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1991-06-14 第120回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成三年六月十四日(金曜日)     午前十一時一分開議  出席委員    委員長 高村 正彦君    理事 高鳥  修君 理事 宮路 和明君    理事 村上誠一郎君 理事 緒方 克陽君    理事 川俣健二郎君 理事 石田 祝稔君       岩屋  毅君    金子原二郎君       金子徳之介君    久間 章生君       鈴木 俊一君    住  博司君       虎島 和夫君    萩山 教嚴君       星野 行男君    増田 敏男君       松岡 利勝君    光武  顕君       簗瀬  進君    有川 清次君       石橋 大吉君    五島 正規君       沢田  広君    田口 健二君       遠藤 乙彦君    鍛冶  清君       山口那津男君    吉井 英勝君       伊藤 英成君    楢崎弥之助君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (国土庁長官) 西田  司君  委員外出席者         警察庁警務局給         与厚生課長   黒澤 正和君         警察庁警備局警         備課長     兼元 俊徳君         防衛庁防衛局長 畠山  蕃君         国土庁地方振興         局総務課過疎対         策室長     木寺  久君         国土庁防災局長 鹿島 尚武君         大蔵大臣官房企         画官      大前  茂君         大蔵省主計局主         計官      浜中秀一郎君         国税庁直税部所         得税課長    諏訪  茂君         文部大臣官房文         教施設部指導課         長       勝山 正嗣君         文部省初等中等         教育局高等学校         課長      辻村 哲夫君         文部省教育助成         局財務課長   佐々木正峰君         文部省学術国際         局学術課長   雨宮  忠君         文部省体育局学         校健康教育課長 富岡 賢治君         厚生省保健医療         局疾病対策課長 有川  勲君         厚生省社会局保         護課長     炭谷  茂君         厚生省社会局施         設課長     松本 省藏君         農林水産大臣官         房参事官    山田 栄司君         林野庁指導部治         山課長     弘中 義夫君         運輸省地域交通         局海上交通課長 橋本 雅之君         海上保安庁警備         救難部長    茅根 滋男君         気象庁地震火山         部地震火山業務         課長      森  俊雄君         労働省労働基準         局補償課長   出村 能延君         労働省職業安定         局雇用保険課長 日比  徹君         建設省河川局防         災課長     加藤  昭君         建設省河川局砂         防部砂防課土石         流対策官    池谷  浩君         建設省住宅局住         宅総務課長   小川 忠男君         自治大臣官房参         事官      長澤 純一君         自治省税務局企         画課長     成瀬 宣孝君         消防庁総務課長 木下 英敏君         消防庁防災課長 古内  晋君         参  考  人         (日本たばこ産         業株式会社常務         取締役)    折居 靖彦君         特別委員会第三         調査室長    下野 一則君     ───────────── 委員の異動 六月十四日  辞任         補欠選任   村井  仁君     久間 章生君   山中 末治君     田口 健二君   薮仲 義彦君     遠藤 乙彦君   高木 義明君     伊藤 英成君   阿部 昭吾君     楢崎弥之助君 同日  辞任         補欠選任   久間 章生君     村井  仁君   田口 健二君     山中 末治君   遠藤 乙彦君     薮仲 義彦君   伊藤 英成君     高木 義明君   楢崎弥之助君     阿部 昭吾君     ───────────── 本日の会議に付した案件  災害対策に関する件(雲仙岳噴火に係る災害対策)  派遣委員からの報告聴取      ────◇─────
  2. 高村正彦

    高村委員長 これより会議を開きます。  災害対策に関する件について調査を進めます。  去る六月十二日、平成三年雲仙岳噴火による被害状況調査のため、長崎県に委員派遣を行いましたので、この際、私が派遣委員を代表いたしまして、この席から調査の概要について御報告申し上げます。  派遣委員は、自由民主党の高鳥修君、日本社会党護憲共同川俣健二郎君、公明党・国民会議石田祝稔君、日本共産党吉井英勝君、そして私の五名であります。このほかに、委員金子原二郎君、高木義明君、地元選出議員久間章生君、田口健二君の御参加を得まして調査してまいりました。  約二百年ぶりの雲仙岳噴火は、住民を初めとする関係者に多大の不安を与えております。火山活動はなおとどまることなく、何度も火砕流を繰り返しており、八日の火砕流は人家が密集している海岸線に約二キロという地点まで達しております。また十一日深夜には、噴石を吹き上げる噴火という新しい事態が起きております。なお、梅雨時ということから大規模な土石流のおそれが多分にあり、今後も厳重な警戒を必要としております。  県当局説明によりますと六月十一日現在、死者・行方不明者三十八名、負傷者十四名、住宅等家屋の喪失は推定で百二十九戸に達しており、また、簡易水道施設公共土木施設、農作物、畜産等にも多大の被害発生している状況であります。  一方、警戒区域及び避難勧告対象区域避難対象者は、二千五百四十七世帯、九千八百四十二人の多きに達しております。  私ども一行避難所二カ所を訪問し、被災者方々にお見舞いを申し上げるとともに励ましてまいりました。状況は想像以上に逼迫しており、避難されている方々は、締め切った室内における過密な状態での長引く避難生活、寝食はもちろん入浴やトイレ、着がえ、洗濯など衣食住全般にわたり非常に不便な生活を強いられておりますことから、その疲労は極限に達しているようでありました。  長崎県、島原市及び深江町は、それぞれ災害対策本部を設置するとともに、国の支援を受け、これまでに緊急対策として、人命安全確保を最優先に、土石流発生に伴う水無川の堆積土石の除去、行方不明者の捜索・救出、監視・警戒体制の強化、応急仮設住宅の建設、公的住宅確保等に努め、県、市及び町一体となって対策を推進しております。しかしながら関係自治体には財政的事情もあり、災害対策に万全を期するためには、今後も引き続き国の全面的な支援が必要かと考えます。  次に、関係自治体要望事項のうち主なものを紹介させていただきます。  一、災害救助法の弾力的な運用  二、活動火山対策特別措置法適用  三、集団避難交通規制に伴う財政援助  四、多数の民家焼失に伴う集団移転に対する財政援助  五、災害復旧事業等の認定の弾力的運用 などであります。なお、現行法体系で十分な対応ができない場合には、新たな立法措置について配慮してほしいという要望もあったことを付言します。要望事項の詳細については、委員会に諮って会議録末尾に参照掲載させていただきたいと思います。  最後に、今回の委員派遣に対する関係省庁を初めとする関係者各位の御協力に対し感謝申し上げまして、報告を終わります。  この際、お諮りいたします。  長崎県及び関係市町村からの要望事項等につきましては、これを本日の委員会議録末尾に参照掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 高村正彦

    高村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ─────────────     〔要望事項本号末尾に掲載〕     ─────────────
  4. 高村正彦

    高村委員長 本日は、特に雲仙岳噴火による災害等について質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。久間章生君。
  5. 久間章生

    久間委員 発言に先立ちまして、このたびの災害でお亡くなりになられました皆様方に心からの御冥福をお祈り申し上げますとともに、また、今なおけが等で入院しておられる皆様方に対しまして一日も早い御回復を祈るわけでございます。  なお、委員長初め各党の皆様方におかれましては、委員会一行として現地に入っていただきまして、地元の一人としてこの席をかりて厚く御礼申し上げます。  また国土庁長官におかれましても、国土庁長官として、また雲仙岳噴火非常災害対策本部長として、さらにはまた総理一緒になられまして三度にわたって現地に入っていただきました。大変みんな心強く感じておるところでございまして、これまた厚く御礼を申し上げるわけでございます。  現職の大臣一つ災害で、しかも短期間に三回も現地入りされるということは今まで例のないことじゃないかと思います。普通起きます災害の場合は一過性でございまして、大抵災害が終わった後にその後の対策も兼ねて大臣がお入りになるということだろうと思いますが、今度の場合は入られますごとにまだまだ被害が続いていく、拡大していくということで、今度の災害の異常さがうかがえるわけでございます。そういう意味で、三たび島原半島、島原市、深江町に入られました大臣の率直な現在の御心境をまずお伺いしたいと思います。
  6. 西田司

    西田国務大臣 まず最初に、今回の災害で亡くなられました方々の御冥福を心からお祈り申し上げる次第であります。また、被害に遭われた方々に対し心からお見舞いを申し上げたいと思います。  さて、お答えをいたしますが、私は五月三十日、第一回現地へ入ってまいりました。そして六月三日のあの火砕流噴火を受けまして六月五日に急遽現地入りをいたしたわけであります。九日に総理にお供をして参りました。  参りましてまず第一番に感じたことは、この雲仙岳火山噴火に伴う自然災害の恐ろしさというものを第一番に考えました。それと同時に、一回一回ごとその被害というものが大きくなっておる、このことを痛切に感じた次第であります。  第二番目には、このような異常事態に対しまして、長崎県、島原市、深江町、この行政機関が連携をとりながら、消防団あるいは観測所関係方々あるいは警察、自衛隊、さらに病院に至るまで、みんなが全力を挙げて一生懸命取り組んでおられる姿に本当に感謝をいたした次第であります。  第三番目に、私はお見舞いを兼ねて避難所などを訪れましたけれども、そこであの過酷とも言える環境の中で大勢の方々が我慢をして、そして頑張っておられる姿を拝見いたしました。  このような状態を考えるときに、国は、特に政府は全力を挙げて地方自治体と一体になって、まず二度とあのような災害を引き起こさないような体制を強化していくということ、一つは、被災者皆さん方が大変苦しんでおられる、このことに万全を期していく、当面このことを政府挙げて取り組んでいかなければいけない、こういう印象を持った次第であります。
  7. 久間章生

    久間委員 率直な御感想を聞かせていただきましたが、全く大臣のおっしゃるとおりでございます。今回私も大臣一緒にそのときにたまたま同行しておりまして、大変心強く思いましたのは、最初行きましたときには土石流によるいろいろな被害が起きるのではないかと思いましたけれども、二回目の場合は火砕流発生した直後であったわけでございます。大臣が、この次より、とにかく人命第一として二度と人命が失われることのないようにできるだけの配慮を、できるだけのことをしてくださいよということを地元市長さん初め皆さん方に強くおっしゃっておった。それを受けて市長警戒区域設定して、二回目にあの大きな火砕流発生したときには一人として人身事故がなかった。これはあのときの大臣のお気持ち市長が受け取って、警戒区域設定して万全の体制をしいたからだ、あのとき大臣があのように強くおっしゃっていただけたからこそその次の人身事故がなかったのだ、秋はそう思いました。そういう意味では大変ありがたく思いました。  しかしながら反面、市長あるいは町長というのがこの警戒区域設定するのにどれだけ苦悩しているか。これについてはぜひ大臣にも知っていただきたい、そういう気持ちで実は今この席にも立っておるわけでございます。  というのは、普通の災害の場合でございますと、がけ崩れがある、この地域は危ないから警戒区域設定する、そしてまた、集中豪雨が終わったらそれは解除できる。あるいはまた、大きな火災が発生して、ここまでは延焼してくる、この地域はすぐ立ち退かなければならない。その他いろいろな災害がございますけれども、比較的危険性が察知しやすいわけでございます。したがって、市町村長警戒区域設定するのはしやすいわけでございますし、また、それが終わってしまった後の解除もしやすいわけでございます。  ところが、今回のあのような噴火の場合を想定してみますと、どこまでどういう形で来るかがなかなか予測できない。実を言いますと、一番最初警察の方から警戒区域設定してもらいたいということで市役所に持ち込まれましたときに、たまたま私もいたのです。かなり広い範囲でした。それだけの範囲の何千人という人たち立ち入りを一遍に禁止するというのは、生活権が奪われるわけでございますからなかなかできない。市長も大変苦しんでおられた。そういう中で、先ほどの大臣のようなやはり人命尊重なんだからという話、あるいはまた知事からも、後で起こるいろいろな経済問題はうちの方で責任を持つからという話、また、警察署長に私も、一遍に全部は無理なんだから少し段階を追いながらやったらどうですかというような考え方も言いまして、そういう形で五十七号線までとりあえず引くという形でやったわけでございます。幸い五十七号線の十メーター手前のところで火砕流がとまりましたからいいけれども、五十七号線を越えてきておりましたならば、これだって市長設定した警戒区域が狭かったということでまた非難されたかもしれないのですが、それぐらいにこういう大範囲警戒区域設定するというのは非常に難しいわけでございます。  それは、現在の災害対策基本法というのがこういうような場合を想定してつくられていないのじゃないか。いとも簡単に市町村長警戒区域設定して立ち入りを制限する、入った人には罰金まで科せられるというさらっとした条文になっておりますけれども、現実問題として危険がもしなかったならばいろいろなことが言われる。そういうことがあるからこそこの条文がなかなか生かされてないといいますか、発動されないのじゃないか、そういう気がするわけでございます。  事務方で結構ですが、これまでこのように市街地を含めて、何千人も対象として警戒区域設定されたことがあるのかどうか、お答えしていただきたいと思います。
  8. 鹿島尚武

    鹿島説明員 過去の警戒区域設定の例というのはそう多くございません。最近でございますと、宇都宮におきまして、採石をいたしました跡の地域に陥没があるということでその地域設定されたことがございます。これは市街地にまさに設定された例であろうかと思います。
  9. 久間章生

    久間委員 大臣、今言いましたように、警戒区域設定した場合、そこに住民立ち入りできないために生活権が、生計の場が全く失われてしまう、それだからこそなかなかできないのですよ。しかしながら、そういうふうなことができやすいようにしておかないと人命支障が出てくる。今度なんかは、それをあえて立入禁止にしたから二回目は全然出なかった。そういうことを考えますと、こういうような危険が差し迫った場合、もう少し市町村長がやれるような配慮が必要なんじゃないか。といいますのは、全部が市町村長責任生活権が奪われた場合、もし仮に災害発生したら、ああよかったで済みますけれども、なかった場合には、そのために、自分家屋に出入りできないためにいろいろな支障が出てきた。牛を飼っている連中は、牛が死んでしまった、あるいは鶏を飼っている連中も、鶏が死んでしまった、生活はどうしてくれるんだ、そういうことで責められた場合に、市町村長はとにかくどうしても対応できない。それだからこそ、今言うようになかなか全国でも例を見ないというほどやってないわけなんですね。だからやはり国は、市町村長に任せるならば、それによって強権を発動するならば、行政によって立ち入り制限もさせるならば、それに伴う生活保護といいますか、生計を維持する方法についてはやはり配慮してやるべきじゃないか、そういう気がするのです。  特に、先ほど言いましたように、河川が決壊するとか、あるいは伊勢湾台風みたいにずっと高潮でやられるとか、そういう場合ですと、それが引いてしまえば警戒区域解除していいわけなんです。ところが今度みたいに、一たん警戒区域設定してしまいますと、いつ終わるかわからない。例えば、火山予知連皆さん方に言っても、安全宣言というのは、出せそうで出せない場合がずっと続くでしょう、だれが安全宣言を出すか、出したらその人が責任を問われるということでなかなか出せない。そうなってくると、市町村にしても、警戒区域解除をやってしまいますと、その後で起きた場合には、解除したからだということで言われるということになりますとずっと続けざるを得ない、かなり長期化するおそれがあるわけでございます。  したがいまして、災害対策基本法の中でこういうことを考えることが適当なのか、あるいは火山という特殊な状況の中でこういう問題は考えていかなければならないのか、そういう問題はあろうかと思いますけれども、警戒区域設定市町村長にやらせるならば、やらせるだけのバックアップを国とか県とかがすべきじゃないか、そういう規定が今の災害対策基本法には一つも入ってないじゃないかという気がするのですが、これらについて何か対応の仕方あるいは将来検討する方法、余地なりはないのでしょうか。
  10. 西田司

    西田国務大臣 警戒区域設定をされて、そして二回目の六月八日の災害人的被害がなかったということを静かに振り返ってみますと、特に島原市長深江町長長崎県知事、この地元人たちの苦悩というものは、これは言語に絶するものがあった、このように私は受けとめております。  ちょうど五日でございましたが、私が第二回目、現地入りましたときに、県知事市長町長お話をいたしましたときに、現地方々から、もし六十三条の適用をするとゴーストタウン化してしまう、こういう大変涙ながらのお話がございました。そのときに私が申し上げたことは、確かにそのおそれがあるかもしれない、あるかもしれないけれども人命にはかえられないということを強くお話を申し上げた次第であります。  確かに御指摘のように、このような雲仙のような異常事態発生におきましては、私はまず第一番目に、正しく物事を把握していく、このことが第一番であると考えております。そしてもう一つは、災害に関する諸制度というものをもう全開をいたしまして、そして地元皆さん方生活に最大の配慮を加えながらこれから国も全面的にバックアップをしていくことが当面必要なことである、こういう基本的な認識をいたしておる次第でございます。
  11. 久間章生

    久間委員 まあとにかく、警戒区域設定されましたために出入りできない、そのために生活支障を来す、生計の場を奪われて生活支障が出た、そうした場合は普通は生活保護でやればいいじゃないかという、そういう発想になるのですよ。ところが、こういう場合に、期間を切って、区域を切ってこういうふうに発動されて生活ができなくなったというときに生活保護法が果たして適用されるのかどうか。厚生省来ておられたら、ちょっと厚生省の方から御意見を聞きたいと思います。
  12. 炭谷茂

    炭谷説明員 生活保護制度につきましては、まず補足性原則というものがございまして、他方、他施策による補償援助などを主に生活保護に優先して、活用していただくということになっているわけでございます。この原則によりまして、災害救助法適用される地域については、生活保護法に優先して災害救助法などによる必要な援助が行われるということになるわけでございます。
  13. 久間章生

    久間委員 今厚生省がおっしゃられたように、どうも生活保護法というのはこういう非常時のことを念頭に置いているのではなくて、一般の、例えば病気で生活ができなくなるとか稼ぐことができないとか、そういうことを念頭に置いて生活保護法の体系がつくられておる。だから、非常事態によって生活支障を来す場合には、やはりそちらの方の法体系を整備するというのが基本だろうと思うのです。  こういうふうに考えますと、今度の災害によって生活の場が奪われて支障が出てきた、そうした場合に、生活保護法じゃなくて災害救助法でできるだけのことは見ようという話でございますが、災害救助法のいろいろな項目を見てみますと、日常身の回りの、こう言っては語弊がございますが、最低限食っていくだけのそういうような面倒を見るという仕組みになっているわけなんです。災害救助法の場合の単価なんというのは非常に安いのですよ。今、一世帯四人ぐらいの生活保護世帯ですと、まあまあとにかく普通の人と同じぐらいの生活保護が受けられておるわけです、生活保護といいますか、生活ができるようになっているわけですけれども、災害救助法であの体育館の中に入っている人たちがそういうような救助を受けておられるかというと、そうじゃないわけなんですね。住宅一つとりましても、とにかく百数十万円ぐらいの補助だ。それで、応急仮設住宅あるいはそういうのに入りましても、クーラー一つ補助対象になってない。そういう状況でございまして、これはやはりおかしいんじゃないか。  今、世論としては、生活保護についてはもう少し基準を厳しくしたらどうかという、そういう国民世論ですよ。一方災害で、ああいう非常時のそういうところで、自分の家から何から失って、あるいはまた避難して出ていった人には手厚くしてやったらどうか、温かく迎えてやったらどうか、そういうのが現在の国民世論じゃないかと思うのです。そう考えますと、この災害対策基本法警戒区域設定されたり避難勧告を受けたりして出ていった人、そういう人に対する援助といいますか救助のあり方というのがどうも片手落ちといいますか不十分じゃないか、そういう気がするわけでございますけれども、これについて大臣としてはどういうお考えをお持ちですか。生活保護世帯とああいう体育館その他に避難しておられる方々を比べたときに、余りにも避難している人たちが、一時的な期間とはいえ気の毒じゃないか、そういう気をお持ちになりませんでしょうか。  というのは、今度は体育館の中で、一週間やそこらなら一時的ですからいいですけれども、もう一カ月になろうとしている。あるいは、これから先仮設住宅に入る人でも一緒ですけれども、長期間応急仮設住宅、そういうところでやっていくわけですけれども、生活保護と比べたときにもう少しそういうような方々に対して手厚い救済の道がないのかどうか、どうでしょうか。
  14. 西田司

    西田国務大臣 あの体育館等避難をされておる状況を私もつぶさに拝見をいたしまして、既に限界を通り越しておる、こういう認識を持っておる次第でございます。  そこで、別に言いわけをするわけではないのでございますが、こういう異常事態、非常災害というようなときに、私は最も大事なことがあると考えております。それは何かといいますと、当面何をやっていかなければいけないのかということが第一番目にきちっと整理をされないといけないと思っております。そこで、たびたびお話を申し上げておりますように、地元、県、市、町とお話し合いをいたしまして、そして皆さん方にまず安全なところへ避難をしていただく、そのために必要な制度というものを活用していただきまして、そしてある程度強制力のあるもので皆さん方避難していただく。その結果が私は六月八日にたちどころに出てきた、こう考えておるわけでございます。そこで、もう一つは、たびたび申し上げておるように避難をされておる皆さん方生活、住環境、あるいは教育の問題もありましょう、衛生の問題もありましょう、こういうことを解消をしていくのが最も緊急に必要なことである、このように思っておるわけでございます。  十分現地状況は把握をいたしておりますので、ただいま生活保護制度の問題をとらえてお話がございましたが、これらの問題についても地元の町村や市や県とよく御相談を申し上げて今後対処していかなければいけない、このように思っております。
  15. 久間章生

    久間委員 ぜひ、少なくとも生活保護を受けておられる人と同じような気持ちになって、行政によって立ち入りを規制されたために生活ができない、そういう人たちについては配慮していっていただきたい。そういうような意味で、現行法上問題がある点については、洗い直して検討していただきたいと思うわけです。  それと、災害救助法の問題についていま一度厚生省の方にお伺いしたいわけですけれども、これも昭和二十二年にできた法律でして、現時点では必ずしもそぐわないんじゃないか。生活保護はどんどん水準が上げられてきておりますけれども、災害救助の方は、その項目にしても洗い直しが十分ではないんじゃないか、単価も低いんじゃないかという気がします。冷房なんかは補助対象に入ってないんじゃないですか。あるいは洗濯機等なんかを購入した場合、それはどういう形で入っているんですか。  あるいは今、深江町というところは学校が町内に四カ所あるわけですよ。四カ所のうち、避難勧告地域に三カ所あるわけですね。そうしますと、島原市はほかの学校で複式学級等でもやれるでしょうが、深江町は四校あるうちの三校が避難地域になっておるわけですから、その地域人たちは学校はやれないわけですよ。ところが、こういう応急仮設住宅対象になるけれども、義務教育の学校なんかはそういう災害救助法対象になっていない。私は政令まで読んでみましたけれども、入っていないわけなんですね。それはおかしいんじゃないかと思う。今、この世の中で学校教育を受けるのは常識になっているのです。それが、避難勧告区域から出ていった子供たちは、とにかく校舎すらない。それが災害救助法対象にもなっていないというのは、やはり現在の法律上おかしいのじゃないか。あの政令で読もうとしても、上から順番に大きいものを書いてきて、一番最後のその他命令で定めるものというのは、埋葬等に関するわずか二項目しかないわけですよ。  そういうことを考えると、昭和二十二年に制定された災害救助法の体系が、現在のこの文化水準が非常に高い時代において、そのまま今みたいな適用の仕方でいいのかどうか、反省する時期に来ているのじゃないかという気がするのです。テレビなんかを応急仮設住宅に入れる場合、それだったらどうなるのですか。今、情報の入ってくるのはテレビですよ。ラジオじゃないわけですね。そういうものの購入、供与、こういうものはどうなるのか。これらについて厚生省のお考えをお聞きしたいと思います。
  16. 松本省藏

    ○松本説明員 御説明を申し上げたいと思います。  先生、先刻御承知のことかと思いますけれども、住民方々の生命に危害が生ずるおそれがある、あるいはいろいろな形で財産上の被害が生じたというような場合には、まず第一義的には住民方々に最も身近な団体でございます市町村において最大限の措置をとっていただくということになっておりますが、市町村では対応できない程度の大規模な災害の場合には災害救助法適用し、そして都道府県知事が全面的な措置の実施機関としていろいろな措置をとっていく。しかし、これはあくまでも臨時応急的な措置を行うというのが災害救助法基本的な考え方でございまして、まず第一義的には避難所を設置する、各種の炊き出しあるいは衣服、寝具、そういうようなものの供与をいたしまして、そしてまたその次には、具体的な生活の場として応急仮設住宅等を準備をしていくということになるわけでございます。  さらに具体的に先生から、応急仮設住宅で洗濯機その他どうなるんだ、クーラーはどうなるんだ、こういうお話がございました。基本的には応急仮設住宅について一つ基準を設けておりますけれども、そのときの災害の実情その他に応じまして特別基準設定するなど、できるだけ弾力的な対応をやっていきたいと考えているわけでございます。特に今回一番焦点になっておりますのは、これから夏に向けまして、また特に火山灰の影響があるというようなことを踏まえまして、応急仮設住宅におきますクーラーの設置につきましては、財政当局ともよく相談をしながら検討をしていきたいと考えております。それから、テレビ、洗濯機等につきましては、これはいわゆる一般家庭の備品というものでございまして、現在の応急仮設住宅対象には入っていないわけでございます。
  17. 久間章生

    久間委員 学校のプレハブ校舎は。
  18. 松本省藏

    ○松本説明員 個別の住民の第一義的なものを災害救助法対象といたしておりますものですから、学校のプレハブ校舎等については災害救助法対象外でございます。なお、災害救助法の中では、子供たちが使用する学用品、これについては供与の対象となっております。
  19. 久間章生

    久間委員 大臣西田国土庁長官はこのたびの雲仙岳噴火非常災害対策本部長でございますから、今のような問題もひっくるめて大臣にお願いしておきたいわけですけれども、今厚生省から話があったように、現在の災害救助法では、とにかくもう着のみ着のままで出てきた人たちの住まいと食事と身の回りのもの、そういうものをまず対象にする、そういうようなことですよ。その間、例えば避難勧告されて出ている間、ずっと長引く場合に普通の生活ができるような状態になっていないわけですね。一方、それを生活保護法で見ようかと思うと、先ほど言ったように問題がある。結局どこも面倒を見てくれない。市町村長あるいは都道府県が第一義的にやることですよということになるのですけれども、そういうことでは入っている人たちは困るのですね。やはりこういうときこそ温かい手を差し伸べる、そういう制度を考えるべきだという気がするわけです。  だから、今度のこの雲仙の噴火の問題だけではなくて、これを機会に非常時の場合の住民への対応のあり方について、現在のようなやり方でいいのかどうか。言うなれば非常時における期間を限った、あるいは人々を限定した生活保護してやる、せめて生活保護法のそれと同じくらいのことをその期間はやってやっていいのじゃないか。日本はこれだけ国力がついてきて、外国に対してもあれだけの援助をしようとする国になったわけですから、災害が起きて、災害によって追い出されて、自分の住まいに帰れない、生活ができない、そういう人たちに、生活保護と同じくらいのレベルの生活をさせてやる、それくらいのことはせめてしてやっていいのじゃないか、そのための法体系の整備を急ぐべきじゃないか、そういう気がするのです。だから、これはこれから先、本部長として各省庁と連携をとりながら、そういう困ったときに、困った人にせめて最低限の生活を、テレビとかクーラー、そういうものは今どんなに避難しておってもその避難している期間中見られるだけの手当てはしてやるべきじゃないか、そういう気がいたしますので、そういう点についての配慮をぜひしていただきたいと思います。  それから、次に激甚災害の問題についてお尋ねしたいわけでございます。  今度のものは範囲が非常に限定されておりますから、いわゆる局地激甚災害の指定基準でしか救えないだろうと思います。そうなってきますと、災害の場所が非常に局地に限定されているわけですけれども、影響というのは非常に広く出ておりまして、島原半島、極端な言い方をすれば長崎県全体にだって及ぶかもしれませんが、最低限、島原半島、特に雲仙、小浜あるいは島原のほかの地域、こういったところの観光面を初めとする経済活動に物すごく影響が出ておるわけですね。局地激甚災の対象になりますと、こういったところでのいろいろな経済活動に対する資金面での救済その他が脱落するのじゃないかという心配が非常にございますが、この激甚災の指定についてはどう考えるのか。その中で、今言った局地の問題とそういう広域に影響が出る問題とについてどのように考えていくのか。これは防災局なのかどうか知りませんが、とにかくお願いしたいと思います。
  20. 鹿島尚武

    鹿島説明員 公共土木施設とか農林水産業の施設を初めといたしまして、いろいろ被害が生じた場合に、地元市町村、そしてまた長崎県当局を経まして、私ども被害の実態を調査していただきます。これがそれぞれ所管の省庁へ報告をされまして、国土庁は、所管の省庁の方から被害状況の取りまとめを受けて、この激甚法の基準に該当するかどうかということを判断をし、手続を進めてまいるわけでございます。  今般の災害につきましては、現在この被害の実態を調査しつつあるというような状況にございまして、もとよりこれに該当するということになれば、私ども適切に対処してまいりたいと考えております。
  21. 久間章生

    久間委員 激甚災害の特例制度といいますか、この法律も農林水産業のいろいろな施設あるいは公共土木施設、そういうのをどちらかというと中心につくられた制度なんです。言うなれば、災害が起きてその被害発生した、そういうようなことを念頭に置いてできておりまして、ハード面での災害復旧制度を中心とした制度になっているわけですね。  ところが、今回なんかいつ起こるかわからないということで一万人もの人たちが疎開させられる。それによって経済活動に非常に大きな支障が出てきている。こういうような、具体的に災害が起きた部分ももちろんありますが、起きそうだということでいろいろな問題が出ている。これらに対するには現在の激甚災制度ではちょっと問題があるのじゃないか、不十分じゃないかという気がするわけです。だから、都市化が進んでまいりました、またいろいろソフト面が複雑に入り組んできたこの時代に即応したそういうような場合の災害救助制度といいますか、援助制度といいますか、激甚災害発生した場合、発生しそうで大きな影響が出た場合、これらに対する制度としてもやはりこの際考える時期に来ているのじゃないか、そういう気がするわけです。だから、広い意味で今いろいろな制度を見直す時期にちょうど来たのじゃないか。  外国に対するいろいろな助成制度の場合は、法律ではなくて大臣が外国に行って約束してきたらぽんと金が出てしまう。それなのに、国内で災害発生したり発生するおそれがあってみんなが避難しているときには、なかなか制度面でぎりぎり縛られて金が出ない。こういうことを考えると、国民はちょっとおかしいぞという気持ちを持ってきているわけです。だから、これは時代の趨勢に応じて少し考える時期に来ているのじゃないか、その一環として激甚災害についても洗い直しをしてみるべきじゃないかなという気がします。  これも早急に今どうこうじゃございませんが、これから先地元と国土庁といろいろな話の中で、激甚災害に拾える場合、拾えない場合、なぜ拾えないのか、これは拾わなくていいのか、今の国民の世論からいって、国民感情からいって、やはりこれは拾ってやるべきじゃないか、そのためにはどういうふうに制度を改正すればいいか、そういう問題についてもひとつ真剣に取り組んでいただきたいと思います。これはまた後ほど総合的に大臣の所感をお聞きします。  では、時間がないので先に進ませていただきます。  次に、防災のための集団移転促進特別措置法といいますか、集団移転をする場合の法律が議員立法で四十七年にできました。これができましたのは、天草のいわゆる水害が、がけ崩れがもとでできた法律でございますから、そもそも余り大きな範囲対象としたそういうような法律になっていない嫌いがございます。特に農地等をまとめて移転する場合は想定していないのじゃないかという気がします。というのは、農地等を買い上げる評価が今非常に安いのです、聞いてみますと。だから、とにかく移っていく場合はその前の農地は二束三文だ、移っていく先では自分で買いなさいよというような思想が底辺に流れているのじゃないか、住宅だけはつくってあげますよというようなことになっているのじゃないかという気がするわけです。買い上げの単価が非常に安いという批判がございますけれども、これについて国土庁どうですか。
  22. 木寺久

