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1991-04-10 第120回国会 衆議院 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第8号
公式Web版
会議録情報
0
平成
三年四月十日(水曜日) 午前十時三分
開議
出席委員
委員長
石井
一君
理事
塩崎
潤君
理事
武村
正義君
理事
羽田
孜君
理事
穂積 良行君
理事
山崎 拓君
理事
佐藤 観樹君
理事
山花
貞夫君
理事
河上 覃雄君 浅野 勝人君 奥野
誠亮
君
野田
毅君 町村 信孝君 村田
吉隆
君 小岩井 清君
仙谷
由人君 日野 市朗君 堀 昌雄君 松原
脩雄
君 井上 義久君 東中 光雄君 川端 達夫君
出席政府委員
自治省行政局選
挙部長
吉田 弘正君
委員外
の
出席者
自治大臣官房審
議官
田中
宗孝
君
自治省行政局選
挙部選挙課長
谷合 靖夫君
自治省行政局選
挙部管理課長
牧之内隆久
君
自治省行政局選
挙部政治資金課
長 井戸 敏三君
特別委員会
第二
調査室長
岩田 脩君 ───────────── 四月二日
地方選挙
の
公営制度拡大
に関する請願(
木島日出夫
君紹介)(第二一七一号) は本
委員会
に付託された。 ───────────── 本日の
会議
に付した案件
公職選挙法改正
に関する件(
自由民主党
の「
政治改革基本要綱
」に基づく
選挙制度
について) ────◇─────
石井一
1
○
石井委員長
これより
会議
を開きます。
公職選挙法改正
に関する件について
調査
を進めます。 本日の
委員会
は、
自由民主党
の
政治改革基本要綱
に基づく
選挙制度
について、
自由民主党所属委員
から
意見
を述べていただいた後に、
委員
間の自由な
討議
を行います。 それでは、まず、
自由民主党
の
羽田孜
君に
お願い
いたします。
羽田孜
2
○
羽田委員
委員長並び
に各
委員
の
皆様方
に、我が党の
選挙制度
の
改革
、こういった問題についてお話しする
機会
を与えていただきましたことを、まずお礼を申し上げたいと思います。 私の方から、まず
選挙制度
に対する我が党の
考え方
並びに
皆様
のお
手元
にお配りしてございます
選挙制度
の骨子につきまして簡単に述べさせていただきたいと思います。 まず、今日の
政治
を取り巻きます環境の変化と
政治改革
ということでありますけれ
ども
、戦後の
我が国
の
政治
が安定した
政治
であったことは、これはだれからも認められるところであろうと思います。そして、切磋琢磨する今日の
選挙制度
というものはやはり今日の
我が国
の繁栄を生み出すための
一つ
の大きな
牽引力
になった、このことをまず認めたいと思うわけであります。 しかし、一方では、今日の
政治状況
が過度な競争によりまして極端な
制度疲労現象
を現出してしまっていることも事実として認めざるを得ないと思います。周期的に起きる金に絡む
政治家
の
不祥事件
は
制度疲労
を如実に示したものであり、また
民主政治
の根本である
国会自体
の
審議
の
形骸化
は目に余るものがありまして、
国民
の
政治
に対する
信頼感
を大きく失わせてしまっている
状況
というものは、看過することはできないものであろうと
考え
ます。 これまでの
米ソ
の
冷戦構造
の中で、
日米
の枠組みを
基本
として対処してきた事態とは異なり、今日の
我が国
は激変する世界の
状況
をにらみながら
国家国民
の
利益
と
国際的役割
を
考え
、迅速かつ適切に
意思
を
決定
し、対応しなければならない
時代
を迎えているのではないかと痛切に感ずる今日であります。来るべき二十一世紀に十分対応できる新しい
政治構造
をつくり上げなければならないときと
考え
ます。その意味で、今こそ
政治
全体の
改革
をしていかなければならないと信じます。まさにそれが我々
国会
に課せられた
時代
の要請であるとも言えるのではなかろうかと思っております。 まず
一つ
、
国会
の
審議
の停滞と
政治
の
改革
ということで申し上げたいと思いますけれ
ども
、
国会
は
国権
の
最高機関
として
国家意思
を最終的に
決定
する
機関
でありますが、しかし、今日その
国家意思
が
議論
を通じなかなか明確にされない
状況
にあり、このままでは
国会
の果たす機能である真のシビリアンコントロールさえ機能しないというふうに
考え
ざるを得ないということであります。 また、
国民
からの
政治不信
の原因の
一つ
に、そういったわかりにくい
国会運営
が挙げられます。また、
日本異質論
に象徴されるように、対外的にも、外国からも
日本
の
政治
はわかりにくいとまで言われるようになっていることに気づかなければならないと思います。それは一体どこに起因しているのか、我々は今追求すべきでありましょう。
国会運営
の慣例が
議論自体
を硬直化させている面もありましょうが、根本的には、長い間の
与野党勢力
の
固定化
により、片や
政権政党
、片や分立した
抵抗政党
の図式が定着しているところにあります。
与野党
間の不毛な対決の中では、
議論
を通じた活力ある
国会
は生まれないと言わざるを得ません。このような
国会論議
では、
国会
を構成する
政党
、さらに
政党
を構成する
議員
、またその
議員
を生み出す
議会制民主主義
の基盤である
選挙制度そのもの
を
考え
ざるを得ない
状況
に追い込まれているということを党派を超えて自覚し、
改革
を進めるべきときであると信じます。
選挙制度
と
政治改革
についてでありますけれ
ども
、
現行制度
について、
制度
的な疑問について申し上げたいと思います。
我が国
の政体は、憲法上
国会
を
国権
の
最高機関
として位置づけ、
議会制民主主義
、
議院内閣制
を採用しています。これは
政党政治
を
前提
としており、
政党
は
国民
の
政治的意思
の統合に努めながら
政策
を形成し、
政権
の
選択
をかけた
選挙
を行い、
民主政治
を実践することとしていると
考え
ます。しかるに、
政権
を獲得しようとする
政党
にあって、
現行制度
は極端に
政党色
を薄めるという矛盾をはらんでいます。すなわち、複数を単記で選ぶという
制度
は、
個人本位
の
選挙
にならざるを得ない
要素
を
制度
的に許している。一方、これを
有権者
の側から見れば、属人化した
選挙
の中で
政策
、
政権
の
選択
という
選挙
の
基本
的な
意義
が果たされているのかということについて疑問と思います。
選挙
の
実態
でありますけれ
ども
、
現行制度
は、一〇%台の
得票率
で当選することができます。これは、
候補者
にとっては
有権者
の
過半数
の
意見
を吸収するという努力よりも
部分利益
、
特定支持層
の
確保
に努めるという
選挙戦術
を肯定することにもなっています。この
実態
により、山積する難問に対し迅速な解決が望まれている今日、
国家意思
の取りまとめという
観点
からも問題があろうかと思います。 また、このような
選挙
の
実態
の中で
個人本位
の
選挙
を強いられます我が党、
保守系候補者
の
おのおの
が熾烈な戦いをすることにより
野党候補
をはじき飛ばしてしまうという結果も呼んでいるのではなかろうかと思います。このままでは、
野党
は三分の一、四分の一、五分の一
政党
として存続することはでき得ても、
政権獲得
の第一歩である
過半数
を超える
議席
を得ることは永久にできないと言わざるを得ません。
与野党勢力
の
固定化
の中で
政治
に
緊張感
が失われ、
政治自体
はまさに停滞しているというのが現状であろうかと思います。
自民党
の敵は
自民党
という
選挙
の中で、
自民党
の
候補者
は
政策
を争う
選挙
を行えない状態に置かれているとも申せます。同士打ちの激化によって、
政治資金
がかかるのも
政策
を争うことによって他の
候補者
との違いを明確にできないという
政権党特有
の
要素
があることも指摘されております。
政治資金
の問題は
自民党固有
の問題だという一部
野党
の
皆さん
からの
批判
もあることは承知いたしております。しかし、
基本
的には、
政治
に金がかかるのは、多寡の相違はあっても
各党
とも同じであって、要はそのお金をだれが負担しているかの違いだけであろうと思います。
後援会組織
が
中心
の
自民党
にとっては
議員個人
が負担し、
組織政党
としての
野党
は
おのおの
の
組織
や
組合等
の
団体
が負担しているというのが
実態
であろうかと思います。これらの
実態
を踏まえまして、我が党は小
選挙
区
比例代表並立制
というものを申し上げておるわけであります。 我が党は、
国家意思
の速やかな
決定
と同時に、多様な民意の吸収が図れる
選挙制度
の確立という
観点
から、小
選挙
区制を
基本
として小
選挙
区
比例代表並立制
の導入を提案申し上げようと準備を進めておるところであります。 本来、
政治
は一
党一派
のためのものではなく、
国家国民
のためであり、それを実現する
選挙制度
とはいかなるものかを
考え
ることであろうと思います。
代表
を選ぶ原理としての比較多数
代表制
と
比例代表制
とでは、前者が主に
政権
の安定すなわち統治の
観点
を重視し、後者が
少数
の声を
代表
する
議席
の
確保
を重視するという傾向があろうかと思います。 小
選挙
区制の
長所
は、
政権
の
選択
について
国民
の
意思
が端的に示されること、また、
政権交代
の
可能性
が高まるであろうということ、そして、二大
政党
を
中心
にした、
国民
が
選択
した
政権
が安定するというところが挙げられると思います。しかし、欠点としては、
少数意見
が反映されにくいということであろうと思います。そのため、我々は、
比例代表制
の
長所
である多様な
意見
がそのまま
議席
に反映され、
少数勢力
も
議席
を
確保
できるという点に配慮をいたし、
一定割合
を小
選挙
区制に
比例
を加味した
制度
が最善であろうと
考え
た次第です。
並立制
は、小
選挙
区制と
比例代表制
の
両方
の
長所
がほどよく生かされており、現在の
我が国
の
政治状況
に照らしても適切であり、転換期の
政治状況
に対応するためにも望ましい
制度
であろうと
考え
ております。 以上申し上げた
考え方
を
基本
として、我が党は、
皆様
のお
手元
に配付をいたしましたとおりの
要綱
を作成し、
皆様
の御理解と御
批判
を得たいと願うところであります。 今、
皆様
のお
手元
にお配りしてございます
選挙制度
の
改革
について、要点だけを申し上げたいと思います。
定数
につきましては、総
定数
は私
ども
は四百七十一人とし、三百人を小
選挙
区
定数
、百七十一人を
比例代表定数
といたそうと
考え
ております。
定数
のうち、四十七人を各
都道府県
に一名ずつ割り振りまして、残りの
定数
二百五十三名は
人口
に応じて各
都道府県
に割り振るものといたしたいと思います。この方法は、
最大剰余法
でしたいということであります。 なお、先ごろも
定数是正
の問題が
議論
されたわけでありますけれ
ども
、私
ども
はこの
考え方
をこの
選挙制度
の中に取り入れまして、各
選挙区間
の
人口
の格差は一対二未満とすることを
基本原則
としてやりたいと
考え
ております。
区割り
の具体的な基準は
選挙制度審議会
の
答申
に準拠し、なお、
区割り
の
具体案
は
選挙制度審議会
にゆだねることにしたいと
考え
ております。 なお、この
定数是正
につきましては、今後も起こり得ることでありますけれ
ども
、十年ごとに
国勢調査
の
人口
を
基本
として
見直し
を行うものといたしまして、常設の
選挙区割委員会
を設置したい。そして私
ども
は、この
制度
ができ上がるならば、第一回の
見直し
は
平成
十二年の
国勢調査
に基づいて行いたいと思っております。
立候補
は
政党
の
届け出
によるということでありますけれ
ども
、
個人
の
立候補
も認めたいということであります。
立候補
の
届け出
ができるのは、
所属国会議員
を五人以上有するもの、あるいは直近に行われた
衆議院議員
の総
選挙
または
参議院議員
の
通常選挙
のいずれかにおける
得票率
が
全国
を通じて二%以上のものと
考え
たいと思っております。
投票
は
候補者名
であります。
当選人
については、
有効投票数
の最多数を得た者を
当選人
とするということであります。
補欠選挙
は、欠員を生じた場合は
補欠選挙
を直ちに行うということであります。
選挙運動
は、
政策本位
、
政党本位
の
選挙
にふさわしいものとなるよう適切な
措置
をとるものとしたいというふうに思います。
比例代表選挙
の
部分
でありますけれ
ども
、
得票
は
全国
で集計していきたいというふうに
考え
ておりまして、
全国
を
基本
としたいと思っております。
皆様
のお
手元
にお配りしてありますのは、ブロックですとか各
都道府県
のいずれかの
単位
とすることが書いてありますけれ
ども
、この「
全国
、」の下の
部分
は一応お消しいただきたいと思います。というのは、我が党で
議論
した結果、
全国
を
単位
としたいということであります。 なお、
