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1991-02-27 第120回国会 衆議院 交通安全対策特別委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成三年二月二十七日(水曜日)     午後一時開議  出席委員    委員長 長田 武士君    理事 加藤 卓二君 理事 片岡 武司君    理事 久野統一郎君 理事 鴻池 祥肇君    理事 柳沢 伯夫君 理事 上野 建一君    理事 山下洲夫君 理事 竹内 勝彦君       石破  茂君    岩村卯一郎君       魚住 汎英君    河村 建夫君       前田  正君    増田 敏男君       御法川英文君    遠藤  登君       北川 昌典君    三野 優美君       辻  第一君    和田 一仁君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 村岡 兼造君         建 設 大 臣 大塚 雄司君  出席政府委員         警察庁交通局長 関根 謙一君         総務庁長官官房         交通安全対策室         長       徳宿 恭男君         運輸大臣官房国         有鉄道改革推進         総括審議官   大塚 秀夫君         運輸省地域交通         局長      佐々木建成君         運輸省地域交通         局陸上技術安全         部長      松波 正壽君         運輸省航空局長 宮本 春樹君         建設省都市局長 市川 一朗君         建設省道路局長 藤井 治芳君  委員外出席者         警察庁刑事局保         安部生活経済課         長       松原  洋君         総務庁行政監察         局監察官    藤井 昭夫君         郵政省放送行政         局有線放送課長 渡辺  寛君         参  考  人         (日本道路公団         理事)     山下 宣博君         特別委員会第一         調査室長    直江 鷹郎君     ───────────── 二月二十六日  交通安全施設等整備充実に関する請願(中島衛君紹介)(第一六二〇号) は本委員会に付託された。     ───────────── 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  踏切道改良促進法の一部を改正する法律案内閣提出第一三号)  交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法の一部を改正する法律案内閣提出第二三号)      ────◇─────
  2. 長田武士

    長田委員長 これより会議を開きます。  内閣提出踏切道改良促進法の一部を改正する法律案及び交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  両案審査のため、本日、参考人として日本道路公団理事山下宣博君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 長田武士

    長田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ─────────────
  4. 長田武士

    長田委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。加藤卓二君。
  5. 加藤卓二

    加藤(卓)委員 最近の我が国における車社会の著しい進展は、産業経済活動と国民の生活向上に大きく寄与しているところでありますが、反面、交通事故の多発、交通渋滞による都市機能低下交通公害による生活環境悪化等、各種の弊害をもたらしています。特に昨年の交通事故による死亡者数は、三年連続一万人突破という極めて憂慮すべき状況であります。  交通安全確保は緊急の課題となっていますが、第一に交通死亡事故特徴事故防止対策について、また次に、第五次特定交通安全施設等整備事業五カ年計画基本方針はどのようになっているか、新規事業としてどのようなものを考えているか、具体的に関係省庁考えをお聞きしたいと思います。  また、都市部における慢性的な交通渋滞原因一つとして駐車違反考えられているが、これは駐車場不足にも起因している。大都市における違法駐車実態、恒常的な違法駐車についてどのように対処するのか、また都市駐車場不足についてどう対処していくか、関係省庁考えをお聞きしたいと思います。  まず初めに、交通安全施設整備促進について大臣決意を聞き、その後、省庁の方のお答えをお願いいたします。
  6. 大塚雄司

    大塚国務大臣 安全で円滑な道路交通確保は、道路行政においても極めて重要な課題であると認識をいたしているところであります。このため、道路新設、改築に当たっては、バイパス環状道路整備安全性の高い自動車専用道路整備市街地等における歩車道分離道路整備等に努めているところでございます。  さらに、既存の道路につきましては、新たに策定をいたします第五次特定交通安全施設等整備事業五カ年計画に基づきまして、歩道や自転車道設置交差点改良道路照明道路標識設置など、交通安全施設等整備を一層積極的に推進することといたしております。  また高速自動車国道等におきましても、交通安全施設等整備につきまして新たに交通安全対策に関する五カ年間の事業計画策定いたしまして、交通安全対策を強力に推進することといたしております。  なお、これらの事業実施に際しましては、高齢者等利用にも配慮するとともに、交通事故発生道路交通環境との関係などを十分分析検討し、適切かつ効果的な交通安全対策実施に一層努力をしてまいりたいと存じます。
  7. 関根謙一

    関根政府委員 交通死亡事故特徴事故防止対策につきましてお答えを申し上げます。  昨年の交通死亡事故特徴は、何よりも自動車乗車中の方の亡くなった比率が四〇%を超えたということ、それから、その中でシートベルトを着用していない方の比率が七〇%を超えたということを挙げることができます。それからもう一つ特徴といたしましては、お年寄り死者の方がふえたことでございますが、特に、お年寄り歩行中の方が多く亡くなったということがもう一つ特徴と言えようかと存じます。そのほかに、これは昨年だけではございませんが、ここ数年、週末の事故及び夜間事故が多発しております。こういったところが、昨年の交通死亡事故特徴であろうかと存じます。  これに対する事故防止対策についてでございますが、まず、自動車乗車中の方々事故防止としては、シートベルトの着用の徹底を図ることが何よりも大切かと存じます。あわせまして、夜間事故交差点事故防止のための交通安全施設等整備、それから、それに見合った形での交通指導取り締まり強化という施策も必要かと存じます。  それから、高齢者方々に対する対策といたしましては、特に夜間歩行中の事故防止するため、反射材を身につけていただくようなことに配慮をする必要があるということと、お年寄り方々比較生活区域の近いところで事故に遭われるケースが多いものですから、シルバーゾーン設置でありますとか、その居住環境付近における信号機高性能化といったようなことも図る必要があろうかと存じております。  それから、こういった事故防止全般に対しまして総合的見地から対処するため、まず、交通事故の的確な分析が必要でございます。そこで、総合的見地からの事故調査事故分析のシステムを構築することが必要であると考えております。  以上でございます。
  8. 加藤卓二

    加藤(卓)委員 特に、都市部における慢性的な交通渋滞というのは駐車場不足にあるということを先ほどお聞きしたのですが、これに関してぜひひとつ、建設省の方で何か対策がございましたら、お答えをいただきたいと思います。
  9. 藤井治芳

    藤井(治)政府委員 都市における路上駐車原因となりまして交通渋滞交通事故あるいは中心市街地の活力の低下など種々の問題が生じておりまして、建設省といたしましても、これらの対策が極めて重要であるという認識のもとに立っております。  特に、この駐車対策につきましては、適正な交通機関分担駐車施設整備有効利用、それから適正な規制あるいは取り締まり、モラルの向上など、いろいろな観点からの総合的な施策が必要であると考えてはおりますが、私ども建設省としては従来、公共民間役割分担のもとに、建築物に対する附置義務あるいは民間駐車場に対する融資優遇税制推進するほか、中心市街地等の大規模公共駐車場に対しては有料融資事業等の無利子の貸付制度をもってやってまいりました。しかし、これではなかなか駐車場の供給が伴わないといういろいろな問題が出てまいりましたので、附置義務基準の一層の強化駐車場整備促進税制拡充ほか、今回の交通安全事業におきまして、駐車場補助制度新設あるいは商業系地域共同駐車場あるいは公営住宅等駐車場への補助制度といったようないろいろな観点、さらに集合住宅団地駐車場への住宅金融公庫の割り増し貸付制度創設等、今後とも一層総合的に推進してまいりたいと考えております。
  10. 加藤卓二

    加藤(卓)委員 次に、踏切道改良促進についてお聞きしたいと思います。  踏切道は、交通渋滞原因のみならず、交通安全上、万が一事故発生した際には重大な事故につながるおそれがありますので、そこで踏切道立体交差化を促進すべきであると考えていますが、この御意見をお聞きしたいと思っております。  それから、建設大臣があれですが、私の方では総務庁の方にもお聞きしておきたいと思っておるのは、第五次五カ年計画踏切事故防止総合対策についての概要、重点的項目をぜひお聞かせ願いたいと思います。総務庁総合調整能力を持っているはずでございますので、今後とも事故防止のために努力を願いたいわけでございますので、ひとつお答えを願いたいと思います。  その後、きょうは運輸大臣の方にお聞きしたいのは、踏切事故防止についての大臣決意をぜひひとつお聞かせ願いたい。立体交差を進めていただくことも大事だと思いますが、すぐできない問題を進める意味でも、運輸省の方の大臣の御決意をひとつお聞かせ願いたい。初めに大臣に御決意をお聞かせ願えればと思いますが。
  11. 村岡兼造

    村岡国務大臣 従来から踏切事故防止対策は強力に推進をしてまいりました。その結果、踏切事故減少傾向を続けておりますが、しかし、元年でございますが、件数にして八百六十件、死傷事故五百六十名と事故発生をいたしております。昭和三十六年でございますか、第四種の、何もない踏切が六万一千カ所もありましたが、この法律ができましてから現在では第四種が平成元年で七千四十九カ所まで減ってまいりましたが、まだ七千カ所もあるということで、今御審議を願っております踏切道改良促進法の一部を改正する法律案の成立を待ちまして、関係省庁とも連携をとりつつ、さらに事故防止対策を強力に推進していきたい、こう思っておりますので、よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
  12. 徳宿恭男

    徳宿政府委員 踏切事故防止総合対策につきましては、昭和四十六年以来四たびにわたりまして交通対策本部決定を行いまして、諸般の施策実施してまいりました。その結果、踏切事故件数死傷者数、ともに長期的に見ますと大きく減少する成果を上げてきております。  しかしながら、ただいま御指摘をいただきましたように、踏切事故というのは一たび発生いたしますと多数の死傷者を出すものであり、また総合的な対策を必要とする踏切道も依然多数残されている状況にございます。こうした状況にかんがみまして、去る十二日、交通対策本部におきまして第五次の踏切事故防止総合対策決定いたしましたが、それは平成三年度から七年度までの五カ年間を計画期間といたしまして、内容といたしましては、引き続き踏切道立体交差化、それから踏切道構造改良踏切保安設備整備交通規制踏切道統廃合等措置を総合的に実施してまいるという内容になっております。  なお、五カ年間の整備目標でございますが、連続立体交差化は約三百キロ、単独立体交差化は約二百カ所、踏切道構造改良は約千カ所、踏切保安設備整備は約千二百カ所となっております。  以上でございます。
  13. 藤井治芳

    藤井(治)政府委員 御説明させていただきます。  これまで踏切道立体交差化を進めてきた結果、現在、鉄道道路との交差は五万七千カ所ございますが、そのうち約四〇%の二万二千五百カ所、これが立体交差状況になっております。それ以外は平面交差でございます。  この立体交差化は、踏切事故をなくすだけじゃなくて、踏切原因とする交通渋滞あるいは事故防止、こういったようなこと以外にも、この踏切によって地域が分断されている、こういうようなことに対しても、地域の一体的な発展に寄与するなどで非常に望まれている事業でございまして、今後とも、この連続立体交差化あるいは主要な道路における単独立体交差化等々いろいろとやってまいりたいと思っております。  さらに、こういうのではどうにもならない地域や地形の状況で、単に踏切道の除去が困難な場合には、バイパスとかあるいは新設立体交差化といったようなことを含めていろいろと対応してまいりたいと思っておりまして、平成三年度のこれらに要する連続立体交差化を含めた全体として、千六百億円を計上させていただいております。
  14. 加藤卓二

    加藤(卓)委員 今、大臣を初め関係省庁皆さんの説明を聞いていますが、大臣の本当に心強い決意をお聞かせ願っているので、ぜひ関連した事業費確保委員会を挙げて努力していきたい、こう思うわけでございます。大変どうもありがとうございました。  次に、自動車安全基準についてお尋ねしたいのでございます。  最近の自動車事故は、車の性能がアップして、人命にまで及ぶ事故が少なくありません。非常にエンジン性能がよくなっているということもあるのでしょうが、今日、我が国においては、シートベルトやエアバッグ、アンチロックブレーキとかという安全装置充実関係当局及びメーカーの努力によって大変図られているとは聞いておりますが、しかし、どうも我が国の中で、実際の話、自動車の本体、その強さ、剛性というのですか、まだまだ欧州車に比べて低い部分が残っているんじゃないかな。どうも、もなかと同じ、例えるならばエンジンが強くて、もなかみたいな車体では困るんじゃないかというような声が民間からも出ておりますが、まず運輸省の方にお聞きしたいのですよ。欧州諸国で生産されている自動車安全基準日本安全基準の違いをまず説明していただきたいと思います。  そこで、今後、自動車車体剛性強化を含め安全基準充実をどのように進めていくか、お考えを聞かせていただきたいと思います。
  15. 松波正壽

    松波政府委員 お答えをいたします。  二点御質問があったかと思いますが、日本安全基準に関してまず最初にお答えを申し上げたいと思います。  先生御案内のように、ハード対策といたしまして、我々、自動車安全基準をつくって対応してきているわけでございますけれども、この安全基準につきましては、それぞれの国で交通環境とかあるいは交通事故等実態を見まして規定ぶりがいろいろございますし、また個別の技術的内容につきましても差異がございますけれども、具体的に特徴的なことを若干申し上げますと、例えば我が国におきましては、先ほども話が出ておりましたけれども、人対車両等事故がこれまでは多いということから、どちらかといいますと、歩行者等交通弱者保護対策を重点に規制が行われております。一方、欧州において見てまいりますと、高速走行時における制動性能基準充実が図られている。また、米国におきましては、これは自動車乗車中の事故が多いことから、乗員保護対策中心規制実施をされている実態がございます。  しかしながら、相対的に厳密な比較は難しいのですけれども、基本的には日米欧基準においてはほぼ同等のレベルにあると我々は考えておりますが、このような規制のもとにつくられました自動車安全性については、先ほど剛性等の話がございましたけれども、工学的に厳密な比較は難しいと思いますけれども、我々運輸省で入手しましたところのデータで比較したところでは、例えばエンジン排気量とかあるいは車両の総重量といったようなものがほぼ等しい、いわゆる車格が同じような車につきまして比較をいたしますと、安全に係る構造装置についてはおおむね同等ではないかと考えておるところでございます。  あと、後段で、それならば今後安全基準拡充をどう進めていくかという御質問でございますけれども、先ほど来話がございますように、大変厳しい交通状況にあることにかんがみまして、昨年三月、我々運輸省といたしましては、当面の道路交通対策推進につきまして、三本の柱から成る行動計画、いわゆるアクションプログラムをつくりましていろいろ対策推進し、その一環として、今後の自動車構造装置に係ります安全基準拡充強化については、運輸技術審議会自動車部会におきまして、先生も今指摘がございましたけれども、そのような問題も含めながら総合的、多角的な見地から検討をしていただくために昨年十月に運輸大臣から諮問を行い、平成三年度末の答申を目途に現在審議が進められているところでございます。
  16. 加藤卓二