    木寺説明員 お答えいたします。  防災集団移転の現行制度の上におきましては、そもそも移転をする地域につきましては、住民の居住が適切でない、危険であるということから移転するわけでございますが、その移転した跡地につきましては、宅地及び農地等につきましては住民の利用頻度が高いということで、危険がありますことから、これを地方団体が買い上げをいたしまして利用規制をする、あるいは防災林にするというような趣旨でございます。地方団体が買い上げる場合には、買い上げる時点における時価で行うということにされておりますので、今回の被害に関連いたしまして、地元におきまして防災集団移転促進事業を行うということでまとまり、かつ地元が買い上げを行う場合には適正な時価で買い上げが行われるように指導してまいりたいと思っております。
  23. 久間章生

    久間委員 ぜひ適正な値段で買い上げるようにやってもらいたいと思います。私は、今度はこの法律によってかなりの方々集団移転があるのじゃないかと思います。そのときに、後に残った農地を二束三文とは言いませんが、みんながとにかくしようがないから手放すんだと言わんばかりの値段にならないようにぜひ指導していっていただきたい。大蔵ともそういう点では十分詰めていっていただきたい。それが温かい政府の配慮だと思うのです。  それともう一つ、住宅が移っていきますときに、現在の基準ではどうも不十分ではないかという気がするのです。なぜかといいますと、最初に燃えました北上木場地区、あそこだけだったら可能だと私は思うのですが、これから先どういう形になってくるか。かなり大がかりな被害がもし出てきたとしますと、かなり大きい面積のものが、多数の住宅の皆さん方が移ることになるわけです。そのときに、現在は移り先の戸数、団地の数は十戸以上でいいわけですが、現在の半分以上がその団地に移らなければならないとなっているわけなんです。ところが、今避難している人は一万人もおるわけですけれども、千戸、二千戸のそういう方々が移るときに全部まとめて一団地に移すことはなかなかできないから、恐らく十戸、五十戸、百戸というような形でずっと各市町村にお願いして、それぞれが受け入れてもらうことになるだろうと思います。そうしますと、二千戸あったうちの千何百戸がそういうふうに移っていって、八百戸が移転しようということになった場合には、半分以上が新しくできた集団団地に移らないからこれは補助対象にならないというのが現在の仕組みでございます。こういうことでいいのかどうか、まとまって移る場合にはちゃんと補助対象にしてやることが必要だと思いますけれども、これらについてはどうですか。
  24. 木寺久

    木寺説明員 防災集団移転促進事業と申しますものは、そもそも市町村においてある程度の規模の団地を安全な地域に新たに造成し、そこへ住民に集団的に移転していただこうとする制度でございます。そういう趣旨から、移転先の団地の規模といたしまして、移転住居の半数以上がそうした団地に入居するという基準が設けられているわけでございます。それと、移転先の新しい住宅団地につきましては、必ずしも一カ所ということに限定をされておりませんで、数カ所、複数箇所につきまして住宅団地を建設するということも当然可能でございます。  今回の場合、地元におきましてこの事業が具体にどういう形で規模、内容等について実施されるか、現段階ではまだ明らかでないわけでございますけれども、今後、地方団体と住民との間で十分話し合いが行われ、防災集団移転促進事業を行うということでまとまる方向になる場合には、住民の意向を十分尊重の上、事業が円滑に実施されるよう積極的に対処してまいりたいと考えております。
  25. 久間章生

    久間委員 大臣、今室長が答弁したように、現在の基準をそのまま当てはめていったのでは、そもそもこの法律ができたときの趣旨からいって、もう少し規模の小さいのを想定しているものですから、なかなか無理な点があるわけです。だから、地元等からどういう形で上がってくるか、今後の問題ですからわかりませんけれども、出てきた場合にはぜひ十分にその制度が生かされるように、必要に応じて、場合によってはこの法律を、法律事項として変えなければいかぬ場合には変えてでも対処できるように配慮していただきたい、そういうふうにお願いしておきたいと思います。  それから、細かいことになりますけれども、時間がございませんのでちょっとお尋ねしたいわけでございますが、きょうは日本たばこ産業株式会社からも参考人としておいでいただいておりますので、ちょっとお尋ねしたいと思います。  というのは、今度の被災地区は有数なたばこ産地なんです。しかも、今たばこの農家は、この間から面積を縮減されたりなんかしましていろいろな問題がございましたが、やっと落ちついて、一定面積でこれならずっとやっていけるということで安心してたばこと取り組んでおった。しかも優秀な農家で、たばこも非常に成績がいいというふうに聞いている、そういう地区だったわけです。それが、今度の災害で亡くなられた方もいらっしゃいました。そしてまた、たばこの被害にも遭っておるわけです。  そこで私は聞きますけれども、専売公社時代の流れがありますから、たばこについては特別の災害見舞い金といいますか、助成制度といいますか、共済制度、そういうのがあるというふうに聞いているわけですけれども、収穫ができないためにたばこを出せない、そういう人たちに対する助成はどういうふうになっているのか、それについてお尋ねしたいと思います。
  26. 折居靖彦

    ○折居参考人 お答えします。  私どもは、専売公社時代から日本たばこ産業に変わりまして、全く同じ災害援助制度を引き継いでおります。この場合、収穫皆無でございますと、私どもとしては五〇%、平年の、過去三カ年の平均の農家の売り渡し代金の五〇%まで私ども補償をいたす所存でございます。この葉たばこの災害援助制度は、久間先生御存じのように、耕作者の拠出に頼らないで会社が全額負担するものでございます。したがって、私どものコストとして負担するということで、私どもとしては五〇%まで負担いたします。
  27. 久間章生

    久間委員 それからもう一つ、この際お願いしておきたいのですが、この地区の人たちは、よそに仮に移ったとしても、やはりたばこの技術で生きてきたわけですから、これから先もたばこを続けると思うのですよ。そうすると、今たばこの園の面積といいますのは、これは地域ごとに決めておられるんじゃないかと思いますが、仮にほかのところに移ったとしても、現在までやっておった面積については確保できるように、それは維持できるようにお願いしたいのですが、その辺は確約できるかどうかということが一つ。  それから、これも素人考えで申しわけないのですが、ああいうふうに灰が降っている地区というのはたばこの土壌にはもう絶対だめなのか、それとも、ずっと今から降り続ければだめですけれども、要するに灰がやんだと仮定しての話ですが、そういうような土質はそれほど影響ないのかどうか。その辺について専門的な知識もおありでしょうから、この際お聞きしておきたいと思うのですが。
  28. 折居靖彦

    ○折居参考人 ただいま島原市、深江町に警戒区域の中で百三十二戸のたばこ耕作農家がございます。この方々が将来大変大きな問題になってくるというふうに私ども考えております。現在の私どもの制度でございますと、結論から言えば一切問題ございません。もし、この百三十二戸あるいはそれ以上の農家が集団移転をしても、私どもはその農家が葉たばこの耕作を希望いたすということであれば、私どもは喜んで契約をいたします。そういう面で、ぜひとも先生からも農家の方々に不安がないようによろしくお伝え願いたい。私どもももちろん督励して不安なきを期してまいりたいと思います。  それから二点目は、今回の火山灰が今後農地に残存して影響が出るんではないかということでございますけれども、私どももこの辺を大変心配しております。降灰については桜島や阿蘇山の降灰の例もございますけれども、今回の降灰量は、桜島で大変激しく降ったときと同じく、あるいはそれ以上の降灰が来ておると考えております。私が現地入りました六月六日で、ざっと私どもが計算しても十アール当たり一トン程度の灰が降っているんではないかというふうに、あるいは私どもはもちろん五十七号線の下でございましたから、その上に行きますと一トン以上の灰が降っているということは確実ではないかと考えております。  このような場合、私どもは葉たばこの継続は無理とは考えませんけれども、まずやはりどうしても国なりあるいは地方自治体に頼ってその灰をできるだけ除去していただくということが大前提になります。しかし、全部の灰を除去するということは到底不可能でございますから、その場合、やはり天地返しをしたり、反転耕をしたりして灰を土壌の下層に埋め込むような措置を、これは農家の方もやっていただかなければいけませんし、それからまた、土壌の固結ですね、火山灰が水を含みますと固結いたしまして粘土質になりますから、こういう場合、十アール当たり二千キロ以上の堆肥を経年的にやはり投入していかなければいけない。それから、毎年やはり土壌検定をして、酸性化した場合は石灰の投入等はぜひともやらなければいけない。それから、最後になりますけれども、これも国なり地方なりに特にお願いしなければいけないことでありますけれども、排水溝の整備というのが非常に大事になってまいります。この排水対策が非常に肝心になります。水がたまりますと、排水が悪いとやはり灰が固結して粘士質になります。これは葉たばこの根の成育を非常に阻害いたします。そういう意味で私ども、国なり県の皆様にこれから大変お願いが多くなってくると思いますけれども、この点についても、噴火が一段落した場合、私どもも耕作組合とともどもいろいろお願いの筋に回らなければいけない、このように考えております。
  29. 久間章生

    久間委員 どうもありがとうございました。  それから、建設省からもお見えになっておると思いますので、災害のための公営住宅法についてですが、この八条で、その市町村区域で二百戸以上あるいはその区域の一割ということになっているわけですけれども、その区域というのは市町村区域を指すのか、今度の被災があった区域を指すのか。それによって、市町村区域で一割というと、あんなに大きいところだとなかなか大変なことになるわけですけれども、この辺、どうなのか。  それから、今、法律上は滅失というふうな表現になっているわけですけれども、灰で埋まったような家、これは私たちの感覚では滅失と一緒じゃないかという気がするのですけれども、どうなのか。  それと、公営住宅を今つくっていこうとしても、そういう滅失したかどうかの確認が現地に入れないためになかなかできないのですね。そういうときに、空からヘリコプター等で、写真等でほぼこれくらい滅失したんだというふうに推定してやった場合、それでいいのかどうか。この三点についてお尋ねしたいと思います。
  30. 小川忠男

    ○小川説明員 第一点についてお答えいたします。  要件といたしましては二種類ございまして、被災地全域で五百戸以上というふうなとらえ方と、一つ市町村で二百戸以上ないしは一〇%以上、二種類の概念がございます。  それから、第二点、第三点をまとめてお答えさせていただきたいと思いますが、被災区域警戒区域内であるというふうなこともございまして、正確には被災を受けた住宅が確認できないというふうなことでございますが、被災地の状況を総合的に判断いたしますと相当数の建物が実質上磯能を滅失しているのではないかというふうに推測いたしておるわけでございます。したがいまして、今回のこのような災害の特殊性というふうなものを最大限に念頭に置きまして、極力弾力的に運用すべきであるというふうに私ども考えておりまして、したがいまして、現段階において、もう既に災害公営住宅として建設をするというふうな状況に至っているというふうに認識いたしておりまして、県といろいろ相談しながら最大限の努力をいたしたい、このように考えております。
  31. 久間章生

    久間委員 今の上から五百戸、市町村区域で二百戸、市町村区域で一割、大体こう、普通は上から来ると一番下の一割というのは小さいはずなんですがね。ああいうふうに、深江町の場合はいいかもしれませんが、島原市みたいに全体戸数が多いところで、あるところが集中的にやられておりますと、一割というのは非帯に厳しいのじゃないかという気がするのですね。だから今度、どこまでが滅失というふうに見るか、そういうようなことで二百戸で救えるかどうかの問題が出てくるかと思いますが、ひとつぜひその辺についても弾力的に運用していただきたいと思います。  それから最後に、もう時間がありませんから最後にしますが、この活火山対策特別措置法の問題ですが、これもどうも法律を読んでみますと、農林水産業を中心として、そういう地域火山がいろいろと灰を長期にわたって降らせる、そういうことを念頭に置いてこの法律ができているようなんですね。だから今のこういう雲仙岳の今度の噴火を当てはめてみますと、なかなか法律がそういうことを想定してないような、そういう感じがするわけで、これもやはり法律を、これは議員立法のようですが、見直す必要があるのじゃないか、そういう気がするわけです。  そこで、具体的な個別な話でございますが、活火山対策特別措置法では、市町村道のいわゆる降灰の除去が対象になっておりますけれども、県が管理する道路については対象になってないような、そういう気がいたします。これは、しかし県が管理する道路も対象にすべきじゃないかと思いますし、また、いろいろな基準を見てみますと、閣議了解か何か知りませんが、過去三年間で平米当たり千グラムの降灰があった地区が対象になるというふうになっておりますけれども、過去三年間なんて、今度新たに噴火したんですから、そんな閣議決定なんというのは意味をなさないわけでございますけれども、それらについてはどう考えるのか。  それと、かなりの土量が、降灰が今度あっておるわけですけれども、その処分地の確保、それから埋立処分をするための助成制度もやはり創設していくべきじゃないかと思いますが、これらについて、これはどこの所管か、国土庁だと思いますけれども、お願いします。
  32. 加藤昭

    ○加藤説明員 降灰除去事業についてお答えいたします。  降灰除去事業につきましては、通常の維持管理でありまして、そういうふうな維持管理の範疇に入るというふうに考えております。ただ、火山灰が市町村域でかなりの区域に長期間にわたって降り続く、こういうふうな特殊な事情を考慮いたしまして、特殊な災害の一種といたしまして、昭和五十三年、桜島の火山対策を機といたしまして、市町村が行う道路に係る降灰除去事業に限って国庫補助対象とされたものでございます。なお、県の管理いたします道路の降灰に伴う異常堆積物の除去につきましては、通常の災害復旧事業として極力対処してまいる所存でございます。  また、降灰除去事業に対する現在の国庫補助基準は、連続する二カ月の期間において毎月一回以上の降灰があり、暦年で合計二回以上降灰があるとされ、かつ、測定した降灰の量が暦年で一平方メートル当たり千グラム以上であるというふうになっております。今回の雲仙岳火山活動に伴う降灰除去事業につきましては、島原市及び深江町においてこの基準に達しているとの報告を受けておりまして、今後、同市、町からの補助の申請がございましたら、対処をしてまいりたいと考えております。  また、降灰の捨て場の経費につきましては、従来から降灰除去事業の国庫補助対象として扱っております。  以上でございます。
  33. 久間章生

    久間委員 時間が来たようでございますから質疑を終わらせていただきますが、大臣は、みずからも町長をしておられたということで、地方の行政の衝に当たっておられる地方自治体の長というのがこういう場合にいかに苦しい立場に置かれるかというのはよく御存じだと思います。そういう意味では、私どもも全幅の信頼をおいてこれから先いろいろなことをお願いもし、また無理な注文もやっていきますが、戦後これだけたっていろいろな制度を見直す時期に今来ているんだというような観点から、いろいろな問題についてひとつ洗い直しをしていただいて、特に災害対策の本部長として各省庁にまたがる問題についてもぜひ前向きでこれから先指揮していただきたい、そういうことをお願いしたいわけでございますが、最後に大臣の御所見を伺いたいと思います。
  34. 西田司

    西田国務大臣 政府は、事態の重大性にかんがみまして、災害応急対策に万全を期すために、六月四日直ちに、災害対策基本法に基づき、平成三年雲仙岳噴火非常災害対策本部を設置いたしました。同日の第一回本部会議において、まず住民の安全を最優先にしていこう、そのために情報伝達、避難誘導体制についても万全を期していかなければいけない、当面のこのような重点事項を実施してきておるところでございます。また、既に五月二十九日に災害救助法適用を決め、住民の応急援助が迅速かつ的確に行えるよう措置をとってきたところでございます。今後引き続き関係各省庁と緊密な連携を図りながら、災害対策に万全を期するため、各種施策、事業を最大限に適用し、所要の国庫補助等の確保を図った上で国全体としても積極的に取り組んでまいる決意でございます。  なお、火山活動は依然として予断を許さない状況にございます。これに伴って地元状況も流動的でございます。地元の考え方もよく聞いて、事態の推移に応じて的確な対応を図ってまいる所存でございます。  私は、今回の非常災害に対しまして、防災対策責任国土庁長官であるという使命感のもとに、今後関係省庁とよく連携をとりながら、さらに地元の県や市、町とも御相談をして万全を期していきたい、このように考えております。
  35. 久間章生

    久間委員 終わります。
  36. 高村正彦

    高村委員長 午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時五分休憩      ────◇─────     午後一時一分開議
  37. 高村正彦

    高村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。川俣健二郎君。
  38. 川俣健二郎

    ○川俣委員 先ほども審議になっておりましたが、災害救助法、これは昭和四十年五月十一日、厚生省の次官通達を出しているのだね、松本さん。それで、さっきはもう少し学校災害など範囲も再検討する時期でないか、こういう問いがありましたが、範囲もそうだけれども、補償額もぼつぼつこれは考え直す時期じゃないのかなと思うのですが、例えば一つの例を言いますよ、時間が三十分しかありませんから。応急仮設住宅の供与、限度額、その当時は一戸当たり十五万。四十年だからね、十五万円ちょっきりだったかな。その当時の十五万円と今の価値を物価ではなくて所得ですね、やはり所得に、懐に相談して家を建てるわけですから、所得がどの程度の額になっているのか、当時の十五万ですね。学卒の給与でもいいですよ。政府に出した労働省のものでもいいから、それを私の質問中にわかれば、わからなかったら後でいいから、そういう質問を第一にいたします。  それから、この災害対策本部の前につく名前ですが、雲仙岳噴火という名前でこれはいいのかね。どうなんですか。いろいろ取りざたされているからここで統一しておきたいな、聞いておきたいなと思っているのですが、雲仙岳ポツ何かつくのですか、雲仙岳でいいのですか、どうですか。
  39. 鹿島尚武

    鹿島説明員 政府が六月四日設置をいたしました本部の名称は、気象庁の方で今次の雲仙岳活動につきまして名称を付していただいてございます。それが平成三年雲仙岳噴火というような名前でございましたので、それをちょうだいして名前をつけたわけでございます。
  40. 川俣健二郎

    ○川俣委員 雲仙岳ということで統一するというように認識して、統一しておくということにして、後の質問者、特に私は土地カンがありませんから、地元の人が異議があるかと思うので、それを言っておきます。  それから、その対策本部に、防衛局長お見えでございますが、防衛庁はメンバーに入っておりますか。だれが入っておるのですか。
  41. 畠山蕃

    ○畠山説明員 メンバーに入っております。メンバーとなっておりますのは、防衛庁防衛局運用課長宝槻という者がなっております。
  42. 川俣健二郎

    ○川俣委員 それで問題は、犠牲者のところへちょっと入らしてもらいますけれども、遺体が収容されたわけですが、まずほとんど自衛隊のおかげと言っては悪いですが、自衛隊の活躍が非常に目立ちますね。それで、行方不明が今何人おりますか。
  43. 畠山蕃

    ○畠山説明員 四名がなお行方不明の状態でございます。
  44. 川俣健二郎

    ○川俣委員 なぜ打ち切ったのだろうかね。
  45. 畠山蕃

    ○畠山説明員 できればこの四名についても捜索を続けたいところでございましたけれども、火砕流発生してあの地域が噴石等で埋まったという状況でございますので、物理的になかなか困難あるいは二次災害のおそれもあるというような状況でございましたので、これを当面不可能ということで中止をしたところでございます。
  46. 川俣健二郎

    ○川俣委員 それでも三十数名を捜索したわけですが、これはどういう方法なのですか。ヘリコプターなのですか。いろいろあるのですよね。
  47. 畠山蕃

    ○畠山説明員 上空からその所在を確認したということもございますが、実際に収容する段階では当然地上で、装甲車で行きましてこれで捜索かつ引き揚げを行ったということでございます。
  48. 川俣健二郎

    ○川俣委員 陸上と上空、当然だと思いますが、どの程度の規模なのですか、あそこへ防衛庁が入っている規模は。
  49. 畠山蕃

    ○畠山説明員 日にちによってこの人員の差がございます。ピーク時で、六月九日でございますが、千七十二名、車両で二百八十五両、航空機二十機というような状況運用状態でございました。それに対しまして、現段階、六月十三日では約七百名、六百九十三名の人員が投入されておるという状況でございます。
  50. 川俣健二郎

    ○川俣委員 その航空機にはヘリコプターが入っているのですか。
  51. 畠山蕃

    ○畠山説明員 入っております。
  52. 川俣健二郎

    ○川俣委員 何機入っていますか。
  53. 畠山蕃

    ○畠山説明員 二十機全部がヘリ。ヘリコプター二十機ということでございます。
  54. 川俣健二郎

    ○川俣委員 そうすると、現在も二十機いるわけですか。もっと言うと、私たちが調査に行ったときも二十機いたのですか。
  55. 畠山蕃

    ○畠山説明員 現在でも二十機が稼働状態ということでございます。
  56. 川俣健二郎

    ○川俣委員 私の認識の不足かもしらぬけれども、二機のうち一機が不時着して、一機が傷んでいるのであとの一機で我々を乗せて調査させてくれるのかなと思って行ったのです。委員長から自衛隊のヘリコプターを使うかもしれませんからあらかじめ了承願いたいと理事会に提案があった。そこでそのときはそういう状態になったのですか。もっと聞くと、一機しかなかったんじゃ容易ではないんじゃなかったのかなと思ったりするんですが、そんな程度なのですか。
  57. 畠山蕃

    ○畠山説明員 現地調査においでいただいたときは六月十二日だったと思いますが、そのときには、この現場で災害救援に活動しております二十機の航空機とは別に、入間の方から輸送のために前日に三機の航空自衛隊のCH47というヘリコプターを板付と築城に待機をさせました。それで、その三機をもって十二日に対応する予定にしておりましたところ、たまたま当日におきます気象条件のゆえにこれが飛ぶことができなかったというのが実情でございます。
  58. 川俣健二郎

    ○川俣委員 日帰りでもあるし、余り長居もどうかと思うし、さらに異例ですが、衆議院の災害委員会と参議院の災害委員会が同時に現地調査に行くというのは、私の記憶ではちょっとなかったのです。しかし、現在は、現状を見るとその方がいいのではないかなと思って、むしろ積極的に賛成しました。そして、短い時間ですが、最終便ですかね、大村発は最終便かどうか知りませんが、あれだけの時間あそこに滞在して、私たちはもっともっと知りたいなと思っておった。ところが、収容施設にお見舞いをして飯を食って帰ってきただけです。新聞記者の時間は十分、それから副知事、市長にお伺いする時間が三十分、何となく何のために行ったのかなと思うのだが、しかし、雲行きが悪くて乗せられなかったということであればやむを得ないが、三機わざわざ用意してくれておって調査できなかったのかなと思うのですが、その辺、すとんといかぬのだけれども、私にわかるようにちょっと話してくれませんか。
  59. 畠山蕃

    ○畠山説明員 その当日、十二日に三機をもって用意をしていたわけでございますが、当日の十二日にまず同じCH47でもって事前に偵察飛行を行いました。そうしますと、雲仙岳が雲で覆われておりまして中に入れないで引き返してきたということでございました。雲の低さが約四百メートル、雲の量というのがかなりの量になっておったということでございます。  それが第一点でございます。  それから第二点は、やはり火山活動による噴石の危険があった、現にその前の日だったと思いますが、陸上自衛隊のヘリコプターのブレードがこの噴石によって破損を生じたということもございましたので、安全を考えて飛行停止をしたということでございます。
  60. 川俣健二郎

    ○川俣委員 すとんと落ちないんだけれども、わかったことにしなきゃならぬかな。  さっき話は出ていましたが、昭和二十六年の公営住宅法はいよいよ発動されると見ていいのでしょうか。国土庁、局長どうですか。運設省ですか。
  61. 鹿島尚武

    鹿島説明員 所管外で恐縮でございますが、先生仰せられましたのは災害公営住宅の建設のお話かと推察をいたしますが、これにつきましては建設省の方でただいま考慮中、検討中というふうに伺ったと記憶をしております。
  62. 川俣健二郎

    ○川俣委員 それは正式な名前は公営住宅法でしょう。災害公営住宅法というのですか。どんなのですか。建設省どうです。公営住宅法というのじゃないですか。ちょっと私認識が……。
  63. 鹿島尚武

    鹿島説明員 公営住宅の建設につきましては、私もちょっと所管外で恐縮でございますが、一般的には計画に従って建設をしていくわけでございますけれども、災害のときに災害公営という形で特別に建設をする仕事があるのだというふうに私は理解しております。
  64. 川俣健二郎

    ○川俣委員 建設省いますか。公営住宅法という法律はありますか。
  65. 高村正彦

    高村委員長 川俣委員、建設省は今来ていないそうであります。
  66. 川俣健二郎

    ○川俣委員 では、後の質問者もいるから呼んでおいてください。  それから、国土庁、各省別の被害総額はぼつぼつ出ていますか。
  67. 鹿島尚武

    鹿島説明員 人的な被害につきましては先ほども先生からお話がございました。不運にいたしまして死亡された方が三十五、負傷された方が十、不明の方が四というような状況でございますが、物的な被害につきましての状況はただいま鋭意調査を行っていると聞いております。特に、六月三日の火砕流発生以来調査が進まないというふうに聞いております。六月三日までの被害額として判明しているものにつきましては、建設省関係公共土木施設で約三億四千四百万、同じく農林水産省所管で七十三億八千八百万、それから農林水産業関係につきまして二千万、その他厚生省関係で水道施設が被害を受けたというような報告を受けておりますが、詳細額につきましてはただいま調査中でございます。
  68. 川俣健二郎

    ○川俣委員 最後がちょっとわからなかったけれども、最後をちょっともう少し。
  69. 鹿島尚武

    鹿島説明員 被害額については現在調査中でございます。
  70. 川俣健二郎

    ○川俣委員 もちろん被害額がわかったらわかり次第我々委員に配られると思うのですけれども、よろしくお願いします。  それから、五月二十四日夜の勧告で避難していた約千三百人の住民は勧告が解除されたため自宅へ戻った、こういう報道ですが、この辺を明らかに聞きたかったけれども、何しろさっき言ったようにそういう時間が許されなかったので、それは事実ですか。それから、予知連の会長の談話が出ておるのですが、眉山崩壊の危険は当面ない、大規模な爆発的噴火はないだろう。それから、こういったことであったから避難勧告解除したと思ったが、一日にさらに勧告解除がされたためにおりた、出た、戻った、そして三日に三十数名の犠牲者が出た、これが経過ですか。
  71. 森俊雄

    ○森説明員 火山活動の経過と申しますか、予知連の見解についてお答えいたします。  まず、眉山崩壊についてでございますけれども、眉山崩壊につきましては、二百年前の場合には、眉山直下の中規模程度の地震によるものというふうに考えられておりますけれども、現在眉山の方で地震が起こっておらないということから、現時点では特に心配はしなくてもよいだろうというような見解でございます。
  72. 川俣健二郎

    ○川俣委員 さっき質問したものの半分も答えてないけれども、後で私が質問したものをよく読んで、部屋に答えに来てくれませんか。あとはいいです、時間がないから。  それから、こういう見出しがあるのだな。「火砕流発生時に楽観的コメント 気象庁対応に甘さ」、こういう見出しになっているのですが、「気象庁の火山対策官は「オーバーに解釈しないでほしい。桜島などでも小規模なものは発生しており、今後もこの程度の小規模なものはあり得るだろう」とコメント。さらに「火砕流の事実が現地で漏れて大騒ぎになっても困るので臨時火山情報で発表したが、あまり深刻に受け止められると困る」」、これが三十何名の犠牲の出る四、五日前ですかな、その新聞報道なようでございますので、この辺も――答えますか、何か。
  73. 森俊雄

    ○森説明員 火山噴火予知連絡会の統一見解は、五月三十一日、それから、最近の方から申しますと――先ほどの五月三十一日に噴火予知連絡会を開きまして、統一見解というものをまとめてございます。  それで、その時点の統一見解の案文は――途中からちょっと読ませていただきます。  五月二十日には、地獄跡火口に溶岩の出現が確認され、二十三日には火口東縁から部分的な崩落が始まった。さらに二十四日には火砕流発生して水無川源流部に流下し、その後現在に至るまで、火砕流は頻繁に発生を繰返しており、堆積物の先端は火口から約三キロメートルに達している。また、火口より北東から南東方向にかけてかなりの降灰があった。今回噴出してきたマグマはデイサイト質で粘性が高く、その化学組成は新焼溶岩に類似している。地震・地殻変動等の観測によれば、マグマの活動は依然として続いていると考えられる。   以上のことから、今後も引き続き噴火活動が続き、溶岩の噴出、火砕流土石流発生が続くと思われるので厳重な警戒が必要である。 という見解が出されておりまして、特に安全だというふうな答え方は申しておりません。
  74. 川俣健二郎

    ○川俣委員 この新聞をあなたに見せるから、この信憑性がどうだか、後で吟味してください。  総理が行った際に、総理が言うには――これも言ったかどうか後で調べてくれ。「火山情報には不透明な点もたくさんあるが、日本は火山帯に位置する国として国際的にも有名であり、十分な(火山活動の)予知を学問的に確立する必要がある。学者と相談しながら、どんな対応が可能か考えたい」、こういう予知体制の整備に積極的に取り組む考えを示しておるが、あなたはそのように認識しておりますか。
  75. 森俊雄

    ○森説明員 お答えさせていただきます。  私、総理の見解といいますか、そういうものについて新聞、テレビ等であれした程度でございますけれども、現在の噴火予知連絡会の国際的レベルについて申し上げますと、我が国の火山学は世界でも最高水準にあり、我が国を代表する火山学者から構成されている火山噴火予知連絡会も世界的レベルにあると考えてございます。
  76. 川俣健二郎

    ○川俣委員 総理がそのような談話を発表したかどうか、その程度の認識じゃなくて――あなた、森さんというの、対策本部のグループの一人ですか。もう少しこういうようなものは積極的に、やはり一字一句――総理だよ、あなた。私が言うているのじゃないのだよ、総理が言っているのだよ。それをもう少し積極的に精査して、積極的に対策を考える必要があると思いますよ、それは。  それから、時間がないからあれですが、犠牲者――どこがいいですかね、警察がいいだろうか。この補償ですけれども、報道関係が十四人、消防関係が十人、タクシーの運転手が四人、警察二人、地元住民、農民ですな、二人、外国人三人、これは気象研究会だか何かだな。この補償ですが、それぞれの職場の補償になるわけだろうか、それぞれの職域の労災法になるのだろうか。まず、労働省はどうですか。
  77. 出村能延

