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国務大臣(武藤嘉文君) 今回の中間レポートにこの大型店の問題につきまして私ども織り込みましたことは、今御
指摘の中小小売商のことも十分配慮しながら私は考えたつもりでございます。今御
指摘のように、本当に全国の中小小売商の皆様方は、それぞれ今日まで地域経済社会のために大変な御貢献をいただいてまいりましたし、また、その地域の消費者のためにも大変豊かな生活をエンジョイしていただこうということで御努力いただいたことは、私は間違いのない事実だと思います。
ただ、国際社会の中で日本が、先ほど御
指摘のように、大変すばらしい経済大国になりましたために、どうしても世界に開かれた日本でいかなきゃならない。そうなってまいりますと、やはり世界の国々から、日本の小売のいろいろのものが閉鎖的ではないかと。例えば
アメリカでは、都市計画との関連はございますけれども、割合簡単に小売商、特に大型店の小売店が始められる。日本は、どうも始めようと思って行ってもなかなか始められないんじゃないか、こういう
指摘もあったことは事実でございまして、そのような点からこの国際的な
観点も考えなきゃならない。しかし、今までの御努力いただいた中小小売商のことも考えなきゃならない。また
総理が、これからの日本の政治、行政の柱は、生産優先よりも消費者重視という形でいかなきゃいけないじゃないかという一つの大きな政策の転換を今私どもはやろうといたしておるわけでございます。そうなってまいりますと、消費者のことも考えていかなきゃならない。その辺でぎりぎりに考えたことでございます。
それで、これをそれじゃどう持っていくのかということは、とりあえず今月中にあの中にうたわれておりますいわゆる改善の分でございますけれども、運用改善の分につきましては、五月中に通達などすべてを出すことにいたしております。それから、引き続きまして、これから次の通常
国会を目指しまして法律改正に取り組んでいきたい。そしてぜひ
国会の御
理解をいただいて法律を成立させていただきたい。そしてその中身につきましては、これからのことでございますけれども、いずれにしても、一つはやはり外国の大型店の進出しようとしておられる人たちが入りやすいようなことを考えていかなきゃならないし、いま一つは、やはり今まで私は中小小売商の皆さんの御
意見を尊重してそういうことであったと思いますけれども、いろいろの通達が出されておりまして、非常にわかりにくい。法律にないようなことが実際は法律よりももっと上回ったような運用がなされてきておりましたので、これはもう外国人にとっても非常にわかりにくいことでございますから、やはり今度はそういう通達のものを一遍全部洗い直しをしまして、その中でどうしても残さなきゃならないものはできるだけ法律の中ではっきり明示をしていきたい。
特に商調協などにつきましては法律にないわけでございますけれども、こういう商調協についてもそのあり方についてしっかり法律の中にうたいまして、そして商調協の
委員なども、これはある程度準公務員的な性格も持っていただいて、そして少なくとも悪いことをすれば刑事罰を受けるような、そういうような仕組みも考えていかなきゃならない。と同時に、そういう商調協がどんなことを
議論しているかをやっぱりその地域の消費者の皆さんにわかっていただけるような仕組みも考えていかなきゃならないんじゃないか、こんなようなことを考えておるわけでございますが、それ以降また三年先にはいろいろの特定地域の問題その他が出てまいりますけれども、とりあえずそこまでの仕事を少なくともことしはやっていきたいと思っております。
また、今十万軒も減ったという御
指摘もございました。ただ、私はこれはやっぱり後継者の問題も正直言ってあると思うのでございます。後継者がなくておやめになった方も相当いらっしゃるようでございますから、その点についてはやっぱり後継者がなくなるということは意欲がなくなるということでございます。もう少し魅力ある中小小売商になっていただかなきゃいけない。おやじがやっていたことは息子もやろう、こういう意欲を持っていただけるような、そんな形にしなきゃいけませんので、現在この御
審議いただいておる
平成二年度の
予算案の中におきましても、いろいろと中小小売商の振興対策は考えておりますけれども、今回法律改正を目指すに当たりましては、もっと思い切ったいろいろの、本当に中小小売商の皆さんが御努力さえいただければ生きていけるようなことを考えていかなきゃならない。
たまたま昨日、チェーンストア協会、また専門店協会の皆さんとお
話し合いをいたしましたときも、大型店の皆さんも、これからはやはり自分たちだけが生きていけるという
時代ではないと、中小小売商の皆さんと共存共栄を図っていかなきゃならない、あるいはいま一つは、これからはやっぱり都市計画あるいは町づくり、そういうものと商店の振興というものを一体で考えてほしい、こういう御
指摘もございました。その辺も私どもは十分考えてこれから対処してまいりたいと思っておる次第でございます。