    加藤(卓)委員 次に、航空輸送についてお尋ねしたいと思います。  我が国は、陸上交通だとか、特にバス、鉄道等は関心も強かったし、また国際的に見ても整備充実しておると思います。しかし、我が国航空、空の整備ですか、空港整備というのは、現状では、人口及び国土面積を勘案した総滑走路延長指標というのですか、これによりますと、欧州先進諸国は平均が一〇四八に対して日本は七五二という、国際比較しても大変著しくおくれていると思います。  航空輸送は、国内外問わず、人の交流、物の交流に今後とも高速交通時代に大きな役割を果たすわけでございますが、日本空港の足りなさは海外からも大変大きく指摘されているところでございます。とにかく、日米構造協議の中でも大変大きく取り上げられている問題でございます。ぜひ、そのためにも早急に航空輸送路並びに空港施設充実、形成する必要があると考えておりますので、そこで、今後五カ年計画の中でどのような整備を促進していくのか、関係当局考えをお聞かせ願いたいと思います。
  17. 宮本春樹

    宮本政府委員 お答え申し上げます。  空港整備五カ年計画についてお尋ねでございますが、平成三年度を初年度とする第六次空港整備五カ年計画、現在策定中でございますが、三月の初めに対前計画比六六%増の三兆一千九百億の投資規模閣議了解を得ることといたしております。この投資規模を前提にいたしまして、昨年の八月に出ました航空審議会中間取りまとめに沿って具体的な内容についての検討を進めまして、本年の秋ごろには航空審議会答申を得て五カ年計画閣議決定を行う予定で作業を鋭意進めているところでございます。  お尋ね整備水準の議論でございますが、計画策定に当たりましては、マクロ的な観点から、先生からも御指摘がございましたけれども、人口及び国土面積を勘案した総滑走路延長指標という指標を取り入れておりますが、これをおおむね西暦二〇〇〇年度過ぎには欧州先進諸国並みの一〇〇〇程度の整備水準を目指して整備を進めたい、この計画期間中の五カ年におきましては、現状から約半分程度進める、約八八〇の水準の達成を図ることを目標として進めたい、そのように考えております。  それから、今後の空港整備の基本的な方針についてお尋ねがございましたけれども、計画の基本的な方針といたしましては、中長期的な航空需要の増大に対応しつつ、国内国際ネットワーク充実多様化が図られるように、今進められております新東京国際空港完全空港化あるいは東京国際空港沖合展開及び関西国際空港の開港、これを三大空港プロジェクトと言っておりますけれども、その完成を最優先課題として推進するとともに、要望の強い一般空港整備、それから空港周辺環境対策事業推進、さらには航空保安施設整備、そういうことを基本的な方針として整備を図っていくつもりでございます。
  18. 加藤卓二

    加藤(卓)委員 最後に、両大臣が見えておられて大変貴重な時間がいただけると思いますので、私の考えを述べて質問を閉じたいと思うのです。  この空港整備というのはやはり建設運輸、また関係する省庁が大変多い事業だと思います。そういうことで、計画推進するに当たっては、両省並びに関係省庁の大変大きな協力が必要になるわけでございますが、これからの日本が国際的に大きな協調を得ていくためにも空港整備というのは大変大事だと思います。成田の方の空港が近々整備されるということで私たちも一部安堵の念を持っているわけではございますが、これが倍増されたと仮定しても、羽田の空港はやはりいろいろな交通の、空の関係というより、まあ大都市を持っている関係でしょうか、そばに石油ターミナルがある、こんな関係もあるのでしょうか、どうも入ってくるところと出てくるところが一カ所にならざるを得ないというような形の中で、この増強は、著しく大きく整備されるということはなかなか問題があるんじゃないかな、こう思うわけでございます。この場合には、海をやれば農林省の関係も出てくるでしょうし、また環境庁の問題も出てくるでしょうが、特にそういうことを考えますと、内陸に第三の、要するに東京に対する空港をつくる時代が来るのかな、こう考えております。  この問題を一省庁質問することは大変失礼になるのかな、というのは協調せざるを得ないという問題でございますので、質問という形式じゃなく私の意見として述べさせていただきますが、ぜひひとつ両大臣おそろいの席で、私は今いろいろな案がこれから検討されるやにお聞きしておりますが、ぜひ協調の精神の中に、大きく国の柱、そしてその基本的な問題点にぜひ取り組んでいただきたいと思うわけでございます。  一つには、どうも私たちは、今持っている国内飛行場の中では、防衛庁が使っているもの、例えば米軍が使っているもの、さあ返せといってもなかなか不可能だろう、こんなふうに思いますので、どうしても次の空港をつくらなきゃならない。ニューヨークがやはりそうでございます。ニューヨークでは三つの空港が上手に機能している。ダラスみたいな人口東京の十分の一ぐらいなところでも二つの大きな空港を持っておるというように、当然日本の国も各都道府県が全部飛行場を持ちたいというような関係飛行場を持つでしょうが、受け入れる諸県に空港がないということは大変問題があるんじゃないかな。場所指摘したり、また特定場所を指すことはこの際避けさせていただきますが、幾つか出ている問題点の中で、極めて可能性のある地域に向かっての意欲的な両省協力を心からお願いするものでございます。成田の場合に、私有地を使うために大変苦労なさったのを見ておりますので、公用地というのですか、公共の土地の中で、両省の大きな提携の中で大きく進展する場所があると思います。これはどこにあると言うことはこの際避けさせていただきますが、皆さんよく御存じのところでございますのであれですが、両大臣にお願いしながら、質問を終わらせていただきます。  どうもありがとうございました。
  19. 長田武士

    長田委員長 次に片岡武司君。
  20. 片岡武司

    片岡委員 引き続きまして、加藤先生の後を受けさせていただいて、二法案に多少関連もありますし、交通安全上の問題として重要な問題が起きましたので、きょうは道路公団さんにも御無理を言って申しわけございませんが、いろいろと教えていただきたい。追及するということじゃございませんので、事前に御理解をいただきたいと思います。  御承知のように、月曜日、二月二十五日、東名高速道路愛知県下において、大きな事故としては四件、同じような時間に起きておるわけであります。死者の方が九人、重軽傷者が九十七人、このほかに物損事故あるいは人身事故含めて十一件、合計で十五件の事故が起こったというふうに実は新聞報道がされておるわけでございます。非常に重要な問題だろうと私は思うのです。今回の交通安全施設整備法律には残念ながら高速道路は入っていないわけでありますけれども、道路というものは続いておりますし、そこに車が走っておりますので、若干その辺、公団さんの体制の問題について教えていただきたいと思うわけであります。  事故は、御承知だと思いますが、最初の事故が午前三時十分です。これは愛知県の日進町の付近で起きて、二台の車が衝突をして一人の方が亡くなっておられます。その後、四時十七分、四時三十五分、四時四十五分、これは午前でありますが、それぞれ連続事故が起きておりまして、その四つの事故で九人の方が亡くなられておるわけであります。  公団さんとして、雪の場合あるいは大雨の場合、台風の場合あるいは地震の場合、それぞれ管理体制はできておるわけでありますが、その点のところをまず教えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
  21. 山下宣博

    山下参考人 お答え申し上げます。  平成三年二月二十五日午前三時ごろから午前五時ごろにかけまして、愛知県下の東名高速道路下り線におきまして、御指摘のとおり四件の死亡事故発生いたしまして、九名の方が亡くなられました。また、多数の方が負傷をされました。  死亡事故の概要は、三ケ日インターチェンジから豊川インターチェンジ間における路線バスの路外転落事故によりまして死亡者二名、音羽蒲郡インターチェンジから岡崎インターチェンジ間における多重事故二件によりまして死亡者六名、豊田インターチェンジから名古屋インターチェンジ間における多重衝突事故によりまして死亡者一名でございます。  二月二十四日、前日でございますが、十六時四十五分、私ども、高速道路の沿線の気象情報につきましては、通常の気象台発表の気象予報のほかに、財団法人日本気象協会に高速道路沿線の気象予測を別途委託をいたしておりまして、こちらの予報によりますと、二十四日の十八時から二十五日の明け方にかけまして、東名高速道路の三ケ日インターチェンジから小牧インターチェンジ間におきましては、予報といたしましては晴れ時々曇り一時にわか雪という予測でございました。この情報を受けまして、当該区間でございます三ケ日インターチェンジから小牧インターチェンジまでの区間を管理いたしておりますのが現地機関といたしまして豊川管理事務所と豊田の管理事務所でございますけれども、二十四日の十七時までに雪氷作業に当たる職員並びに作業員を待機をさせまして、雪氷作業用の機械の出動の準備を完了いたしました。  その後、二十四日の二十二時四十分、愛知県全域にわたりまして気象庁名古屋気象台から大雪風雪注意報が発令をされたわけでございます。以上の気象情報を受けまして、道路のパトロールを実施いたしました。交通状況、路面の状況、気象状況の把握を行うとともに、沿線にございます気象観測装置によりまして気象状況を看視しながら、天候あるいは温度の変化等を見まして、路面が凍結するおそれがある場合には直ちに薬液散布作業ができるように出動の態勢をとっておりました。  以上が雪が降る前までの私どもの方の準備状況の概況でございます。
  22. 片岡武司

    片岡委員 ありがとうございました。恐らくそういった事態を想定されて、気象情報あるいはいろんな情報をそれぞれ検討されて、体制は整っておられるわけであります。  公団さんのいろんな体制は大体整っておられるとお聞きしておるわけでありますが、速度規制の問題が実はありました。また、流入、インターチェンジから入る車の規制の問題、またどの区間を全面的に通行どめにしたのか、そういったこともいろいろと状況によって判断をされてやってこられたと思うわけでありますが、しかし現実には事故が起こっているわけです。きのうも福島の方の東北自動車道で事故が起こっております。積雪地帯だとか寒冷地は、それなりに道路上の構造だとかいろんな施設というものは十分に配慮した上でやられておっても、なおかつこういったところでも事故が起きるわけですね。  東名高速道路の特に関ケ原付近は別といたしまして、愛知県から東京にかけての部分については、ほとんどの場合、雪というものに対する感覚というものは運転する方も実はないわけです。それから道路を管理される側の方にも、毎日のようにはありませんので、年に一回あるか二回あるか、もしかしたら三年に一回あるかという、そういった時間的な長さというものがどうしても、運転する側も管理する側も、やはりどこかでやらなきゃならぬことが、あるいは考えなきゃならぬことができてないのではないかなという気も実はあるわけですが、今回、チェーンの規制、チェーンの装着ですね、これがなかなか東名ではできぬということを実は言われておりますね、通行量が多いということもありますが。東名高速道路にチェーンの装着場をつくれるかつくれないか、これは公団さんとして将来の問題もありますのでどういうふうにお考えになっておるのか、ちょっとお聞かせいただけませんか。
  23. 山下宣博

    山下参考人 お答え申し上げます。  東名高速道路から名神高速道路にかけましては、御指摘のとおり関ケ原地区が最大の積雪地帯でございます。ここを中心にと申しますか、積雪量に応じまして雪氷対策の設備あるいは機械類等については整備しているわけでございます。関ケ原を挟む区間につきましては、チェーンベースを設けまして、ここでチェーンをかけるような体制をとっておりますが、それより東側の今回事故発生いたしました区間につきましては、これまでそれほど雪がなかったということもございますし、過去の事例から見ましても、チェーン規制を必要とするほどの積雪を見ておりません。  今回の寒波による雪について申し上げますと、最大の積雪深が関ケ原地区におきまして、関ケ原インター付近でございますが、三十センチでございました。それから、豊田の管理事務所で観測した最大の積雪深が四センチでございます。さらに東へ参りまして、豊川インターチェンジで観測された最大積雪深が二・五センチでございまして、今回の状況の中でも、チェーン規制につきましては交通管理者の分野でございますけれども、私どもの方から見ましても路面に積雪があるような状態ではございませんで、チェーン規制が必要な状況ではなかったのではなかろうかというのが、これは私どもの決定できる問題ではございませんが、道路管理者の立場から見ましてもそのような状況でございました。  御指摘のチェーンベース等につきましては、さらにこういった積雪の状況等も検討いたしまして、必要かどうかということも含めまして少し勉強してみたいというふうに存じます。
  24. 片岡武司

    片岡委員 また話は戻りますけれども、今回の場合、実は雪というのは予報でわかっておった。これは私も前の日にはもうわかっておりました。当日は、月曜日は本会議がございますので何としても昼までに行かなきゃいけないということで、早目に家を出るというところまで私どもは一応考え方を変えたわけですが、東京からお見えになる運転者の場合にはそこまでわかっていたかは実はわからないわけです。今回の事故は全部下り線で起こっていますね。上り線の方は関ケ原の方で雪が降っていましたから比較的チェーンをつけて走ってきたわけですね。あの辺の雪というものは東側から雪が降ってくるわけではありません、必ず関ケ原の方から雪が降ってくるわけです。したがって、チューンベースを、装着のベースをつくるとしても、私必要なのはまず下り線の方だと思うのです。  ですから、私がお聞きしたいのは、東名高速道路でチェーンベースをもしつくるといたしますと、それが渋滞に相当影響するというふうに伺っておるわけですね、その装着時間の問題もあるし、通行量の問題もある。可能かどうか、まず伺いたい。それから、可能であるならば、わかっている範囲で結構ですが、どの程度の距離で、どの程度の位置でそういうのをつくらなければいかぬのか、その辺、もし公団さんとしてお考えがあるならば教えていただきたいと思うのです。
  25. 山下宣博