立候補
につきましては、
政党
が
候補者名簿
を
届け出
ることであります。 それから、「
候補者名簿
の届出ができるのは、次のいずれかに該当する
政党
」ということで、
さき
に小
選挙
区で述べたのと同じであります。 それからなお、今度の
制度
で私
たち
が
考え
ておりますのは
重複立候補
を認めようということで、小
選挙
区と
比例
と
両方
の
名簿
に
候補者
の名前を登載できるものとするということにしたいと思っております。
投票
は、これは当然
政党名
で
投票
するということであります。 それから、
当選人
は、
政党
の
当選人数
の
決定
でありますけれ
ども
、
得票率
が二%に達しなかった
政党
に対しては
議席
の
配分
は行わないということであります。 また、ここに書いてあります②の、①で
議席
の
配分
が行われないこととされた
政党
を除いて、各
政党
の
得票数
に応じて
当該政党
の
当選人数
を決めていきたいというふうに思っております。
当選人
の
決定
は、小
選挙
区
選挙
で当選した者は
候補者名簿
から除外するということです。
当選人
は、
候補者名簿
に付された
順位
によって定めていこうということです。また、
同一
順位
の
重複立候補者
の
当選順位
は、各
候補者
の小
選挙
区
選挙
における
得票率
の高さによる、これで決めていきたいということであります。 なお、私
ども参議院
の
選挙制度
もあわせて行おうということでございますけれ
ども
、私
ども答申
を受けたことをもとにして
議論
をいたしておりますけれ
ども
、これが得られた時点というのが
衆議院
に比べておくれておるということでございまして、我が党は今この問題について実は鋭意検討をいたしておるということであります。 私
たち
がねらおうとしておりますことは、
衆議院
がどちらかといいますと
政党化
というものをさらに促していくべきであろうというふうに
考え
ております。その場合、
参議院
の
候補
につきましては、
参議院
の持つ
基本
的な性格であろうと思われるところの抑制あるいは均衡、そして
衆議院
に対する補完ということを
考え
たときに、でき得ることであるならば非
政党化
というものもやはり
考え
ていくべきであろうということでありまして、いずれにいたしましても根本的な
改革
を進めなければいけないということで、また近々
皆様
にこの
方向
について私
ども
の
考え方
というものを述べる
機会
というものを与えていただきたいと思っております。 なお、私
ども
今度の
選挙制度
を変えていこうという中に、
選挙
の際の
腐敗行為
、こういった問題もよく
議論
をされるところでございまして、金のかからない
選挙
ですとか公正な
選挙
というものを行うために、
腐敗行為
に対して相当厳しい制裁というものを与えていく必要があろうということを
考え
まして、
立候補者
、
予定者
の秘書を連座の
対象
に加えるとか、あるいは当選無効に加えて、五年間の
立候補制限
を科するということを新たに
考え
ていこうということであります。 きょうは、
選挙制度
ということでありますから、
政治資金
について細かいことについては述べることは控えたいと思いますけれ
ども
、
政治資金
につきましてもできるだけ
個人
から
政党
に移管していくべきであろう、そして
企業
ですとか
組合
あるいは
団体
の
寄附
というものは、
選挙制度
の
改革
という中にあってできるだけこれを少なくし、その分実際にかかるものに対して
公的助成制度
、こういうものを
考え
ていかなければいけないであろうというふうに思っております。そして、今私は、できるだけ
企業
からの
献金等
についてこれを抑えていくということを申し上げましたけれ
ども
、五年間に
限り政党
以外の者に対する
寄附
を認め、その
限度
を逓減させる
経過措置
をとっていこうということであります。そして、
資金調達団体
に対しまして、
公開
を条件にしまして月額二万円までの比較的少額の
企業
、
組合等
の
団体献金
を認める
方向
にしていきたいというふうに思っております。
団体寄附
を受けることができる
政党
の
要件
というものは、
公的助成
の
対象
となる
政党
の
要件
と
同一
としていきたいというふうに
考え
ております。 なお、
寄附枠
の区分を改め、
政党
に対する
寄附枠
を独立させるとともに、
政治家個人
に対する
寄附
は一般の
政治団体
に対する
寄附
と
同一
の
寄附枠
として、その
限度
を
政党
に対する
寄附枠
の二分の一としていきたい。なお、
政党
以外の者に対する
寄附枠
の
限度
内において、
政党
に対して
寄附
を行うことができるものとするということであります。 なお、
政治資金パーティー
についても、いろいろ各界から指摘があるところでございまして、これからは
政治資金パーティー
は
政治団体
が開催するものとして、一千万円以上の
政治資金パーティー
の収支を明らかにすること、また
政党
については百五十万円、その他については百万円を超える
パーティー券
の
同一
の者による
購入
というものは禁止していくということ、それから、六十万円を超える
パーティー券
の
購入者
、これは
氏名
を
公開
していくということが必要であろうと思っております。 また、
政治資金
の
公開
でありますけれ
ども
、
政治団体
の関係する
政治家
の
氏名
というものははっきりと公表する必要があろうと思っております。また、
政治家
のために
政治団体
に対する
寄附
は、あらかじめ
政治家
が指定した二つ以内の
資金調達団体
に対して行うということで、
資金調達団体
はこれを公表するということであります。また、
資金調達団体
以外の
政治団体
に対してする
寄附
は、年間一万円超のものを
公開
するということがよろしかろうというふうに思っております。 それから、やはり
罰則
の強化ということがございますけれ
ども
、この
違反行為
をした者、また
企業
、
団体
、こういったものにも
罰則
を設けることとするべきであろうということ、それから、
寄附
の
制限
に違反した
寄附
の
受領者
に対して、没収または追徴を科するという厳しいものにすべきであろうと思っております。また、
政治資金規正法違反
をした者に対して
公民権
を停止するということであります。また、
政治資金
による
株取引等
の
投機的取引
は禁止するということ、
政治団体
は毎年、その主な
資産
について、これは
政治家
ということではなく、
政治団体そのもの
も
資産公開
をすべきであろうということであります。
政党
に対する
公的助成
というものについても、私
ども
といたしましては、これからその
考え方
というものを相当詰めて、また
皆様方
の御
批判
を得ていきたいというふうに思っております。 以上、簡単に私
ども
の党としてのこれからの
選挙制度
あるいは
政治資金
あるいは
公的助成等
につきまして、おおよそのものについて
皆様
に申し上げたわけでございますけれ
ども
、私
ども
は
さき
に申し上げましたことを踏まえて、確かに
現行
中
選挙
区
制度
というのは六十数年を超える
制度
でありまして、私
たち
になじんでおるということ、あるいは先ほ
ども
申し上げましたように、
一つ
の
役割
を果たしてきたということでありましょうけれ
ども
、今日の
状況
、そして、これからの新しい大きな国際的な転換のとき、こういったものに対処するためにも今こそ
制度そのもの
にさかのぼってこれを
改革
すること、これを私
たち
は
考え
ていかなければいけないというふうに思っております。 ただ、私
ども
といたしましては、これは
議会制民主主義
の
基本
であるということでございますから、でき得る限り
各党
の
皆様方
とも存分な話し合いをする中で、こういったものをつくり上げていくということが大切であろうというふうに
考え
ておりますので、今後とも
皆様方
の御
批判
、また御
論議
というものをいただけますように
お願い
を申し上げて、私からの
説明
を終わらせていただきます。 なお、本日は、私
ども
の党の中でそれぞれの責任を持っていらっしゃいます、
選挙制度
については
野田毅
さん、それから
政治資金
につきましては
塩崎潤
さん、また全体の
まとめ役
をやっております
事務局長
であります
武村
さん、きょうこの
皆様方
がお見えいただいておりますので、私が今申し上げましたことにつきまして御
意見等
ございましたら、それぞれの
皆さん
に対して御質疑あるいは御
意見
を賜れば大変ありがたいと存じております。 どうもありがとうございます。
石井一
3
○
石井委員長
これにて
意見
の表明は終了いたしました。 ─────────────
石井一
4
○
石井委員長
これより
討議
に入ります。 なお、
討議
の際は、
議事整理
のため、
委員長
の指名により発言されますよう、また、一人一回の発言は五分以内にまとめていただくよう
お願い
いたします。 それでは、御
意見
のある方は挙手を
お願い
いたします。
山花貞夫
5
○
山花委員
羽田理事
から
政治改革全般
について今
説明
をしていただきましたが、そのうち、例えば
国会
改革
問題については
議会制度協議会
で
議論
される場があると思いますし、また、きょうのテーマは
自民党
の
政治改革基本要綱
に基づく
選挙制度
についてということになっておりますので、当
委員会
がかかわる
政治倫理
の問題あるいは
政治資金
の問題については、改めて
議論
の場をつくっていただきますよう、これは
委員長
にも
お願い
をしておきたいと思います。 さて、
選挙制度
を
中心
にして
意見
を述べるに当たりまして、若干、この配付されております十二月二十五日付の
政治改革基本要綱
の
内容
に関しまして伺っておきたい、このように思います。
内容
について確認的な
部分
と、あるいは
内容
についてまだ未調整の
部分
についてその後
議論
も進んでいるというように承っておりますので、そうした点について、まずあらかじめ御質問しておきたいと思うのであります。 全般的にこの
基本要綱
に至る、まず八九年五月十九日の
自民党政治改革大綱答申案
、九〇年十一月十日の
政治改革基本要綱素案
、十一月二十七日の
政治改革基本要綱
の案、そして今回出されております
政治改革基本要綱
、一貫して拝見してまいりますと、全体としての
印象
といたしましては、
国民
が求めている
政治改革
、すなわち、
リクルート事件
から始まって
政治倫理
を求め、
定数是正
を求める中で、
国民
の
政治
に対する
信頼
をいかにして回復するか、こういう
観点
から
政治改革
が
議論
されるべきだと思いますけれ
ども
、全般的な
印象
としては、やはり
自民党
のための
選挙制度
の
改革
、こういう
印象
を否めないというのが私の
意見
であります。 実はそうした
観点
を
前提
といたしまして幾つか伺っておきたいと思うのですけれ
ども
、今申し上げましたように、
基本要綱
の中でもまだ調整できていない
部分
があると思います。今も
羽田理事
がお触れになりましたが、まず第一に
参議院
について、この
内容
を拝見いたしますと、
参議院
の問題につきましては、
二院制
をとっている
我が国
の
選挙制度
の
抜本的改革
ということではありますけれ
ども
、
政治改革
の精神にのっとって抜本的な
改革
については引き続き検討する、この
要綱
の中ではそうなっております。この点について今
羽田理事
は、鋭意検討しているとのことから、
衆議院
は
政党化
、
参議院
は非
政党化
の
方向
で、こういうふうに御
説明
になりました。
審議会
の
議論
その他、我々が知っている限りでは、
参議院
については
推薦制
の
制度
を導入する
方向
で
議論
が進んでいるのではなかろうか、こういうように思っております。そうなってまいりますと、
二院制
をとっている
我が国
の
選挙制度
の
抜本的改革
ということであるならば、
自民党
のお
考え
がもしそういうことであるとするならば、
衆議院
については小
選挙
区
比例並立
である。
参議院
については、例えば
推薦制
である。セットにしてお出しになることが
選挙制度
としての
抜本的改革
ということの
意義
を明らかにすることになるのではないか、こう思っておりますけれ
ども
、この点いかがお
考え
でしょうか。 関連いたしまして、
参議院
の
制度
につきまして、ことしの一月二十二日、
自民党選挙制度調査会
の
参議院選挙制度
に関する小
委員会
、
松浦先生
が
委員長
の会でありますけれ
ども
、ここでは先送りということで、十六回の
参議院選挙
では抜本的な
改革
だけではなく、逆転区の解消のための
定数是正
、いわば
部分
的な
現行制度
の改善、こういう
部分
についても先送りにする、こういう
意見
がまとめられたと伝えられておりますけれ
ども
、
自民党
としてはそういうことなのかということについて伺いたいと思います。 同時に、これは最近の動きでありますけれ
ども
、先月の末、二十九日夜、
日本
時間の三十日と報道されましたが、ボストンで小沢幹事長が、これから
参議院
の
選挙制度
改革
につきましてもセットで出す、そして
政治
日程にのせる、こうおっしゃっているのですけれ
