

    神田分科員 対象者などによく話を聞く機会があるのですが、生存者叙勲をしてもらいたいな、亡くなってからもらっても、それはまあありがたいことだけれどもというような気持ちを伝えられることがあるのですが、その辺はどういうふうに考えておりますか。
  183. 稲橋一正

    ○稲橋政府委員 生存者叙勲でございますが、先生おっしゃるように叙勲年齢というのが、今、春秋叙勲は昭和三十九年に始まったわけでございます。それから逐次ずっと今日までやってきておるわけでございますが、国家公共に対しまして、国民各界各層の人々を広く対象として叙勲をやっているわけでございまして、年齢が原則といたしまして七十歳以上というふうになっております。  なぜ七十歳かと言いますと、昔は官吏に対する叙勲というのは一定年限でもって定例叙勲のようにやってきた。戦後はその人一生の成果を見て叙勲を差し上げようということで、民間人も含めまして、功績が固まるという言葉を使っておりますが、その年になればそれ以上功績は伸びないだろう、ほぼ固まるのじゃないかという年齢を大体七十歳と考えまして、七十歳以上の人を対象にしようというふうにしてやってきているのが現在の生存者叙勲でございます。  一方、死没者叙勲といいますのは、基準等は全部同じでございます。だから、生きておられれば生存者叙勲にいく、亡くなれば死没者叙勲にいくというのが一般的かと思います。ただ、非常に若くして亡くなられる人とか現職中に亡くなられる人とか、それから警察官等にございますが非常に若いうちに殉職されるという方がございまして、これも死没者叙勲に出てまいりますが、大きく考えますとそういう考え方でございます。
  184. 神田厚

    神田分科員 ただ、七十を過ぎて大変高齢で叙勲をお受けになるという方もあるわけですね、死亡するような。ですからそこのところを、難しい状況かもしれませんが、なるべくやはり生存中に叙勲ができるように努力をしていただきたいと思うのでありますが、どうでありますか。
  185. 稲橋一正

    ○稲橋政府委員 確かに先生おっしゃるとおりでございまして、どうせ差し上げるのならば生存中に差し上げる、これが勲章のそもそものあり方だ、かように思っております。  一方、春秋叙勲で発令する数でございますが、先ほど申しましたように、最初の昭和三十九年にやったときに百七十九名から始まりまして二回目が五百三十九名、徐々にふやしてまいりまして途中二千人、三千人という数がございましたが、現在四千五百名、年間にしますと九千人になっているわけであります。この辺が、いろいろな事務を考えますと限度に来ているのは間違いないのでございます、私ども考えますと。ということがございまして、この辺につきましては各分野ともそういう方がおられまして、各省庁調整しながらその四千五百名という数を各分野に割り当てながらやっておりまして、おっしゃる趣旨はわかるのでございますが、非常に困難な状況にあるのもまた間違いないと思いますので、そのように御理解いただければと思っております。
  186. 神田厚

    神田分科員 学校の先生方のお話を聞く機会などたくさんございまして、そういう人たちの中でもやはりそういうことを言われることがあります。ですから、役所としては役所のお考えがあるのでありましょうが、私は希望として少し検討していただきたいと思います。
  187. 稲橋一正

    ○稲橋政府委員 先生のおっしゃる意味はわかりました。ただ、これは私ども賞勲局だけの問題ではなくて、例えば先生おっしゃいました教職員の話にいきますと文部省の話になるわけでございます。  文部省は現在、四千五百名の中でこの春の叙勲で見ますと七百八十名という数を出してきているわけでございます。それで、その人たちにつきまして一堂に集めて文部大臣がお渡しする。その場合は配偶者同伴でございますので、数が倍になって千五百人という数を集めてその方々にお渡しし、それからもう一つは、それを皇居にお連れして陛下の拝謁を願う。こういう一連の行事もございまして、これは各分野調整をいたしますが、なかなか難しい問題があるということは御了解願いたいと思います。関係省庁もありますので、文部省だけじゃなくてほかの省庁ともいろいろ協議し、今後相談させていただきたい、こういうふうに思っております。
  188. 神田厚

    神田分科員 それでは、もう賞勲局、結構です。  公益法人の関係で御質問をします。  第二臨調、臨時行政調査会の設置以降、公益法人の数の推移はどうなっておりますか、総数と省庁別にちょっとお知らせをいただきたいと思います。
  189. 櫻井溥

    ○櫻井政府委員 今お尋ねがございましたのは第二次臨調以降、すなわち昭和五十六年以降ということでございますけれども、私どもが公益法人の数を把握しておりますのは、昭和六十一年度から各省庁あるいは都道府県の協力を得て統一的に数を把握しておるわけでございますので、その数字でお答えさせていただきたいと思います。  昭和六十一年度の国の所管しております公益法人の数は六千二百十五でございます。その後現時点で一番新しい年度の平成元年度の公益法人の数は六千七百三、差し引き三年間に四百八十八の増加でございます。ちなみに都道府県が所管しております機関委任事務としてこれが所管されてございますので、都道府県が所管しております公益法人の数は、昭和六十一年で一万五千六百五十一、それから平成元年度で一万六千七百二十六でございますので、差し引き一千七十五の増となってございます。
  190. 神田厚

    神田分科員 公益法人は、これまで我が党が主張してきましたように、役員の天下り、公益法人を渡り歩くことに伴う高額退職金の問題、あるいは特殊法人抑制の隠れみのとしての公益法人の乱造など、行政改革上大変問題点といたしまして指摘をしてきたところであります。総理府は公益法人の運営に関する指導監督基準を定めておりますけれども、その基準の策定に当たってこれらの問題点がどのように配慮されているのか、お教えをいただきたいと思います。
  191. 櫻井溥

    ○櫻井政府委員 ただいま先生の御指摘がございました公益法人の運営に関する指導監督基準というのがございまして、その内容でただいまの御質問に直接触れる問題は理事と理事会ということについてのお話だろうと思うわけでございます。  これにつきましてはいろいろ細かい規定もございますけれども、直接関連があります条文をちょっと読ませていただきますと、「理事のうち同一の親族、特定の企業の関係者その他特別の関係にある者が占める場合には、その割合は、理事会を実質的に支配するに至らない程度にとどめるものとする。」という条文がございまして、これに基づきまして、公益法人に占める理事の方々が特定の偏った利害関係者、あるいは特別な関係のある人たちによってたくさん占められるということはやはり理事会の独占専横となりますので、その辺は避けるようにということで指導しているわけでございます。  そこで、ただいま先生からお尋ねがございましたいわゆる公務員OBの方の公益法人への天下りといいましょうか、そういうことにつきましてこの指導監督基準では、直截な表現でそれを禁止するとか抑制するとかということはとっていないわけでございます。これはいろいろ御意見があろうかと思うわけでございますが、やはり何といいましても公益法人は民間の発意によりまして公の利益を追求するという民間法人でございますので、民間の自主性と適正な人材の登用という観点からいたしますと、公務員のOBであるとかないとかということをもって振り分けいたしますのはなかなか困難な事情があるのではないだろうかというふうに私ども考えているわけでございます。
  192. 神田厚

    神田分科員 統一的な指導監督基準は昭和六十一年七月二十二日に策定されたわけであります。この基準策定以降、公益法人の乱造、天下り、高額退職金の問題、これはどの程度改善されたかお知らせをいただきたいと思います。
  193. 櫻井溥

    ○櫻井政府委員 ただいま先生から御指摘ございましたように、公益法人そのものの設立、それから設置された後の監督は各省各大臣がこれを実施することになっているわけでございます。これがまちまちにならないように、基本的な事項につきましては統一基準というものを設けまして実施しているところでございます。その中でいろいろ個別的には、例えば会計基準を定めるとか、あるいは設置されておってもさっぱり活動していないようないわゆる休眠法人を整理する問題とか等々、細かい規定を統一基準ということで各省庁一緒に集まりまして定めておるわけでございます。  そこで、ただいま先生から御指摘がありました公益法人を渡り歩くといいましょうか、あるいはまたそれに伴っての高額な退職金とかという御指摘があったわけでございますけれども、私ども総理府といたしましては、いわゆる各省庁にまたがる基本的な事項についての基準ということを第一義的に所掌しておるわけでございまして、個別につきましてはつまびらかにするわけではございません。ただ、指導監督連絡会議におきまして具体的にそういうような、ただいま先生がおっしゃいましたようなことについて議論があって、したがってそれに基づいてこうしようということは実はないわけでございます。
  194. 神田厚

    神田分科員 ですから、そういう改善が余り具体的に見られていないということですか。
  195. 櫻井溥

    ○櫻井政府委員 御案内のとおり、公益法人は先ほど申し上げましたように非常に数が多いわけでございまして、またその公益とすべき内容が非常に多岐にわたるわけでございまして、結果として公益法人の態様が非常にばらばらといいましょうか、範囲が広いわけでございます。したがいまして、その公益法人の業務の内容も非常に多岐にわたるわけでございますので、その個々の公益法人にとりまして果たしてどの程度の、役員に対する処遇といいましょうか、退職金もその一環だろうと思うわけでございますが、これが統一的にどれが適正な金額あるいは待遇であってしかるべしなのか等々につきましてはなかなか統一をとるのは難しいのではないか。  また、各省庁の御意見等をお伺いいたしましても、公益法人の規模とか、あるいはやっております仕事の内容等々におきましても、たびたびの繰り返しで恐縮でございますけれども、非常に多岐にわたるわけでございまして、それを一律に、理事はどれくらいとか、それから処遇はどれくらい、退職金はどうかということを決めるのはなかなか難しいという実情も私ども各省庁からお伺いしておるわけでございます。
  196. 神田厚

    神田分科員 なかなかうまく進んでいないようですね。その辺をやはり我々としては問題にしていかなければならないと思っておりますが、都道府県所管の公益法人はどういうふうになっておりますか。
  197. 櫻井溥

    ○櫻井政府委員 御案内のとおり、公益法人は主務官庁の許可をもって設置されるわけでございますが、その一部を機関委任という形で都道府県あるいは地方の公安委員会等々に許可権を民法によって認められておるわけでございます。  その数でございますが、先ほど申し上げました六十一年度の都道府県所管の法人が一万五千六百五十一、それから現在の最新のデータで申し上げますと、平成元年度が一万六千七百二十六ということになってございます。
  198. 神田厚

    神田分科員 これらの場合も、やはりそういう退職金などの問題は先ほど御答弁いただいたような形になっていますか。
  199. 櫻井溥

    ○櫻井政府委員 そのとおりでございます。
  200. 神田厚

    神田分科員 そうすると、やはり全体から見ると改善をされていないというところに問題がありますね。それらについてはまた別の機会で、私どもの方では問題点として今回は指摘をしておきたいというふうに思っています。  それで、そういう印象でありますけれども、問題の根本的な解決のためには行政指導では不十分であり、我が党がこれまで主張してきたような、設立要件等を厳格に定めた公益法人法を制定すべきだというふうに我々主張しております。この点についてはどういうふうに考えていますか。
  201. 櫻井溥

    ○櫻井政府委員 ただいまのお話は、公益法人法を制定すべきであるという御意見と承ったわけでございますが、これにつきましては御案内のとおり、各省の公益法人連絡協議会を設置いたしました際に、直接に公益法人を所管いたしておりますのは、法律所管いたしておりますのは、これは根拠法が民法でございますので実は法務省の所管になるわけでございます。  しかし、現時点におきまして、内閣の協力を得まして各省庁統一的に公益法人を指導監督するという立場で、私ども総理府所管しておる立場からこの点につきまして申し上げますと、現時点におきましては、現行の民法の規定とそれを補完する形で、先ほど御紹介いたしましたように、昭和六十年の事務次官等会議の申し合わせによりまして公益法人指導監督連絡会議というのを設けて、その中で、答弁が重複して恐縮でございますけれども、会計基準を定めたり、あるいは休眠法人の整理の手続を定めたり、あるいはまた一般的に設立する場合の基準等々を統一的に定めながら実施しておりますので、現時点におきましては、先生指摘の公益法人法そのものについての御要望はかねてから私どもも耳にしてはございますけれども、現実の作業としてはそういうふうにはまだなっていない現状でございます。
  202. 神田厚

    神田分科員 我が党は公益法人法の主張をずっと続けておりますので、また機会を改めまして、きょうはそういう問題点が一応室長の方から出されておりますので、そのことを基本的に考えて対応したい、このように思います。よろしくお願いします。  ちょっと時間が余りましたが、終わります。
  203. 魚住汎英

    魚住主査代理 これにて神田厚君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして総理府本府についての質疑は終了いたしました。     ─────────────
  204. 魚住汎英

    魚住主査代理 次に、防衛庁について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小澤克介君。
  205. 小澤克介

    小澤(克)分科員 航空自衛隊の防府北基地というのが山口県防府市内にございます。ここでの航空機の騒音問題についてお尋ねしたいと思います。  この基地は、航空自衛隊の最も初級のパイロットの訓練が行われております関係で、プロペラ機でございますので、一般常識では、ジェット戦闘機などに比べれば騒音が軽いのではないかと思われがちでございますが、実際には、何しろ初級でございますので、低空を、しかも飛行場周辺をくるっと回っておりるというようなことをずっと繰り返しております関係で、その基地直近あるいは直下の住民にとっては、ジェット機にまさるとも劣らないくらいの騒音被害を与えているという実態がございます。  それからもう一つは、この基地は戦前からの沿革を持つ基地でございますが、そのころは全くの田園地帯だったのですけれども、防府市は非常に都市化が進みまして、この基地を取り巻くように住宅が密集しております。いわば、都市の真ん中にこの訓練基地があるという形態に今やなっております。そのために、この基地周辺の住宅の住民にとって騒音問題が非常に深刻となってきているわけでございます。  そこで、住民から、あるいはその住民の声を伝える形で、市あるいは県などの自治体からもいろいろな要請がこれまで防衛庁に寄せられているというふうに私は認識しておりますが、まずこの騒音の実態について、あるいは住民からの被害の訴え等について、防衛庁としてどのように御認識いただいているかどうかをお願いいたします。
  206. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  防府北基地周辺の住民の方々から、騒音等につきましていろいろな御苦情、御希望等をちょうだいしているところでございますが、この飛行場周辺における航空機騒音につきましては、当庁といたしましてはその実態を調査させていただきまして、周辺整備法第四条の規定に基づきまして第一種区域の指定告示の上、住宅防音工事の助成を実施してきているところでございます。  また、学校、病院等の防音工事につきましても助成を実施するなど、航空機騒音に係る障害の防止または軽減に努めているところでございます。  今後とも積極的にこれらの施策の推進を図っていく考えでございますので、よろしく御指導をお願いいたします。
  207. 小澤克介

    小澤(克)分科員 今、対策についてのお答えだったと思いますけれども、その前に、その騒音の実情あるいは住民の被害状況についてどのような御認識をいただいておるのだろうかということをお尋ねしたかったのですが、いかがでしょう。
  208. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  航空機騒音は非常に大きなものでございまして、また、上から降ってまいります騒音でございますから、騒音の被害は住民の方々にまんべんなく行き渡る、こういった認識を持っております。  防衛庁の役割あるいは飛行場の役割、この公共性については言うまでもないことでございますけれども、公共性があるからといって騒音を耐え忍んでいただくというわけのものでも当然のことながらございませんし、また、騒音がございますためにその飛行場の果たす公共的な役割について軽んじられるという性格のものでもなかろうかと思います。私どもは、住民の方々のお声を真摯に受け取りまして、先ほど御報告させていただきましたような対策事業に誠意を持って取り組んでまいっておるところでございます。
  209. 小澤克介

    小澤(克)分科員 御認識の方はよくわかりました。自治体の方でもいろいろ調査しておるようでございますが、環境基準を超えた騒音が、場所あるいは時間によっては発生しておるということを私どもの方も承知しておるわけでございます。そして、それに対してこれまでどのような対策をとられてきたかということについては、先ほど既に御回答いただきました。防音工事等々についていろいろ御努力いただいておることは私どももよく承知しておりますし、それなりに大変結構だろうと思っておりますが、そうはいたしましても、何せ基地の周辺、比較的狭い範囲を、しかも低空で四六時中訓練しておるということから、防音工事等によってもなお住民にとってはその被害意識が強いわけでございます。  そこで、お尋ねしたいのですが、この防府市というのは瀬戸内海に面したところでございまして、素人考えでは、ちょっと洋上に出て訓練していただければこのような被害はないのではないだろうかと思うわけでございます。このような飛行コースあるいは訓練コースの変更等についてはできないのだろうか、あるいはそのようなことについてこれまで御検討いただいておるのかどうか、そのあたりについてお尋ねしたいと思います。
  210. 小池清彦

    ○小池政府委員 お答えいたします。  先生がおっしゃいますとおり、こちらの南側の瀬戸内海の方を場周経路に使って離着陸訓練ができると本当にいいと思うのでございます。それで私も改めてよく検討し直してみたのでございますけれども、あそこに田島山でございますか、二百二十メーターくらいの山がございまして、あの山がどうしても邪魔になりましてうまく飛行機が回れないということになります。それではあの山をめぐりましてもっと大きな円を描いてはどうだろうかということも考えてみました。そういたしますと、今度はあの山が邪魔になりましてパイロットが滑走路がよく見えない、そういたしますとこれはまた回れなくなります。それから管制官も、これは飛行場管制官が管制をしながら回っておりますので、山が邪魔になってやはり見えないというようなことがございまして、どうしてもこの南側の方に場周経路をとることができない。山を削るわけにもまいりませんし、私どももその辺、本当に先生のおっしゃるとおりだと思うのでございますが、その辺のところを御理解賜りたいと思う次第でございます。
  211. 小澤克介

    小澤(克)分科員 その滑走路が見えなくなるというのはどういうことでしょうか、ちょっとわからなかったのですが。一たん見えなくなっても、どうせまた着陸するときは滑走路のところに戻ってくるわけでございますね。それから、山に機体が隠れてしまうのは、やはり管制のところから常時目視できる状態でないとまずいということなのでしょうか、ちょっとその辺が素人によくわからないのですけれども
  212. 小池清彦

    ○小池政府委員 もう少し詳しく御説明申し上げますと、この防府北基地は、航空自衛隊でパイロットになる者が最初に教育を受けるところでございます。したがいまして、非常に初歩的な訓練からまずやりますので、離着陸訓練も一つの決まったパターンがございまして、余り遠くを回るパターンというのは適当なパターンでないことが一つございます。同時に、そういう初歩の人間であることもございまして、山に隠れたときは管制ができないというようなことでは大事故につながるおそれがございまして、やはりそういうこともございまして、向こうの方に場周経路をとるということは、まず現在のあの山の高さからいたしますと極めて困難と申しますか不可能であろう、こういう判断でございます。
  213. 小澤克介

    小澤(克)分科員 甚だ素人的な質問ばかりで先ほどから恐縮なんですけれども、逆に、高い山があるということはこの山の上にその監視といいますか管制の場所を別に設けておけばかえって都合がいいのではないかなというふうにも思うのですけれども、そんなわけにはいかないのでしょうか。
  214. 小池清彦

    ○小池政府委員 ただいまの先生の御案でまいりますと、管制の場所を山の上にもつくるということでございますが、もう一つは、高さが大体千フィートの高さで回るわけでございますが、この山の高さからいきますと、今度は高さももっと上げなければいけないというような問題がまた出てまいりまして、それから、余り大きく回りますと今度は離陸から着陸まで大変時間がかかりまして教育がまたこなせないとか、いろいろ大変難しい問題があるわけでございます。
  215. 小澤克介

    小澤(克)分科員 いろいろな技術的な検討をされた上でのお答えであろうと思いますので、私の方にはこれ以上あれこれ申し上げる能力もございませんので、この点は、飛行コースに関しては今のようにお伺いするしかないかと思います。  先ほど騒音対策として防音工事等についてこれまで種々御努力されたというお話は伺いましたが、そのほかにも、例えば訓練の時間を一定程度制約するとか、あるいは休日等には行わないとか、そういった御配慮はこれまでしていただいているのでしょうか。いかがでしょうか。
  216. 小池清彦

    ○小池政府委員 現在までに私どもも、大変御迷惑をおかけしてはおりますけれども、でき得る限りの努力をしてまいったつもりでございます。例えば、今まで九百フィートの高さで回っておりましたのを、これは昭和四十九年からでございますが、百フィート上げまして一千フィートの高さで回っております。それから、そういう離着陸訓練以外の訓練をいたしますときには、人家密集地を極力避けまして海上あるいは中国山脈の上の方の山岳地帯でやるとか、そういうことをいたしております。それから、夜間飛行の訓練でございますけれども、これは月に四、五回程度やっておりますが、おおむね日没から一時間程度やらせていただいておりますけれども、訓練を実施する際には、防府市の企画調整部企画課に事前に通知をいたしております。そのような努力をやらせていただいております。
  217. 小澤克介

    小澤(克)分科員 いろいろな点から御努力をいただいていることはわかりましたが、それでもなおかつ付近住民からの苦情が絶えないわけでございまして、私どもの党にもあるいは自治体の議員等にもしょっちゅう苦情が訴えられている。多少きょうはよく飛ぶなというような日には、決まって電話がかかってくるというような実態が実はあるわけでございます。したがいまして、今までのお話でいろいろな角度から御努力いただいていることはわかりますけれども、なおかつ騒音それ自体が、騒音被害があるということは、ひとつぜひ御認識をいただきたいと思うわけです。  そこで、実は同じ山口県内の下関に近い方に海上自衛隊の基地がございまして、ここでも全く同じ初級のパイロットの訓練を行っているわけでございます。それで、こちらでは近年比較的騒音の低いタイプの飛行機が導入されてきておりまして、具体的に言いますと、従来の飛行機が騒音のレベルが九十ホンぐらいだったのに比べて、この新型の低騒音機では七十五ホンぐらいである。それで、このホンというのは対数目盛りになっておりますので、九十と七十五でもかなり実際には違いがございまして、耳で聞いた感じでも明らかに違いがあるというふうに聞いております。そこで、小月の方ではこのような低騒音型、これはTの5、これが順次導入されておりまして、平成二年度末で三十機中八機までこれに更新された、六十二年度までは三十機全部旧型機だったのですが、漸次更新されてきている、このように伺っております。したがいまして、程度の問題ではありますが、この騒音の問題が若干改善されているというふうに伺っているわけです。  ところが、この防府基地の方はそのような新型機への更新ということがどうもなされていないようでございまして、この点についても、付近住民の中には、空自と海自の違いはあっても同じ自衛隊なのにという不満が非常に強いわけでございますが、この点いかがなんでしょうか。低騒音機への更新ということは難しいんでしょうか、あるいは既に御予定があるんでしょうか。
  218. 小池清彦