    山下参考人 先ほどの名神高速道路の関ケ原の例で申し上げますと、チェーンベースといたしまして、下り線につきましては養老サービスエリアの付近に一カ所ございます。それから、最も雪の多い区間を挟みまして西側に、これは上り線用でございますが、百済寺というところがございますが、滋賀県内でございます。こちらに置いてございます。  御指摘の愛知県下の東側の部分につきましては、具体的にこれまでチェーン規制を必要とするような降雪がなかったということから、まことに申しわけございませんが、具体的にどこにどういうものをつくったらいいかというようなところまで実は検討がこれまでのところなされておりませんので、きょうここで明確にお答えすることができないわけでございまして、今後新しい問題として、そういう必要性がどの区間にあるか、チェーンベースを仮につくった場合に、これをうまく使ってさらに安全な走行のために役立てるにはどうしたらいいのかといったような点も含めまして勉強してまいりたいというふうに存じます。
  26. 片岡武司

    片岡委員 ありがとうございます。愛知県下というのはなかなか雪が降りませんので難しいかと思いますが、今、東名高速道路は大動脈で、深夜といっても大型トラック等、あるいは最近ではこういった夜間のバスとか、そういったものが大変ふえております。夏場はいいのですけれども、こうして冬場になりますと、特に名古屋市の例をとりますと比較的雪が多いのです。これは関ケ原の方から雪雲が流れ込んできますので、少し西高東低の冬型の気圧配置になりますと比較的降りやすくなってくるということがありますので、今まではそういうことがなかったということでありますが、ひとつ安全上の配慮からやはり公団さんとしても、お金もかかるし時間もかかる話でありますが、早急に検討していただいて、特にこの雪対策ということをお願いをしたいわけであります。  また、もう一つ、前の日からわかっていましたので融雪剤をまかれたというふうに伺っておるのですが、その融雪剤というのは、雪が降ったときに効果があるのですか、ないのですか、その点ちょっと教えてください。
  27. 山下宣博

    山下参考人 お答えを申し上げます。  今回の愛知県下のお尋ねの区間につきましては、薬液散布を実行いたしました。これは塩化ナトリウムの二〇%の溶液を散水車で路面に散布いたしまして、降雪の場合の凍結を防ぐ目的でございまして、この濃度によりまして、気温が低い場合にはさらに高い濃度のものをまくとかといったようなことで、十分凍結を防止する効果がございます。
  28. 片岡武司

    片岡委員 ありがとうございます。  余りこのまま話を進めますと時間がありませんので、大変申しわけありませんが、先ほど言いましたように安全対策、特に雪の場合は、今回の事故は運転者が速度規制を守らなかったということも大きな要因だと思いますし、車間距離をとっていなかったということも大きな要因だと思いますが、それ以上にやはり、多少の雪でも万全の安全対策を講じていただきたい。先ほど言ったチェーンの装着場所検討もひとつよろしくお願いを申し上げる次第であります。ありがとうございました。  次にまた、これは同じ事故ですが、JRバスが実は事故に遭っておるわけであります。乗用車も入っておりますし、トラックも入っておるわけであります。最近、夜間連行のバスというのは非常に延びておるわけですね。四年前が三百キロ以上、全国で十三路線だった。それが今では百四十四路線、比較的実は延びておるわけです。それだけ多くの方がこれを利用しておるということなんですね。  今回、今公団さんにお話ししたのと全く一緒の質問になるわけでありますが、運輸省さんにちょっとお聞きしたいのでありますが、当然、運転者の管理の問題、それは労働の条件の方もあるでしょうが、もう一つは連行管理ですね、こういった異常事態に備えてのいろいろな指導をされておると思いますが、その辺のマニュアルというのですか、やられてきたことをちょっと教えていただきたいと思います。
  29. 松波正壽

    松波政府委員 お答えをいたします。  高速バスの安全対策についてでございますが、運輸省といたしましては非常に重要なことでございますので、バスの事故防止を図るため従来より、今先生も御指摘ございましたが、連行管理面においての研修の充実強化とか、あるいは運転者に対する教育の問題とか、あるいは管理の面でいいますと車両管理の問題等いろいろな施策推進してまいったのでありますが、今先生もお触れになりましたように大変高速バスが路線数がふえている、こういうような状況にあることにかんがみまして、今後もまたこれがふえるのではないかな、こんなような認識から、平成元年七月、御指摘もございましたけれども、警察庁と運輸省連名で、日本バス協会に対しまして、この長距離高速バスに係りますところの事故防止の徹底対策検討を指示したところでございます。  この指示に基づきまして、日本バス協会に対し当省もその内容について指導を行ってまいりましたが、今お触れになりましたように、安全連行マニュアルといいましょうか、詳しく申し上げますと高速道路の安全連行要領、これを昨年六月に完成をいたしたのでありまして、その成果を積極的に活用して現在高速道路における安全運行の徹底を図ってきておりまして、ちなみに、この要領におきますところの先生指摘の降雪、積雪時におきますところの高速道路の安全連行について御披露申し上げますと、その走行方法といたしましては、例えば急加速、急ハンドル、急ブレーキ、こういったような急といったものについては絶対しない、さらには十分な車間距離、例えば、詳しくは例示してございますけれども、通常の三倍以上、あるいは通常より一段シフトをダウンして走行スピードを低くするなどの基本的事項に関しましての具体的な措置、方法が盛り込まれておりまして、これに基づきまして事業者が運転者に対し適切な指導教育を行ってきているところでございます。
  30. 片岡武司

    片岡委員 そこで、いろいろとそういった指導に基づいて当然バス会社の方も運転者に対しては指導されておると思うのでありますが、今回は、雪が降るということは事前にわかっておった。その場合に、連行責任者というのですか、運転者の上司に当たると思うのでありますが、そういった方々は気象状況というものを一応判断した上で、きょうはこういうふうにしなさいだとか、そういったことは当然されておるのですね。その点いかがですか。
  31. 松波正壽

    松波政府委員 お答えをいたします。  今の、こういう異常気象時における運行管理者の措置はどうであったかという点にお答えを申し上げたいと思いますが、JR東海バスのその事故原因等につきましては、運転者に対する気象等の情報の伝達方法におきまして現在調査中でございまして、本日でございますけれども、当該会社に入りまして特別監査を実施いたしておる状況でございます。したがいまして、これらの調査等の結果を見まして、どういう点が問題であったのか、実際に実施されたのか等々、いろいろ詳細に調べまして、もし改善すべき点がございましたら、JR東海バスに対し改善をすべく指導をいたしたい。そして、厳正な処置を図ってまいりたいと考えております。
  32. 片岡武司

    片岡委員 よくわかりました。ただ、実際にはこうして事故が起きたわけです。私が希望したいのは、そういったマニュアルができておる、それがすべてではないということですね。ですから、雪が降るということも前提の上で、例えば、旅客バスでありますのでお客様の安全ということがまず第一でありますから、雪が降ってきたという場合には、やはりどこかのサービスエリアでまず情報提供を受ける、あるいはそうした後チェーンをつけるだとか、そういったことの具体的な実施というところまで、やっておるかもしれませんが、もう一度徹底をしていただきたいと思うのです。これはいろいろなマニュアルやられるのですけれども、どうもその辺の徹底がされておるかどうか、これは信じておりますけれども、我々にはよくわからない話であります。現に事故が起こったという現実がありますので、そのことを含めて改めて、今調査をされるということでありますが、ひとつ要望とあわせてお願いしたいと思います。
  33. 松波正壽

    松波政府委員 お答えをいたします。  当該会社に対しましては今お答えしたような状況でございますが、先生指摘がございましたように、安全輸送の確保、全体事業者に対してどうするかという問題が次に残るかと思いますが、その点についてお答えを申し上げたいと思います。  まず、事故の起きました当日でございますけれども、大変重要な問題でございますから、緊急に電話連絡によりまして、積雪時におきますところの高速バスあるいは、この場合はトラックも含めておりますが、事故防止についての警報を発しまして、特に高速バスの運行事業者に対しましては、陸運支局から直接、迅速に周知徹底を図るように努力をいたしておるところでございます。  また一方、本日でございますけれども、東名高速道路においての、先生先ほど来御指摘のございます高速バス等事業自動車関係した事故連続して発生したことにかんがみまして、この事故の再発防止を図るために通達を発しました。積雪時における高速バス及びトラックの事故防止について、こういうことでございまして、この通達をもちまして、先生いろいろ内容に触れられましたが、積雪、凍結等の情報の適切な指示等運行管理の徹底あるいは最高速度の厳守等安全運行の徹底につきまして、自動車運送事業者を指導するよう各運輸局に指導いたしたところでございます。  今先生が御指摘ございましたように、やはりこの通達が本当に生きるかどうかは、末端におきまして守らなければいけないわけでございますから、この機会にこれまでやってまいりましたいろいろな運行管理手法の原点に立ち返ってよく見直して、やるべきことがあったらしっかりやろう、こんなことでお願いをいたしておるところでございます。
  34. 片岡武司

    片岡委員 ありがとうございました。これをやっておりますと時間がありませんので、次に進みます。何とぞまたよろしくお願いをいたします。  踏切道改良についてちょっとお尋ねをいたします。具体的な例として一つだけ挙げさせていただいて、御理解をいただきたいと思うのであります。  私の選挙区の名古屋市の港区内、ここに臨港線が走っておるわけであります。都市計画道路が拡張されまして、車道部分の踏切整備をしていただいたわけでありますが、歩道部分のところができていない。したがって、自動車の通行が大変多いということで地元から歩道の設置をお願いしておるわけでありますが、実はなかなか腰を上げていただけない。あげくの果てが、ほかの踏切をつぶせばそこも考えてもいいというような御返事があったと聞いておるわけであります。  今回のこの踏切道改良法律改正案、これはぜひやっていただかなければならぬわけでありますが、向こう五年間、全国で千カ所踏切道改良をするというお話がありました。私は、自動車道の部分も当然大事でありますが、あわせて歩行者が渡れる部分もやっていただかぬと、これは安全上まずよろしくないような感じがするわけです。今回の港区の例も、自動車の通行が大変多い、工業地帯が控えておりますのでトラックの通行も大変多いものですから、歩行者が渡るのに大変苦労しておるわけです。そういったことが実は地元から要望がありました。  したがって、私がここで運輸省さんにお願いしたいのは、まず、今言いました歩行者の渡る部分もあわせて設置をしていただきたいということであります。この向こう五年間千カ所、これはさっきは総務庁お答えになっていたようでありますが、当然この歩行者部分もその対象になるということですね。その辺どうですか、いかがですか。
  35. 佐々木建成

    ○佐々木(建)政府委員 お答えいたします。  今お尋ねの拡幅の中には、歩道を追加するというものも入るわけでございます。
  36. 片岡武司

    片岡委員 それでは、これは要望であります。できれば御指導いただきたいのであります。今私がお話しした、こちらをつぶせばこちらを考えてもいいというような、そういったことを実はある管理会社が言っておるわけでありますが、こういったことは当たり前のように通用する話でありますか。
  37. 佐々木建成

    ○佐々木(建)政府委員 踏切道改良の一環として踏切道の拡幅をやる場合でございますけれども、拡幅をその道路についてやりますと、その拡幅後の踏切道路交通量がふえるというようなことから、踏切事故防止総合対策の中で、あわせて近接の踏切道を統合するという方針踏切の数の減少を図ってきたわけでございます。その結果相当整理をされてきたわけでございますけれども、例えば今先生指摘のような歩道の整備であるとか、それから車線数の増加を来さないというような改良等があると思います。そのほかにも何かあるかもしれませんけれども、そういったものにつきましては、保安上の支障の有無についてはもちろんチェックしなければいけませんけれども、個別、具体的な事案に即して検討いたしまして、必ずしも他の踏切道の統廃合がなくてもよいという場合もあるかと思われるものですから、そういうふうに判断される場合には道路管理者と鉄道事業者がよく協議するように指導してまいりたいと思っております。
  38. 片岡武司

    片岡委員 ぜひお願いします。  廃止せよと言っているのは臨港線の方の踏切じゃないのです。別の線の踏切なんですね。ですから近くにないのです。全く離れたところの踏切をつぶせばこちらをつくってやるということらしいですね。ですから、そんなことを鉄道管理者の方が言っておるということですと、これは話にならないのですよ。道路管理者の方は私どもの方で予算もつくりますというところまで譲歩したのですが、それでも頑として受け付けてくれないということで、私はもう毎日のように実は地元から陳情を受けておるわけです。具体的には運輸省さんの方にお話ししてありますので、ひとつ鉄道管理者の方にもそういうことをするなと、ちゃんと地元の方の言うことも聞いてやれよというようなことを指導していただかぬと、これは歩行者の安全ということを考えますと、せっかくこういったいい法律案がありながらそれが生かされてないということになりますから、ひとつよろしくお願いを申し上げます。これは要望でありますが、お願いをいたします。  それから、同じく踏切道でありますけれども、これは安全上からいけば単独立体あるいは連続立体が図られることが当然であります。しかし、残念ながら都市化が進みますとなかなか追いつかないわけですね。当然踏切整備するしかないわけですが、なかなかそういった踏切新設が実は難しい面があるのです。今言われたようになるべくない方がいいわけですので、なるべくない方がいいということで道路ができても渡れないというところが実は結構都市部では出てくるわけですね。そういったこともこれは現実としてありますので、この法律があとまた五年間延長されるのを契機に、安全ということをまず大前提にしてどうか御配慮いただきたい、心からお願いを申し上げて、実は時間が参ってしまったものですから、大変申しわけありませんが、これで私の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  39. 長田武士

    長田委員長 次に、竹内勝彦君。
  40. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 運輸大臣並びに関係省庁皆さん、ありがとうございます。  まず、今回本委員会にかかっておる交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法の一部を改正する法律案並びに踏切道改良促進法の一部を改正する法律案に関連して、若干の質問をさせていただきたいと思います。  まず、建設大臣にお伺いしておきますが、昨年一万一千二百二十七人の死者がこの交通戦争によって出てきて、そして第二次交通戦争時代とも言われるような、そういう交通問題に関しては、これは緊急に対応をしていかなければならない。過去におきまして、昭和四十五年が死者数で見ると最高でございました。一万六千人を突破した。それが昭和五十四年に八千人台まで努力によって減らすことができた。しかし、その間にはいろいろと、自動車の保有台数あるいは運転免許取得者数、そういったものがどんどんふえていった。そういうことから考えていきますと、交通事故というものは、それに比例してふえていったわけではないわけでございます。そこにはいろいろと努力があったわけでございますが、しかし、ここ三年、ついに死者数は一万人の大台を突破してしまった。今も同僚委員から具体的な質問があったとおり、交通事故は現在本当に悲惨なものが数多く起きておる。こういう現状を踏まえて、どうかひとつ、この五カ年計画、この問題に関しまして今後どう対処されていこうとするのか、まずその御決意大臣の方から伺っておきたいと思います。
  41. 大塚雄司