ども
、この点については
要綱
ができ上がった以降の
議論
だと思いますので、一体どうなさるのかということについて伺いたい、こういうように思います。 第二番目に、一番関心が集まる、小
選挙
区三百とした場合の
区割り
の問題についてであります。三月二十七日、これは
羽田理事
が発言したと伝えられているところでありますけれ
ども
、この
区割り
の問題については、要するに法案作成後に明らかにする、こう私
ども
は聞いているわけであります。実は、従来から
区割り
問題については、出すと
議員
の
批判
、
意見
が集中して難しいから先送りにして、法案の骨格だけ先に出したい。実際の
区割り
につきましては
選挙制度審議会
に
お願い
するということもあったようですけれ
ども
、電光石火これをきちんと法案をまとめたい、こういう趣旨に我々受けとめているわけでありますけれ
ども
、実はきょうの新聞を見ましても、
定数是正
について
自民党
、中
選挙
区問題についての四つの試算というものが発表されております。マスコミに出ているコメントを見ますと、加藤担当
委員長
が、「
定数是正
ではいかに多くの
選挙
区に影響を及ぼすかを認識してもらい、小
選挙
区導入の
方向
を強めたい」こうなっているわけでありますけれ
ども
、これは全体として
国民
の前に
選択
を求めるとするならば、中
選挙
区ならば
選挙
区はこうなりますよ、小
選挙
区ならば三百の
選挙
区はこうなりますよ、これまたセットにして出すことが正しい
選択
の
対象
となり得るのではないかというように思うわけですけれ
ども
、この点についていかがお
考え
でしょうか。 三番目に、この
審議会
の
答申
とのかかわりであります。 従来、総理初め担当の幹部の
皆さん
の発言を伺っておりますと、
選挙制度審議会
の
答申
については最大限尊重する、こういうことで一貫しておったと思います。しかし、実際に出てきた
内容
について拝見しますと、最大限尊重ということではなく、八次審の
答申
の中身がまたかなり重要な
部分
において変えられているのではないか、こういうように私
ども
は思っている次第であります。 変えられているところといたしましては、まず人数の問題がございます。
答申
の五百一から四百七十一。もっとも五百一といっても、新しい国調によれば五百というのでよろしいのかもしれませんけれど、四百七十一と数を減らし、かつ、その際に小
選挙
区
部分
について三百は変えない、残る
部分
について
比例
とすると、こうなっているわけでありますけれ
ども
、この
比例
部分
について減らして四百七十一、こうした四百七十一という総体の総数につきましても
議論
があるところでありますけれ
ども
、その点は
答申
との関係で横に置いたといたしましても、この三百という数だけは
確保
して、残りを
比例
区にするということになりますと、
答申
にありました、私は配慮と均衡論ということではないかと思うのですが、小
選挙
区
比例並立
にするのだけれ
ども
、小
選挙
区の特性に、
少数勢力
も
議席
を
確保
し得るという
比例代表制
の特性を加味したものである、そして六、四、こういう数字が出ておったわけでありますが、この六、四のバランスが大きく変わってくるということになります。そのことは同時に、小
選挙
区から締め出される中小
政党
がまた出にくくなるということにもなるわけでありまして、
答申
からこういうように大きく変えることはいかがなものであろうかというように
考え
ているところであります。 その他、二%という問題が出てまいりました。これはまた
少数
政党
が切り捨てられるというところだと思います。
政治資金
の問題、改めてということにしたいと思いますけれ
ども
、
政治資金
問題についても、第七次の
選挙制度審議会
までは一貫して
企業
献金廃止の
方向
でということだったわけですが、これが百八十度転換して、
政党
に絞るんだからよろしいだろうということになったことに加えて、さらに
政治団体
、
政治家個人
に対するものを加えてくる。いわば
審議会
答申
のしり抜けが図られているということでありますけれ
ども
、こうした問題につきましては
審議会
内部でも
議論
があるということが新聞によって伝えられております。
審議会
の
答申
と、重要な
部分
において変更してしまった問題についてどうお
考え
なのか。そして、いわば
自民党
有利に変更した
部分
だけは横に置いて、
区割り
だけは
審議会
にもう一遍頼むということは、
審議会
としても不満が出てくるのではないかと思いますけれ
ども
、いかがなものか。 以上、いろいろ
意見
を申し上げるに際しまして
考え
ておりましたら、この点だけは伺っておきたいということがあったものですから、私の
意見
にかえてそうした質問をさせていただいた次第でございます。
石井一
6
○
石井委員長
山花委員
から非常に多岐にわたる問題の提起がございましたので、どこからでも結構です。順次ひとつ挙手を願いまして……。
野田毅
7
○
野田
(毅)
委員
参議院
の
改革
の問題ですが、我が党として
基本要綱
を決めました後に、もう一遍党としてどうするかということで
論議
をした結果、まず来年行われます第十六回の
選挙
については、いわゆる偶数回であるということもありまして、
基本
的には
現行制度
で行う。そして、第十七回からはいわゆる抜本的といいますか根本的といいますか、そういう
参議院
の
選挙制度
の
改革
を行う、こういうことで党として決めております。 問題は、その中で、なぜ来年従来どおりなのかということが
一つ
あります。それは今申し上げたように、
一つ
は偶数ということもございますし、それからそもそも現在の
比例
区
選挙
、
選挙
区
選挙
、こういう二つの
選挙
によって成り立っておる
参議院
の現在の
制度そのもの
を根底からもう一遍
見直し
てみたい。したがって、当面の是正
措置
ということだけで済ませるのではなくて、やはり
衆議院
の
選挙制度
の抜本
改革
とあわせて、
参議院
も
二院制
本来のあり方という角度の中から、根底から
改革
、メスを入れてみたい、そういうことからかえって来年の
選挙制度
について多少の手直しでお茶を濁すというようなことが逆に障害になるおそれがある、こういう判断から来年度は
現行
どおりで行う、こういうことにいたしたわけであります。 その抜本的な
参議院
の
選挙制度
の
改革
の
方向
性について、御案内のとおり
審議会
の
答申
の中身を見ますと、極力
政党色
を薄めていくという
方向
性が出ておりますね。御指摘のとおり
候補者
推薦制
というものにかなり突っ込んだ言及がなされておりますけれ
ども
、残念ながら途中で思考停止状態に陥ったままになってしまっておるというのが実情だと思います。それで私
ども
はその
候補者
推薦制
ということをも途中で思考停止をしないでさらにそれを具体的に展開していくとどういう仕組みになるのか、それがまた憲法論なり法律論なりそういう
制度
論として実際にどういうような成り立ちができるのかということも勉強していくということも
一つ
の
方向
だと思っておりますが、必ずしもそれにのみこだわるのではなくてまだあと幾つかの
考え方
について現在検討を加えておる最中でございます。それで私
ども
としては少なくともこの
衆議院
、
参議院
の
両方
の
選挙制度
の
改革
ということをワンセットでやりたいという
考え方
を持っております。ただ、
参議院
の
制度
改革
について党内の検討でまだ結論を得ておりません。そこで、極力急いでやらなければならぬと思っておりますけれ
ども
、セットで出すのかどうかということについては現在その
方向
で鋭意精力的に検討を積み重ねておるという段階にございます。これが
参議院
の
改革
の問題であります。 それから小
選挙
区の
区割り
の問題でありますけれ
ども
、これはセットとして法案と一緒に出すべきだ、あるいは法案が成立した後でこの
区割り
を出すべきだ、
両方
意見
はあると思います。しかし実際
区割り
そのものも法律で決めなければならぬことで、
国会
で決めなければならぬことであります。この点について私
ども
は、少なくとも
区割り
案を具体的にどうつくるかということについては極力第三者
機関
的なところで決めてもらうということが最も客観的、公正な判断ができる、我々はそう認識をいたしております。今回我が党のこの
要綱
の中に書いてありますとおり、当面は最初の
区割り
の
具体案
は
選挙制度審議会
に
お願い
をしなければならぬことだと思っておりますが、その次以降は十年ごとに
見直し
をしていくというそれについては、常設の区割
委員会
に
お願い
をする、こういう
考え方
でありますが、ともかく最初の
区割り
案の作成について
お願い
をするためには、少なくとも与党のみでなくて、この
基本
的な小
選挙
区
比例代表並立制
ということについて、やはり
野党
の
皆さん
とのある程度のすり合わせといいますか、そういったことも
基本
的に必要なのではないか、そういうことをも実は感じております。その
区割り
案が具体的に問題になって、その
区割り
案がネックとなって法律の成否に影響を与えるという判断よりも、まずそこの
区割り
案に入る前の
前提
としてやはり少なくとも
野党
の
皆さん
との骨格
部分
についての
基本
的な
考え方
がある程度すり合わせといいますか歩み寄りというものができた上で
区割り
というものを
考え
ていくということが大事なことではないかというふうに
考え
ております。これを法案を提出するときに最初からワンセットで提出することがいいのか、あるいは逆に法案そのものは、最初は
区割り
については別途法律で定めるなり何らかのやり方をする形がいいのか、その点についてはまた御相談をしていかなければならぬことだ、こう思っております。 あと、
答申
を最大限尊重するという中での総
定数
のお話もありましたが、私
ども
も率直に言ってどういう数字がいいのか、もう御案内のとおり、世界の中で比べてみても現在の一億二千万を超える
日本
の
人口
から見れば、現在の総
定数
が多過ぎるということが言えるのか言えないのか、いろいろな角度の問題はあると思います。しかし、
基本
的にやはりこの際
政治改革
をやるということの姿勢が、
政治改革
をやった結果この
定数
がふえちゃったということになると
国民
から見てわかりよいのか否かということをも
考え
、いわゆる本則に戻るということで総
定数
というものを四七一という数字にしたわけであります。 あと、
選挙
区と
比例
との
配分
比率の問題であります。これは御指摘のとおり、
配分
比率六対四というのは
一つ
のめどだと思いますし、
答申
にもそう書いてあります。私
ども
はその点をどういうやり方がいいのか、この辺はまた御相談をしていかなければならぬことだとは思いますけれ
ども
、大体約四十万人に一人というのは小
選挙
区について
一つ
の目安であるし、それからいま
一つ
は、本来この
並立制
というのはやはり小
選挙
区ということが根幹となって、その足らざるところを補完をしていくという
役割
である、こういうことから、やはり主眼は小
選挙
区、そしてそれを補完する
比例
である、こういう位置づけの中から、四七一とする場合にまず三百というものを確定をしてその上で
比例
を、残りを持っていく、こういうことを優先をすべきである、こういうことであります。 それから、いわゆる
政党
要件
、二%
要件
でありますけれ
ども
、これはもう御案内のとおり現在
参議院
の
比例
も実際問題半数改選の中で
定数
が五十人でありますから、結果として言えばこれは言うなら二%に相当する、そういうところから一応我々もその
考え方
を踏襲しようか。まあ西ドイツあたりでは、併用制ということもありまして、そしてその併用制の弊害がいろいろ過去に実際あったということから五%条項というものがある。だから我々もこれは本当に二%でよいのか、あるいは五%がよいのか、その点は
議論
のあるところかとは思いますが、むしろ五%にするよりもハードルを低くして、現在の
参議院
の
比例
で行われておりますそのことを念頭に置いて二%という形の方がより
少数
政党
といいますか、いわゆる新規参入に有利になるのではないか、こう
考え
ておるわけです。
塩崎潤
8
○
塩崎
委員
企業
献金については
政党
にだけに限定しているという
答申
を骨抜きにして
個人
にも認めているじゃないかという御
意見
でありました。私
ども
は
答申
を骨抜きにしたということは全くありません。ただ、小
選挙
区
制度
がどのように落ち着くかということもありましょうから、この動向を見ながら五年間は例外的に存続さしていく、その
限度
は逓減していく、そして五年経過後も、当分の間でございますが、月額二万円の少額のものを認めていくというふうに、限定的に、経過的に、祖父条項といいますか、経過的な規定を設けただけであって、現実に対応して小
選挙
区
制度
を定着させるための、その間の
政治資金
の調達に現実的に対応していこう、こういう趣旨でありまして、私はこれは骨抜きとは全く
考え
ておりません。むしろ
答申
に忠実な
方向
であろうと
考え
ております。
武村正義
9
○
武村
委員
定数是正
と小
選挙
区制をセットで出すべきではないのかという御指摘もございました。
