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海部内閣総理大臣 御指摘のように、全体として日米関係をそういう現象面的なことによって大きく崩すことはよくないということは私もそのとおりに思いますが、しかし、ここで
農林水産大臣が詳しく御
説明しましたことを繰り返しませんけれども、私はあのことは大変残念な誤解というか、そういったところも
一つの出発点であったのではないだろうか。
報道によりますと、
農林水産大臣が米を展示した業者に対して、これを逮捕するというようなことを言った。それがえらいアメリカ側を、農民に対する侮辱でないかといって怒らせた。これはたしか私の記憶に誤りなければニューヨーク・タイムズか何かの記事を引用しての報道であったと思います。私は直ちに
農林水産大臣に、そんな、君、刺激的なことを言ったのといって聞いたのですが、今ここで詳しく御
説明しましたとおりに、実に丁重に配慮をしてきちんと手続をとり、
法律の原則を曲げるわけにいかないので、理解と納得の上で撤去して守ってもらうように説得これ努めたわけであって、逮捕のタの字も自分は言うはずがないし言ったこともない、こういうことでございます。それなれば、その誤解をきちっと解く必要もあるわけでありますから、丁寧にこのことはホワイトハウスに連絡をして、しかるべき人も派遣して、きちっとしてそれらのことは理解をお互いに共通にしておくようにするべき必要があるのではないか、こういったことを直ちに話して、そのような
措置をとっておるところでもございます。
また、九十億ドルのお話にもお触れになりましたけれども、これについては、きょうもこの
審議中にフィッツウォーター報道官の記者会見の記事のメモも入ってまいりましたけれども、それについては、日本が既に一部払い込んだわけでありますから、それについては非常に高く評価しておるし感謝もしておる、こういうことでございました。ただ、いろいろ、日本の
国会でお願いをした一兆一千七百億円というのが円建ての拠金でありました。第一回のときに払い込んだときは幸い今と逆の為替の状況でございましたから、幾らかプラス分がある価値で円を払い込んだということがありますが、この九十億ドルの方は御指摘のように幾らか為替差損の出る額でございましたけれども、とにかくそれをGCCに全額払い込んで、そのことについては高い評価も得ておるわけでございますが、日本の
国会の
制度、予算の
制度、円で決めたということ、それらのことについても誠意を持って
説明をして、理解を求めていきたいと私は考えております。