    ○小池政府委員 先生のおっしゃいますとおり、防府北で使っております飛行機はT3と申します。それに対しまして、海上自衛隊の小月で使っております飛行機はT5と申しまして、これは、T3がレシプロエンジンであるのに対しまして、T5はターボプロップになっておりまして騒音が低うございます。そこで、航空自衛隊もそれではT5を採用したらどうかと私もそこまで考えてみました。そのT5と申しますのは、ちょうど普通の車と同じように教官が横に座りまして訓練をいたします。ところが、航空自衛隊では、ひとり立ちする戦闘機パイロットを養成しなければいけませんので、どうしても教官と学生が前後に座らないと教育効果が上がらない、こういう点がございまして、にわかにT5を採用するわけにはまいらないという事情がございます。  また他方、T3も耐用年数がまだ大分ございまして、耐用年数がある間に新しい機種にかえますと、これはまた予算のむだ遣いということも出てまいります。それならば、このT3のエンジンだけをT5が使っておるようなターボプロップにしたらどうだろうかということも考えてみました。ところが、それをやることになりますと、エンジンだけではなくて機体を相当改修しなければいけないという問題が出てまいりまして、そういたしますと、これはちょっと私の感じも含みますけれども、五、六年くらいすぐかかってしまうという問題がございます。  そこで、そうこうしておりますうちにT3の耐用年数もそう遠くない将来に参りますので、T3の後継機をそろそろ考えなければならないという時期もやってくるわけでございます。そうなりましたときには、騒音の低いエンジンを採用するということを検討することになろうと存じます。
  219. 小澤克介

    小澤(克)分科員 確かに海自の場合は、いわゆるファイターは将来操縦することは予定されてなくて、大型の輸送機などを操縦することが想定されるために、教官と横で並ぶ複座機でいいだろう。それに対して、ファイターのパイロットを養成することからすれば、縦型、タンデム型というのでしょうか、タンデム型複座機でないとまずいというのはわかるわけでございますけれども、素朴な住民の感情といたしましてそのような細かいことはなかなか理解しにくいし、説明もしにくい。とにかく小月でできることが何でこちらではできないんだろうという不満が強いわけでございます。  今のお話で、ターボプロップにエンジンを積みかえるのとT3の後継機にかえるのと結局時間的には変わらないだろうというお話なんですけれども、そういたしますと、そのタンデム複座型のT3の後継機というのが具体的にあるんでしょうか。ある程度めどが立ってのお話なんでしょうか。
  220. 小池清彦

    ○小池政府委員 私、技術の専門家ではございませんので、ある程度の常識も加わっての判断であるということをお許しいただきたいと存じますが、海上自衛隊のT5におきましてそういうターボプロップのエンジンを現に採用いたしておりますので、T3の後継機につきましても、それを設計する段階でそういうものを採用することは可能ではないかと思われます。
  221. 小澤克介

    小澤(克)分科員 いや、私がお尋ねしたのは、具体的なそういうT3の後継機がもう例えば設計段階に入っているとか、あるいはそこまでいかなくても、その概念設計のようなことをやっているとかいうような何か具体的なお話があってのことなのか、それとも、いずれはそれは耐用年数が来れば更新するのは当然でございますから、その程度の漠然としたお話なのか、そこらあたりをもう少し明らかにしていただきたいと思うわけでございます。
  222. 小池清彦

    ○小池政府委員 きょう現在におきましてT3の後継機について私どもが検討をしているということはございません。けれども、このT3につきましても、一つの装備品でございますので、それがいつごろ来るかということもまだ子細に検討した上でございませんので、何年後とお答えするわけにはまいりませんけれども、私の感じも交えて申し上げますれば、そう遠くない将来におきまして、やはりこの後継機につきまして考えなければならないときが来るであろうと思われます。
  223. 小澤克介

    小澤(克)分科員 そう遠くない将来において低騒音型、ターボプロップ型にかわるであろうというお答えをいただきまして、少しその希望が見えてきたという感じも受けますし、また、付近住民からすれば喜ばしいことだろうというふうに思います。  ただ、これは基本的に、このような都市のど真ん中に訓練用の基地があるということは、もうちょっと無理なんじゃないだろうかという印象が強いのです。これまでのところ、まさに初級の訓練、練習であるにもかかわらず、墜落したとか住民に被害が出たとかいうようなことがないのは大変結構なことですし、恐らくこのような実績を上げているということについては相当な御努力があるんだろうと私も想像するわけですけれども、しかし、幾ら何でもちょっと、住宅密集地の都市の真ん中に訓練場があって、その周辺をまさに初めて操縦桿を握る人たちが訓練しているというのは、どう考えてももはや無理、限界に来ているのではないかというふうに思います。  いかがでしょうか、これはいっそのこともう少し広々したところに移転をされた方が、先ほどもお話を伺っていましても、訓練にも何かと地形上の制約等があるということも伺っておりますので、そこまで考えられた方がいいのではないかという気がするのですけれども、そのようなお考えあるいは御計画等はないのでしょうか。
  224. 宝珠山昇

    ○宝珠山政府委員 お答えいたします。  防府基地の周辺が住宅化されておりますということは御指摘のとおりでございます。しかし、防衛施設の周辺が住宅が密集するようになってきているというのはここだけではございませんで、全国的にたくさんある状況を御理解いただきたいと思いますが、これらにつきまして地元から、時には今御指摘のように何とか移転できないだろうかという要望も聞かれております。防衛庁としましても、防衛基地として適当な代替施設が確保できる、そういう条件が満たされますならば、これらの要望にできるだけ応じるというのに異存があるわけではございませんし、基本的にそういう指導方針のもとに動いてきているところでございます。  しかし、防衛施設も我が国の平和と独立を守る、そして国の安全を保つという目的のために必要不可欠なものとして国が使っているわけでございますので、この点はぜひ御理解をいただきたいというのが基本的な考え方でありまして、こういう防衛上の要求を十分に満たす基地の代替施設、用地などの確保というのは、一般論としては大変難しいものでございまして、防府の場合にもその例外ではございません。したがいまして、現在、次の中期防を含めましてこの基地を移転するということは計画できる状況にはありません。  防衛庁としては今後とも、先ほど来御答弁ございましたように、周辺の防音対策などに力を入れ、御理解、御協力を得て、引き続き使用してまいりたいという考えでございます。
  225. 小澤克介

    小澤(克)分科員 航空自衛隊の諸活動のうちでいわゆる領域警備、領空警備の仕事は、これはいわば警察活動だろうと思います。この間予算委員会でも大臣にそういうことをお話ししたかと思いますけれども、そういう意味では、何といいますか、この種警備活動はいわば海に引き直せば海上保安庁が行っているような活動でございますから、それはそれで必要なことだろうなというふうに私も認識しております。そのために練度の高いパイロットを養成することの必要性も、私も十分認識しているわけでございますけれども、先ほどから繰り返して申し上げているように、都市のど真ん中にこのような初級訓練用の飛行場があるというのは、やはりもう限界に来ているなというふうに思うわけでございまして、いろいろ困難はあろうかと思いますけれども、もう少し広々としたところで、訓練生も十分に訓練できるようなところに移転を考えた方がいいのではないかと思います。この方向でぜひ御検討いただきたいと思います。  時間が参りましたので、大臣に最後にお尋ねしたいと思いますけれども、この防音工事あるいは時間帯等々についていろいろ御努力いただいていることは、今の質疑の中からわかりましたけれども、なお、低騒音型機への更新の問題、それから思い切った移転問題等も含めてひとつ前向きに御検討いただきたいと思いますので、御所見を伺いたいと思います。
  226. 池田行彦

    ○池田国務大臣 先ほど来事務当局からいろいろ御答弁申し上げ、御説明申し上げましたように、防衛庁といたしましても基地の運用に当たりましては、周辺の皆様方の御迷惑を極力少なくしてまいるように配意しているところでございます。そして御理解をちょうだいしながら運用してまいりたい、こう思っております。しかしながら、一方におきまして、事務当局から御説明申し上げましたようなもろもろの制約のある点も御理解をちょうだいしたいと考える次第でございますけれども先生が御指摘の点につきましては、長期的な課題として私どもとしても考えてまいりたい、こう思います。
  227. 小澤克介

    小澤(克)分科員 ありがとうございました。  終わります。
  228. 魚住汎英

    魚住主査代理 これにて小澤克介君の質疑は終了いたしました。  次に、上原康助君。
  229. 上原康助

    上原分科員 防衛庁長官お尋ねしたいことはたくさんあるのですが、きょうは少し易しい問題を、まず最初防衛庁防衛施設庁の御見解というか認識をお尋ねしておきたいと思うのです。  今沖縄で問題になっております米軍用地強制使用の公告、縦覧代行問題についてですが、来年五月に契約期限が切れる米軍用地の強制使用手続を進めておるようであります。那覇防衛施設局は関係十一市町村に関係書類を送付し、その公告、縦覧を求めておったが、そのうち拒否された五市町村の公告、縦覧を米軍用地特措法に基づいて二月十二日に県知事に代行申請がなされておるようであります。この代行申請をした施設はどのくらいなのか、また該当地主はどのくらいなのか、契約拒否をしている基地の面積はどうなっているのか、その点からまず明らかにしてください。
  230. 児玉良雄

    ○児玉政府委員 お答えいたします。  来年の五月に現在の契約ないし使用が切れる施設につきましては、引き続き防衛施設として使わせていただきたいということで地主の方と契約の予約その他の折衝をしておりますが、現時点までに引き続いて使用することについて契約を継続することに同意していただけない地主、それからその土地などについて申し上げますと、まず地主の数は八十五人と、一坪、いわゆる共有地主としまして一筆の土地に四百四十三人ございますので、これらを合わせますと五百二十八人であります。それから面積は十四万八千平方メートルになっております。
  231. 上原康助

    上原分科員 施設はどこどこですか、基地は。
  232. 児玉良雄

    ○児玉政府委員 十一の市町村にかかわる施設一つずつ申し上げますと、順序不同になりますけれども、まず伊江島補助飛行場、慶佐次通信所、キャンプ・ハンセンの一部、嘉手納飛行場の一部、牧港補給地区、瀬名波通信施設、嘉手納弾薬庫地区、トリイ通信施設、キャンプ・シールズ、キャンプ桑江、陸軍貯油施設、キャンプ瑞慶覧の一部、普天間飛行場、那覇港湾施設で、施設としては九施設、それと飛行場の一部でございます。
  233. 上原康助

    上原分科員 あえてなぜ私が施設まで、基地名まで公式の場で明らかにさせるかといいますと、今お述べになった箇所はいずれも沖縄米軍基地の中枢部門です。しかも地主が八十五人で、その協力者が四百四十三人、締めて五百二十八人、こういう状況でもある。これは復帰後二十年になんなんとしておりますが、絶えず問題になってきた契約拒否の、いわゆる基地の撤去、全面返還を求めている県民の強い願望としての反戦地主というか、そういう関係者の動き、運動となって今日まで来ている。  そこで、きょうは政府見解だけをお尋ねをしておきたいわけですが、二月十二日に施設局から施設局長名で代行申請がなされた。沖縄県知事はこれに対し、法制面や過去の強制使用の経緯、世論の動向など十分把握をした上で慎重に対処をしていきたいというお考えのようであります。問題は、駐留軍用地等特措法で強制使用をやろうとしているわけですが、一方、起業者からの縦覧、公告というのは、どの法律に基づいてやっているのですか。
  234. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  収用法四十二条四項でございます。
  235. 上原康助

    上原分科員 収用法というのは土地収用法のことでしょう。四十二条の何項ですか。
  236. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  四項でございます。
  237. 上原康助

    上原分科員 四十二条の四項でやる。さらに、時間がありませんので私の方で言いますが、土地収用法の二十四条との関係はどうなりますか。
  238. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  四十二条で二十四条を準用いたします。
  239. 上原康助

    上原分科員 本当にしち面倒なことをやるんだ、あなた方は。強制使用は特措法でやって、あと市町村委任事項は土地収用法の四十二条あるいは二十四条でやる。  それで、私がきょう聞きたいのは、この土地収用法二十四条の二項で、「市町村長が前項の書類を受け取つたときは、直ちに、起業者の名称、事業の種類及び起業地を公告し、公告の日から二週間その書類を公衆の縦覧に供しなければならない。」こうなっていますね。さらにその四項では、「市町村長が第一項の書類を受け取つた日から二週間を経過しても、」云々となっている。だから、二週間を経過してやらなかったから、知事への代行申請というものを恐らくやったと私は理解をしておる。今度は、それでは知事は受け取ってからどのくらいの期間でこの結論を出さなければいかないかということについては、特措法においても土地収用法においても明文な規定はないように思う。その点どうなっているかが一つですね。それと、知事は受け取ってからどのくらいの期間で結論を出さなければいかないのか、それは明確にしておいていただきたい。
  240. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  知事が起業者から代行の依頼を受け取りましてから、いつまでという法律上の規定は特にございません。
  241. 上原康助

    上原分科員 ですから、いつまでという規定はないと僕は思うと言ったでしょう。法律上見当たらないのです。  では、ないわけだから別に代執行しなくても何でもいいわけね。皆さんはどのくらいの期間を想定して知事にこれをやってもらいたいという要請をしたのか。施設局か防衛庁のあれはないの。それを明らかにしておいていただきたいと私は言っているのです。
  242. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  当庁といたしましては、県知事の縦覧等の代行は法律上定められた手続でございますから、また、市町村に縦覧をお願いいたしましてから既に二週間はとっくに過ぎているわけでございますから、知事におかれまして整々とこの事務が進められるものと考えている次第でございます。
  243. 上原康助

    上原分科員 整々と進んでいないから今聞いているような問題になっているのじゃないですか、あなた。短い時間ですからきょうは別に詰めた議論をやろうとは思いませんが、政府見解だけはただしておきたいわけです。それは法律上はない。ですから、私はさっき慎重に対処していきたいというお考えのようだということも言ったでしょう。  そうしますと、期限は来年の五月十四日ですよね。もし知事がその申請を却下した場合はどういうことになるのですか。
  244. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  県知事による裁決申請書の縦覧等の代行は、法律の規定に従って整々と事務的に行われるものと我が方は考えておりまして、知事がこれを拒否した場合のことについては考えておりません。
  245. 上原康助

    上原分科員 防衛庁長官、今のやりとりを聞いて、これはあり得ることなんですね。あり得ないかもしらぬ。私は知事でもないからわからない。しかし、目下の状況では非常に慎重に大所高所からいろいろ御検討をやっているようだが、防衛庁には何らかの考え方はあるわけでしょう。次の法的手段とかあるいは防衛庁としてはそれはどうするのか、これは明らかにしておいていただかないと困りますよ。ただ待つだけですか。待つなら待つでいいですよ。
  246. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  この縦覧の代行は知事の職務としてお願いしているわけでございますので、私どもといたしましては、いろいろ御理解をいただき、また御説明もしながら、この代行を全うしていただきたいというふうにお願いしてまいりたいと考えております。
  247. 上原康助

    上原分科員 これはなかなかおっしゃりにくい面もあるのでしょうね。  そこで、もう一点だけ聞いてからちょっと私の所感を交えてお尋ねしますが、諸般の情勢でどうしても知事がその申請認定をやらない、そうしますと、次の法的な手続というか、国として法律的にこれに対抗というのか、やろうという場合は、どの法律になるのですか。特措法、土地収用法と来た。次は地方自治法ということになるの、ならないの。
  248. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  私どもといたしましては、この事務が整々と事務的に行われるということを期待しておりまして、これが拒否された場合のことについて、現在のところ考えておりません。
  249. 上原康助

    上原分科員 あなた、時間がそんなにないのだから、そう突っぱねた言い方、それは願望なんだよ。これは防衛庁、施設庁長官もいらっしゃるし大臣もいるのに、何で大原部長だけいじめて苦しい答弁させるのですか。  あれは「原」がついているから私と友達なんだよ、その面では。もう一人上原というのもここにいるね。どういう人かね、手を挙げてくださいよ。参事官。何を担当しているの。(上原政府委員「技術担当でございます」と呼ぶ)なかなか賢い顔をしている。失礼しました、どうも。  そこで、それはあなたの願望なんだよ、大原さん。私が聞いているのは、対抗手段という表現は悪いかもしらぬが、次は土地収用法ではなくして地方自治法ということを想定しているでしょう。地方自治法を適用することもあり得るかどうかを聞いている、法的に。
  250. 池田行彦

    ○池田国務大臣 私は「原」でございませんけれども「田」でございますから、近いところじゃないかと思います。  それで、先ほど来委員御指摘の問題でございますが、私どもも明年の更新期を控えまして、何とか御理解をちょうだいしながら円満な解決に持っていきたいということで取り組んでおるところでございます。そして、先ほど来先生いろいろなケースを想定されまして、法的にどうするんだというお話でございますけれども、私どもといたしましては何とか地元の地主の方々の御理解をちょうだいしたいし、この代行の問題につきましては、まず知事さんの方に沖縄における基地の必要性、そして防衛施設庁あるいは防衛庁全体としていろいろ考えているところをよく御説明申し上げ、御理解をちょうだいして円満に事務が進んでいくように、このように今取り組んでいるさなかでございますので、どうか、最終的にそれがうまくいかなかったらどうなるかという議論は今の段階では打ちかけと申しましょうか、そういうことにさせていただければと考える次第でございます。
  251. 上原康助

    上原分科員 そこまでおっしゃるなら、そういう期待を私も持っておきましょう。しかし、現実は大変厳しい面があるということもぜひ御認識いただきたい。  そこで、これは今の防衛庁長官あるいは施設庁からの御答弁からすると、できるだけ話し合いでこの問題の解決を図りたい。少なくとも防衛庁としてあるいは内閣として、地方自治法を適用して強硬手段に出るというお気持ちはない、こういう認識で、理解でいいのかどうか、この点は大臣にもう一度確認をしておきたいと思います。
  252. 池田行彦

    ○池田国務大臣 先ほども答弁申し上げましたとおり、私ども今の段階では何とか御理解をちょうだいして円満に物事を運んでまいりたい、このように考えている次第でございますので、現段階で強硬手段というようなことを考えているわけではございません。
  253. 上原康助

    上原分科員 どういう接点というか相互理解が得られるかは私もわかりませんが、基地問題というのは一筋縄にいかない面はわかります。さりとて、既に復帰二十年、戦後四十数年たって、なおまた法律を、特別措置法なり土地収用法あるいは地方自治法を盾に強固に基地を確保していくという手法ややり方はぜひとっていただきたくない、このことを強く注文をつけておきたいと思います。この点はきょうはこの程度にして、今後の防衛庁防衛施設庁あるいは県当局、関係者の動向も見ながら我々も対処していきたいと考えております。  そこで、こういう問題とも関係があるわけですが、具体的なことで一、二点お尋ねしますが、読谷飛行場の問題。  この飛行場における米軍パラドラ訓練は、過去幾多の事件、事故を引き起こしている。つい最近も、民間地域にパラシュートのミス降下があって大きな問題になっております。もう何回もお尋ねしてまいりましたし、また政府もそう答弁したし、ここはパラドラ訓練をするには危険である、狭い、不適切であるということを米軍高官でさえ認めているのです。  そういう前提があって、一九八〇年十月の日米合同委員会において、パラドラ訓練を移設する特別作業班が施設特別委員会のもとに設置されたはずなんです。あれから十年経過しても、いまだに移設さえも実現し切れない状況で、住民の不評と不満と絶えずトラブルを起こしている。だから先ほどのような問題も起きるのですよ。一体、この降下訓練所としての読谷飛行場の移設あるいは返還ということについて、可能性があるのか、いつまでにできるのか。十年ですよ、もう十年以上たっている。ひとつ明確にしてもらいたい。
  254. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  パラシュート降下訓練機能の移設につきましては、先生御案内のとおり飛行場からの距離とかあるいは地形、広さ、代替地周辺住民の方々の御意向等、広範な観点からの検討が必要でございまして、これらを踏まえましてただいま慎重に検討を行っておるところでございますが、委員御指摘のとおり、相当な期間を要してなお結論が見出し得ておりません。非常に申しわけなく、また残念なことでありますが、今後とも鋭意努力を続けてまいりたいと思っております。
  255. 上原康助

    上原分科員 あなた、岩の上にも三年とか石の上にも三年という言葉があるが、十年ですよ。慎重に検討して鋭意努力している、いつまで同じことを言っているのですか。大の男がしょっちゅう同じことを聞いて同じ答弁を聞くのは嫌ですよ。それは無理があるのでしょう、皆さんの計画に。十年たってもできないというのは。こういう行政のやり方というのはもう我慢できないんですよ、池田長官。できなければできないで、なぜできなかったか明らかにすべきです。できるようでできないようで十年も引きずって、いまだに慎重に検討している、鋭意努力している、もう冗談じゃないですよ。これは可能性があるの、ないの、どうなの。
  256. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  可能性につきまして厳しい御指摘でございますけれども、私ども、今の段階でまだその成果も得ておりませんし、あるいは具体的なめどもつけているわけではございません。可能性の問題につきましては少し答弁を控えさせていただきます。
  257. 上原康助

    上原分科員 そうなると、可能性がないと否定的にならざるを得ないのです。だから、沖縄で移設を求めて基地の整理統合をするとか縮小するというのは、しょせん無理なんですよ。あの狭い地域でそんな厄介なものを引き受けるところがありますか。だからみんな反対してやめなさいと言っているのです。都市型訓練所しかり、そんな可能性もあるかないかわからないものに今までたくさんの移設費、予算を使っている。これこそ行政の怠慢であり、ある面では、言葉は悪いかもわかりませんが、県民への裏切り行政ですよ、そういうのは。十年たってもできない。十一年目になった。 そこで、しかしこれはぜひやってもらいたい。既に読谷村は、飛行場が返還された際には跡利用計画も、立派な地域開発計画を立てているわけでしょう。こういうことぐらいやってもらわぬと、さっきの問題だってこれは長官だめですよ。余りにも軍事優先というか安保優先というか基地優先の、外務省もそうなんだが、施設庁も防衛庁もそうなんだ。  そこで、これはもう一遍確認をとっておきたいわけですが、一九七九年の六月には、当時の三原沖縄開発庁長官が、地元の事業計画等が出されたなら、政令の改正等を講ずる、大蔵省とも責任を持って折衝する旨の答弁をしています。こういうことはまだ有効性があると見ているのか。我々はそう理解しているがどうですか。防衛施設庁はどう思いますか。
  258. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  五十四年六月一日、参議院の沖縄特別委員会、沖特で三原先生がそのような御答弁をなさったということは承知しております。
  259. 上原康助

