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1990-04-26 第118回国会 参議院 法務委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
平成
二年四月二十六日(木曜日) 午前十時四十分開会 ─────────────
委員
の
異動
四月十九日
委員小野明
君は逝去された。 四月二十四日 辞任
補欠選任
清水
澄子
君
小山
一平
君 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
黒柳
明君 理 事 福田 宏一君 安永 英雄君 矢原 秀男君 委 員 斎藤 十朗君
下稲葉耕吉
君 中西 一郎君
林田悠紀夫君
山岡 賢次君 北村 哲男君 櫻井
規順
君 千葉 景子君 橋本 敦君
山田耕三郎
君 紀平 悌子君
国務大臣
法 務 大 臣
長谷川
信君
政府委員
法務政務次官
狩野 明男君
法務大臣官房長
井嶋
一友君
法務大臣官房会
計課長 木藤 繁夫君
法務大臣官房司
法法制調査部長
濱崎 恭生君
法務省民事局長
清水
湛君
法務省刑事局長
根來
泰周
君
法務省矯正局長
今岡 一容君
法務省保護局長
佐藤
勲平
君
法務省訟務局長
岩佐
善巳
君
法務省人権擁護
局長
篠田 省二君
法務省入国管理
局長
股野
景親君
最高裁判所長官代理者
最高裁判所事務
総局経理局長
町田
顯君
事務局側
常任委員会専門
員 播磨 益夫君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○
検察
及び
裁判
の
運営等
に関する
調査
(
法務行政
の
基本方針
に関する件) (
平成
二年度
法務省
及び
裁判所関係予算
に関する件) ─────────────
黒柳明
1
○
委員長
(
黒柳明
君) ただいまから
法務委員会
を開会いたします。 議事に先立ち、一言申し上げます。 本
委員会委員小野明
君は、去る四月十九日、逝去されました。まことに
哀悼痛惜
にたえません。 ここに、
皆様
とともに同君をしのび、謹んで
黙祷
をささげ、心から
哀悼
の意を表しまして御冥福をお祈りいたしたいと存じます。 それでは、
皆様
の御
起立
をお願いいたします。
黙祷
。 〔
総員起立
、
黙祷
〕
黒柳明
2
○
委員長
(
黒柳明
君)
黙祷
を終わります。御着席を願います。 ─────────────
黒柳明
3
○
委員長
(
黒柳明
君)
委員
の
異動
について御報告いたします。 去る二十四日、
清水澄子
君が
委員
を辞任され、その
補欠
として
小山一平
君が選任されました。 ─────────────
黒柳明
4
○
委員長
(
黒柳明
君)
検察
及び
裁判
の
運営等
に関する
調査
を議題といたします。
法務行政
の
基本方針
について、
長谷川法務大臣
からその
所信
を聴取いたします。
長谷川法務大臣
。
長谷川信
5
○
国務大臣
(
長谷川信
君)
委員長
を初め
委員
の
皆様
には、常
日ごろ法務行政
の適切な
運営
につきまして格別の御
支援
と御鞭撻をいただき、厚く御礼申し上げます。
法秩序
の
維持
と
国民
の
権利
の
保全
を図ることを使命とする
法務行政
の
運営
に当たる私の
基本的姿勢
につきましては、過日の当
委員会
において就任のあいさつをいたしました際に申し述べたところでありますので、ここでは、当面する
法務行政
の
重要施策
につきまして
所信
の
一端
を申し述べ、
委員各位
の御理解と御
協力
を賜りたいと存じます。 第一は、最近の
犯罪情勢
と
治安
の
確保
及び
法秩序
の
維持
についてであります。 最近における
犯罪情勢
を概観いたしますと、全般的にはおおむね平穏に推移していると認められるのでありますが、その
内容
を見ますと、
身の代金目的
の
誘拐事件
、幼児を対象とした
殺傷事件
、
暴力団構成員
による銃器を使用した
殺傷事件等
の
凶悪事犯
が多発するとともに、いわゆる
リクルート事件等
の公務員による
汚職事犯
、
一般大衆
を
被害者
とする
経済取引
を仮装した
詐欺事犯等
