○田英夫君 産業・
資源エネルギーに関する
調査会における
中間報告の概要を御
報告申し上げます。
本
調査会におきましては、まず、産業問題及び
資源エネルギー問題に関し今後三年間における
調査テーマについて検討すべき
内容を決定した後、初年度においては、
我が国の経済構造の
問題点と将来展望について鋭意
調査に努めてまいりました。
これらの
調査の
経過と結果につきましては
中間報告書をまとめ、去る六月二十二日、
議長に提出いたしました。
次に、その主な
内容について申し上げます。
まず、第一部の初年度における
調査の概要についてであります。
調査の
目的は、現在、
日米双方が経済構造の調整過程で直面している問題のうち、流通機構、農業、情報通信等の分野において規制緩和等により産業の活性化を図るとともに、二十一世紀を指向した
我が国経済
社会の将来展望を検討しようとするものであります。
このため、
日米構造協議の
内容について
政府及び
日米経済団体、次いで、流通構造及び農業の直面する課題と対応について
参考人から、それぞれ
意見を聴取するとともに
質疑を行ったほか、緊急
課題として、近年における炭鉱閉山の集中等の事態を回避するため、当面の石炭対策に関する決議を行ったところであります。
次に、第二部の
我が国の経済構造の
問題点と将来展望についてであります。
日米構造協議において米国側がその
改善を要求している項目のうち、まず、
我が国の流通構造については、流通形態等が消費者ニーズに適応し利便性を高めている反面、競争原理が十分に機能していない分野もあり、その
改善と消費者の利益に沿ったいわゆる大店法の適切な運用の
必要性を指摘しております。
また、流通系列化・取引慣行の問題については、
我が国独自のものではなく、また実際には価格・参入・販売等の面で
政府規制による分野を除いて過当競争体質であり、価格メカニズムに関しては企業ビヘービア、土地等の自然的条件に係る問題であること等を指摘しております。
なお、外資系企業四業種四社の
関係者から
我が国流通構造の諸問題について
意見を聴取し、
我が国市場が閉鎖的でないことの実例及び
日米欧の労働時間の
あり方等がただされました。
第二に、大店法による出店調整
制度については、参入障壁を高め、
地域商業の停滞等をもたらすとともに、いわゆる事前商調協の段階において調整が実質的に終了するため消費者利益が
確保されず、このため「九〇年代流通ビジョン」の見直しなどを検討するとともに、町づくりの観点からの商業政策を実施することの
必要性を指摘しております。その反面、仮に大店法が廃止された場合、多くの中小小売店の廃業と中心商業地の空洞化が予想されるため、総合的、抜本的な商業
振興策を講ずること等を指摘しております。
この指摘に対し、都市政策の観点からの商店街
振興対策の
あり方、商調協の
会議非公開の是非並びに出店規制緩和に伴う輸入促進の
可能性等についてただされました。
第三に、
我が国産業構造における農業の位置づけに関する問題については、食糧
外交により自由化時期を延期するとともに、国内の体制
整備の一層の
推進を図る必要があること、また米の流通問題については、流通業者がみずからの範囲内で銘柄を
確保する場合、産地間競争をもたらすこととなり、結果的に減反政策が崩壊することなどが指摘されたのに対し、食糧を戦略物資とする考え方、米の輸入自由化と輸入食糧の
安全性との
関係及び農産物の流通近代化の
必要性等についてただされました。
本
調査会は、第百十五回
国会以降において、標記の
調査テーマに関し
調査会開会六回、延べ十八人の
参考人から
意見聴取及び
質疑等を行ってまいりました。
しかしながら、初年度における
調査の検討をさらに深めるとともに、今後の内外における経済
社会情勢の
変化などに応じて当然に新たな課題への取り組みも想定されるため、これらの課題にも適切な対応をしつつ、さらに充実した
調査を進めていく所存であります。
以上、御
報告申し上げます。(
拍手)
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