    上原分科員 あなた、承知しているというのはただわかっているというだけでしょう。私が言っているのはそれは有効性があるのですねと。跡利用計画はちゃんと立ててやっているから、皆さんは難しいかもしらぬ、僕はこれは不可能ではないと見ているのです、ネバーギブアップなんです。皆さんが不可能と言っても、我々は不可能とこれはそう認めるわけにいかぬ。だから、そういうことがあったという前提で移設をやり、跡利用をさせていく方向性というものは、今でも有効性ということがあるのかどうか、認識を改めて明らかにしておいていただきたいということです。  さらに、時間がないからついでに言います。  一九八六年の二月には、当時の中曽根総理が、しかも坂田衆議院議長あてに、読谷村内の国有地については、沖縄振興開発にとって貴重な財産考えられるので、その利活用に当たっては地元の土地利用構想を尊重しつつ沖縄振興開発特別措置法の趣旨を踏まえて対処してまいる所存、こういう報告がこれもなされているのです。  大臣、このようにこれはいろいろないきさつがあって今まで以上に難しい。だが、難しくてもやらなければ、解決しなければいかぬ課題なのです、これは沖縄にとっても読谷村にとっても我々にとっても。これは、皆さんや防衛庁政府だけの政策判断あるいは政策の優先順位で、地域を五十年近くも無視されるというのは、これは民主主義ではない、政治ではない。この時点で私がなぜこれを持ち出すかというと、こういうことを節々で強調しておかないとみんな忘れてしまうのです。それは余計にたまらぬ、我々地元の者として。そういう意味で、先ほどの問題もありますが、特に、読谷村の問題であるとかあるいは那覇軍港とか私の地元の嘉手納マリーナの返還問題等等については、もう一度真剣に防衛庁としても取り上げて、外務省、政府全体で基地の整理縮小、返還ということに本当にまじめにやっていただきたいと思うのですが、最後にひとつお答えをいただきたい。
  260. 池田行彦

    ○池田国務大臣 お答え申し上げます。  ただいま先生指摘の読谷の問題でございますが、これが今日まで長期間検討したにもかかわらず解決の方途を見出せないというのは、私どもとしても本当に残念なことだと思っております。  しかし、それは逆に申しますと、それだけ難しい問題があるということだと思うのでございます。ただいま先生、ネバーギブアップという言葉をおっしゃいましたけれども、私どもといたしましても、今後とも双方の要請と申しましょうか、地元のいろいろなお考え、御希望、そしてまた政府として基地をお願いしなくてはいけない、その双方の要請の折り合う地点を求めて、真剣に努力してまいりたいと存じます。
  261. 上原康助

    上原分科員 もう終えますが、施設庁も、土地を召し上げることだけに熱中せぬで、返すことも、約束したことは守るように、ひとつもう少し効果のあるお仕事をやるように強く注文をつけて、終えます。
  262. 魚住汎英

    魚住主査代理 これにて上原康助君の質疑は終了いたしました。  次に、谷村啓介君。
  263. 谷村啓介

    谷村分科員 陸上自衛隊日本原駐屯基地に関連して若干お尋ねをいたしたいと思います。  最近の世界のデタントの方向については大臣御存じのとおりでございますけれども、岡山県におきましても、自衛隊の基地を持っておるわけでございます。この基地は岡山県の勝田郡奈義町というところにございますが、大変肥沃な山林原野でございましたけれども、これを農民の手から取り上げまして、広大な土地を占有していることは御承知のとおりであります。日本原駐屯地と称して、演習の場としての利用を今でも続けておるわけでございますけれども、この現在の人員あるいは火砲等規模はどの程度なのか、まずお答え願いたいと思うのであります。
  264. 小池清彦

    ○小池政府委員 お答えいたします。  人員といたしましては、一日平均約四百人ぐらいでございますが、使用いたしております。使用日数は年間約二百三十日ぐらいでございます。それから装備でございますが、七四式戦車、六一式戦車、八十四ミリ無反動砲、八十九ミリロケット発射筒、六四式対戦車誘導弾、重機関銃、機関銃、小銃、以上が平成元年度におきまして射撃を行った装備でございます。このほかに、射撃はやらないわけでございますが、装甲兵員輸送車あるいは百五ミリりゅう弾砲、百五十五ミリりゅう弾砲、高射機関銃、それからドーザー等の施設用の車両、それからトラック等の一般の車両、それからヘリコプターHU1、あるいはヘリコプターOH6、そういったものが使っておる装備品でございます。
  265. 谷村啓介

    谷村分科員 この日本原駐屯地で行われる演習の目的と演習の具体的な内容について御説明願いたいのであります。
  266. 小池清彦

    ○小池政府委員 まず、この日本源演習場を使いまして演習をいたしております部隊でございますけれども、これは中部方面隊に所属いたします第三師団、第一三師団、第二混成団、第四施設団、第二教育団、そういったところの隷下部隊が使用いたしております。  やっております訓練でございますけれども、やはり私、自分なりに分類してみますに、大きく分けで射撃の訓練と射撃以外の訓練ということになろうかと思います。射撃の訓練につきましては、ただいま申し上げましたような七四式戦車、六一式戦車等が射撃を実施しておりますし、それ以外の射撃でない訓練では、大体、連隊戦闘団規模の訓練演習のできる演習場でございます。そこでいろいろな連隊規模の訓練あるいは大隊規模の訓練、中隊規模の訓練あるいは小隊規模の訓練、そういったことをやるわけでございます。それからヘリコプターの離発着訓練などもいたしますし、施設機材を使っての訓練でございますとか、あるいはもちろん通信訓練なども行いますし、これはちょっと訓練の細かいことになりますが、築城訓練でございますとか、そういういろいろな連隊戦闘団規模の部隊の行う多くの訓練をやっておる次第でございます。
  267. 谷村啓介

    谷村分科員 そういう訓練が行われておる中で、特に問題は実射訓練ということですね、実弾ですね。これもやっておるのですか。
  268. 小池清彦

    ○小池政府委員 ただいまお答えいたしましたように、実弾を撃つ訓練はいたしております。
  269. 谷村啓介

    谷村分科員 そういうような実射訓練、実弾射撃といいますか、そういう演習が周辺の地域と住民に与えている影響というものは大変大きいわけでございますし、後で触れますけれども、こういう実射訓練というもの、実弾射撃というものが、周辺の地域と住民にどういうふうな影響を与えているか、この点についての御認識をお聞かせ願いたいのであります。
  270. 小池清彦

    ○小池政府委員 この日本原演習場におきましては、ずっと以前から地元の方々の御理解をいただきながら射撃をさしていただいている次第でございまして、かつてトラブルが起きたことがあることも私、承知いたしております。そういうことがあるたびごとに、私どもといたしましては、地元の方々の御理解を第一に考えまして、いろいろ御相談を申し上げながらやってまいったと認識いたしております。
  271. 谷村啓介

    谷村分科員 この実弾を使っての実射訓練を行う際の着弾地の背後に、ヒノキの民有林等があることを承知していらっしゃるのか。
  272. 小池清彦

    ○小池政府委員 着弾地の背後が急に険しい山になっておりますので、先生御承知のことと存じますが、その背後の山の斜面を保安用地といたしまして借り上げさせていただきまして、そして弾着地点はそこにはないのでございますけれども、利用させていただいております。なお、射撃をいたします際には、そこは立入禁止区域、保安用地でございますのでそのようにさしていただいている次第でございます。
  273. 谷村啓介

    谷村分科員 今御説明ございましたけれども、このヒノキ林は民有林ですね。今おっしゃったようにそうでございますが、地域の農民にとっては林木を生産、育成する大切な作業場であることは、もう言うまでもありません。また、採草地としての利用を保障する入会権を奪われて以来、伝統的な畜産も失った農民にとって、かけがえのない山の利用、林産資源の蓄積の場でもあるわけであります。このような土地に隣接する場所を試射の着弾地とすることにはやはり問題があるように私は思えてなりませんし、そういった意味でいろいろな問題が実は起きておるわけですが、その点についてはいかがでしょう。
  274. 小池清彦

    ○小池政府委員 この日本原演習場につきましては、西射場という部分と中央射場という部分があるわけでございますが、ただいま先生おっしゃいました件は恐らくこの中央射場に絡んでの話ではないかと思います。これにつきましては経緯があることでございますので、ちょっとそもそもの話から申し上げさせていただきたいと存じます。  話は昭和六十三年一月にさかのぼります。昭和六十三年一月にこの演習場に隣接をいたします防衛庁が借り上げた保安用地、ただいま先生がおっしゃった保安用地でございますが、ここから戦車弾の破片が発見されたわけでございます。弾着地はただいま申し上げましたように、防衛庁の借り上げ地でない防衛庁固有の演習場の中にあるわけでございますが、その弾着地の先へ行ったあたりに戦車弾の破片が発見されたわけでございます。  そこで、地元の部隊といたしましては、この演習場の中央射場における戦車の射撃訓練を中止いたしました。しかる後に、地元の奈義町当局と御相談をいたしまして、地元の方々の立ち会いのもとに試し撃ち、調査のための試射を実施することになりました。その試射の目的は、その弾着地のところに停弾堤があるわけでございますが、その手前の方にもう一つつくってはどうだろうというようなことで新しい停弾堤をつくったりいたしましたその効果を調べることと、それからその破片が保安用地の方に出ることがありますような場合に、それがどれぐらいの範囲に散らばるものであろうか、そういうことを調査する目的を持ちまして、地元の奈義町当局と御相談の上、地元の方々の立ち会いの上でその試射を実施してまいったわけでございます。  今回までに四回実施をいたしました。これは全部戦車がやったわけでございます。第一回は、平成元年九月二十五日にやりまして六十発。第二回が、平成元年十一月二十八日に行いまして五十発。第三回が、平成二年六月十八日に行いまして五十発。そして最近の平成三年二月二十日から二十一日にかけまして、このときには六一式戦車が七十五発、七四式戦車が五十発というふうに試し撃ちをやったわけでございます。  その結果、第一回の平成元年九月二十五日の射撃では、保安用地に破片二十二個がある一定のエリアに散乱しておることがわかりました。第二回、第三回は、保安用地には破片の飛散は認められませんでした。そして、この間の二月二十日から二十一日にかけましての試し撃ちにおきましては、保安用地におきまして破片三十六個が発見された。そして必要のエリアもわかったわけでございます。  そこで、今後のことまで申し上げて恐縮でございますが、そういった保安用地における破片の広がりぐあいもわかりましたし、停弾堤の効果等も明らかになってまいりましたので、その辺を踏まえまして、今後のことにつきましては、奈義町当局あるいは地元の方々とよく相談してまいりたい、このように考えておるのが本日の状況でございます。
  275. 谷村啓介

    谷村分科員 今御説明をいただきましたけれども、そういう、何回も過去に民有地の方に破片が飛び出てくるという経験があります。それはその都度、まさに欠陥射撃場ではないかというような指摘も県民からございますし、何とか改良ができないものかというようなことも申し入れたり、あるいは中止をして、先ほどもおっしゃいましたような改善等も図ってまいられたことは、私どももよく承知をいたしておりますけれども、既にはやもう四回ぐらいそういう事故が、事故といえばおかしいのですが、付近の住民に迷惑をかけるというようなことが起きておるわけであります。今もお話がございました二月二十日、二十一日の射撃におきましてもかなりな破片が民有地へ飛び込んでくる、そういう状況であることは御承知のとおりだと思うのであります。私も現地へ行きましたが、こういうふうな大きいものが、これ現物なんですが、民有地の方に飛び散っておるのですが、非常に危険きわまりないということは私が指摘するまでもないと思うわけであります。このままこれからも今と同じような状況で、少々改善されてもこの危険というものはなかなか去らないというふうに思いますけれども、そういう点について一体どういう方針なのか、きちんと聞いておきたいというふうに思うわけであります。
  276. 小池清彦

    ○小池政府委員 民有地を借り上げまして、そこを保安用地として使わせていただいておるわけでございますが、先ほども申し上げましたように、六十三年一月に民有地を借り上げた保安用地から戦車弾の破片が発見されましたのを契機といたしまして、停弾堤等をつくった場合の効果のみならず、一体その保安用地の中のどの辺の、保安用地は大変広い山の斜面一帯全部借り上げさせていただいておりますし、その中で破片が広がる地域というものは、全部に広がるわけではございませんで、弾着地からしかるべき距離のところの一定のエリアに散乱をすることがございますので、どの辺に散乱するものであるかということも含めまして、地元奈義町当局と御相談の上で四回の調査のための試し撃ちをやってきたわけでございます。  その結果大体のことがわかりましたので、その保安用地の中の弾が広がる、破片が散乱する可能性のあるエリアの取り扱いも含めまして、今後奈義町当局あるいは地元の方々とよく御相談の上で、地元の御理解の上で、何とか射撃を続けていけたらというふうに私ども願っておりますが、そういう方向で今後地元の方々と調整してまいりたいと考えております。
  277. 谷村啓介

    谷村分科員 先ほどお示ししましたように、こんなものが飛び込んできたんじゃやはりかないませんよ。小さいものは持ってきていませんが、実は実物をいっぱい送ってきましたから持っているのですが、現実に住民のお気持ちになった場合には、そこで人身事故が実際起こらなかったからいいようなものの、もし万一そんなことが起きるとしたら実は大変なことなんです。ですから、今も御答弁にございましたが、何とか地元とよく話し合って、改善をしながらこのまま続けていきたいということ。やはり何回もの事故ですから、これ以上住民の皆さんに我慢しろよなんて、私どもなかなか言えませんよ。私どもそういった立場を実はとっておるわけですけれども、これからは絶対にこういうような事故がないんだということが保証できますか、その点お尋ねしておきたいと思うのです。
  278. 小池清彦

    ○小池政府委員 この中央射場で射撃をいたします場合の保安用地でございますけれども、ここは射撃をする場合には立入禁止ということになって、そういう条件のもとに借り上げさせていただいておりますので、射撃をするときにそこには人はおりませんので人身事故が起きるという心配はないわけでございます。しかし、確かに先生ただいまお持ちのそういうものが飛びますので、立ち木を傷つけるようなことは確かにあろうと存じます。その問題はその問題としてまた地元の方とよく御相談の上でやっていくべきことと存じますが、そういうことで人に傷をつける心配はないわけでございますが、しかし、ただいま申し上げましたようなこともございますので、地元とはよく御相談しながら何とか円満に、中央射場の方におきましても西射場の方と同様、将来射撃を行わせていっていただければというふうに願っておるわけでございます。
  279. 谷村啓介

    谷村分科員 一九八九年の四月の新聞、読売新聞でありますけれども、それによりますと、長射程用に新演習場をつくる、そういう発表がなされておりました。そしてまた同時に、駐屯地の統廃合というようなものも計画をしておる。その中で「長射程武器の実射が困難な演習場を廃止し、新たに別の演習場を取得、拡大する統廃合計画を進めていることが、」「明らかになった。次期防で陸目は「内陸持久・反撃」から、前方撃破・水際対処」へ戦略転換し、長射程武器を大量導入するが、そのためには」欠陥射場といいますか、そういったところを点検しながら駐屯地の統廃合を進めていきたい、こんな計画が発表されておるわけでありますが、こういうふうに、今までも御質問をいたしましたような、完全といいますか、少なくとも心配のない実射訓練場といいますか、そういうふうなものでない限り、今の時代ですから、このように発表されておるような方向で新しい演習場を求めて、問題のあるところは統廃合される、そういうことがこれから進みますかどうですか。
  280. 宝珠山昇

    ○宝珠山政府委員 お答えいたします。  先ほど御指摘平成元年四月の新聞でそういう報道がなされたということは承知いたしておりますが、日本原演習場について統合廃止というような計画を持っていることはございません。それから、その他の演習場につきましても統合廃止というのは承知しておりません。それから、長射程射場を取得する準備なりを行っているかということでございますれば、近年の火砲の性能向上に対応し得る射場をできれば取得したいということで、北部日本の地域で調査をさせていただいているところでございます。
  281. 谷村啓介

    谷村分科員 先ほどの質問に返りますけれども、こういうふうなたび重なる事故が起きておる日本原については当面どうなさるおつもりなんですか。今は中止しているんでしょう。
  282. 小池清彦

    ○小池政府委員 中央財場の方は中止いたしておりますが、西射場の方は使わせていただいております。
  283. 谷村啓介

    谷村分科員 中央射場をいつごろまで中止しているんですか。もう永久に使わないということですか、それとも、またさらに再開をするということなんでしょうか。
  284. 小池清彦

    ○小池政府委員 先ほども申し上げましたように、四回の試し撃ちが終わりましたので、これから奈義町当局あるいは地元の方々と御相談しながらやっていくということでございまして、いつから再開するとかそういうふうなことは現在ではよくわからない状況でございます。一にかかって、地元の当局の方々と御相談を進めていくということでございます。
  285. 谷村啓介

    谷村分科員 今も御答弁ございましたが、地元と十分な協議が調わない限り再開はしない、こういうふうに確認してよろしいですか。
  286. 小池清彦

    ○小池政府委員 私どもも地元の方々の御理解なくして演習場を使っていくわけにはいかないわけでございますので、地元の方々の御理解を得ながら、よく調整しながら進めてまいりたいと存じます。
  287. 谷村啓介

    谷村分科員 大臣せっかくいらっしゃるのでお尋ねしたいのですが、こういう事故が起きて、やりとりをお聞きになっておりまして御理解が願えておると思いますけれども、実は、そういう農民ですね、所有されている農民あるいは関係者等に、例えばこの二月の事故の際も、その後防衛庁として何らの弁明も謝罪もされていないですね。私の承知する限りそうなんですね。こういう際には、大きな事故ですから、しかも県民も非常は関心を持っている問題でもございますし、防衛庁として弁明あるいは謝罪ということは当然だと思うのですけれども、いかがでしょう。
  288. 池田行彦

    ○池田国務大臣 ただいまの質疑をお聞きしておりまして、例えば二月の事故とおっしゃいましたが、私は必ずしも事故というものじゃないんじゃないか。これは保安用地ということで借り上げをしている土地で、ある程度破片の飛散する可能性もあるということで、その飛散する範囲がどうかということ、それを町とも御協議の上、御相談の上でその調査のための試射をしたということでございます。そういうことでございますので、そういった調査を通じてさらに安全措置を講じていく、こういうことになろうかと存じます。  そういったことでございますので、通常、事故があった、だから防衛庁で謝罪をしろというケースではないかと存じますけれども、しかしいずれにいたしましても、やはり基地の使用につきましては、安全対策には万全を講じなければいけないわけでございますし、また、地元とは十二分に御理解を得た上で進めなければならない、こう考えております。そういった意味で、このケースにつきましては、地元の奈義町ともいろいろ御協議をし、御相談をしながら進めておるようでございますが、今後とも安全面についてはよく地元の御理解をちょうだいし、御相談しながらやってまいりたいと思います。
  289. 谷村啓介

    谷村分科員 これは全く別な問題でございますが、道路の問題についてちょっと触れてみたいと思うのです。  自衛隊の日本原駐屯地に関連する道路の問題について、一九六五年三月にこの日本原駐屯基地が設置されて以来、演習に伴う車両の移動等に使用する道路は、当初定められた県道勝央勝北線というのがございますけれども、一九七五年十月に御承知の中国縦貫自動車道が開通をいたしました。インターチェンジからおりて今は県道美作奈義線を利用し始めておりまして、演習時はもとより、平素の車両移動にも既定路線同様に通行されておるという事態があるわけであります。  関係町からそういったことについて大変困るという陳情等が出されておるわけでございますけれども、本線は県道ですから、その管理上の最高責任者は知事でありますことはもちろんであります。防衛庁としては、県知事にしかるべき手順に従って一定の手続を済ませた上の変更利用と考えますが、地理的に本線の中央部に位置する勝田町では、県からも国からも何らの通告を受けることなく、こうした道路の変更利用によるさまざまな犠牲を一方的に強いられて現在に至っているというふうな主張があるわけであります。  本線の中央部に当たる地域は勝田町にとっては心臓部とも言えるところであるだけに、日増しに増加する交通量に伴う危険度はまさに一触即発であります。調査してみますと、まず満杯のようでございますが、とりわけ、通勤、通学時におびただしい数の自衛隊車両の通行が重なる際は、幼稚園児、小中学生の通学、通園は極度の危険にさらされることとなっているわけであります。夜間のエンジン騒音も加わって、地域住民の忍耐は既に限界を超しておる、こういう陳情も出されておるところでございますけれども、これが実情でございますが、このような問題についてどのように承知されておるか、どう対処されておるか、お尋ねしたいわけであります。
  290. 小池清彦

    ○小池政府委員 御指摘の件につきましては、中国縦貫道ができまして以来、先生がただいまおっしゃいました道路の方を使うことも多くなったということは承知をいたしております。それで、勝田町の町議会が決議をされたということも承知をいたしております。そこで、私どももその実情を調べてみました。そういたしますと、昨年四月から十二月までに約三千四百台ほどがその県道を通っておりまして、一日に平均いたしますと大体十三台ほどでございますが、これは一日の平均でございまして、日によってかなり多数の車両が通行することもあるわけでございます。こうしたこともございますので、地元の勝田町当局、それから岡山県、それから現地の部隊で二度ほど会合を持ったようでございます。私どもといたしましては、その会合で現在調整が進められておりますので、地元の方々の御理解を得ながら対策を講じてまいりたい、このように考えております。
  291. 谷村啓介