    ○出村説明員 労働省の所管の労災補償保険法適用関係につきましてお答えを申し上げます。  御承知のように、労災補償は労働者が業務上の事由によって傷病等をこうむった場合に適用されるものでございまして、したがいまして、一般的に申し上げますと、天災異変によりまして就業中の労働者が被災をこうむった場合につきましては、天災地変は事業主の支配管理下にあるか否にかかわらず不可抗力的に発生するものでございますので、一般的には業務上のものとは認められないというところでございますが、しかしながら、今回の報道関係者等のように、業務そのものに天災地変による災害をこうむりやすいという特別の事情があると認められる場合には、業務上として認められるというふうに考えておるところでございます。  いずれにいたしましても、今回不幸にして被災をされました労働者の方々につきましては、労災保険給付の請求があり次第、早急に必要な調査を行った上で、業務災害と認められるものにつきましては迅速に保険給付を行ってまいりたいというふうに思っておるところでございます。
  78. 川俣健二郎

    ○川俣委員 課長、そのままにして。  大蔵省を呼んでいる、呼んでないでしょう。――生命保険が気になるのですが、この件も関連で同僚議員から質問されると思いますけれども、労働省が取り扱う補償だけではなくて、例えば農民はどの程度の補償があるのかな、タクシーの運転手はその会社を通じて補償がある、外国人三人はどうなるんだろうな、こうなるわけですね。その辺を、私の方で犠牲者の一覧表ありますから、後でそれを調べていただきたいと思います。  さて、時間がありませんけれども、地元の訴えは長官も行かれて聞いたと思いますが、問題は、市長なり町村長の叫びは、危ないからというので避難させる、だけれども、最初は家畜がいるからあるいは病人がいるからおれは動かないという人もいる、しかし勧告、命令を下す。そうすると、罰則がありますね。何かがあれば来てよかったなというのが、何でもなければ大変だ。さて、今度は、移してきて戻すときも大変だ、この補償もある。  こういうことで、問題は、自治省がもう少し、何か災害に自治省が余り加わらないというのはどういうわけだろうかな。税金だけなんだね、法律的には。市町村長のあの叫びは、自治大臣は聞くべきではないかなと私は思うのですね、総理が聞く前に。ところが、自治大臣はこういうところに出る慣例がないというか、今もいない。税金だけだというのだな、所得税とあれだけだ。そういうことじゃなくて、この辺で特別立法というのができないのだろうか、こういう叫びが、総理なり災害委員長に言うております。  そこで、うちの方の災害委員長も、今の法律でできないものであるならば、何らかの形で考えたい、この見解を出されました。もちろん雲仙だけでというのは難しいという考え方もあるが、何となく特別立法が実現するだろうがという機運になってきた。きょう、県会議長を初め陳情団が私らの党の内部の会議災害会議に来て訴えていましたけれども、特別立法というのはできるものと期待していいのだろうか、どんなですか、長官。
  79. 西田司

    西田国務大臣 政府としての取り組み方といたしましては、たびたびお答えをいたしておりますが、緊急、当面やらなきゃいけない一つは、避難体制の問題、それからもう一つは、避難をされておる方々の住んでいただくところを含めた条件整備の問題、仮設住宅あるいは公営住宅、そういうものを含めて現在取り組んでおるところでございます。さらに、内閣官房の方からも強い御要請がございまして、現在対策本部といたしましては、一つ関係各省庁に対しまして、現行制度においてどういう対応ができるかできないか、この洗い出しをやっていこう、それからもう一つ長崎県、島原市、深江町に対しまして、現地皆さん方が考え、皆さん方が必要とする、あるいは要望される、そういう問題を整理をしていこうということで既にその作業に入っておるところでございます。  ただいま特別立法のお話がございましたが、私といたしましては、まず今お話を申し上げたようなことを整理整とんをいたしまして、その中で何が不足をしていくか、何が新たに必要か、そういうことを慎重に検討をしながら対処していきたい、こういう考え方でございます。
  80. 川俣健二郎

    ○川俣委員 時間がありませんので最後に申し上げますと、調べてみたら適用する法律が十六本あるようですね、私一覧表を持っています。厚生省、建設省、文部省、農林省、大蔵省、自治省。国土庁というのは一本か二本か、そんなものなんです。だから、長官、やっぱり国土庁は災害の官庁の窓口ではあるが、予算なり法律は各官庁で持っているので、その各官庁が持っている法律は、法律あるのにやらないという官庁はないと私は思います。そう理解したいのです。だから、おまえたちは法律預けられているんだけれどもその法律を適用していないものがあるかどうかを調べるといったって、今ありったけの法律で対策をやったって今の法律ではどうにもならないというのが各官庁の職員方の叫びでしょう。そうでしょう。だから、けさも閣議やったようですけれども、これは今の法律でやれるかどうかを検討させる以前に、現地が一番よく知っているんだから、今の法律じゃ無理だとみんな言うんだから。だから、その辺をぜひ特別立法をやる必要のある災害と私は見てきた。  それからもう一つは、気象庁がおっしゃるように、この災害はいつやむのかわからない。したがって、この委員会もこれで終わりじゃないんだよね。だから、もっともっとやると思うので、先ほど質問して答弁がほとんど私が質問をした一割も答弁になってないので、もう少し各官庁の職員の人方も調べてもらいたい、こう希望して私の質問を終わりたいと思います。  若干時間がオーバーして申しわけありませんでした。
  81. 高村正彦

    高村委員長 沢田広君。
  82. 沢田広

    ○沢田委員 大臣にまずお伺いします。  けさ新聞にも出ておりましたが、住宅の建設については四分の三の特別補助で政府の方では考えたい、こういう記事が一紙ぐらいだったと思いますが、出ておりました。今答弁された内容がその意味を意図しているものである、こういうふうに解釈してよろしいですか。
  83. 鹿島尚武

    鹿島説明員 ちょっと新聞の記事というのをつぶさに読んでなくて大変恐縮でございますが、先ほど申し上げましたとおり、公営住宅につきまして災害公営というものを建設をするということを今建設省の方で検討中であるというふうに承りました。それでまいりますと、先生おっしゃったようなことで国の方の助成を受けて建設をするということであろうかと思います。
  84. 沢田広

    ○沢田委員 あれは誤報であるということですか。それとも、真実性はある、こういうことですか。――この間にひとつ、出ていた記事もわかっているはずですから、発表できるものなのかできないものなのか、していいものなのか、いずれかについて選択をして、この後回答のときにあわせてやってください。  そこで、若干問題が多いのかもわかりませんけれども、これは大臣何回か行かれたから、初歩的なことを聞きますが、山の高さは幾らで、河口までの長さは幾らで、勾配は何%になっていると現状時点で判断されておりますか。
  85. 西田司

    西田国務大臣 大変細かい御質問でございます。例えば、火口口から海岸まで約八キロというようなお答えではいけないと思いますので、専門省庁の方でお答えをさすことにいたします。
  86. 沢田広

    ○沢田委員 当初、五十七号線までが六キロ、その後が二キロ、こうなっておりまして、それで大体千三百メートルで八キロですね。ですから、大体八分の一の角度で流れている。その場合に、水の方があるいは専門なのかもわかりませんが、土石流にしても、二十二年から今日まで四十年間、河川の幅を二十メートルに抑えたという根拠はどこに置いたのでありますか。
  87. 加藤昭

    ○加藤説明員 お答えいたします。  昭和四十年代に水無川の計画流量等の検討をいたしまして、局部改良事業で最初は事業を始めたわけでございますが、局部改良事業ではなかなか事業進捗がしないというようなこともございまして、四十年代の後半から小規模河川改修事業という少しレベルを上げた事業で取り組んでいるような状況でございまして、流量的にも小規模河川の改修規模の持つような流量規模で計画されておるというような状況でございますので、全国的な規模からいいましても妥当な計画で計画を始めております。また、その事業が昭和六十三年度に一応完成を見ているという状態の川になっているわけでございます。
  88. 沢田広

    ○沢田委員 この問題は見通しも全然狂っているし。  これは昭和二十二年の五万分の一の地図です。それからこれは昭和五十二年になっておりますが、五万分の一の地図の一番新しいもの。大臣に特に言っておきますが、この地図を集めるために大変な苦労をした。地理院は何をやっているのか。出てこない。あなたに差し上げるから、この幅を目で見るだけでもわかるから、委員長から回して大臣に出してください。  この土石流なりが堆積をし始めたという最大の理由は、一つ河川の今日置かれている位置づけというもの、今その図面を見れば、昭和二十二年のときの方が堤防の幅を含めて広いでしょう。それで今、二十メートルに狭めてつくってある。そういう改修をやっているし、ダムも一カ所なのです。しかも、これだけの急勾配のあるところへダム一カ所で何が役に立つと思いますか。今まで県知事は何をやっていたのですか。あるいは建設省に何を訴えてきたのですか。せめて四カ所なり五カ所ぐらいのダムにしなければどうにもならないことは勾配からいってもはっきりわかるでしょう。ちょっと大雨が降ったって危険だということは明確じゃないですか。それがあんなど素人みたいな答弁をして給料をもらっているなんて、これでは国民に許されない。だから、それはちゃんとした答えをしてもらわなければならぬと思いますよ。これは、その地図を見ただけで、ダムは四十年の間に一カ所だけ。これが災害対策の実態だということが言えるのですね。いかにここで適当なことを言ったって、それはちっとも通らない。その事実が示している。  もう一つ申し上げますが、三十一日に予知連絡会は統一見解を出した。これは事実ですよね。イエスかノーか答えてください。
  89. 森俊雄

    ○森説明員 事実でございます。
  90. 沢田広

    ○沢田委員 それから地震の回数は、五月二十日が二十回、二十五日が六十回、二十八日が百回、問題の起きた六月三日が百二十回。これだけ地震が起きている状況を判断して、警戒を解くという発想はどこから出てきたのでしょう。二十日から、しかも二十六日発令、発表して、警察の方からそれはだめですよと言われてから解除して、この市長のだらしない態度、先見性のない態度、これはもう腹切ったって死んだ人へのおわびにはなりませんよ。だれが見たって、五月二十日に二十回も地震が起きている、二十五日は六十回も地震が起きている、二十八日は百回も地震が起きている、こういう状況の中で解除するなんという発想がどこから出るのか。法律にもちゃんと責任を負うよう明確にしろとなっている。これ絶対に裁判になりますよ。そんなことで殺された人間が黙っていられますか。わざわざ出しておいたものを取っ払って、市長に殺されたようなものです。その点どう解明するのですか。答えてください。また、責任はどうとるのですか。死んだ人は生き返るわけじゃないのですよ。
  91. 古内晋

    ○古内説明員 現地島原市長としましては、今先生の指摘されました地震回数等ももちろんでございますけれども、そのほかのいろいろな情報等も参考にしながら、そうは言いながら、一方では住民生活、大変大きな影響を及ぼしますそういうことも勘案しながら、総合的にこれがよかれと思って最善の努力をした、そういう結果であると思います。  ただ残念なことに、こういう被害、こういう重大な結果を生じましたことはまことに残念でございます。
  92. 沢田広

    ○沢田委員 行政官はプロセスに責任があり、プロセスにその誠意を示す、これが公務員の一つの姿勢です。政治家は結果に責任を持たなければいかぬ。市長であり知事である者は、最小の経費で最大の効果を上げる財政法ではないけれども、最小の犠牲でしかも最大の効果を上げていくことが政治家の結果に対する責任なんです。これは結果が悪かった、絶対に見通しの間違いだった、そのとおり言えるでしょう。情報を全部あわせてみたって、このとき解除する理由はなかったのですよ。ただ市民が生活に困っているから何とか温情でというふうな発想がそこの素因になっていたのではないですか。それで、結果的にはこういう死者を出すような事態を生んだんじゃないですか。あなた方公務員だからその経過を述べているでしょう。しかも警察から言われて、法律では警察だって指示権あるんだけれども、わざわざ警察市長に言って、それで再勧告をしたのですね。そういう経過についての責任だけは明確にしなければいかぬ。これは私が言うのではない。必ずそうなってくる。そこで責任を明確にしなければならぬという立場になる。最後まで見届けるまでは努力するのでしょうけれども、その責任の存在については、今国の方としてはどう見ているのですか。――黙っていれば何とか時間がたつだろうということじゃなしに、その程度のことが答えられなかったら、これはもう話にならないですよ。だから市長に聞いてみたらどうですか、待っている間に。私の方の質問はまだあるんだから。電話かけて聞いてみたらいいんじゃないですか。なぜ解除したんですか、その責任はあるんですか、感じているんですか、感じてないんですか、たったこれだけだ。せいぜい三分もあれば聞ける話じゃないですか。聞く意思ありますか。
  93. 古内晋

    ○古内説明員 結果からいえば、まさに重大な結果を生じたということでございますから、先生のおっしゃるとおりでございますけれども、ただ、今のところは結果論ということよりも、現在まさにこれからどうなるかということが大変大事な問題でございまして、これ以上人命被害を出さないということで、市町村としては現在最大限の努力をされているというふうに承知をしております。
  94. 沢田広

    ○沢田委員 私は聞けと言っているんだよ。聞いてくれるかどうか、待っているから、せいぜい二、三分なんだから、あなた聞いてくれるかどうか、あなたの答弁では話にならないから聞いてくれるかと言っているのに、イエスかノーか答えなさいよ。
  95. 古内晋

    ○古内説明員 先生からそういう御質問があったということは伝えます。
  96. 沢田広

    ○沢田委員 希望があったなんという問題じゃない。人が死んだ責任についてどう感じているかということを聞いているんです。そのことについて感じてないんならないと言ってもらいたい。私は十分に責任を果たしたというんだったら果たしたとちゃんと言ってもらいたい。いずれまたこの委員会も知事なり市長なりに来てもらって、委員長にもお願いしますが、実際にまた市長なり知事からお答えをいただくこともあるんだろうと思う。必ずそういう事態が生まれる。だから、そういうことに対しても、聞きなさいと言われたら聞いたらいいじゃないかと思うんだ。これは委員長に特にお願いしておきますが、こうやってしらばっくれて、だんまりで逃げていくという姿勢はよくない。二、三分なんだから、電話なんだから、あなた口きけないわけじゃないんだし、電話かけられないわけじゃないんだから、それは聞きなさい、こう言っているんです。そういうことを、御意見として承っておくなんて、しらばっくれるなというんだ。死んだ人間は何と言うんだい。死んだ人間は何と言いたいんだい。その人の気持ちになってみろ。そういう姿勢はない。だから、市長はどうなんだと聞いているんだから、ちゃんと聞けと言ったら聞いたらいいじゃないですか。あなたが答えるんじゃないんだ。  続いて大臣、目次だけは非帯に立派なものができている。防災計画というのができている。それには細かくいろいろなことが記されていることは事実なんです。これは大臣、行かれたからごらんになられましたか、長崎の。
  97. 西田司

    西田国務大臣 各県ごとに御指摘のような計画があるということは承知いたしております。
  98. 沢田広

    ○沢田委員 これも私は自治省に出せと言った。そしたら、とても膨大なもので、一つしかないから出せないと言う。じゃあしようがないから目次だけ出せと言った。目次だけ出して、三、四枚のものなんです。全部言うことはなかなか難しいと思いますが、しかし、これは皆委員のところに配ってしかるべきだと思う。まず県知事責任がどこまであって、何をやったかということを実証しないで議論をしていたって本来は始まらないのです。市長はこれだけの権限があってこれだけの仕事をやることになっている。それでも足らないところは国に頼まなければだめなんです、こういうのが筋でしょう。だから、本来ならこの委員会には、視察に行った方もいられるけれども、少なくともこの条項は県民にも周知されてなければならぬし、少なくともこの事態が起きて、国においてもチェックしてなければならぬはずだと思う。この中には、これは水防の方だけですが、「建設大臣が水防警報を行う河川」の指定がある。国の関係はこれだけなんです。あとは「応援及び相互協定」というのがあります。法律でも、付近の隣接する各府県と連携をとって、食糧であれあるいは毛布であれ、あるいはその他の応援の消防団であれ警察であれ派遣することが可能である。こういう協定については、大臣としてはどういう指導をしているのですか。あるいは、この協定があることは知っているのですか。さもなければその部局でいいですが、知っているのですか。これもイエスかノーかで聞いているのです。
  99. 古内晋

    ○古内説明員 消防庁でございますが、先生のおっしゃっているのが消防の応援協定のことでございますれば、そういう応援協定があることは承知しております。
  100. 沢田広

    ○沢田委員 だから、この中身を出せと言ったら出してくれないんだよ。地図だってそのとおりなんだ。これは大臣、知事にも言っておいてくださいね。いつ我々がそういうふうに必要にするかわからないんだから、知事にはもちゃんとした地図を用意しておくように言っておいてください。これもそうなんだ。「応援及び相互協定」と目次にあるけれども、私のところに中身はない。だからそれを自治省に持ってこいと言ったら、非常に厚いものですからとても持って、一冊しかないものですから出せません、こう言うのです。だからその中身をあなたに聞いているんだ。だから、あなたが消防だけだって言うんだったらそれでそう理解しなくちゃならぬのだが、少なくとも消防だけでもそういう協定があるんだったら、その協定をなぜ発動しなかったのですか。なぜ要請しなかったのですか。例えばあなたの言う消防だけだと仮定したら、なぜ消防の応援を頼まなかったのですか。すぐ目と鼻の熊本県なりあるいは福岡県なりあるいはほかの県にもなぜそのときに頼まなかったのです。
  101. 木下英敏

    ○木下説明員 長崎県の場合、全県下を統一した消防相互応援協定が結ばれておりまして、島原市等を含む各市町村は、必要に応じましてこの協定に基づいて県下の各消防機関から応援を得ることができるという仕組みになっております。現に、例えば六月八日でございますが、火砕流が大変発生した日でございますけれども、長崎市の消防局あるいは佐世保市消防局、県央地域広域市町村圏組合の消防本部等から応援に参っておりますし、かつまたこれは隣の県でございますけれども、福岡市の消防局の方からはヘリコプター等が応援に駆けつけているという状況でございます。
  102. 沢田広

    ○沢田委員 これはマスコミさんの前では失礼でありますが、これはマスコミの要件と聞いておりますが、いつ、どこで、だれが、何を、これが記事の一つの大きな根本だ。あなたの答弁はちっともなってない。いつ、だれが、どこに、どこにだけは幾つか並べたけれども、それ以外の答弁ちっともなってない。私は、当初の応援態勢を要請したかどうか、いつしたのか、それを聞いているのです。その聞いていることにちゃんと合った答弁をしてくれなければ困る。わからないんならわからないと答えなさい。
  103. 木下英敏

    ○木下説明員 当初の、つまり六月三日以前につきましては現実の消防関係の応援態勢はございません。
  104. 沢田広

    ○沢田委員 この問題、じゃいつどこが来たのか。せめて頭の三つぐらいは言えるでしょう。他県として私は聞いているのです。自分の県は別だ、自分地元のものだから。他県として応援を要請したのはいつで、いつ応援に駆けつけてくれたのか、それは一番先はどこだったのか。市内だけのことを言っているのですよ、県内だけのことを今。他県との協定がないというならないというんでいいですよ。――いいや。いいやというのは免罪にしたという意味じゃないんだよ。時間がどんどん過ぎるから、そういう点はここへ来る以上ははっきりして、この事件のことについては、徹夜しようが何しようが勉強してきて答弁するという姿勢がなければ、一方では泣いている人もいっぱいいるんだから、食べるものも食べられないで。もう少しそこは真剣になってもらわなければ困る。  その食べるもので食糧供給計画というのがある。今金額はいろいろ厚生省基準なりその他があるのでしょうけれども、果たしてこの食糧供給計画について支障はない状況になっているのですか、どうですか。その点だけ確認したいと思います。
  105. 古内晋

    ○古内説明員 私自身も何回も現地に参りまして、そのたびに現地の消防防災関係者人たちと接触いたしまして、特にいろいろな問題があれば言ってもらいたいということを何回も申しておりますけれども、食糧の関係でございますけれども、今先生の言われていましたような食糧関係につきまして特別な問題があったというような話は特に聞いておりません。
  106. 沢田広

    ○沢田委員 それはあなたはそういうふうに一方的な物を言うけれども、やはりまずいとか同じものばかりしか出ないとかという、新聞にまでやはりそういう言葉が出て伝わってきているじゃないですか。だから答弁として見るならば精一杯やっていますと、もしあなたの立場なら。しかし十分ではないでしょう、十分でないところはなお住民の声を聞きながら是正をして一生懸命やりたいと思います、せめてそのくらいの答弁ができなければおかしいよ。自分でそれで満足しているような答弁していて、大臣、情けないと思いませんか、自分の部下かどうかわからないけれども。大臣、答えてください、行ってみてわかったでしょうから。
  107. 西田司

    西田国務大臣 先ほどもお答えをいたしましたように、現在の避難をされておられる方々生活というのは大変劣悪な状態になっております。  そこで、一昨日のことでございますが、長崎県知事ともお話をいたしまして、一つ皆さん方が不安なく生活のできるようなことに早くしてもらいたいということ。それから、特に保健、衛生の面には最大限に注意をしていただきたいということ。それから、教育の問題があるものでございますから、県としてできるだけの対策を立てていただきたいということ。こういうことをお願いをいたしておきました。御指摘の点は大変重要なことでございますので、さらに私の方からも現地へお願いをしたい、このように思っております。
  108. 沢田広

    ○沢田委員 特にこの中に土石流の予報警報装置と連絡体制、それから情報伝達と装置からの警報、それから予報装置設置箇所、こういうものが計画の中に入っているのです。これについてはどのように把握しているのですか。把握の状況についてお答えいただきたいと思います。
  109. 加藤昭

    ○加藤説明員 土石流を感知するためのセンサーにつきましては、雲仙岳噴火が始まりました昨年の暮れからいろいろな検討をいたしまして、砂防ダムのサイトに数カ所センサーをつけまして、それが今回の五月の十五日、あるいは五月の十九日に発生した土石流の感知に役立った。その感知したデータが地域防災計画にのっとる、いわばフローに基づきまして各行政機関に伝達が行ったというふうに承知しております。
  110. 沢田広

    ○沢田委員 あそこの水無川の橋梁が、全部とは言いません、一番先、河口のところの橋。私は行ったわけじゃない、全部地図で見た限りにおいてですが、そのほかは路面、グラウンドレベルと同じ橋梁がかけられていて、けたが言うならばせきになるような仕組みにできていますね。あなたは知っていますか、そういう橋ができていることを。その橋の名前もその地図の中にありますからわかりますが、あなたはそういう橋の構造についてどういうふうに考えていますか。
  111. 加藤昭

    ○加藤説明員 現在、市町村道を初めとして土石流によって被害を受けている橋が三橋あるというふうな報告を受けております。その三橋は、やはり五月の半ばに起こりました土石流によって一部流されたり、あるいは自主撤去をしたようなものもございまして、そういう点におきましては、あれぐらいの大きな土石流が起こるというふうなことを想定した形で橋がかけられた構造にはなっていなかったのじゃないかというふうに今反省をしているようなところでございます。
  112. 沢田広

    ○沢田委員 今、荒川の橋梁のけたの一番上は何メートルでつくっていますか、知っていますか。――まあ、いいです。  要すれば堤防よりも六十センチなり八十センチなり、ドラム缶が流れてきてもいい、畳が流れてきてもいい、材木が流れてきてもいい、それを許容していけるような容量をとるために今みんなそうしていますね、建設省では。なぜこの水無川だけと言っては悪いですが、一番の末端の河口は橋梁が高くなっていますが、それ以外は全部グラウンドレベルよりも下げてつくってある。これはこの四十年の間につくったことに間違いない。昭和二十二年のときの橋以降につくった。川幅を広げてあるのですから。それが全部土石の障害になることだけは間違いない。だから横へあふれて、横に火災を、類焼を起こしていった。もっと真っすぐ、下流にも被害が起こるけれども、同じ被害を受けるならばその川を有効に利用していくということがやはりすべて、オールマイティーという言葉が適切かどうか知らないが、条件がよかったはずなんです。その土石流が通れなかったために次のときにはそれが火災の原因になった、そういうふうには思いませんか。
  113. 加藤昭

    ○加藤説明員 今回の土石流の、五月の中ほどに起こりました土石流につきましては、そういう点におきましては規模がある程度小さかったということもございまして、先ほど冒頭に申しましたように河川の改修の効果が一応発揮できて、一応流下能力内におさまったわけでございますが、それ以降に起こりました火砕流を中心とした土石の堆積につきましては、計画をはるかに上回るような土砂でございますので、それに対処した計画というのかつくれなかったというのが現状ではなかったか。  ただ、現在の河川の計画なりあるいは土石流計画なりあるいは砂防計画の中では、あれぐらい大きな火砕流までも考えたような計画を計画の中に初めから取り込むのはなかなか難しいのじゃないかというふうに考えておる次第でございます。
  114. 沢田広

    ○沢田委員 それがあの勾配の中で、毎秒四十トンという計算をしてあったね、四十トンの水が毎秒流れるような仕組みの中でできている橋としては、橋としてはもう無理な存在であった。     〔委員長退席、宮路委員長代理着席〕  しかし、二十メートルに抑えたということは、前の昭和二十二年の堤防敷全部を広げてみればもっと三十メートルぐらいあるね。それをなぜ狭めて土石流などの対応を考えて計算したのですか。前の昭和二十二年の昔あったものよりもなお川を狭めて、水がなかったから水無川というのだろうと思うのだが、水がなかったから狭くていいや、こういうことでやったんじゃないの。こういうことが起こるということは二百年に一遍なんだから、恐らくない、だから通常ならこの程度で水害は間に合う、だから間に合う寸法で昭和二十二年にあった昔の人の知恵よりも言うならばあほうな設計をしたという結果は、そういうことの教訓を学ばなかったという結果になるのじゃないですか。
  115. 加藤昭

    ○加藤説明員 昭和二十二年当時のものとそれから昭和四十年代につくり上げた計画との整合性の問題につきましては、私のところでまだ十分精査がなされていない部分もございまして……(沢田委員「いや、そこに地図があるから見てくださいよ」と呼ぶ)  ただ、二十二年の地図と昭和四十年代につくりました計画のおのおののバックデータがどういう形でつくり上げられているかというところがちょっと私の方でデータがない、承知していないところもございましてそういう状態になっているのだと思いますが、昭和四十年代につくりました計画では、ああいう土石流も考えれば掘り込み河道、深く掘り込んだ計画河道を持った方がよかろうということで、非常に掘り込んだ計画になっているというふうな形になっておりまして、そういう点におきましては、ああいう急流河川河川改修の手法としては、計画規模を考えた場合には、火砕流とか土石流の、現在起こっているようなああいう大規模なものを想定しない限りにおいては、あれぐらいのものが全国的な計画規模としては妥当ではないかというふうに考えている次第でございます。
  116. 沢田広

    ○沢田委員 そうなると、ダムのかわりにうんと掘り込んで橋をつくろうと意図的にしたのだと、こういう言い方をしようとしているのですか。橋は、グラウンドレベルよりもけたが川の中に入らないように上にして流れを容易にしたいというのが普通の考え方だ。それを、けたが四十五センチぐらいあるけれども、四十五センチをわざわざ川の中に入れて橋をつくったということは、土石流などがあったときにそれが妨げてくれるから、その効果をねらってわざわざつくったのだ、こういう意味に言おうとしているのですか。
  117. 加藤昭

    ○加藤説明員 橋につきましては、河川砂防技術基準とかあるいは河川占用の許可基準に基づく計画流量に対する水位よりも、おのおのの河川によっては六十センチから一メートル何十センチの余裕高をとって、それでけた下高を決めておりますので、それに基づく許認可が行われているというふうに我々は理解しております。
  118. 沢田広

    ○沢田委員 問答してもしようがないから、後で実際に聞いて調べてみてください。流れた橋がどういう構造であって、どういう橋脚をつくってつくられていたかということは、これは図面が物を言うわけですから、あるいはもう図面を焼いちゃっているかもしれませんが、とりあえずそれはちゃんと残っているわけでありますから、調べていただきたい。――図面は返してくださいね、それは持っていきっ放しでは困りますから。  それから大臣、この防災計画というのは県民に周知させる義務があるのだろうと思うのですね。我々も今これを見ているのですけれども、県民が知らなかったということではおかしいし、市長も知らなければ、だれも知らないということもおかしいですね。これはつくっておいてただどこかへしまっておいたというだけじゃ何にもならないわけですから、少なくとも県民に周知させて、食糧はどこから出て、医療はどこから出て、衣服はどこから出て、水はどうなるというようなことをちゃんと県民に知らせる義務があると思うのです。その点はいかがですか。
  119. 古内晋

    ○古内説明員 先生御指摘のとおりでございまして、地域防災計画を策定しましたとき、あるいはそれを改正しましたときは、その要旨を住民に公表してその周知徹底を図らなければいけないというふうに災害対策基本法の規定がございます。
  120. 沢田広

    ○沢田委員 今度大臣も行かれてわかっただろうと思うのですが、結論的に言うと、訓練が非常に足りていなかったのじゃないか。要すれば、ああいう、一級災害地という言葉が適切かどうかわかりませんが、噴火だけを例にとれば、浅間にしても桜島にしてもあるいは北海道にしましても、そういうところについては、子供にもお母さんにもおじいちゃんにもおばあちゃんにも、一級的な訓練をしていくという指導をする必要があるじゃないか。こういうときにはこういう逃げ方、あるいは、こういうときにはこういうふうになるのだという、食糧なりその他についても年に一回ぐらいの訓練はそういう特別に事情が発生するおそれのある地区については、水害は水害としてまた別に起きますが、そういう訓練をしていく必要があったのじゃないか、その訓練が十分でなかったために今度のような混乱が一部発生してきたのじゃないかというふうに予想するわけでありますけれども、その点これからは、過去は今問いませんが、これからはそういう地域については年に一回ぐらいは防災訓練、まさしく防災訓練を、川端へ行って土のうか何かを積んでお祭り騒ぎで終わるというやり方ではなくて全体が防災訓練に参加して、だれがどこに逃げてどういうふうにするか、あるいは頭を守るものは、それ眼鏡が売れた、ヘルメットが売れたなんというのは情けない話で、そういうものは市長だって常時準備しておかなくちゃいけなかったことだと思うのです。ですから、そういう訓練をこれからは特別の地域についてはさせていくということが必要じゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
  121. 古内晋

    ○古内説明員 地域防災計画の指導あるいは防災訓練の指導等については私どもが担当しておりますが、先生御指摘のとおり、防災訓練につきましては、各市町村においても大抵年に一回くらいはやっているはずでございます。ただ、そのやり方がマンネリになったりしてはいけないわけでございまして、特に今回の災害等も非常に貴重な一つの経験といたしまして、今後、訓練等がますます実効性あるように、価値あるものとなっていくように引き続き指導してまいりたいと考えております。
  122. 沢田広

    ○沢田委員 それじゃ、これは、そういう地区については特別に防災訓練をやりながら市民参加の中で市民に理解と協力を求める、また周知徹底を図る、そういうふうに解釈してよろしいですね。――首を縦に振っているから、渋々でも了承したというふうに理解をいたします。  図面が戻ったのでさっきの建設に戻ります。  南上木場町で水路改修が打ち切られております。その上流には行ってないですね。これはどういうわけですか。
  123. 加藤昭