    大塚国務大臣 ただいま先生指摘のように、昨年も百四十一名死者がふえまして、大変に憂慮すべき状態でございます。先生の御地元の京都も、昨年は死亡者の比率ですと六番目でございました。これらの問題を踏まえまして、交通事故対策につきましては、今後、余暇活動の増大や生活時間の二十四時間化や、あるいは高齢化社会の進展等を背景とした自動車乗車中の事故や、夜間あるいは高齢者事故の増加等の事故の特性に十分対応していくことが必要であると考えております。  このために、建設省として、平成三年度を初年度とする第五次特定交通安全施設等整備事業五カ年計画におきまして、総額一兆八千五百億円をもちまして、歩行者、自転車対策としての歩道等の整備、あるいはまた安全かつ円滑な自動車交通確保を行う交差点改良等の整備を進めますとともに、道路標識やあるいは道路照明設置など、交通安全施設等整備を積極的に推進してまいりたいと考えております。また、これらの事業実施に当たりましては、幅員の広い歩道の整備を行うなど高齢者等利用にも十分配慮をいたしますとともに、増加する駐車需要に対応をした駐車場整備等の新しい事業にも着手するなど、安全かつ円滑、快適な道路交通環境整備に一層努めてまいりたいと考えております。
  42. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 それでは、運輸大臣にお伺いしておきますが、この踏切道改良促進法の一部を改正する法律案、それに関係しまして、「運転事故件数踏切事故件数及び運転事故死傷者数踏切事故死傷者数の推移」、これを見てみますと、運転事故件数昭和六十二年で千四百五十六件、昭和六十三年で千四百六十八件、平成元年千四百七十九件、それから運転事故死傷者数の推移は昭和六十二年千百六十四人、昭和六十三年千百四十人、平成元年千二百七十四人、いずれもふえております。それから踏切事故件数、これは昭和六十二年は八百八十四件、六十三年八百六十件、平成元年八百六十件、これは横ばいですね。それから踏切事故死傷者数昭和六十二年七百二十七人、昭和六十三年五百十七人、平成元年五百六十人、六十三年は踏切事故死傷者数は減っておりますが、また元年には若干ふえておる。いずれも微増それから横ばい、こういう状況でございます。  こういったものの増加傾向、それから横ばいという中ではございますけれども、関係省庁が一生懸命努力しておるにもかかわらず微増、横ばい、こういう状況に対し、今後この踏切道対策というものについてはどうしても積極的な対応が必要であろう、こう思いますので、大臣の御決意を伺っておきたいと思います。
  43. 村岡兼造

    村岡国務大臣 先ほど加藤先生からもお話がございました。今竹内先生指摘のとおり、表を見てだろうと思いますが、五十一年ころから見ますと相当減ってきていると思っておりますが、なお、今言われましたように、踏切事故件数あるいはまた死傷者の数、漸減ではございますけれども、また横ばいというような状況もございます。従来からも一生懸命やってきておりますけれども、今御審議を願っております踏切道改良促進法の一部を改正する法案でございますが、その成案を待ってさらにひとつ強力に、踏切事故がないような、そしてまた、私、間もないのでございますが、今までの踏切事故等の原因等もよく調査をして、今までの対策でよかったのかどうか、こういうことも検討し、強力に進めてまいりたい、こう思っております。
  44. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 では、具体的な問題をお伺いしておきます。  まず、人対車の事故、それから車対車の事故、そのほかいろいろなものがあるわけでございますけれども、そこに今後は自動車の構造、装置に係る安全基準というもの、これを講じていかなければならない、そういうところへ来ておるのではないか。  例えば衝突時にドアがばんとあいちゃうとほうり出されるわけですね、そこへ後続の車が来てそれにひかれちゃう、こういう場合もあるわけですから、では、衝突時にドアが簡単にあかない、そういう装置が生命を守るという意味で考えられないのか。あるいはガソリンに火がついてタンクが燃え上がってしまう、そういう火災を起こさないガソリンタンクであるとか、あるいは、これは例えばの例ですが、自動車が海へ落ちるあるいは湖に落ちる、そういう例は幾つもありますよね。それで、もうついに出てこれないで死んでしまった。中には昔の、窓をあげるのは自動じゃなかったですね。手で回して窓をあげる。そういうのをざっと回して、その窓から抜け出したというような体験を聞いたこともありますけれども、今はもうほとんど自動ですね。ですから、押したって、これはもう電気回りですから全部あきはしませんね。それからドアをあけようと思ったって、それは水圧でそう簡単にあげられるものじゃない。結局みすみす死んでしまう、その構造いかんで死んでしまうという例は十分あるわけですね。  ですから、もちろんそういうところに落ちることを前提にしてその装置や構造を考えるわけではないのですが、しかしやはりそういういろいろな過去の事故のデータにかんがみて、私は、そろそろこの安全対策、構造面で抜本的に行政の対策を講じていかなければならぬ、そういったところへ来ておるのではないか、こう思いますが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
  45. 松波正壽

    松波政府委員 お答えをいたします。  自動車の安全対策についてでございますが、冒頭に御指摘がございましたように、交通事故防止を図るためには、人、車、道、いわゆるソフト、ハード各般にわたる総合的な対策が必要であることは当然でございますが、運輸省といたしましては、自動車の安全を確保するため、今先生も御指摘ございましたが、自動車の構造、装置につきまして従来より、最大限人命を尊重する精神を基本にいたしまして、この精神を中心に心に刻みながら、交通事故実態あるいは道路交通の環境あるいは自動車の技術開発の進歩等に対応しまして自動車の構造、装置についての安全基準充実を図ってきたところでございます。  すなわち、自動車の構造、装置に起因する事故を起こさないためには、一つ事故回避対策、我々アクティブセーフティーと申しておりますが、予防安全といったようなこと、あるいは事故発生した際の乗員等の被害を可能な限り軽減するいわゆるパッシブセーフティー、衝突安全、こういった観点から、さらには火災の発生または火災の拡大防止等、総合的に自動車の構造、装置の安全性について規定をいたしておるところでございます。  しかしながら、先ほど先生から御指摘ございましたように、最近の交通事故、非常事態宣言を発せられるほど大変厳しい状況にございますので、その状況にかんがみまして、今後の自動車の構造、装置に係る安全基準拡充強化につきまして、昨年十月運輸技術審議会に対し運輸大臣から諮問を行い、先ほど先生から幾つか御指摘がございましたけれども、例えば燃料タンクの問題、あるいは海へ落ちたときの問題、こんなことも含めながら、一つだけ簡単に申し添えておきますが、ドアのロックの強度につきましては世界的には同じような基準でやっておりますが、いずれにしましても、いろいろの問題を含めてこの運輸技術審議会に対し御諮問をしておりますので、平成三年度末の答申を目途に現在審議が進められているところでございます。  その審議に当たりましては、先ほど来御指摘ございましたように、事故の態様を踏まえまして、最近の交通事故状況特徴的なこととして、例えば自動車乗車中の死亡事故の増加、夜間の死亡事故の増加あるいは高速走行におきますところの死亡事故の増加等に適切に対応すべく、現在検討が進められているところでございます。
  46. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 今の問題に関連して、それはどうしても民間の各自動車メーカーとの兼ね合いが重要になってきますね。そういった面はどのように対応していっておりますか。
  47. 松波正壽

    松波政府委員 今のような安全基準を決めた場合には、どうしてもその裏づけになりますところの技術開発が当然必要でございます。そういう意味におきましては、民間におきますところの技術開発にかける熱意と力といろいろな面におきまして大いにやっていただかなければならないわけでございますが、昨年、我々アクションプログラムをつくったときにおきましても、自動車メーカーに対しまして、今日の交通事故実態考えまして一層の研究開発を進めるようお願いいたしておるところでございます。
  48. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。  そこで、次の問題に移らせてもらいます。  これはどうしても道路状況あるいはそれに関連した橋、鉄橋、あるいは道路にいつもついておる電柱だとか電話柱、そういったものに関連したものでどうしても交通安全上の問題がいろいろとあるわけでございまして、私は、過去この衆議院におきまして逓信委員会その他で取り上げてまいりました有線音楽放送、正式な名前は有線ラジオ放送業務の運用の規正に関する法律でございますが、これに関連して、不法に線を張っておって、中には事故も起きたのもあります、あるいはトラックが引っかけたとかという、交通安全上から見てもいろいろなものがございます。それから、この業界の中で届け出、許認可を受けずに不法に線を張りめぐらしてどんどん大きく全国シェアに発展していった全国の有線音楽放送の実態をこれから取り上げさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  そこで、委員長、ちょっとお願いしたいのですが、まず、この線がどういうように不法にひどい状況で張りめぐらしてあるかというのを、写真がありますので、ちょっと両大臣に見ていただきたいと思いますのでよろしくお願いします。  そこでまず申し上げますが、今写真をお見せしたのは、最近、私のある友人でございますが、こういうように線を張りめぐらして、そうして音楽放送あるいはそのほかの放送を、今までは——最近は違います。ちょっとその経過はまたこれから申し上げますが、今までは、昭和三十六年その不法な業者はスタートしたわけですが、昭和四十年代というものはもう大変なその不法だけで、そうしてどんどん膨れ上がっていく。もちろん正常な業者がそこでずっと頑張ってまいりました。だから、最初正常な業者は約三百社ございました。ところが、その昭和三十六年にある不法な業者がこの有線音楽放送というものを、許認可を得ずに夜中にそういう線を勝手に張って、そうしてずっと約二十年間、そういったものを不法にもどんどんシェアを拡大させていった。それはそうです。不法でございますから、全然道路占用料を払う必要ない、電柱使用料を払う必要ない、電話柱使用料を払う必要ない、何も払う必要ない。片や正常な業者はずっとまじめに払っておる。そして正常な業者は、どちらかというともる中小の零細のそういった業者が多いわけでございます。そういったところがまじめに頑張っておる。ところが、そういう不法な業者にどんどんシェアを奪われて、今何と三百社以上あったものが全部廃業、そういう形に追い込まれて、今二十数社しかございません、生き残っておるのは。  大臣、こういう問題は初めて聞いたかと思います。私これから論議を交わしていきますけれども、よく聞いておいていただいて、ぜひ政府として——この判断というものを誤るとこれは法治国家である日本で正直者がばかを見るということで、私は逓信委員会におきましてこの問題何回か取り上げて、昭和五十八年には法改正、これは超党派で議員立法で法改正も行いました。それにも限りがございまして、結局経過として不法なものが今まさに正常なものに追認をされようとしている、あるいはされたものもあるわけです。そういうものがまかり通って、そして正常なものが結局太刀打ちできないで、中には夜逃げしていくのもあります。こういった問題をどうしてもここで解決していかなければならない。  これはどうしても建設省が非常に、もちろん郵政省も許認可の管轄のものでございますけれども、道路占用料等を考えていきますと、道路占用許可というものを握っておる建設省、非常に重要なものでございますので、まずひとつ今までのこの正常化へ向けての経過、郵政省それから建設省、警察庁、電事連、そのほか幾つものもので協議会を何回か全国におきまして開いてきております、それから各地方におきましても開いてきておりますね。そういった経過を概略簡潔に御説明いただきたいと思います。
  49. 渡辺寛

    ○渡辺説明員 先生の御指摘の点について御説明させていただきます。  道路管理者、電柱所有者の許可、承諾を得ずにケーブルを展張している違法有線音楽放送事業者につきましては、先生指摘のとおり、昭和五十八年の法改正以降、業務停止処分及び告発を行う等その他の措置を講じてまいりました。しかしながら、いまだ違法な施設が存在することはまことに遺憾でございます。  このような状況を早期に解消いたしますために、昭和六十三年十一月、建設省関係機関との間で一定の申し合わせを行いまして、この申し合わせに基づきまして、中央に有線音楽放送正常化中央連絡協議会、これは平成元年の一月でございます、さらに地方ブロックごとに有線音楽放送正常化地方連絡協議会を設置した上で、関係機関が一体となりまして正常化を推進してきているという経緯でございます。
  50. 藤井治芳

    藤井(治)政府委員 道路管理者の立場で経緯を若干お答えさせていただきたいと思います。  先生指摘のように、昭和三十年代にこういう有線音楽放送線が始まったようでございますが、だんだんいろいろな実態が出てまいりましたので、私ども四十七年には、道路局長通達で「有線音楽放送施設の道路占用の取扱について」というものも流さしていただいております。そしてさらに、そういう中で五十年代の前半になりますと極めて市場拡大競争が激化いたしまして、その結果いわゆる不法占用と言われるようないろいろな実態が出てまいりました。そこで建設省といたしましては、関係省庁関係機関と連携をとりながら、このような違法事業者に対しまして不法占用是正のための警告を行い、かつ、各道路管理者に対して監督処分、刑事告発等を行うよう指導するなどの是正手段を尽くしてまいりました。例えば実例を申しますと、昭和五十二年の十二月に関東地建の東京国道がある会社を道路法違反の容疑で告発いたしましたが、これは私自身もその所長でございましたので、その事情等もよく承知しております。  その後五十八年に、今先生が御説明いただきましたように有線ラジオ放送業務の運用の規正に関する法律をつくっていただきまして、これに基づき告発、強制捜査が行われ、六十年の八月には一部の事業者が逮捕されるということもございました。また、これとほぼ同時に、ある地方建設局等においても行政代執行を実施し、強制撤去を行った、こういうこともございます。  こういった情勢のもとで、五十八年には違法事業者から不法占用是正の意思を表明する文書が建設省に提出されました。この是正の意思表示を受けまして、六十年の八月には地方建設局を中心とする道路管理者が正常化交渉を進め、こうした交渉がほぼ終了した六十三年の十一月に、残りの全道路管理者に正常化交渉に入るように指示してまいりました。  その結果、昭和六十一年には建設省の全地方建設局において正常化が完了、またこの時点では四十七都道府県及び十一の政令指定市のうち、十八都道府県及び十一の全政令指定市においても正常化が完了しております。加えまして、現在十三の県においても間もなく正常化の決着が図られる見通しとなっておりまして、このような状況になりますと、大体七割強の正常化の状態が出てまいるものというふうに考えております。
  51. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 警察庁、今までの状況を説明してください。
  52. 松原洋