    谷村分科員 時間が参りました。ありがとうございました。
  292. 魚住汎英

    魚住主査代理 これにて谷村啓介君の質疑は終了いたしました。  次に、草川昭三君。
  293. 草川昭三

    草川分科員 草川であります。  まず最初に、防衛庁のC130の出動問題についてお伺いをしたいと思います。  湾岸戦争に対する貢献策の一つだった避難民輸送のための自衛隊機派遣は、特例政令の執行論議が予算委員会でも議論されているところです。一方、第一線の当事者であるところの航空自衛隊小牧基地では、C130の出動の準備指令というのですか、正確な言葉は別といたしまして、一月の十七日開戦を機に海部総理のいわゆる派遣発言、あるいはまたその後長官のさまざまな指示が出ておるわけでありますが、ずっと今日まで部隊は緊張状況というのが続いているわけであります。それで、ついせんだってもいろいろと聞いてまいりますと、夜勤務体制というのですか、警備も通常とは違う夜勤の警備体制がしかれているというようなことでございまして、隊員も家族も極限状況にあるのではないか、こういうように思うわけであります。  そこで、長官に対して私要望したいのでありますけれども、今日のいろいろな諸情勢から判断をするならば、とりあえず私は解除指令というものを出してもいいのではないだろうか、こう思うわけであります。ただし、正式な解除指令ということになるとさまざまな問題も出てくると思うのでありますが、現地の状況の中における、例えば気をつけというならば休めという指示があるわけでありますが、その休めという程度の現地の指示があってもしかるべきではないか、こう思うのですが、その点どうでしょう。     〔魚住主査代理退席、新村主査代理着席〕
  294. 池田行彦

    ○池田国務大臣 お答え申し上げます。  委員御承知のとおり、今回の政令で対象といたしましたのは、イラクのクウェート侵略に始まる、そして今日までに至る湾岸の危機に伴って発生する避難民を対象としておるわけでございますので、湾岸地域における戦闘行為はただいま終わった姿になっておりますけれども政令の対象とします避難民輸送の必要な状態というものは我我はまだ現在でもその可能性は残っている、このように考えている次第でございますので、政令はもとよりのことでございますが、自衛隊輸送機の、何といいましょうか、派遣する可能性もある、その態勢も維持しなくてはいけない、こう考えておるところでございます。  さて、それにしても現地の準備の態勢を少し緩めたらいかがかという御指摘でございます。その点につきましては、私どもから準備指令を出しましたのは一月二十四日でございます。事前に若干の口頭の指令がございましたけれども、正式の指令は二十四日でございますが、それからいろいろ整備関係であるとか教育等も行いまして、そういうものも一応ピークが過ぎますと、その後それほどこの関係でいろいろな作業があるわけじゃございません。一応できるまでの準備をしたものをいわば維持しておくという姿になるわけでございますので、そういった意味では実態上いわばある程度の緩やかな姿にはなっておるかと思うのでございますけれども、そういったことを反映いたしまして、C130による通常の業務と申しましょうか、任務といいましょうか、そういったものも順次やっておるところでございます。そういったことでございますので、具体的に命令を云々ということはございませんでも、実態的には可能な範囲でそういった緩やかな態勢にはこれまでもなっていると思いますし、これからも必要性をよく見ながら考えてまいりたいと存じます。  それから警備員の関係などは、これはどうなんでしょうか、平素でも夜間の警備なんかやっていると思いますけれども、それが特に今加重された姿になっているかどうか私もつまびらかにいたしませんけれども、いずれにいたしましても、そういったものも必要性との関係判断していくべきものだ、このように考えております。
  295. 草川昭三

    草川分科員 要するは一月中旬、下旬のような緊張状況ではなくて緩めているというように理解していい、こういうことでございますか。そこだけ一つ念を押しておきます。
  296. 池田行彦

    ○池田国務大臣 おっしゃるとおりでございます。
  297. 草川昭三

    草川分科員 じゃ第二問に移ります。  愛知県の春日井市高蔵寺というところがあるわけですが、ここに住宅公団の大きな団地があるわけでありますが、その計画概要、進捗状況及び今後の方針について建設省の方から答弁を願いたい、こう思います。
  298. 板倉英則

    ○板倉説明員 高蔵寺ニュータウンにつきましては、名古屋市中心部から北東約十七キロの位置にあるわけでございますが、施工面積が約七百二ヘクタールのニュータウンでございます。昭和三十七年は住宅・都市整備公団の前身でございます当時の日本住宅公団が土地区画整理事業に着手いたしまして、昭和五十六年五月、換地処分の公告を行ったところでございまして、一応事業の区切りはついているところでございます。
  299. 草川昭三

    草川分科員 団地全体の人口はどの程度か、お伺いしたいと思います。
  300. 板倉英則

    ○板倉説明員 計画人口が八万一千人、それから現在の居住人口でございますが、平成三年一月一日現在で五万九百三十一人でございます。
  301. 草川昭三

    草川分科員 今答弁がありましたように約六万名近い団地でありますが、その隣に航空自衛隊第四補給処高蔵寺弾薬基地、こういうのがあるわけでありますが、その基地の面積、隊員数、弾薬庫の規模あるいは弾薬の種類、保管量、なるべく詳しく、差し支えのない範囲でお答えを願いたい、こう思います。
  302. 宝珠山昇

    ○宝珠山政府委員 お答えいたします。  航空自衛隊第四補給処高蔵寺支処と呼んでおりますが、春日井市に所在しております。基本的な任務は、航空自衛隊の保有いたします各種の弾薬の保管であります。この面積は約百十三ヘクタールでございます。所属する隊員数は約二百人でございます。弾薬庫の庫数は二十六棟でございます。これは航空自衛隊の保有します誘導弾、ロケット弾、機関砲弾、小銃弾などの弾種を保管しております。その保管量については、事柄の性質上、答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
  303. 草川昭三

    草川分科員 これは誘導弾ですから、ミサイルだとかサイドワインダーなんかも含むのでしょうね。それをお願いしたいと思います。  一応通産省の許可基準というのがあると思うのでありますけれども、そういう許可に対して一々とっているのかどうか、あるいは住宅地がふえてきますと、それに応じて保管量を減らすというようなことをやられているのかどうか、お伺いしたいと思います。
  304. 宝珠山昇

    ○宝珠山政府委員 御指摘のように住宅地が接近するというようなところがございまして、この付近にございます弾薬庫については使用制限あるいは保管をしないというような措置をいたしております。その他は基準を満足するものであります。
  305. 草川昭三

    草川分科員 略称高蔵寺弾薬庫というような言い方をいたしますけれども、これは日本では航空自衛隊の唯一の弾薬庫だ、こういうように聞いておるわけですが、これは間違いないのですね。――では、そのとおりだと思います。その基地の隣は、先ほど来から私が指摘をしておりますように、日本でも有数の住宅公団の団地になっておりまして、今後も住宅地として相当発展をするところだと思うのです。  これは建設省にお伺いをいたしますが、保安距離というのがあると思うのでありますけれども、一体これは住宅団地としての通地であるかどうか、お伺いしたいと思うのです。
  306. 板倉英則

    ○板倉説明員 高蔵寺ニュータウンの土地利用につきましては、開発の当初から、隣接した弾薬庫用地を含めた一体的な開発を予定して計画が策定されているところでございまして、現在、住宅・都市整備公団と防衛庁との間で用地の買い取りにつきまして協議が進められているものと承知しているわけでございますが、当該弾薬庫につきましては、防衛庁におかれまして適切かつ安全に管理されていると私どもは伺っているところでございます。  なお、弾薬庫がニュータウンに隣接していることはどうかというお尋ねでございますが、一般論といたしまして、土地利用から見まして好ましいとはなかなか言いにくいと考えている次第でございます。
  307. 草川昭三

    草川分科員 そのとおりだと思うのです。  今度は防衛庁にお伺いをいたしますが、防衛庁として、適切な移転先があるならば移転をするという考え方は持っておみえになるのか。今建設省の方からも答弁があったわけでありますが、改めてお伺いをしたいと思います。
  308. 宝珠山昇

    ○宝珠山政府委員 その前に、先ほど高蔵寺支処は唯一の弾薬庫かという御質問がございましたが、現在のところ、そのとおりでございます。しかし、継戦能力向上の観点から弾薬の備蓄を進めているわけでございますが、近い将来、北部日本に同様の弾薬庫を建設したいということで、今準備を進めております。  適当な移転地があれば高蔵寺の支処を移転する考えはあるかということでございますが、先ほど来建設省の方からお話がございましたような、住宅・都市整備公団が進めておりますニュータウンの用地とするということで、昭和三十六年から、防衛庁に対して、移転をし、その跡地を利用できないかというようなお話が来ております。ただ、先ほど来ございますように、これにかわる弾薬庫はないわけでございまして、近くには、小牧基地でありますが、幹線空輸基地があるわけでございます。そういう交通の便から考え、周辺が市街化したからといって、すぐどこかに移転しましょうというわけにはなかなかまいらないわけでございます。しかし、機能を代替する適切な用地、施設などが取得できますれば移転を検討するということは、高蔵寺に限らず、基本的な考え方でございますので、今その方向で事務的な勉強をさせていただいているところであります。
  309. 草川昭三

    草川分科員 建設省の方は、これは住宅公団の意思ということでいいと思うのですが、将来計画に、一体的な考えで開発をしたい、こういうことを言っておるわけですから、双方がテーブルにのるというような感じになります。もしこの移転先がうまく見つかり、了解を得るとするならば、例えばこれは会計上は、俗に言うところの特特会計というのですか、特定国有財産整備特別会計、こういうもので行うことになるのかどうか、お伺いをしたいと思います。
  310. 宝珠山昇

    ○宝珠山政府委員 移転する場合の会計処理の問題でございますが、まだいろいろ問題がございまして、特に旧軍の未登記財産などの問題がございまして、その整理をとにかく早く進めたいということでかねてから努力しておるところであります。そういう問題もございますので、特特会計にすることを含めて関係機関と調整してまいりたいと思います。
  311. 草川昭三

    草川分科員 今、旧軍時代の未登記があるという答弁でございましたが、これはたしか昭和十四年ごろ、旧陸軍省が民有地を買収したということから始まり、陸軍兵器補給廠の施設として発足したと思うのですけれども、この国有地の中に旧軍の未登記土地が現在どの程度あるのか、それから何件ぐらい残っておるのか、その実態をなるべく詳しくお伺いしたいと思います。
  312. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  高蔵寺支処に所在いたします旧軍未登記財産は、合計二十一筆、約三万七千平方メートルでございます。
  313. 草川昭三

    草川分科員 それで、二十五件ほど、名義人というのですか、これがいると言われておりますが、その名義人の説得はうまくいっているかどうか。それからもう一つ、その名義人も、今私は二十五件と言いましたが、当時、昭和十四年なり十六年なりだと思いますけれども、買収したという挙証資料があるのかないのか、その区分けをお伺いしたいと思います。
  314. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  高蔵寺支処に所在いたします旧軍未登記財産は、旧軍が買収により取得した土地のうち国への所有権移転登記の事務手続が未了となっておるものでございます。これらにつきましては、当庁といたしましては、現在までに五十七筆、約三万六千平方メートルについて、登記名義人の方々の御協力を得て、国名義に所有権移転登記手続を完了いたしておりまして、現在、先ほど申し上げましたように、二十一筆、約三万七千平方メートルが登記手続未了となっておるものでございます。  これらの未登記財産は、高蔵寺支処の他の土地も含めまして戦後一括して大蔵省に引き継がれまして、以降四十数年間にわたって平穏かつ公然に国が管理し、現在、航空自衛隊第四補給処高蔵寺支処の一部として使用させていただいておるものでございまして、国有と承知いたしておりますけれども、挙証資料については確実なものがあるわけではございません。
  315. 草川昭三

    草川分科員 これは古い歴史があることですからどうのこうの申し上げませんが、私どもが聞いた範囲では、名義人のうちでも、公図上に地番が明らかになったのが六筆、それから公図上にまるっきりない、名義人の名前はあるのだが何番地というのが特定されないのが二十一筆あるというふうに聞いております。俗に言う幽霊ですが、その幽霊の土地の名義をどのように変更していくのか、これは大変難しいことになると思うのですけれども、この六筆と二十一筆に分かれておるという事実だけ確認しますが、そのとおりかどうか、お伺いしたいと思います。
  316. 宝珠山昇

    ○宝珠山政府委員 公図上で明らかになっておりますのが六筆でございます。それから、公図上明らかでないものが十五筆でございます。
  317. 草川昭三

    草川分科員 今度は大蔵省にお伺いをしますが、要するに戦前からずっと今日まで名義人がそのままになっているというのを放置してきた責任は、それは今使っている防衛庁にも責任がありますけれども、そもそもこれは大蔵省の財務局になるのではないかと思うのですが、その点大蔵省はどのように把握しているのか、お伺いしたいと思います。
  318. 佐藤武

    佐藤(武)説明員 お答え申し上げます。  御指摘の高蔵寺弾薬庫用地内の旧軍未登記財産の処理でございますが、現に本地を管理していただいてございます名古屋防衛施設支局において対応してきていただいております。ただ、現地の東海財務局といたしましても、適時同支局と連絡をとりながら処理の促進に協力していくということでございます。  挙証資料が非常にないということでございますので、登記名義人あるいはその相続人との交渉に粘り強く当たってきたわけでございまして、引き続き説得に努めて円満解決を図りたいというふうに考えております。
  319. 草川昭三

    草川分科員 かかる名義人の変更というのは、これは国の財産ばかりではなくて、旧国鉄の土地をJRに転換するあるいは清算事業団に転換する場合にもあるわけでありますから、その御苦労はわかるわけでありますけれども、さりとてすっとこれがあしたなり半年先に了解というわけにはいかぬと思うのですね、名義人といっても亡くなった方が多いわけでありますし、その二代、三代というところに来ておるわけでありますから。月日がたてばたつほど名義人の変更というのは難しいと一般的にも言われておるわけでありますが、旧名義人の名義をそのままにして、先ほど建設省の方もある程度の一体開発をしたいと言っておるので、何か住都公団の方に引き継ぐようないい方法はないのかどうか知恵を出したらどうか、こう言いたいわけですが、その点どうでしょう。
  320. 宝珠山昇

    ○宝珠山政府委員 移転の可能性の検討の一環として、御指摘のような方法が可能かどうかを法律系統の関係機関を含めて勉強させていただいているところでございます。
  321. 草川昭三

    草川分科員 これは建設省にもお伺いをしますが、建設省としては、住宅・都市整備公団としてはあれだけ大きい土地があるわけですから、一体開発をしたいという希望がある、しかし瑕疵というのですか、きずがある、しかし放置をすると、きれいに片づけてもらわないと住都公団としても買えないよという突っ張り合い、になっておるかどうかは別ですが、言葉を名義上突っ張るということになりますと、私はこれはなかなかうまく進まぬと思うのですね。私はなぜこの問題を取り上げるかといいますと、きょう私はあえて名前を申し上げませんけれども防衛庁の方も当然のことながら新しい弾薬庫の移転先というのは探してみえると思うのです。ある程度我々もそれは承知をしておるわけでありますけれども、その移転先の方が一たんいいですよというような内示をしていたとしても、月日がどんどんたってきますと、受け入れ先の方も代がかわっていくわけですから、昔はそういうことを言ったんだけれども、一向にその話が進まないならもうほかの方にしますよとか、今さら来てもらっても困るよというようなことにもしなってしまったとするならば、これは今のままの現状が残るということになるわけであります。しかも、愛知県の春日井市というのは未来都市でありまして、名古屋の大ベッドタウンでありますし、ここの住宅・都市整備公団というのは非常に立派な公団でありますから、希望者というのですか、非常にニーズが高くなるわけでありますから、昔からの、戦前からの弾薬庫が残るということは決して好ましいことではない。だからそれを急げということを私は言いたいためにこの問題を取り上げておるわけであります。  そんなことも含めて、建設省の方はどのようにお考えになっておみえになるのかお伺いをしたい、こう思います。
  322. 板倉英則

    ○板倉説明員 高蔵寺弾薬庫用地の買い取りにつきましては、先ほども答弁いたしましたが、高蔵寺ニュータウンの開発の当初から一体開発を予定しまして、かねてより住宅・都市整備公団と防衛庁の間で協議を重ねてきたところでございます。住宅・都市整備公団におきましては、土地利用計画並びに事業採算性等につきまして検討いたしまして、公団の考え方を御提示申し上げ、防衛庁との間で鋭意協議を進めているところと承知いたしております。
  323. 草川昭三

    草川分科員 今、鋭意協議中だとおっしゃいますので、そういうことも含めてぜひ知恵を出して対処をしていただきたいと思うわけであります。  そこでもう一つ、これは老婆心ながら申し上げるわけでありますが、旧国鉄の土地をJRなりあるいは清算事業団に引き継ぐ場合に、こういう未登記の土地というのは二百筆ほどあるのだそうです。それで、中には固定資産税を払っている人もいたんだそうですが、今回の場合はないというお話でございますが、もし中に、名義人の方が他に転売をされるというようなことになりますとこれは大変なことだ。そういう事例が国鉄の場合はあるわけでございますので、そういうことに対して、私は法律的にどうのこうのということをあえて申し上げませんけれども、一定の配慮をしておみえになるのかどうか、老婆心ながらお伺いをしたいと思います。
  324. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  当庁といたしましては、未登記財産の処理につきましては、従来から登記名義人あるいはその相続人の方々とお話し合いをさせていただきまして、円満な解決を図ってきているところでございます。今後とも円満な解決を図ってまいる所存でございますが、先生指摘のとおり、私どももその辺のことが幾らかやはり懸念にはなっているわけでございます。
  325. 草川昭三

    草川分科員 ぜひ足しげく説得をされるというのですか、お願いに行くというようなことを一生懸命やっていただいて、そして円満な解決を早急に図っていただいて、移転問題の促進をしていただきたい、こう思います。  そこで最後に、これは長官に、私どもの今の一つの提言も含めた今後の決意というようなもの、考え方というものをお示し願いたい、こう思います。
  326. 池田行彦

    ○池田国務大臣 ただいまの質疑をお伺いしておりまして、代替施設の確保等、またいろいろ条件と申しますか前提があるようでございますけれども、方向といたしましては、私どもはその条件がクリアされれば先生指摘の方向で進めていくべきものと考えております。  そういった意味におきまして、住都公団あるいは建設省、大蔵省その他関係機関ともよく協議いたしまして、この問題の解決の方途を見出す努力を早めるように事務方にもそう指示してまいりたい、このように考えます。
  327. 草川昭三

    草川分科員 ぜひお願いをしたいと思います。  そこで、あとわずか一分か二分でございますので要望でございますけれども、名古屋空港と小牧の基地との関係について申し上げておきたいと思うのであります。  現在、名古屋空港というのは、日本の国内におきましても非常に注目をされている飛行場でございまして、外国からも国際航空路線の申し込みが大変たくさん殺到してきております。それで、平成三年以降に新規開設希望も何社かあるわけでありまして、問題は夜間駐機場が非常に不足をしているわけであります。そこで、反対側の防衛庁が管理をしてみえる土地にも駐機場を、せめて夜間の駐機ぐらいはすることができないだろうかというような要望もあるわけであります。もちろん運輸省の方はそういう小手先細工のお願いではなくて、運輸省として約十ヘクタールの土地の開発を今やっておるわけですが、なかなかこれもうまくいきません。そういう意味では、ぜひこの駐機場の、せめて夜間の駐機等についてまた御協力願いたいというような要望も実は地元にあるわけでありますので、そのことだけ申し上げて、時間が来たようでございますので終わりたい、こう思います。  どうもありがとうございました。
  328. 新村勝雄

    新村主査代理 これにて草川昭三君の質疑は終了いたしました。  次に、鈴木喜久子君。
  329. 鈴木喜久子

    ○鈴木(喜)分科員 私は、昨年の第百十八国会のときに、防衛庁が現在の港区から新宿の市谷駐屯地の方に移転するという問題について、やはりこの分科会で質問をいたしました。それに続いて、現在またこの問題を質問させていただきます。  そのときに伺いましたのでは、施設の整備は昭和六十三年度から平成七年度まで八年計画ということで進められるというふうに伺いましたけれども、その後の計画についての変更、その他の経緯をあらかた教えていただきたいと思います。
  330. 宝珠山昇

    ○宝珠山政府委員 防衛庁本庁庁舎の移転等に関しまして、平成二年度から本工事に着手しているところでございます。今御指摘のございましたように、平成七年度までの八カ年計画を基本にして進めております。  現在までに、市谷地区につきましては、文化財の試掘調査を終わりまして、本格的な発掘調査を開始すべく準備を東京都、文化庁等と調整しているところであります。施設につきましては、移転することになりますものを移すための仮設の工事などを今進めるべく検討いたしております。十条地区については、地元との調整を進めております。目黒地区につきましては、貯水池がございますが、その水抜き工事などを始めております。これらを待って施設解体工事などの契約に進みたいという考えであります。朝霞地区につきましては、本工事をかなり大きく見積もっておりますが、文化財等の手続を終えまして仮設工事に着手すべく、それからその他の各種建設物についての契約を進めるべく準備を進めております。大宮地区につきましては、文化財についての調査をほぼ終わった段階でございまして、これから仮設工事その他庁舎等の建築契約の方にかかりたいというところでございます。霞ケ浦地区につきましては、約八十数%の契約を終えて、既に工事の一部が進んでいるというところでございます。  概要、以上でございます。
  331. 鈴木喜久子

    ○鈴木(喜)分科員 その計画の中の新宿の市谷駐屯地跡からの遺跡発掘について現在その試掘が終わり、本採掘というのですか、それをするところだということでございますけれども、これは大体市谷の駐屯地の敷地のどのくらいの割合を占めるところなんでしょうか。また場所でも結構です。位置といいますか、それでも結構でございます。
  332. 宝珠山昇

    ○宝珠山政府委員 市谷駐屯地の中で現在の建物を建設するときに掘り起こしたといいますか、既に掘ってしまっているところを除きますと、その他については大部分を行う必要があるという報告でございますが、その割合がどのくらいかといいますと、すぐにはわかりませんが、大部分掘らなければならないという理解でございます。
  333. 鈴木喜久子

