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政府委員(尾崎護君) 先ほどの
大臣の御
答弁にございましたように、
安恒委員から大変詳しくいろいろ御提案がございました。私
どもその関係資料、どのようなものをつけ加えることによって御理解の便により以上資することができるか内部で検討させていただきました。その結果、その四つの表を選んだわけでございます。それからいろいろ記述等につきましても私
ども不十分であったと思う点は直したつもりでございますが、御質問の四つの表との関係について御説明させていただきたいと存じます。
一番最初につけました「所得税納税人員の推移」、なぜこれをつけたかといいますと、例えば給与所得に対します源泉所得税の計算をいたしますときに、見積もり方法に記載されておりますように、まず納税人員を決めまして、納税人員と給与総額、そこから給与総額を計算いたします。その給与総額から給与所得控除とか基礎控除とかいろいろ控除をしてまいりまして、また繰越滞納分な
どもございますから、そういうものの調整をいたしまして見込み額を出すわけでございます。したがいまして、所得税の計算に当たりましては、やはり基本的なものとしての所得税納税人員の推移、これが一番大切と
考えましてそこに添付をさせていただきました。
それから所得税の中に割合に大きな要素といたしまして利子所得に対する源泉所得税というのがございます。これは利子率が変動をいたしますと非常に影響を受けるわけでございますので、その見積もりに当たりまして預金金利の推移が御参考になるものと存じまして、第二表におきまして預金金利の推移を掲載した次第でございます。
それから法人税につきましては、これは説明にございますように、前の年の年税額、税額を基礎にして次の年の見込み額を計算するという方法をとっております。先ほど所得税につきましては納税人員とか給与の総額とか所得の段階から推計をしているということを申し上げましたが、法人税の場合には税額、年税額を基準にして計算をしております。
この年税額というのはややややこしい概念でございまして、各年の
税収とぴったり合わない。というのは、法人というのは中間申告というものがあるものですから、その中間申告と本来の決算の申告とが同じ
年度に落ちるものと二
年度にわたってしまうものがありますのでその調整を要するわけでございますが、とにかくその企業の事業
年度一年分の税額が幾らであるかということを基準に計算が行われているというようにお
考えいただけたら幸いでございます。
その年税額の実績見込み額を基礎といたしまして、生産の
状況がどうなるか物価の
状況がどうなるか等々を勘案しながら
伸び率を推計していくわけでございますが、かねて法人税の見積もり誤りを生じました
一つの原因といたしまして、製造業以外のものの
税収見積もりに問題ありと私
どもも
考えまして、これも
安恒委員の御
指摘を受けた点でございますけれ
ども、したがいまして消費等の動きも勘案する。そして企業収益の予測といたしまして予測
状況を、大蔵省の景気予測調査と主要企業のいわゆる日銀の短観、この二つを参考資料として掲げてあるわけでございます。
御参考までに申し上げますと、
昭和六十三
年度の実績、これは実績でございますが、大蔵省の景気予測調査では非製造業が二三・二%
伸びる、これは六十三
年度でございます。日銀短観の方は一〇・九%というようになっておりまして、この種の資料というのはどうしてもカバレージの関係でこういう差が出てくるわけでございます。そこで、いろいろそういう点もごらんいただきますとともに、このような資料をもとにしつつ、かつ大企業からの聞き取り調査等々を行いまして私
どもの法人税の見積もりをしているわけでございます。
それから四番目に添付してございます「相続税・贈与税の納税人員等の推移」、これはやはり基本的に納税人員によって決まってくるところが多うございます。
昭和六十三
年度におきまして、御
承知のように抜本的税制改正の中で相続税の減税をいたしました。その関係がございまして、納税人員が例えば
昭和六十二
年度の実績では十六万八千人でございましたものが、六十三
年度には十一万人に減っている、そういうような
状況もお読み取りいただけると存じます。
いろいろ議論をいたしまして、内部で検討いたしまして、その結果といたしましてこれらの資料を掲げさせていただいたものでございます。