    ○松原説明員 警察といたしましても、先ほど郵政省からお話のありました有線音楽放送正常化中央連絡協議会の一員として参画をいたしまして、この協議の場に出ておりますほか、無断添架等の違法事案を現認した場合におきましては、直ちに警告、指導を行いましてこれを中止させるとともに、関係機関への情報連絡を行うといったような措置を講じているところでございます。
  53. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 まず、郵政省の説明の中でただしておきたい点がございます。業務停止命令を出して、業務停止ができましたか。
  54. 渡辺寛

    ○渡辺説明員 お答えいたします。  業務停止処分をかけましたが、それには従いませんでした。
  55. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 大臣、よく聞いておいてくださいね。今建設省から、正常化が進んでおる。もってのほか。これは何にも正常化じゃないのです。業務停止命令したって業務停止に応じないのです。そして、過去の占用料を払いなさいといっても払わないのです。それをまけてくれと。そして分割にしてくれとかいろいろ言ってきて、結局過去の占用料、例えば道路の問題一つ考えたって、まあ今後答弁の中に出てくると思いますが、過去の占用料のほんの一部、恐らく一〇%以内でしょう、そういったものを支払って、それが正常化だ、こうなった場合、ここでちょっと大臣の答弁を求めておきたいのですが、正常な業者は一〇〇%払ってきている、一〇〇%。だから、その中ではいろいろ努力していかなければ、競争の中で生き抜いていくということはなかなか大変です。不法な業者は占用料払う必要ないのですから、その面に関しては何にもコストかかっていない。コストゼロですよ。そういった面に関してはもう完全にギャップがあるわけです。そうして、その業界はバックが大資本、大変なものでございます、不法な業界は。大変なものです。ですからどんどんシェアを拡大していった。そうして十分の一以下のものを支払って、これが今後正常化です、こんなことを認められますか、大臣。これは何も大臣の立場でなくても、人間として認められますか。まず大臣の御所見をお伺いしておきたい。
  56. 大塚雄司

    大塚国務大臣 今日まで先生が御熱心にこの問題にお取り組みになられまして、改正法にもお携わりになったことは十分承知をいたしております。  ただいま御指摘の問題につきましては、当然のことながら、不法にそのようなことをする者は厳に許せないことでございまして、そのような点はしっかりと是正をしていかなければならない、このように思っております。
  57. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 不法で認められない、そのように大臣は御答弁いただきましたので、今進めておる正常化というものをただいまの時点でどうかひとつ見直していただきたい。これは決して正常化ではない、妥協です、もしこのまま進めていったならば。  したがいまして、私は今までの国会の答弁の中でまず申し上げておきたいのですが、例えば昭和六十二年の九月に私が逓信委員会質問いたしました。そのときに政府委員としてお答えになったその会議録、ここにございますので、そのとおり読ませていただきますが、「現在、有線音楽放送施設として届けられておりますのは九百施設でございますが、そのうち六百八十が道路占用許可、電柱所有者の許可承諾等を得ていないいわゆる違法施設でございます。」ほとんどなんだ、これは。「それで、違法施設中に」、これは固有名詞が出てきて恐縮ですが、このとおりでございますから言っておきます。「違法施設中に大阪有線放送とその系列に属するものが約六百でございまして、残り約八十がそれ以外の団体に所属しているもの、あるいはいずれの団体にも所属していないものでございます。」このように答弁をしております。もう無法地帯、この問題に関しては。  この六十二年の時点でございますけれども、こういうような実態を見ていただいて、まず私、もう一度ここで大臣にもよくわかってもらわなければいけませんので、この届け出の手順というものをどういうようにやったならば正常にこの有線音楽放送を放送できるのか、これをどういう手順に従って届け出をしたならばそれが受理できるのか、郵政省説明してください。
  58. 渡辺寛

    ○渡辺説明員 お答えいたします。  有線ラジオ放送業務の届け出につきましては、あらかじめ道路占用許可の許可書と電柱所有者の承認書が必要でございまして、この承諾書が添付されていないものは受理できないという仕組みになっております。
  59. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 そうすると、いわゆる今まで違法に線を張りめぐらしたこの違法業者は、電柱の許可ももらわない、道路の占用許可ももらわない、勝手に張っている。もちろん届け出をする場合もあるし、しない場合の方が多いわけですが、何もしない。結局、違法にやってきて、それを全国のシェアに、お客さんが全部ついてしまった。よそより安い、三カ月無料にしましょう、こういうやり方なんですから、それはお客さんつきますよ。いろいろな音楽を送る、いろいろな情報を送るというのに、まず三カ月は無料ですよ、そして、今まで入っているところよりその三カ月以降は半値でやりますよというんだったら、みんなお客さんはそっちに行ってしまいますよ。これが違法か正常かなんということはお客さんはわからないわけですからね。したがいまして、そういうものを約二十年間ずっと野放しにしてきた。  そこで、まずお伺いしておきますが、建設省、主要道路の占用許可料として、今まで違法業者と話し合って、そうして過去の違法の道路占用料としてどれくらい徴収したのですか。
  60. 藤井治芳

    藤井(治)政府委員 お答えいたします。  地方建設局において直轄国道に係る正常化は昭和六十一年に行いましたが、少なくとも過去五カ年にさかのぼり合計約三億六千万円相当額の納付を受けております。
  61. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 そこで申し上げたいのですが、これは私、コピーを持ってきましたが、「放送レポート」という雑誌です。発売元は万聲社ですが、一九八八年七月号の「放送レポート」、そこに報道記事として出ておるものを一部引用させていただきたいと思います。  まず、これは全部調べたわけではないからなかなか実態はわからぬです。しかし、この東京管内、いわゆる東京電力の関係でその道路あるいは電柱あるいは電話柱、だから東京エリア、こう考えていただいていいと思うのですが、そこのもので、ではどれくらいの道路利用しているかといいますと、総延長は一万八千キロ、それから電柱は六十万本以上というふうに見ております。したがって、それを単純に計算しただけでも電柱が約三百億、道路が百七十七億、これだけのもの、いわゆる四百七十七億。そしてこれは、九電力会社のエリアにすると恐らく全国で二千億。一応過去二十年間を見て二千億、こういうふうに見ているのです。  これはちゃんとした雑誌に出ておるものを私引用させていただきましたが、これは計算しなければわからぬことでございますから多いとか少ないとかとは言えませんが、とにかく今三億六千万円という数字が出てまいりました。これはもちろん主要道路だけ、主要国道だけということでございますが、今申し上げた東京エリア、いわゆる東京電力のものだけでも道路では百七十七億。もちろんこれは都道も区道も入っていますよね。したがって、百七十七億、全国にしますとこれまた大変なものでございますよね。そういうものから比べるとどうでしょう、余りにも差があり過ぎるじゃないですか。三億六千万円で妥協してしまったら、今まで正常に払ってきた人はどうなるのですか。これが、正直者がばかを見ないようにやりますと政府は常々答弁してきた、そういうものに合致しますか、見解を伺いたい。
  62. 藤井治芳

    藤井(治)政府委員 全国の占用料の全体につきましては、私ども、建設大臣が直轄管理区間におけるものについては国の収入になっておりますので全国の集計ができますけれども、それ以外の道路管理者の管理区間につきましては、各地方公共団体が条例を一々おつくりになりまして、その条例に基づいて各地方公共団体の判断のもとに徴収されるという現状でございまして、具体的な占用料総額については把握するに至っているわけではございません。  しかし、先ほどは過去五年間と申し上げましたけれども、例えば平成元年度の実績で申し上げますと、建設大臣が管理する地方建設局で正常化された有線放送事業者に係る占用料は四千二百万円、こういう状況でございます。そういう中で正常化と私ども申し上げております意味は、今までいろいろな状況であったものをきちっと申請を出し直させる、その上で不法な施設は撤去させる、そして過去の占用料相当額も、過去五年間にさかのぼっているわけでございますが、それを納付させるということでございます。  では、なぜ過去五年間という形でこういうものの判断をするかと申し上げますと、いろいろと資料が乏しい場合もございます、実態の事実の確定が困難な場合もございます。それから、道路法七十三条における占用料徴収の時効といったようなこともございます。いろいろなことを含めまして、各道路管理者の判断によって過去五年間を限度とすることがやむを得ないという前提に立ってやっておるわけでございまして、基本は、これからこういう不法な状態を続けさせないために指導して、少しでも正常化の形に持っていくということを今努力している最中でございます。
  63. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 過去五年間ということを盛んに言いますけれども、今まで二十年間不法にやってきたのを五年間にまけていいなんて、どこでそれを判断したのですか。
  64. 藤井治芳

    藤井(治)政府委員 不法占用を行っていた事業者に対して不法占用の期間に対応する占用料相当額を納付させる、これはもう原則でございます。したがって、これが明確なものはそのようなことになるわけでございますが、過去にさかのぼるにつれまして、不法占用の事実の確定という点でそういう資料が乏しい、あるいは確認が難しい、こういったような実態もございます。したがいまして、そういう確認の一つの限度といたしまして、道路法七十三条の五項に占用料徴収の時効というものが一応五年というふうに定められていることを勘案いたしまして、各道路管理者の判断によって少なくとも過去五年間は取ることをまずする、それからさらに、今度は前向きに今後そういう不法占用が起きないような指導をし、占用料の納付をきちっとさせていくように対処していく、こういうふうな考え方を持っているわけでございます。
  65. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 道路法にある時効を用いて、それにこの問題を当てはめようというのは、先ほど御説明いただきましたけれども、この協議会の中で孜々協議をされ、そしてまた衆議院におきましても、私どもが要望をしてきた中におきましても、これを道路法に当てはめて過去五年間でよいということを要望した事実はどこかありますか。
  66. 藤井治芳

    藤井(治)政府委員 お答え申し上げます。  今五年と申し上げましたのは、たびたび申し上げて申しわけございませんが、事実の確定が困難になっている状況のもとでの五年でございまして、地方建設局で徴収している場合で申し上げますと、九年取っている場合もありますし、八年取っている場合もある。要するに五年以上取っている。これはその期間を確定するというのが前提でございますので、五年にこだわるということではございません。確定ができない場合についてこの五年というものを使わしていただいておる、そういう道路法の五年というものを勘案して五年を使わしていただいておる。確定できればまた別でございます。
  67. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 先ほど私が申し上げましたように、この不法な業者は昭和三十六年に発足しておる。これははっきりと確定しておるものなんです。そこからシェアをどんどん伸ばしていっておる。あと、道路の上を走らせなかったならば、線はよその土地を走らせることに必ずなる。そういったところを利用しておるというのが当たり前のことじゃないですか、明々白々じゃないですか。大臣、どう思いますか。
  68. 大塚雄司

    大塚国務大臣 先ほど来お話がございますように、正常化の会議もお設けになって、関係省庁事業関係者、公益事業者の意見を聞いて今日まで正常化の努力をしてきておる中で、ただいま道路局長お答え申し上げましたように、確定のできないものについて道路法の五年というものを採用しておるということでございまして、今御指摘のように三十六年ということでございますけれども、その辺のことについて立証ができ、これは法律上も取ることができるというものになれば取れると思いますが、その立証等が果たしてできるかどうか、私としては断定的に言えないところが多々あると思います。
  69. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 それはそうです。こういうものは水かけ論です。恐らく水かけ論になっていると思います。しかし、過去のいろいろなデータ、その売上高、いろいろなもの全部はっきりとしているものでございますから、だから正常の業者がその中でもう多くのものが廃業していかなければならない、そういったところに追い込まれておるという事実を見ても、大臣が言うとおりぜひ努力して、ここで本当に、何も五年と決めたわけではないという今の局長の答弁でございますが、確定できるものならばそれはそれにさかのぼる。必ず確定できます。これはぜひひとつ努力をお願いしたいと思います。  そこで、もう一点確認しておきます。  これは通達ですか、建設省道政発第六十二号、昭和六十年八月十六日、この第五の二の(二)「不法占用に係る占用料相当額の取扱いについて当該事業者と協議するときは、他の正規に許可を受けて占用料を納付している事業者との均衡を失しないようにすること。」とありますが、これは事実でしょうか。
  70. 藤井治芳

    藤井(治)政府委員 お答えいたします。  占用料相当額の単価につきましては、条例、国の直轄事業につきましては政令でございますが、これに規定する占用料の単価に相当する額といたしておりまして、各道路管理者に対しましては、当該事業者との交渉時にこの単価を減額する等によって正規に許可を受けている業者との均衡を失することのないよう指導しておるものでございます。
  71. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 その説明はそれでいいのですが、この通達ですか、そのものは間違いなく私が今読み上げたとおりの文章でよいのかということなんです。それが合っておるのか。これがいいかげんな文章だったらもう一度考えなければならぬから、そのとおりでいいのか。
  72. 藤井治芳

    藤井(治)政府委員 お答えいたします。  先生が今お読みになられたとおり、後半だけ申し上げますと「占用料を納付している事業者との均衡を失しないようにすること。」、かような通達内容でございます。
  73. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 それでは、大臣もよく聞いておいてください。この「協議するときは、他の正規に許可を受けて占用料を納付している事業者」、これは正規の事業者、二十年間正規に支払ってきておるのだ。その「事業者との均衡を失しない」。  今の私のは、雑誌を引用しての、報道を引用してのものでございますが、私が今まで過去においていろいろ調べたのでは、これはほぼ間違いございません。そうすると、全国でいくと約二千億からのものが、主要道路だけで三億六千万、過去二十年間のものが、約でございますが五年間分で。それも、それをまだ占用料をダウンさせて、今までのものよりも減らして、各区によっては、例えば新宿区は今まで区道をメーター三十円、それをその交渉に入った途端に五円に減らしたというのです。これは事実ですよ、調べてください、五円に減らしたというのです。そんなばかなことはありますか。こういうことをやってきて、それが「均衡を失しないようにすること。」という通達に合致しますか。
  74. 藤井治芳