    ○鈴木(喜)分科員 地元の新聞の報道によりますと、ここでは調査面積が一万九千平方メートルぐらいあるというふうに書かれています。そうしますと、その発掘調査をする期間も六年間ぐらいになるというような報道がなされているのですね。ここは、自衛隊の市谷駐屯地というのは尾張徳川家の上座敷跡で超一級の遺跡である確率が非常に高くなったというように報道がされているのですね。  そうすると、発掘調査に六年間かかるということが本当だとすると、建設の工事というものはかなりおくれてしまうのではないかと思うのですけれども、そのあたりはいかがでしょうか。
  334. 宝珠山昇

    ○宝珠山政府委員 先ほど割合がどのぐらいかということでございましたが、約七〇%ということでございます。現在、文化財の発掘調査については、先ほど申し上げましたように東京都教育委員会等を中心にして密接に発掘計画を協議中でございます。どういう根拠で五年とかいうのが出ているのかわかりません、そういう報道が一部なされたことは承知いたしておりますが、現在六年で終わるのか七年で終わるのかということについて明確にはまだできない状況であります。しかし、七〇%の用地をすべて発掘しなければ建設計画が全然進められないかというと、そのようには理解いたしておりません。計画的に発掘していただき、終わったところについては建設を進めさしていただきたいということで、今調整をいたしているところであります。
  335. 鈴木喜久子

    ○鈴木(喜)分科員 これは文化庁の方に伺いたいのですけれども、遺跡となりますと発掘その他に関してはいろいろな手続があると思います。今防衛庁のお話では、東京都の教育委員会の方といろいろと打ち合わせをされながらこれからの発掘をしていく計画を立てるというふうにおっしゃったのですけれども、文部省との関係、文化庁との関係というのはどのようになっているか。また、一般的に言って、こういう発掘をするときの手順といいますか、例えばそこを囲ってどのようにやっていくのか、ちょっと教えていただきたいと思うのです。
  336. 吉澤富士夫

    ○吉澤説明員 お答えいたします。  東京都教育委員会からの報告によれば、市谷駐屯地におきましては平成二年四月から五月にかけて新宿区の教育委員会によって行われた試掘調査によって尾張藩上屋敷の遺構と考えられる遺跡が存在していることが確認されたというふうに聞いております。この遺跡につきましては、さらに広範囲について遺構の確認調査を実施する方向で、現在、東京都教育委員会と防衛庁関係部局との間で具体的な調査方法等について調整、協議が行われているというふうに聞いております。  このようなことから、調査の方法、所要期間、経費などの額を現時点で想定するということは困難であり、これらについては今後確認調査の結果等を勘案しながら、東京都教育委員会と防衛庁当局で協議、調整して決めていくということになると思われます。
  337. 鈴木喜久子

    ○鈴木(喜)分科員 今これからのところで決めていかなければならないから具体的な期間であるとか、かかる費用はわからないとおっしゃるのですけれども、一般的に言って、私が今伺いたかったのは、まずそこを掘って、そこにあるいろいろな記念になる文化財を掘り起こして、その掘り起こした跡地、それをどのような形で置いておくのですか。よくテレビで吉野ケ里古墳なんかを見ますと、大きな穴を掘ったところをそのまま残してずっと置いておくのですけれども、重要な物をとってしまった跡を埋め戻すのか、それとも上屋敷跡というのですから、それを跡としてそのまま保存することにするのか、そういうことも具体的な場面で決めるのか、一般的にはどのような形で行われるのか、ちょっとその辺を伺いたかったのです。
  338. 吉澤富士夫

    ○吉澤説明員 工事を行う場合にはそのままにしておきますけれども、保存するという場合には一たん埋め戻します。
  339. 鈴木喜久子

    ○鈴木(喜)分科員 工事というのは建設工事のことを今言われたのですよね。建設工事を行うときはそのままにしておくけれども、一たん埋め戻してそのまま保存するということになる。そうすると、現在のこの工事についても、そうやってまた埋め戻してそれを保存するという可能性もあるわけでしょうか。
  340. 吉澤富士夫

    ○吉澤説明員 これから発掘調査が行われるわけでありますので、その調査結果等を見ながら、東京都教育委員会が防衛庁と協議して決めていくということになると思われます。
  341. 鈴木喜久子

    ○鈴木(喜)分科員 今のお答えも何となくぴたっとこないのですけれども、しかし、今おっしゃったのをそのままもう一度私なりに解釈しますと、東京都との間で決めていくことになると思いますということは、そういう可能性もあり得るということをおっしゃったのだというふうに解釈いたしますが、それでよろしいでしょうか。
  342. 吉澤富士夫

    ○吉澤説明員 そういうことはあり得るとは思います。
  343. 鈴木喜久子

    ○鈴木(喜)分科員 どうもありがとうございました。  そういうことがあり得るということになりますと、防衛庁の方に伺いますけれども、少しずつやりながら、またそこから工事を部分的に進行しながらということはなかなか難しくなるのではないかと思います。これは慎重に、工事の方をお考えになるというよりは、こういった貴重な文化遺産でございますので、その点は余り強引なことをなさいませんように、私ここに議席がある限り毎回出てまいりまして、この問題についてもどうなったかということをまた伺いたいと思いますので、その点どうぞよくよく御協議いただいて、そして文化財というものの保護ということに重点を置いた解釈をしていただきたいと思います。  こういう場合に幾らぐらい費用がかかるかということがまだわからないというふうに先ほど文化庁の方が言われましたが、この新聞によりますと、一部の報道ですが、この報道によりますと約百億円にも上ると書いてございます。この百億円というお金はいわゆる特特会計ですか、特定国有財産整備特別会計という中からは賄えないものだと思うのですが、いかがでしょうか。
  344. 宝珠山昇

    ○宝珠山政府委員 発掘費用が幾らかかるかということは、先ほど申し上げましたように、東京都の方と今協議中でございますので詳細は申し上げられる状況にございませんが、とりあえず平成三年度予算では約九億円の発掘調査費をお願いしているところでございます。  それから、この経費を特特会計で賄えないのではないかという御指摘でございますが、この九億円は特特会計の方で計上させていただいているところであります。これは、現在の地区にございます防衛施設の機能を移転することに伴う経費ということで理解をいたしております。
  345. 鈴木喜久子

    ○鈴木(喜)分科員 この点は、とても今の時間が短い中ではお話しし尽くせないところだと思いますけれども、特待会計というものは、前の施設を売って、その売り払ったお金でこちらの方に施設を移すんだ、そのことのために使うものであれば、設備等々、その建物なら建物を持ってくるために使うということならわかりますけれども、それにいかに関係があるからといって、遺跡発掘のことまでがその中で賄えるかどうかということになりますと、非常に疑問を感ぜざるを得ません。この問題はまた予算委員会等で問題になるところであろうと思いますのでこの程度にとどめますけれども、その点もお考えいただきたいと思います。  それで、この問題とともにもう一つ問題がありました。防衛施設庁の方に伺いたいのですが、市ケ谷地区環境調査報告書というものが防衛施設庁から出ているというふうに聞いております。これによりますと、大気汚染でありますとか騒音、振動その他いろいろの、十二項目ぐらいにわたりまして調査をして、環境に及ぼす影響というものを調査されている、その結果が出ているそういう報告書なんですけれども、これはどなたが、どういうところの機関が調べられて、どういう目的でおつくりになったものなんでしょうか、教えていただきたいと思います。
  346. 黒目元雄

    ○黒目政府委員 お答えします。  移転計画のうちの市谷地区に係ります施設整備につきましては、東京都の環境影響評価条例の対象事業に該当しませんけれども防衛庁としましては自主的に環境調査を行いまして、当庁として環境保全に万全の配慮をすること、そういうことを目的としまして、あくまでも防衛庁内部の検討資料として作成したものであります。これは東京防衛施設局が発注元でございまして、専門のコンサルタントに依頼しまして調査いたしております。
  347. 鈴木喜久子

    ○鈴木(喜)分科員 そういう自主的に中に環境の影響がないかどうかということをお調べになる、その慎重な姿勢というのは大変ありがたいことだと思います。ただ、このものが一般の人の目には見えない内部の資料であるというところにまた一つ問題があり、そのお答えというのが、環境保全のための適切な措置といっても余り大したことはないのですけれども、工事用の仮囲いでありますとかそういうことで騒音を低減させて、そしてテレビの電波受信障害があったら、それについての受信施設の設置の措置を講ずる、これはどこでも工事に伴うものとしては当然過ぎるぐらい当然のことなんですが、それだけをすれば、すべての項目について工事中もそれから建設後も周辺の環境への影響はほとんどないという、工事する方にとっては大変ありがたい結果内容になっているわけです。こういうものを内部的にやりましたからこれでいいのです、別に環境影響地区に当たっていないから自主的にやりましたからこうなりましたという、せっかくそういうお心持ちがあるのならば、もう少しこれを公表なり、どういう調査方法をされたのか、どういう点からそういう結論が出てくるのか、それを一般的に明らかにしていただきたいと思うのですが、その点は明らかにされることはないのでしょうか。
  348. 黒目元雄

    ○黒目政府委員 お答えします。施設の整備に伴いまして、対象事業にはなりませんけれども東京都の環境影響評価条例に従ってやるということでございまして、公表を目的として実施したものではございませんので、公表は差し控えたいと思っております。  なお、当庁といたしましては、関係機関等から本調査の内容につきまして問い合わせがあった場合につきましては、その内容について説明してまいりたい、このように考えております。
  349. 鈴木喜久子

    ○鈴木(喜)分科員 その関係の機関について、もしそういうふうなことでいろいろと問い合わせがあった場合、どういう機関を想定されておるのか。例えば新宿区という区でありますとか、または住民の団体でありますとか、そういうところで問い合わせがあった場合にはそれに基づく説明をしていただける、そういうことでよろしいでしょうか。
  350. 黒目元雄

    ○黒目政府委員 お答えします。関係の機関といたしましては、新宿区とか東京都等を考えております。それで、個人の方でお聞きにおいでになりますれば、必要な範囲でお答えはできるものと思いますけれども……。
  351. 鈴木喜久子

    ○鈴木(喜)分科員 そのお答えをありがとうございました。そういうことで教えていただくということで建設その他環境に対する影響ということに住民の不安がなくなるということが一番だと思いますので、ぜひともそういう形でいろいろと教えていただければと思います。  それで、今のことですと、やはりどれをとりましても工事期間はとても平成七年までには終わらないのではないかというような予想というのは、防衛庁の方、おありになりますのでしょうか。
  352. 宝珠山昇

    ○宝珠山政府委員 移転計画を作成いたしました以降、文化財の試掘調査など市谷に限らず実施いたしております。現在本格的な発掘調査をしなければならないものとして指摘されておりますのが市谷地区でございまして、これはかなりな長期間を要するということだけははっきりいたしております。しかし、この文化財の発掘調査を適切に計画的に実施していただくことによりまして、当初の八カ年計画で移転できる施設を完成するべく努めたいと考えているところでございます。しかし、今のところ明確には申し上げられない状況でありますが、かなりのおくれは避けられないのではないかという心配をいたしております。
  353. 鈴木喜久子

    ○鈴木(喜)分科員 そのかなりのおくればかりでなく、そこを保存する、尾張藩の上屋敷跡であるというそれは唯一のものでしょうから、そういうものを保存するということになったら、この移転計画そのものがそこでは変更せざるを得なくなるんじゃないか、私はそのようにも思っているのですけれども、そういうふうになる可能性もなきにしもあらずであるし、その場合にぜひとも余り我を振らずに計画の変更をしていただきたい、これを私は切に望むわけでございます。  そこで、防衛庁長官に伺いたいと思います。  前回の政府委員答弁の中で、やはりその点いろいろと言っているのです。由緒、ゆえんのある記念物、そういうものはできるだけそこに置いておこう、残置しておきたい、こういうふうにお約束をいただいているわけでございますけれども、この点も含めまして、今回のこの移転計画そのものについての長官の御所信を伺いたいと思います。
  354. 池田行彦

    ○池田国務大臣 先ほど来事務当局から御答弁申し上げておりますように、文化財保護の観点あるいは環境保護の問題等につきましても、私どもといたしましては法令あるいは条例等で求められるところはそのとおり遵守してまいるところでございますし、また環境問題については、さらに進んで自主的にその対応をしているということはひとつ御理解いただきたいと存じます。  私どもといたしましては、そういった面には十分配慮してまいりますけれども、現在檜町にございます防衛中枢を市谷に移転するという計画、これは我が国の安全保障を守っていくという観点から大切なもの、このように考えておりますので、この移転計画は、若干のおくれは避けられないという情勢にはございますが、極力そのおくれを少なくして実施してまいる、そういった所存でございます。
  355. 鈴木喜久子

    ○鈴木(喜)分科員 これは後々の問題ですので、よくよくお考えいただきたいと思います。  もう一つ、防衛施設庁長官もいらしていらっしゃると思うのですが、同様に御所信を伺いたいと思います。地元との関係で折に触れていろいろと工事についても調整をしてきているというわけで、そういった意味からも、この調査報告書の扱い等々も含めてこの工事についての御所信を伺いたいと思います。
  356. 児玉良雄

    ○児玉政府委員 六本木にあります檜町庁舎の市谷移転を初めといたしますこの一連の移転計画につきましては、私ども、文化財の調査あるいは環境への影響ができるだけ少なくなるような形で工事を進めていきたいと考えております。  先ほどの環境影響調査でございますが、これは工事中あるいは移転後の周辺環境へ及ぼす影響がどのくらいあるのか、あるいはあるとすればそれをなくすのにはどうすればいいかというような観点から自主的にしたものでございまして、先ほど建設部長がお答えいたしましたように、関係の機関などからお問い合わせがあればその内容について私ども詳細に説明をし、周辺住民あるいは新宿の方の方々に御理解をいただいた上で建設を円滑に進めていきたいと考えております。
  357. 鈴木喜久子

    ○鈴木(喜)分科員 これで大体私の質問は終わりました。さっき防衛庁長官おっしゃいました、何が何でも建てることになる、若干のおくれはあるかもしれないけれどもというお答えでしたけれども、本当にこれしかない文化財というものの保護、その観点をぜひともお忘れにならないようにお願い申し上げます。  それでは、私これで終わらせていただきます。
  358. 新村勝雄

    新村主査代理 これにて、鈴木喜久子君の質疑は終了いたしました。  次に、吉井光照君。
  359. 吉井光照

    ○吉井(光)分科員 私は、まず、せんだっての海自機の事故につきましてお尋ねをしておきたいと思います。  去る二月二十八日に海上自衛隊岩国航空基地で訓練支援機U36A、これが滑走路約三百メートルをオーバーらんをして、基地北側の水路に突っ込んで機体が大破をした、そして機内の五人が重盛傷を負った事故がございました。地域住民への被害は幸いにも発生しなかったわけですが、この基地周辺の住民というのは、またかと思うと同時に、民家に落ちていたならば一体どのような惨事になっていただろうかという不安と恐怖で、事故という言葉を聞くたびに非常に神経をすり減らしているのが実情でございます。ところが、三月一日の海上自衛隊の中間報告によりますというと、その原因は雨によるブレーキ効果の影響があった、こういうことでございますが、であるならば、結局雨のたびに事故の危険性があるということになるわけです。こういうことは素人が考えてももう非常におかしい話でございまして、いずれにいたしましても、一刻も早く正確な原因を究明して、そして住民に報告をする義務があると思うのです。  それで、防衛庁は二月二十八日、事故の状況確認のために海上幕僚監部の監察官等を現地に派遣をされたわけですが、この事故原因について、ただ雨のためというのじゃなくして、どこにどういう原因があったのか、もしまだ確認ができていないのであるならば、いつごろまでにきちっとこの事故原因を確認をし発表をされるのか、この点についてまずお尋ねをしたいと思います。
  360. 小池清彦

    ○小池政府委員 ただいまおっしゃいました事故の原因につきましては、現在事故調査中でございまして、原因についてもまだその事故調査が出るまでは全くはっきりしないわけでございます。そういうことで、現在事故調査中でございまして、鋭意詳しくかつできるだけ早く結論を出したいと考えております。
  361. 吉井光照

    ○吉井(光)分科員 御承知のように、海上自衛隊航空機事故、これは今回を含めますと今までに十一件あったわけですね。中でも五十九年二月二十七日の対港哨戒機PS1の墜落、これはもう乗員の方十二名が死亡するという今までにない最大の事故であったわけです。一方、米軍の航空機事故は五十九件と圧倒的に多く発生をしているわけですが、大事なことは、こうした事故というものは二度と同じ過ちを繰り返してはならないわけでございまして、そのためにはやはり万全な策を講じていかなければならない。したがって、今回の事故に当たりましても、こうした事故状況の分析をよく踏まえられて、そして今後のいわゆる改善策といいますか、これをきちっとまとめ上げて着実に実施していかなければならない、このように思いますが、これについての御見解をお願いいたします。
  362. 小池清彦

    ○小池政府委員 先生のおっしゃるとおりであろうと思います。鋭意事故調査に全力を挙げたいと考えております。
  363. 吉井光照

    ○吉井(光)分科員 先ほども申し上げましたように、とにかくこういった基地周辺の住民というのはこうした事故については非常に敏感でございます。我々が考えている以上に敏感で、というのも、結局自分たちの生命財産にかかわる問題でございますので、やはりその事故の解明についても、これが長引けば長引くほど地域住民の方はまた変わった感情、変な感情を抱くわけですから、したがって、こうした事故についてはこうこうこうであったと住民が納得できるような発表をひとつしていただきたいし、そして今後はこういうふうにしていきます、今まではこういう結果になったかもしれないけれども、今後はこういったこともきちっとやっていきますという対策、これをぜひとも早く発表をしていただきたい、こういうことを特にお願いしておきたいと思います。  次に、住宅防音工事についてでございますが、昨年の四月二十六日に私が当分科会で質問をした住宅防音工事に関連する新たな問題点について、同年十月二十二日に我が党が、これは岩国基地沖合施設に関する住民アンケート調査をいたしました。その結果も踏まえて若干お尋ねをしたいのです。  まず初めに、防音工事に係る故障それから破損等の修理及び復旧工事のための相談窓口、これは確かに広島防衛施設局の岩国防衛施設事務所が窓口となって一生懸命やっていらっしゃるわけです。ところが、これが一人なんですね。これは一人で用が済むのかもしれませんけれども、住民の要望としては、施設事務所から委託を受けて、そして防音工事をするか否かのアンケートから訪問調査、工事発注までのすべてについて直接担当しているのが防衛施設周辺整備協会中国支所であるわけです。だから、一番状況がわかっているし、ここには所長を初めとして十数人のスタッフもいるわけでございますが、ここが冷暖房機等の復旧工事等も含めて窓口となってやってもらいたい、こういう声が非常に強かったわけですが、この点についてお伺いをいたします。
  364. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  昨年委員の方からいろいろ御示唆に富んだお話をちょうだいいたしまして、当庁といたしましても、相談窓口の充実あるいは御相談の方策等について鋭意努力してまいったところでございますが、御指摘のように、ただいま広島防衛施設局及び防衛施設周辺整備協会中国支所でこのお世話といいますか、させていただいているところでございます。御指摘のとおりまだまだ不十分かとは存じますが、職員も鋭意頑張っているところでございますので、私どもといたしましても、これらの充実をなお一層図ってまいりたい、かように存ずる次第でございます。
  365. 吉井光照

    ○吉井(光)分科員 次に、冷暖房機等の機能の復旧工事ですが、この防音工事等によって設置された冷暖房機等の問題について二点ばかりちょっとお尋ねをしておきたいのです。  まず第一点は、対象要件として住宅防音工事が完了した日から起算して十年以上経過し云々、このようになっておりますが、現実には十年経過しなくても、それに近い八年とか九年という年数が経過していて、現に故障している冷暖房機が結構あるわけでございます。この場合、何とか補助対象になるように工夫はできませんか。この点はどうですか。
  366. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  自衛隊等飛行場周辺におきます住宅防音事業は昭和四十九年度から実施させていただいているところでございますけれども関係地方自治体、住民等の方から、住宅防音工事により設置した一部の空調機器が老朽化等により機能していないとして、これらの機器の更新を強く要望されている向きがございます。このような状況を踏まえまして、所要の屋内環境を保持するために設置した空調機器が機能しないということであれば、防音効果の保持に影響がございますので、その機能の復旧を図ることといたしまして、設置後十年以上経過し、現に故障等が生じている機器を対象に、平成元年度から空調機器の機能復旧工事の補助を行わせていただいているところでございます。  なお、設置後十年以上経過したものというこの基準でございますが、当庁が主な自衛隊等の飛行場周辺において実施いたしました空調機器の稼働状況等の実態調査から得られましたところの空調機器が故障し始める年数、こういったもの等を勘案いたしまして定めたものでございまして、十年経過以前の機器で故障しているものもあろうかと存じますが、ただいま現在のところこれを対象とするということは少し無理でございます。
  367. 吉井光照

    ○吉井(光)分科員 では、次は補助額についてですが、二年度は二十戸、これが補助対象となったわけですが、問題は、復旧工事に要する経費のうち九割が国庫補助、あと一割については生活保護者を除いて自己負担でございます。この一割の自己負担金はといえば、大体一戸当たりが二万から八万、平均約四万程度かかるわけですが、最初の防音工事のときは当然ながら全額国庫負担だったのが、冷暖房機器の老朽化によって機能しなくなった、それで実質的に防音効果を保持できないために機能回復のための復旧工事をしますと、今度は本人が一割負担。ということは、住民サイドからこれを考えてみますと非常におかしい問題ですね。みずから希望したことでもないし、またその責任があるわけでもありませんが、騒音で日夜悩まされているのになぜ自己負担しなければならないのか。特に持ち家ではなくして借家人の場合は、自分のものでもないのになぜこれを負担しなければならないのか、このような強い不満もあるわけでございます。これはやはり住民から考えれば率直な意見ではないかと私は思うわけです。なぜそれを自己負担をさせるのか、なぜ一割なのか、本来自己負担すべきでないと考えるが、明快な答弁と、自己負担がかからぬようぜひとも検討を願いたい、このようにも思うわけですが、この点についてのお考えをお聞かせ願いたいと思います。
  368. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  この一割を住民の方々の自己負担とさせていただきましたのは、国の補助事業といたしまして再補助であるということ、あるいは自己便益性があるということ等を総合的に勘案いたしまして、補助事業者に所要経費の一部を負担していただくという方策をとらしていただいたところでございます。いろいろな御指摘もあろうかと存じますが、この点御理解を賜りたいと思います。  なお、今委員がお触れになりましたが、生活保護世帯の方々につきましては、その家計の状況にかんがみ全額を国庫補助負担とすることといたしております。
  369. 吉井光照