    ○加藤説明員 河川区域の指定がされておりまして、河川区域が河口から約二キロメートルの区間までが二級河川の指定がなされております。それよりも上につきましては、砂防区域の指定がされておりまして、砂防の流路工あるいは砂防ダムで土砂扞止をするというふうな河川改修を行っておりますので、河川の指定のされております下流の約二キロ区間を河川の改修事業として掘り込み河道での小規模河川改修事業で事業が終わったというふうな状態になっているわけでございます。
  124. 沢田広

    ○沢田委員 よくわかりました。だから、建設省で補助をする二級河川についてはこの国道まで一応改修が終わった。これは国の補助でやった。あとは準用河川なり、いわゆる地盤対策なりという格好でやる都市の河川でやるわけですね、市特有の単独事業で。だから、ここは全然改修されていなかった。こういうことになるわけですね。これはそこまであなたの方で答弁する義務がないといえばそれはそれで別ですが、ただ、今度の災害の主な経路としてはこの河川を通じてきたわけですから、少なくともこの河川の改修について、だれの責任の問題かは別としても、されていたか、されていなかったかということはやはり重要なポイントだと思うので、その点わかったらお答えください。どちらですか、どちらでも結構です。
  125. 加藤昭

    ○加藤説明員 水無川の抜本的な災害復旧事業というふうな点につきましては、まだ十分現地に入れるような状況ではございませんので、しっかりとした将来見通しを持っているわけじゃございませんけれども、大量の火砕流あるいは土砂がたまっているというふうな実態がございますので、やはりその上流部につきましては土砂の排除をどういうふうな形で行っていくか、あるいは土石流を監視するための施設はどういうふうな施設というものを入れていく必要があるか等々につきましての抜本的な検討をした上で、河川と上流部の砂防との接点、あるいはどの辺をおのおのの部局でやるかということを決めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
  126. 沢田広

    ○沢田委員 ちょっとかみ合わない点がありますが、ではそこの県が、二級河川の上流部分については、いつ、どこで、だれが計画を立てて、その計画年度としてはどの程度の水準に、三〇%であったのか二〇%であったのか、その点は後刻御返事いただけますか。首を縦に振ってくれれば――では、これは後刻御返事をいただくことにいたします。  それから続いて、昔種畜場があったが、馬がどうもうまくいかなくなったのでしょうか、ゴルフ場に変わってしまった。このゴルフ場に変わってしまった方への流出というものが非常に今後懸念されるわけです。北側に行かないで南側に流出してくるという傾向が、今後もし起こり得るとすればその傾向が強くなってくるのだろうと思うのです。現地に行かれた方は、地形上、私もこの地形の高さを見ながら判断をしているわけですが、そういう傾向になってくる危険性が強い。もし、今後起こったら深江町の方に流れていく、こういう現象がより一層大きくなる、こう思いますが、その点の見通しはいかがですか。もし、仮にあったとした場合にどの方向に被害が行くと考えておりますか。――答えられないのじゃどうにもならない。とにかく、今まで流れてきて川が埋まってしまっているわけですから、これからはみ出るところというのはおのずからテレビで我々見てたってわかるのですよ。そういうものが答弁できないというのは、今はもう限定されているのですよ、流れる場所は。だから、土のうを積んでくれなんという陳情があったのじゃないですか、それは大分前のことですが。そういうことであるからこそ今度来る平場は、今の大野木場、深江町の方に、ゴルフ場の方へ流れてくる、こういうことが予想されるわけですが、その点は返事がなかったからこれも勘弁してしまって、後で返事してください。予想のことだから答えられないと言うのかもしれません。しかし、限られていますよ。もう北へは行けないし、いや応なしにあそこは南の方に流れてくる以外にない。これはだれが見てもわかることだと思うのですが、それでもやはり答えませんか。
  127. 古内晋

    ○古内説明員 先生御指摘のような危険性があるのかないのか、そういうこと等につきまして、現地におきまして市長さん、町長さんいろいろな情報を収集しながら懸命に今その辺の予測もされているのだろうと考えておりますけれども、消防庁としましては、もしそれで危険性があるということであれば速やかに警戒区域等も拡大をしまして、人命被害に影響がないように最大の努力をしてまいりたいと考えております。
  128. 沢田広

    ○沢田委員 何も県だけの責任ではありませんから、さらにひとつ検討していただいて、万全を期していただきたい、こういうふうに思います。  植林その他の農林地区に相当被害が大きいのですが、これは農林の災害補償法の適用を受けて当然それは救済される、一〇〇%という言葉は避けますけれども救済される、そう解釈してよろしいですか。
  129. 山田栄司

    ○山田説明員 今回の土石流あるいは火砕流発生地元の農作物、家畜、園芸施設等に被害が出たわけでございます。私どもとしましては、できるだけ早く農家の方のお手元に共済金が参りますように、今回の災害が長引くというふうなことで、災害の終息を待たないで、客観的に警戒区域等は作物の回復が不可能と見なされますので、できるだけ早急に農業共済金を支払うよう指導したところであります。
  130. 沢田広

    ○沢田委員 最後になりますが、さっき休憩中に、四分の三の補助を出そうといった記事については、これは政府としては大体確認していい報道だと理解してよろしいですか。
  131. 鹿島尚武

    鹿島説明員 建設省の方から御答弁を申し上げるということで委員部の方にお伝えをいただいてございます。
  132. 沢田広

    ○沢田委員 その立場の厳しいところも理解はしますから、鋭意努力していただきたいと思います。  それから、最後になりましたけれども、こういうものの共済制度、さっきも川俣理事から言われましたけれども、火災に保険の適用がなくて路頭に迷うということで、それには金額をふやして貸し付けていくというと、また新たなローンになっていくわけであります。これは恐らく二十年来続いた主張なんでありますが、こういう天災の場合の救済制度として、現在の固定資産税、これはちょっと古いというか、二、三年前の資料ですが、決定で百六十兆円おやりになるのですね、決定価格が。木造それから木造以外の評価額の価格としては大体百六十兆円、〇・五%で八千億円であります。固定資産税、皆高くなりますから嫌だと思いますけれども、それが国民のお互いのいわゆる課税標準になっております評価額、評価額は現状の三分の一しかないのですけれども、だから元の家にはならないわけですが、せめてその評価額だけは国民相互の互助で対応してやってその不足を国が市町村があるいは県が見ていく、そういうシステムが必要なのではないかというふうに長年考えてきたことなのであります。今百六十兆、一%について一兆六千億ですが、とりあえずは〇・五%ぐらいで理解を求めながら、こういう場合の路頭に迷うということのないような共済的な、自治体で、これはお互い同士で運営していくという道は開けないか、これは大蔵省として考えることなんでしょうけれども、その点お答えをいただいて、時間になりましたから私の質問は終わりたいと思います。  亡くなった方々もおられますし、なまぬるい質問で、またなまぬるい答弁でこの国会が終わったとあっては、やはり国民に対して申しわけありませんので、苦干激しい言葉も使いましたが、その点は御理解をいただきながら、御答弁いただいて終わります。
  133. 浜中秀一郎

    ○浜中説明員 災害により被災された方々には心からお見舞い申し上げます。  ただいま、財政金融の権威でいらっしゃいます沢田先生から、資金をプールしていく、あるいは特定財源として固定資産評価額の何%かを考えたらどうかという趣旨の御提案でございます。私ども前々から申し上げているところでございますが、ある財源をある特定の歳出目的に、ひもつき的にいわゆる特定財源としていくことは、受益者負担が明確であるとか、その対応関係がどうなっているか、こういうこともございますので、なお引き続き、非常に難しい問題点を含んでいるところでございますが、勉強してまいりたいと思います。  一方、政府といたしましては非常災害対策本部を設置いたしまして、地元県知事さんそれから県議会の議長さんから国土庁長官あてに要望書等も出ているところでございますので、可能な限り迅速的確に現行制度を活用して被害を受けられた皆様方対応していきたい、対処していきたい、こういうふうに考えているところでございまして、新たな特別会計そのものにつきましては、なかなか難しいと存じておるところでございますが、いま少し検討のお時間をいただくということでお許しいただきたいと思います。  いずれにいたしましても、そういう形で、政府として被災された方々に対して可能な限り的確に迅速に対応していくということに変わりないことを、再度申し上げます。     〔宮路委員長代理退席、委員長着席〕
  134. 沢田広

    ○沢田委員 最善の努力を期待いたしまして、終わります。
  135. 高村正彦

  136. 石田祝稔

    石田(祝)委員 私は、先日、院の派遣で現地調査をいたしまして、長崎島原市また深江町より要望を聞いてまいりました。この六日に委員会をやりましたときよりも一段と情勢が厳しくなっているということを私は実感いたしました。  実は昨年もこの委員会で九州の大分、佐賀、熊本、台風の被害の視察をしたわけでありますけれども、そのときは、災害の区切りがついたと申しましょうか一区切りついた後の調査でございまして、現地方々も、非常に大変であったのですけれども、これから復旧だ、復興だ、こういうふうな意気込みも片や感じられたわけであります。  しかし、今回のこの火山噴火災害というものは、いわばトンネルに入って出口が見えない、いつ災害が終わるかわからない、六日の委員会のときよりも、そのときに感じたよりもさらに長くなるのではないか、長期化するのではないかという状況に今なっておるわけであります。いろいろと御答弁等もお伺いしておりましたけれども、災害が起こったときにどうするのか、臨時応急の措置、これは打たれたのではないかと私は思いますが、しかしこれから長くなる、長期化するという観点について、特に大臣はどのように考えて、どういう手を打たれようとしているのか、まず最初大臣の御決意をお伺いしたいと思います。
  137. 西田司

    西田国務大臣 たびたびお答えをいたしておりますように、こういう非常事態災害発生をいたしましたときには、よくこれらに対応していく手順というものを間違えてはいけない、このように考えております。  御案内のように、六月四日に今回の災害に対する非常災害対策本部を国土庁に設置をいたしたわけでございますが、そこで取り決めましたことの第一点は、今後いつどのような火砕流土石流発生をするかもわからないから、まず人命第一に考えて、避難勧告あるいは警戒区域設定、そういうことも含めて避難を第一にやっていこう、こういうことでございます。第二番目には、これまたお話をいたしておりますけれども、大勢の方が避難をされておりますから、その人たちが少しでも避難の苦痛というものを和らげるべく、仮設住宅を初めといたしましてあいておる公営住宅、そういうものをフルに活用いたしまして皆さん方生活を少しでも安定させ不安を取り除いていく、こういうことを当面の措置としてやってまいりました。  これからの問題でございますが、現在既に政府におきましては、今起こっておる災害状況というものの的確な把握に努めます、そしてそれらが現行制度の中でどういう対応ができるかということを今整理をいたしておるところでございます。あわせて、長崎地元に対しましても同様な趣旨の指示をいたしまして、そして県におきましても、いろいろ今後の緊急的な対応策あるいは中長期的な対応策、そういうものが出てまいりますので、政府と現地と、こういうものを整理しながら今後の対策の方向というものを的確に誤らないように進めていきたい、これが現在の対策本部の基本方針でございます。
  138. 石田祝稔

    石田(祝)委員 私は、長期化に伴うという観点で、長期化ということを前提にしてこれから質問をさせていただきたいと思います。  一つは住宅の問題であります。  現在、仮設住宅の建設も進んでおるところでありますが、仮設住宅の建設が一体何戸現状で予定をされておるのか、具体的にいつ入居できるのか、これをお伺いしたいと思います。  それとともに、この何戸建設をするかというのを決めた、戸数の決定の時期ですね、それ以後に避難世帯、人員等も急増しているのじゃないか、こういうふうに私は考えておりますが、仮設住宅の建設等の戸数の見直しとか、こういうことについてはどういうふうにお考えでしょうか。厚生省、お願いします。
  139. 松本省藏

    ○松本説明員 御説明を申し上げます。  災害救助法に基づきます応急仮設住宅でございますが、現在、島原市におきまして百十戸、深江町で四十戸、既に建設に入っております。それから、島原市におきましては、今の百十戸以外に百六十戸建設することを決定いたしております。当初の百十戸プラス四十戸、合計百五十戸につきましては、現在建設中でございますので、六月後半、遅くとも六月末までには建設が完了するというふうに承っております。それを踏まえまして速やかに入居をしていただくということになろうかと思います。  それから、その後避難地域、確かに拡大いたしておりますが、現在、避難されておられる方々全体にわたりまして応急仮設住宅への申し込み希望の調査、受け付けを行っているわけでございまして、皆様方要望の数を今把握いたしておりまして、その希望数を踏まえましてまた県と協議をいたしまして、さらに必要があれば追加をしていくという考え方でございます。
  140. 石田祝稔

    石田(祝)委員 この仮設住宅の建設単価と設備基準についてお伺いをしたいと思います。  一般的な、ここで私がいただいた資料では、大体一坪当たり十五万弱の建設単価になっております。また、五人用ということで、親子五人で十坪ですか、こういうふうな基準にもなっているようであります。また、設備につきましては、先ほど午前中に質問もありました、私は絶対クーラーはつけてもらいたい、こういうふうに自分では現地へ行きまして思いましたけれども、午前中、財政当局とも相談をしてその方向でというふうに、私はそっちの方向で進んでいくというふうに理解をしましたけれども、そういう理解でいいのでしょうか。
  141. 松本省藏

    ○松本説明員 御説明いたします。  応急仮設住宅でございますが、災害のために住居を失った被災者方々に対しまして簡単な住宅を建設いたしまして一時的な居住の安定を図るということを目的にいたしておりまして、現行の一般基準で申しますと、平成三年度の面積で、平均的な形で八坪、二十六・四平米でございます。そして世帯の数に応じまして、四人世帯用になりますと二十九・七平米、九坪、五人世帯以上で三十三平米、十坪ということで一般的な基準を設けているわけでございます。また建設の費用につきましても、一般基準、八坪の場合で単価百二十万九千円ということでございます。それで、この建設の単価あるいは面積につきましても、今回の災害の特殊性というのを踏まえまして、長崎県当局と協議し、また財政当局とも十分協議をしていきまして、特別基準設定などについて検討したいというふうに考えております。  また、確認の御質問のございました応急仮設住宅へのクーラーの設置、これを補助対象にするということにつきましても検討してまいりたいと考えております。
  142. 石田祝稔

    石田(祝)委員 私は長期化の観点で聞くということでお話をいたしましたけれども、この応急仮設住宅もたしか入居期限が二年以内、言えば二年以内に出なくちゃいけない、こういうふうな決まりがあるようであります。これから長期化を考えた場合に、家もなくなってしまった、そして応急仮設住宅も二年以内に出なくちゃならない、二年も住めるところとはちょっと思えませんでしたけれども、そういう場合に恒久的な住宅をつくる必要があるのではないか。その際に公営住宅を建てなければならない。公営住宅法の八条では、要するに一つ市町村で二百戸以上またはその区域で一割以上の滅失家屋がなければならない、こういうふうな基準があるようでありますけれども、住居というものはすぐにきょう言えばあす建つというわけじゃありませんから、ここのところの基準というものをどういうふうに考えていったらいいのか。私は長くかかるということを考えた場合に、早急にそういう恒久的に住める住宅の建設に取りかかるべきではないのか、適地を探して早速にも建ててもらいたいと私は思うわけでありますけれども、その件と、その際に入居基準、通常の入居基準でこの人は公営住宅へ入れませんよ、こういうことでは困るわけでありまして、その入居基準についてもその場合にどういうふうに考えていらっしゃるのか、建設省にちょっとお伺いをしたいと思います。
  143. 小川忠男

    ○小川説明員 恒久的な住宅対策についてのお尋ねでございます。  第一点は、通常の公営住宅につきましては最大限の応援をして建設の促進を図りたいと思っております。  それから、今お尋ねの中に公営住宅法第八条、いわゆる災害公営住宅の話がございました。これにつきましては、先生今御指摘になりましたように、例えば一市町村当たり二百戸以上滅失したとか、あるいは一割以上滅失したというふうな要件がございます。これにつきましては、現段階で掌握しております滅失戸数、その要件には必ずしも至っておりませんが、ただ、今回の災害の特殊性というふうなことをかんがみますと、相当数の建物が機能的には滅失状態にあるのではないかというふうな推測をいたしておりまして、こういうふうな観点から、災害の特殊性というふうなものを最大限念頭に置きまして、この制度を弾力的に適用して、現段階において既に災害公営住宅の建設は可能である、このように判断をいたしております。したがいまして、県の方でいろいろ御検討されておりますので、その辺の状況がまとまり次第建設にも着手いたしたい、このように考えております。  それから収入基準についてのお尋ねでございましたが、一時的避難、緊急措置的な入居につきましては一切収入基準を問わないというふうな臨時措置で対応したい、このように考えております。  以上でございます。
  144. 石田祝稔

    石田(祝)委員 御答弁で災害公営住宅の建設は可能だ、こういうふうなお答えをいただきましたので、ぜひともその方向で協力をしてやっていただきたいと思います。  入居基準も緊急避難的な入居はよろしい、こういうお答えでございましたが、たしかこれも期限が二カ月とか三カ月、公営住宅に入る場合は切られているのじゃないかと思うのですが、私は先ほど長期化という観点から、家を失ったりした人が、例えば収入がたくさんあったとしても家そのものがなくなってしまった、それは家を建てられるだけの資力がそれ以後自分の仕事等の関係でできるかどうかというのは疑問だと思うのですね。その際に、緊急避難的には入れるけれども、それ以後ずっと長くそこに住まわしてもらいたいといったときに所得基準で足切りをされる、ある程度の範囲で出ていかなくちゃならない、こういうことになったときに、その翌日からはたと困るのじゃないかと思うのですが、この件についてはいかがでしょうか。
  145. 小川忠男

    ○小川説明員 先ほど申し上げましたのは、あくまで緊急措置としての暫定措置である、こういうふうなことでございますが、現段階では一応九月末までというふうにしておりますが、その段階での状況を見ながら、再度の延長もあり得るというふうに考えております。  ただ、基本的な問題といたしまして、状況が落ちついて恒久的な入居態勢になった場合に収入はどうだろうかというふうなことにつきましては、現状におきましては通常の収入基準というふうなことでやらせていただければというふうに思っております。
  146. 石田祝稔

    石田(祝)委員 このことはまた、災害が収れんした段階で問題になるかと思いますが、ともかくも弾力的にやると言ったときに大臣も何かうなずいておられたようですから、その分も含めまして弾力的にぜひとも対応していただきたいと思います。  続きまして失業の問題、いわゆる仕事の問題についてお伺いをしたいと思います。  今、災害等に遭われて就業できない方もたくさんいらっしゃるわけであります。農家の方とか畜産をやっていらっしゃる方は、もちろんそこの場所に住めなくなっているわけですからできないことは当然でありますけれども、それとともにやはりいろいろな事情でお勤めの方でも就業できなくなっている方がいるのではないか。今は災害救助法で食べる方と寝ることは雨露をしのいでやっておりますけれども、これが若干また落ちついてきた場合には、たちまち収入の面で困ってしまう。この件につきまして、どういう形で収入を保障できるか、失業対策について、例えば雇用保険で何か出るか出ないか、そういうことがありましたら、ぜひ労働省の方から教えてもらいたいと思います。
  147. 日比徹

    ○日比説明員 ただいまのお尋ねの件でございますが、御案内のように既に相当の災害が出ておりまして、事業所も相当休業状態に追い込まれているというところも出ております。私ども、雇用保険の給付のあり方としましては、こういう災害時におきましては、事業所が再開しますれば当然またそこにお勤めになりたい、そういう意味で一時的な離職という場合であっても、これを失業としまして給付を行うという取り扱いをいたすこととしておるところでございます。  以上でございます。
  148. 石田祝稔

    石田(祝)委員 一時的離職ということで雇用保険が出る、こういうことであろうかと思います。  次に、この仕事の面に関しまして、島原市にも職業安定所ですか一つございますが、仕事を探したい、落ちついて何とか将来のことを考えて自分の仕事も考えなくてはならない、そういったときに、そこまで出てこい、そして仕事を探せ、紹介するよということではなくてこちらから出向いていって、移動の相談所、移動の職業安定所みたいな形でたくさん避難されている方がいるところに、相手の迷惑になってはいけませんけれども、仕事の相談等の窓口を、移動的でもいいですから何カ所か、張りつきということではなくて一週間のうちに一回回っていくとか、巡回相談所、移動相談所、こういうものを私はぜひ考えてもらいたいと思いますが、この件についていかがでしょうか。
  149. 日比徹

    ○日比説明員 ただいまの公共職業安定所の移動相談所といいますか、その件でございますが、私どもは来週火曜日からということで考えておりますが、ちょうど島原半島の南側、一番南の方に口之津町というのがございます。口之津町の中央公民館の方に場所を借りまして、今先生御指摘のような臨時の相談所というものを設けまして職業紹介なりあるいは雇用保険の関係の業務を取り扱うということにいたしております。  なお、島原市内の方でも、本来の所の方に通っていただくわけでございますが、そちらの方でも、こういう時期でございますので、特別の相談コーナーを設けまして事業主の方あるいは求職者の方その他もろもろの方々から職業に関することであればいろいろな御相談に応じていこうということで、特別のコーナーも設けたところでございます。
  150. 石田祝稔

    石田(祝)委員 ともかくいろんな手を打って不安のないようにひとつお願いをしたいと思います。  お勤めの方にはそういう形で雇用保険の支給とかまた相談に乗っていただくということになりましたが、個人でやっていらっしゃる方、個人経営者の方に対して営業資金の貸し付け、こういうことで無利子で融資するとかそういうふうな優遇の措置はできないのだろうか。ただで貸すということが可能かどうか私はわかりませんけれども、ぜひともそういう形で優遇措置をやってもらいたい、こういうお声も私は何人かから聞いております。この件に関して、またそれとともに生活資金ですね。一時的な生活資金、こういうものを無利子融資はできないだろうか、これは私の素朴な質問でありますけれども、お答えいただければありがたいのですが。
  151. 松本省藏

    ○松本説明員 御説明を申し上げます。  厚生省の所管している法制度関係のみになろうかと思いますが、災害弔慰金を支給する、災害弔慰金の支給等に関する法律、これは議員立法で昭和四十八年につくっていただいた制度でございますが、この制度災害援護資金でございまして、自然災害によって住居、家財に被害を受けられた場合あるいは世帯主が負傷した場合、こういう場合に出る貸付金制度でございます。それで、貸し付けにつきましては市町村が実施をするという形になっておりまして、しかしながら、その貸し付けの原資は国が三分の二、そして都道府県が三分の一の割合で無利子で市町村に原資を貸し付けるという形になっております。そして、市町村が現実にその対象住民方々に貸し付けるときには三%の貸付利息を取っておりますが、これは市町村の固有事務であることから事務費相当額ということで三%の利息、極めて低利だと思いますが、お願いをしておるということでございます。なお、これもそういう状況で貸し付けられる制度でございますから、当初三年間は据え置き、無利子という形になっております。あるいは、さらに特別の事情がある場合には五年間まで据え置き、無利子という形になっております。
  152. 石田祝稔

    石田(祝)委員 個人経営者の場合は営業資金の貸し付けはどうなんですか。中小企業庁に言っておいたはずですが、来ておりませんか。
  153. 高村正彦

    高村委員長 中小企業庁、来てないようですが。
  154. 石田祝稔

    石田(祝)委員 ないですか。これは後でじゃまたお答えいただくとして……。  自治省、お見えになっていただいておりますので、この場合、先ほど三%の利息を事務費という形で市町村段階で取る、こういうことでしたが、これを例えば市町村の段階で利子補給をする、こういう利子補給をして、事実上無利子で貸し付けをするといった場合に、この利子補給した分というものは地方交付税の需要額に算入をされるのかどうか。別途、そういうことに利子補給にした場合に交付税で面倒を見てくれるのかどうか、これについて自治省のお考えをお聞きしたいと思いますが。
  155. 高村正彦

    高村委員長 自治省、来ていますか。――自治省長澤参事官
  156. 長澤純一

    ○長澤説明員 ただいまの御質問でございますけれども、ルール的にはこの三%の分が負担になるということでありますけれども、その負担につきましては、この制度運用といたしまして、地方財政全体の中で措置をしてまいりたいというふうに思います。
  157. 石田祝稔

    石田(祝)委員 もうちょっとはっきりお聞かせ願いたいのですけれども、面倒を見るということですか。
  158. 長澤純一

    ○長澤説明員 実際に市町村がそういうふうに対応した場合には、よくお話をお伺いしまして適切に対応してまいりたいと思います。
  159. 石田祝稔

    石田(祝)委員 では、ぜひともその地方の市町村の要求を踏まえて適切に対応していただきたいと思います。  六月に九月分の普通交付税も前倒しで一部交付した、こういうふうなことも聞いておりますけれども、特別交付税の交付についてはどういうふうにお考えになっていらっしゃるのでしょうか。
  160. 長澤純一

    ○長澤説明員 お尋ねのありました交付税の繰り上げ交付でございますけれども、これは大規模な災害がありました場合に被災地方公共団体の資金需要に対応するための制度でございまして、お話のありましたように、今回の雲仙岳噴火災害に当たりましても、島原市及び深江町に対しまして、去る六月十一日に普通交付税の六月定例交付額の全額を他の団体に先駆けて交付いたしますとともに、九月の定例交付分の一部を繰り上げて交付したところでございます。その措置額は合わせまして約十五億円弱となっておりますので、これによりまして当面の資金需要にはこたえられるのではないかというふうに考えておりますけれども、今後さらに交付税の繰り上げ交付が必要になるというような事態になりました場合には、普通交付税の定例交付が九月それから十一月に予定されておりますので、必要に応じましてこれらの普通交付税の繰り上げ交付を行うことによりまして被災団体の資金需要はほとんどの場合が対応できるのではないかというふうに考えております。特別交付税の繰り上げ交付というのも制度的にとれないわけではありませんけれども、今申しましたように、普通交付税の繰り上げ交付によりましてほとんどの場合が過去の事例から見ましても対応できるわけでございまして、特別交付税の繰り上げ交付といったものにつきましては、過去のケースから見ましても極めて特異なケースになるのではないかというふうに考えておりますが、その時点でまた判断してまいりたいというふうに考えております。
  161. 石田祝稔

    石田(祝)委員 前例がないということはこれからたくさん私は災害の場合は出てくるのではないかと思います。ですから、前例とかいろいろなことを言わないでぜひとも需要に合ったような形で弾力的にいろいろと対応していただきたい、これは希望であります。  それから、最後になりましたけれども、特別立法について若干お伺いをしたいと思います。  六月六日の委員会において、私は、現在進行形の災害に対して現法では根本的に対応ができないのではないか、こういうふうな質問をいたしました。例えばここに国土庁の防災局監修の「国土防災六法」というのがございます。局長もお持ちだろうと思いますが、この中に章立てをずっとしておるわけでありますが、そこに「災害応急対策」という部門がございます。幾つかにこう分けております。ここにある法律というのは災害救助法だけなんですね。あとは郵便法とかございますけれども、要するに「災害応急対策」のところにある、まあ法律を分けたときにあるのが一本だけなんです。そして、そのほかのものはどこにあるかと言いましたら「災害復旧」の項しかないのですね。ですから、こういうふうに分けているということはもう防災局自体が災害救助法以外はもう災害復旧だ、こういうふうにお認めになっているから私はこういうところに入れていると思うのです。ですから、ここのところ、前にも社会党の川俣委員が、いわゆる災特というのはつめ跡委員会だ、災害が終わった後でその災害がどれだけの被害になっているかを見て、そして復旧のことを考えていく委員会だ、私も基本的にはそうだと思っておりました。しかし、今回のような形でいつ終わるかわからないような災害に対して現法で果たして適用できるのかどうか、最大限にいろいろ解釈をしていただいて、それでもできるんだろうかという素朴な疑問がございます。  そこで国土庁長官大臣が何度も現地にお入りになっております。ともかく今の段階では現行法で最大限対応していこう、こういうふうなお考えであろうかというふうに先ほどから聞いておりますけれども、大臣が率直に、現地に入られて――我々が委員会で行ったときには、もうほとんど警戒区域が広がっておりまして、生々しい現場はなかなか見ることができませんでした。大臣はごらんになっておりますから、率直なお気持ちで、現行法で対応できるんだろうか、そのお気持ちをお伺いをしたいのと、そして、それがともかく厳しいなと思ったときには特別立法をお考えになるのかどうか、この点について最後にお伺いしたいと思います。
  162. 西田司

    西田国務大臣 特別立法についての御質問でございますが、私といたしましては、まず、この被害状況など地元状況を的確に把握するということが当面最も重要なことである、このように考えまして、それなりの対応を政府は政府、地元地元、またそれらの協議、こういうものを進めておるわけでございます。  そこで第一番に考えられることは、現在の災害関係の諸制度を十分活用をしていく。物事によれば拡大解釈もございましょうし、弾力的な運用もございましょうし、そういうことをやっていくということがまず第一番である、このように考えております。  今回の災害状況にかんがみまして、政府といたしましては、非常災害対策本部を設置し、関係省庁に対しあるいはまた地元長崎県に対し、ただいま申し上げましたようなことを要請し、そして、可能な限り迅速かつ的確に対応をするように申し合わせておるところでございます。  なお、現在火山活動委員も御承知のとおりに予断を許さない状況にあるわけでございますから、これに伴って地元状況もまた変化流動をしてくる、このように考えておるわけでございます。私は、たびたび現地入りまして、今回の災害に対する実情というものを十分目で見、お聞きをし、肌で感じておりますから、地元の考え方も十分に尊重して対処していく考え方でございます。
  163. 石田祝稔

    石田(祝)委員 以上で終わります。
  164. 高村正彦

    高村委員長 鍛冶清君。
  165. 鍛冶清

    ○鍛冶委員 私は、石田委員に続きまして、我が党に割り当てられました時間、残り時間について質問をさせていただきます。  昨日も入院中の一人、消防団員の方が現地でお亡くなりになりました。心からお悔やみを申し上げますとともに、本当に災害が早くおさまって復旧への力強い歩みができるように、心から念願をいたしておるものでございます。しかし、私どものそういう思いと裏腹に、今も石田委員から最初に質問がありましたように、災害が長期化しておるということが避けられない、大変心の痛む状況に今なってまいりました。私たちといたしましては、六日の質問、またそれと前後して、現地調査をいたしながらできるだけの対応も進めてまいりましたけれども、これからもひとつ長官が中心になって強力にこの対策を進めていただきたい、最初に御要望を申し上げておきます。  私は、いろいろ災害で問題になること、たくさんございますが、その中で特に学校教育の問題に焦点を当てまして、若干ほかの問題も加えて質問をさせていただきたい、そういうふうに思っております。  今、島原市内で小中学校に通っていらっしゃる児童生徒の数は本年の五月一日現在で五千七百四十四名、それから深江町で千百六十六名、さらに、この二つの地域で高校に通っておられる生徒の数は公私立を合わせまして三千六百八十三名、こういう数に上っているようでございます。これはもう大変な数でございまして、現在、災害が拡大化する流れの中で、すべての学校が臨時に休業しておるというふうにも伺っているわけでございますが、最初に、これらの児童生徒に対する学校の現場の状況、現況について御説明をお願いをしたいと思います。
  166. 勝山正嗣