    藤井(治)政府委員 今先生指摘の新宿の例は、私ども今具体的な資料を持っておりませんので何とも申し上げられませんけれども、そのようなことが起きるということは通達の考え方に合致しておりません。したがって、正規に許可を受けている事業者との均衡を失することのないよう強く指導してまいりたいと思っております。
  75. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 ぜひひとつ、よく調べてください。  そこで、お願いしておきますが、ここで郵政省あるいは建設省どちらでも結構でございますが、まず、今までの電話柱の占用料というものはどうなっていたのか、そして交渉に入って、どれだけそれを不法な業者から得たのか。それから電柱、道路道路は今の主要国道、それからそれ以外の国道、都府県道、市町村道、区道、そういったものに分けていただいて、わかるもので結構でございますので、ぜひこれを調べていただいて、そして資料を提出していただきたいと思います。
  76. 藤井治芳

    藤井(治)政府委員 先ほど申し上げましたが、建設大臣が管理するいわゆる直轄国道につきましては明確にその内容がわかっております。他の道路管理者の管理区間については、条例とのかかわり合い、あるいは条例がありましても取る取らないの判断は地方公共団体の判断のもとに行われているという実態もございますので、その具体的な状況については私ども十分把握し得ない状況にございます。ただ、今先生の御指摘のようなこともございますので、可能な限り可能な範囲で調べさせていただきたいと思います。
  77. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 郵政省は何かないですか。
  78. 渡辺寛

    ○渡辺説明員 お答えいたします。  NTT等の電柱につきまして、これもNTTが有線音楽放送事業者と直接民間レベルで交渉しているところでございまして、私どもとしてはその内容につき具体的には十分承知していないところでございますが、今先生の御指摘の点はNTTに十分伝えたいと思います。
  79. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 もう一点、具体的な問題でお伺いしておきます。  有線音楽放送正常化中央連絡協議会の名前で平成元年八月七日、苫小牧有線放送有限会社あてに送られておる文書の中に、「その他」という行がございまして、「既設の有線音楽放送施設に係る正常化の指導に従わない場合又は道路占用の許可を受けず若しくは電柱添架承諾を取得せずに、新たに有線音楽放送施設の設置等をした場合には、郵政省の業務停止処分、道路管理者の監督処分、行政代執行その他の各機関が取り得る行政措置等の手段を厳正に行使し、その是正を図ることとしているので、その趣旨を踏まえ法令に基づく手続きを遵守すること。」そして最後に、郵政省、建設省、電気事業連合会、日本電信電話株式会社、警察庁、そして事務局としては郵政省放送行政局有線放送課、こうなっておりますが、これはこのとおりに受け取ってよろしいでしょうか。
  80. 渡辺寛

    ○渡辺説明員 そのとおりでございます。
  81. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 ぜひその点、今ではもう二十数社になってしまったのです。もうほかの業種へ移っていこうかと私のところへうんと相談に来ます。これではもう食べていけません。今まで三百社あったのです。それが中には、本当に向こうの不法な方へ、不法だということをわかっていながら、どうしてもそちらと連携をとって商売をしておる人もおりますし、それから、正常をしっかり守ってやってきておる人たちが、本当に今どんどん追い込まれております。特に地域でいいますと、もちろん全国でありましたが、三百社が二十数社になったのですから、今わずかに残っておるのが北海道、それから東京、北陸。どうかひとつそこの面は、これはもちろん全国、法治国家でございますから、法に従い、条例に従い、正直者がばかを見ない、そういうものをつくり上げていかなければならない。今局長あるいは大臣も積極的な御発言をいただきましたので、ぜひそのように対処していっていただきたいと思います。特にひとつ、その二十数社、もう後がないんだから、私が今申し上げた地域は早急に、ただいまより、今まで不法でやってきたものを正常化なんという名前でそのわずか十分の一以下のものを、それも分割でいただいてこれでよしとするような、そういう情けない行政であったならば、もう国民は信頼していきませんよ。どうかそれを直ちに是正していただきたい。そうして、特にそういった正常な人たちを守っていく、その御決意のほどをまず大臣、御答弁ください。
  82. 大塚雄司

    大塚国務大臣 ただいまお話を承りました。この道路の占用の問題のみならず、行政は公平であり正直者がばかを見ないように厳正に対処することは当然のことでございます。ただいまお伺いをいたしました今日までの経過をもう一度熟慮しながら、法のもとに従って、国道はもちろんでありますが、地方公共団体の管理する道路につきましても、適正に対処をしてまいりたいと存じます。
  83. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 郵政省、ひとつ御決意を。
  84. 渡辺寛

    ○渡辺説明員 お答えいたします。  今、累次先生から御指摘がありました違法な有線音楽放送事業者に対しましては、今後とも厳正に対処いたしますとともに、正常な有線音楽放送事業者に対しましては、温かく見守っていきたいというふうに考えております。
  85. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 終わります。
  86. 長田武士

    長田委員長 次に辻第一君。
  87. 辻第一

    ○辻(第)委員 まず交通安全施設の整備の問題でお尋ねをいたします。  第二次交通戦争と言われる深刻な状況を迎えているわけでございます。そういう状況の中で、交通安全施設の整備というのは本当に重要な問題でございます。その中で私は、交差点の問題、交差点改良、安全施設の整備の問題でお尋ねをいたします。  私は、交差点の安全対策について昭和六十二年、六十三年、平成元年と少しずつお尋ねをしてまいりました。安心して渡れる交差点という市民の皆さん方の運動と御一緒に、いろいろと要望をしてまいったところでございます。そして、交差点並びに交差点付近での死亡事故件数というのは全体の四〇%を超えているというのが大体毎年の数字ではないかというふうに思います。平成元年度の全死亡事故件数の四二・六%というふうに認識をしているわけでございます。  そういう中で、総務庁行政監察局が昨年実態調査をされました。その報告が昨年の六月に出ております。その中で、「交通安全施設の整備状況等」のところでありますが、   抽出調査した交通事故の多発交差点等七十二か所の中には、右折時の事故の危険性が高い交差点に右折を現示する信号機がない、カーブ、交差点が近くにあることを示す警戒標識がない、道路照明が不十分など、交通安全施設の設置、高度化等改善の余地があるところが二十七か所みられた。 こういうふうに御報告されているわけでございます。さらに言えば、  抽出調査した十三都道府県内の主要幹線道路二十六路線の特に交通量の多い区間(延べ約八十キロメートル)における交通安全施設の維持管理の状況を調査したところ、道路標識が破損していたり、物陰になっていてその機能を発揮していない等改善すべきものが四十二か所においてみられた。 こういうこともございます。また、工作物衝突事故の問題あるいは夜間の死亡事故の例で、  交差点等の道路照明道路工作物の視認性の向上等の夜間事故防止対策充実強化が求められている。 こういうところがあるわけでございます。  時間の関係交差点のところだけで絞ってお尋ねをしたいと思うのですが、行政監察局はお越しをいただいておりますか。ここにはこのように書いているのですが、この二十七カ所の改善の余地のあるところをもう少し詳しく御説明をいただけたらと思います。
  88. 藤井昭夫

    藤井説明員 私どもの実施いたしました交通安全対策に関する実態調査におきましては、先生指摘のとおり、交通事故の多発している交差点等七十二カ所を抽出して、交通安全施設の整備状況等を調査しております。その結果、二十七カ所について交通安全施設の設置あるいは高度化等改善の余地があるところが見られたものでございます。  その内容はさまざまでございますが、例えば、右折時の事故の危険性が高い交差点であるにもかかわらず、右折を現示する信号機整備されていないというものが四カ所でございます。それから、道路の照明が不十分と認められますものが四カ所等となっております。
  89. 辻第一

    ○辻(第)委員 いや、もう少しわからぬですか。それではもう、聞いた意味がないんです。
  90. 藤井昭夫

    藤井説明員 先ほど申しましたとおり、二十七カ所全くさまざまでございます。そのほかには、件数的には余り多うはございませんが、例えばカーブ等が近くにあることを示す警戒標識がないというようなものが三カ所、それから信号機新設した方がいいと思われるようなものが二カ所とか、いろいろございます。
  91. 辻第一

    ○辻(第)委員 はい、大体そういうことだということはわかりましたけれども、私が思っておったのと大分違いました。  それでは、そのような報告があって、それに対してどのように改善をされたのか、対応をされたのか、それを建設省と公安委員会お尋ねをいたします。
  92. 藤井治芳

    藤井(治)政府委員 お答えいたします。  御指摘のございました二十七カ所のうち、道路管理者に係るものが二十四カ所ございました。これらを道路形態別に分けますと、おおむね、交差点というのが十八カ所、カーブというのが六カ所というふうに理解をいたしております。  具体的な箇所、内容、全部了知しておりますが、これらにつきまして、行政監察の趣旨を尊重して、道路照明設置、標識の整備等比較的対応が容易なものについては既に措置が完了いたしておりまして、二十四カ所のうち終わっているのが十二カ所、半分終わっております。その内容は、国が管理する国道が四カ所、都道府県道が四カ所、市町村道が四カ所でございます。  それで、さらに歩道等の整備あるいは交差点改良等地元との調整が必要なものについては、平成三年度においても引き続き対応していくことにいたしておりますが、この平成二年度末にさらに改良ができ上がるものが三カ所ございます。それは、国道として一カ所、都道府県道として二カ所でございますから、都道府県道は指摘を受けたのが六カ所でございますから、これは全部平成二年度末、今年度末に完了いたします。市町村道は六カ所のうち四カ所、残りの二カ所は平成三年度に着手する予定でございまして、いずれにいたしましても大半は平成三年度内に着手させていただきたいと思っております。  なぜおくれているかといいますと、今言ったような地元との調整がどうしても必要なものですから、こういう形に直したい、いや、それならこうしてほしい、こういうこともございまして、若干時間がその他のものはかかってきている。いずれにいたしましても全部、調整等々は取りかかっております。
  93. 関根謙一

    関根政府委員 お答えを申し上げます。  公安委員会分で御指摘をいただきましたのは十カ所でございます。したがいまして、全体で二十七カ所でございますから、道路管理者分と重複するところが幾つかございます。そのうち、交差点が八カ所で、カーブ地点二カ所でございます。  先ほど総務庁から話がありました、信号機の右折矢印を追加するような現示改良、これが四カ所で、一番多うございますが、その措置状況でございます。全体で六カ所ほど既に措置済みでございます。現在まで未措置の部分につきましては、優先順位等を勘案しながら逐次手当てをする必要があると考えております。なお、現示改良の部分でございますが、これは措置済みが三カ所、それから、右折レーンがないために右折矢印の追加をしてもうまく曲がれないというところが一カ所でございます。
  94. 辻第一

    ○辻(第)委員 大変積極的に御対応いただいているように感じました。  道路局長お尋ねしたいのですが、私の地元で、昔の国道なんですね、今はバイパスができて国道でないのですが、県道ですか、古い奈良の町並みを真っすぐに北へ行って、そこから急にカーブをするのですね、急カーブ。旧街道はそのまま真っすぐこう行くのですが、バイパスで急にカーブするような形に、もうそれは何十年も前になっているのですが、そうなりますと、夜中に走るのが人家へ突っ込むのですね。そういう事故がもう毎年何回かあるのです。少しずつは改善をしていただいているのですが、基本的には、真っすぐな道が急カーブをするということになりますと、夜間は少々照明をつけたり何をしてもそういう点は直らぬのですね。そういうことで、最近、県当局や市当局にいろいろお願いをしてかなり大きな改善をしていただくという方向に進んでいるように思うのですが、そう簡単にいかない。先ほど地元といろいろ折衝などとおっしゃっておりましたけれども、そういうたぐいのものはこの中にかなりあるのですか。
  95. 藤井治芳

    藤井(治)政府委員 お答えいたします。  この中には、東北の方で地下横断道の設置をしなければいけないものであるとか、そういうのが数カ所ありますし、中央分離帯の延長、これが一番難しゅうございまして、今まで家から出て右折できた、それが中央分離帯を延ばすとできなくなるから困るといったような、これはここにも書いてありますが、地元住民の意向が非常に厳しいというようなことがちょっとメモに書いてございます。そういったようなところが数カ所、やはりどうしてもございます。そういったところで、ではどうしたらいいかというのは、やはり無理をすると結果妙なことになりますので、若干そういうものは時間をかけさせていただきたいと思っております。
  96. 辻第一

    ○辻(第)委員 いろいろ難しい問題もあろうかと思うのですが、交差点並びに交差点付近、ここの対策ですね。さらに積極的に対応していただきたい、こう思うわけでありますが、建設大臣の御所見を伺いたいと思います。
  97. 大塚雄司

    大塚国務大臣 ただいま交通事故の中で交差点での死亡事故が非常に多い、大変に悲しいことだと思っております。この三年度、御審議を願っております五カ年計画の中では、特に交差点改良等には十分意を配りまして、交差点あるいは歩道の整備道路の照明等で二千六百六十六億初年度計上し、そのうち交差点改良二百五十億、昨年よりもはるかに予算を充実してお示しをしておるところでございます。特にそのような点に配慮をして万全を期してまいりたいと思います。     〔委員長退席、竹内(勝)委員長代理着席〕
  98. 辻第一

    ○辻(第)委員 ぜひ積極的にやっていただきたいとお願いをして、次に、通学路の問題でお尋ねをいたします。  お年寄りや子供さんなど弱い立場の方々、今の交通戦争という状況の中で、大変な状況だと思うわけでございます。その中の一つとして、子供さんの通学路の問題ですね。これも私は昭和五十八年、五十九年ぐらいですか、当委員会でお願いをしておるわけでありますが、子供さんの安全を確保するということは大変大事なことだと思うのですが、最近のこの通学路に対する交通安全対策現状についてお尋ねをいたします。
  99. 藤井治芳

    藤井(治)政府委員 通学路につきましては、学校とその地域における教育関係者が、お母さんたちとか、集まって路線をつくっていただきます。これは法律行為でも何でもございません。実態的にそういうものをつくっていただきます。こういうものをベースに私ども、交通安全対策事業のときに、道路交通安全法六条に基づく省令によりまして、補助対象とする道路を指定させていただきます。その指定のときに、交通量が多い、事故が多いというような路線とその付近に保育園、小学校がある路線、こういうのがその内容の要件ですが、その基本的な要件としては、その地域の学校関係者が決めた、ここが欲しいのだというような路線を全部お聞きして、その方と御相談いたした上でこの補助路線といういわゆる通学路の指定ということをやらしていただいております。そういう中で私ども、第四次の交通安全五カ年計画では八千六百十億円を見込んでおりますが、その中で七六・八%、八千六百十億円のうちの約八割弱の六千六百十二億円が通学路ということで今までやってまいりました。
  100. 辻第一