自由民主党
は、中
選挙
区制のもとにおける
定数是正
の党の案を出す
考え
はございません。これは先々週の
論議
でも申し上げたことであります。けさ新聞に出ておりますのは、
羽田理事
が申し上げたとおり、大綱に示しておりますように、党の方針は
選挙制度
の
改革
と一体に
国会
決議を全部消化していこう、あくまでもこの
考え
でございまして、別途
現行制度
を
前提
にした
考え方
と二本立てで出していく
考え
はないということを重ねて申し上げたいと思います。
石井一
10
○
石井委員長
ほかにございませんか。大体カバーしたようですか。――それでは進めましょう。
佐藤観樹
11
○佐藤(観)
委員
今、
山花
理事
の方から、この
要綱
について
基本
的にどう
考え
ておられるのか、不透明
部分
について
前提
としてちょっとお話があったのですが、私も二、三伺いたいのです。
一つ
は、
二院制
をとっている以上、
衆議院
をこういうふうに変えるとなれば
参議院
はどうする、
参議院
がこうだから、それでは
参議院
の方はこう変えて、
衆議院
はこうするというように、いわば両々相まってと申しましょうか、
野田
委員
からお話があったように、
二院制
である限りやはりワンセットで
考え
るべきだと思うのです。それで、いろいろ
考え
るときに、私
たち
も永久的に中
選挙
区制と言っているわけではないわけです。私
たち
は
比例
代表
が一番民意を正確に反映する
制度
であると思っている。
衆議院
をそう変えた場合に、今度それでは
参議院
はどうするか。率直に言ってこれはなかなか難しい。 しかも、
皆さん
方のように、小
選挙
区
比例代表制
というのを
衆議院
に導入しようというときに、事実上
参議院
は、正確には小
選挙
区
比例代表制
ではなくて中
選挙
区
比例代表制
というやり方だと思います。ただ、四十七
都道府県
で四十一県が一名区、二名区ですから、小
選挙
区と言ってもいいかもしれませんが、それは別といたしまして、事実上同じような
制度
になっている。これは、経過が
全国
区から
比例
代表
に変わったということがありますから、それはそれとして、
皆さん
方にとりましていわば一番理想と思われるような
制度
が既に
参議院
に入っておるわけですから、
選挙制度
として、では
参議院
どうしましょうというと、なかなか答えは出てこないというのがある程度当然の理なんですね。 そこで、いずれにいたしましても、
二院制
のもとで、今は
衆議院
が中
選挙
区制で、
参議院
が正確には中
選挙
区
比例
代表
の格好になっているということ、しかし、
衆議院
を小
選挙
区
比例代表制
とした場合に、
参議院
をこのままの
制度
にということにならぬでしょう。
参議院
の側がまたこれをどう受け取られるかということもありますが、いずれにしろ、これはどうあれワンセットで
考え
るべきことだと私は思うので、
衆議院
だけやってみてということにならぬだろうと思う。そのあたり、どういうふうにお
考え
になるか、お伺いしたい。 もう
一つ
、私は、
選挙制度審議会
でも
皆さん
方でも、
参議院
の
選挙
のやり方について
政治資金
との関係で非常にわからないのは、
選挙制度審議会
の
答申
もそうですけれ
ども
、非
政党化
をなるべく目指している。これは第七次の
選挙制度審議会
の、いわば
政党化
というのは
時代
の流れの中でやむを得ないんだということの
前提
と違うということは、それはそれとして、
政治資金
の方は
基本
的に
政党
に限っていこうではないか、
塩崎
先生からお話があったように、当分の間、五年間は
経過措置
として、いろいろなやり方があるにしても
基本
的にこれは
政党
に絞っていこうではないかという
方向
の中にあるときに、片や
参議院
の方は非
政党化
を目指そうという。
参議院
の方というのは一体
選挙
をどうやってやられるというイメージで物を
考え
ていらっしゃるのかというのが非常にわからない。この点を御
説明
いただきたい。 三番目に、
野党
四党あるわけですけれ
ども
、社会党と他の三党で若干立場の違いがあるのは、私のところも、百三十
選挙
区のうち三十
選挙
区で複数立てているわけですね。きょうおられる中でも小岩井さん、
仙谷
さん、堀先生、
山花
理事
、七人のうちこの四人は、複数を立て、今回は幸いにも当選をしてきているわけですよね。私は複数でやっていないから、必ずしもその辺のところは、内部の競争のあり方というのは実感としてわからない点が確かにあるかと思いますが、社会党は社会党なりに
組織
割りをしたり地域割りをしたりして複数が出れるような配慮をしておるわけですね。ですから、そういう意味で百三十のうちの三十、今回はそういうことでやったわけです。共産党さんの場合、京都一区だけ複数出されていますが、あとは単数でやられるところと複数でやるところの悩みというのは、その意味ではわからぬわけではないですが、しかし私
たち
は、
選挙制度
を変えるならば、最終的には一番民意を反映するのは
基本
的には
比例
代表
だ。
比例
代表
というのはあたかも弊履のごとく当初から捨て去ったがごとく報道もされるし
皆さん
方の方からもそう言われる。ですから私は、中
選挙
区制というのは永久不変とは申しませんけれ
ども
、変えるなら一番民意を正確に反映する
比例
代表
。それはいろいろな格好があるし、いろいろな
考え
をこれからいろいろ詰めていけばいいと思うのですが、
比例
代表
というものは世界の大勢であるし、小
選挙
区
比例代表制
などという
制度
自体は世界にないわけで、まあ強いて言えば、言うまでもなく
参議院
が一番近いということになるわけで、
比例代表制
というものをもっと詰めていく必要があるのではないかというふうに思います。 私は、今申しましたように、永久不変中
選挙
区制だというふうにこだわっているわけではないのです。ただ、この前の
議論
にありましたように、やはり民主主義でありますから、ルールあるいは手続をちゃんとしていこうということで、
定数是正
は
国会
決議をしたことだからやりましょう、あわせて
選挙制度
のあり方についても並行的にひとつ
審議
をしていこうじゃないですか。
定数是正
の
審議
をしたときもおわかりのように、こちらはやるならとにかく全部
比例
代表
、
自民党
さんはだめ、まあ強弱はあるにいたしましても。ですから、そういう意味で、さらにもう少し突っ込んで
比例
代表
の案というものについて
自民党
さんも
考え
てもらう必要があるんじゃないか。ですから世間では小
選挙
区制初めにありきか、
政権
維持、なお一層継続させるために、こういうことかというふうにとられるのは、これはある程度とる方も正しいと私は思っているのです。
比例
代表
というものについてさらに真剣に
考え
ていく必要があるのではないかというふうに思いますが、この点についての御
意見
を聞かせていただきたいと思います。
野田毅
12
○
野田
(毅)
委員
衆議院
の
改革
と
参議院
の
改革
はワンセットで
考え
るべきだというようなお話は、私はそのとおりだと思っております。ただ、これを同時並行的にやっていくということになると、結局片っ方の足がしっかり定まらないと、もう片っ方の足も定まらないわけで、そういう意味で、まず
衆議院
としての望ましい
制度
のあり方はどうなのかということをセットする、そしてそれを
前提
として
参議院
の
制度
改革
を
考え
るということでないと二兎を追う者は一兎も得られないことになりかねません。そういったところから、
衆議院
の
制度
をどのような形に改めるのかということで、まずそれを先にセットする。そこで、
参議院
の
制度
改革
をどういうスタンスでやるかということは、今御指摘がありましたように、これは
衆議院
はより
政党政治
といいますか、
政党本位
、
政策本位
の
選挙制度
に持っていくということをより鮮明にしていく。他方で、
二院制
度という
長所
を生かすためにはやはり
政党色
を極力薄めていくような方策はないかということ、実はそれを立脚点として
参議院
の
制度
改革
を行っていくのだ、こういう
考え方
でおるということはさっき申し上げたとおりです。これは言うべくして、
具体案
になると甲論乙論いろいろあると思います。しかし、今申し上げたように、我が党内で、私の仰せつかっております
委員会
の中に小
委員会
を設け、その
具体案
について、いろいろ
具体案
がございますが、それについて今鋭意検討しておるということですから、
基本
的には今佐藤さんがおっしゃった
方向
性と同じ
方向
性で問題意識をとらえておるということかと思っております。その中身によっては、場合によって
政治資金
の取り扱いについても変更が加えられることも出てこようかという気もいたしております。 それから、最後の
比例
代表
の話ですが、我々これは真剣に検討しました。ざっくばらんに申し上げて、我々の党内
論議
の中では、思い切って
衆議院
を完全小
選挙
区、
参議院
を完全
比例
代表
ということにしたらどうかという
意見
も大変強くあったことは確かです。しかし、完全小
選挙
区というのは、英国のようなやり方もそれは
一つ
のやり方だと思いますが、今直ちにそういう形に持っていくということになると、
少数意見
をどう反映させるかということにおける難点をなかなか克服しづらい
部分
があるということから、
比例
代表
並立という結論に落ちついたわけです。
羽田
先生が冒頭申し上げたとおり、本来
衆議院
の場合は、根本的に
参議院
と違うところは、少なくとも
衆議院
というのは
政権
を争う
選挙
である。したがって、一遍でき上がった
政権
は、できれば少なくとも一党
政権
なり、せいぜい二党連立、それ以上たくさんの
政党
が連立に加わらなければならぬような
政権
は、でき上がった
政権
の安定度が極めてよくないという致命的な欠陥がある。
比例
代表
ということであれば、どうしてもいわゆるミニ
政党
、いろいろなたくさんの小会派がどんどん出てくる。したがって、御案内のとおりドイツにおいては、
比例
代表
ということではあるけれ
ども
、五%条項というものを設置することによってそういうミニ会派を極力排除するということを現実にやっておる。されば、さっき
山花
さんから御指摘もありましたけれ
ども
、
日本
において果たして五%条項というものが可能なのかどうなのか、そういったことをも念頭に置く必要もある。そういうところから、やはり
政権
としては、しかも解散
制度
もあることでありますから、でき上がった
政権
は、特に国際情勢がいろいろ変化していく中で、これからは非常に大事な変革の
時代
に入っていく中で、
政権
の強さというものが一方で必要である。しかし一方で、それだけではよくない。そこで、極力
参議院
の方でそのチェック機能を十分に果たしていくために、逆に非
政党化
という形によって、
衆議院
の
政権
の行き過ぎをチェックする機能を十分に果たさなければならない、そういうシステムを
考え
るべきである、こういうことなんです。
比例
代表
についてまだまだいろいろなやり方もあろうかと思いますけれ
ども
、私
ども
やはり問題が多いのではないか。その五%条項が
日本
で本当に可能なのかどうなのか、そのことが最大のポイントだと思っております。
塩崎潤
13
○
塩崎
委員
佐藤
委員
が二番目に、
参議院
改革
と
政治資金
規正法との関係、特に
参議院
が非
政党化
された場合の
政治資金
のあり方等については問題があるではないかという御指摘でございました。私も、いろいろな問題が出てくる
可能性
はあるかと思います。 しかし、
政治資金
規正法は現在でも
参議院
のみならず地方
議員
にも適用されている法律であることは御案内のとおりでございます。しかも、
参議院
の
選挙制度
の
改革
の
方向
は、
政党化
というような言葉がどうなのかわかりませんけれ
ども
、これがあらわすように、
選挙
に金がかからない
方向
での
改革
になるのではないかというふうに私は思いますので、現在の
政治資金
規正法という大きな袋、しかも
改革
後もまた大きな袋として役立つことを
考え
れば、私はこれを適用してそんなに不合理な事態が生ずるとは思いませんが、
参議院
改革
の具体的な
方向
がはっきりした場合に特殊な事態を織り込むようなことが出てくる
可能性
はあるかもしれない、こんなふうに
考え
ております。
河上覃雄
14
○河上
委員
これは確認ということでお
考え
を示していただきたいのですが、例えば小
選挙
区に三百、この際に
各党
一名ずつ立つという原則になるわけでございますが、この
自民党
さんのお
考え
になりますと、この一名を
決定
するシステムですね、各選手区に一名を配置していくわけですけれ
ども
、どのような
決定
システムになるのか、その辺をちょっとお
考え
を示していただきたいと思います。
野田毅
15
○
野田
(毅)
委員
お尋ねは、いわゆる公認
候補
の選定システムですね。これは今まさに、法律事項ではないのですけれ
ども
、この
制度
をやる場合に我が党として一番の関心事はそれなんです。だれがどの
選挙
区から出るのかということが最大の関心事でして、これをどうやって党内の円満なさばきをしていくか。実は率直に言って、妙な形で決まると党内のことだけでは済まされない。もし妙な形で決まったらやはり
