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政府委員(
小野沢知之君) お答え申し上げます。
国際化に向けまして
日本の
郵便事業がどんな
役割を果たしていくべきかという大局的な
視点からの御質問をいただきまして、感謝申し上げます。実は、そういう御質問の趣旨であるということで、昨晩郵便
関係職員が非常に張り切りましていろいろ資料づくりしてくれました姿を今思い浮かべまして、お伝え申し上げます。
先生御
指摘のとおり、私も国際化への対応がいかに大切かということ、それが現在及び将来にわたっての我が国の重要課題、国策とも言えるものじゃないかという認識をいたしております。
実は私、経験上余り国際
関係の
仕事をしておりませんでしたので、いわゆる国内派と思われておりましたけれども、今完全に国際派に変身いたしました。そうじゃないはずの人間が変身しますと効果が非常に大きいものがありまして、そういうことを今心がけておるわけですが、郵務局の先頭を切りまして諸
施策の
推進に全力を傾注いたしております。その結果、郵務局の中の国際
関係というと何か固まった感じがあったんですが、今、各課各室それぞれ
協力し合って国際
関係の
仕事をやっておりまして、やはり郵便というのは国内
関係と国際
関係を一体的に進めませんといけませんので、そういう雰囲気が出ております。そういうことで国際問題に対する関心が深まり、的確かつ迅速な対応の機運が高まってきたというふうに感じているわけでございます。
ところで、物事を進める場合には基本戦略、ステージが必要でして、着任早々
考えたことが二つございます。
一つは、何といっても私ども官庁として
予算要求が大事ですから、
予算要求の
重要施策をどうするかということが第一点。第二のステージとしては、
世界が注目する国際化対策を樹立しようという、この二つを基本戦略として
考えて用意し、また臨みました。まず、
平成二
年度の
郵便事業予算要求に当たりまして、郵務局として初めて国際化対応の
施策を
重要施策の
一つの柱に掲げました。それからもう
一つは、先ほど恐縮でしたが、ありがたかったんですが、御紹介いただきました、昨年秋の第二十回UPU大会議にみずから代表として参加いたしまして
日本の
郵便事業経営の基本的な
政策、
施策等について発表したところでございます。現在、我が国の
郵便事業の経営が業務連行面それから財政面でも非常に順調に推移しておりまして、このことに対しまして、
世界各国皆困難な問題を抱えながら苦労しているわけですが、
日本の状況につきまして、かつてのことを知っている各国が
日本は奇跡的な回復を遂げたというふうに評価してくれまして、予想以上に反響を呼びました。それがワシントン会議に
出席しての一番痛感したことでございました。
そこで、いろいろな面でいろいろな努力をしたんですが、長年の努力の積み重ねも効果がありまして、この大会議で我が国が執行理事会それから郵便
研究諮問理事会、この両理事国選挙に立候補したんですが、いずれも
世界トップ当選を果たすことができました。これは
考えてみますと、我が国に対する高い評価と、それから今
先生御
指摘がありましたように、これから我が国がこの重要性を認識して
世界の中でどういう
役割を果たしてほしいかという強い期待のあらわれだというふうに受けとめております。したがって、我が国はもう郵便
先進国という
言葉を使っていいと思いますから、郵便
先進国としてUPUの活動においても、また各国
郵政庁との直接の
関係においても、各国のこうした信頼を裏切ることのないよう、その期待にこたえるよう努力しなきゃいけない、実行していかなきゃいけない、こういう決意を固めているわけでございます。
具体的なことを若干申し上げますと、現在、我が国はUPUの二つの常設理事会、これは執行理事会と郵便
研究諮問理事会ですが、その理事国としてUPUの活動の
推進のため主導的な
役割を果たしているわけでございますが、そのほか、UPUの主要な作業部会に所属しまして、
郵便事業の財政、郵便
サービスの品質管理など、各国が当面する諸問題に関する
研究に積極的に参加しまして、UPU加盟国の
郵便事業の改善、
発展に寄与しております。今後とも郵便に関する国際レベルの問題解決の
研究、討議に積極的に参加して、UPU及び各加盟国
郵政庁の
発展のために一層寄与していく方針でございます。
一方、諸外国との
国際協力分野についてでございますけれども、諸外国の
郵政庁の期待にこたえまして、
研修員の
受け入れ、セミナーの開催、国際会議への参加等を通じまして、我が国の
郵便事業の経営、人材活用、新規
サービス、郵便
機械化などに関する具体的な知識とかノーハウを積極的に提供しまして、諸外国の郵便業務の改善、向上に
貢献してきておりますし、また、これからさらに力を入れたいというふうに
考えております。
それから、国際的な郵便の
ネットワークづくりの面ですけれども、昭和六十三年十月から国際ビジネス郵便追跡
システムというのを
アメリカとの間に構築しまして、昨年七月には同
システムをフランスとカナダとの間にも拡大いたしました。
国際郵便
ネットワークの
情報化をさらに
推進するため、
平成二
年度予算要求に当たりましては、冒頭申し上げましたように初めて国際
関係施策を
重要施策項目として要求いたしました結果、具体的に国際ビジネス郵便追跡
システムの拡充、外国
郵政庁との郵便
情報ネットワークの構築、国際小包、国際書留郵便追跡
システムの構築、要求したこれらの項目全部が認められております。
なお現在、国際ビジネス郵便追跡
システムにつきましては、さっき申し上げました国以外にも逐次拡大しようということで検討、交渉に入っております。
以上、郵便
分野における
国際協力に対する
郵政省としての取り組みの現状、姿勢などについて申し上げましたけれども、ワシントン大会議等で我が国に寄せられた信頼と期待にこたえるべく、今後とも
開発途上国への
国際協力や郵便
ネットワークの
情報化の
推進等に一層の努力を傾注していきたい。そのことによって郵便
先進国としての責務を果たす、そういう決意でございます。
以上でございます。