○中村説明員
高齢者保健福祉推進十か年戦略の中のホームヘルパーについての
お尋ねでございます。先生の
お話にございましたように、昨
年度平成二
年度を初
年度といたしまして二〇〇〇年までの十年間に、高齢者の保健福祉
施策の目標を定めました
高齢者保健福祉推進十か年戦略におきまして、ホームヘルパーにつきましては十万人を二〇〇〇年段階において
整備するという目標を掲げて
施策を推進いたしております。
最初の
お尋ねでございますが、ヘルパー十万人の目標の
考え方ということでございますけれ
ども、ヘルパーの目標数、これは在宅福祉の中心でございますが、何分、在宅福祉については我が国で始まったばかりであり、定着もしていない、そういうことでございまして、将来の国民のホームヘルパーの利用形態がどのようなものになるかということの仮定などが置きにくかったことがございまして、根拠といたしましては、
昭和六十三年十月に厚生省、労働省共同で
国会に提出いたしました、「長寿・福祉社会を
実現するための
施策の基本的
考え方と目標について」という福祉ビジョンがございますが、この福祉ビジョンで二〇〇〇年に五万人という
計画を出しておりました。これにつきましては、その後
国会審議の中で、前倒しして実施すべきではないかという御
議論もございましたので、この福祉ビジョンでお示しをいたしました水準五万人を倍増するということを今回の十か年戦略の中では掲げさせていただいた、こういうふうになっております。
しからば、十万人体制になった場合にどのような格好になって在宅福祉
施策が進められるのか、こういうことになるわけでございます。いわゆる寝たきりとか痴呆とか、そういう要介護老人の多様なニーズに在宅で対応していくというのが在宅福祉対策の考えでございますが、こういう多様なニーズを持ったお年寄りを
地域で支えていくということになりますと、ホームヘルパーはもとより、いろいろな福祉
施策、ヘルスの
施策、保健の
施策というものを組み合わせていく必要があると考えております。
そういう中で、ホームヘルパーにつきましては、例えば寝たきり老人の御家庭であれば週四回程度派遣できるようになるのではないか、こういう
施策と、デイサービス、これは通っていただいて日中処遇をするものでございますが、それが週二回程度、これはデイサービスセンターを中学校区に
一つ二〇〇〇年までにつくるという目標を立てておりますので、そういったことなどを組み合わせる。あるいは、介護している御家族の方が疲れるというようなこともございますので、ショートステイ、これは施設に時々、短い期間お年寄りをお預かりするということですが、これも五万床を
整備するというふうな目標になっておりますので、そうできますと、二月に一回程度お預かりできる。訪問指導、これは保健婦さんが月に一回程度行って体の様子を見る。こういうようなサービスの水準を
確保することによりまして、ヘルパーの十万人体制、寝たきりのお年寄りに週四回というようなサービスをあわせまして、在宅で要介護のお年寄りを支えられるようになるのではないか、こういうふうに考えております。
次に、処遇の改善ということで、ホームヘルパーさんの手当につきまして御
質問がございました。これは
平成元年度に、ただいまも申し上げましたように、ヘルパーさんの業務も介護中心の業務にシフトしていただきたいと考えまして、介護中心業務型と家事援助業務型の手当と、二段階の手当を導入いたしております。
平成二
年度で申し上げますと、年額で申しますと、介護中心業務のヘルパーさんは二百四十三万六千円でございます。家事援助業務型の方は百六十二万四千円ということでございます。これを三
年度には約三・七%引き上げまして、介護中心型の方であれば二百五十二万五千円、家事援助中心の方でございますと百六十八万四千円というようなオーダーになっております。月額で申しますと、三
年度では介護中心の方が二十一万円、家事中心の方が十四万円、こういう水準に相なっております。
それから、今
年度から導入いたしますチーム運営方式についての
お尋ねでございますが、ただいまも申し上げましたような高齢者の多様なニーズにこたえてホームヘルパーさんの業務の質を高めていくという観点から、チーム運営方式というものを導入いたしました。
三つの観点がございまして、
一つは、ホームヘルパーさんのお仕事につきまして、ソーシャルワーカーや看護婦さん等、他の職種の方とのコーディネーター、調整を図っていただくという観点から、いろいろな
会議費とかそういうような費用を計上いたしております。
それから、基幹的なホームヘルパーさんというものを育てたいということで、パートのヘルパーさんがふえておりますので、中心となる基幹的なホームヘルパーさんとパートヘルパーさんでチームを運営していただく。そういう基幹的なヘルパーさんについては、平
年度ベースで百万円ほどの手当を上積みしたいということでございますので、先ほど申し上げました月額二十一万円の介護中心のヘルパーさんに対しまして月額九万円程度上積みされるので、約三十万円に近い手当が支給されるように基幹的なヘルパーさんについてはなるのではないかと思っています。
第三点目の観点といたしましては、こういう介護に対して
理解と熱意を持っていただく、いろいろな主婦層の方とか高齢者の中でも若手の方々、
矛盾するようなあれですがヤングオールドの方々に、やはりヘルパー業務に積極的に参加していただく、そのためには、リーダーとなるヘルパーさんがいろいろ指導していただくということが大事でございますので、そういう国民皆参加の介護というようなことを促進する観点から、チーム運営方式を導入いたしておるところでございます。
それらの経費につきまして、ただいま申し上げましたようにチーム運営に必要な運営費と、その基幹的ヘルパーさんの処遇改善のための業務加算費というものを計上させていただいているところでございます。