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堀委員 経済企画庁、もう時間がありませんから、退席してもらって結構です。
実は私、マルフォードと話をしましたときに、マルフォードがこういうことを言うのですね。堀さん、もし
アメリカならば、私の息子が、ちょっとおやじさん一万ドル貸せ、こう言って、それで今のTBをオーバーナイトでやって、そして小遣いくらい稼げるのですよと。だから何とか源泉徴収というのをやめてくれと言いました。私は彼にこう言ったのですね。私でも、私の息子が今短期
国債で
処理をしようというのならやれます。私は、小さいですけれ
ども株式会社昌平という法人の代表取締役をしておりまして、息子もスタッフでございます。ですから、要するに、法人の金で
処理をして、収益があったらそれをボーナスかなんかで渡すということも可能なんで、あなた方は個人ばかり
考えているけれ
ども、
日本には法人が百万以上あるのだ、あなた、知っていますか、こう聞きましたら、いや、そんなことは全然
考えたこともない、こう言っているわけであります。
だから、今の個人、法人の問題というのは、要するに法人とはごく限られたものだ、
日本のように百万以上も、中でもちょっとひどいと思うのですけれ
ども、その中の
赤字法人というものがほとんどだというような話は、これはちょっと余談でありますけれ
ども、実情を彼らが知らないものだからそういう話なんで、マルフォードとはそれはきっちりやって、そこはわかったとマルフォードが私に言っていますから、個人でという話にはなってないと思うのです。
それからもう一つ、私は今の問題の中で初めから言っていることですけれ
ども、これは
日本銀行にブックエントリーされているわけですね。ブックエントリーされていて、そして私が聞いている限りでは、個人にいくことについては理財局も非常に慎重なので、証券会社に対して、証券会社がやっている短期
国債の取引を個人でやらせるようなことがあったら、
国債取引はその証券会社ではやりませんよという一札をとっていますという話を大分前に一回聞いたことがあるのです。だから、要するに、個人にいく話は遮断することはそんなに困難ではない、こう私は思っているわけであります。
そこで、
橋本大蔵大臣に
伺いたいのでありますけれ
ども、私はこの三十一年間主として
大蔵委員会におりまして、私がいろいろな問題の提起をして、それが今日非常に役立っておる問題というのは数ございますが、それは、実は田中角栄さんが
大蔵大臣の三年間、この間に私が田中角栄さんに物を
提案します。非常に顕著だったのは、証券の免許制問題なんです。証券の免許制というのは、当時一任勘定が横行してどうにもならない。当時は理財局証券部と言ったのですけれ
ども、その証券部に対して、ともかく一任勘定ができないように通達をつくれと言って、通達をつくってやってもらっても、なおなかなかそう簡単でなかった時期がございました。そこで私が、どうしてもこの登録制の証券会社ではそういう顧客に対して大きな損害を与えておるので免許制にしたいということで、既に証取審も免許制の答申を出しておりましたから、田中角栄さんにボールをぶつけました。そこで、田中角栄さんは私に対して、当時証券部長、加治木さんですが、隣に座っていて、大臣の方ばかり向いて、大臣、慎重にお願いします、慎重にお願いしますと言っているのですよ。堀さん、ごらんのように事務方はまだここへ来てまで反対しています。私がこの席へ出る前に、事務方は二年や三年で免許制をやるなんという答弁をしていただいたら、私
どもとても六百もある証券会社を監督することはできませんから、それだけはひとつ大臣、こういうことを言っていました。今もやっています。しかし、私は政治家としてあなたの
提案に賛成です。今内閣
委員会に証券局設置法をお願いしておりますが.この証券局設置法を通していただきましたら、
最初の仕事として証券の免許制に取り組みます。これが角さんの答弁です。これによって、現在の証取法は、私の
考えました、要するに
業務別免許という、
世界の免許の中には類例のない証券取引法というものを、当時の松井
局長や加治木さんと相談してつくったという経緯がございます。
もう一つあるのです。実は、生命保険では税で所得控除があるのですけれ
ども、火災保険では実はそれはないのですね。
そこで私に、ひとつ火災保険だって税の控除ができないだろうかという話でしたから、私はそれをまた角さんとやりました。私は、どうして生命保険料は控除があるけれ
ども火災保険料は控除がないんだと聞きましたら、主税
局長が、
世界の国に火災保険料控除というのはありません、こう言いましたから、私が、それでは主税
局長、聞くけれ
ども、木と紙でできている家に住んでいるところが
日本以外にあるのか、こう言って聞きましたら、主税
局長が、いや、それはありません。そうしたら、角さんが直ちに、
堀委員の
提案を検討します。そうして三千円の所得控除ができたのです。
要するに私は、大臣というのはいかに政治的な問題に対してどういう判断をするかというのが大臣のあるべき姿だと思っているのですね。それを私は公式に竹下さんが
大蔵大臣になった
最初の一般質問でやりました。そうして、要するに私は、これまで長い間
大蔵大臣とおつき合いをしてきたけれ
ども、政治家としての
大蔵大臣というのは田中角栄さんただ一人だった、あとは役人の書いたとおりにやっている、それでは要するに政治家の大臣が必要でないのではないか、竹下さん、あなたは田中さんの要するに門下生だし、きょう
大蔵大臣になられたから、ひとつ田中さんのように政治家としての
大蔵大臣になってくださいと。ああいう事件があって非常に残念だけれ
ども、私は今日でも、要するに政治家としての
大蔵大臣というのは田中角栄さん、これまで一人だと思うのです。どうかひとつ、政治家としての
大蔵大臣を二人にしたいのですね。
ということで、今の源泉徴収の問題、ごくほんの小さなことですよ。片方に、円の国際的な金融化をやるという戦略は大きな問題なのですね。だからこれは、
大蔵大臣の政治的決断によって、あなたが角さんと同じように、要するに
国際金融的に
日本の円を国際化するために、そういう
部分ならばそれはひとつちゃんとしましょう、そうしていただくと二人目の政治家
大蔵大臣が誕生する、こういうことでありますが、いかがでしょうか。