    ○吉井(光)分科員 先ほどからたびたび言っておりますけれども、そういった住民の意見もかなり強いということをここで申し上げておきたいと思います。  では、次に岩国基地の沖合移設についてお尋ねいたします。  基本設計及び環境影響調査、これの持つ意味についてまずお尋ねをしたいのですが、この基地沖合移設の問題は、これは既にもう私が機会あるごとにこの場でお尋ねをしてきた問題でございます。  まず第一点目は、先ごろようやく施設庁がAB両案に対するところの基本設計、これを示されたわけですが、この基本設計と環境影響調査の持つ意味、これがどういうものか、確認をしておきたいと思います。
  370. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  基本設計につきましては、A案及びB案の二つの計画各案につきまして、埋立予定地の位置、形状、規模及び護岸等の構造を明らかにすることにより、平成二年度から実施している環境影響調査の基礎資料として利用することを主たる目的として実施したものでございます。
  371. 吉井光照

    ○吉井(光)分科員 では、これは前の池田防衛施設庁長官説明をしておられるのですが、基本設計及び影響調査は、本事業に介在する諸問題を検討し、本事業実施の見通しを判断するために必須の手順であり、これにより、埋立地の地形、規模及び護岸等の構造が明確になるとともに、河川、潮流並びに動植物への影響が具体的に判明すること、このようにおっしゃっているわけですが、これでよろしいですね。
  372. 児玉良雄

    ○児玉政府委員 岩国沖合移設の問題につきましては、今度の基本設計で具体的にその位置などが特定されるという意味で、従来しております環境影響調査、これから三年度予算をお認めいただいた上で実施する予定にしております環境影響調査の基礎になる資料でございます。その意味で池田元長官がお答えをしたとおりでございます。
  373. 吉井光照

    ○吉井(光)分科員 そこで、この基本設計に基づくAB両案の各事業費についてです。滑走路を平行に東側へ約千メートル移設するA案、それから現滑走路を交差する滑走路を新たに設置をするB案の各事業費ですが、基本設計を見ますと、相当具体的に検討をされているわけでございます。ところが、最大の問題は埋立面積の違いにあるわけですね。ただ、事業費面についてはこれが一切触れられていません。AB両案のそれぞれの事業費について設計上は幾らになったのか、お教えを願いたいと思います。
  374. 児玉良雄

    ○児玉政府委員 今回の基本設計におきましては、先ほど申しましたようなA案、B案のそれぞれにつきまして、移設した場合の飛行場の内容が特定されたわけでございます。しかし、その基本設計に従った滑走路の移設を実施していく上では、埋め立てに使う土量、これは今回特定をいたしましたけれども、それをどこからどういう経路で持ってくるか等々、各種の問題が今後具体的にならないと事業費を具体的に積算することができませんので、基本設計では事業費の見積もりをしていないということでございます。
  375. 吉井光照

    ○吉井(光)分科員 それでは、施設庁がAB二案で検討することにした昭和六十三年八月ですね、このときにはA案は約二千億、それからB案が約五百億、このように説明をしていらっしゃるわけです。それより先に進んだ段階の基本設計に入ったら今度は土の量――それと、わからないかもしれませんけれども、このときの二千億それから五百億の説明は一体どういう積算根拠であったのか、これをひとつ明らかにしていただきたい。検討を重ねていってもし不都合があれば、どうせ基本設計の見直しが予定されているわけですから、そのときに修正すれば済むことですから、この点について、二千億、五百億の積算方法をひとつお願いしたいと思います。
  376. 児玉良雄

    ○児玉政府委員 私ども今まで、A案について幾ら、B案について幾らということを正式には申し上げておりませんが、今御指摘のように、A案については二千億とか、B案が五百億とかといった数字があることは承知しています。ただ、この数字は具体的な積算に基づいたものではなく、類似の工事などからの類推であるということで、その意味では私どもも正確かどうか、現在進行しておりますこの調査が終わってみないと正確な数字はお答えいたしかねるという段階でございます。
  377. 吉井光照

    ○吉井(光)分科員 非常にしつこいようですけれども、先ほどの御答弁で土代を除く、こういうことですが、そのほかいろいろ複雑な要素もあろうかと思います。したがって、もうこれだけのある程度具体的な案が示されているわけですから、土代を除くその他の事業費なら積算できると思うのです。これについて、A案、B案の土代を除く事業費は幾らですか。
  378. 児玉良雄

    ○児玉政府委員 この滑走路の移設に伴いまして、いろいろな工事がそれに付随して起こってまいりますけれども、その工事の中にはある程度具体的に積算できるものもございますが、やはり全体の数字がわからないと事業実施の見通しを得るものにはならないということから、正確な数字は申し上げかねるということを御理解いただきたいと思います。
  379. 吉井光照

    ○吉井(光)分科員 では、この程度にしておきます。  それで、その基本設計及び環境影響調査に要する期間ですが、これは昭和六十四年度から六十七年度、平成元年度から平成四年度を予定する、このように施設庁は昭和六十三年八月九日に説明されているわけですけれども、この四年間のいつごろにこの基本設計に基づいたAB二案のそれぞれの事業費がはっきり出てきますか。
  380. 児玉良雄

    ○児玉政府委員 この滑走路移設に関する調査につきましては、従来から工法試験を実施しておりますが、これを平成四年度まで実施するものとしております。それから、環境影響調査につきましては、現況調査、それから三年度予算をお認めいただいた上で、埋立地に係る予測・評価・保全対策、土取場・運搬経路に係る調査等がございまして、私どもの計画では、これらの調査が平成三年度から四年度にかけて行われるというふうに考えておりまして、四年度じゅうはは全体を取りまとめたいと思っております。  したがいまして、事業費がいつごろわかるかということになりますと、これら全体の調査を取りまとめた上でございますので、いつごろということを定かに申し上げかねますけれども平成四年度の終わりの方にならないとできないのではないかと思っております。
  381. 吉井光照

    ○吉井(光)分科員 そこで、施設庁の「岩国飛行場滑走路問題概略処理工程表」、この中に「処理方針の検討」という項目があります。これを見ますと、平成四年度にラインが引いてありますが、この意味はどういう意味なのか、すなわち、平成四年度で処理方針の検討が終わって方針決定する、そういう意味理解してよろしいですか。
  382. 児玉良雄

    ○児玉政府委員 この「岩国飛行場滑走路問題概略処理工程表」、私どものつくった表を言われておると思いますが、平成四年度のところに「処理方針の検討」の線を引いておりますのは、この処理方針の検討に必要な準備作業その他を含めてこの期間にそれにかかわる作業が入るということを見積もった上でこのような表をつくったわけでございます。
  383. 吉井光照

    ○吉井(光)分科員 それでは、この処理方針決定は、施設庁の工程表でいきますとどこに入るのですか。
  384. 児玉良雄

    ○児玉政府委員 ここはまだ処理方針決定というところまでは書いておりませんが、「処理方針の検討」というところのいずれかの段階ではないかと今私どもは、先の話でございますけれども考えております。
  385. 吉井光照

    ○吉井(光)分科員 地元では遅くても平成四年度には事業実施方針決定されるのではないか、また、されるものと理解しております。この点は極めて重要なので、ひとつ長官に、方針決定は四年度にやる、こういう明快な答弁をいただけませんか。
  386. 児玉良雄

    ○児玉政府委員 先ほど来申し上げておりますように、基本設計に始まりまして環境影響調査その他の調査を実施した上でなければ事業の見通しを得られないわけでございますが、これら調査結果によりまして事業の見通しが得られることになれば、地元の要望あるいはこれまでの経緯その他を踏まえまして私どもとしては方針を決めなければならないと思っておりますけれども、それがいつになるかということは、時点を特定するのは今ちょっと難しいことを御理解いただきたいと思います。
  387. 吉井光照

    ○吉井(光)分科員 相当難しい、こういう非常に意味の深い御答弁でございますが、ひとつ精力的に作業を進めていただいて、地元の要望に少しでも沿えるような結論を期待しておきたいと思います。  最後に、土取場の調査でございます。  この環境影響調査の中で、土取場調査については地元が一番よく実情を熟知しておるわけでございます。また、最大の関心事でもございます。したがって、山口県や岩国市と十分慎重な協議を重ねながら、地元の意向を最大限に反映できるような形でやっていただきたいと思うわけですが、施設庁のお考えをお聞きしておきたいと思います。
  388. 児玉良雄

    ○児玉政府委員 土取場の調査に限らず、この問題につきましては、地元の山口県あるいは岩国市からいろいろお話を承っておりますし、今後この調査を進めていく上では御相談をし、あるいは協力をお願いすることになると思っております。
  389. 吉井光照

    ○吉井(光)分科員 質問を終わります。
  390. 新村勝雄

    新村主査代理 これにて吉井光照君の質疑は終了いたしました。  次に、藤田スミ君。
  391. 藤田スミ

    藤田(ス)分科員 私は、陸上自衛隊信太山駐屯地の演習地と訓練場の問題についてお伺いしたいと思います。  まず最初に、訓練場の方からお伺いしていきたいと思います。  陸上自衛隊信太山演習地というのは、和泉市にございまして、二百三十七ヘクタールの規模の大きい演習地であります。この訓練場という方は、その演習地から大体二キロくらい離れたところにあります、いわば飛び地の訓練場であります。堺市菱木というところにありまして、面積もわずか七ヘクタールです。かつて長距離射撃場として使用されておりましたので、地元の者は菱木射撃場今も呼んでおりますけれども、なぜ、ここが信山訓練場と名称を変えたのか、長距離射撃場として使用しなくなったのか、お伺いをしたいと思います。
  392. 宝珠山昇

    ○宝珠山政府委員 現在の呼称でございます信太山訓練場、これは五十九年一月に信太山射撃場から名称変更したものでございますが、この経緯につきましては、信太山演習場内に、それまで信太山射撃場において行っておりました射撃訓練を行うことができる覆土射場を設置いたしまして、そちらで射撃訓練は行うようになった。他方、その跡地になりますが、信太山訓練場については各種の基本的な訓練を行う必要があるということで使っているものでありますが、この使用の実態に合わせまして倍太山訓練場という名称を付したものでございます。
  393. 藤田スミ

    藤田(ス)分科員 長距離射撃場として使っていたけれども、しかし覆土式射撃場を演習場内につくったので、この長距離射撃場は射撃場として使わなくなった。私の方からいいましたら、射撃場として使っていたのが使わなくなったのは、周りの環境が大きく変化したからです。住宅地が迫ってまいりまして長距離射撃場として使うにはいかにも危険だ、注意をして見ていても、いつ草原の中から子供がひょいと飛び出すかもしれない、そういうところでありましたので、地元の自治会などの強い要請でここに移ったわけです。今この訓練場の使用状況がどうなっているか御存じですか。
  394. 小池清彦

    ○小池政府委員 平成元年度の実績で申し上げますと、延べ約六千人の者が使用をいたしております。
  395. 藤田スミ

    藤田(ス)分科員 そういう言い方をするといかにもよく使われているように見えるんです。防衛庁長官には今私がお手元に、これは、この訓練は協約書に基づきまして使用の際には必ず当該市に届け出をすることになっております。届けをされた状況を私はここへ持ってまいりました。  これをごらんいただきましたら、確かに、五十七年、五十八年、五十九年までは年三百六十五日のうちの百日以上は使っています。ところが六十年、これはもう覆土式射撃場に射撃場が移転したときから年間三十九日、年のうちの一〇%です。八六年は百十八日ありますが、三二%でしょう。八七年は六十七日で一八%、八八年は六十四日で一七%、八九年は七十三日で二〇%、そして九〇年は七十六日の二〇%です。しかも射撃で使っている日数というのは、これは短距離射撃で使っている日数ですが、その日数に至るやもううんと少ないですよ。平成元年は一月一回、以下はありません。六十三年は四カ月間使っていますが、それも六回とか七回とかそういう日数しか使っていません。  私たちは、長距離射撃場が覆土式射撃場の方に移されたときに、ここはもう無用のものになったのだからぜひ返してほしいということを実は皆さんにも申し上げたことがあります。そうしたらそのときは、いや、短距離射撃場として使うのだということで返還を拒まれました。しかし、実際には九〇年から全く使っていない。また使えないわけです。幾ら短距離といっても、野外の住宅に囲まれた、そういう場所でなかなか実弾射撃訓練などできない。だから使えなくなったわけです。そうじゃないでしょうか。
  396. 小池清彦

    ○小池政府委員 先ほども施設参事官から御答弁申し上げましたように、射撃には使っていないわけでございますけれども、小隊レベルでの戦闘訓練には使わせていただいておるわけでございます。実は、その隣にございます先生先ほどおっしゃいました信太山演習場、これが必ずしも広い演習場ではございませんで、そこが手狭であることもありましてこの信太山訓練場の方も使わせていただいておる次第でございます。このところをぜひ御理解を賜りたいと存じます。
  397. 藤田スミ

    藤田(ス)分科員 全く理解できませんよ。片一方の演習地は二百三十七ヘクタールです。ここはたったの七ヘクタールです。本当に小さい小さい訓練場なんです。そこを使っているといっても、これはもうほとんどアリバイづくり程度にしか使っていないじゃないか、こういうふうに地元の者も言っておりますし、実際使用報告を見ましてもそのことは裏づけられていると思うのです。  それで、皆さんも、それから信太山駐屯地も、いや、あそこははったり匍匐したり今現在はそういうことで訓練しているのだ、そういう使い方をしているのだと説明されますよ。そうしたらみんな噴き出すわけです。匍匐したりあるいはまたはったり、こんなことで、子供遊びみたいなことをやられたらたまらぬ、これが地元の気持ちなんです。しかもこの訓練場は、既に今から二十六年も前、つまり一九六五年の七月二十九日、建設大臣が都市計画法に基づく都市公園として計画決定し、一九七四年十二月に堺市議会で信太山射撃場の撤去についての請願を採択して、都市計画どおり早く公園化を、そういうふうに市民が待ち焦がれているところです。  私は、きょうはその都市計画の地図もそこにつけておきました。長官、ごらんいただいたらわかると思いますが、ここにもありますが、ちゃんと都市計画の公園として決定されたという斜線がこの都市計画の地図の中に、「堺市部市計画地域地区図」という地図の中にも明記されております。もうあと二年たちましたら、この訓練場のすぐ西側に並行して都市計画道路、和田福泉線といいますが、これが完成いたしまして全面開通することになります。だから、この道路開通を前にして改めて周辺の自治会も、もういいかげんに返してほしい、全く今では実質使われてもいないし、使えなくなったんだからということを強く訴えています。私は、いかにもこの半端な土地を速やかに返還すべきだと考えますが、いかがですか。
  398. 宝珠山昇

    ○宝珠山政府委員 その前に、面積について、先生のおっしゃっている数値と私どもの手元にございますのは若干違いますので申し上げさせていただきますが、信太山演習場は約二百二十二ヘクタールでございます。信太山訓練場の方は約八へクタールでございます。  この用地を使われていないではないかということ、あるいは匍匐訓練というようなことは遊びじゃないかというような御指摘もございましたけれども自衛隊法防衛庁設置法に基づきまして、我が国の平和と独立を守り国の安全を確保する目的のもとに訓練をしているわけでございますが、隣にございます信太山演習場を含めまして、むしろ手狭であるといった実態がございます。ただし、先ほど来御指摘がございますように、この訓練場あるいは演習場の周辺がかなり宅地化が進行していて、移転などの要望あるいは都市計画などが出されているということはよく承知しているところでございます。しかし、防衛施設の周辺を全国的に見ますと、宅地化あるいは都市化という波は一般的に及んできておるわけでございまして、ここばかりではないことを御理解いただきたいと思います。  防衛庁として、適当な代替の、機能的に保障される施設、用地などが確保できれば、移転することについて異存があるわけではございません。しかし、実際問題としては、防衛上の訓練に必要な要求を満たす用地というものを確保するというのは困難な状況でございます。このため、信太山駐屯地についても引き続き地元の御理解を得ながら適切に使用してまいりたいというふうに考えておりまして、これを返還するということは、見通し得るところございません。
  399. 藤田スミ

    藤田(ス)分科員 長官、その資料をごらんいただいてもわかると思いますが、月のうちに三日以内、二日とか三日とかそういう使い方しかしていないのは昨年四カ月ありますよ。全く使っていない月が一カ月あります。その前の八九年は三カ月あります。八八年は、月のうちの三日あるいは二日あるいは一日しか使っていないというのは何と年間のうちの半分、六カ月までそういう使い方をしているのです。しかも、二十六年も昔に建設大臣が都市公園として都市計画決定をしたのです。これは国の方が決定をしたのです。ところが、同じ国の他の官庁、防衛庁の方は、八ヘクタールとおっしゃいましたが、正確に言えばそういうことになるかもしれませんが、とにかく八ヘクタールの訓練場に固執するというのは、これは全く合点のいかぬ話です。二百二十二ヘクタールの演習地を手狭だと言ってなぜ、しかもこれはそんなに近くないのです、直線で結べば近いですが、非常に狭い道路をずっと入っていきますからその点では決して近くないわけです。こういうふうなところを固執するというのが全くわからないわけです。  堺市には全国一の大阪刑務所というのがあります。刑務所の中で全国で一番大きいのです。ここも周辺の住民が、町づくりの上で非常に大きな障害になっている、こういうことでいろいろと要請をいたしまして、そして法務省は、思い切って官舎を高層化し収容施設も高層化して、一部をその町づくりのために貢献したいと言って譲ってくださったのです。そういうことまでやっているのです。ところがこの演習場の方は、これは私は今、その統廃合計画云々というような新聞の記事なんか見ていますが、統廃合計画なんというもの以前の問題だ、ここはそもそも射撃場として長距離射撃場をわざわざつくられたそのときからもう返還をするべきそういうものなんだというふうに考えざるを得ないわけなんです。  私は、長官にぜひこの問題は検討していただきたいということを求めたいわけでありますけれども、いかがでしょうか。大臣の御答弁をお願いいたします。
  400. 池田行彦

    ○池田国務大臣 先ほど来事務当局から御答弁申し上げておりますように、私どもといたしましては、信太山の訓練場につきましても日本の防衛のために必要なものである、このように考えております。そうして使用実態についていろいろお話がございましたけれども、これはやはり都市化する周囲の状況等も考え、そして地元の方々の御事情等も考えながらやっているということが比較的制約された使用状況になっておるのではないかということもあり得るのじゃないか、こう思います。  いずれにいたしましても、私どもといたしましても必要な訓練場、練習場等が容易に得られる状況でございますならばいろいろ検討することもできるわけでございますが、先ほど来事務当局からも申し上げましたように、なかなかそういった代替の施設も得られないような状況であるということもございますので、検討してまいりますとお答えするのはなかなか難しいのじゃないかと存じます。  それから、すぐそばの演習場の方があるから、二百数十ヘクタールのところがあるのだから八ヘクタールの訓練場はいいのじゃないかという御指摘がございましたけれども、それはやはりそこで行われております訓練の形態も違うわけでございますので、演習場の方に統合しますとそちらの方の演習にいろいろ支障を来すという事情がございます。そのあたりはひとつ御理解をちょうだいしたいと思います。  なお先ほど、この訓練場で行われておる訓練というものが、立ったり匍匐したり子供遊びみたいなものだというお話がございましたけれども、これは御承知のとおり匍匐とか走るとかそういったことは基本の動作でございますから、そこだけをとらえて子供じみているというお言葉はいかがかと存ずる次第でございます。自衛隊員は、日本の安全保障のために日夜懸命に訓練に励んでおるということは、御理解ちょうだいしたいと思います。
  401. 藤田スミ

    藤田(ス)分科員 納得できませんよ。私は客観的に見ればと、こういうふうに言っているだけでして、何も遊んでいるなんというようなことを言っているのじゃないのです。第一、そういう議論をしているわけじゃないのです。客観的に見れば周りの人たちもそういうふうに言っているよということを申し上げているのです。第一、建設大臣がそういうふうにみずから、これは旧の都市計画法ですから、みずからぱんと決めながらあなた方がそれをいつまでも手放さない、そういうのはとても納得できません。  先ほど、移転する土地の確保ができれば移転をすることはやぶさかではない、そういうふうにおっしゃいましたね。その点だけは確認をしておきたいと思います。もう一度おっしゃってください。そこの部分だけで結構です。
  402. 宝珠山昇

    ○宝珠山政府委員 一般論として、現在行っている訓練が十分できる、そういう施設が提供できるのであれば、移転してそこで行うことは可能でありますし、それに異存があるわけではございません。しかし、実態問題としては大変難しいというのが、これは信太山のみならず全国的な状況であることを御理解いただきたいと思います。
  403. 藤田スミ

    藤田(ス)分科員 私は重ねて申し上げます。  今日、土地がない、住宅を建てるところがない、そう言って農地の宅地並み課税まで押しつけている、国有林を売っ払う、そういう状態の中で防衛庁だけがそういうふうに施設に固執をするということは、私は本当に許されないことだということを申し上げておきたいのです。  先ほどから駐屯地の問題、大きい方の二百二十ヘクタールの演習場の問題についても御答弁がございましたけれども、この演習場も八〇%地目では原野となっております。和泉市の全原野は二百五十三ヘクタールですから、大半をこの演習場の地目の原野が占めている、こういうことになっているのです。しかも、周辺は宅地と農地、その真ん中に原野が大きく存在し、こういうふうな例はこの大阪の南部八市五町の中にも本当に見つけることができにくいぐらいの状態になっています。とりわけ、この信太山演習地の北西部は、三千戸以上の鶴山台団地が張りつき、周辺は住宅開発がどんどん進んでいます。さらに言えば、この演習地の北東部に、人口十数万の泉北ニュータウンという巨大な団地がありまして、今南東部には二万七千人を受け入れる和泉中央丘陵の大開発が行われています。演習場の一部も削られましたけれども、日本道路公団が近畿自動車道を建設中で、これもこういうふうにして急速に環境が変化しています。  私たちはこれまでも、この演習地が和泉市の町づくりの上で大きな障害になってきていること、とりわけ基地を挟んで東西南北の直線街路の遮断、あるいは上下水道を建設するにしても迂回していかなければならないので非常に高くつく、こういうことを訴えてきました。しかし、今日ではそうした矛盾はますます拡大してきているわけです。この開発によってさまざまな制約を自衛隊の方も受けていらっしゃると私は思う。そうは思われませんか。もう一度おっしゃってください。
  404. 宝珠山昇