が後を絶たず、さらには、
コンピューター
による
情報処理システム
を悪用した
事件
、多額の
株式売買益
の
脱税事件等
最近の
社会経済情勢
を反映した
事犯
も相次いで発生しているほか、
来日外国人
による
犯罪
や諸
外国
との間において
犯罪人引き渡し
や
捜査共助
を要する
事件
の
増加等犯罪
の
国際化
の
傾向
が顕著となってきております。 また、
覚せい剤
を初めとする
薬物事犯
は依然として
鎮静化
の兆しを見せず、
暴力団
による悪質巧妙な
密輸入
、
密売事犯
などが多数発生し、これが
暴力団組織
の重要な
資金源
となるとともに、
一般国民
の間にもその
乱用
が拡散浸透している上、近時、
我が国
においても、コカイン、
ヘロイン等
、国際的に
乱用
が深刻化している麻薬の
大量密輸入事犯
や
使用事犯
も目立ち始めるなどしております。 さらに、
過激派集団
は、反
天皇制闘争
、新
東京国際空港
第二期
工事阻止等
を最大の
闘争課題
とし、
皇室関係施設
に対する
金属弾発射事件
、
首都圏交通機関
に対する
同時多発ゲリラ事件等
の悪質な
不法事犯
を引き続き敢行しており、一方、右翼諸
団体
においても、先般の
長崎市長銃撃事件
、
過激派集団
の拠点に対する
銃撃事件
に見られるように、近時、
テロ化
、
暴力化
の
傾向
を一段と強めております。 加えて、次代を担うべき
少年
の
非行件数
は、引き続き高い水準で推移しているのみならず、その低
年齢化傾向
がうかがわれる上、最近では、
社会
の耳目を聳動させる
凶悪事犯
も少なからず発生しております。 私は、このような
情勢
のもとで、
各種犯罪事象
に的確に対処するため、
検察体制
の一層の
整備充実
に配意するとともに、
関係
諸
機関
との緊密な
連絡協調
のもとに適正妥当な
検察権
の行使に遺憾な きを期し、もって良好な
治安
の
確保
と
法秩序
の
維持
に努めてまいる
所存
であります。 第二は、
犯罪者
及び
非行少年
に対する
矯正処遇
と
保護観察処遇
についてであります。
犯罪者
及び
非行少年
の
社会復帰
及び
再犯防止
につきましては、
国民各層
の幅広い参加、
協力
を求めながら、
刑務所
、
少年院等
における
施設内処遇
と
更生保護機関
による
社会内処遇
を一層
充実強化
し、
相互
の
有機的連携
を図る等、その効果を高める
措置
を講じてまいる
所存
であります。 そのためには、まず
施設内処遇
につき、
犯罪者
の
改善更生
及び
非行少年
の
健全育成
の
推進
に効果的に寄与し、時代の要請にもこたえ得る適切な
矯正処遇
の実現に努めるとともに、
関係機関
、
団体相互
の緊密な
連携
のもとに適時適正に仮釈放を許して
保護観察
への円滑な
移行
を図り、また、
保護観察等
の
社会内処遇
においては、
関係機関
、
団体
、
民間篤志家
の御
支援
を得つつ、
保護観察官
と保護司との
協働体制
の
強化
、
更生保護会
の
充実等
により
社会情勢
、
犯罪情勢
の
変化
に即応した有効適切な
処遇
及び
措置
を
実施
してまいりたいと考えております。 なお、
監獄法
の
全面改正
を図るための
刑事施設法案
につきましては、第百八回
国会
に再提出されました後、前
国会
までに
衆議院法務委員会
において
法案審議
二回及び
参考人
の
意見聴取
一回が行われ、
継続審議
の扱いとなっておりましたところ、
衆議院
の解散に伴い廃案となったのであります。 しかし、
刑事司法
の重要な一翼を担う
行刑制度
の
近代化
を図る上におきまして、制定後八十二年を経た
現行監獄法
の
全面改正
は不可欠の
課題
であり、その
早期成立
を図る
必要性
はいささかも変わっておりませんので、今
国会
に
法案
を再提出いたすべく所要の
検討
を行っているところであります。 第三は、
一般民事関係事務
の
処理
、
訟務事件
の
処理
及び
人権擁護活動
についてであります。
一般民事関係事務
は、
登記事務
を初めとして量的に逐年増大するとともに、
社会経済生活
の
多様化
を反映して複雑困難の度を強めてきております。これに対処するため、かねてから
人的物的両面
における