    ○勝山説明員 文部省でございます。  今先生のお尋ねの学校の状況でございますけれども、まず第一番目の子供たちのけがの状況等でございますけれども、この雲仙岳噴火によりますけが人は現在のところ出ておりません。  それから、学校施設の被害状況でございますけれども、降灰が当然あるわけでございますけれども、そのほか島原市にある学校、県立高校二校が、噴石によりますガラスの被害等の確認がされているという状況でございます。  それと授業への影響でございますけれども、五月の二十七日以降、島原市と深江町にあります小中高等学校におきましては、噴火状況に応じまして、休校だとか二部授業等の措置をとられてきているという状況でございます。  このような状況を踏まえまして、児童生徒の修学の確保につきましては、長崎県教育委員会におきまして、県内の各市町村及び他の都道府県の教育委員会に対しまして、仮入学等によりまして児童生徒を弾力的かつ迅速に受け入れるような通知、依頼等を行っているわけでございます。  そういう形で修学の確保に努めてきておるわけでございますけれども、文部省といたしましても、避難した児童生徒が他の市町村の公立学校に修学を希望する場合におきましては、迅速かつ円滑に受け入れられるよう、県の教育委員会等に対しまして引き続き指導を行っていく所存でございます。  まだこの噴火がどのぐらい続くかわかりませんけれども、長期化した場合の対応につきましても、今後の火山活動の推移を踏まえまして、引き続き学校施設の被害状況あるいは児童生徒にかかわります教育活動の実施状況等十分把握いたしまして、児童生徒の修学に支障のないよう、県教育委員会等に対しまして必要な指導あるいは援助をしてまいりたい、そのように考えている次第でございます。
  167. 鍛冶清

    ○鍛冶委員 今お答えがありましたより現場の方は状況が進んでいるんでしょうかね。ちょっと私の方できのう伺った資料では、今二部授業云々とおっしゃいましたけれども、実際には、小学校は島原市内はもう全部が臨時休業を十二日から始めておって、さらにきょうも確認し、十二、十三は臨時休業ということでその後は未定になっておったのが、本日も全部臨時休業ということに延長になっているようです。深江町の方では、六月十三日からもうこれは臨時休業に全部各学校が入っているようでありまして、これにプラスして、夏季休業、いわゆる夏休みを繰り上げをしてこれに臨時休業を加える、こういう流れが今あるようですね。高校の方は、六月十日から一応十五日まで、あすまでは全部臨時休業、こういうふうなことで対応がなされているようでございますが、そういう状況は間違いございませんか。
  168. 勝山正嗣

    ○勝山説明員 雲仙岳におきます学校の授業の実施状況でございますけれども、島原市の第三中学校と第五小学校におきましては、六月四日から七日まで休校としております。それから、八日から十一日までにおきましては、各近隣の小中学校で二部授業を実施しているところでございます。  なお、六月十二日から市内のすべての小中学校が休校となっている状況でございまして、今のところ、島原市におきましては六月十五日までを休校としておるところでございます。その先につきましては、現在検討中というふうに伺っておるわけでございます。  深江町の方の小中学校につきましては、五月二十七日と六月四日につきましてはすべての学校が休校しております。五日は大野木場小学校が休校しております。なお、大野木場小学校につきましては、六日から町民センターで授業を行っているところでございます。深江小、中学校につきましては、十日から十九日まで休校にすることが決まっているという状況でございます。  また、高校につきましては、私立の島原中央高校が六月四日から休校しておりますし、島原市内のすべての県立高校につきましては、十日から休校となっております。一応、県立高校等につきましては、十五日までというふうに今のところ聞いております。その先につきましては現在検討中、このような状況でございます。
  169. 鍛冶清

    ○鍛冶委員 丁寧にまたお答えいただくのはいいのですけれども、私がそういうことをわかった上で、その前提で全部休業になっているのかどうかとお聞きしているわけですから、そういう意味ではひとつ簡単にお答えできるところは簡単にお答えをいただいて、丁寧にするところは丁寧にひとつやっていただきたいとお願いをいたします。  これから先、実質的には検討中というお答えでありますが、まさにそうなのかなという気もしますけれども、こういう現況を見ておると、臨時休業という形で、災害長期化、これがもうまずまず間違いないような状況の中でありますから、ずっと突っ走る可能性が非帯に強い。そうしますと、やはりこれは人命救助人命ということを第一に考えるということはもう当然でございますけれども、同時に長期化をしてまいりますと、私は子供の学力の問題、学力保障の問題等について非常に心配もされる向きも出てくるであろう。  そしてまた、島原市内、深江町でもう全く休業して授業ができないという状況になりますと、これがこのまま進むと、先ほど申し上げた、恐らく高校まで約一万に上る児童生徒が勉強する場所をどうするか、どこでどういうふうに勉強するのか。これは夏休みを多少繰り上げたとしても、それ以上延びた場合には、じゃ一体どうして授業をしていくのか、学校はどうするのか。島原深江町がもし使えなければ、ゆゆしい問題になってくるであろう。  私は、もう災害が長期化という流れになってきている現在、学校の現場においても、この長期化に対する対応策というものを検討中ということでくくるのではなくて、具体的にほぼこういう形でやりたいというふうな案もあってしかるべきだというふうに思うのですが、本当にそういうふうになった場合に具体的にはどういう対応策というものが考えられておるのか、そういった点についてひとつお答えをいただきたいと思います。
  170. 勝山正嗣

    ○勝山説明員 火山が現在活発に活動している中におきまして、この先の予測は非常に難しいわけでございますし、また、児童生徒とともに家族は避難先等に移動を行っているというような状況の中で、今後仮設住宅だとかそういった避難先がどういう形になるかといったようなことがございまして、なかなかつかみにくいわけでございますけれども、今日のように学校の休校が相当長期化するといたしますと、やはりそれぞれの避難先においても、それぞれの教室の不足だとか、あるいは一定の問題も当然出てくるわけでございます。現在のような二部授業だとか、授業のいわゆる休業といったような状況は必ずしも望ましくないということは当然でございまして、私ども非常に心を痛めておるわけでございます。  そうなってきますと、当然それぞれの避難先におきまして、仮校舎といったようなこともこれから必要な事態も考えられるという状況になってくるんじゃなかろうかと推測しているわけでございます。  御承知のとおり、現行の国庫補助としましては、仮校舎というのは非帯に想定してないといいますか、そういう状況でございまして、なかなか難しいわけでございますけれども、今回のような雲仙岳噴火に伴います被害の重大性といいますか、そういったことにかんがみますと、今後、児童生徒の修学状況あるいは関係地方公共団体の意向等十分勘案いたしまして、今後とも関係機関と協議して検討してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  171. 鍛冶清

    ○鍛冶委員 これはひとつ本当に真剣に取り組んでいただきたい。これは長期化するかどうかわからぬから、様子を見ながら検討中でくくってしまうというお考えではなくて、まず具体的に御検討に入っていただきたい。そうしないと大変なことになるだろう。特に災害に対する対応生活等も大変なことでございますけれども、特に高校生の親の方、また本人も含めて高校に在学中の人たちは、やはり深刻な問題になるだろうと思います。これは全国的にやはり大学に入るという将来の夢を含めて、今一生懸命頑張っている最中だと思いますけれども、そういう人たちがこの現状の中で、もし学習の機会を得ることができない、ずるずるいってしまうということになると、私は、子供さんたちの将来を含めて、その希望も奪ってしまうということにもなりかねないだろう、こういうふうに実は思います。  そういう意味も含めて、特に高校、これは私立の高校が一つあるようでございまして、私立の高校になると、なおさらこれは大変なことだろうと思います。これ以上細かく申し上げてもなかなか具体の話は出てこないと思いますので、この問題についてはこれでとどめますけれども、ひとつ真剣に具体的に検討に入って、特に高校の皆さん方、これは焦眉の急の問題であろうと思いますので、被災地におられる方々、いろいろな悩みを持っておられるわけですが、教育に関してはちゃんと先行きのことが見通しがあるし、ちゃんとやってくれているなという安心を与えられるような対応策、厳しいかもわかりませんけれども、ぜひひとつ対応していただきたい、心からお願いをいたしておきます。  さらに、御答弁の中にありましたように、これは地元にずっとこれからもいたいという方が多いようではございますけれども、こういう状況になってきたら、もう外に出てほかで居を構えようというような方も大分いらっしゃるようで、事実、島原市内、深江町の中でも従来授業をやっておった地域、全部が今休業になっておりますけれども、やっておった地域には、やはり罹災された地域から転入学等、また仮入学等されている方が大分出てきているようです。  さらには、これはもう島原市外、また長崎の外にも移られていく方もだんだんといらっしゃるようでありまして、これは転入学問題というものは相当に問題になってくると思いますけれども、これについての対応は現在どういうふうになさっているのか、お聞かせいただきたい。
  172. 辻村哲夫

    ○辻村説明員 御指摘の点でございますけれども、御案内のとおり、島原市内に四つの県立高校と一つの私立高校がございます。そして現時点では既に幾つか、先生御指摘のとおり転学のための相談がもう持ち込まれておるというような状況を私どもも把握しているわけでございます。  こうした状況を踏まえまして、県におかれましても、県下の他の高等学校に対しまして弾力的、迅速に修学を希望する生徒については受け入れるように、さらに県以外の、県を越えた形で転校を希望する場合におきましても、それを円滑に受け入れるようにというような、他県に対しまして長崎県の方から要請する措置を講じているところでございます。  私どもといたしましては、県の対応状況を十分把握しながら、生徒の教育活動の実施状況の把握に努めまして、生徒の修学に支障がないように県と連絡をとりながら積極的に対応してまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
  173. 鍛冶清

    ○鍛冶委員 私は今高校の方は次にお聞きしようと思ったら高校の話が出ちゃったのですが、小中学校関係はいかがなんですか、これに対する対応
  174. 辻村哲夫

    ○辻村説明員 小中学校につきましても、県の教育委員会からは各市町村の教育委員会に対しまして、仮入学その他の緊急に対応できるような弾力的な措置を講じて、修学の確保に遺憾のないようにという通知が既に出されているところでございます。
  175. 鍛冶清

    ○鍛冶委員 仮入学の場合はどういうふうになるのかわかりませんが、転入学、はっきりした場合には教師の問題、教員の数の問題がやはり出てくる。いわゆるクラスを割らなければならぬという場合も出てくるかもわかりませんね。そういう実情が、これは特に長崎県内、さらには周辺の県の中で出てくる可能性がございます。こういうことに対して、教員の定数問題というものは、これはやはり早急に当たらなければいかぬと思いますが、こういう問題についての対応はどういうふうにしているのか、お尋ねをいたします。
  176. 佐々木正峰

    ○佐々木説明員 御案内のように、児童生徒の転校等により学級数に変更が生じるような場合には、市町村が学級編制の変更認可申請を行いまして、それに基づいて都道府県が認可を行う、こういうような手続を経まして所要の教職員定数が措置されるというような形になっておるわけでございます。今回のケースにつきましても、長崎県教育委員会等における学級編制の変更認可が行われる場合には、それに応じた定数措置を講ずるというふうなことを考えております。
  177. 鍛冶清

    ○鍛冶委員 これはひとつ的確に敏速に対応をお願いいたします。  これはさっきちょっとお答えの中にありましたけれども、私はやはり一番心配しているのは高校生の転入学ですね。これはやはり地元で勉強する機会がなかなかめどが見えないということになると、恐らくは他県へ出ていくとか、この際思い切って東京まで出ていこうかというような高校生もいるかもわかりません。そういう場合には、義務教育では当然ありませんから転入学試験というのが課せられて、その結果入れる入れないということが決まるようになるんだと思いますけれども、そういう意味で高校生の転入学問題というものは、今回こういう非常のときでございますから、先ほど措置はするとは言いましたけれども、具体的にそこらあたり、ひとつ柔軟に対応というものが必要だと思うのですけれども、この点についてひとつもう一度お答えをいただきたいと思います。
  178. 辻村哲夫

    ○辻村説明員 先生御指摘のとおり、義務教育と違いまして、高等学校の場合には入学試験というものを通ってそれぞれの学校に入学してきておりますので、したがって、転校ということになりましても小中学校と違った、通常でありますと難しい問題があるわけでございますけれども、こうした緊急の場合でございます。したがいまして、この転入の試験の仕方の緩和でありますとか、あるいは家族の一部あるいは本人だけの転住という場合も転校というようなものを考える。具体的に申しますと、そのような形で、通常の原則とは違った形で弾力的にこの転校に対処していく、そうしたことが必要なのではないか、そのようなことで県の方も考えているわけでございますが、文部省といたしましても、そのような具体的な考え方等を示しつつ適切な指導をしてまいりたい、このように考えておるところでございます。
  179. 鍛冶清

    ○鍛冶委員 転入学についてのそういう申し出等があった場合には、ひとつ対応をよろしくお願いいたしたいと思っております。  ちょっと生徒の健康問題でお尋ねしたいのですが、やはり臨時休業したということには、一つは降灰の問題、灰が大変たくさん降っていて、授業を続けるわけにはいかないというのが理由の大きな一つにあるようにも伺っておりますけれども、この灰というのは非常に微粒子で、これは吸い込んだ場合に、僕は細かく確かめたわけじゃありませんけれども、聞くところによると灰は微粒子ですが何かとがっておるというような話もありまして、それを吸い込むと肺の中に刺さってのかないんじゃないか、それが重なると体に異常も出てくるんじゃないかというような心配した話もございました。現地ではいろいろマスク等もして対応はされておるようでありますけれども、防災用のマスクでもございませんし、やはり抜けて灰が体の中に入ってくるということも十分考えられるようですけれども、こういったこと等についての対応というものは文部省について何かなさっておられるのかどうか、お尋ねをいたします。
  180. 富岡賢治

    ○富岡説明員 火山灰の降灰地域におきます子供の体に与えます影響については、文部省として特に調査を行ったことはございませんけれども、過去に鹿児島県で桜島の降灰地域におきまして住民への健康管理を、子供を含めまして調べたことがございまして、そのときの報告によりますと、直ちに降灰が直接的な健康影響を示す結果というものは得られなかったわけでございます。しかしながら大事な問題であるという認識を持っておりますので、よく県教委とも連絡をとり合いながら注意を払ってまいりたい、こう考えております。
  181. 鍛冶清

    ○鍛冶委員 厚生省の方、おいでになっていらっしゃると思いますが、この問題について、これは児童生徒だけではなく、今文部省から一応答えはありましたが、厚生省としては人体に対する影響というものはどういうふうに判断をしておられるのか、この際ちょっとお伺いしておきます。
  182. 有川勲

    有川説明員 火山灰の健康影響についてのおただしでございますけれども、去る六日の各先生の御質問あったところでございますが、火山灰が住民に与える健康影響については、今文部省の答えがございましたように、昭和五十三年から桜島周辺の火山の影響を受けておられる方々の健康調査を行ってきております。こういった調査の結果、非常に目とかのどとかいった急性期の症状はあるわけでございますが、長期にわたって慢性の呼吸器影響といったものについての調査の結果におきましては、直接的な因果関係のある特異な疾患は認められないという結論になっております。しかし、雲仙岳の周辺の現状にかんがみまして、県の御意見等を伺い、こういった問題についての検討はしてまいりたいと思っております。
  183. 鍛冶清

    ○鍛冶委員 直接的には健康に影響は考えにくいというようなお答えでございました。そうであれば幸いでございますが、やはり何といっても異物が体内に入るということは好ましいことではなかろうと思います。これを含めて、特に災害地におきましていろいろな異常が起こってくると思いますが、そういうものに対する健康上の対応策というものは、厚生省、それから文部省も学校の児童生徒に対してひとつしっかりと対応をお願いしたい。御要望を申し上げておきたいと思います。  我が党に与えられた時間はもうちょっと一分か二分ですから、最後に一つだけお尋ねをいたします。  集団移転の問題です。我が党の方の現地の議員から、党の方からの要望の中の一つにございましたが、地域を申し上げていいのかどうかわかりませんが、やはり上木場地域、そこは何か一部集団移転というような、集団移住ということについての声がだんだんと上がってきているようでございます。こういう問題に対して、久間議員の朝の質問の中で御答弁がございました。ですから、この点については重ねて申し上げませんが、長期化とともに被害が拡大していくという中で、これは本当に島原市内、深江町町内を含めて大量に移転ということになった場合に、現在の法律でもって対応ができないのではないか。したがって、そういうときには何らかの超法規的な対応策というものを早急に考える必要がある、こういうふうに思うのですが、これについて最後にお尋ねをし、さらには、学校教育問題について調整の役におられる長官にこれに対する御決意のほどをお伺いをして、質問を終わりたいと思います。
  184. 木寺久

    木寺説明員 防災集団移転促進事業についてでございますけれども、現在のところ、今回の雲仙岳噴火に伴います事業の実施について、地元の方でどれだけの規模でどういう事業内容で実施するかということについて、まだ現段階では明確でないわけでございます。今後地元がその方向でまとまりまして事業を実施するということになりましたら、事業が円滑に推進されますよう私どもといたしましても積極的に対応してまいりたいというふうに考えております。
  185. 西田司

    西田国務大臣 ただいま当面の緊急対策ということに最重点を置いて対応をいたしておりますが、御指摘のように長期化の様相もあるわけでございます。今後の状況の変化等をよく見極めながら対策を立てていかなければいけない、こういうことで取り組んでまいります。
  186. 鍛冶清

    ○鍛冶委員 終わります。ありがとうございました。
  187. 高村正彦

  188. 吉井英勝

    吉井(英)委員 まず私は、災害で亡くなられた方の御冥福をお祈りいたしますとともに、避難されておられる方々を初め、被災地の関係者の皆さんに心より御見舞い申し上げたいと思います。  私も先日、十二日に、委員長さんとともに御一緒現地調査に行ってまいりました。もうあの地域に入ったときから火山灰で道路も田畑も大変でありましたし、それからまた、水無川流域だけでないところで新たな土石流の危険も指摘されているようでありますし、さらに、せっかく月曜日から運航されたフェリーも、一昨日からですか、欠航という状態島原市民のほとんどが避難しなければならない事態にもなるかもしれないという。そういうことになりますと、いわば一つの市が丸ごと消えてしまうかどうかという大変な事態ということになろうかと思いますが、市長さんからの切々たる訴えもお聞きしてまいりました。  そこで、災害の規模、性格、今後の見通しという点からして、今本当に極めて深刻な事態だというふうに私は認識したのですが、災害対策基本法の第三条で、「国は、国土並びに国民の生命、身体及び財産を災害から保護する使命を有することにかんがみ、」ということで、防災に関する万全の措置を講ずる責務を国は有しているということを規定いたしておりますが、現場の実情というのは確かに市町村が一番よくつかんでおられるにしても、一つの市や町の手に負えるものではないところへ今いっているように思うわけです。  そこで、国の責任において今回の問題について災害対策を徹底して進めていくんだという、この点についての大臣のまず御決意のほどから伺っておきたいと思います。
  189. 西田司

    西田国務大臣 今回の災害に対しましては、国も防災に関しその持っております組織それから機能のすべてを挙げて万全の措置を講ずる責任を持っておる、このように考えております。その被害の甚大性等にかんがみまして、御存じのように去る六月四日、非常災害対策本部を設置いたしました。そして、関係省庁があらゆる角度から地元一体になってこのことに対処していく考えでございます。
  190. 吉井英勝

    吉井(英)委員 そこで、そういう点で現行法を徹底してすべて活用していく、そういうことがまず今必要だと思うのですが、公共土木、農地、中小企業、住宅被害など、激甚災害の指定基準を上回っているのではないかと思われるわけです。  そこで大臣に、まずこの激甚災害の指定を行うべきではないかと思うのですが、この点についてのお考えを伺いたいと思います。
  191. 鹿島尚武

    鹿島説明員 先生おっしゃられますとおり、公共土木施設、農林水産業施設等に被害が生じた場合におきましては、地元市町村及び長崎県当局におきまして被害の実態を調査の上、所管省庁へまず御報告をいたします。国土庁といたしましては、所管省庁からの被害の取りまとめ、報告を受け、この法律に該当するかどうか吟味をいたしまして、手続をいたすわけでございます。該当するものに対しましては適切に対処してまいりたいというふうに考えております。
  192. 吉井英勝

    吉井(英)委員 適切に対処ということで、結局、激甚災害の指定という方向で進めるということですね。
  193. 鹿島尚武

    鹿島説明員 被害の実態を確認をいたしまして、先生仰せられるような方向で適切に対処いたします。
  194. 吉井英勝

    吉井(英)委員 具体的にひとつ伺っておきたいのですが、激甚災害法の二十五条ですね、労働者の雇用保険給付の特例というものがあります。先日現地へ見に参りましたときに、ちょうど私どもが県や市の方からいろいろ事情をお伺いしたそのすぐ近くに宝酒造という工場がありましたが、それがその日から工場閉鎖だということになったことも伺いました。そのことを目の前にしてきたのですが、かなり大きな企業ですね。操業停止ということですから、もちろんそこに働いている人は事実上失業状態なんですね。住民避難して事実上失業状態となったときに、やはり避難をするにしても後の生活のことについて保障措置がちゃんとしていないと随分心配なわけですが、二十五条の適用を速やかに行って、やはりそういう点での対応ということ、本当に早急な取り組みが今求められていると思うのですが、いかがでしょうか。
  195. 鹿島尚武

    鹿島説明員 激甚法二十五条の規定によりますと、雇用保険の適用事業所が激甚災害を受け、やむを得ず事業を休廃止した場合におきます従業員の基本手当の支給について特例を定めてございます。この措置の適用につきましては、法制度上、一定の適用基準を満たした場合におきまして、中央防災会議の意見を聞いて政令で定めるということとされておるわけでございます。現段階ではまだそのような措置は発動する状態に至ってないと理解いたしておりますけれども、災害救助法が既に適用されておりますので、今次の災害で被災をし、そして休業した事業所から一時的に離職した方々に対しまして、特例的に雇用保険の休業給付が支給されるということになろうと承知をいたしております。
  196. 吉井英勝

    吉井(英)委員 とりあえず災害救助法に基づいて特例的に適用というお話がありましたが、私が言いたいのは、災害救助法もあるし、激甚災害法もあるし、あらゆる法律を、あるものをすべて活用して、すべて駆使して、今本当に全面的な取り組みが必要だ、そのことを特に強調して申し上げておきたいと思うのです。ですから、今進めておられることとあわせて、この取り組みはさらに強化していただきたいというふうに申し上げておきたいと思います。  それから、活火山法の指定を行うとなりますと、これは避難地とか避難道路、特に私、道路で仮に避難するときも、ちょうど車で走っておりましたときもスリップ注意という標示が出ておりましたが、こういうものをちゃんと除去したり避難道路の確保をしておかなかったら、いざというときに大変だなということも実感しました。それから、退避ごうの設置とかそういう整備、つまり本格的な構えが今必要だし、活火山法指定となりますとこれもいけるわけですね。それから、小中学校等の施設に降灰対策ということでアルミサッシを入れるとかルームクーラーを取りつけるとか、できるわけですね。活火山法の指定をしておられたら、とりあえず今避難しておられる方々体育館に入っておられるのについても、本当言ったらすぐにクーラーがつけられるわけですね。もうついているかもしれませんが、私どもが現地へ参りましたときには本当にまだクーラーもついていなくて、大変暑くて深刻な事態でした。それから、田畑の降灰の除去についてもこういうのは適用されるわけですが、長崎県の方からもこの点について要望書もいただいてまいりました。私はこの活火山法の指定などもこれはもう速やかに行うべきだと思うのですが、この点についても大臣のお考えを伺っておきたいと思います。
  197. 鹿島尚武

    鹿島説明員 略称活火山法の各種事業がございます。その中で、まず先生仰せられました道路に堆積した降灰の除去、これにつきましてはもう既に建設省におきまして長崎県と協力をいたしまして、主要道路に係る除去作業、これはもう実施いたしておるわけでございます。建設省におきましては、市町村が行う降灰除去事業に対し、活動火山対策特別措置法に基づき補助をしますということを言っておられます。  次に仰せられました、いろいろございますけれども、まず降灰防除施設整備事業ということでございます。学校、保育所におきまして、降灰により砂が入ってくる、これを防除するために二重窓をする。そういたしますと、当然空調の施設が必要になってまいります。こういったものに対しましては、区域を決めまして指定をして実施をすることになってまいります。そこで、国土庁におきましては、現在長崎県と協力をいたしまして、降灰量の推移とか整備すべき施設の有無、種別といったようなものの計画づくりに協力をいたしましてこれをやっております。  それからまた、避難の施設整備事業あるいはまた防災営農施設整備事業というのもございます。関係省庁とも協議いたしながらこれに適切に対処してまいりたいというふうに考えております。
  198. 吉井英勝

    吉井(英)委員 計画づくり、始めておられるということなので、これはやはり速やかに指定をして、そしてこれもやっていただきたいと思うのです。この点でけさほど来議論もありましたが、例えば仮設住宅の場合も、それが使えるか使えないかは別として、まさに弾力的運用ということで、実際に降灰地ということで、普通は学校とか福祉施設ということになりますが、しかしこの住宅についても、これはいわば緊急避難ですから福祉的施策という性格を持たせて、アルミサッシにして、そしてクーラーを入れてというふうな考え方もあろうかと思いますし、また別な発想もあろうと思うのですが、やはり今そういうことが求められているということもあわせて申し上げておきたいと思います。  さて、仮設住宅の方ですが、建設中が百五十戸、新たに百六十戸追加ということで、三百十戸今計画に入っておられるようでありますが、対象建設戸数とか建設補助単価など、こういう面で現行の災害救助法では十分適用しない場合ももちろんあり得るわけですが、特にけさほど来問題になっておりますクーラー、テレビ、洗濯機などは、テレビというのは防災対策上の情報源ということになりますし、それからクーラー、洗濯機などは降灰対策という性格も持ってまいりますし、また災害公営住宅や入居基準、資格基準の問題にしても、今この緊急な事態の中では私はまさに災害救助法で必ずしもこれは適用しがたいというものについても弾力的運用ということで、今後地元自治体から出てくるものについてもやはり全面的にこれは酌み取っていただいて、そして本当に文字どおり弾力的運用で今日の現行法を活用しながら、いささか超える部分についても、そこは知恵を働かせて弾力的運用ということでやはり対処をしていただきたいと思いますが、けさほど来議論もありましたが、私もこの点について改めて伺っておきたいと思います。
  199. 松本省藏

    ○松本説明員 御説明を申し上げます。  まず、応急仮設住宅の戸数自体が国の災害救助法に基づく戸数とそれ以外とで必ずしも合わない事態が出てくるのではないかというお話がございましたが、これは具体的に申しますと、入居要件の問題になってくるわけでございます。本来災害救助法に基づきます各種の応急措置のうち避難所を設置する、これはもう第一次的な応急措置でございますから、資力要件等は当然ございませんけれども、一たん避難所等に入っていただきまして、その次の措置になります応急仮設住宅になりますと、基本的には資力要件というのが前提として入ってくるわけでございます。しかしながら、今回の災害の特殊性、かなりこれから長期にもわたる、そしてまた、現に被災を受けられた方々は、住居がなくなったりあるいは田畑が使えなくなったというようなことで相当大きな経済的なダメージを受けておられるというふうに考えられますので、いわゆる資力要件というようなものを弾力的に運用いたしまして、現在県において建設中あるいは建設予定中の応急仮設住宅はすべて災害救助法に基づく応急仮設住宅として措置をしていくという考え方でございますので、そこにずれは生じないということでございます。  それから、それ以外にいろいろな建設の単価の関係、面積の関係の問題があろうかと思いますが、これにつきましては、今回の災害の特殊性等を十分踏まえまして、長崎県当局と協議しながら、また財政当局とも協議しながら特別の基準設定などを検討してまいりたいと思っております。  またさらに、それに附帯される設備の関係でございますが、ふろについては、これは設置するということで決めておりますし、またクーラーにつきましては、先ほど来お答えいたしておりますけれども、検討してまいりたいと思っております。  なお、テレビ、洗濯機その他家庭用品については、これは災害救助法のメニューには入っていないということで御理解いただきたいと思います。
  200. 吉井英勝

    吉井(英)委員 テレビというのは、特に今後長期にわたって災害が予想される中では主要な情報源になりますので、単なる家庭用品というのとは今回の場合はいささか性格が異なってくる面があると思うのです。洗濯機につきましても、とにかく毎日灰をかぶっているわけですから、これも通常の家庭生活の場合とはいささか様相は違うわけですから、私はこういう点については、弾力的に運用していく中で十分な配慮というものをやはり加えていっていただきたい、こういうように思います。  それから、水無川で道路が分断されたわけですね。そうすると通勤通学が水無川を挟んでできなくなってきているわけですね。それで月曜日からフェリーも出されたようです。ところが今度は、海も警戒区域ということでこのフェリーもだめというふうなことになってきて、交通手段をどうして確保するかということも深刻になってきております。また同時に、その場合、少しきめ細かな話になりますが、通勤通学者の運賃をどう設定するか。つまり、これまでですと、分断されていないものですから、島原電鉄ですか、あそこの鉄道運賃で行けた。ところがうんと遠回りして、新たにフェリー等でということになってべらぼうに高くなってくるとなりますと、これは通勤通学にとっても大変な問題でありますし、その点についてはどのように対応していこうとしておられるのか、これも伺っておきたいと思います。
  201. 橋本雅之

    ○橋本説明員 お答え申し上げます。  島原市と島原半島の南部を結びます陸上交通網が現在交通規制されております。六月十日から臨時に島原港と須川港の間で九州商船株式会社がフェリーを運航いたしまして住民の足を確保しておりましたが、十二日の午後六時から、水無川河口を基点といたしまして半径二・五キロメートルの円内の海上が警戒区域に指定されたことに伴いまして、フェリーの島原港への出入港が不可能となりまして、運航中止となっているわけでございます。このため、現在長崎県、運輸省を初めといたします関係者間で海上輸送の確保のための方策について検討をしているところでございます。  それから、第二点目の旅客船の運賃の点でございますが、島原港―須川港間で六月十日から十二日までの間、臨時運航をされました九州商船株式会社のフェリー運賃は、大人が五百五十円、子供が二百八十円で、通学者につきましては小児運賃を適用していたわけでございます。これは、既存の輸送機関でございます島原鉄道の島原外港と西有家の間の運賃と同じ額で設定されたものでございます。また、自動車の航送運賃も周辺の航路よりも四割程度安くなっているわけでございます。  今後、何らかの形で海上輸送が確保されます場合、可能な限り低廉な運賃が設定されるよう関係者に働きかけてまいりたい、かように考えております。
  202. 吉井英勝