有権者
はそれを
批判
するわけですから、党内で合意が得られるのみならず、その選考過程が言うなら
有権者
からも公正な選考過程であるということができるだけわかる必要がある。そういう意味で、客観的な選考基準をどうつくっていくかということが非常に大事なポイントになると思っております。我が党内で別途
候補者
選定に関する小
委員会
というものをつくりまして、もう既に二カ月にわたって鋭意具体的な選考基準といいますか、今勉強を積み重ねております。したがって、これは党内的な問題ですが、この法律を法案として提出して御
審議
をいただくという段階になる前に、まず党内的にその
部分
がはっきりしないと党内調整そのものが逆に難しくなるだろう、我々は
政治
的にはそう思っております。 ただ、現在の中
選挙
区
制度
で圏内におさまるのかどうかという
部分
もありますが、いわゆる
制度
定着後における公認ということは、原則として現職優先ということは、我々これは小
選挙
区の英国を初め大体どこの国でも同じようなことだと思っております。いわゆるアメリカ型のプライマリーというやり方はすべきではない。むしろそれぞれの地元における意向ということを尊重するというのはこれは大事な事項でありますけれ
ども
、やはり
補欠選挙
が今度は必至になるわけですから、そういう意味で公認
候補
予定者
というものは早く決めておく必要があるということはまず第一だと思っております。 そこで、
制度
定着後における新人の登用のあり方について、英国の保守党の例であるとかいろんなことを今勉強いたしておりまして、これを法律案として
国会
で具体的な
審議
に入るころには我が党内的にもその
候補者
選定手順というものをセットしたい、こう思っております。
仙谷由人
16
○
仙谷
委員
きょうは
選挙制度
の問題が
中心
だということでございますけれ
ども
、従来自治大臣に対する質問をずっと行ってきまして、今度の
政治改革
についてはいわゆる
選挙
の
制度
、小
選挙
区なのか
比例
代表
なのかということのみならず、いわゆる
政治資金
それから腐敗防止の関係、これをワンパッケージで行うんだというのが自治大臣のお答えであったわけですよ。つまり、そもそもの出発点が
リクルート事件
から始まったこの金権
選挙
をどうするのか、
政党
、
政策本位
の
選挙
にするためにはどうしたらいいのかというところから始まっているわけですから、
選挙制度
だけいじってできると
考え
るのはちょっと楽観的過ぎるというのはこれはもう常識だと思うのですね。 そこで、
自由民主党
の
政治改革基本要綱
の「
選挙
の
腐敗行為
に対する制裁の強化」というところを拝見しますと、どうもこれじゃ何もしないということを宣言しておるようなものじゃないかという気がするんですね、
一つ
は。この程度のことしか現時点でもお決めになってない、お決めになってないというか案としてもないのか。 それからもう
一つ
は、ワンパッケージ論というのは、やっぱり自治大臣だけじゃなくて
自由民主党
も、
政治改革
というのは腐敗防止、
政治資金
、
公的助成
含めたワンパッケージで
野党
に示す、あるいは
野党
と協議をしながらワンパッケージとしてつくっていくんだ、こういうお
考え
なのか、この点ちょっと確認させていただきたいと思います。
羽田孜
17
○
羽田委員
ただいまの御指摘にありましたとおり、我が党といたしましては今御指摘のあったことをこれを全部ワンパッケージでやろうということじゃないのです。それから、腐敗防止につきましても、これはさらに検討し、法案の骨子などをつくるときにはもう少し深めていかなければいけないと思っております。 しかし、この中に一項だけ、先ほど私がちょっと述べた中でも申し上げましたとおり、要するに
一つ
の
選挙
区から五年間も
立候補
ができないということはこれはもう大変に大きなパンチがきいてくるということであろうというふうに私
ども
は確信をいたしております。
東中光雄
18
○東中
委員
二、三点聞きたいんですが、
選挙制度
の
改革
については当
委員会
では何回も私申し上げていますが、八七年の九月にも八八年の五月にも政府側あるいは自治省選
挙部長
の答弁で、
選挙制度
は
国会
の構成の
基本
に関する問題だ、それから
各党
の土俵づくり、だから
各党
間で
論議
し
審議
して原則をつくって
選挙制度審議会
に諮るなら諮るというふうな方法をとるべきだ、特に中
選挙
区制をどうするかというふうな大問題になれば、十分
国会
で
論議
をしてやるべきだという態度なわけですね。これは八八年の四月の当
委員会
の
審議
でもそういう趣旨のことが言われている。ところが、八八年の夏からいわゆるリクルート問題が起こって、何のそういう
国会
の
審議
もないままで大綱、いわゆる
政治改革
大綱で、八九年にいわゆる小
選挙
区
比例
代表
、
並立制
とは言ってないけれ
ども
、小
選挙
区制を
中心
にして
比例
代表
を加味するという案が出てきた。これは従来の政府のあるいは自治省
選挙
部が言ってきた態度とは違ったやり方で八次審を開いて出してくる。
自民党
の方針に従ったものでちょっとこれは問題じゃないか。今までの答弁では、そういうようなことをやったら、一方的にやればそれは現実的でないし民主的でない、そういうふうにちゃんと
論議
をしてやるのが民主的で現実的であるという答弁もありますから、そういう点をひとつどう思っていらっしゃるのかというのが第一点です。 それから第二点としては、大綱が出されて、そして今度は八次審に諮問をして、八次審の
答申
は大綱に
基本
的に一致しているんだけれ
ども
、違う
部分
が何ぼかあった。総
定数
とか
配分
とかあるいは格差とかということについて違う
部分
があった。その
部分
については今度は
基本要綱
で全部大綱の趣旨へ戻っちゃった。大綱の趣旨を原則的に入れた
答申
とは矛盾してないけれ
ども
、
答申
でちょっと違ったかなと思う
部分
は、全部
答申
の
部分
は変えたというのが
基本要綱
ではないかという感じがしておりますが、この点どう思われますか。 だから、総
定数
の問題にしても
選挙区間
格差の問題についても後藤田さんが何かパンフに書いているのを見ますと、これは違っているんだ、
自民党
としては
都道府県
間格差を二対一未満としているのであって、
選挙区間
の格差は一対二という
答申
は全然違うんだというふうなことを実際に発言されたわけですね。それを今度はもとへ戻しておるというふうな感じを私は持っています。 それからもう
一つ
は、小
選挙
区制は
政権交代
の
可能性
を高めるという今の
羽田
さんの
説明
もありました。それについて朝日新聞九〇年五月十二日の「ざっくばらんに
選挙
改革
を聞く」というやつで当時の小沢幹事長はこう言うてますよ。「小
選挙
区制について
自民党
の「従来の
得票
をあてはめて
考え
る」と、
自民党
に圧倒的に有利で、
自民党
が圧勝する。公民は「現実問題として、目先をみれば」「埋没してしまう」とし、「その中から必然的に、これでいいのかという
議論
が起こるし、だれだって、健全な
野党
が必要だと
考え
る。」だから、これは
自民党
の独裁だ。「健全な
野党
が必要だと
考え
る。その時、今の
野党
が
中心
になった新しい
政党
ができるのか、
自民党
が分れるのか分からんが政界再編が行われるんじゃないか」」、こういう
考え
ですね。 それからやはり同じ小沢さんの「思春期を迎えた
日本
の
政治
」、講談社の本の中で「小
選挙
区制を導入したら
自民党
に有利だといわれている。しかしながらそれは最初のうちだけだろう。……何度か実施されるうちに必ず健全
野党
が育ってくる」。だから、何回かやったら今度は健全
野党
を育てる、そういう
制度
である、こういうふうに当時の幹事長の小沢さんが公にしているわけですね。活字になっている。そういうことについてどう
羽田
さんはお
考え
になっておるのかお伺いをしたい。 それからあともう一点だけですが、
政治資金
はやはり
個人
に限るとすべきじゃないか。営利を目的にする株式会社側が
選挙
の
投票
を左右するようなそういう資金を出すというのは、これはやはり
基本
的に間違っている。
政治資金
というのは
政治
参加なんだから、
国民
の浄財だということは法律にも書いてあるし、それから
答申
にも書いてある。そういう点からいえば、株式会社が
国民
である、
国民
の浄財だ、これは通用しない理屈ですね。アメリカや西ドイツの判例も、八〇年の場合の判例でもそういう
考え方
が出ているので、やはり
個人
に限るという
方向
をとるべきではないか。社会的実在であるから金出してもいいんだ、そんなことを言い出したら社会的実在というのはいっぱいあるのですよ。それはやはりいかぬのじゃないかというふうに思うのですが、
基本
的な
考え方
として
政治資金
の
考え方
をお伺いしておきたいと思います。
羽田孜
19
○
羽田委員
後藤田さんのお
考え
について、これは後藤田さん
個人
のお
考え
だったんですけれ
ども
、その
議論
を踏まえながら私
ども
がこういう
決定
をしてきたということだけ申し上げておきたいと思っております。 なお、
制度
は公正でまた民主主義の
基本
であろうということで、八七年、八八年にここで
議論
されたことをもとにしてのお話があったわけでございますけれ
ども
、私
ども
といたしましては、従来から実は
制度
については党の中で
議論
もされてまいりましたけれ
ども
、しかしこの前の
リクルート事件
等が起こった。私
たち
はすりかえをしようというのではなくて、そういう経験を踏まえ、また過去にそういったものが起こってきたことを踏まえながら、今までは
政治資金
規正法とかそういったものの
改革
をしてきましたけれ
ども
、やはりそれだけではどうにもならないということで、その根本にさかのぼって
選挙制度そのもの
に踏み込まなければいけないだろうということで、実はこういう
方向
を今たどりつつあるということであります。しかも、この問題については
各党
で話し合っていこうということであります。ですから私
ども
は
要綱
をつくったこの時点で、
各党
の党首の
皆様方
に我が党の海部総裁の方から我が党はこう
考え
ますということをもう十二月の時点で実は申し上げ、そして
皆様
にもやはりお
考え方
をぜひ聞かせていただきたいということを申し上げ、またこういった
機会
を
委員長
に特におつくりをいただき、
皆様方
と一緒に
議論
をしていこうということで、私
ども
はやはり
皆様方
と、民主主義の土台でありますから、こういった問題についてはともに話し合いながら行こうという原則は全く変わっておらないということを申し上げておきたいと思います。 それから、小沢さんが話されたこと、あるいは今の本に書かれておるということについての御指摘があったわけでありますけれ
ども
、この
考え方
、実は私も先ほど申し上げました中で二大
政党
を
中心
としてということを申し上げましたけれ
ども
、私
ども
の今度の小
選挙
区
比例並立
というこの形は、やはり小
選挙
区というものが
基本
になっておるということだけは申し上げることができます。そして、そういう中で今のいろいろな大きな転換期の事態に対応するために、これは二つの大きな勢力といいますか
考え方
のものが
中心
になって、これは当然幾つかのほかの
政党
というのが残っていくということであろうと思っておりますけれ
ども
、そういうものが頭の中にあるということは、結果としてそういうものが生まれてくるであろう、またそういう結果が必要であろうというふうに
考え
ておるということは事実であります。 それから、勝つ負けるという話については、前回あるいは前々回こういったものをインプットしてやると、確かに我が党というものが何だかんだと言いながらまだ勝つということはあり得るであろうけれ
ども
、何回か重ねているうちに違った結果が出てきますよということはそこで書かれておりますけれ
ども
、しかしそれほどさかのぼらなくても、一人区の場合には一昨年の
参議院
の
選挙
が如実に示しますように、また一昨日の地方統一
選挙
の県会
議員
選挙
というものが、その前の
衆議院
選挙
、その前の
参議院選挙
とはまたがらっと変わってしまう。結局その
選挙
と
選挙
の間にどの
政党
がどのような動きをしたかということが実に見事にあらわされたというのがこの
参議院
の
選挙
の結果であり、また今度の地方統一
選挙
の結果であったろうというふうに私は思っております。ですから、何回か繰り返されているうちにというのは余り隔絶した
意見
ということじゃなくて、むしろ
意見
というものはだんだん現実的に収れんされてくるであろうということは言えますけれ
ども
、
選挙
そのものの結果というのは、変なスキャンダルを起こしたらその
政党
はもう必ず敗れるということになるでしょうし、
国民
に理解されない
政策
を強引に押しつけていくとしたらこれまた必ず敗れてしまうであろうというぐらい、何というのですか非常にはっきりと民意というものは個々に反映されるであろうというふうに思っております。 ですから、私
ども
の党の
議論
の中で、今のままでいけば我が党は永久
政権
でいけるにもかかわらず、こんな
制度
を導入したら我が党として
政権
からおりなければならない場面というのは幾つも出てくるであろうということで、むしろそういった