整備充実
に努めるとともに、
組織
・
機構
の
合理化
、
事務処理
の
能率化
、
省力化等
に意を注ぎ、適正迅速な
事務処理体制
の確立を図り、
国民
の
権利保全
と
行政サービス
の向上に努めてまいったところであります。特に、
登記事件
は、
経済規模
の拡大、
公共事業
の
活発化等
に伴い
増加
の一途をたどっておりますが、
内需主導型経済
及び多
極分散型国土形成
の
進展
により、今後ともこの
傾向
はなお一層進むものと考えられるところであり、適正迅速な
事務処理体制
を
確保
することが重要な
課題
であります。そこで、
昭和
六十年度に創設された
登記特別会計
の
趣旨
に即して、
コンピューター化
を
中心
とする
登記事務処理体制
の抜本的な
改善
を行うため、
昭和
六十三年、第百十二回
通常国会
において
不動産登記法
及び
商業登記法
の
改正
をしていただきました。 これにより、
昭和
六十三年十月、
東京法務局板橋出張所
において
コンピューター
による
登記事務処理
を開始し、以後、順次全国に展開を図っているところであり、二十一世紀に向けて、
コンピューター化
を
推進
してまいりたいと存じます。 しかし、
コンピューター化
を円滑に
推進
するためには、
移行作業要員
の
確保
が必要不可欠でありますし、また
コンピューター化
の完了までには相当
期間
を要すると考えられますので、その間、
増加
する
登記事件
を適正迅速に
処理
するための
要員
が必要であり、職員の
増員
を図ることが緊急の
課題
であります。
民事関係
の立法につきましては、
法制審議会
の各
部会
におきまして
調査
、
検討
を進めているところでありますが、
商法部会
における
会社制度
の
改正
につきましては、本年三月
法制審議会
の
答申
が得られたところであります。 この
改正
の
趣旨
は、
会社
の
設立手続
、
最低資本金
、
株式
及び
計算等
に関する
法規制
の
合理化
並びに
充実
を図り、もって
小規模会社
にも適合する
会社制度
及び
債権者保護
のための規制を
整備
するほか、
会社
の
資金調達
に関する
規定等
を
合理化
しようとするものであります。 この
答申
を踏まえ、
商法等
の一部を
改正
する
法律案
及び
商法等
の一部を
改正
する
法律
の
施行
に伴う
関係法律
の
整備
に関する
法律案
を
国会
に提出したところであります。十分な御
審議
をいただき、何とぞ速やかに
成立
に至りますようお願いする次第であります。 次に、
訟務事務
の
処理
についてでありますが、
訟務事件
は、複雑
多様化
した今日の
社会経済情勢
や
国民
の
権利意識
の
変化等
を反映して、例えば、
環境関係訴訟
、
原子力関係訴訟
及び
薬害訴訟等
の例に見られるように、
社会
的にも
法律
的にも新たな問題を内包する複雑困難な
事件
が提起される
傾向
にあり、その結果いかんが国の
政治
、
行政
、
経済等
の各分野に重大な
影響
を及ぼすものが少なくありませんので、今後とも
事務処理体制
の一層の
整備充実
を図り、
事件
の適正円滑な
処理
に万全を期するよう努めてまいりたいと存じます。 また、
人権擁護行政
につきましては、
人権
の
擁護
は
民主政治
の
基本
であり、
国民
のすべてが
人権
についての正しい認識を持ち、お互いに他人の
人権
を尊重し合いながら幸福を追求するという態度が必要であると考えます。
人権擁護行政
におきましては、
各種
の
広報活動
によって
国民
の間に広く
人権尊重
の
思想
が普及徹底するように努めるとともに、具体的な
人権
に関する相談や
人権侵犯事件
の
調査
、
処理
を通じて
関係者
に
人権思想
を啓発し、
被害者
の救済にも努めているところであります。 中でも、
社会
の
国際化
に伴う
外国人
の
人権
問題、
部落差別
を初めとするもろもろの
差別事象
の問題につきましては、
法務省
といたしましても、
関係各省
と緊密な
連絡
をとりながら、一層
啓発活動
を
充実強化
して、その根絶を図ってまいりたいと考えております。 第四は、
出入国管理事務
の
処理
についてであります。 近年、
