○渡部(一)
委員 御多用中のところ大臣に御出席をいただき、感謝しております。
私の方から少し本法の審議の前提となりますテーマについて、
商品取引所の
合併の現況につき、まずお願いしたいと思っておるわけであります。
我が国経済が
国際化を達成するということは、
我が国の政治
経済上の重要課題でございますが、膨大なGNPの上昇とともに我々はそのビヘービアがまだよくわからないところがある。特にぐあいが悪いのは、
商品取引に関する
知識あるいは
商品取引から始まる
先物の扱いの
知識、そういうものの国民的啓蒙がおくれておる。えてすると
先物業者などというものは、泥棒、強盗、人殺し、
先物業者というやらずぶったくり
業界などという悪名すらつけられておって、その本来有するリスクヘッジの機能に対する深い理解とかあるいはこうしたものに対する理解に伴うところの企業の安定あるいは
商品コストの安定化というような大きな機能というものが見失われる可能性があると心配をいたしておるところでございます。したがいまして私は、今回の
商品ファンドの導入というものは、
通産省が
指導されて金
取引所をつくられて以来の壮挙であり、大変立派なことをなさったな、
我が国の大きな、
商品あるいは
先物あるいはこうした
ファンドに対する理解を進める上で一歩前進の挙を進められたと高く評価しておるところでございます。ただ、したがって、褒めるためにはいろいろ
注意も要るわけでございまして、それを今からるる申し上げたいと思っておるわけであります。
まず、この
商品ファンドの前提として申し上げるわけでありますが、現在
通産省及び農水省のお持ちの
商品取引所、これが十六
取引所あるそうでございますが、省別に統合が行われつつありまして、この方向というものは定着してきたと思うわけでございますが、省別に統合するというふうになりますと、えてして一極
集中型になってしまう。例えば、私の選挙区内のことを言って恐縮でございますが、生糸
取引所があるわけであります。この生糸
取引所なんというものは、その大きさや
規模からいいましてもそう大きなものではございませんけれ
ども、横でゴムもある、ほかのものもある。全部一緒に
合併してやるといいなというので、生糸
取引所はいち早く少し大きなビルを建てて
商品取引全体をそこに集結する、自分たちの思い込みでやったわけでございますが、そういう方向に走ろうとした。そうしたら、どちらの省かわかりませんけれ
ども、各省別の統合が先である、先走りをするな、おまえの方はどうせつぶれるのだ、それで
大阪へ行くか
東京へ行くかなのだ、滅びいくものは余り過大な
投資をするべきではない、少しオーバーに言うておるわけでございますが、そういうふうに言われちゃった。
そうしますと、
神戸の貿易港としての機能を持つ
業者がわんさといるわけでございますから、そういう
業者にとってはひどいショック的発言である。しかも、
神戸のようなところは関西圏で一番お金をたくさん持っている人がおりまして、その人たちは、
神戸のそういう
取引所を利用して投機をする、あるいはリスクヘッジをする、あるいはただの
投資をするというふうないろいろな希望を持っているわけですが、どうも小さくて狭い、それから将来の
見通しもない、それじゃまあ
東京まで電話をかけるか、こういうことになるわけでございますね。電話とファックスとその他コンピューターのシステムがあれば同じようなものであるけれ
ども、そういうやり方でいくと、ひどく
日本全体における
商品取引あるいは
商品先物取引におけるところの前進性というのが失われてしまう。機能は小さくまとまるけれ
ども意味がないというふうになりかねない。
ですから、私をして言わしめれば、
日本全体の
地域別の統合をむしろ進めることをもうやるべき時期が来ているんじゃないか。省ごと
合併はもうかなり進んでおられるので、
通産省と農水省でお話し合いをされまして、
地域ごとに
合併して主要拠点にそういうものを残していくという方向を行う、そして既存の
業者の
知識、そうしたものの経験者の知恵というものを活用するべきではなかろうかと思うわけであります。それはいかがか。そしてまた、そういう
地域合併をしたところはいずれも今回指定されました
商品ファンドの取り扱いができるように配慮すべきではなかろうか。
数点の質問を一緒にまとめて申し上げましたが、御所見を承りたいと存じます。