批判
というのが我が党の中でも逆に強くあったということでありまして、私はそういった意味で、互いに緊張した中で
政治
が行われていくということは今最も望まれるものであろうというふうに
考え
ております。
塩崎潤
20
○
塩崎
委員
東中
委員
、例のいつも主張される御持論を展開されて、
政治資金
は
個人
献金に限るべきであるということでございます。私はおととし
政治資金
規正法改正案を提案した際に大変お知恵を賜ったわけでございますが、私
ども
はやはり
企業
献金をまず第一に、これは
政治
的行為の自由の中に入るという最高裁の昭和四十五年六月二十四日の大法廷の判決を私はかたく信じて、これが正しいものだ、こういうふうに
考え
ております。したがって、あの際にも答弁を申し上げましたが、むしろこれを禁止すること自体憲法違反のおそれすら出てくる、このような疑問も出てくるわけでございます。 第二に、今度は、小
選挙
区
制度
に改変されるからそれに応じて
政党
に限定する、こういうふうになっているわけでございまして、今度
個人
政治家
に対する
企業
献金は、臨時的な経過的な
措置
は残りますけれ
ども
、原則としてなくなる、こういうふうに
考え
られるところでございます。 なお、今アメリカのごとくドイツのごとくという外国の権威のようなお話がありましたが、外国の
制度
を見ましたが、私はドイツはそのお話を聞きませんので、なるほど東中
委員
の言われることは正しいのかなと思ったら、ドイツは法人献金は認められておって法人税の控除まであることを今気がついたところなので、これはまたひとつ後でお教えをいただくことにして、私は
企業
献金は当然現在の憲法のもとでは許されるべきであるし、
政党
に限定するということは、小
選挙
区
制度
に伴うところの
政党本位
の
選挙
にすることに対する
一つ
の改変だ、こんなふうに
考え
ております。
武村正義
21
○
武村
委員
ちょっと補足ですが、一昨年
自民党
は大綱を決めて、その後、昨年政府の
審議会
の
答申
が出た。大綱とかなり違っている点があったにもかかわらずまた
要綱
でもとへ戻したじゃないかという御指摘がございましたが、どういう点でおっしゃったのかよくわかりませんが、例えば
選挙制度
に限って
定数
の問題を例にとりますと、大綱は四百七十一以下ということをはっきり書いています。しかし、一定の目標を定めて段階的に着実に減らしていこう、こういう表現でありました。 それから、
選挙制度そのもの
は、小
選挙
区の導入を
基本
として
衆議院
の
選挙制度
の抜本
改革
に取り組む。ただし、この際、
少数
世論を配慮して
比例
制の導入も検討する、こういう表現が大綱ですから、ちょっと例を挙げましたけれ
ども
、大綱はまさに大綱、
基本
的な
方向
づけをしておりまして、具体的な例の
審議会
の
答申
が出ました。その中で一部修正はしておりますが、
基本
的には
答申
を文字どおり尊重させていただいてこの
要綱
を定めさせていただいた、こういうふうに私
ども
は認識をいたしておりますので、誤解のないように
お願い
します。 〔
委員長
退席、穂積
委員長
代理着席〕
川端達夫
22
○川端
委員
一、二技術的なことでお尋ねしたいのですが、先ほどから御
議論
の中で、やはり
選挙制度
と
政治資金
あるいは
政治倫理
等々は
制度
をいじる上にセットになっているという御
議論
で、
考え方
としてはそれなりに理解できないこともないのです。しかし、
政治資金
、もともとの
政治改革
の大きなインパクトになりましたリクルート等々含めて、やはり
国民
が
政治家
にまつわるお金というものに関して、より透明性を持つべきであるというふうな期待というのは非常に強いというふうに思います。 同時に、この前も
選挙
法で
寄附
禁止を
制度
改革
でやりましたけれ
ども
、当然ながらすべての
政治家
ということで地方
議員
にも及んでいるわけです。という意味で、地方もこの前の
選挙
も無
投票
が多かったということが報じられておりましたけれ
ども
、
選挙
にお金がかかる、そしてその周辺での不透明な
部分
、ダーティーな
部分
というのの指摘は、
国会
だけではなくて地方
議員
にも非常に及んでいることであります。この
部分
の透明さ、清潔さというものを
確保
するという
観点
は、
選挙制度
にリンクしなくても早急に、しかも
各党
がそんなに隔たる
意見
を持っているわけではございませんので、セットにこだわることなく、ぜひとも私は先にやるべきであるというふうに思います。むしろ、その
部分
は何か非常にセットにこだわっておられるような
印象
を受けるのですが、一方で、セットに必ずこだわらなければいけないのが
衆議院
と
参議院
の
制度
を同時に変えるということだというふうに思います。
衆議院
がどういう
役割
を持ち、
参議院
がどういう
役割
を持つかというスタンスということで、先ほど
野田
先生からお話がありました。その
議論
を構築していく過程においてのスタンスを片端から決めていくということは理解できるのですが、
制度
を変える、いじるということで、最終的に提起をされるときには同じように一緒に変えるという案が出てこないと
議論
ができないのではないかなというふうに思います。先ほど佐藤先生や
山花
先生も御指摘されたので重複するのを避けますけれ
ども
、セットにこだわるべきところにこだわられずにという感じを受けますので、むしろ切り離してでもやるべきだというところでセットにこだわられるような
印象
を受けますのですが、繰り返し重複することになるかもしれませんが、もう一度
お願い
したいと思います。
武村正義
23
○
武村
委員
先ほど
仙谷
委員
からの御指摘があって、腐敗防止はこれだけではというちょっと御指摘もあったのですが、確かに腐敗防止のところには二、三行しか書いておりません。しかし、
議論
がありますように、まさに
要綱
全体が腐敗防止のための
考え方
だというのが私
ども
の認識でございます。要するに同士討ちで、後援会
中心
の大変金のかかる今の中
選挙
区制をまず改めようという
考え
もあるわけです。あとは
政治資金
はここにも示しておりますように、
企業
献金もそうでありますが、
資金調達団体
を二つに絞ろうとかパーティーは規制しようとか、それから
資産公開
もやっていこうとか、これは全部いわば腐敗防止の姿勢であります。今の川端
委員
の御指摘も、確かにワンパッケージといいますか、セットにこだわるべきじゃないという御指摘ですが、セットをそう気にしないで、まさにセットで物を、全体を
考え
ることに余り消極的におっしゃらないで、ぜひ全体で相互に、非常に関連は深いわけでありますだけに、一挙にやはり変えていこうという
考え方
を私
ども
は持ちたいと思っているわけでございます。
井上義久
24
○井上(義)
委員
私も今回の
政治改革
、リクルートに端を発しまして
国民
の
政治不信
というのが非常に高まった。これに何とかこたえなければいけないということから、この
議論
が出発したわけでございまして、そういう意味で
政治倫理
の問題、
政治資金
の問題、それとこの
選挙制度
の問題、この三つがあるわけでございますけれ
ども
、どうも
議論
を聞いておりますと、この
選挙制度
を盾にとって
政治倫理
、
政治資金
に踏み込もうとされてないのじゃないかという感を否めないわけでございます。 この
選挙制度
の問題につきましては、やはり今
定数是正
、待ったなしの状態になっているわけでございまして、やはり早急に
定数是正
に手をつけるべきだ。もちろん中長期的な課題として
選挙制度
の
改革
ということは
議論
しなければいけないわけですけれ
ども
、その場合もやはり民意を正確に反映するということが
基本
だろうと思うわけでございまして、そういう意味では、やはり
比例
代表
ということをこの
議論
の
中心
にすべきである、私はこう思うわけでございます。 先ほど五%条項、果たして
日本
でそれができるかというお話がございました。これは西ドイツの場合、まあそれはナチの進出を防ぐということが一番の課題だったわけでございまして、その国その国の事情というものが考慮される。
日本
の場合は、この中
選挙
区制を長くやってきたことによってある程度の
政治
勢力というものが、
代表
する
政治
勢力が育ってきておるわけでございまして、ここで
比例
代表
をやると、それに反映された形で
議席
配分
がなされるだろう、余り
少数
が雨後のタケノコのように出てくるということは心配しなくていいのじゃないか。
一つ
ないし二つの
政党
が
政権
を担うような勢力は、私は
比例
代表
によっても十分
可能性
があるというふうに思うわけでございまして、よしんば小党分立したとしても、私はそれが
国民
の
意思
であれば、その
国民
の
意思
に従うのがやはり民意を正確に反映することになるというふうに思うわけでございます。 そういう意味で、この
比例
代表
というものを軸に、やはりもう一回
与野党
でしっかり
議論
を、初めに小
選挙
区ありじゃなくて、
比例
代表
というものをもう一回俎上にのせて
与野党
で協議をするという出発点からもう一回
考え
直すべきじゃないか。 この点の
議論
を
一つ
お聞きしたいということと、もう
一つ
は、
要綱
の中にも出ておりますけれ
ども
、小
選挙
区にした場合、
自民党
の代議士の
皆さん
といろいろ個々にお話をしていますと、私はどうもだれも望んでいらっしゃらないのじゃないかというふうに思うわけです。それはなぜかといいますと、やはり小
選挙
区ということは、
候補者
を党が決めるなりいろいろな決め方はあると思いますけれ
ども
、例えばイギリスだとかドイツなんかを見ましても、どちらかというと
議員
というのはサラリーマン的といいますか、やはり
日本
の場合は、特に
自民党
の
皆さん
はそうですけれ
ども
、自分の
意思
で
立候補
して、自分の力で当選してきていらっしゃる。それなりにそれなりの権威というものがある。果たしてそういう
議員
の質というものが抜本的に変わるということについて、どうも余り望んでいらっしゃらないような
印象
を受けるわけでございます。 これが
一つ
と、もう
一つ
はやはり小
選挙
区で先ほ
ども
ちょっと
議論
が出ましたけれ
ども
、この
候補
の選定基準ということが一番問題になるのだろう。現在、
参議院
の
比例
代表
順位
づけでもいろいろなことが言われているわけでございまして、これを放置したまま小
選挙
区制あるいは
比例
代表
を導入したとしても
国民
の
政治不信
は変わらない。それから、アメリカなんかのようにプライマリーをやる。このプライマリーをやるということは、いわゆる公の場で
候補
を選ぶ。きちっとした公選法上の例えば記載があった場合は適用を受けるというような、やはり開かれた
候補者
選定ということが
前提
になるわけです。例えばプライマリーをやるということになりますと、これはどうしても二大
政党
、既に二大
政党
が
前提
になってプライマリーが行われなければいけないわけでございまして、例えば
日本
のように現状
一つ
の
選挙
区に四つなり五つなりの
政党
候補
を立てるということになりますと、これはもうプライマリー自体が成り立たないわけでございます。そうしますと、この
候補
の選定基準ということについては、やはり非常に難しい問題に直面してしまう。 それから、さらに言いますと、
政策本位
あるいは
政党本位
とおっしゃるのですけれ
ども
、例えばアメリカなんか見ますと、先般私も行きまして、いろいろなところを回りまして下院
議員
の
皆さん
といろいろ懇談いたしましたが、例えばウエストバージニアに行きまして環境保護法案の問題が
議論
になりました。ウエストバージニアというのはどちらかというと硫黄分の多い石炭を産出しておるところでございまして、それで、あなたどうなんだというふうに聞きましたら、もちろん
個人
的には環境保護法案賛成だけれ
ども
、地元でこれに賛成したらとても当選できない、ですから
投票
は明確に反対であるというふうにはっきり言っていました。要するに、
選挙
区が小さいから個別利害にどうしても左右されてしまう。ですから、
政党
の
政策
は
政党
の
政策
、だけれ
ども
地元に行ったら別な
政策
、こういうことになるわけでございまして、決して、小
選挙
区になったから
政党本位
あるいは
政策本位
の
選挙
になるとはとても思えないということでございまして、そういう意味からいいますとかえって
比例
代表
の方が、これは党の方針ですから明確に
政策本位
、
政党本位
ということになるわけでございます。そういう点等を
考え
合わせますと、やはり
比例
代表
ということを軸に改めて
議論
を出発し直すことがより有益であるというふうに思うわけでございまして、このことについてお
考え
をお伺いしたいと思います。
羽田孜
25
○
羽田委員
井上さんから、まず、
選挙制度
というものを盾にしてどうも倫理ですとかあるいは
政治資金
、そういったものを先に手をつけていかないのじゃないのかという御指摘が今あったのですけれ
ども
、これは過去にもいろいろな事件がございましたことはもう御案内のとおりでありまして、その都度
国会
の中で
議論
されまして、そして
政治資金
規正法ですとかまたあるときには公職