国際交流
の
活発化
と
我が国
の
経済社会
の
国際化
の
進展等
に伴い、
我が国
においては
出入国者
の数が著しく増大するとともに、
外国人
の雇用、留学・就学・
研修等
の
課題
について新たな対応を行い、また、
不法就労
、
偽装難民等
の問題に適切に対処することが必要となっております。
国際社会
における
我が国
の役割がますます
重要性
を加えている今日、かかる
我が国
の立場にふさわしい
出入国管理体制
を早急に
整備
確立することが求められております。このような
状況
を踏まえ、先般
国会
に
出入国管理
及び
難民認定法
の一部を
改正
する
法律案
をお諮りして御
審議
いただいた結果可決され、昨年十二月十五日に公布されて、本年六月一日には
施行
の運びとなっております。
外国人
の
我が国
への受け入れのあり方は、今後長期にわたり
我が国
の国家としての
基本
にかかわる重要事であり、
国民生活全般
に対する
影響
をよく考えて
我が国
としてとるべき
施策
につきまして
検討
してまいる考えであります。また、
出入国管理業務
は、本邦における人の
出入国
並びに
外国人
の
在留
について適正な
管理
を行い、
国際交流
の発展と
国際協調
の増進の基礎を形成する
責務
を担っております。 この
責務
を果たすためにも、今後とも引き続き
出入国管理事務
の迅速適正な
処理
及びそのための
要員
及び
施設
の
確保
を初め
体制
の
充実強化
に努めてまいりたいと存じます。 また、
在日韓国人
三世の
法的地位等
については、その歴史的な経緯及び
日韓友好関係
を考慮し、
日韓法的地位協定
の前文に示されている精神及び
目的
を十分に尊重しつつ、今後の
両国政府
間の
協議
を通じて可及的速やかに
日韓双方
の満足し得る結論を見出すべく努力してまいりたいと存じております。 第五は、
司法試験制度
の
改革
についてであります。
司法試験制度
につきましては、近年、
合格
までに
平均
六回余の
受験
を要し、
合格者
の
平均年齢
が二十八歳を超えるなど、
合格
が余りにも困難になって
合格
までの
受験勉強
の
期間
が非常に長期化す るに至っております。その結果、
大学在学生
に
司法試験
を敬遠する
傾向
が生じ、また、
法曹
の
後継者
が
実務家
としての修練を積み始める時期が相当遅くなっている上、
裁判
官、
検察
官の
任官者
が減少するなど、
裁判
、
検察
、
弁護
の
法曹
三者それぞれが
後継者
を十分かつ適切に
確保
するという
司法試験制度
の
目的
からはほど遠い
状況
にあり、多くの深刻な弊害を生じております。
法務省
では、この
現状
を改めるため種々の
検討
及び
関係方面
との
意見調整
を行ってきましたが、
昭和
六十三年十二月からは、最高裁、日弁連及び
法務省
の三者で構成しております三
者協議会
において
司法試験制度
の
改革
が真剣に
協議
されており、
平成元年
十一月には、それまでの
協議
の結果を踏まえて、
法務省
が
司法試験制度改革
の
基本構想
を提示いたしました。既に
大学関係
の方々からは
法務省
が提示した
改革
の方向を支持する旨の御
意見
をちょうだいしており、三
者協議会
におきましても、この
基本構想
を
中心
として鋭意
協議
が続けられているところであります。
司法試験
の深刻な
現状
にかんがみ、三
者協議会
の
協議
を積極的に進め、早急に
国民
の期待にこたえる
改革案
を策定し、
法制審議会
の
審議
を経て、できるだけ
早期
に
司法試験法
の
改正法案
を
国会
に提出したいと考えております。 以上、
法務行政
の
重要施策
につきまして
所信
の
一端
を申し述べましたが、
委員長
を初め
委員各位
の御
協力
、御
支援
を得まして重責を果たしたいと考えておりますので、どうかよろしくお願い申し上げます。
黒柳明
6
○
委員長
(
黒柳明
君) 次に、
平成
二年度
法務省
及び
裁判所関係予算
について
説明
を聴取いたします。
法務省井嶋官房長
。
井嶋一友
7
○
政府委員
(
井嶋
一友君)
平成
二年度
法務省所管
の
予算
につきまして、その
概要
を御
説明