    吉井(英)委員 いずれにしろ、今、最初に考えられたフェリーがとまったということで高速艇等を検討ということですね。高速艇等を検討されて、運賃について今お話あったできるだけ低廉ということはあるのですが、本当にそうでなくても深刻であるのに、島原鉄道時代よりもうんと上がるとこれはやはりいよいよ問題は大変だと思うのです。どういう形で県が取り組まれ、それに対して国の方がバックアップするかということがあるにしても、やはり、今できるだけ低廉な運賃になるようにというお話がありましたが、実際に島原鉄道並みに、当初のフェリー並みになるように、これはぜひ国としても頑張ってもらいたい、こういうふうに思います。  さて、消防団員の方で十名の方がお亡くなりになられて、昨日十名になったのですか、そして二名の方が今も重傷で入院中ということでありますが、六月十日の新聞に住民の声として、消防団員はセンサーがわりになった、きちんとした補償制度をという声が報道されておりました。実際に消防活動に当たっておられて団員の方がこういう不幸なことになったことについて、今の時点では、やはり住民の方の声にあるようにちゃんとした対応を考えなければいけないと私は思うのですが、消防組織法第十五条の七に公務災害補償の規定がありますし、また同条に基づく非常勤消防団員等に係る損害補償基準を定める政令、それから消防団員等公務災害補償等共済基金法、こういったものが当然適用をされてきちっとした補償はされると思うのですが、消防庁の方の対応を伺っておきたいと思います。
  203. 木下英敏

    ○木下説明員 不幸にして亡くなられました消防団員に対しましては、今先生御指摘いただいたような法律がございまして、適切な補償がなされることになっております。  これらの制度に基づく規定の適用を現在考えているところでございまして、例えば住民の中で典型的な方一人の例について申し上げますと、勤務年数あるいは遺族の数等によって異なるわけでございますが、勤務年数十年以上、二十年未満の部長の方の例で申し上げますと、奥さんと小学生の子供二人を含む小さな子供が三人いらっしゃる方の場合は、年金が二百八十七万二千九百円、一時金が一千四十五万六千九百二十円ということになります。ただ、この方の活動の内容によっては、特殊公務災害という場合のケースに認定されることもあり得ます。この特殊公務災害に認定されますと、さらに今申し上げた年金は五割増しになるということでございまして、したがいまして、その場合には四百二十三万七千三百円という年金の額になります。
  204. 吉井英勝

    吉井(英)委員 残された遺族の方にとってもそうですし、本当に痛ましい事態になりました。これは消防庁としても、消防団の皆さんのこの問題については十分な対応をしていただきたいというふうに思います。  さて、私、幾つかの事例を挙げて申し上げてまいりましたが、実際に被災した自治体が急な財政措置を必要とする中で、普通交付税の繰り上げ交付、特例債の許可など自治省の方でも支援措置をとっていただいているわけでありますし、さらに今後は特別交付税の財政支援も当然でありますが、ところで、この大規模な災害、これは島原市と深江町だけでなく、島原半島の全自治体に被害が及ぶことにもなり得るような事態になってきているかと思うのです。こうなってくると、自治体の財政という点で見たときには、私は、自治省だけの財政支援ではやはり不十分であって、国全体としての財政支援が今非常に大事になってきていると思うわけです。  幸い、大臣は長年地方自治体の中で長として頑張ってこられましたし、地方自治の専門家でもいらっしゃいますし、また同時に災害対策本部長として今最高責任者として取り組んでいただいているわけでありますが、私は、自治省だけの財政支援ということに任せるのじゃなくて、やはり国全体としての財政支援というものを本当に進めていくためにぜひ大臣に先頭に立って頑張っていただきたいと期待をしているものでありますが、大臣のお考えを改めて伺っておきたいと思います。
  205. 西田司

    西田国務大臣 政府は今回の災害を大変重大に受けとめておるわけでございます。先ほどもお答えをいたしましたように、六月四日に非常災害対策本部を設置いたしまして、そして同日でございますけれども、第一回目の本部会議を開催いたしました。そこで取り決めましたことは、まず、人命というのを第一に考えていこう、そのために住民の安全を最優先に考えて、正しい情報伝達というものをやれるような仕組みにしていかなければいけない。それからもう一つ避難誘導、このことを誤らないように、時期を失しないようにやっていかなきゃいかぬ、こういう重点事項を決定いたしたわけであります。既に、五月二十九日におきましては、御承知のように災害救助法適用を決めまして、住民の応急救助が迅速かつ的確に行われるように処置してきたところでございます。今後、引き続き関係省庁緊密な連携をとりながら災害対策には万全を期していく考えでございます。そのために、各種施策それから事業を最大限に適用いたしまして所要の国庫補助の確保を図ってまいりたい、このように考えております。  私は、今回の災害は国全体としてこのことに対処をしていかなければいけない問題だ、このように考えておりますが、さらに具体的な問題といたしましては、関係地方公共団体の今回の災害対策に伴う財政負担について、例えば財源対策であるとか財政支援方法であるとか、地方債の配分もございましょうし、それから交付税措置の弾力的な運用もございましょうし、総合的に地方財政に与える影響というものはできるだけこれを少なくしていかなければいけない、このように考えております。
  206. 吉井英勝

    吉井(英)委員 次に、少し火山そのものについても御質問したいと思いますが、国の責任で特にやらなければならないこととしては、火山活動の観測と情報提供ですね。この点では、火山噴化予知の学問的成果とともに予知技術の開発ということに力を尽くしていかなければいけないと思うのですが、そういう点で、実は、せんだって十二日の日に現地にお伺いしたときにも、加茂教授の方からのお話でも、まず、今回問題になる前に前兆があった。八九年十一月から橘湾での群発地震、昨年七月から雲仙西麓での群発地震、ことし一月から山頂火口での群発地震や噴火があり、そして五月十七日からは山頂部の隆起が始まった、そして今回のような事態になったわけでありますが、そこで気象庁の方に、地震の震源地と震源の深さというものがこの間の測定の中でどのような変化があったのか、これを少し伺っておきたいと思います。
  207. 森俊雄

    ○森説明員 先生の方から地震火山部長という要求でございましたけれども、気象庁災対本部で陣頭指揮をとっておりますので、私がかわりまして答弁させていただきます。  今御指摘のとおり、橘湾の方で地震が起こりまして、それがだんだん山頂部の方に近づいてまいりまして、それが直接噴火関係あるかどうかということはちょっと別にいたしまして、そういう 地震が起きたということで気象庁としても注意をしておりました。昨年の七月ごろからそういう山頂部での地震とか微動とか、微動というのは主に火山地帯で起こる現象でございますけれども、そういうことから注意いたしまして、十一月の噴火以前から気象庁といたしましては火山機動班及び機器の増設などいたしまして火山活動について監視を行っていたところでございます。  その後噴火いたしまして、一たん小康状態になりましたけれども、二月の中旬ぐらいから地獄跡火口を中心として活発化してまいりまして、五月十二、三日ごろからでございますけれども、そのころからごく山頂部の本当の浅いところでの地震というのがかなり数多くなってまいりました。それと同時に、地殻変動を示すデータやそれから地磁気変化から火山活動に変化がありまして、溶岩ドームといいますか、そういうものが出現する可能性があるというようなことで注意を喚起してまいったところでございます。
  208. 吉井英勝

    吉井(英)委員 気象庁の方で調査してこられたもの、データをとられたものを、この橘湾から島原半島にかけて地震のときの震源の深さとそしてその場所というのを調べておられるのを私も見せていただきまして、だんだん橘湾からやはり普賢岳の方へ震源の深さも場所もずれてきておるのですね。実はこれは二百年前の島原大変の古文書なども含めて九州大学の太田教授が研究しておられるレポートの中でも、二百年前の島原大変のシナリオが、図面にプロットしたものでありますが、地震の移動というものとそれからマグマの通り道に沿っての各地の温泉の温度とか成分が一致しているんだということも指摘をしておられるわけでありますが、そうすると、この二百年前の眉山崩壊に至ったとき、あのときのマグマの移動あるいはそれに伴う地震の震源地の移動と、今回気象庁が調査されてデータとして持っておられるものと極めて類似性が高いということを私は感じているのですが、これについてはどのような見解を持っておられるのでしょうか。
  209. 森俊雄

    ○森説明員 二百年前の場合にはきちんとした観測がございませんで、史料によっているわけでございますけれども、ですから今の技術で申しますと有感、人がかなり地震を感じた有感地震でございます。ですからそういう面で私どもは、今現在は眉山の方で地震は起きてないわけでございますけれども、眉山の方で有感地震などが起こり始めた場合には要警戒というふうに考えてございます。
  210. 吉井英勝

    吉井(英)委員 時間もだんだん追ってきましたので、すぱっと一言伺っておきたいのですが、ですから二百年前はマグマが移動して普賢岳のところからさらに眉山まで移動していったということも考えられるわけなんですね。実はこれについては、昨年十一月二十三日の長崎新聞でやはり太田教授が「眉山近くで大規模な群発地震が発生すれば、島原大変再来の可能性は否定できない」というお話もしていらっしゃるわけです。今回、火砕流などで状況の変化もあるということも同時に言っておられますが、問題は、そこで気象庁に私はすぱっと一言伺っておきたいのは、今回は眉山崩壊に至らないという見解、あるいは普賢岳の崩壊に至らないという見解に立っておられるのか、現時点ではそういうことも含めてわからないという見解なのか、これを伺っておきたいと思います。
  211. 森俊雄

    ○森説明員 現在はそういう眉山崩壊につながるかどうかということははっきりいたしておりません。
  212. 吉井英勝

    吉井(英)委員 それは非常に正直なお答えだと思うのです。逆に申しますならば、要するにわからないです。眉山崩壊とかあるいは普賢岳の山体崩壊に至るかもしれないし、至らないかもしれないという状況なんですね。ですから現時点では最悪のシナリオに備えた万全の防災対策ということについても国としては検討しておかなければいけない、そういうところに今あるんじゃないかと私は思うわけです。  なお、気象庁の「日本活火山総覧」によると、一六六三年のときはマグマの流出量は五百万立方メートル、一七九二年のときには二千万立方メートルということを書いておられました。何か今日はマグマの流出量は一日二十万立方メートルとか見ておられるようなんですが、現在の流出量は幾らと見ておられるのでしょうか。
  213. 森俊雄

    ○森説明員 現在のマグマの流出量については種々推定値がございまして、十万とも二十万立方メートルとも、あくまでも推定値でございます。ですから今の時点で二百年前の量に相当するかということをはっきり申し上げることはできませんけれども、おおよその推定値といたしましては五分の一とか十分の一とか、そういうふうなかなりあいまいな量でございますけれども、その程度しか答えることはできません。
  214. 吉井英勝

    吉井(英)委員 私がこの点については非常に大事だなと思っておりますのは、仮に二百年前並み、二千万立方メートル出るとすると、現在十万とかあるいは二十万と見られるというお話ですが、二十万として百日間、十万とすれば二百日間続くということなんですね。二百日間ということは半年ですね。かなり長期になる。ではそれはいつかといったらわからない。問題は、やはりこういうときに、どれくらいの期間を予測するかということも大事なんですが、やはりそこで大事になってくるのは、予知するのは大変なんですが、決め手の一つは、観測の強化と研究活動の保証ということになるのではないかと思うのです。  活火山法十九条の二項、これは体制の整備充実を国の責務だとしておりますし、気象業務法三条一号、四号は、気象庁長官は任務として観測網の確立に努めなければならないと明確化したということを、実は十三年前に、「時の法令」七八年八月号ですが、解説の中で国土庁長官官房震災対策課の伊藤康成氏がそのことを指摘しておられますね。これは気象庁長官としては観測網を確立しなきゃいけない、ところが現実はどうかと見てみますと、気象庁の火山対策費は八〇年度の一億六千万円が今年度は二千四百九十八万円、人員も昨年に比べてさらに減っているのですね。そして実はその気象庁の「日本活火山総覧」を整理してみたんですが、例えば雌阿寒岳は地震計が一個。ですから近くで地震が起こったときに一個ではどこが震源地かわからないから、火山の方かもしれないし山でないところかもしれない。これが現在の実態なんですね。こういうことでは、確かに予知は難しいのだけれども、しかしその予知をやろうと思ったら肝心のそれだけの観測体制とか、やはりそれを強化しなければやっていけないんじゃないでしょうか。  そこで私は、時間が参りましたので最後に大臣に一言だけ伺って終わりたいと思いますが、当面の緊急対策全力を尽くすこととともに、長期的にやはり観測体制の強化、研究予算をふやすということが大事だと思うのです。ちなみにこれを見ておりますと、雲仙岳でとにかく問題になる前は地震計が七つと温泉の調査一個だけ。職員が六名で夜間は一名体制。今回のような事態になりまして七〇ポイントぐらいふえているのですが、問題が起こる前から常時、長期にわたった観測、測定が大事だ、この点を特に今回のことからしても強化していただきたい。最後に大臣のこの点についての決意だけ伺って、時間が参りましたので質問を終わりたいと思います。
  215. 西田司

    西田国務大臣 大変予知の難しい科学的な問題に取り組んでおるわけでございますから、その重要性は十分に心得ております。さらに防災対策面におきましても、例えば河川の問題、砂防の問題、そういうことを総合的に今後、今回の体験というものを生かして検討をしてみなければいけない、このように思っております。
  216. 吉井英勝

    吉井(英)委員 終わります。
  217. 高村正彦

  218. 伊藤英成

    伊藤(英)委員 まず初めに、長崎県雲仙・普賢岳噴火によりまして多数の方々が亡くなられたことを本当に心から残念に思い、また御冥福をお祈りをいたします。そしてまた、遺族の方々に対しても心からお悔みを申し上げたいと思います。また、この噴火活動の長期化が予想される中で被災地において日々心血を注いだ救援活動を展開されている皆さん方の御苦労に対しても心から敬意を表したい、このように思います。  民社党は、本日、大内委員長みずから団長として現地調査団を派遣をしているところであります。  そこでまず、被害の拡大防止の件について質問をするわけでありますけれども、普賢岳は昨年の十一月十七日に百九十八年ぶりに噴火をして今なお活発な火山活動が続きまして、地元島原市、深江町などに対して深刻な被害を与えているわけであります。今はさらに事態は流動的でありまして、ますます予断は許されない、そういう状況にあるわけでありますけれども、今後さらなる災害を防止することがまず重要であります。そのためには観測体制の拡充強化が必要でありますけれども、雲仙岳測候所初め観測体制は十分なのかどうか、こういうことを心配をされております。それから、火砕流あるいは土石流を監視するために、ワイヤセンサーが設置できないために赤外線カメラで対応している、こういうふうに聞いたりしておりますけれども、現在の状況とこの件に関する今後の対応についてまずお伺いをいたします。
  219. 森俊雄

    ○森説明員 気象庁の体制についてお答えさせていただきます。  気象庁では、昨年十一月の噴火開始に先立ちまして、火山機動観測班を派遣して地震計の増設、火山遠望観測装置の設置などを行うなど、観測体制の強化を図ってきたところでございますが、火砕流発生など表面活動の観測、監視が一層重要になってきたことから、火山遠望観測装置、傾斜計の増設、熱映像装置、空振計の整備等を行ってまいりました。また、雲仙岳測候所の職員を当分の間三名増強して観測体制の充実を図ることとしております。さらに、火山活動状況に応じまして適宜火山機動観測班を派遣することとしております。また、土石流発生と密接な関係がある雨量の監視につきましては、雨量計等の増設により監視を強化するとともに、適宜的確な情報に努めてまいりたいと存じております。
  220. 池谷浩

    ○池谷説明員 後段の方の火砕流それから土石流の監視体制の現状と今後という点についてお答えいたします。  先生御承知のように、昨年十一月からの火山活動によりまして非常に多量の火山灰それから火山噴出物が流域に降りまして、また五月からは御承知のように土石流それから火砕流が頻発する状況にかんがみまして、地域住民の生命と財産を守るためにこの土石流の監視を強化しようということで、既に三月には一度ワイヤセンサー類をつけたわけでございますが、先生御指摘のように水無川の方では現在切れたままになっております。その後、その土石流それから火砕流の監視システムの増設ということで現在促進を図っているところでございます。  このシステムと申しますと、いわゆる監視カメラでございますね、それから赤外線を使いましたセンサー類、カメラ類でございます。それからワイヤセンサー、振動センサー、雨量計、こういうものを組み合わせたものをシステムとして考えております。このシステムの増強につきましては、去る六月七日から作業を始めておりますが、途中八日の火砕流それから十二日の噴火等ございまして一部仕事ができない部分がございましたが、既に雲仙岳の普賢岳の南方一・五キロにございます岩床山に赤外線カメラと監視カメラが設置を終わりました。今後とも作業の安全を見ながらシステムの充実に努めてまいりたい、このように考えております。
  221. 弘中義夫

    ○弘中説明員 林野庁といたしましても、山地災害あるいは土石流に対する観測体制ということで、二月以降現地調査あるいは専門家によります雲仙岳・眉山地域治山対策検討委員会を開催いたしまして、その体制の強化を図ってきたところでございます。  具体的な土石流監視装置につきましては、その後の火山活動の活発化に伴いまして現在二基の設置予定にしておりますが、工事がなかなかはかどらない状況でございます。さらに眉山地域におきましては、地形変動の観測のための光波測定機、地下水位計、雨量計等を設置するとともに、その他の地域を合わせましてさらに監視装置の強化を図るよう、現在検討を進めておるところでございます。
  222. 伊藤英成

    伊藤(英)委員 この観測、監視体制の強化について長崎県の方からも財政援助についての強い要望もあるわけでありますけれども、この点についてはどのように対応される予定ですか。
  223. 池谷浩

    ○池谷説明員 ただいまの私どもの関係しておりますセンサー類、観測機器につきましてはすべて国庫補助の方で担当していきたい、分担していきたい、このように考えております。
  224. 伊藤英成

    伊藤(英)委員 建設省以外の関係のところも、現地からそういう要望が強いわけでありますから、ぜひそのように対応していただきたいと思います。  次に、避難勧告警戒区域設定についてお伺いいたしますけれども、今その対象区域について、今後の火山活動の動向を予測しても十分なのかどうか、それについてお伺いをするとともに、また、土石流火砕流災害予想区域図の見直しについてはどのようになっているか、お伺いをいたします。
  225. 古内晋

    ○古内説明員 警戒区域避難勧告区域及び自主避難区域避難対象人員は、六月十三日現在におきまして、島原市及び深江町を合わせまして一万一千四百四十五人となっております。これらの区域設定に当たりましては、島原市及び深江町におきまして火砕流土石流によります危険予測の結果を参考にして設定したものであるというふうに聞いております。  なお、今後におきましても、火山活動状況を見きわめながら、必要な見直しを行えるよう適切に指導してまいりたいと考えております。
  226. 池谷浩

    ○池谷説明員 ただいまの先生の方から出ました土石流火砕流災害予想区域図というのは、五月十五日からのいわゆる土石流発生と、引き続きまして五月二十四日からの火砕流発生にかんがみまして、東京にございます財団法人砂防地すべり技術センターに島原市が委託しましてその予想図をつくった、これに基づきまして島原市は危険区域設定いたしまして、六月八日のあの大規模な火砕流時には幸いにも人的な被害はゼロにとどめた、このように私どもは理解しております。  しかし、先生も御承知のように、六月八日の火砕流によりまして国道五十七号線よりも上流側の地形というのは大変変化しております。今後の土石流火砕流の危険区域というものが全く同じかどうかというのを地形の変化に伴ってもう一度改めて見直す必要がある、このように考えておりまして、現在その見直し作業に入っております。
  227. 伊藤英成

    伊藤(英)委員 次に、二次災害危険性についても心配をされるところでありますけれども、土石流対策あるいは治山ダムは現在どういう状況になっているか、また、何か対策を講じようとしているのかどうか、伺います。
  228. 池谷浩

    ○池谷説明員 土石流火砕流の多発にかんがみまして、土石流火砕流災害を未然に防止し、もしくは軽減するために、いわゆるハードとソフトの両面で対抗しよう、こういうふうに考えております。御承知のように現在は現地立ち入りができませんので、先ほど申しましたソフトの面での対応を現在しているところでございますが、今後は作業の安全を見きわめながら、既に予算化をしております災害関連緊急砂防事業三十二億三千四百万をもって、現地での砂防設備の新設とそれから既設砂防ダムの除石等、こういうものに対して対抗していきたいと考えております。  また同時に、六月の三日と八日に起きました大規模な火砕流によりまして上流域では大変多くの木が倒れております。この木が土石流と同時に出てきますと大変大きな流木災害というのも憂慮されますので、同時に流木対策についても実施していきたい、このように考えております。  また、下流の河道断面にたまっております土砂につきましては、災害復旧事業におきまして、これは早急に緊急復旧工事として工事の安全が確定し次第土砂の取り除きに入りまして、断面の確保に努めていきたい、すべてについて、諸対策について万全を期していきたい、このように考えております。
  229. 弘中義夫

    ○弘中説明員 山地災害の防止に関連いたしましては、既に災害関連緊急治山事業により十四基の治山ダム等を決定しております。既に六基については工事の発注あるいは一部については工事を実施している途中でございましたが、五月下旬以降の火砕流等の激化に伴いまして工事施行が危険となっておりますので、現在中断している状況でございます。さらにその後大規模な火砕流等が発生したことによりまして、上流域での地形等が全く激変してしまいましたことにかんがみまして、安全性が確認され次第全面的な設計の見直しをし、早急に工事の再開ができるように現在体制を整備しているところでございます。  さらに、火砕流に伴いましてかなりの倒木が起こっておりますが、これが梅雨季あるいは台風時期の集中豪雨によりまして下流域に災害を及ぼす危険性があるということから、上流域におきましてもまず倒木の除去等を行う体制を現在検討しているところでございます。  さらに、こういう状況でございますので、すぐ対策がとれないということから、当面、警戒避難等が最重要であるということから、六月の六日付をもちまして、現地長崎営林署長及び県の林務課長名で島原市長深江町長あるいは現地対策本部に対し注意喚起の要請をしているところでございます。
  230. 伊藤英成

    伊藤(英)委員 次に、防災集団移転事業の必要性について、その必要があるのではないかということを申し上げようと思っていたのですが、本日、ある新聞の夕刊によりますと、島原市の二つの町が集団移転の申請を近くするということが大きく報道されております。それで、国に移転計画を申請するというふうに出ておりますが、この申請が出たらどういうふうに対応するのか。  それからもう一つは、市長さんがこのように言っております。地域ぐるみ移転のためには広大な土地取得などに多額の費用がかかり、市が負担するには限界がある、それで、現行の防災集団移転特別措置法では対応不十分であるので特別立法による対応を国に求めることとしている、こういうふうに出ております。  この件については、本日もこの委員会でも一部議論をされたところでありますが、こういうニュースが流れているわけでありますが、今申し上げた二点ですね、どのように考えられますか。
  231. 木寺久

    木寺説明員 防災集団移転促進事業につきまして、ただいま先生の御指摘の地元の方からの申請という新聞報道の件につきまして、私ども実はまだ承知をいたしておりません。申請の具体的な話が出てきますれば、それを十分検討させていただきました上で、事業の必要性等を見ながら積極的に対応してまいりたいというふうに考えております。  それから本事業によって十分対応できないのではないかという市長の御意見につきましても、私どもはまだ市長の方から具体的にどの点がどうという話も伺っておりませんし、想定されております事業規模、事業内容等についてもまだ承知いたしておりませんので、お話を伺って、十分事業が円滑に進むように対処してまいりたいと考えております。
  232. 伊藤英成

    伊藤(英)委員 先ほど、申請が出されれば積極的に対応していきますというふうに話をされましたけれども、もうちょっと、どういう姿勢で出てくれば対応するのか。それともう一つは、集団移転した場合の住宅の建設費の負担はどういうふうになるのでしょうか。
  233. 木寺久

    木寺説明員 申請が出てきますれば、その事業内容、事業計画が現行法令の趣旨に合っているかどうかということも含めまして、事業内容が適切であるかどうかを検討させていただくということ、まずそこが作業の始まりになるかと思います。  それから、移転をされる方々の住居に係る経費につきましては、市町村が設置いたします住宅団地に入居される住民の方の住宅建設または購入あるいは住宅用地の購入について市町村が助成を行います場合に、国は市町村に対して助成をするという制度がございます。(伊藤(英)委員「建設費に対してどういうふうに」と呼ぶ)住宅団地内に入居される住民方々の住宅建設、住宅の購入、それから住宅用地の購入に係る経費について市町村が助成を行います場合に、その市町村の助成に対して国が補助をするということでございまして、具体的な助成の内容につきましては、現行制度上、こうした経費に係る借入額の利子相当の助成ということになっております。
  234. 伊藤英成

    伊藤(英)委員 再確認いたしますが、今のは利子補給だけをするということですね。あとは全額自己負担になるという意味ですか。
  235. 木寺久

    木寺説明員 利子相当額について助成をするということでございます。あとは住民方々の御負担ということになっております。
  236. 伊藤英成

    伊藤(英)委員 長官には後ほどまたこの点についてのコメントもいただきたいと思っております。  次に、今災害救助法に基づきまして応急の仮設住宅の建設等も進んでいるわけでありますけれども、被災者及び避難者の要望には全然足りないのじゃないかということを聞いております。そういう意味で、今後の対応についてどのような計画を持っているのか。これは厚生省にお伺いします。
  237. 松本省藏

    ○松本説明員 御説明申し上げます。  現在、島原市に百十戸、深江町に四十戸、合計百五十戸の応急仮設住宅を建設中でございます。そして、これ以外に百六十戸の追加建設を既に決定しているわけでございますが、さらに現在、県におきまして、避難されておられる方々応急仮設住宅への入居の希望を調査、把握しているところでございます。その内容、結果を踏まえまして、県と協議をしながら、必要に応じ、さらに応急仮設住宅の建設戸数を追加していきたい、このように考えているところでございます。
  238. 伊藤英成

    伊藤(英)委員 住宅総務課長いらっしゃいますね。本日、建設大臣が、この雲仙岳噴火に係る住宅対策として記者発表をされました。そこで、一応私も聞いておりますので細かくは聞きませんが、今回いわば特別措置として通常と違ってこういうことをしました、あるいは特に弾力的にこういうことをしましたということがあればお伺いしますが、いかがですか。
  239. 小川忠男

    ○小川説明員 今回特に住宅対策上特別な措置については何だというふうなお尋ねでございます。  第一点は、災害公営住宅の要件が厳密には一市町村当たり二百戸以上の消滅ということになっておりますが、現段階におきましては正確に掌握されているものは百数十戸でございますが、機能的に滅失しているものもあるというふうな認識のもとに、現段階において災害公営住宅の建設に踏み切るという決定を行ったということでございます。  それから第二点は持ち家対策、これは将来の話ではございますが、金融公庫の融資に災害復興住宅融資というふうな、通常の融資に比べまして金利とか貸付期間、償還期間等々が有利になっている制度がございます。この適用を、申し込みがあれば直ちに対応できるような措置を講じた。  現段階においては、以上二点でございます。
  240. 伊藤英成

    伊藤(英)委員 今のは、今回特に、こう言ってくれましたけれども、それでも、特に住宅をつくる問題について言えば、金利でこういうふうに優遇しておりますということだけという感じが私は強いですね。この件についても先ほどの集団移転の問題と同様のことだと私は思っておりますが、大臣、全部まとめてまたお伺いいたしますので、御記憶しておいていただきたいと思います。  なお、今住宅対策について説明してくださいましたけれども、ともかくやることは全力投球で計画どおりやっていただきたい、あるいはこれをさらに拡充する方向でやっていただきたいと思いますので、これを要請しておきます。  次に、被災者の遺族補償について万全を期していただきたいわけでありますけれども、私としては現行法で十分なのかなということを思いながら聞くわけであります。例えば消防団員については、私も消防表彰規程等を読んだりもしておりますけれども、その中を見ますと、最高二千万円というのが出たりしております。この問題、さらには遺族補償年金の問題、遺族特別給付金あるいは遺族特別援護金等々が考えられると思いますけれども、これがどういうふうになるのか、お伺いいたします。
  241. 木下英敏

    ○木下説明員 まず、消防団員の公務中の事故による補償でございますけれども、これにつきましては、消防組織法の規定に基づきまして条例に基づいて支給するということになっております。これは、年金と一時金がございまして、いわゆる遺族補償年金あるいは葬祭補償、そのほか遺族特別給付金等の一時金があるわけでございます。この額につきましては、団員の勤務年数あるいは家族構成によって額が異なってまいります。先ほども一つの例についてお答え申し上げましたけれども、繰り返しになりますが、例えば年金につきましては、十年以上二十年未満の部長をやっておられる方であって、かつ妻及び小学生等のお子さん三人いらっしゃる場合を想定しますと、年金が二百八十七万余りになります。それから一時金が一千万強という額になります。  なお、特殊公務災害に認定されます場合には、さらに年金につきましては五割増しという額になるわけでございます。  さらには、消防表彰規程によりましていわゆる賞じゅつ金の制度がございます。これは功労の程度によりまして額がもちろん異なってまいりますけれども、最高額は二千万という額になります。ただ、消防団員の場合には、国のみならず都道府県、市町村も支給するということになります。もし最高額ということになりますと、県が二千万、市町村が二千万それぞれ支給される。さらにそれに加えて、まだこれは申請が上がっておりませんのでこれから決定ということになりますが、国の方で功労の程度に応じて最高二千万までの範囲で支給することになる、こういうことになるわけでございます。
  242. 伊藤英成

    伊藤(英)委員 警察官の方も殉職をされておりますけれども、警察官の方はどういうふうになりますか。
  243. 黒澤正和

    ○黒澤説明員 お答え申し上げます。  警察官につきましても、地方公務員災害補償法に基づく災害補償制度適用がございまして、公務上死亡しました場合には、その遺族に対しまして地方公務員災害補償基金から遺族補償年金または遺族補償一時金などが支給されることとされております。  また、その生命または身体に対する高度の危険が予測される状況のもとにおきまして、警察職員が犯罪の捜査でありますとか天災等の発生時における人命救助被害の防御などに当たったために公務上の災害を受けました場合には、特殊公務災害としまして遺族補償年金または遺族補償一時金につきましては一般の災害の場合の五割増しの金額が支給されることとされております。  今回の殉職者の場合における補償金につきましては、地方公務員災害補償基金において判断されるものでございますが、いずれも独身者でございまして、御父母の方に一時金が支給されることになるのではないかと承知をいたしております。  なお一時金につきましては、通常の公務災害の場合には職員の平均給与日額の一千倍とされておりまして、特殊公務災害の場合にはその五割増しということでございます。  それから賞じゅつ金でございますが、公務によって死亡した警察職員のうち、危害を加えられ、または災害をこうむることを予断できるにもかかわらず、これを顧みることなくその職務を遂行したことに基づきまして危害または災害を受けたために死亡した者につきましては、国及び都道府県から賞じゅつ金が支給される場合がございます。消防庁の方からもお話がございましたが、国、長崎県いずれにつきましても二千万円が最高限度となっておる状況でございます。  以上でございます。
  244. 伊藤英成

    伊藤(英)委員 次に、地元の農家の方が亡くなったりされておりますが、農家の皆さん方の場合の補償措置というのはどういうふうになりますか。
  245. 山田栄司

    ○山田説明員 地元の方で消防団員の方、ほとんどの方が農家であったというふうな実態でございます。農家の方は農協に入っておりまして、農協で農業共済をやっておるわけでございます。建物につきましてもほとんどの農家が入っておられるというふうな報告を受けていますし、生命保険につきましても、私ども掌握しておりますところでは九名の方が入っておられる、うち消防団員の方が七名だというふうな報告を受けております。したがいまして、できるだけそういう方々に早く共済金が参るように指導してまいりたいというふうに考えております。
  246. 松本省藏