選挙
法ですとか、なるべくお金がかからないようにとかあるいは腐敗というものを防止しようということでいろいろなことをやってきました。しかし残念ですけれ
ども
、一番の根本というものは複数で争うというところにある。これが先ほどお話があったようにサービス合戦になってしまって費用がかかっていくということです。 先ほど佐藤さんの方からも、我が党の方も百三十の
選挙
区の中で三十の
選挙
区では複数を立てている、共産党さんも京都一区で立てているというお話があったのですけれ
ども
、
皆さん
のおっしゃった複数というのと私
ども
の経験しております複数というのは全然違いまして、二人立てるということではなくて、三人区の中に今みたいに自由に立てるという中で、無所属
候補
も入れますと、これは残念ですが三人、四人、五人と立てているわけなんですね。そうするとどうしてもやはりサービス合戦にならざるを得ないという現状で、今社会党さん、共産党さんが立てているような二人だけではない、地盤を割ればいいというだけでは済まないような
状況
になってしまっている。 そういうことを
考え
たときに、実はこれが出てきますと、例えば
国会
の中に出てまいりましても複数ですといろいろな場面があるのです。これをただ我が党だけで、私自身が経験したことを見ましても、同じ
政党
の同じ
選挙
区から出てきた同士はなかなか顔を合わせられないのですね。そして案外
野党
の
皆さん
と仲よくお話ししているなんという、非常にこれは下世話な話ですけれ
ども
、実際にそういうものがあるのですよ。それから、これはこういこうというので発言しようとしたときにもう一人の人の視線を感じたときに、残念ですけれ
ども
本当の発言ができないということで、本当の
政治
というのが行われないというのは、私
たち
政権
与党として長くやってきている中でどうしてもこれではいかぬなということで、やはり
制度
を抜本的に直して、そういう中でお金もかからないようにする。それと同時に、いろいろな
政策
なんかに対しても党で責任を持って、あるいは
立候補者
も責任を持った発言をする、そういう形をつくっていかなければいかぬなと思うのです。 これをもっと具体的に申しますと、例えば今私
ども
の方で
政策
を決めますね。ところが、残念ですけれ
ども
、各地区に行きますとみんな個々に我が党が分立しているわけです。自分党になっているわけですね。ということになりますと、本当の
政策
も訴えられないということで、私は、やはりこれからの大きな激変がある中にあってもう少し責任ある
政治
をやるためには、どうしても
制度
から踏み込み、そして倫理の問題あるいは
政治資金
の問題、そういった問題もあわせて解決していくというふうにしていくことがよろしいのじゃないかなと
考え
ております。 それから、こういうことで我が党の中にもいろいろな
意見
があるだろう、これはもう率直に我が党の中に
意見
があることも事実です。しかし、ほとんどの人が望んでないんじゃないのかという話があったのですけれ
ども
、それどころか、新しい、それこそ当選をされたばかりの人
たち
も、大変数の多い人
たち
が、やはり自分
たち
も
国会
に出てきて一年間というものを経験してみたときに、これではならぬということで立ち上がって、勇気を持って発言をしている。あるときには自分自身の身分は失われるかもしれないという中で彼らはその発言をしておるということを率直に申し上げておきたいし、また、何回も当選し多くの
政治
経験を踏まれた方々も、今のままではこれはもうどうにもならぬぞということの中で相当強い発言をされておる方が相当たくさんあるということもあわせて申し上げておきたいと思うのです。 それから、確かに私
ども
も
議論
をしましたときに、今の
時代
というのは多様化ということが言われる
時代
であるから、多様な
意見
というものを
政治
の場で特に吸い上げることが重要であろうという話が実はあったわけでありますけれ
ども
、これはまさに今お話があったプライマリーですとかあるいは
候補者
選定のときにそういう中でいろいろな
議論
がなされるというような中で
意見
を吸収することができるし、それから、小
選挙
区ということになりますと相当の
得票率
を上げなければいけないということでありますから、いろいろなところに幅広く
意見
を吸い上げてくるということがありましょうし、また、
選挙
に勝ったとしても反対の
意見
が多ければ多いほどその
意見
に対して耳をかしていかなければいけないということになって、むしろ私は、小さな声というものも
政治
の中に反映されることは否定するものじゃないというふうに思っております。 ただ、そうかといって、実際に
議員
として
一つ
一つ
の小さな
意見
を
代表
する人が出てもいいんじゃないかという中で、木に竹を接ぐような、不自然だなんていうことを言われながらも、
比例
という
部分
で多様な
意見
、小さな
意見
であるけれ
ども
、
全国
的に見たときには
一つ
の
意見
として成立するじゃないかという人
たち
の
意見
もきちんと
国会
の中に反映させてあげようということで、
比例
という
部分
を取り入れているということをひとつ御理解をいただきたいと思います。 それからもう
一つ
、先ほどのプライマリーなんということで簡単に申し上げてしまいましたけれ
ども
、確かに我が党の中でも、じゃ一体
候補者
の
順位
とかあるいは各小
選挙
区に立てる人
たち
をどう決めるのか、これは先ほど
野田
さんからもお話があったことで、もうくどく申し上げませんけれ
ども
、私
ども
としては、これは今党内の問題でありますが、やはり過渡的なとりあえずやらなければならない、このための方法と、それから、この
制度
というものは定着したときにどういう
制度
をとるべきかということ、こういったことを我が党の現状に照らしながら、また世界のそういった小
選挙
区をやっているような各国の実情というものも相当細かく
調査
しながら、その選考過程というものを民主的に進められるようにということで、今検討を進めておるということを申し上げておきたいと思っております。 〔穂積
委員長
代理退席、
委員長
着席〕
日野市朗
26
○日野
委員
第八次ですか、
選挙制度審議会
の
答申
が出たときに、海部総理は不退転の決意を持ってこれを実現するんだ、こうおっしゃった。まあ
選挙制度
の問題になりますと、
議員
同士の話というのは非常に混迷することはもう当然のことでありまして、海部総理がそうおっしゃったにはおっしゃったなりの理由があるのだと思いますね。今度出されたこの
政治改革基本要綱
を拝見しますと、それとは大分違ったところが出てきているわけですね。それは違ったには違ったなりのそれぞれのいろいろな御
意見
があったろうと思いますから、その
一つ
一つ
についてどうこうということを私は申し上げません。しかし、総
定数
を変えた、それから小
選挙
区の比率を高めたというふうになっているわけなんで、私はここのところが非常に気になりますので、若干御
意見
を伺いたいと思うのです。 まず、さっき井上さんも言われたように、アメリカの
制度
なんというのを見ますと、アメリカの特に下院なんかになりますと、これはかなり極端と言っていいほどその
選挙
区の
利益
代表
的な色彩が強まっておるわけで、これは私は非常に困ったことだなと実は思っているのです。それらが
日米
間の摩擦にどのように悪い影響を及ぼしているかということは
皆さん
よく御承知のとおりだと思うのです。私これを見まして、小
選挙
区制をとるとすれば、それと
比例
代表
とを合わせるとすれば、その形は別として、小
選挙
区制というものをふやしていく、比率を高めていくということは余り好ましくないような感じがするのです。 それで、ここのところを今回変えてこられた理由。言われているところは、
自民党
の現役の方々が大体おさまりやすいようにしたんじゃないかというような話もささやかれておるわけで、なるほどうまくできているなと私なんかは思うわけです。私、小
選挙
区制になると、天下国家を見ずに自分の
選挙
区ばかりを見るようなことになりはしないかということが非常に心配な
部分
であります。 それから、きょうのお話によると、今までは
全国
、ブロック、
都道府県
というように三つ並列して並んでいたけれ
ども
、さっきの
羽田委員
の御
説明
だと、それは
全国
一本化というようなお話になったようですが、これを伺って、はて一体どうやって
名簿
をつくるのかいなということが私は非常に気になっているのですね、さっきから。
参議院
の
比例
代表
の
名簿
をつくるときにも、やれ献金を何ぼにして
順位
をどうしたとか、かなりここは、ダーティーとは言いませんけれ
ども
、暗部であることは間違いない。
全国
一本でつくるということになりますと、やはりまた同じようなことを繰り返していくのではあるまいか。それから、
議員
が今度は
利益
代表
的なにおいを身につけてくるのではなかろうかというような、そういう早く言えば業界
代表
みたいな形で出てくるようなこともあるのではないか、そんなことを非常に強く心配せざるを得ないというふうに私は思っております。 そういう意味で、細かいようなことですが、ちょっと伺っておきたいのです。連座制についてですが、さっき
仙谷
委員
からちょっとそれに関連したことで出ておるのですが、連座制について、「
候補者
に対して制裁を及ぼすべきでないと認められる場合には、免責する。」というのは、これは一体何ですか。連座制というのはかなり厳しくあっていいはずなんで、これはきちんとした
説明
がなされていなければならないだろうというふうに思います。それはおとり行為に対する心配というのはありますよ。しかし、それはそれで、もっと別にきちんと
考え
るべきことなんでありまして、ここのところは厳しく指摘しておかなければいけない、こう思います。 それから、さっきから、
参議院
と一緒にこれはやるべきではないかというような問題、それから地方の場合と一緒にやるべきではないかというようないろいろセット論といったようなものも出ていますね。この
要綱
というのはまだ検討中という
部分
が幾つかありますが、大体これは一本で、つまり
衆議院
の
選挙
一本だけでも一応改正案としてお出しになるつもりであるのかどうか、そこいらの周辺
部分
をきちんとなさった上でお出しになるつもりなのかどうか、これもお伺いしたい。
野田毅
27
○
野田
(毅)
委員
後の、
参議院
との関連で言えば、先ほど申し上げたのですけれ
ども
、私
ども
は一本で出したいと思っております。 それから、小
選挙
区の弊害について今いろいろとお話がありました。ただ、アメリカの小
選挙
区とイギリスの小
選挙
区では
基本
的に違う。それはもう御承知のとおり。少なくともアメリカの場合は大統領は直接
選挙
なんですよ。大統領制なんですね。つまり、小
選挙
区で出てきた上院なり下院の
議員
が大統領を選ぶというシステムではないのです。つまり
基本
的に、
政権
の
選択
はそれによっては迫られないのです。そういう意味で、
議院内閣制
下における小
選挙
区という問題と大統領制下における小
選挙
区という問題は
基本
的に違う。つまり
政権
を選ぶ
選挙
なんだということを
一つ
念頭に置かなければいけないということ。 それからいま
一つ
は、アメリカの場合のプライマリーは、
政党
というものは確かに二大
政党
がありますけれ
ども
、現実問題、いわゆる
政党
選挙
じゃないですね、やはり
個人
選挙
型なんですね。それで、現職優先ということもアメリカにはない。それがプライマリーという形になっている。それが非常に激しい形で、
選挙
戦でも金がかかるしプライマリーでも金がかかっているというこの現実がある。だから我々は、アメリカの小
選挙
区における弊害というものが直ちに小
選挙
区そのものの弊害と結びつけるのはまだ早いのじゃないかということを申し上げておきたいと思います。それは
候補者
選定手続の話でも実はあるわけで、私
ども
、先ほど言いましたように、
基本
的には現役優先ということをこの中にも書いてありますけれ
ども
、そのことは十分あるわけですから、あとは
政党
の運用の問題だろうと思っております。 それから、いま
一つ
の弊害として御指摘のあった、いわゆる地域の
利益
代表
になるのじゃないかというお話なんですが、私
ども
は逆に
考え
ております。つまり、さっき
羽田
先生からもお話がありましたけれ
ども
、現在の中
選挙
区制のもとですと、例えば我々五人区でおりますと、実際問題一六、七%の
得票率
さえあれば、八割の人があの人は困ると思っておっても、一六、七%の人がしっかりとした支持者であれば当選しちゃうんですよ。つまりそういう意味での
部分利益
の
代表
たり得るわけです。ところが逆に、強弱からいえば支持の度合いは弱いかもしれないけれ
ども
、マイナスのイメージが弱ければ小
選挙
区制によって、つまり
政党
中心
型の
選挙
をやることによって
過半数
を制し得るということになる。その場合に、特定の
部分利益
の強度な
代表
者という姿よりもむしろ全体的によりマイナスイメージの少ない、より全体
利益
を
代表
しやすい形の人が選ばれていく、このことは
制度
論としては言えることだと思っております。 それから
比例
の
順位
の話ですが、これは
答申
もそうですが、我々も、原則としてこの
制度