    ○辻(第)委員 大切な問題だと思いますので、さらに積極的に御対応をいただきたいとお願いをいたします。  次に、踏切道の問題でお尋ねをいたします。これも非常に大事な問題だと思うわけでありますが、その中で一点お尋ねをいたします。  踏切改良の中の連続立体交差化事業についての問題であります。それは、立体交差化や構造改善については道路管理者と鉄道事業者が費用を分担することになっていますが、連続立体交差化の場合その負担割合は、鉄道既設分ですか、立体交差化の場合、九三対七と鉄道事業者の負担が低くなるように運用されていますが、大都市部都市計画事業立体交差化とあわせて実施される場合には、高架下の土地の利用などで鉄道事業者の受益が大きい。この場合にも同じ負担率が適用されるために鉄道事業者、大都市ではJRや大手民鉄など大企業が多いようでありますが、不当に優遇するということにはならないのか、このように考えるのですが、運輸省の見解を伺いたいと思います。
  101. 佐々木建成

    ○佐々木(建)政府委員 お答えを申し上げます。  連続立体交差に伴う鉄道の負担の考え方でございますけれども、踏切がなくなることによりまして例えば踏切の設備の維持費などが要らなくなる、それから踏切事故が解消する、それから高架下が活用できるというようなメリットがあるということで、そういう受益を算定しまして鉄道事業者の負担をはじき出すというのが基本的な考え方でございます。     〔竹内(勝)委員長代理退席、委員長着席〕 それで、今先生指摘のように鉄道事業者と道路管理者との間の負担の割合が、昭和四十四年に運輸省建設省との間で都市における道路鉄道との連続立体交差化に関する協定というのがございまして、そこに規定をされておるということでございます。  それで、鉄道事業者と道路管理者の費用の負担割合というものは、基本的な考え方としましては安定的な割合が決まっているということが望ましいということであるわけでございますけれども、四十四年以降いろいろ情勢の変化があるということがございます。一つは国鉄の民営化が昭和六十二年度に行われたというようなこと、それから今御指摘のような高架下の利用の形態が変わっているとかというようないろいろな情勢の変化があると思いますので、現在、協定の負担割合について運輸省建設省との間で見直し作業をやっているということでございます。その場合に、今先生指摘のような、大都市とその他の地域で違うのか、同じなのかというような問題も含めまして見直しの作業をやっているということでございます。
  102. 辻第一

    ○辻(第)委員 やはり十分な検討をしていただいて、適切な対応をしていただきたいということを要望して、次に移ります。  総務庁運輸省お尋ねをいたします。  交通安全に関する自動車メーカーの社会的責任の問題でございます。これも私たびたびこの委員会で取り上げてきたのですが、車は走る凶器という特質を持っております。この点で、メーカーこそ交通安全運動の先頭に立つ社会的責任を負っている、このように思います。非常事態宣言を出されてから今日まで、政府は自動車メーカーに対してどのような要請を行ってこられたのか、また、メーカーは政府の要請をどのように受けとめ実行されてきたのか、この点についてお尋ねをいたします。
  103. 松波正壽

    松波政府委員 お答えいたします。  自動車メーカーの社会的責任で広報活動等において何をやったかということでございますが、従来から自動車製作者に対しましては、ユーザーの安全意識の高揚を図り、安全運転の徹底を期するという上から積極的に交通安全運動の機会にPRを的確に行うよう指導いたしておるところでございますが、先ほど先生お触れになりましたように、交通事故非常事態宣言も出たときに、我々それを踏まえまして、日本自動車工業会におきますところの広報活動の充実強化につきまして要請をいたしたところでございます。  これを受けまして、日本自動車工業会におきましては、交通安全特別委員会というような委員会設置されまして、車両の安全な取り扱いや安全思想の普及を中心とする広報啓発活動などにつきまして重点的に検討されるとともに、各自動車製作者ではポスター、ステッカー等の配布、あるいはテレビ、新聞等を通じましたところの運転者の安全意識の高揚につきましての広報活動も実施されているところでございます。特に一部の製作者ではございますけれども、新聞による安全を中心といたしましたキャンペーンの実施とか、あるいは安全運転の指導のための講習会、あるいはドライビングスクールの実施も行っておられるところでございますが、これらの啓蒙活動につきましては、業界におかれましてこれまでいろいろな知恵を絞っておられる、こういうふうに理解をいたしておりますけれども、今後とも運輸省といたしましては、今日の交通事故状況考えまして、啓蒙活動につきまして一層効果的な方法について指導をしてまいりたいと考えております。
  104. 辻第一

    ○辻(第)委員 総務庁は結構でございます。どうも失礼しました。  次に、運輸省お尋ねをいたします。  マツダ車のリコールの問題でございます。昨年十二月、運輸省自動車メーカーのマツダの部品改善を調査をし、定速走行装置の部品に欠陥があるとして同社にリコールを指示をされた、このように聞いておるわけでございますが、このリコールの経過と最終的な結果について簡単に報告をしていただきたいというふうに思います。
  105. 松波正壽

    松波政府委員 お答え申し上げます。  今先生お触れになりましたマツダの車につきまして、改善品を準備し系列の販売会社へ修理を指示した旨の報道があったのでございまして、そのときに運輸省といたしましては、当該会社に対しまして直ちに報告を求めるなど調査をいたしまして、技術的な検討を指導したところでございまして、その結果、今お触れになりました自動定速走行装置のふぐあいに関しますところのリコールの届け出を受理するとともに、同時に、当該メーカーに対しまして、地域交通局長から、市場ふぐあい体制を至急総点検し、その体制が十分機能するよう文書にて警告を行ったところでございます。  さらに、その後、本年二月六日でございますけれども、二つの、一つはリコール届でございますが、気化器燃料制御弁のリコール届、もう一つエンジンのヘッドカバーの改善対策、こんなことも既に行われているところでございますが、なお本件につきましては引き続き調査を実施しておるところでございまして、万が一所要の対策で必要なものがあるならば、さらに適切な措置を講じてまいりたいと考えておる次第でございます。
  106. 辻第一

    ○辻(第)委員 積極的に対応していただいている、このように私は思うのですが、こういう問題に関して、日本自動車研究所にもとお勤めになっておられた方で自動車事故の鑑定をしておられる専門家が、どのメーカーもユーザーからの苦情でその車の問題点の全体像を把握、問題箇所には大なり小なり改善部品をつくって対処しているはずだ、リコールを出せば評判が悪くなるから、できれば隠そうとする、こういうふうな指摘をされております。また、この自動車でまずいところがあった、そういう自動車のユーザーは、欠陥商品が理由で死んでしまった場合には原因がわからずじまいになってしまう、あるいは、安全にかかわることはガラス張りにしてもらわなくてはならないと、強くユーザー並びに関係者は訴えておられるわけでございます。そういう点で、この非常事態の中で一層行政や国民によるメーカーの監視体制というのは必要だと思うのですが、運輸省としてさらに積極的にやっていただきたい、このように要望するわけであります。最後に運輸省の見解を伺って、終わります。
  107. 松波正壽

    松波政府委員 お答えを申し上げます。  先生御案内のように、リコール制度は昭和四十四年に始まりまして二十年余の歴史を持っておりまして、我々は、今日においてはあらゆる角度から情報を収集しながら、本当に欠陥車に相当するものがあれば改善措置等の適切な措置をとっておりますが、今後とも、いろいろなチャンネルの情報を入手しながら、適切にこの制度が運営されるよう努力をしてまいりたいと考えております。
  108. 辻第一

    ○辻(第)委員 終わります。
  109. 長田武士

    長田委員長 次に、和田一仁君。
  110. 和田一仁

    ○和田(一)委員 きょうは踏切道改良促進法等の審議でございますが、まず初めに、踏切改良、改善が進んで幾らか事故が減っているようでございますけれども、しかしながらまだ相当の事故があると聞いておりますが、最近の踏切事故特徴というものをお聞かせいただきたいと思います。
  111. 佐々木建成

    ○佐々木(建)政府委員 今先生指摘のように、長期的には踏切事故件数が減っているわけでございますが、やや横ばいという傾向もございます。  最近の踏切事故内容特徴を申し上げますと、まず一つは、衝撃物別に分けて考えたときに、自動車が大体七割を占めているというのが一つございます。それから、原因別では、列車の通過する直前を横断するというものが過半数、年によってばらつきがございますが過半数を占めているということと、それから三番目に、踏切道別では、設備が最も整っている第一種踏切道において六割ないし七割の事故発生しているというような状況が見受けられるわけでございます。主な特徴としてはそんなところだろうと思います。
  112. 和田一仁

    ○和田(一)委員 自動車交通量ももちろんふえつつありますし、また、鉄道、軌道の方の運転回数もふえつつあるということですから、そういう中で全体の件数が減っているということは喜ばしいのですが、今のお話を聞きますと、やはり直前横断であるとか、あるいは第一種踏切立体交差以外は踏切としては一番整備されているはずの踏切での事故が多いということは、こういった改良、改善を重ねて今努力はしていながら、こういった傾向に対してもう少しではどうするかという、改良、改善を進めていけばいいものかどうか。第一種というのは一番数が多いから相対的には多いのだとは思いますけれども、どこに大きな原因があるとお考えでしょうか。
  113. 佐々木建成

    ○佐々木(建)政府委員 第一種の踏切道における事故の割合が大きいということを申し上げたわけでございますけれども、なぜウエートが大きいかということは、踏切道の数としまして、全体の踏切道の中に占める割合が七割強ということで、数なり比率が多いということがございます。それから、第一種踏切道整備している箇所では主要な道路交通が集中するというようなことがございます。こんなところが一つ原因になっているのではないかと思うわけでございます。
  114. 和田一仁

    ○和田(一)委員 私、いただいた資料をちょっと見ておりましたら、さっきもお話ございました直前横断、これは列車が来るのを承知しながら、まだ大丈夫だろう、そういう判断で実は入っちゃったが渡り切れなかったというのだろうと思うのですね。今ここにある運輸省資料による「踏切事故原因発生件数」というのを見ておりますと、そういったことが書いてある中で、鉄道側の責任というのがあるにはあるのですね。しかし、これは非常に少ない。元年で一件、これはJR。民鉄で二件。総件数八百六十件のうちこのぐらいの数であるということになると、これはやはり圧倒的に踏み切る方の側に原因があるのじゃないかと思うのですね。そういう意味で今私はお尋ねしたのです。  これから整備を重ねていく上でも、一番整備された一種踏切でもやはりこういった事故が起きるということになりますと、きょうは総務庁の室長はお帰りのようですが、私はやはり、交通安全に対しての総合的な対策というのは、これを突っ切る側の人、車、物、こういうものが踏切の危険性というものをどこまで理解するか、そういうことのいわゆる教育等の面も含めて大変大事な面が残されているのではないか、こう思うのですが、いかがでしょうか。
  115. 佐々木建成

    ○佐々木(建)政府委員 今先生指摘のように道路交通側の原因に帰する部分が大きいわけでございますけれども、そういう現象に対応いたしまして、私どもとしましては、一般ドライバーへの安全通行のキャンペーン等を実施するとか、あるいは大型車両を使用しております道路運送事業者への指導に力を入れるというようなことをやっております。  一方またそのほかにも、横断を無理にすることがないように、例えば踏切道改善促進協議会、これは都道府県単位で関係機関で構成されている協議の場がございますけれども、そういった場等を通じまして、道路標識等の視認性の向上をお願いするとか、あるいは踏切道の予告標が設置されているというような状態が望ましいわけでございますので、そういったことについての整備推進を都道府県公安委員会あるいは道路管理者に働きかけていくというようなことも必要ではないかというふうに考えております。
  116. 和田一仁

    ○和田(一)委員 交通事故全体の件数からいうと少ないですが、一たん起きると死亡事故に、大事故につながる場所だけに、どうぞひとつ一層の整備を図っていただきたいと思います。  ちょっと踏切からは外れますけれども、昨年六月にここで道交法が改正されまして、ことしの一月一日から施行されているわけでございますけれども、激増している自動車事故に対処するために、あの法律のポイントはやはり駐車問題が大きかったと思うのですが、一つの改正点として車両の使用者の責任も追及するというふうになってまいりました。指導期間も含めて二カ月が終わろうとしておりますけれども、使用者の責任、そういったものがどんなふうに浸透していっているか、使用者に対する指示であるとかあるいは自動車の使用制限命令等が、これは同時に新しくできましたけれども、実態はどんなふうになっているか、うまくいっているかどうか、効果等がはっきり出ているかどうかを含めてひとつお知らせをいただきたいと思います。
  117. 関根謙一

    関根政府委員 昨年六月に制定していただきました改正道路交通法の規定の適用状況についてでございます。  先生指摘のように、改正道路交通法で一番大きなと申しますか、従来のシステムと異なるシステムとして取り入れられましたのは、自動車の使用者に対する違法駐車の責任を追及するという仕組みでございます。  この規定の適用状況でございますが、これは二種類ございまして、一つが、法律の七十五条の規定によります、違法に放置することを自動車の使用者が運転者に対して下命し、または容認する、つまり違法駐車であっても構わないから道路に放置しておきなさいというふうに使用者が運転者に対して命令するか、あるいはそういうことになることを十分に承知しながらそれを容認しているという場合の禁止規定でございます。この規定に違反して下命、容認をしました使用者等につきましては、二月二十六日までに十七名の使用者等をこの七十五条の規定違反ということで検挙し、現在捜査を継続しているところでございます。  それからもう一つ、使用者の責任を追及する仕組みといたしまして、このように下命、容認をしたわけではありませんが、自動車の運転者が何回か放置行為を行いまして、その結果一定の基準点数に達した場合に、その自動車の使用者に対しまして、運転者がそういうことをすることのないようにまず指示をいたします。そして、その指示にも反してなお引き続きその種の行為を運転者がした場合に、その使用者の自動車の使用を制限するという仕組みでございます。こちらの方は、一月中の数字でございますが、十二件十八台の指示をしているところでございます。しかしながら、この指示の後使用制限をするという例は現在までのところございません。  その後の取り締まり状況についてでございますが、現在東京、大阪を中心といたしまして、新しい取り締まりの体制を組みまして、この新しい法律の施行に重点を置いた取り締まりを行っているところでございます。こののような措置を通じまして、必ずや法律の目的を達成することができるものと確信しているところでございます。
  118. 和田一仁