申し上げます。 まず、
法務省所管
の
一般会計予算額
は四千五百五十億八千二百万円であり、
登記特別会計予算額
は一千二百二十四億五千五百万円でありまして、その純計額は五千百五十七億二千九百万円となっております。この純計額を
平成
元
年度予算額
四千八百五億九千三百万円と比較しますと三百五十一億三千六百万円の
増額
となっております。 次に、
重点事項別
に
予算
の
内容
について御
説明
申し上げます。 まず、
定員
の
関係
でありますが、前年度
定員
に比較いたしますと純増九十八人となっております。
平成
二年度の
増員
は、新規四百八十五人と
部門間配置転換
による振りかえ
増員
三十八人とを合わせ、
合計
五百二十三人となっております。 その
内容
を申し上げますと、
検察庁
における
特殊事件
、
財政経済事件
、
公安労働事件等
に対処するとともに、
公判審理
の
迅速化
を図るため百十人、
法務局
における
登記事件
、
訟務事件
及び
人権擁護関係
の
事件
に対処するため、
登記特別会計
の百六十人を含め百六十五人、
刑務所
における
保安体制
及び
医療体制
の
充実
を図るため百十七人、
少年院
及び
少年鑑別所
における
処遇体制等
の
充実
を図るため四十人、
保護観察活動等
の
充実
を図るため十八人、
出入国審査
及び
在留資格審査等
の
業務
の
充実
を図るため六十六人、
公安調査活動
の
充実強化
を図るため五人、
法務本省
における
出入国管理政策等
の
充実強化
のため二人となっております。
他方
、減員は、
昭和
六十一年八月の
閣議決定
に基づく「
定員削減計画
(第七次)の
実施
について」による
平成
二年度
定員削減分
として四百二十五人を削減することとなっております。 次に、
主要事項
の
経費
について御
説明
申し上げます。 第一に、
法秩序
の
確保
につきましては、二千五百六十四億三千七百万円を計上し、前
年度予算額
と比較しますと百十八億七百万円の
増額
となっております。 その
内容
について申し上げますと、まず、
検察庁関係
では、
検察活動
の
充実
を図る
経費
として七百九十七億八千五百万円を計上しております。
矯正施設関係
では、
刑務所等矯正機能
の
充実
を図るため一千四百七十四億七千二百万円を計上しており、この
経費
の中には、被
収容者
の
処遇
の
確保
のための
生活備品
、
日用品
の
改善
及び
食糧費
の
単価改定等
に要する
経費
を含んでおります。
更生保護関係
では、
保護観察
の
充実
を図る
経費
として百三十四億四千九百万円を計上しております。
訟務関係
では、国の利害に
関係
のある
争訟事件
の
処理経費
として十二億一千百万円を計上しております。
公安調査庁関係
では、
公安調査活動
の
充実
を図る
経費
として百四十五億二千万円を計上しております。 第二に、
国民
の
権利保全
の
強化
につきましては、
一般会計
で七百四十三億六千二百万円を計上し、前
年度予算額
と比較しますと四十三億六千百万円の
増額
となっております。 その
内容
について申し上げますと、まず、
登記関係
では、
登記事務費
として六百十八億八百万円を計上しております。この
登記事務費
は、
登記事務
を円滑適正に
処理
するために設けられている
登記特別会計
の財源の一部として繰り入れるための
経費
であります。
法務局
のうち
登記
を除く
関係
では、国籍、
戸籍等
の
事務処理
の
充実
を図る
経費
として百十七億三千九百万円を計上しております。また、
人権擁護関係
では、
地域改善対策
としての
啓発等人権擁護活動
の
充実
を図るため八億一千五百万円を計上しております。 第三に、
非行青少年対策
の
充実
につきましては、一部
法秩序
の
確保
と重複しておりますが、三百九十七億七千六百万円を計上し、前
年度予算額
と比較しますと十八億五千九百万円の
増額
となっております。 その
内容
について申し上げますと、
青少年検察
の
充実経費
として十三億七千八百万円、
少年院教化活動
の
充実経費
として百七十五億六千六百万円、
少年鑑別所業務
の
充実経費
として八十五億七千七百万円及び