の想定は今の
参議院
の
比例
のシステムとは違う。今の
参議院
のシステムは地方区と
比例
区と完全に分離しているわけです。だから、純粋
比例
だけの
順位
だからなかなか容易じゃない。むしろ今度は、原則は小
選挙
区を補完する
比例
なんだということから、
重複立候補
ということが第一であり、そして同時に
同一
順位
の中に大勢の人間を並べることができるということに特色がある。だからむしろ、移行期の問題は別として、この
制度
が定着していけば恐らく
同一
順位
の中で何百人かが、百人なり二百人なりがずっと並んでいくのじゃないかということを想定しておるわけです。したがって、その順番の問題で不明朗な話というのはないと私は思っております。 つまり、第一
順位
で五十人なり六十人なり百人なりが並ぶ。その中で、小
選挙
区で当選した人は、これは自動的に
名簿
から外れていくわけです。つまり、
名簿
で生き残っていく人は、小
選挙
区で落選した人が残っていくわけです。我々はそう
考え
ております。それぞれ各
政党
のやり方いかんによって異なってくるかとは思いますが、今の
参議院
の
比例
区における拘束
比例
式下における
名簿
順位
の
決定
よりも、より今回の方がそういう点での
比例
に関しての
順位
の問題点はない、こう判断しております。
武村正義
28
○
武村
委員
今の連座制の御
意見
でありましたが、これは「
候補者
に対して制裁を及ぼすべきでないと認められる場合には、免責」、何かなまぬるくしているような感じを与えたかもしれませんが、これは
答申
と同じでございまして、先生がおっしゃったようにおとりとか寝返りを想定している。せっかく選ばれておきながらそういうフェアでないやり方で失格するようなことがないようにしようという
考え方
でございます。
自民党
独自の案ではありません。
小岩井清
29
○小岩井
委員
国勢調査
の結果によって
定数是正
は待ったなしだという違憲状態になっているわけですね。そういうことで、
自民党
としては
政治改革
で
選挙制度
の問題が出されてきょうの
議論
になったわけですけれ
ども
、しかしこれはあるべき姿の
選挙制度
として今
各党
で
議論
しているわけです。当然、
国会
決議というのはあるわけでありますから、それに基づく是正というのは前段階で
考え
ていかなければいけないんじゃないかと思っているわけです。 昨日、
自民党
は四つの試算を出されましたね。これは
国会
決議に基づいて試算を出したというふうに新聞報道で伝えられております。ですから、そういう点からいって、先ほど若干
山花
理事
の質問のやりとりがありましたけれ
ども
、出せと要求した試算、この位置づけはどうなっているのか、これをどう取り扱っていくのか、それをもう一度御
説明
いただきたい。
野田毅
30
○
野田
(毅)
委員
基本
的に
国会
決議をどう生かしていくかということについて、私
ども
は中
選挙
区における是正ということのみならず、
政治改革
ということも将来の話ではなくて喫緊の課題である。したがって、そういう中で
国会
決議の精神をどう生かしていくかということで、この
制度
改革
という中で、つまり
政治改革
全体の枠の中で
国会
決議の精神を生かしていきたいということで、党としてこの小
選挙
区
比例代表並立制
ということの中で十分に決議の精神は生かしていける。そのことの方が決議の精神を生かすのみならず現下の
政治改革
全体をどう進めていくかということにもこたえていくんだ、こういう位置づけを実はしておるわけです。 しかし、そうは言いながら、一方で
野党
の
皆さん
も
現行
中
選挙
区における
定数是正
をまずやれというお話がある。だから、その点について全然計算もしていないし、歯牙にもかけないということでもまずかろうということで、我が党としては
基本
的にもうこれを党議で決めておるわけですからそれでいくわけですが、一応そういう
国会
決議、中
選挙
区ということで試算をはじいてみれば、これは複雑な方程式ではないわけです。
前提
条件を置けば自動的に出てくる、言うなら算数の世界の話になるわけですね。実際問題、
定数
をどうするのか、逆転解消をするのかしないのか、再
配分
方式をとるのか増減方式をとるのか、そういった
前提
条件さえちょんちょんちょんと置いておけばおのずから全部決まってくる話なのですから、あとは足し算、引き算、掛け算、割り算の話だ。ですからその
前提
条件を、いわゆる
国会
決議の中で幾つか書いてあります、抽象的に書いてあることもありますから解釈によって相違があるかもしれないから、それをこういうような解釈をすればこういう
前提
になるでしょう、だからそれぞれの
前提
条件を置いてみれば自動的にこういう数字になりますということだけは、それすら計算もしなかったということでは、何かかえってしゃにむにという
印象
になるものだから、そうではなくて、計算もしてみるとこういう数字にはなりますという一応の試算だけは、客観的に計算してみるとどうなるということだけは知りたいということですからお示しをする、そういうことです。
羽田孜
31
○
羽田委員
ちょっとつけ加えておきますと、私の方から加藤さんの
委員会
でこれを出してほしいと言ったそのもとは、福島さんが知事になってしまったのですけれ
ども
、この福島さんの
時代
に試算をしてもらっているわけです。ただ
国勢調査
がこの間ありましたから、それに基づいてもう一度それをやっておいてくれということを実は加藤さんのところに
お願い
したのでありまして、私
ども
は、
定数是正
についてはこの新しい
選挙制度
の
改革
の中にあって喫緊の問題であると認識しております。 ただ、それだけ大きなエネルギーを使うのだったら、やはり今もう
一つ
問題になっている
制度そのもの
も一緒に
改革
しましょうということで、いわゆる
定数是正
というものについては我々も真剣に
考え
ておるということであります。
小岩井清
32
○小岩井
委員
野党
の方から言うからこういう数字を出した、ただ出しただけだ、言うならば、簡単に言えばそういうことですね、今の御
説明
は。これはそういう
内容
ではない。
自民党
内だって中
選挙
区制による是正という
意見
がある。ですから、
野党
が言うから出しただけ、そんな態度はとらない方がいいと思うのです。
野田毅
33
○
野田
(毅)
委員
もしそういう受けとめ方をされたなら私の言い方が悪かったのかもしれませんが、
野党
が言うから
野党
に向けて出したというのではないのです。つまり、
野党
も計算は同じになっていることだし、むしろ我が党の中で、今
羽田
さんからお話があったように、昨年のうちにこういう
前提
を置けばこうなりますよということは示してあるわけです。その後、決議の受けとめ方をどう見るのか、二倍と見るのかどう見るのかとか、その辺の
前提
条件、決議の中身をどう受けとめるかによって変わってくるわけですから、このように受けとめた場合にはこういう数字になりますよ、このように受けとめた場合にはこういう数字になりますよということを知りたいという人が我が党内にあるものですから、一応計算をしておきましょう、こういうことです。
小岩井清
34
○小岩井
委員
党内にも向けて出したということですね。
野田毅
35
○
野田
(毅)
委員
そういうことです。
松原脩雄
36
○松原
委員
ちょっと技術的なことをお聞きしたいのですけれ
ども
、
並立制
とか
政党本位
である、あるいはそれに
公的助成
を今度
考え
るとかいうふうになりますと、さっきちょっと出ましたけれ
ども
、各
政党
が
候補者
をどのようにして選ぶのかという問題とともに、特に
比例
部分
での当選
決定
方式、それについていろいろ配慮をしなければなりません。ヨーロッパでも今ちょっと
議論
になっているのは、いわゆるボス支配ですね。
政治資金
もまた
政党
へ集中するわけですから、既存の権力、
政党
内の権力を握った人が非常に大きな権限をずっと行使し続けるという弊害が出てくるわけです。そこを突破するために、先ほど言った
比例
部分
について小
選挙
区
部分
の
候補者
を
同一
順位
に並べていく、こういうシステムが相当重視されるようになるだろう。これは、ドイツ型の
比例
併用制もまさにその問題に直面しているわけです。それと重ねながら
考え
ているのですが、その場合に、小
選挙
区
部分
で落選した人を
自民党
案では
得票率
の高さによって決めようじゃないか、こうされておられます。これは
審議会
答申
と同じ
考え
であったと思うのです。 そうしますと、多党化しておる現状のもとで、特に都市部ではすごく多党化していると思うのですが、農村部へ行けば行くほど少党の争いとなる。つまり
得票率
が変わってくるのです。つまり、農村部の方は落選していても
得票率
の方が大きいが、しかし都市部の場合には落選してしまった場合に
得票率
はずっと下がっているということになります。そうすると、そういう
得票率
によるすくい上げ方にすると、結局
自民党
案の場合だったら都市部の
議員
は
比例
部分
で救われない、むしろ農村部の落選者の方がずっと
比例
部分
で救われる、こういう形になると思うのです。これは、従来の一種の農村型と言われていた
自民党
の体質そのものもやはりそのまま維持しようということでこういう方式を
考え
られたのでしょうか。
野田毅
37
○
野田
(毅)
委員
田舎の方からいうと大変配慮した話になるのかもしれないのですけれ
ども
、そういう発想ではなくて、我が党内でまだこれから検討、今内々やっておるわけですけれ
ども
、
一つ
は、多党
立候補
といいますか多党型のところは当然当選者の
得票率
も低いし落選者の
得票率
も低いわけですね。だから逆にその場合に
順位
をそういう形に、
全国
全部
同一
順位
ということでなくてもいいわけですね。多党型のところを高
順位
で全部並べるとかいうやり方も、そこは知恵の出し方だと思います。これが
一つ
です、
基本
的に。 それからいま
一つ
は、本当に多党型が都会だけなのか。これは各
政党
のそれぞれのやり方、あるいは先ほどどなたかおっしゃいましたけれ
ども
政党
間の
選挙
協力体制なりそういったことがどういうふうに動いていくのか。先ほど小沢さんの話がありましたけれ
ども
、今度はいろいろな複雑な方程式が絡んでくることだと私は思っております。その上で
順位
は決められていくのではないか。ただその中で、
同一
順位
の中では、
当選人
の
決定
に関しては法律事項ですから、それは客観的に
得票率
ということでやることがフェアなのではないか。鉛筆なめながら
順位
を決められるということではボス支配につながるかもしれない。我が党内でもそういった点で、党内民主主義といいますかそれが今非常に神経質になって、その
委員会
もつくって今その辺の
順位
の問題を含めて党内問題として勉強しておるということです。
東中光雄
38
○東中
委員
小
選挙
区制が
政党本位
あるいは
政策本位
の
選挙制度
であるとは私は思っていないのですけれ
ども
、ここで書かれているのを見ますと、「
立候補
は
政党
の届出による。ただし、
個人
立候補
も認める。」それだったら全く何も関係ないのかと思ったら、そうでなくて、政見放送については
政党
に限定する、
個人
立候補
した人は政見放送ができないというふうなことで、こういう構成になっておりますね。被
選挙
権の平等という点からいうと一体いいのかどうかという大原則の問題がありますし、それはどういうふうに
考え
ていますか。ちょっと余りにも
制度
としてはおかしいのではないかという気がしますので、
考え方
をお聞きしたいのです。
野田毅
39
○
野田
(毅)
委員
私
ども
は、あくまで
政党本位
の
選挙
にしたい、本音を言えば、できればもう
個人
立候補
もできるだけ、なくてもいいのではないか。それは極端に言えば
比例代表選挙
を
考え
た場合にはまさにそういう
個人
の
立候補
排除という話が当然に連動する話だと私は思っております。そういった中で、憲法上、この小
選挙
区という形の中で
政党本位
ということでやるということであれば
個人
立候補
そのものを排除するわけにはいかない。しかし、その
機会
均等等々の関係もありますが、
選挙運動
方法の中でどこまで差をつけることができるのか。それは、
個人
に対して認められる
選挙運動
それから
政党
に対して認められる
選挙運動
ということの枠の中で認めていく、そういう形の中で処理するならば私は認められることではないか。それは憲法上の問題にはならない。
個人
についての
選挙運動
はこうです、
政党
としての
選挙運動
はこうですという形の中で差をつけていく、そのことがより
政党本位
に持っていくといくそういう
選挙
システムになるのではないかと思っております。
石井一
40
○
石井委員長
ほかに
委員
の方、ありましたらどうぞ。――よろしゅうございますか。 どうもありがとうございました。 本日は、
各党
各
委員
におかれましては、忌憚のない御
意見
をお述べいただき、ありがとうございました。本日の
討議
は、この程度にとどめることといたします。 次回は、来る四月二十四日水曜日午前九時五十分より
理事
会、午前十時より
委員会
を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時十五分散会