    ○宝珠山政府委員 演習場が存在することによって、いろいろの地元の制約、開発計画の制約があるということは承知しております。そういうことで、例えば先ほど御指摘の道路を建設するに当たりまして、代替地を取得することによって割譲するなどということで、地元とよく協議しながら進めているところでございます。例えば、水道用地と防衛用地を比較されまして御議論になられましたけれども、演習場あるいは訓練場にいたしましても、国の基本的な任務でございます安全保障の用に供しているものでございますので、この点はよく御理解を賜りたいと思います。
  405. 藤田スミ

    藤田(ス)分科員 この演習場の中の谷合いには、周辺六つの町の入会地が点在しています。だから耕作者は、演習場を囲む金網の内側に耕作に入るためにわざわざかぎを受け取って出入りをするという不自由をしのいでいるのです。私たちはしばしばこういうことも皆さんに要請してきましたが、例えばヘリコプターが飛んだ、そうするとこれまでは私たちのところにも苦情はありませんでした。しかし、このごろはヘリコプターが飛ぶと赤ちゃんが泣く、騒音で病人に影響が出るというように、非常に具体的な苦情が私たちのところにも届くようになったのです。この一月ですが、未明に照明弾の発砲訓練というようなことを行いまして、これまた大変な騒ぎになりました。もう市民の日常生活と隣り合わせということにはならない、そういうことなんだというふうに私は思うのです。  もう一度お伺いいたしますが、防衛庁は演習場の統廃合計画を勉強していらっしゃるということですが、こういうふうなもう周りの住民につくづく迷惑をかけているところ、それからわずか八ヘクタールというような狭いところ、皆さんは二百二十二ヘクタールも狭いとおっしゃるのなら、そういう狭隘なところ、また大変利便性の悪いところ、くるくる細い道をうねって入っていかなければならない、そういうようなところというのは、十分頭に入れてぜひとも勉強していただきたいと私は思うのですが、いかがですか。
  406. 畠山蕃

    ○畠山(蕃)政府委員 御指摘の信太山の訓練場、演習場につきましては、先ほど施設参事官からお答え申し上げましたように、現在これを返還するというような計画はございませんが、一般論として申し上げますと、近年におきます防衛施設を取り巻く環境の変化等にかんがみまして、これについて長期的な視点に立って施設のあり方についていろいろと検討を加えていく必要はあろうかと考えております。
  407. 藤田スミ

    藤田(ス)分科員 それでは、一般論じゃなく、私はきょうは時間をかけて具体的にその実情をお話しいたしましたので、そういう具体の問題も十分頭に入れて検討をお願いしておきたいと思います。  それでは私は、学校の教育現場あるいは子供たちを対象にした自衛隊のPR活動について一つだけお伺いをいたします。  これはほんの一つの例にすぎませんが、昨年十月、日本航空学園の学園祭に自衛隊が戦車や重火器を校内で展示をし、そして航空自衛隊のジェット機の編隊飛行まで行うというようなことがあり大変問題になりました。そのほか子供相手に体験航海、戦車などの体験搭乗というようなことも行われているわけであります。私は教育の場に兵器を登場させ、そのかっこよさで自衛隊に引きつけさせようというようなことはまさに邪道であって、これはまさに異常なことだというふうに考えますが、どういうふうにお考えですか。
  408. 日吉章

    ○日吉政府委員 お答え申し上げます。  防衛庁といたしましては、我が国の防衛を国民的な基盤に立脚したものとし、自衛隊を広く国民に正しく理解していただけるようにということで、自衛隊の現況とか防衛に関する諸施策につきましていろいろな機会をとらえまして広報活動をしているところでございます。  そういうような一環といたしまして地方の駐屯地等におきましても、ただいま委員が御指摘のような形で駐屯地等を開放するとかいうようなこととを通じまして、次代を担います青少年に対して装備品の展示とか音楽隊の演奏とか広報映画の上演等を実施しているわけでございますが、これはあくまでも自衛隊のあるがままの姿に直接接してもらい、もって自衛隊に対する親近感の醸成を図る、そうして正しい国防に対する理解を深めてもらうということを意図しているわけでございます。  委員ただいま、これが情操教育上問題があるのではないかというような観点からの御質問でございましたけれども、現在の世界を取り巻く情勢といいますのは、やはり国と国との間には力によります均衡あるいはその抑止力によって平和が保たれているというのが現実でございまして、日本といたしましても、独立いたしました一個の主権国家といたしまして、それ相応の自衛のための防衛力は備えざるを得ない。しかも、その分野に働いている人たちがこういう形でその職務を全うしているのだという姿をありのままの形で国民に見ていただく、次代を背負う青少年たちに見ていただくということは、教育のあり方として当然のことではないか、かように考えております。
  409. 藤田スミ

    藤田(ス)分科員 時間が参りましたので、残念ながら続けることができません。しかし、憲法には、「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、」「日本国民は、恒久の平和を念願」する、そういう立場で、教育基本法にも、「真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、」ということで、子供たちへの教育のあり方、その基本法を定めています。情操教育にどうのこうのの以前の問題として、私は人づくりとして教育基本法を踏みつぶすような、教育現場の中にジェット機を入れたり、戦車を入れたりするようなことは今後一切やめていただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
  410. 新村勝雄

    新村主査代理 これにて藤田スミ君の質疑は終了いたしました。  次に、古堅実吉君。
  411. 古堅実吉

    古堅分科員 きょうは、日米合同訓練や沖縄の米軍基地の返還問題、演習などについてお尋ねしたいと思います。  最初に、二月二十六日から三月八日まで新田原と築城基地を拠点とした空の日米共同訓練が行われたことについてお尋ねします。その訓練項目、参加航空機の機種及び機数、日米の参加人数を説明してください。
  412. 小池清彦

    ○小池政府委員 ただいまお尋ねの日米共同訓練でございますが、去る二月二十六日から、一日天候の関係で延びまして三月八日まで実施いたしております。  参加機数は、日本側が五十一機程度、実はまだ最終的に参加した機数を正確に把握しておりませんで、当初の予定でございますが、日本側が五十一機程度、米側が二十機程度でございます。  内訳を申し上げますと、機種だけで申し上げますと、日本側がF15、F4、F1、RF4E、E2、EC1あるいはYS11Eが出たかもしれません。それからC1輸送機が十四機程度でございます。アメリカ側は、F15、F16、F18、EA6B、E3B、こういったところでございます。
  413. 古堅実吉

    古堅分科員 訓練項目は。
  414. 小池清彦

    ○小池政府委員 失礼いたしました。訓練項目は、異機種対戦闘機戦闘、それから防空戦闘、航空輸送、以上でございます。
  415. 古堅実吉

    古堅分科員 今航空輸送訓練というのが入っています。これはどこからどこまで、どういうことを目的にした訓練ですか。
  416. 小池清彦

    ○小池政府委員 一つは、米軍の三沢基地から我が方の新田原基地まで往復でございます。いま一つは、米軍の嘉手納基地から我が方の築城基地までの往復でございます。これは、それぞれの基地から日本側の基地に移動をいたしまして展開をいたしました米側の航空機部隊の整備のための要員、整備のための機材、部品、それから予備のパイロット、こういうものを輸送する訓練を行ったわけでございます。  こういう訓練は、我が国の有事におきましてこういうことが現実に行われることが十分予想されますので、そのときのために日米双方の相互連携要領、すなわち輸送機に人員や物資を搭載いたしましてこれを輸送いたしまして、そして積みおろす、こういう際の相互連携要領等の訓練を行った次第でございます。
  417. 古堅実吉

    古堅分科員 嘉手納と新田原間の訓練ですが、嘉手納基地から何機のC1機が何人の米兵とどういう機材を輸送したのか、説明してください。
  418. 小池清彦

    ○小池政府委員 嘉手納基地からは築城基地でございまして、五機のC1輸送機で輸送をいたしました。
  419. 古堅実吉

    古堅分科員 運んだ米兵や、どういう機材、どの程度のもの。
  420. 小池清彦

    ○小池政府委員 どういうものを運んだかにつきましては、これは事柄の性質上、整備に要する機材、整備用の部品でございますという程度にとどめさせていただきたいと存じます。
  421. 古堅実吉

    古堅分科員 運んだ米兵はどのくらいですか。
  422. 小池清彦

    ○小池政府委員 運んだ数につきましても、これは現在ちょっと手元に数字がございませんで、恐縮でございます。
  423. 古堅実吉

    古堅分科員 運んだ米兵がなぜ言えないのですか。こういうことまで防衛上の秘密などということにしようということなんですか。
  424. 小池清彦

    ○小池政府委員 運んだ人員は、約五十人でございます。
  425. 古堅実吉

    古堅分科員 嘉手納から米兵を運ぶ、機材を運ぶ、そのためにC1機にそれらに要する要員も乗っていったのですか、嘉手納まで。
  426. 小池清彦

    ○小池政府委員 嘉手納までは通常の搭乗員がおりますので、その搭乗員が乗ってまいりました。そして……(古堅分科員「操縦士とかその他通信とか、その範囲ですね」と呼ぶ)そうでございます。大体そういう感じで参りまして、それで嘉手納へ参りますと、これは米側の要員がおりますので、米側の要員が主として労力は提供したわけでございますけれども、その航空機が航空自衛隊のC1でございまして、米軍はC1を持っておりませんので、ここがその相互連携要領の演練の非常に大事なところでございまして、それをC1に載せなければいけませんので、そのための指導をする要員が若干名、C1に乗っていった人数は大体そういうことでございますけれども、現地に那覇の部隊もおりますので、そういうところから参りまして指導はいたしました。
  427. 古堅実吉

    古堅分科員 輸送訓練というんだが、今明らかなように、飛行機を持っていって、輸送される機材というのは嘉手納基地では全部米兵が積み込むということになったのですね。ここで特に何か訓練を必要とされるという事態はなかったわけですね。
  428. 小池清彦

    ○小池政府委員 このC1には、ロードマスターと申しまして、実際に積み込む担当の者も乗っております。そのほかに、現地に航空自衛隊の者が三名とか五名とか参りまして、そして米側と二……(古堅分科員「嘉手納基地にですか」と呼ぶ)そうでございます。それで……(古堅分科員「その飛行機で乗っていったのですか」と呼ぶ)これは飛行機で乗っていったかどうか、ちょっとつまびらかでございませんが、現地の那覇の部隊からも来たと聞いております。したがって、乗っていった者あり、那覇の部隊から来た者ありというふうに御理解いただければと存じます。
  429. 古堅実吉

    古堅分科員 こういう重大な訓練をやるというのに説明も十分できないような状況で、あれ言いこれ言いというふうなことでは、極めて、何か国会における質問に対するいいかげんな答弁をしているようにここは受け取れるのですね。  陸から嘉手納基地に一部は自衛隊としてその訓練をするために行ったのですか。
  430. 小池清彦

    ○小池政府委員 航空自衛隊の那覇基地から航空自衛隊の者が行ったわけでございます。
  431. 古堅実吉

    古堅分科員 車に乗って嘉手納基地に部分的には一たん移ったのですか。それは何人ほどですか。
  432. 小池清彦

    ○小池政府委員 五名程度参っております。
  433. 古堅実吉

    古堅分科員 那覇航空基地からですか。
  434. 小池清彦

    ○小池政府委員 そのとおりでございます。
  435. 古堅実吉

    古堅分科員 特別に機材の輸送について訓練をしなくちゃいかぬという何か難しい、技術的なものがそこにあるのですか。そこを説明してください、納得のいくように。こういう訓練を有事の際を考えてしておかなくちゃいけないので今度の訓練があったのだということについて、聞いて納得のできるように説明してください。
  436. 小池清彦

    ○小池政府委員 有事の際におきまして、アメリカの航空部隊が日本の国内の基地を移動いたしまして展開することは、大いにあり得るわけでございます。そのときに、アメリカの輸送機で通例は運ぶでございましょうけれども、アメリカの輸送機がたまたまそのときに運ぶ数が少ないというようなことも大いにあり得るわけでございます。そのときには、日米共同対処でございますので、自衛隊航空機がその展開した航空部隊の整備に要する人員、機材、部品等を運ぶことは、これまた大いにあり得るわけでございます。そのための相互連携要領を平生からよく演練しておく必要がございます。そのための訓練を行った次第であります。
  437. 古堅実吉

    古堅分科員 実際には、米軍の演習といいあるいは日米の共同訓練といい、米兵が移動する、その米兵が使う機材を移動させる、それは当然積むときにもおろすときにも、米兵は自分たちの機材ですからそれらがみずからやるでありましょう。米兵を乗せたりおろしたり、機材を載せたりおろしたり、そういうものに技術を要するような特別な訓練などというのはちょっと常識的には考えられぬものであります。新聞にも報じておるように、実際には湾岸戦争との関係で、演習に名をかりて米兵の移動に便宜を図ったというのが真実ではありませんか。
  438. 小池清彦

    ○小池政府委員 空輸訓練には搭載と輸送と積みおろし、卸下と称しておりますが、この三段階があるわけでございます。  搭載におきましては、米軍の基地において搭載をいたしましたので、相互連携でございますから当然米側も一緒になって積むわけでございます。しかし、築城基地に参りますと、今度は、それは日本側の基地でありますから日本側の要員が大いに協力をして、おろす訓練をやるわけでございます。そのような訓練を行った次第でございます。
  439. 古堅実吉

    古堅分科員 確認を求めますが、日米共同訓練でそういう輸送のための訓練というのは今度が初めてですか。
  440. 小池清彦

    ○小池政府委員 この種の訓練は初めてでございますが、既に、陸上自衛隊の部隊が米軍の部隊と我が国の演習場内におきまして共同で訓練をするということは、もはや長い間やっておるわけでございます。そのときに陸上自衛隊のヘリコプターに米軍の人員が乗って展開をする、そういう訓練は既にいたしております。
  441. 古堅実吉

    古堅分科員 空のそういう訓練が可能だというのであれば、海でもそういう訓練が可能だという論理の展開になるかと思うのですね。必要に応じて、有事の際を想定して、例えば沖縄から北海道へ、そういう遠隔の地に米軍に便宜を与えるような形での輸送訓練と称する移動、そういうものが空でも海でもどんどんできるというふうなことになるのかと思うのですが、そういうことになりますか。
  442. 小池清彦

    ○小池政府委員 現在海上での輸送訓練につきましては計画はございません。このたび行われました空輸の共同訓練、こういうものにつきましては、今後とも必要に応じまして、また法的妥当性というようなことも考えまして実施していくことになろうと思われます。
  443. 古堅実吉

    古堅分科員 今回は米兵や機材を輸送したということですけれども、必要なら、有事の際を考えて装備、武器弾薬、そういうものも輸送ができるというふうなお考えですか。
  444. 小池清彦

    ○小池政府委員 現在のところ、今回行いました空輸訓練以外に計画はございません。
  445. 古堅実吉

    古堅分科員 有事の際というのはまさに戦争状態ですから、自衛隊が飛行機に米兵を乗せる、機材を載せて動く、Aの飛行場におりようと思っておったのだが、状況が変わった、そこにおりられない、Bの飛行場に行かなければいかぬなどとかいうことになりかねない事態も起こると思うのです。そのときには自衛隊が、ただ単に最初から想定された嘉手納から築城とかいうふうなことではない、米軍の意向に基づいて輸送機が動くというふうなことなども当然あり得ると思うのですが、そういうことも想定されますか。
  446. 小池清彦

    ○小池政府委員 このたびの航空輸送につきましては、これはあくまでも訓練として行ったものでございます。そのように御理解いただきたいと存じます。
  447. 古堅実吉

    古堅分科員 訓練とはいえ、有事の際というふうに前提かついています。これまでの政府説明では、自衛隊について集団自衛権にかかわってそういうことはできないという国会での説明をしてきた、そういうことにももとる部分が出てくるのではないかというふうに思います。問題になりませんか。
  448. 小池清彦

    ○小池政府委員 このたびの訓練は集団的自衛権とは全く関係がございません。あくまでも我が国有事の際における行動の訓練を行った次第でございます。
  449. 古堅実吉

    古堅分科員 とはいっても、自衛隊と米軍が一緒になって、有事の際には今言ったような型にはまったことだけではないことに発展していくという内容になっておるではないですか。集団自衛権という内容になっていきませんか。
  450. 小池清彦

    ○小池政府委員 このたびの訓練は、あくまでも我が国有事の際における共同連携要領を訓練したものでございます。
  451. 古堅実吉

    古堅分科員 長官、今いろいろ御説明を聞きましたが、本当は湾岸戦争で米軍が展開している、そういう状況の中で、訓練に名をかりて米軍の移動に便宜を提供する、そして米軍でかかる経費の節減にも役立つ、そういうことをねらってやったということになりませんか。長官から。
  452. 池田行彦

    ○池田国務大臣 先ほど来教育訓練局長から御答弁申し上げておりますとおり、今回行いました訓練と申しますのは、有事の際の日米共同対処、その際にこういった輸送についての共同の作業も十分想定されるわけでございまして、それに備えての訓練でございます。委員御指摘のように、米軍の経費節減であるとかあるいは輸送手段の提供そのものを目的にしたようなものではございません。
  453. 古堅実吉

    古堅分科員 説明も十分できない、納得もできないようなやりとりになりましたが、こういう輸送の訓練などということを言いながら、実際には、中身では有事を想定して輸送についてのこういう技術的な訓練というのがどうしても必要だということには、ここでの説明では浮かんでこないのです。ですから、先ほど来申し上げたようなことを指摘しているわけです。  次の質問に移ります。  米軍基地の沖縄における返還問題についてですが、昨年六月十九日、沖縄米軍施設、区域の整理統合について確認された十七施設二十三カ所の基地、それについてのそれ以後のいろいろな折衝にわたる点をお尋ねしたいと思います。  まず最初に、現在までの日米の話し合いの結果について、一、返還が完了した施設は何カ所でどこどこか。二、返還を基本的に合意した施設は何カ所でどこどこか。三、返還のための手続、調整が進行中の施設は何カ所か。四、全く話し合いが進んでいない施設は何カ所か。その四点について説明してください。
  454. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  今回合意されました事案の具体的実施に当たりましては、土地所有者及び関係者との綿密な調整が必要でございまして、さらに各事案ごとに合同委員会における返還のための通常手続を経る必要がございます。現在、那覇防衛施設局におきまして随時地元関係者と調整の上、可能なものから手続を進めているところでございます。  具体的な調整の進みぐあいにつきましては、相手もございますので答弁を差し控えさせていただきますが、既にこの二十三事案のうち睦軍貯油施設、いわゆるパイプラインでございます、これは約四・三ヘクタール平成二年十二月三十一日付で返還済みでございます。牧港補給地区補助施設約〇・一ヘクタールにつきましては平成二年九月二十七日付で、キャンプ端慶覧の一部約〇・一ヘクタールにつきましては平成三年二月二十八日付で、それぞれ移設条件つきで返還合意されております。また、移設に必要となる経費を、当庁といたしましては平成三年度予算に計上しているところでございます。  先生、先ほど四点ということで御指摘をちょうだいいたしたわけでございますが、残る二点、最後の調整を進めている施設あるいは全く調整が進んでいない施設、これの区分については定かでございませんで、いずれにしましても、残りの問題につきましては二十件ございまして、これはできるだけ早く返還できるように作業を進めていきたい、かように考えております。
  455. 古堅実吉

    古堅分科員 合意ができたのも他にあるんでしょう。那覇冷凍倉庫はどうなんですか。
  456. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  先ほど御説明申し上げましたいわゆるパイプライン、それから牧港補給地区補助施設及びキャンプ端慶覧の一部でございます。
  457. 古堅実吉

    古堅分科員 合意ができたのがほかにもあるんだろうということをお聞きしておるんですが、ないんですか、あるんですか。
  458. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  今のところございません。
  459. 古堅実吉

    古堅分科員 例えば、今年じゅうに合意に達する努力が展開され、必要な予算が計上されているとかあるいは話し合いが進んでいるとか、そういうところがございますか。あれば、何件についてどのように進んでいるか、説明を求めます。
  460. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  ただいま御説明申し上げました以外で特につけ加えて御説明申し上げる点はございません。
  461. 古堅実吉

    古堅分科員 全く驚いた話です。何が問題があって昨年六月十九日の合意に基づく作業というのが進まないんですか、納得のいくように説明してください。
  462. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  平成二年六月十九日の合同委員会におきまして、返還に向けて所要の調整手続を進めることが確認されました二十三件のうち、移設条件づきで返還されるものが八重岳通信所ほか等十一件であります。移設を要しないものは北部訓練場等十二件でございます。当庁といたしましては、現在地元の意向を踏まえまして、可能なものから逐次、個々の事案ごとは関係者との具体的な調整を進めているところでございますが、相手もあることでございますので、調整の内容につきましては答弁は差し控えさしていただきたいと思います。
  463. 古堅実吉

    古堅分科員 返還の実現に至る段取りについてさえも説明ができないのですか。何をそんなに隠し立てされようとするんですか。
  464. 大原重信

    ○大原政府委員 大変時間をとりまして失礼いたしました。  所要の手続は、合意されましたものにつきまして鋭意米側とも調整をし、あるいは地元の関係者とも御相談をしているところでございまして、手続はさように踏んでまいるつもりでございます。
  465. 古堅実吉

    古堅分科員 具体的にもっと説明してくださいと言っておるんですよ。そういう言い方であれば昨年だって、六月の時点だって言えるような内容のものだ。そんなことを聞こうとしているんじゃないんですよ。わざわざ国会で何のために質問しているかということもよく考えて、できる説明をしてください。納得できませんよ。
  466. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  地元関係者と話し合いが調いましたならば施設特別委員会で協議をいたしまして、しかる後合同委員会で承認を得ます。また、必要であれば代替施設の建設をし、所有者に返還、引き渡すこととなります。  なお、土地所有者から請求がございましたときには、返還財産の原状回復等に要する費用を補償さしていただくというのが手続でございます。
  467. 古堅実吉