    ○和田(一)委員 罰則の適用件数がふえることがいいんではなくて、こういったことを通して、目的である違法駐車がなくなることをぜひひとつ図っていただきたい、こんな感じがいたします。  同時にまた、この七月から施行されるのですけれども、保管場所の届け出、それと、おまえさんの車はちゃんと場所があるんだなというラベル、標章等がもうそろそろ準備されていると思うのですね。こういったことは、できるだけ利用者にとって簡単な手続で、負担にならないようにしてくださいねというふうにこの前、決めるときにもお願いをいたしましたが、これらの届け出の方法であるとか、それからどんなものをどういうふうに張るのか、もう準備ができているのではないかと思いますので、そのことをひとつお聞きしたいと思います。
  119. 関根謙一

    関根政府委員 まず、自動車の保管場所確保等に関する法律の施行のための準備の状況についてでございます。  関係の下位法令の準備でございますとか、行政機関側におけるその事務を処理するための体制の確立、それから関係業界を初めといたします関係の国民の方々に対する周知徹底等の諸準備がございます。  まず、下位法令の準備についてでございますが、これにつきましては、ことしの一月三十一日に施行令とその施行に必要な国家公安委員会規則を公布したところでございます。それから行政機関側の準備でございますが、全国千二百五十近くあります警察署と全国の警察本部におきまして、OA化のための措置を図りますとか、届け出等の窓口に必要な要員の確保等の準備を進めているところでございます。それから周知徹底についてでございますが、これは関係業界を初めといたしましていろいろな関係方々に、関係書類の作成の仕方でありますとか、そういったものをあらゆる機会を通じて周知徹底を図っているところでございます。  それから、標章はどのようなものかというお尋ねでございますが、これは国家公安委員会規則で定めたところでございまして、大きさが直径七センチの円形のものでございまして、中に標章の一連番号、それから保管場所が所在する行政区の名前、それとその標章を交付いたしました警察署長名を表示することとするようなものでございます。これを自動車に、後面ガラスがある場合にはその後ろのガラスに、ない場合には自動車車体の左側面に取りつけていただくということでございます。  それから、手続の迅速、合理化についてでございますが、その車庫証明等を得る際の記載要件を緩和いたしましたことと、それから迅速にこの標章を交付することができるよう、車庫証明の交付時、届け出を受理したときに同時に交付するという仕組みをとっているところでございます。
  120. 和田一仁

    ○和田(一)委員 自動車を使う者は、いつからということもまだ余り徹底してわかっていないようですし、どこへ行ってどうするのかという手続もあるだろうし、もらったらどこへ張るのかということもあろうかと思ってお聞きしたわけですが、どうぞひとつそういった意味で、まだおまえ張ってないのかとしかられないようにするためにも、徹底方をひとつお願いしたいと思うわけでございます。  それから交通安全施設整備の緊急措置の方でございますけれども、これに係る整備五カ年計画の中で、警察庁として、事業を新しく起こしてこれを推進していこうとされておる。前回もちょっとお尋ねはしたのですけれども、この中の高速走行抑止システムというのをお聞きしておりますけれども、これをもう一回御説明いただきたいと思います。
  121. 関根謙一

    関根政府委員 夜間の死亡事故を抑止するための仕組みといたしまして、高速走行抑止システムと私どもが名づけております事故防止装置の整備充実を今回の五カ年計画によりましてお願いをしたいと考えているところでございます。  その高速走行抑止システムと申しますのは、まず車両の速度がわかるような新しい型の車両感知器を備えます。そういたしまして、その車両感知器で一定の危険な速度に達したと感知された場合に、その先で、あなたのスピードは危険ですよとか、現在何キロで走っていますといったようなことを標示する仕組みをまた設けます。そしてまたその先で、なおそのまま走った場合には信号が赤になるとか、あるいはそこで何か取り締まりあるいは指導するような措置を講ずることができるような仕組みをあわせて設けるといったようなものでございまして、この新型の車両感知器と連動させるというところと、それから、それを中央の交通管制センターでコントロールするという、その二点が新しい仕組みかと存じます。
  122. 和田一仁

    ○和田(一)委員 これは夜間だけなんでしょうか。そうではないと思うのですが。もちろん昼間も活用できるシステムだと思います。今までにない、いきなりおまえスピードを出し過ぎたよといって捕まえるのではなくて、警告を発して、そしてなおそれを聞かなければ撮影をして事故防止を図る、取り締まりのために活用する、こういうことのようで大変結構だと思うのです。  そこで、ちょっと運輸省の方にお聞きしたいのですが、道路運送車両法等を拝見いたしますと、車両法の施行規則の七条に、自動車というものは登録番号が必要であって、その登録番号は「自動車の前面及び後面の見易い位置に確実に取りつけなければならない。」とありますね。これはこのとおりですね。ところが、最近私は前面にない車を非常に多く見るのです。後ろは封印してあります。封印を外せば、これは二十万円ですか、罰則があるように思うのですが、前面のナンバープレートがないのは何か罰則がありますか。
  123. 松波正壽

    松波政府委員 お答えをいたします。  自動車の登録番号標につきましては、今先生も御指摘がございましたけれども、我々やはり、民事的とか行政的な面から車を特定するために自動車に取りつけられておりますけれども、最近、先生指摘のとおり前面の登録番号標を取り外した自動車が見受けられる、こういうことで大変大きな問題であると受けとめておるわけでございます。その自動車の登録を規定しております今先生御引用されました道路運送車両法では、施行規則七条のところで今のような取りつけ規定があるわけであります。しかし、この登録番号標の取り外し等の規定につきましては、後面に封印がついておりますけれども、封印がついています後面につきましては罰則の適用がありますけれども、前面につきましては罰則の適用がないのが今日の状況でございます。
  124. 和田一仁

    ○和田(一)委員 罰則がないと、外していても、外した車を発見して注意を与えるだけで終わっちゃうんですね。大体若い人じゃないかと思うのですが、あれが格好いいような、流行みたいにふえつつあるように私は思うのです。今せっかく取り締まる方の立場から、安全を踏まえて、スピードオーバーをしそうならば警告を発して、写真を撮って、そして後処理のために使おうと思っても、ナンバープレートがないと、またそういう車に限って大体スポーツカータイプのスピードを出しそうな雰囲気の車なんですね。私はもう最近ふえているなと思っているのですが、罰則なしで、後ろだけくっついていればいいんだということで、警察の方もこれは車両不備だと言って点数をとるわけにもいかない。せっかくこういうふうに抑止システムをつくって写真を撮りながら、顔や車の格好やなんかは写るけれども肝心なナンバーがわからなきゃ、とても人相だけでは後はどうしようもない。その辺の大変大きなあれがあると思うのですが、どうしますか。
  125. 松波正壽

    松波政府委員 お答えをいたします。  多分今前面にないのはスポーツカー、こういうことは私も同じ認識でございます。したがいまして、我々といたしましては、今後、秩序ある車社会を維持するために果たしている自動車登録番号標の重要性にかんがみまして、まず一つは、前面の登録番号標の取りつけに関しますところの法令上の義務があるわけでございますから、この一層の啓蒙を図ることをまずやってまいりたい。あわせまして、二点目でございますけれども、早急に前面の登録番号標の取り外しの実態等を十分把握しまして、さらに警察等、関係省ともよく御相談をしながら、有効な対応策について検討をしてまいりたいと考えております。
  126. 和田一仁

    ○和田(一)委員 後ろを外せば、封印してあるのを外せば罰則があるならば、七条でここまできちっと義務規定として置いているんですから、やはり同じようなことを考えた方がいいと私は思うので、ぜひひとつそういう方向で検討していただきたいと要望しておきます。  それから、これは警察庁交通局の資料ですけれども、交通事故増加の背景として、車両がふえた、五十五年から見ると約七千八百万台で一・五倍にふえている。免許証の保有者もふえている、約六千百万人で、昭和五十五年の一・四倍だ。自動車の走行キロも、経済活動が非常に活発になり、レジャーも盛んになり、四千九百三億台キロ、これも昭和五十五年の一・三倍。車はふえて一・五倍、免許者もふえて一・四倍、走行キロもふえて一・三倍、全部昭和五十五年対比です。そして、同じ五十五年の道路の実延長は百十一万キロで、現在もほとんど同じ、こういう状況なんですね。要するにキャパシティーは全然ふえない中で、その上を動く車が非常にふえて、そしてその動きも活発である、こういうことでございますから、道路として大変事故もふえてくるのではないか、こう考えるわけでございます。  そこで、こういう傾向の中でもう一つ夜間交通量が非常にふえている、こういうことがここにはっきり出ております。これは五十五年対比で、そのころから比べて一・六九倍だ。私、最近ちょっと思ったのは、これは薄暮だったのですけれども、大きいトレーラーが荷を積んで走っていまして、そしてその荷の後ろに——荷が荷台よりはみ出ているわけですね。そのはみ出た部分の真ん中に赤いきれが一つぶら下がっておりまして、もう薄暮状態でしたので、そばまで行けば見えるのですが、これは荷台から少し出ておりますから車のブレーキランプは見えない。そして、後ろから接近していく乗用車はそばまで行って、ああこれはオーバーハングの荷が出ているんだということに、はっと気がつくような状態でした。確かに赤いきれはぶら下がっていましたけれども。  こういう積み方に対して、いろいろな基準があるんだと思うのですが、夜間停車しているトラックの後部に突っ込んで死亡事故を起こしたというような件数が最近非常にふえている。今、夜間交通量は一・六九倍にもなっているということなので、トラック等を夜間とめておいたときに、もっと遠方から視認できるような指導をしてほしい。  それから、そういうオーバーハングの荷に対しては、ブレーキを踏んだらやはり同じようにランプがつくぐらいな、簡単にブレーキのどこかとあれすれば可能じゃないかと思うのですが、そういうことをぜひ指導していただかないと、夜間交通量がふえているという中ではなかなか難しいのではないかと思いますが、関係官庁、御意見はいかがでしょう。
  127. 関根謙一

    関根政府委員 トラックの荷台からはみ出している長大積載物を積んだ場合の安全措置基準についてでございます。道路交通法の規定によりますと、積載物の長さはその自動車の長さにその長さの十分の一の長さを加えたものが限度でございますが、これを超える場合には警察署長の許可が必要でございまして、許可をする場合には一定の条件を付することができることとされております。  その条件でございますが、これは道路交通法施行令の二十四条でございますが、一つが、ただいま先生指摘になりましたように、昼間にあっては〇・三メートル平方、つまり三十センチ以上の大きさの赤色の布を、それから夜間にあっては赤色の灯火または反射器をつけることという条件がございます。その他、その車両の前面の見やすい箇所に警察署長の許可証を掲示することというのがございまして、これらの措置のほか、道路における危険を防止するために必要と認める事項ということで、通常の場合にはその積載物が転落しないような一定の措置を講じてくださいとか、指定した道路を通行してくださいとか、場合によっては先導車または整理車を配置してくださいといったような条件を付することがあるわけでございます。  そこで、先生指摘の、赤色の布だけでは、特に薄暮時間帯では視認性に欠けるところがあるから何か適切な措置を講ずべきではないかとの御指摘でございます。現行法によりましても夜間は赤色の灯火または反射器をつけるようにということになっておりますが、これのみならず、一定の条件ということも加味いたしましてそのようなことができるかどうか、関係機関と御相談しながら適切な措置を考案してまいりたいと存じます。
  128. 松波正壽

    松波政府委員 大型自動車の被視認性の向上で、後部反射器の問題を御指摘されましたのでお答えを申し上げたいと思いますが、我々この問題につきまして、少しでも夜間の被視認性向上を図るためにいろいろ研究してまいりまして、改善効果があるということで、大型自動車を対象にしまして大型の反射器の装備につきまして規制すべく現在準備中でございますので、お答え申し上げます。
  129. 和田一仁

    ○和田(一)委員 時間が参りましたが、最後に一言だけ建設省お尋ねしたいのですが、東京は大変な渋滞で、そのために経済効率も落ちるぐらいな状態で、何とか一日も早く緩和しようというので東京外郭環状線を今やっていただいているわけですが、これができ上がれば本当に大きく緩和されてくるのではないかと期待しているのです。全面開通は難しいにしても、少なくも三郷から練馬までのこの区間はもう大分工事が進捗しておるのですけれども、何か最近遺跡が出てきたために練馬区で大変おくれているということで、来年春予定の開通が絶望だというような新聞記事が出たわけですが、予定どおり供用できるかどうか、見通しをひとつお聞かせいただきたい。
  130. 藤井治芳

    藤井(治)政府委員 東京外郭環状道路整備状況でございますが、今、三郷と練馬のインター、これが約三十キロございますが、このうち埼玉県内に一部の未買収用地があることは事実でございます。それで、工事は今全面展開中でございます。特に練馬区において用地は大体九割はもう買収済みでございまして、地権者の御了解も得ておりますが、新聞にもありますように文化財がございます。これを今東京都の教育委員会にお願いしまして、調査員十八名、作業員二百三十名と、通常ですと数十名の単位のものを大規模に投入していただいております。  それからまたもう一つ、代替地要望というのが実はこの地区にございます。この代替地の要望も今十六件ほど出ておりまして、今これの調整を最後の段階でやっております。  こういう厳しい状況でございますけれども、やはり十六本も放射線が入っていて完全な環状道路が非常にないという状況でございますので、我々としては何とか平成三年度内の供用を目標に一生懸命今努力させていただいております。これからもうちょっと時間をかけさせていただきたいと思います。努力をいたします。
  131. 和田一仁

    ○和田(一)委員 これは今予定の供用時期までに供用をぜひひとつしていただきたい。非常に効用の大きい道路だと思っておるので、このことによる効用を考えますと、何とか工夫して予定どおり供用にこぎつけていただくようお願いいたしまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  132. 長田武士

    長田委員長 次回は、明二十八日木曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時四分散会