    ○松本説明員 御説明申し上げます。  補償金ではないわけでございますが、一定規模以上の自然災害によりましてお亡くなりになられた方に対しましては弔慰金を支給するという制度が昭和四十八年に議員立法でできております。  ただ、この個人救済制度でございますけれども、労働者の災害補償制度による補償金、あるいは今しがた各省から御説明のありましたような消防関係あるいは警察関係の殉職者の方々に対する賞じゅつ金、こういうような制度から支給されない場合、災害弔慰金という形で遺族の方々に、生計維持者が亡くなられた場合には三百万円、それ以外の方々が亡くなられた場合には百五十万円、市町村から支給されるという形になっております。  財源は国が二分の一、都道府県が四分の一、市町村が四分の一の財源負担で弔慰金を出すことになっております。
  247. 伊藤英成

    伊藤(英)委員 次に、災害対策基本法の第八十五条によりますと、被災者の国税、地方税と公的徴収金の減免措置をとることができるとありますけれども、具体的にはこれはどのようになりますか。
  248. 諏訪茂

    ○諏訪説明員 お答え申し上げます。  被災されました納税者の救済措置に各種のものがございますけれども、まず申告納付等の期限の延長につきましては、災害のやんだ二カ月以内に限りまして、地域や期日を指定し申告納付等の期限を延長することができるとされております。今回の雲仙岳噴火に伴います災害につきましては、現在火砕流等による災害が引き続き発生している状況にありますので、災害の終わりました段階で被災地域の現状であるとか被災納税者の状況を十分把握して判断をしていくことになろうかと思います。  それから、納税の猶予についてでございますが、災害により財産に相当の損失を受けました納税者及び災害を受けたため国税を一時に納付することができないと認められる納税者につきましては、その申請に基づきまして、被害の程度を考慮して原則として一年以内の期間を限りまして国税の全部または一部の納税を猶予することとしております。  それから、租税の軽減、免除等についてでございますが、災害によりまして住宅家財、事業用資産等に損害を受けた納税者につきましては、その申請等に基づきまして、被害の程度に応じて租税の軽減、免除、徴収猶予及び還付または雑損控除等を行うこととしております。  国税庁といたしましては、被災地を管轄しております福岡国税局と迅速に連絡をとりまして、これらの措置を適切に講ずるように努めているところでございます。また、こういった救済措置及びその手続につきましては、被災地を管轄する福岡国税局におきまして災害に遭ったときの税金などのパンフレットを作成をしております。島原税務署及び島原市の窓口に備えつけておりますほか、地元新聞を通じまして周知に努めているところでございます。  以上でございます。
  249. 伊藤英成

    伊藤(英)委員 島原市や深江町はこういう状況の中で極めて深刻な財政状況になることが予想されるわけでありますけれども、この点についてどのようにこれから対処をするのか、それについてお伺いします。
  250. 長澤純一

    ○長澤説明員 雲仙岳火山活動対策に要します被災地方公共団体の経費に対しますところの財源措置につきましては、自治省といたしましても、こちらから積極的に現地にも出向くなどいたしまして、実情を十分調査の上、地方債の配分あるいは交付税措置を通じまして、積極的に対処してまいりたいというふうに考えております。
  251. 伊藤英成

    伊藤(英)委員 六月十一日に民社党は、総理大臣国土庁長官災害救済に係る申し入れを行いました。そのときに、活動火山対策特別措置法あるいは激甚災害法の適用について前向きに検討をするというお話でありました。そこで、これを適用するのかどうか、お伺いをいたします。  そしてもう一つ。きょうの朝、激甚法の問題について質問があったときに、被害状況を把握してその後で適切に対処したいというような話であったのですが、今回の場合、今法を適用しようかどうしようかというような意味でこの適用基準のどの点が問題だ、こういうふうに考えていらっしゃいますか。
  252. 鹿島尚武

    鹿島説明員 まず火山法の件から申し上げます。  既に道路に堆積いたしました降灰の除去につきましては、建設省九州地建の方におきまして、長崎県の方に協力をいたしまして主要な道路の除去作業は支援をいたしておるというふうに伺っております。建設省といたしまして承っておるところによりますと、市町村が行う降灰除去事業はこの法律に基づきまして補助をするということになってございます。この対象にして補助をするというように御報告をいただいております。  それから、火山法にはこの降灰の除去のほかにいろいろございます。一つは、降灰防除施設整備事業という名前で呼んでございますけれども、学校、保育所、こういったところにおきましては、灰が入ってきますといろいろさわりがございます。そこで二重窓にする、二重窓にすれば空調の施設が要るというようなことで、こういった施設に対する補助をいたすことになってございます。そのためには、地域を指定して計画をつくるというような作業を伴うものがございます。そのために、私ども国土庁におきましては、現在県の調査に協力をいたしまして、関係各省とも協議をいたしながら、この適用について進めてまいりたいというふうに考えております。  それから、次に激甚法の適用の件でございます。  現在御案内のとおり、現地はまだ火山活動が活発でございます。これから先の状況は予断を許さない状況にございまして、立ち入りをして調査をするということがなかなか難しい状況にございまして、私どもは激甚災害法で決められておりますルールによりましてこの被害状況を把握をして、その被害の程度が大変激甚であるという事実を確認した上でこの法律の適用を図ってまいるわけでございます。  そこで各省庁、担当ごとに今この調査の方を進めてございますので、私どもといたしましては、今後関係各省と連携を保ちまして、もちろん該当するものにつきましては適切にこれに対処してまいりたいというふうに考えてございます。  適用する対象の事業でございますけれども、何分にもこういう一つ地域に限られた災害であるというふうに申し上げてよろしいかと思いますけれども、公共土木施設災害、農地の災害あるいはまた小災害、そして商工関係災害といったものを例示として考えられると思っております。
  253. 伊藤英成

    伊藤(英)委員 時間も参りましたけれども、最後に本部長であります長官にお伺いをいたします。  この災害救済についてこれからさらにいろいろと心配もされるわけであります。きょう余り深く議論はできませんでしたけれども、被害に遭った方々の所得保障の問題とか、あるいは先ほども触れましたけれども、住宅の問題等々を考えたときに、本当に心配をされるわけですね。それで私は、例えば先国会でも人道的な配慮からということで自衛隊の輸送機を中東の地まで飛ばそうというぐらいのことで、いろいろやったわけですね。そういう意味で考えたときに、本当に現行法の改正なりあるいは特別立法をしてでも対処をしなくていいのだろうかということを考えるわけでありますけれども、その点をお伺いして、そしてこれから被害救済に万全の対策をとっていただくようにお願いをしたい、こう思うわけであります。そういう意味で、最後に長官のお考えをお伺いをしたいと思います。
  254. 西田司

    西田国務大臣 今次災害に対しまして、私といたしましては、まず被害状況などを的確に速やかに把握をするということが第一番であると考えております。災害関係の諸制度というものを、先ほど来お答えをいたしておりますように、できるだけ弾力的な運用を図りながらこれにおこたえをしていきたい、このように思っております。  御存じのように非常災害対策本部を設置をいたしまして、関係各省庁に対し、地元長崎県のお考え方、住民要望、こういうようなことに可能な限り迅速に対応していくようにお互いに申し合わせて、政府を挙げて取り組んでおるところでございまして、お話にもございましたように、なお火山活動は依然として予断を許さない状況にございますので、これらに伴って、地元でも現在まだ流動的でございますから、そういう状況判断を的確にいたしまして、そして御意思に沿っておこたえをしていきたい、このように強い決意を持っておるわけでございます。
  255. 伊藤英成

    伊藤(英)委員 終わります。
  256. 高村正彦

  257. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 私は、進歩民主連合を代表いたしまして、被災者皆さん方に対し心から弔意を表し、お見舞いを申し上げたいと存じます。そして、当特別委員会委員長初め関係委員の皆さんの現地視察はまことに御苦労さまでございました。  私は、きょうは阿部昭吾委員が差し支えあって、質問を申し上げる次第です。初めて災害対策特別委員会で質問をし、しかもこの十八委員室の私の永年議員の額の前で質問する、非常に恐縮をいたしております。  きょうずっと質問を聞いておりました。私は率直に感想を述べさせていただきたいのですが、これほどの重大事態、長官は何回も容易ならざる事態、非常災害対策本部をつくったんだとおっしゃっておりますが、お答えの方は非常にあいまいで、のんびりして、ずさんで、これ私の感想ですよ。違いますか。きょう委員の皆さんの質問を聞いておって、その感を深くするのですよ。緊張がないのじゃありませんか。長官のほかに大臣はだれが来ているのです。総理大臣どうしたのです、私は要求しておった。そういう委員会なんですか。お金の話が随分出ました。あじゃらこじゃら答弁なさっている。昨年あの湾岸戦争が起こって、私は三十年近く予算委員をいたしておりますが、予算委員会あるいはいわゆる国連協力特別委員会、そして年明けて九十億ドル問題、ずっと審議に参加をいたしました。あのはるかに遠いイラクの湾岸戦争に対する政府の対応の仕方と、今我が国で起こっておる九州・雲仙、その対応の仕方がなぜこんなに違うんです。私は、以下時間の許す限り、あの湾岸戦争に対する政府の対応の仕方と比較しながら質問をいたします。  橋本大蔵大臣に出席を要求しました。特別立法の必要はない、何か十日か十一日にそういうことを言っておられますね。各社そう新聞に載っておる。なぜ特別立法の必要がないのか、橋本大蔵大臣にかわって答弁できる人いますか。
  258. 大前茂

    ○大前説明員 お答え申し上げます。  大蔵大臣の発言の趣旨は、必ずしも特別立法そのものをつくることを頭から反対という趣旨ではないというふうに理解しております。まだ被害状況も定かでない流動的な今の時期にいきなり特別立法云々ということではなく、その前にまず、現行法制下でできることは何かということを十分調べて、現在の制度をフルに活用して可能な限りの対応を行うことであり、これでどうしても動かないところがあれば、その段階で初めて立法する必要があるか否かを検討すべき、こういう趣旨であると理解しております。
  259. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 あなた、本人でないのによくそういうことが代弁できますね。じゃ大蔵省のあなた、だれか知らぬが、大蔵省どう考えているんです。
  260. 大前茂

    ○大前説明員 お答え申します。  大蔵省といたしましても、今私が申し上げました趣旨のとおりと理解しております。その考え方でございます。
  261. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 特別立法が必要かどうかというのは我が立法府が判断することで、役人が判断することじゃないんですよ。その辺を間違っては困りますね。しっかりその辺は考えておってくださいよ。何が大蔵が立法の必要がないとかかんとか判断するんです。行政ですよ。  去年、さっきも聞きよりましたが、何かいろいろな対策費で千何百万、その程度の話でおたおたしている。今予備費は幾ら残っていますか。予算の予備費ですよ。
  262. 大前茂

    ○大前説明員 大変申しわけございません。今ちょっと計数を持ち合わせておりませんのでお答えできません。御容赦願います。
  263. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 そういうことをあなたは知っておかなければいけないのですよ。特別立法が必要かないか、そんなことをあなた知る必要はないんだ。そういうプロパーの大蔵省の知っておくべきことをどうして答弁できないのです。予備費幾ら残っておるかわからないのですか。  じゃ、私の方から言いましょうか。たしか平成三年度の予備費は、当初は三千五百億円だった。湾岸問題が起こって二千億使った。千五百億残った。それが今幾らになっておるか、千三百八十億じゃございませんか。そのうちで、あの湾岸戦争後のいわゆるクルド難民の救済のために幾ら出しましたか、この残っておる千五百億円から。――さっきから言われておるように、きょうだけじゃないと思いますから、この程度のことは知っておってくださいよ。私は、クルド難民にお金を出すのがいけないと言っておるんじゃないんです。はるかかなたのあの湾岸戦争後の問題として、クルド難民に百億くらい出しているんじゃないですか。じゃ今度の島原の問題でどうしてそのくらいすっと出さないんですか。(「これから出すんだよ」と呼ぶ者あり)あなた答えなさいよ、そんなら。  そして、去年湾岸戦争が起こって四十億ドル出しましたね。これも幾ら積算基礎を聞いても答えないんだ。つかみ金。その四十億ドル、日本円に直したら幾らになります。五千億円超すでしょう。その四十億ドルのうち、二十億ドルはODAの費用から出したでしょう。そうじゃないですか。それで、あとの二十億ドルどうしました。予備費から十億ドル出したんでしょう。そして、あとの十億ドルは去年の暮れ第一次補正をやって出したんじゃありませんか。そして、年明けて特別立法で九十億ドル出したんでしょう。このときも何回も積算基礎を聞いたが言わない。私は、今あの湾岸の貢献問題を非難しているんじゃないんですよ。それとの対比で、今度の島原のこの大災害に対して対応がぬるいではないか、今からやるんだというようなことが声に出ておるけれども、だから遅いというんです。私は、友人が島原にいますから、個人的に見舞いに行って、いわゆる生といいますか、庶民の願い、批判を聞いてきました。もっともなところがございます。それで、予算の点も後から精算すればいいんだから、とりあえず要る金は出してくださいよ。どの法律で幾らとかいうこともありましょうが、後で精算すればいいじゃございませんか。  そしてもう一つ、これも生の声ですけれども、今あの大災害に対して全国から義援金が集まっておると思うが、その義援金を扱っておるところはどこですか。幾ら集まっておりますか。おわかりでしょうか。――おわかりにならないようですから、これも現地の人はこういう要望があります。長官、聞いておってください。全国から集まっている。多分島原市か県が扱っていると思いますよ。国から出る分は別にあるんですから、そういう義援金は、家とか橋じゃなしに、とりあえず毎日の生活のために被災者にすぐ処分されたらどうなんでしょうか。それが現地被災者の声です。お伝えをいたしておきます。  それから、今度のこの災害、先ほども長官は何度もおっしゃいましたが、容易ならざる事態、非常災害対策本部をつくった。警察法の第六章に「緊急事態の特別措置」というのがある。大規模な災害という御認識のようでありますから、そうするとこの警察法の七十一条の緊急事態の布告をなさったのですか、どうですか。
  264. 兼元俊徳

    ○兼元説明員 警察法七十一条に基づく緊急事態の布告は行っておりません。
  265. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 これはお言葉としては、さっきから何回も私申し上げているでしょう、長官は、並み並みならぬ事態だと。海上保安庁の私に対する資料を見てみますと「事態の緊急性に鑑み、」字が逆になっているけれども、もとに戻せば緊急事態ということでしょう。文章としてそうなっている。そうすると、当然この七十一条の布告ということが考えられないか。  なぜ私がこれを強調するかというと、布告をすれば総理大臣がすべてのあれに立ち得るんですね。警察のコントロールもできる。そうなっているでしょう。そして、警察庁長官は長崎県警だけでなくてほかの県に対しても出動を命令し得る。  今、警察官は何名現地に来ていますか。
  266. 兼元俊徳

    ○兼元説明員 現地に七百名おります。
  267. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 それは長崎県警だけですか。管轄管内だけですか。
  268. 兼元俊徳

    ○兼元説明員 お答えします。  七百名は合計でございまして、長崎警察警察官五百五十名、加えまして九州管内の管区機動隊から百五十名でございます。
  269. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 これも私が言った七十一条の布告をやれば、正式に各県に要請できるのですよ。そうなっていますね。第七十三条です。  もう一つ。これを布告すれば、国会の承認が要るのでしょう。これは七十四条です。だから、緊急に国会を開かなくちゃいけない。さっきから特別立法の必要性を言われておる。いろいろ理由がありますけれども、もう一つ言っておきますと、さっきから被災者に対するいろいろな手当ての問題が出ています。この被災によって亡くなられた方、つまり災害弔慰金、これは世帯主だったら三百万円、一般の御家族だったら百五十万円。こんな安い金でどうするんです。当然これは引き上げてくれという要求がある。この災害弔慰金の方は法律事項です。いわゆる見舞い金の方は政令でできるけれども、弔慰金の方は法律事項だからこれを引き上げようと思ったら国会を開いてもらわなくてはいけません。さまざまな理由で緊急に、この問題のためだけでもいいから臨時国会を開く必要があるのではないか。これは、もしできたらこの特別委員会理事会ででも御論議をしていただいて、緊急に対処するための臨時国会を開く方向にぜひ持っていっていただけたらというのが私の希望であります。  もう一つ申し上げておきますが、警察官も犠牲が出た。消防団員も犠牲が出た。自衛隊もよくやっていらっしゃいます。そういう認識の上に立って私はちょっと割り切れないものがあるのは、あの三十五名の犠牲者を見たマスコミの方、消防団員の方、警察の方、一般の方が二人。どうして自衛隊の犠牲者は出なかったのでしょうかね。出た方がいいと言っているのじゃないですよ。誤解しないようにしてください。私は奇異に感じた。  なぜか。自衛隊員は宣誓をやっているのです。命がけでやりますとなっているのですよ。警察官あるいは消防団員の服務には命がけでやりますなんていうことはないのです。ないでしょう。自衛隊は、身を賭してとなっているのです。私が申し上げたいのは、自衛隊の出動が遅かったのではないか、それを申し上げたいのです。災害出動というのは法律があるんだから。率直に言って、今国民の皆さん方が自衛隊に対して一番評価しているのは、あの災害時の出動ですよ。  そして、海上保安庁の関係者見えておると思うが、海上保安庁は六月三日に事態の緊急性にかんがみ巡視船を配備した。つまりあの島原の沖合に巡視艇を配置した。これはだれの判断で、だれの命令でどういう法律に基づいてそういうことになったのでしょうか。
  270. 茅根滋男

    ○茅根説明員 お答え申し上げます。  海上保安庁では過去にも、三原山が十二年ぶりに噴火しました際にすぐPL型の巡視船を沖合に警戒配備いたしました。これは昭和六十一年の十一月十五日でございますけれども、その後、十一月二十一日に至りまして大噴火発生、そのときに都知事からの島民移送の出動要請がございまして、島民を島から運んだという実績がございます。  最初に十一月十五日に三原山が十二年ぶりに噴火したときに巡視船を出したわけでございますが、これは海上保安庁庁法に基づきまして、海上における安全確保という見地、海上における緊急事態対応しようということで巡視船を出しておるわけでございまして、今回も海上保安庁庁法に基づきまして、現地の七管本部の方で判断をして巡視船を出したわけでございます。
  271. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 つまり海上保安庁としての独自の判断で対処されたのですね。
  272. 茅根滋男

    ○茅根説明員 そのとおりでございます。
  273. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 私はそういう措置がこういう際は必要であると申し上げたいのです。ということは、自衛隊法の八十三条の「災害派遣」のところに、都道府県知事がこういう場合に部隊等の派遣を防衛庁に要請すれば防衛庁長官が判断をしてやる、それが八十三条の第一項です。今度はそれに基づいてやった、自衛隊出たのでしょう。しかもそれは六月三日の夜ですよ。そうじゃないですか。遅いのじゃありませんか。この八十三条の二項にまさに海上保安庁がやったそのことができるように書いてあるのですよ。普通は知事の要請が必要だけれども、「ただし、天災地変その他の災害に際し、その事態に照らし特に緊急を要し、前項の要請を待ついとまがないと認められるときは、同項の要請を待たないで、」知事からの要請も待たないでいい、「部隊等を派遣することができる。」こう二項でなっているんです。法律にある。そこで、湾岸戦争のときはえらい張り切って、出すの出すのとおっしゃっておったが、こういう国内の問題のときにどうして防衛庁長官はもう少しまじめに考えなかったんでしょうね、どうして海部総理は防衛庁長官と相談しなかったんでしょうかね、湾岸戦争のときのように。その辺が私は納得いかないんです。  だから、その対応がおくれたのではないか。というのは、御案内のとおり、もうテレビでも何回も映っているが、自衛隊はそういう災害対策の装備を持っているんです。だから、自衛隊が前面に立っておけば、ちょっとわかりませんけれども、あるいは被害者を、犠牲者を少なくすることができたのではないか、そういうふうに思えてならないんです。  それで私は、そういう点でも今後これを反省の材料として、きょう資料をいただきましたが、「関係省庁連絡会議等の開催 平成三年五月十八日、五月二十四日、六月一日及び六月三日に災害対策関係省庁連絡会議を開催し、二十四日の会議において、当面の対策として次の四点を申し合わせた。」五月二十四日の話でしょう。「① 住民等の安全を最優先に情報伝達、避難誘導体制について万全を期する。」こう書いてある、こう五月二十四日に決められた。ところが、結果は残念ながら万全ではなかった。きょう長官の御答弁をお伺いしておりますと、何回か万全を期す、万全を期すというお言葉が答弁としてありました。本当に、まだ続いておりますから、文字どおり抜かりのないようにひとつ御指導いただきたい、こういう要望を申し上げまして質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  274. 高村正彦

    高村委員長 有川清次君。
  275. 有川清次

    有川委員 今の災害対策の私たちの意見、たくさんそれぞれ出されてきたわけですが、対応の不十分さという点を言われたと思います。同じような観点を持っておるわけですが、六月五日現地調査もいたしまして、私から若干の質問を申し上げたいと思います。  まず、六月三日、火砕流のために亡くなられた三十数柱の御冥福をお祈りしながら、負傷または被災者皆さん方に心からお見舞いを申し上げたいと思います。  普賢岳の噴火は、火砕流による大規模なものが六月三日、六月八日に起こりました。そして今、これまでの質問でもずっと論議をされ、長官も話をされましたように、極めて長期にわたる予測のつかない事態になっておるというふうに思います。  そういう中で、私の居住する鹿児島、この桜島も六月九日に臨時火山情報が発出をされて、今活動に入っております。さらに、ルソン島のピナツボ火山も十二日に大噴火をいたしました。雲仙の普賢岳の火砕流を聞くまでは火砕流という言葉は聞かなかったわけですが、このピナツボ火山でも大きな火砕流があったやに報道されてきておるところでございます。そして長崎も、避難地区がどんどん拡大をしながら噴火の形態も変化しておる、このように承っておるところでございます。さらには、今日の時点では山頂の膨張が非常に大きく、一部ガス抜きみたいな状況はあったけれども、今後火砕流ないしは爆発が同時に起こるのではないか、このような予測もされておるところであります。  より大きな火砕流の心配とあわせまして、爆発によるパン皮熔岩ですか、軽石状の岩石が方向が変わって落ちてまいりました。このことに対して九大の理学部中田節也助手の方で、パターンが変わり、爆発的な噴火に近くなる可能性が高まった、こういう言い方をされておるわけでありますが、こう考えてみますと、この噴火一過性ではなく長期にわたってまいるわけであります。  ただ、行動のあり方、あるいは承るところによりますと、現地では、こう危ない、ああ危ないということで人心が非常に落ちつかないというか、そういう慌てた状況などもあるやに聞きます。下手をすればパニック状態に陥る危険もあるわけでありまして、さらに避難についても皆さん全部生活がかかっておりまして、どう限度設定をすればよいのかということが現地の判断としては非常に難しいところだろうと思います。けさほどの質問の中で市長の判断というものも論議をされたわけでありますが、人命第一を考えますときに、予想可能な範囲での最悪の場合を想定しての万全の対策が必要なのではないか。長官の方も人命第一という言い方をされて、まさにそのとおりだと思います。  ただこの場合に、統一的な判断と対策というものがどうしても必要だと思います。責任はすべて自治体、県知事にあって、国としては応急措置と応援、こういうことだけではどうしても国の責任という問題が、口では言ってもあるいは後始末で補助をされても不十分ではないのか、こういう感じがしてならないところでございます。現地住民の立場からすれば、どうしてもそうした国の今の手ぬるいやり方に不満があるのではないかとも思うし、またそういう連絡が逐次私たちにも入ってくるところであります。  そこで、現在の避難体制を含む今日とられておる体制人命第一という考え方に立って長官は十分だというふうに判断をされておるのか。その基準市長に任されている形になっていますが、長官としての判断をまずお伺いしたいと思います。
  276. 西田司

    西田国務大臣 六月三日のあの火砕流による災害というのは人命を伴ったものでございまして、まことに残念に思っておる次第でございます。  申し上げておりますように、まず災害対策基本というのは、人命を傷つけてはいけないあるいは死者を出してはいけないということを第一義に考えて取り組んでまいりました。ちょうど四日に、実際は既に三日の夜に私は公邸へ参りまして、総理とも相談をして、非常災害対策本部を実質的には設置いたしました。そして四日の閣議で決定をしたわけであります。早速そのことを踏まえて私は島原へ五日に参りました。そして知事あるいは市長町長、それから観測に当たっておられる方々、こういう方々と接触をいたしましていろいろお話を申し上げました。そして、やはり人命を第一に考えるならば避難ということが一番大事なことではなかろうかということを強く申し上げてまいりました。不幸中の幸いでありますけれども、八日のあの第二回目の前に、七日にいわゆる災害対策基本法六十三条の警戒区域設定されて強制的に避難ができて、八日の火砕流においては人身事故がなかったということをまことにありがたく思っておるわけでございます。  予知できない、限界があるわけでございますが、今後もいろいろと科学的な予測や解明やそういうことを十分に踏まえて、そして次に起こってくることに備えていくのが防災対策の現時点における一番大事なことだ、こういう認識をいたして取り組んでおります。
  277. 有川清次

    有川委員 気持ちはよくわかりますし、また態度としてもそういうふうにしながら努力をされておることは理解をするわけであります。  六月六日に災害対策委員会が開かれました。その中で国の責任、国の現地指導、直接指導というものも強く叫ばれましたし、あるいはまた避難体制についてはもっと拘束力のあるものをとるべきだ、こういう意見もたくさん出されました。それに基づいてやられて、八日は惨事にならずに非常によかったというふうに理解をいたしております。ただやはり、私は六日のときも歯がゆい思いで聞いたわけですが、政府が長崎県、島原市、深江町、こういうのと一緒になって現地に合同災害対策本部をつくって、各省庁、何人かは担当者が行っておるかもわからぬけれども、もっと責任ある人を派遣して、いろいろな緊急な判断についてはそこがきちっと間違いのない判断をするような措置が必要なのではないか。  現地に行きまして市長とお会いしましたけれども、非常に多忙で、追いまくられてお疲れになっておる模様でありまして、それからもう長い日にちがたつわけであります。一人で最後の判断をしなければならぬというところにあって、市長は、前の判断の結果もあり、非常に心労されているように思うわけであります。そういう意味では、皆さんが情報をただとるだけでこっちで判断をするのでは対応はできない。今こう話しておるうちにもまた大きな爆発が起こるのではないか、私たちはこういう心配をするわけでありまして、機微に触れて現地で過ちのない判断ができるような政府を含む体制というのがどうしても必要なのではないか、このように思いますが、この点についてのお考えをもう一回お伺いしたいと思います。
  278. 鹿島尚武

    鹿島説明員 避難民への対応などに例示されます現地の業務につきましては、やはり地域住民と密接な関係にあります市、そして町を主体に統一して考えていくということが必要であろうかと思います。それでこの市、町に対しまして長崎県が協力を行う、こういう体制というものが好ましいというふうに私は考えます。  いずれにいたしましても、国は国民の生命を守るという責任もあります。その組織、機能の総力を挙げて万全の措置を講ずる必要がありますので、つとに設置をいたしました非常災対本部によりまして、関係省庁が一致協力して、県、市そして町に対しまして助言と援助を行うことが一番適切であろうかというふうに考えております。ただ、一方、関係各省庁におきましては随時職員を現地にこれまでも出向かせまして、必要な調査そしてまた地元への助言、調整に当たっているところでもあります。  それから、私ども政府の非常災害対策本部を預かります国土庁におきましても、現地との情報連絡をホットラインという形で設置をいたしまして現在確保をいたしております。いろいろな体制地元支援というものを行いながら、対応の万全を期していきたいというふうに考えております。
  279. 有川清次

    有川委員 この間の委員会で前例がないという言葉があったのですが、この事態は前例のない事態だと私は思います。そのときに例をつくらないと前例は出てこないわけであります。今現地被災者の皆さんを含めて、命と財産、これほどの豊かな国で、これほど悩んでいるのに、苦しんでいるのに、具体的な対応が国として不十分なんじゃないか、こういう気持ちがおありだと思うのです。  その証拠には、海部総理が九日ですか現地に行かれました。新聞報道等を見る限りにおいては、何も具体的なものがない、落胆をした、こういう現地の皆さんの声があったということを聞きましたが、まさにそういう意味では各省庁、自治省などを含めて、やはり現地に行って、きちっとした内容を把握しながら指導が必要なのではないか。海部総理現地に行かれたからこそ、帰ってきてから、何らかの措置をしなければならぬということで話題になって、特別立法の問題も浮上した。しかし大蔵大臣の意見で、それが前進をしないままになっておる。きょうの答弁も似たような形で連続しておるわけであります。  坂本官房長官が、新聞報道によりますと、こういうときこそ政治の出番だということで、そうした特別立法の問題もやっていこうというような意見が報道されておりましたが、やはり現地に各大臣も足を運び、本当に非常災害対策本部を設置するなら、やはり現地に行くことだ。私も、情報で見るよりも、六月五日現地に行ってみて、その切実さは随分違った。現地警察官とお会いいたしまして、私たちがニュースで聞いておるよりも、ここに来て、見れば、三倍も五倍も大きく大変だということがわかった、こういうふうに言われました。火砕流の際に石が転んでくるのではなくて、さあっと飛んでくるような形に見えました、大変だ、こういうふうに言われたわけであります。頭の中では情報をどんどんもらいながら判断ができるとしても、長い間続いた現地は大変だ。判断を誤ったら、人命を言いながらなかなかそれが満たされないということになるのではないかというふうに思うところです。答弁は要りませんが、もう一回十分な御判断、御検討をお願い申し上げたいと思います。  きょうの質問に当たりまして、私は、国土庁に質問趣旨は言えばいいと思っておったのですが、結果は、各省庁全部に質問事項を伝えなければ、内容はわかりません、責任が持てない、こういうことでもありました。こうした災害に対する責任省庁は国土庁でしょう。国民はそこに信頼しておるのです。しかし具体的になってくると、やはり各省庁が金を持ち、政策を持ち、法律を持ちということだからどうにもならぬという歯がゆさが国土庁にはあると私は思うのです。長官も歯がゆい思いがあると思いますが、そういう意味でもう少しそうした面における体制をとってもらいたい、このように強く要望しておきたいと思います。  それから災害の予測の問題で、気象庁に再三にてわたって質問がありましたので大体今の体制については理解はしたところでありますが、今度十二の大きな活動火山に対して監視装置が不十分なので増設の方向で検討を始めた、こういう報道も見ました。監視テレビ、ワイヤセンサー、一キロ離れたところでも川の温度がわかる熱センサー、赤外線による光センサーなど、こういうことについては普賢岳が私たちに教えてくれた一つ体制として非常に大事にしながら全体を十分なものにしなければならないと思います。また私も桜島で、溶岩が粘り気がないということもありますが、火砕流ということを聞いたことがありません。しかし、火砕流の可能性はないのか、こういうことを考えますと、全体的に気象庁の万全な観測体制の充実、そういうものを特に要望しておきたいと思います。  そこで観測体制の中で、テレビをいろいろ見ておりますと、いろいろなマスコミによって大学の教授、研究家の皆さん方の見解が出てまいります。予知連の会長代行として加茂先生がまとめた見解を出されるわけでありますが、しかし島原の方から私に連絡が友人たちから来るのでは、どの報道を聞けば安心なのか、非常にまちまちだという感じを受ける、もう少し予知連の機能を発揮して、あるいは皆さんがパニック状態にならないような、そういうことを含めてきちっとした指導体制をとってほしい、こういうのがあるわけであります。その辺のことについてもう一回気象庁の方の考え方なり、まあ研究家の皆さんの発表をとめるわけにもいかないのでしょうけれども、予知連の速やかな適切な住民、国民への周知というのは非常に大事なのではないかと思いますが、見解をちょっとお伺いしたいと思います。
  280. 森俊雄