青少年保護観察
の
充実経費
として百二十二億五千五百万円をそれぞれ計上しております。 第四に、
出入国管理業務
の
充実
につきましては、百六十三億八千五百万円を計上し、前
年度予算額
と比較しますと三十五億五千六百万円の
増額
となっております。 その
内容
について申し上げますと、
出入国
及び
在留管理業務
の
充実経費
として十五億五千二百万円、被
退去強制者
の護送、
収容
及び
送還等実施経費
十六億六千九百万円並びに
外国人登録事務処理経費
として二十九億七千万円等を計上しております。 第五に、
施設
の
整備
につきましては、老朽、
狭隘化
が著しい基幹の大
行刑施設
、
拘置支所
の
継続整備
を含めた
法務省
の
庁舎
、
施設
を
整備
するための
経費
として百三十五億八千五百万円を計上し、前
年度予算額
と比較しますと一千六百万円の
増額
となっております。 第六に、
登記特別会計
につきましては、
総額
一千二百五十一億九千七百万円の歳入、一千二百二十四億五千五百万円の
歳出
となっております。
歳出
の主な
内容
といたしましては、
登記所等管理経費
七百八十六億六千六百万円、
登記事務
の
コンピューター化計画
の
推進
及び
登記簿謄抄本交付事務
の適正、
迅速化
を図る
経費
三百四億五百万円、
登記申請事件
の
審査等経費
二十八億一千二百万円、
法務局
の
支局出張所等
を
整備
する
施設整備費
として九十四億円等をそれぞれ計上しております。 以上、
平成
二年度
法務省所管
の
予算
の
概要
を御
説明
申し上げました。
黒柳明
8
○
委員長
(
黒柳明
君)
最高裁判所町田経理局長
。
町田顯
9
○
最高裁判所長官代理者
(
町田顯
君)
平成
二年度
裁判所所管歳出予算要求額
について御
説明
申し上げます。
平成
二年度
裁判所所管歳出予算要求額
の
総額
は二千五百七十四億三百七十二万七千円でありまして、これを前年度当初
予算額
二千四百八十八億四 千百四十一万円に比較いたしますと、
差し引き
八十五億六千二百三十一万七千円の
増加
となっております。 これは、
人件費
において七十八億六百八十六万六千円、
裁判費
において一千六百十七万九千円、
施設費
において一億六千三百四十二万四千円、
司法行政事務
を行うために必要な
庁費等
において五億七千五百八十四万八千円が
増加
した結果であります。 次に、
平成
二年度
歳出予算要求額
のうち、主な
事項
について御
説明
申し上げます。 まず、
人的機構
の
充実
、すなわち
増員
であります。
民事訴訟事件
、
民事執行法
に基づく
執行事件
及び
破産事件
の適正迅速な
処理
を図るため、
簡易裁判所判事
五人、
裁判所書記官
十二人、
裁判所事務官
五十人、
合計
六十七人の
増員
をすることとしております。
他方
、
定員削減計画
に基づく
平成
二年度
削減分
として
裁判所事務官等
三十七人が減員されることになりますので、
差し引き
三十人の
定員増
となるわけであります。 次は、
司法
の
体制
の
強化
に必要な
経費
であります。
裁判運営
の
効率化
及び
近代化
のため、
庁用図書等裁判資料
の
整備
に要する
経費
として六億七千六百二十九万二千円、
複写機
、
計算機等裁判事務能率化器具
の
整備
に要する
経費
として六億五千六百八十八万一千円、
調停委員
に支給する手当として五十億二千三百五十六万三千円、
裁判費
の
充実
を図るため、
国選弁護人報酬
に要する
経費
として二十五億九千百八十八万一千円、証人、
司法委員
、
参与員等旅費
として六億九千五百三十三万七千円を計上しております。 また、
裁判所施設
の
整備
を図るため、
裁判所庁舎
の新営、
増築等
に必要な
経費
として百四億六千七百十五万一千円を計上しております。 以上が
平成
二年度
裁判所所管歳出予算要求額
の大要であります。よろしく御
審議
のほどをお願い申し上げます。
黒柳明
10
○
委員長
(
黒柳明
君) 以上で
所信
並びに
予算
の
説明聴取
は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時九分散会