    古堅分科員 返還の実現を早めるという立場で、その二十三カ所にかかわって予算が計上されているところがありましょう。
  468. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  平成二年六月十九日の合同委員会において返還に向けて作業を進めることが合意されました施設のうち、牧港補給地区補助施設、那覇冷凍倉庫及びキャンプ端慶覧の一部について、その移設に必要な経費といたしまして、平成三年度において歳出予算額五千三百万円を計上さしていただいております。
  469. 古堅実吉

    古堅分科員 関係者との話し合いが必要だとかあれこれ言って内容を明らかにしようとしないのですが、昨年六年十九日の日米間の合意に基づいて可能なところは早日に返還を実現するというのが、沖縄県民の基地の返還にかかわる強い要望とのかかわりにおいても、政府としてなすべき基本的な態度ではありませんか。
  470. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、平成二年六月十九日に合意されました二十三事案、日米間の合意でございますので、これについては早急な措置を図っていきたい、かようなつもりで作業を進めております。
  471. 古堅実吉

    古堅分科員 予算とか相手があるなどとか、そういう返還実現についての具体的な障害が比較的ないと思われるところでも、いつ返還しますという形での政府の態度がまだ表明されない一つの例として申し上げるが、北部訓練場の国有地の問題です。これは国有地ですから、返還しましょうということで日米間で話し合いがついておるので、移設でも何でもないのです。そういうところなどは、すぐできるんじゃないですか。どうしているのですか。
  472. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  北部訓練場の返還につきまして、これにつきましては移設の条件はついておりません。現在関係先と所要の調整を進めているところでございまして、できるだけ早い時期に合同委員会合意を得たいと考えております。  なお、実際の返還に当たりましては返還面積を確定する必要がございまして、当該地は面積が非常に広大なことから、測量作業に相当の日時を要することになろうと考えております。
  473. 古堅実吉

    古堅分科員 その測量のための予算は計上してあるのですか。
  474. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  この件につきましては関係先とまだ返還の合意に至っておりませんので、予算は計上いたしておりません。
  475. 古堅実吉

    古堅分科員 昨年、あのような大々的な宣伝で県氏に一定の期待を持たせた面もありました。しかし昨年の時点でみみっちい返還ということで、現地でも失望を禁じ得ないとか問題が多いなどという声が上がっておりました。こういうみみっちい返還にしろ、日米間の合意ができたものについては、急いで県民の願いにこたえるということでなくちゃいかぬと思うのだが、今の質問を通じて受ける感じというのは、早目に早目になどとかいうふうなことになっていないように思います。まことに許しがたい状況で進んでおるなというふうに思わざるを得ません。  決まった返還に向けての作業も進まないという状況のもとで、一方では米軍基地がさらに強化されるという事態もあらわれています。その典型的なものが佐世保から沖縄北部の東村慶佐次への米軍専用の海底ケーブルの敷設の問題です。  今まで米軍専用の海底ケーブルはありませんでした。戦後四十六年たちます。そういうもとで新たに米軍専用の海底ケーブルが敷設されるというだけでも、重大な基地の強化につながっていることは、これは多くの説明を必要としない歴然たるものがあります。しかも、この海底ケーブルというのは光ファイバー。米軍自身の軍事関係の雑誌などで説明しているところによりますと、核戦争を想定し、そのときに生き残り作戦としての光ファイバーによる通信施設がどうしても必要なんだ、そういうことを強調しています。まさにそういうことにかかわって、今単に基地の強化ということにとどまらない恐ろしい方向に日本の米軍基地が発展させられようとしている、そういう状況にあります。  それとのかかわりにおいてですが、あの慶佐次の佐世保からの上陸地点というのは御存じのとおりロランCの基地です。ロランCが一九九二年に廃止されるということがあって、あの施設そのものが返還されるんだろうということで、東村としてはリゾート計画その他でいろいろと期待も持っておった。そういう中でこの光ファイバーの沖縄への上陸地点がその施設内になるということになりました。それとのかかわりで、ロランC、その施設そのものがなくなっても、あの基地はそのまま返還されずに引き続き使われるということになるのかなというふうに思うのですが、そこらあたりのかかわりはいかがですか。現地の村当局は心配しています。
  476. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  慶佐次の施設、ロランCの施設は、数年後に米側の運用上の都合により必要性がなくなるというふうに承知しておりますが、この海底ケーブルの施設としても使いたいと考えておりますので、その部分は残るということでございます。
  477. 古堅実吉

    古堅分科員 許せません。時間の都合もありますから、この問題についてそれ以上続けられませんが、次に移ります。  沖縄恩納村の都市型戦闘訓練施設についてです。私は、昨年もこの問題について取り上げましたが、改めて政府の態度についてただしたいというふうに考えています。  政府は、恩納村の米軍都市型戦闘訓練施設の移設のために、九一年度のいわゆる思いやり予算に二億数千万円を計上して対処しようとしています。強引にその施設をつくらしてはみたものの、地元における村を挙げての闘い、沖縄じゅうを巻き込んでのああいう激しい反対の闘いに遭って、今のままではまずいというふうに考えることがあって移設ということになったのであろうというふうに思いますが、なぜ移設に踏み切ったのか説明してください。
  478. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  米軍は、提供された施設の中で施設を整備し、また訓練を実施することは地位協定上許されているところであります。しかしながら、あの都市型訓練施設を米軍が設置いたしました段階で、地元の方々からいろいろな観点からの御反対がございました。それで、私の方も米軍と調整しあるいは県と調整しておりましたところでございますが、前県知事の西銘県知事から収拾案が示されまして、それは米側の訓練を反対しない、この施設は移設するということが条件でございます。それで恩納村長及び恩納村議会の方でもこれを御了解されまして、移設ということで県、米軍、恩納村、防衛施設庁、四者が合意に至った次第でございます。
  479. 古堅実吉

    古堅分科員 この都市型戦闘訓練施設で三月五日、昨年六月以来九カ月ぶりにまたまた実弾演習が再開されました。目下開会中の県議会では、議員からの質問を受けて大田知事が、米軍基地関係などをひっ提げて、訪米するときにはその都市型訓練施設の撤去、それについて要請したいという返事を二月二十八日の議会で行ったばかりでありました。全くあたかもそれへ挑戦するかのごとく、数日後の九カ月ぶりの演習の再開です。直ちにかかる実弾演習、危険きわまりない演習はやめろと日本側からの折衝があってしかるべきだと考えます。長官、御所見を承りたい。
  480. 児玉良雄

    ○児玉政府委員 都市型戦闘訓練施設につきましては、今御説明いたしましたような経緯に基づいて私どもはその移設について今検討をしているところでございます。ただ、米軍が施設、区域内において訓練をすることについて、日本側からとやかく申し上げる立場にないということは御理解いただきたいと思います。
  481. 古堅実吉

    古堅分科員 この予算も計上されておる移設なんですが、どこに移設されようとするのですか、そこを説明してください。
  482. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  今後県、地元恩納村と十分調整を図りつつ他の場所への移設のための作業を進めてまいりたいと考えておりますが、今のところ具体的にここという目安がついてはおりません。
  483. 古堅実吉

    古堅分科員 おかしな話だと思うのですが、予算は計上されている、しかしどこに移設するかわからぬ。そういうことで予算がつくられて国会で通してくださいというふうなことになるんですか。何を根拠に予算をつくり上げ、計上したということになるのですか。
  484. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  この都市型訓練施設は、現在、射撃用建物それから標的用建物、タイヤハウスと所要の施設がございますが、これは射撃訓練のための施設であるということによりまして、ある一定の形というものを持っております。こういったものを移設するということになりますと、それぞれの移転費あるいは道路等の工事費、こういったものを積算して予算要求したものでございます。
  485. 古堅実吉

    古堅分科員 現場のいろいろな土地の造成その他ありましょう。どこに移すかもわからぬのに予算だけは計上される、これは納得のいかない話ですよ。実際には考えているところがあるんじゃないですか。
  486. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  当庁といたしましては、数カ所心当たりの移設先もないわけじゃございません。また県の方はおきましても、移設の話を既にちょうだいしたわけでございますから、移設先についての心当たりがあるいはあろうかとも考えられるわけであります。また、このことは恩納村についても同様のことでございまして、これら三者あるいは米軍の訓練上の所要も含めまして、四者によって調整を行いまして行く先を見つけていくということでございます。
  487. 古堅実吉

    古堅分科員 米軍の訓練施設を日本側の予算でつくってあげましょうということになったのは過去にございますか、今度が初めてですか。
  488. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  こういった都市型訓練施設を移設したということはございませんが、米軍関連の施設は提供施設整備で当庁は担当させていただいております。
  489. 古堅実吉

    古堅分科員 米軍の演習、訓練施設を過去においてつくってあげたというのはどういう事例ですか。
  490. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  都市型訓練施設のような施設を提供したことはございません。
  491. 古堅実吉

    古堅分科員 そのほかに訓練、演習に必要な施設を日本側の予算でつくってあげたというのはどこですか。
  492. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  平成元年度におきまして、三沢基地で消防関連施設をつくっております。
  493. 古堅実吉

    古堅分科員 消防関連施設が演習、訓練の施設ですか。
  494. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  消防訓練等にも使うものでございます。
  495. 古堅実吉

    古堅分科員 ふざけないでくださいよ。消防訓練と米軍の実弾を撃っての訓練、演習と同じですか。どこにありますか。
  496. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  昭和五十五年度、キャンプシュワブにおきまして機銃用射門、射角制御装置であります。及び標的用覆工、五十五年度、ハンセンにおきまして保安さく六キロメートル、標識用鉄柱を整備 いたしております。
  497. 古堅実吉

    古堅分科員 いずれも沖縄における米軍施設のために、単に基地を提供するというだけではなしに、米軍の戦争のための訓練、演習、その施設をつくってあげようなどというところまで踏み込んでおる。国民の血税をこういうところに使われるということが、憲法に照らしても許しがたい問題であることは言うまでもありません。  しかも、今取り上げているところの恩納の都市型戦闘訓練施設というのは、地元の七十や八十を超えるおじいちゃん、おばあちゃんを初め、村長、議会を挙げて、そして全県的な支援を受けながら激しい反対闘争を展開して、体を張って頑張っているところです。少しでも間違えば住民地域に弾が飛んでいく、沖縄の演習場というのは全部そういう重大な欠陥を持たされた側面があります。この恩納の戦闘訓練施設のある地域というのも、住民地域から近いところでわずか三百メーター、そのぐらいしか離れていない、道からも鉄砲を撃ち合う煙などというものはすぐ見える、こういうところですよ。  ですから、恩納村議会でも過去五回にわたって、そういう演習は許さぬ、直ちにそういう施設は撤去しろ、沖縄県議会でも五回にわたって激しい調子で、そういう演習は直ちに中止しろ、こういう基地は撤去しろという決議が行われました。私も、沖縄復帰前の立法院から県議会にかかわって二十八年ばかり働かせていただきましたが、私のそういう三十年近い経験に照らしても、同じ問題でわずか一年半ぐらいの期間に五回にもわたって全会一致で県議会が決議政府にも要請したなどというのは、沖縄の祖国復帰の問題についてさえもなかった、それほどに重大な問題になっています。そういうものに国の予算をもってこういう施設をつくってあげましょうなどということが、どんなに許せない問題であるか言うまでもないことだと思うのです。こういうことにかかわっての実弾演習が三月五日にまた再開されたのです。  長官、事情をそれ以上説明するまでもないと思いますが、こういう重大な問題です。まかり間違えば命にかかわるそういう基地ですよ。そこでの実弾演習ですよ。日本政府が、アメリカがどう言おうと説得してやめさせるということでなくてはいけません。基地一般の問題じゃない。御所見を承りたい。
  498. 池田行彦

    ○池田国務大臣 日米安保体制の有効性を確保する上から、在日米軍に対しまして施設を提供してまいることは、これは訓練施設も含めまして必要なことである、このように考えております。そうして、今御指摘の恩納村の都市型訓練施設につきましては、関係者いろいろ話し合いまして調整の上移設の方向が導き出された、こういう事情があるわけでございますので、これからも県あるいは恩納村とも話し合いをしながら、その方向が実現するように努力してまいりたいと存じます。
  499. 古堅実吉

    古堅分科員 時間が残り少なくなりましたので、最後に、沖縄中部の米軍基地読谷村におけるパラシュート降下訓練、その事故の問題にかかわって質問したいと思います。  三月七日に米軍は読谷補助飛行場でパラシュート降下訓練を実施し、その際四人の米兵が基地外に風に流されており立った。こういう事故というのは過去二十八回にわたる、村当局の説明によればそう言われております。実に危険きわまりない。あんな狭い地域で、落下傘がおりてくるのが見えないくらいの高高度からの降下訓練などというものを展開するわけですから、少しの風の流れでも基地外に流されていくなどということが、これも数えられないくらいこれまであったわけです。こういう狭い、欠陥を持った演習場というのは直ちになくすべきだ、こういうパラシュート降下訓練というのは直ちにやめるべきだという切実な思いを込めて、そういう演習がなされるたびにこういう要求行動を展開しています。こういうことにかかわる問題です。  今回四人の米兵が相次いで施設外に流されておりた、そういうことにかかわって抗議を受けた現地沖縄の施設局は、調査をして事故の原因が明らかになれば、米軍に対してその訓練を中止するような申し入れをすることもあるというふうなことを言っています。事情をお聞きだと思いますが、どういう調査がなされ、どういう態度をとろうとしているか、説明してください。
  500. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  せんだっての三月七日の訓練はつきまして、この実態について少し申し上げたいと存じます。  三月七日七時二十八分、一回目の三名が降下いたしましたが、これは施設内に降下いたしました。七時三十五分に二回目の四名が降下いたしました。委員御指摘の四名とはこの四名と思います。一名が施設区域外に降下いたしまして、一名は施設区域内に降下いたしました。このため米軍は訓練を中止いたしました。残り二名につきましては、施設区域の境界付近に降下したが位置は特定できなかったということでございます。那覇局からは米軍に対しまして再発防止について注意を喚起するとともに、原因究明とその対策に万全を期するように申し入れを行ったところでございます。
  501. 古堅実吉

    古堅分科員 これまで数限りなく言われてきたこういう危険きわまりない落下傘降下訓練についてでも、政府は県民の願いにこたえ、地元民の願いにこたえてアメリカに向かって何とか物を言おうと、やめたらどうかというふうなことさえも言えないのですか。
  502. 大原重信

    ○大原政府委員 お答え申し上げます。  米軍は安保条約の目的達成のため、提供された施設区域内において訓練を行うことは地位協定上認められているところでございます。しかしながら、訓練に際しては住民の生活に及ぼす影響をできるだけ少なくするよう配慮することは当然のことでございまして、当庁といたしましても、訓練に際し機会あるごとに米側に安全管理について注意を喚起しているところでございます。
  503. 古堅実吉

    古堅分科員 こういうことではいつまでたっても県民の安全を確保できないからこそ、野蛮きわまりない危険な演習場というのは撤去させる方向で、そういう演習というのはやめさせる方向で、日本が国民の立場に立って何らか折衝をしなくちゃいかぬじゃないか、そう言っておるのですよ。万全を期して安全確保のためにやりますというふうなことを何遍、何十回繰り返してきたか、そういうことではおさまらぬから言っておるのです。まことに許せません。  この読谷の降下訓練、演習を直ちにやめさせる、都市型戦闘訓練の実弾射撃演習、直ちにやめさせる。沖縄県民の意思に従って、そういう基地は撤去させるという方向に努力してこそ主権国家として国民の命、安全を守る、そういう立場であり得るというふうに申せます。時間がありませんので、重大な、許せない政府の態度を厳しく指摘して、終わらせていただます。
  504. 新村勝雄

    新村主査代理 これにて古堅実吉君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして防衛庁についての質疑は終了いたしました。     ─────────────
  505. 新村勝雄

    新村主査代理 次に、警察庁について質疑の申し出があります。これを許します。関晴正君。
  506. 関晴正

    ○関分科員 青森市の宗教法人香取神社のとっている行為について、これは明らかに違法なことをしているのではないだろうかという見地からお尋ねをしたい、こう思います。  昨年の二月に、宗教法人香取神社が告発を受けております。告発の内容は、この神社の財産処分によって得た金を他の宗教法人に供しておる。他の宗教法人というのは、同じく青森市にある宗教法人善知鳥神社のことであります。  宗教法人の法律の第十八条の五項でございます。この五項には、「代表役員及び責任役員は、常に法令、規則及び当該宗教法人を包括する宗教団体が当該宗教法人と協議して定めた規程がある場合にはその規程に従い、更にこれらの法令、規則又は規程に違反しない限り、宗教上の規約、規律、慣習及び伝統を十分に考慮して、当該宗教法人の業務及び事業の適切な運営をはかり、その保護管理する財産については、いやしくもこれを他の目的に使用し、又は濫用しないようにしなければならない。」こうございます。  したがいまして、告発人は、宗教法人香取神社の、同じく宗教法人善知鳥神社に対する出費行為というものは、これはこの五項に相反する行為ではないだろうか。しかも、その金額において数億円であります。告発者の内容によりますというと三億円ということになっておりますが、実際にはどの程度の金額になっておるのかは知る由もありません。しかしながら、この宗教法人の行った行為というものは十八条の五項に違反する行為である。したがって警察は早急にこの告発を受けて対処すべきである、こう思うのですけれども、現在どのような状況になっているのかということと、この問題についての見解、それも含めましてお答えをいただければ、こう思います。
  507. 國松孝次

    國松政府委員 お尋ねの件につきましては、平成二年七月二十六日に 青森県警察に対して背任、横領の疑いで告発がございまして、その後青森県警察におきましては関係者多数から事情を聴取するなど所要の捜査を行い、ほぼその捜査を終了いたしまして、近日中に送付をする予定であるという報告を受けております。
  508. 関晴正

    ○関分科員 そうしますと、すべき捜査、そのことはすべて終わり、書類は近く検察庁に送致する、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
  509. 國松孝次

    國松政府委員 そのように御理解いただいて結構でございます。
  510. 関晴正

    ○関分科員 青森県議会におけるこの質問に対する答えにおいては、なお捜査中、こうなっておるのですけれども、ただいまの局長によりますというと捜査が終わり、近く送致する。この近くというのはどのくらいになるのでございましょうか。
  511. 國松孝次

    國松政府委員 いつということまで詰めて聞いておるわけではございませんが、もう本当の近近、場合によっては一両日中というようなことでもいける、つまり、先生からいろいろと御質問があったことも私承知しておりますが、その後捜査が進みまして、やるべき捜査はおおむね終わった、したがいましてあとは最終的な詰めを行いまして、近々に送るというように聞いております。
  512. 関晴正

    ○関分科員 ただいまのお話の中にも、実はこの問題は昨年の二月に私が口頭をもって青森署に告発をした事件であります。しかしながら、青森署というところがこれに対してなかなか腰を上げない。腰を上げないものですから、告発者は検察庁の方に持っていきました。検察庁の方に持っていきまして、検察庁の方からさらに文書で正式に出しなさい、こういうことがありまして、行われたのが七月二十六日付の文書であったゎけです。  二月に出ていたものを、七月二十六日までの五カ月間というものが全く何の意味もなしていない、こういうようなことは、警察として、住民に対する信頼において欠けているものがあるのじゃないだろうか、そのこともまた最後までつきまとうて、警察がどう扱うのだろうかということもまたあったわけでございます。したがって、告発があった場合には速やかにそれに当たるというのが警察庁の、当局の方針であるのじゃないだろうか。五カ月もおくれておるということについての考え方、それからまた、捜査が完了しながらなお今日非常に長引いておった。幸いにして今局長は全く近々であるということでありますから、それに至ることを信じますけれども、捜査が終わってもこれをおくれさせる、何でそういうことに至ったのであろうかお尋ねしておきたいと思いますし、そういう告発があった場合の警察の基本方針というものは、ゆっくりやれということなのか、示しているように速やかに当たれということなのか、そして、おくれているということをどう見るのかという点についても伺っておきたいと思います。
  513. 國松孝次

    國松政府委員 事件の推移につきまして若干御認識の相違があるのかなと思いながらお伺いしておりましたけれども、私どもで聞いておりますところによりますと、本件につきましては、青森県警察におきましても、いろいろな方の告発以外に、この事件につきましてのいろいろなうわさ話があるということは聞いて、それは捜査はしておったわけでございます。  いずれにいたしましても、関係人が非常に多い。もちろんその中から告発の動きがあるというのはずっと聞いておりました。ただ私ども先生がおっしゃいましたように、大体二月ぐらいから七月まで何もやっていなかったわけではございません。所要の捜査を全部やっておりました。その間、関係人の皆様方におかれましては、いろいろと民事訴訟その他をやっておられたように私ども聞いております。それで、私どもの方に正式に七月の末に告発がございました。その前からもう捜査はやっておりましたが、その告発を受けて、青森におきましては捜査をずっと続行しておって、今回この時期におきまして大体捜査は終了することになったということでございます。  それでもちろん、告発、告訴を受けた事件につきましては速やかにやらなければならないというのは、我々の当然の務めでございます。ただ、お尋ねのような事件は、告発されました罪状を見ましても、背任であるとか横領であるとかいうことでございます。しかも本件の場合、この両神社の関係はずっと昭和二十年代から続いておるような関係でございますので、そういったところのいろいろな、どういう関係にあったのか、また氏子と申されますかいろいろな神社関係者の方もおられる。これも非常に多数に上ります。そういう人たちの供述を皆突き合わせませんと、背任になるのかならないのか、宗教法人法十八条の五項に違反する行為があるのかどうかということを詰め切らないわけでございます。  したがいまして、なるほど告発を受けてから近日中に送るといたしまして、半年以上は経過しておることは間違いないわけでございますが、私どもはこの事件の性格上そんなに遅くやっていたというような感じはいたしておりません。やはりいろいろな事件と申しますものにつきまして、我々告発を受けました以上、捜査機関として一応の自分たちの心証を得るまで捜査をしなければならないということもありますので、その点につきましてはどうか御理解をいただきたいと思います。  原則といたしましてのお尋ねがございましたけれども、私ども告訴、告発を受けました場合には、速やかに事件を捜査いたしまして検察庁に送付すべきであるというのが我々の責務でございます。
  514. 関晴正

    ○関分科員 これで終わります。
  515. 新村勝雄

    新村主査代理 これにて関晴正君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして警察庁についての質疑は終了いたしました。  次回は、明十三日午前九時三十分から開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後七時四十二分散会