    ○森説明員 火山噴火予知連絡会といたしましては、火山活動に対して必要に応じ統一見解あるいは会長コメントを発表することとしておりまして、今回の雲仙岳火山活動についても五月三十一日に統一見解を発表したほか、会長コメントを五回発表しております。特に、活動の変化を詳細に把握し、的確な活動判断を行うために現地に会長代行を送り、火山活動の推移について必要に応じて会長コメントを発表しているところでございます。その発表した会長コメントにつきましては、臨時火山情報などで住民の方に周知を図っているところでございます。
  281. 有川清次

    有川委員 十分な整理した情報の提供をお願いし、災害を未然に防ぐ対策を十分していただきたいと思います。  次に、私現地に行きまして第三小学校の体育館にお見舞いに行ったわけです。この日はそう暑くなかったわけですけれども、体育館というところはもともと暑いところですが蒸しぶろのような感じで、その後の十二日に行かれた人たち報告でも大変だったというふうに聞きます。公民館二カ所に避難をされているやにも伺うわけでありますが、クーラーを入れてくださいというので、きょうあたり入ったのかもわかりませんけれども、当初要請したがなかなか動かない、ある組織を通じて言ったらぱっと入る方向になったということであります。先ほどのお話じゃありませんけれども、湾岸戦争では九十億ドル惜しみもなく出すという構えが積極的にあったにもかかわらず、こうした日本国民の問題のときにはそれがないんじゃないかというテレビ報道、一般の人からの意見も、現地の新聞報道ですね、現地の人の意見も私も聞きました。そうした意味において、今非常にお疲れになって精神的にも肉体的にも疲労の極に達しておられると思いますが、そうした人たちに対する十分な手当てというのが必要だろう。その設備もですが、医療、衛生あるいはプライバシー保持の問題、将来の生活上の心配を除去していく問題、そうした問題を十二分にやっていただきたいと思うのです。  そこで、避難所での物理的対策でありますが、ふろの利用など今どの程度満たされるような対策がされておるのでしょうか。
  282. 松本省藏

    ○松本説明員 御説明を申し上げます。  避難所におきます入浴の関係の利便の状況でございますが、島原市におきましては、近隣のホテルあるいは福祉センターなどの施設を利用させていただいておりまして、毎日利用できるという形になっております。さらにそれ以外の、既に利用できる施設以外の施設についてもふろを活用させていただけるかどうか、前向きにさらに検討をしているという状況でございます。また深江町でございますが、「ふれあいの家」という施設がございますが、この大浴場を無料開放していただいております。ただこちらの方は、現在のところグループを二つに分けて偶数日、奇数日ごとに入っていただくという形でございますが、さらに毎日入浴できるように福祉施設等の利用について検討を今しているという状況報告を受けております。
  283. 有川清次

    有川委員 季節的に湿気も多くて非常に暑い日が続いておるわけでありまして、やはり私たちの日常生活を考えると、今ふろなしではちょっと大変な事態だと思いますので、我が身に振り返りながらぜひ万全の早急な対策をお願いを申し上げたいと思います。  それから洗濯物の干し場、できておると思いますが、これは現地を見ていません、そこの場を見ていませんが、私のところも火山灰でいつも悩みながら干し場がなくて参っているわけですよ。この辺の対策は十二分にされておるのか。個人の家庭であれば室内にばっとやれるのですが、やはり団体生活になれば大変だと思いますので、その辺の状況をちょっとお聞かせ願いたいと思うのです。  そしてもう一つは食事ですけれども、今の限度額で一人一日当たり七百七十円以内、こうなっておるようですが、その範囲内で今供給されているのでしょうか。
  284. 松本省藏

    ○松本説明員 御説明申し上げます。  まず、避難所の洗濯の関係でございますけれども、島原市それから深江町合わせまして、現在六十台の洗濯機を設置いたしております。これを御利用いただいているわけでございます。  それから物干しの場所でございますが、これは恐縮でございますが報告を聞いておりませんのであれでございますが、ただ、いろいろな洗濯物の干し場の配慮という観点でできるだけ乾燥機を入れる、その乾燥機で干してもらうというような工夫が必要ではなかろうかということで、現在十九台乾燥機を避難所に入れておりまして、できるだけ下着その他はそういう乾燥機を使っていただくというようなことで配慮している。また、さらにこれからもいろいろな工夫をしていきたい、こういう報告を受けております。  それから食事でございますけれども、まずは衛生面あるいは栄養面に十分配慮をしていただいているわけでございますが、また大人から子供までだれでも食べられるような、さらにまたいろいろな変化を持たせた形での食事、特に弁当の形になると思うのですが、これを出していただいているわけでございます。  御質問の災害救助法上の基準、これが七百七十円とございましたが、本年度は一応一般基準八百円でございます。ただ、これはあくまでも一般基準でございまして、現実的にその額を超えて出していただいても結構だ、こういうふうに言っております。実際上はこれより、より高い食事を出しているということでございます。
  285. 有川清次

    有川委員 洗濯物の干し場の状況、乾燥機もですが、やはり十分に把握をしながら、皆さんのかゆいところに手が届くような配慮というのが必要だと思いますので、その辺厚生省に強く不満を申し上げ、対応を要請しておきたいと思います。  七百七十円の限度額でいけば、一食二百六十七円くらいで、これはチンパンジーの食事にも足らぬなという感じを私、持ったものですから、幅を超えてということであれば、そして最初のころはずっと同じような弁当だけだったとお伺いしたので、日に日に内容、献立を変えながら、飽きがこないように、栄養が十分に行き渡るように対応を強く要請をしておきたいと思います。  それから次に、住宅の関係でございますが、先ほど来の質問の中で、仮設住宅百五十戸、さらに百六十戸の仮設住宅の検討に入っておる、敷地を探しておる、こういうことが報告されました。県内の公営住宅が五百戸の空き家があるということで、ちょっと見たのですが、これは県下全体でしょうから、どのくらい使えそうなのがあって、今それの対応はどうなっておるのか。  それから現地要望では、ホテルや旅館など貸し切りにして、思い切った対策をしてもらえぬか、こういうのがあります。それから簡易保険センター、各省庁の指定施設、こういうのが要望があるわけですが、運輸省の情報によると、日観連などの団体を通じて協力要請をしておるやに聞いたわけですけれども、その辺の状況について、あるいは考え方を含めてお聞かせください。
  286. 小川忠男

    ○小川説明員 まず、公営住宅を含みます公的な住宅についてお答えさせていただきたいと思いますが、島原市ないしはその周辺及び長崎市等々を含めて全部で五百数十戸という数字でございます。このうち現段階で既に入居あっせんが終わり入居していただいている方々が四十七世帯ございます。残りにつきましては、いろいろ希望を聴取しながら、うまくすり合うかどうか鋭意調整しておる、こういうふうな状況でございます。
  287. 有川清次

    有川委員 建設省が立たれたついでに建設省にまたお伺いをいたしますが、先ほど沢田委員の方から橋の問題と水無川の川幅の問題が出ました。私も非常に奇異に感じながらお伺いし、また現地を見て橋が低いなということも感じたわけですが、桜島は水無川がたくさんあるんですね。そして、土石流が来るたびに橋を越え破壊をしという状況が続いておったので、かなりもう改修が進みました。そして、ドーム型に高くいたしまして、特に一番ひどかったのは野尻川というのですが、もう完成をして利用しておるところです。雨が降れば桜島を通過するのが非常に怖かったのですが、今はその心配もない、こういう状況になっておりますけれども、これは建設省直轄で非常に工事が進んだというふうに思います。  ところが、鹿児島の人が北海道の十勝岳の調査に行ったら、なかなか桜島は進展をしないのに、あそこはばしっと短期間にそうした排水対策は十分にできていた、同じような対応ができぬのかというのがかなり言われたわけでありますが、この島原の水無川の問題も、将来を見込んで危険がなくなり次第すぐ対応したいというのがありました。であれば、建設省直轄の河川にして、超スピードで十分な対応をする必要があるのではないか、そういうふうに思いますが、御見解をお伺いしたいと思います。  さらに、ロードスイーパーの問題がありました。私たち五日に行ったときには非常に台数が少なくて、水は勝手に散布をする。スイーパーを一台見ましたけれども、ほとんど作動していない。水をまくとぬれて、また水が切れるとほこりが立つという状態でありました。その後また大きな火砕流もあったわけで、テレビ等で見ておれば大変な状況に見えるなというふうに見ておるわけですが、ロードスイーパーですね、周りに何県か、熊本やら要請をすればあるということでしたけれども、今それを要請され稼働させておるのか、これからどうされようとしているのか。先ほどもありましたけれども、災害が緊急に起こった場合、避難する場合道路が砂で埋もっておれば大変な状況になる。前が見えないのですよ。昼間ライトをつけても見えません。そういうような状況が起こるわけでありまして、みんな慌てますから、常にロードスイーパーで道路だけは整備を早急にしておかなければならぬ状態なのではないか、このように判断をしますが、建設省の見解と対応をお聞かせ願いたい。
  288. 加藤昭

    ○加藤説明員 まず水無川の改修の件でございますけれども、現在土石流なりあるいは火砕流が起こっておるという、こういう状況下でございますので、安全が十分確認できないまま現地に入るわけにはいかないという状況の中でございますから、ある程度安全が確認をされましたら、現地調査を十分行って、それでこの水無川の全体計画をつくり、その対応を考えてまいりたいというふうに考えておるところでございます。なお火山活動が非常に活発でございますので、火砕流及び土石流等の堆積物が非常に多いというふうな状況下でございますので、河川改修に当たりましては、土石流対策なり、あるいは火砕流により非常に木がたくさん倒れておるというような状況下でもございますので、流木対策も含んだ抜本的な対策も考えていく必要があるのじゃないかと考えております。  次に、ロードスイーパーといいますか降灰対策でございますが、現在、直轄の道路の事務所から市の方へロードスイーパーの貸し出しをしておるというふうに報告を受けておりますし、また、補助事業の中の降灰事業の中で、市町村道につきましては、一応基準をクリアをして補助対象事業として対応するというふうに決めておりますので、この中でロードスイーパー等の機械設備につきましても補助対象にしておりますので、市町村から要望があればそれに対しての対応を十分考えさせていただきたいというふうに考えております。
  289. 有川清次

    有川委員 ロードスイーパー、補助対象になっておるから要望があればということじゃ困るのですよ。鹿児島で私たち経験しておるわけだから。そして、砂、灰がいっぱいあると、スリップしちゃって走れないのですよ。災害がまた起こる。追突が起こる。もう全然前が見えない、そんな状況になるのですね。主要な、あそこのあの道路から逃げようとかみんな考えるわけですから、主要な道路は常に、今やっておかないといかぬと思うのですよ。何台稼働しているのですか、今。すぐ使えそうなのが周辺に何台あるのですか。
  290. 加藤昭

    ○加藤説明員 スイーパー等の数字についての把握はまだ十分されておりませんけれども、先ほど、降灰事業で対処する補助対象事業として機械等も対象になるというお話をさせていただきましたけれども、これにつきましては、市町村から要望があって、それでそれに対しての御協議をいただければすぐ対応ができるというふうなことになっておりまして、年度末の精算補助という形での補助体制になっておりますから、市町村体制がロードスイーパーを買い上げるというふうなことでの体制ができ上がればすぐでも対応できるのじゃないかというふうに考えております。
  291. 有川清次

    有川委員 非常災害対策本部をつくったんでしょう。なぜそこがすぐ上げて、こうしなさいとか指導しないのですか。先進県があるのですよ、現実に参っているところが。それよりずっとひどいわけですから、今。そしていつパニックになるかわからぬという、そういう状態があるわけですから、非常災害対策本部できちっと指導しないと、上がったらやりますという程度じゃ、この車も何台もあるわけじゃないでしょう。そういう対応は要請しておきたいと思います。  時間の関係がありますから、それからこの水無川の問題ですが、私も現地を見て、川底が浅いのにびっくりしました。桜島を見てごらんなさい、うんと深くしてありますよ、どこへ行っても。そうでなきゃもう対応できないのです。そんな事例があるわけだから、そんな経験やら事例、山の形にも関係しますが、やはりきちっとした、悔いを残さない対応を要請しておきたいと思います。  次に、運輸省にちょっとお伺いをいたしますけれども、先ほどもちょっと出たところですが、島原市と深江町が交通遮断になりました。今までフェリーが通っておったわけですが、一日四便で、これがだめだということで、しかも接続のバスも出してもらえぬと、今まで二十分かかったところが二時間の通勤距離になった、こういう不満がありました。ところが、その後海上もまた危険区域に指定をされまして、今またフェリーの小型を準備をするという対策が進んでおるようでありますが、やむなく陸路、相当な時間をかけて行かなきゃならぬ、こういう問題がありまして、臨時バスなど要請があるところです。  そうした臨時バスの予定ないしは小型フェリーの沖合運航の大体のめど、料金の問題、そういうことをちょっとお伺いしたいと思います。
  292. 橋本雅之

    ○橋本説明員 島原市と島原半島南部を結びます陸上交通網が交通規制されておりますため、六月十日から島原港―須川港間で九州商船株式会社がフェリー運航をいたしまして住民方々の足を確保してまいりましたが、十二日の午後六時から、水無川の河口を基点といたしまして半径二・五キロの圏内の海上が警戒区域に指定されたことに伴いまして、フェリーの島原港への出入りが不可能となりまして、運航中止となっております。こうしたことから、長崎県、運輸省を初めといたします関係者の間で海上輸送の確保のための方策につきまして検討を進めてまいりました。  つい先刻、長崎県の災害対策本部長から安田産業汽船株式会社に海上輸送の要請がございました。これを受けまして、今後安田産業汽船株式会社では六月十七日月曜日から、島原港―布津港間におきまして高速旅客船を一日十六便、八往復運航することを予定いたしております。  料金でございますが、大人につきましては三百四十円、子供につきましては百七十円という料金を適用するというふうに聞いております。
  293. 有川清次

    有川委員 もう時間がありませんので、ほかのことでちょっと要望をしておきたいと思います。  労働省の方に失業対策などの問題が出たわけですが、やはり最大のポイントは生活保障、住宅対策、こういうところだということで、高田長崎県知事も海部首相に、長期の困窮に配慮してほしい、特に職と結びつけた対策がほしいということを言われております。  報道によれば、約二百五十の事業所が既に操業を停止し、再開の見通しも立ってない、こういう状況にございます。職業安定所の方でも島原対応を始めておられまして、臨時相談所を開設されておるようでありますが、住民生活不安というのがございますし、特にまた大学に子供を出しているような家庭は深刻でありますから、ぜひ十分な対応をお願いを申し上げておきたいと思います。  最後に、農政の関係でも共済制度。生きた乳牛などまだあそこに放置されたまま。これは死んでから補償になるのか、もう乳が搾れないようなよたよたでも、生きておれば対象にならぬのかどうか。損害もいろいろ出てくるわけでありまして、農家の心配、不安、機微に触れた対応を要請しておきたいと思います。  それからもう一つは、漁業の影響ですが、クルマエビとかヒラメ、ワタリガニ、こういうところもかなりの影響が出ておるというふうに聞いておりますので、住民の暮らしに関係をする問題について十分な対応を要請いたしまして、私の質問を終わります。
  294. 高村正彦

  295. 田口健二

    田口委員 質問に入る前に一点確認の意味で申し上げておきたいと思うのでありますが、先ほど川俣委員の方から災害対策本部の名称について質疑がありました。政府の方では現在の雲仙岳噴火非常災害対策本部、これでいいんだというふうな御答弁がありました。私は地元の常識として考えてみますと、雲仙岳という山は実は存在をしないのですね。雲仙は、今噴火をしております普賢岳、国見岳、妙見岳、こういう三つの山、あるいはそのほかにも小さなものがありますけれども、総称して雲仙というふうに使われているわけですね。  なぜ私がこのことを申し上げるかといえば、今度の噴火以来、マスコミその他を含めてしばしば雲仙岳という表現が出てくるのです。そのことが大変地元で波紋を起こしておりまして、そういう名称は使ってくれるな、実はこういう意見、要望も率直に言ってあるわけでありますから、私は、政府の組織でありますから、一般的に地元でも通用しておらないような名称はやはり避けて正確に名称をつけることが大事ではなかろうか、こういうふうに考えております。ですから、そのことはひとつ改めて考えていただきたい、こういうふうに思うわけであります。御見解があれば、後ほどでも一緒にお伺いをいたします。  そこで、大臣は六月の九日に海部総理一緒にまた現地に入っていただきました。大臣としては三回目の現地入りだというふうに私も思っております。いろいろな点で大変な御尽力をいただいておりますことをこの機会に重ねてお礼を申し上げたいと思います。  実は、その前日の六月の八日ですけれども、我が党の土井委員長一緒に私も現地にまた参りまして、いろいろと知事さんや市長さんあるいは避難所をずっとお見舞いをしてまいったのですけれども、戻ってまいりまして委員長の方から指示がありました。いろいろ協議をいたしました。社会党としては既に六月の五日に山口書記長から土井委員長名をもって政府に対して六項目の今回の災害に対する基本的な対応について申し入れを行っておりましたが、今回土井委員長が九日に直接入りまして率直に感じた点でさらに三項目について緊急申し入れということを決めまして、十一日に私、官邸に参りまして大島副長官にその申し入れ書をお渡しをいたしまして要請をいたしました。  大臣はもうお聞きになったかどうかもわかりませんが、その第一の項目は、先ほどもありましたけれども、私も六日の本委員会で冒頭に大臣にお願いをいたしましたように、やはり現地対策本部をつくっていただきたい。そして国土庁が中心になって各省庁の皆さん方も集め、現地島原市、深江町、そして長崎県、この四者でもって対策本部をつくって対応しなければやはり無理だ、こういうふうに土井委員長も行かれてすぐそのことを私にも言われたのであります。十二日に高村委員長初め災害対策委員会の皆さんと一緒に私も現地へ同行させていただきました。皆さん方もお感じになっておると思います、大臣もお感じになっておると思うのですが、島原の鐘ケ江市長は、私、随分古いつき合いでありますが、この五月以降もう十回以上会っているわけですけれども、今度の十二日に参りましても、もう限界であります、率直に言って。私も今、大変心配しておるわけです。やはり現地対策本部をつくって的確な対応を国がしてもらわないと、もうどうにもしようがないのじゃないか、今こういう気持ちを持っておるのですが、先ほどの防災局長の御答弁ではまだそうではないように聞いたのですけれども、どうでしょうか大臣、このことを検討していただけませんか、お答えをいただきたいと思います。
  296. 西田司

    西田国務大臣 先般土井委員長が私の部屋までわざわざおいでになりまして、御要望の向きは十分伺っております。社会党のみならず各党とも大変今回の災害を御心配になりまして、そしていろいろなお話を承っております。私も実は現地における国の、政府機関の総合対策本部というものも考えてみました。しかし、私が三度現地入りまして、確かに県よりも市、市よりも町、そういうところで、いろいろな状況というものは変化がございますけれども、私は、ここへ国の対策本部というものが割り込んでいって果たして現地の指揮命令系統あるいは判断、そういうことが的確にできるであろうかどうであろうかということを一つ考えました。それからもう一つは、私は長崎県知事とも、それから島原市長とも深江町長ともひざを交えていろいろな話をやってまいりました。現在長崎県がとっておられる考え方、やり方は極めて的確だと私は判断をいたしたわけでございます。  そのような総合判断の上で、現在この緊急、応急対策をやらなきゃいけない時期に国の対策本部というものをさらにあそこに設置するということには、プラス面よりもマイナスが起きてはいけないという心配をしたものでございますから、現在のところは現状の状態で進めさせていただきたい。ただし、対策本部におきましてはより以上の情報収集に努めまして、そして的確な判断、的確な助言、指導、こういうことに取り組もうというのが現在対策本部長としての私の考え方でございます。
  297. 田口健二

    田口委員 今のお答えが大臣のお考えであるとすれば、私はもうあえて申し上げませんが、ただ、きょう私は朝からずっとこの委員会に座って質疑のやりとりを聞いておりましたけれども、それならもう少し各省庁の皆さん方現地状況を的確に把握してもらっておかなきゃ困りますね、これは。だから、そういう意味では大臣対策本部としての中央の機能、これをもう少しやはり現地状況を正確に把握をして対応ができるような機能をつくっていただきたい、このことを特にお願いしておきたいと思います。  それから二つ目で気象庁にお尋ねをしたいと思います。  今度の災害で雲仙測候所の皆さん方には大変な御苦労をいただいておると思います。当初から、市の方と話をしても判断のデータは全部雲仙の測候所から入ってくるのですね。ほかに頼るところがないのですから、公的な機関としてはやはり気象庁の測候所からのさまざまなデータをもとに判断をしていくわけです。それで、実は昨晩、私は用件がありまして島原市役所の災害対策本部に電話をして、そのとき状況はどうだと聞きましたら、いや大変なんです、何だと聞いたら、パニック寸前になっていました。デマなんですよ。これは私は大変だなと思ったのですね。そこで改めて市長名でもって市民の皆さん方にビラを配って、正確な情報を伝える、こういう状況がもう生まれてきているのですね。  そこで、私はやはり観測体制の強化、難しいけれども予知、予測と、同時にそれを的確に自治体なり対策本部に伝達をして、そのことによって正確な判断、避難計画にしても勧告にしても、そういうものができる体制をきちっと整理をしなきゃならぬと思っているのですが、その伝達の現状は今どうなっていますか。
  298. 森俊雄

    ○森説明員 お答えさせていただきます。  気象庁は雲仙岳測候所から情報を出すわけでございますけれども、その情報につきましては、気象庁のデータだけでなく、大学のデータも最大限に利用させていただいております。現在会長代行として九州大学に加茂先生に行っていただいておるわけでございますけれども、気象庁の事務局といたしまして一名派遣をしてございまして、随時そこから気象庁の人間を通しまして情報は入手してございます。ですから、臨時火山情報あるいは火山活動情報、そういうものに対しましては反映されているというふうに考えてございます。その臨時火山情報また火山活動情報の伝達に際しましては、担当の気象官署から発表されるわけでございますけれども、情報は直ちに関係の地方公共団体、警察、報道関係を通じ一般住民に伝達されておるというふうに考えてございます。
  299. 田口健二

    田口委員 文部省、見えていますか。島原には九州大学の島原地震火山観測所というのが、そういう研究機関が置かれて、今度の災害で本当に重要な役割を果たしたと思います。所長の太田先生も非常に長い間その仕事についておられますので、率直に言って、もう現状からいうと島原の市民、あるいは長崎県民を含めて、大変な信頼があるわけですね。私は九日に太田先生とも会っていろいろ話もしたのであります。これは大学の研究機関ですから文部省の直属機関ではないと思うのですが、あれだけ重要な役割を今日の段階で果たしてきておる、これからもまた大変だろうと思うのでありますが、その辺に対する文部省としての支援といいますか、そういうものは一体現状どうなっているのでしょうか。
  300. 雨宮忠

    ○雨宮説明員 先生御指摘のように九州大学の理学部の附属で島原地震火山観測所が置かれておりまして、太田一也所長以下関係の研究者には大変御苦労をいただいておるわけでございますが、このような火山活動になってまいりますと、これは今回の例だけではございませんけれども、地震、火山関係関係大学の研究者に協力をいただくことになっております。今回につきましても、東北大学、東京大学、京都大学、鹿児島大学等々、関係の研究者に大勢はせ参じて協力してもらっておりまして、そのために私どもといたしましては、文部省で持っております科学研究費補助金というのがございまして、この補助金を緊急調査ということで活用いたしまして、二千万円余りでございますけれども、これらの関係の研究者の方々活動に役立てるということもいたしておりますし、また研究機器の設置につきましても、できるだけの協力を九大に対してする、こういう体制をとっておるところでございます。
  301. 田口健二

    田口委員 余り時間もありませんし、また、けさほどからもう既に九人の方が立っていろいろな角度から質問しておりますので、私が質問したいと思っていることも大部分もうお答えがありましたので重複は避けたいと思います。  そこで、あと一つ二つですが、先ほど税金の問題で質問があり、大蔵省の方から御答弁がありました。実は私、八日に深江避難所に参りまして皆さんと話をしたときに出たのがその税金です。みんなで今話をしておった、とてもじゃないが税金を払うような状況ではない、これは何とかならぬかということなんで、私の知っている知識の範囲内でそのとき話をしておったのですが、先ほど大蔵省からお伺いをいたしました。地方税について、自治省お見えになっておれば見解を聞かしていただきたいと思います。
  302. 成瀬宣孝

    ○成瀬説明員 災害により被災をいたしました納税者の方々に対しましては、担税力が減少することにかんがみまして、地方税法及びこれに基づく条例の定めるところによりまして、地方税におきましても納期限の延長、徴収の猶予または税の減免措置を講じましてその救済を図ることができることとされております。具体的な運用につきましては「災害被害者に対する地方税の減免措置等について」という通達によりまして地方団体に対しまして基本的な事項をお示ししているところでございます。例えて申し上げますと、住民関係でありますと、損害の程度と所得の状況等を基準といたしまして、免除する場合、それから二分の一とか四分の一に軽減する場合といったようなこと、あるいは固定資産税につきましても、その損害の程度によりまして全額免除それから十分の八軽減とか、いろいろ率を定めているところでございます。  今回の雲仙岳噴火によります被害につきましては、こうした被害状況を見守りながら、関係地方公共団体におきまして適切な取り組みが行われるよう国としても十分指導してまいりたいというふうに考えております。
  303. 田口健二

    田口委員 今お答えがありましたが、国税、地方税を含めて、そういう仕組みでありますので、そういう点で大変な不安を持っているわけですから、要は一般市民の方にそのことがわかるように、状況がわかるように、ぜひその辺の手だてを講じていただきたい、このことを申し上げておきたいと思います。  それから、先ほど労働省の関係で、雇用保険の問題などの御答弁がありました。同時にぜひ検討していただきたいと私が思いますのは、確かに一時的な休業、離職であっても、そういうのはちゃんと見ていくとか、あるいは職業紹介の問題についても地域に窓口を設けて今後やっていく、大変結構だと思います。ただ、五十七号線がもう完全に遮断されておりますし、二百五十一号線も今は深江の手前で交通規制ですから、島原の隣の深江町以南の方から島原市に働きに来ておる就業者というのは大体三千人ぐらいだというふうに普通言われておったのですね、こういう方がもう全部そこで足どめを食っているのですよ。だから、先ほどもありましたように島原の市内における多くの事業所が一時閉鎖とか休業とか、そういう状況にもうなってきているのですね。この前、市長も言っていましたが、あそこに宝酒造という島原の市内ではかなり大きなしょうちゅう工場があるのですが、ここももう操業停止だと。これを聞いて私もびっくりしたのですけれども。そういうことを考えますと、今後の雇用対策、これは緊急就労事業的なものも含めてやはり考えていく必要があるんじゃないか。  私は、四年前に私の選挙区の高島炭鉱というのが閉山になりまして、大変な雇用問題を抱えて、労働省にも大分お世話になったのでありますが、そのことが今頭にありまして、この島原地域の問題も大変な問題だな、こういうふうに思っているのですが、労働省としては何か今お考えになっていることがありますか。あれば聞かせていただきたいと思います。
  304. 日比徹

    ○日比説明員 ただいま先生のお話がございましたように、島原におきまして、事業所の状況、私も先ほども御答弁申し上げましたが、休業がふえておる。もちろんその休業の起こり方も、一つは事業所そのものが被災をする、そういうケースもございますし、交通規制の影響を受けまして、あるいは避難をされるということで人手の方がいなくなってしまう、そういうふうな休業、そのいずれも起こっておるように聞いております。  そこで、雇用対策としてというお話でございまして、先生御指摘のような点につきましては既にもうやっておるところでございまして、加えてという点でございますが、私どもとしましては、今動きを十分見きわめるべきときではなかろうかと考えております。  一つには、先ほど申し上げましたように、事業所の活動が今回の災害なりいろんな影響でとまっておるという状況につきましては、当然できるだけ早い再開ということを予定されておられるでしょうし、また人が通えないというふうな状況につきましては、もちろん交通規制問題だけではなくて住んでおられる場所の問題もございますし、今時点、どういうふうに生活設計といいますか全体の体制を整えていくか、そういう段階ではなかろうかと思いますので、今直ちにどういう対策をとるというふうな点につきましては、既に別の機会に御説明しましたように、とりあえず失業手当については十分お支払いできるような措置を講じつつ、いろんな御相談事もあろうかと思いますが、場合によっては臨時的にもお働きになりたいという方もおられようと思いますので、そういう相談機能につきましては十分きめ細かくやってまいりたいということを現在考えております。
  305. 田口健二

    田口委員 それでは、時間がなくなりましたから最後に大臣にお願い的にお尋ねしておきたいと思うのですが、財政支援の問題です。これは、大蔵省なり自治省なりに具体的にお尋ねをするのがいいのかもわかりませんが、やはり主管大臣としてのお立場で見解をひとついただきたいと思うのです。  私も今度参りまして、応急仮設住宅が既に着工されて、一部早いのは完成しつつあるのですけれども、幾ら出したと聞きましたら、二百三十万というのですよ。そうすると、今の基準でいくと大体百二十万弱ですからね、これは大変な超過負担になるのではないのかと県の職員と話をしたのです。一つ例をとってもそうなんでありますが、単なる補助の問題だけでなくて、もう御存じのように自治体はいつも超過負担でも悩まされているわけですね、補助金そのものもありますけれども。そういうことになると、これは大変な財政的な負担が出てくる。これらを含めて政府は十分な今回の災害に対する地元自治体に対する財政支援をぜひお願いをしたいと思いますので、ひとつその辺の御見解をいただいて私の質問を終わりたいと思います。
  306. 西田司

    西田国務大臣 住民避難に伴う住居の確保というのは非常に重要な問題で、御指摘のとおりでございます。応急仮設住宅の供与について政府は地元地方公共団体といろいろ協力をしながら現在進めておるところでございます。国が地方公共団体等の協力のもとに応急的に必要な救助を行い、災害にかかった方々保護と社会の秩序の保全を図るという災害救助法の趣旨を最大限尊重いたしまして、国としても応急仮設住宅等の供与を行う長崎県に対しましてでき得る限りの財政支援をしていく考えでございます。
  307. 田口健二

    田口委員 終わります。
  308. 高村正彦

    高村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時三十五分散会