○峯山
昭範君 これは
大臣、今
議論をすれば切りがありませんが、確かに四十年代の福祉というのは、
大臣がおっしゃるように施設とかそういうものをつくればいいという
考え方が多かった。それじゃ日本はそれをつくったのかというとつくらなかった。
これは既に皆さん方御存じのとおり、朝日新聞でもずっと連載されまして、スウェーデンやストックホルムの社会保障施設との比較が連載で相当報道されました。私
どもそれをずっと読ませていただきましたけれ
ども、日本の施設というのは余りにも貧弱過ぎます。だから、そういう面では、
大臣は施設をつくった、あるいは大施設をつくって入所することがとおっしゃっていますが、日本の施設なんというものはつくったうちに入らないぐらいお粗末なものでありまして、現実にそういうふうな比較対照したいわゆる日本の施設というのは余りにも
内容的にも乏しいし、とてもじゃないけれ
どもそこへ住んでおれないというような
状況です。したがって、そういうようなところから意識が
変化してきて、確かに人間としてのぬくもりとか在宅福祉を大事にする、そういうふうな
方向へなってきたという、そこはわかるわけです。我々もそういう
方向へ変わってきたなというふうなことも感じております。
したがいまして、社会保障のあり方というのは、そういう点を十分考えながらこれからやっていかなくてはいけないということも十分承知をいたしておりますし、我が党としましても、そういうふうな二十一世紀トータルプランというふうなものをつくりまして随分やってまいりました。
もう時間がありませんので端的に申し上げますが、この「社会保障給付費、社会保障負担、国庫負担の推計」というので、昭和六十三年に
大蔵省と厚生省で私
どもにいわゆる二十一世紀までのプランを示したということで出した
資料が実際にあるわけですね。それで、これは現在の社会保障の
やり方をずっと毎年続けていくと二十一世紀にはどうなるかという
資料であるということも、これは
大臣もおっしゃっておりますし、御存じのとおりであります。
そこで、
大臣、これはちょっと大変な問題になってくると私が思っておりますのは、先般からいわゆる財政審で社会保障費をふやす
方向に関する答申とか、それから社会保障政策の展望、こういうふうないろんな答申が出されておりまして、それによりますと、いわゆる二十一世紀までに五〇%を下回るという答申、これは何回かいろんなところで出ておりますが、五〇%を下回ってもらいたいという答申が出ておるわけですね。
ところが実際問題として、これは
大蔵省からいただいた
資料によりますと、昭和六十三年度に社会保障負担というのが一一・一%、そしてこれは昭和の計算でいきますと、七十五年に一四%から一四カ二分の一%という数字が掲上されていたわけであります。ところが、現在の
税制改革で進めていきますと、
平成二年度で一二・一%になったわけです。これは昭和でいきますと、六十五年で一二・一%になりました。六十三年から六十五年の二年間で一一・一から一二・一と一%ふえたわけですね。二年間で一%ふえました。
そういうことを計算していきますと、この
大蔵省の推計によりますと、昭和七十五年、これから十年先です、十年先に一四%から一四・五%と推計しておるわけですね。そういきますと、とてもじゃないけれ
ども、十年で二%の増加で抑えられるかということになりますと、これはとても無理と私は思うわけです。これは二%ずつ、二年で二%ふえるという計算でいきますと一七%になるわけですね。そういう点からいきましても、これはもう社会保障のこういう点については非常に大きな問題になりつつあります。
それからもう一つ、これはもう時間がございませんのでまとめて申し上げますと、財政審の答申の中で、この
大蔵省からいただきました
資料八ページの終わりの方に、「国民負担が上昇せざるを得ない場合であっても、その負担の求め方としては、
租税負担よりは受益と負担の関係が明確な社会保障負担を重視すべきである」というふうな答申になっているわけです。ということは、結局今私
どもが非常に心配しておりますのは、それぞれの地元へ帰って皆さん方のいろんな御意見を聞いておりますと、税金も高いけれ
ども、健康保険とか社会保険とかいう掛金が非常に高い、何とかならないかという要望が非常に強いわけですね。
また、どこかで受益者負担ですからやっていただくにいたしましても、非常に私はこの点は、これは相当考えなくてはいけない問題でありますし、先ほど
大臣が答弁でもおっしゃっていただきましたように、これからの日本の
方向というのを、どうしてもどこかで何らかの方法で、いわゆる自立自助の
考え方の中身は多少食い違っているかも知りませんが、私はやっぱり自分でできる人は自分でやっていただくということも大事でしょうし、また、どうしようもない人たちに対しての国の援助ということもあるわけですから、これからの
方向というのをやっぱりきちっとしていただく必要があるんじゃないか、こういうふうに考えているわけであります。
財政審なんかの答申を見ておりますと、受益者負担ということでいきますと、また弱い人たちにたくさんの負担を押しつけられる、そういうふうになるわけです。
ですから、これは健康保険とかこういうふうな保険料につきましては、いろいろ調べてみますと、累進的な負担というのは大体全体の五〇%ぐらいですね。所得割が五〇%、受益者負担の分が五〇%というふうな割合に今なっているようでありますが、そういう点も含めまして、これからのいわゆる
高齢化社会における社会保障のあり方というのは非常に重要でありまして、そういう点を踏まえてこういうふうな、例えば金融保険関係の
控除の問題もそういうふうな国の政策全体とやっぱりきちっと比べて、比較対照しながらそういう方針を決めてこれからの
方向を決めていかないといわゆる整合性がなくなってくる、そう思うんです。
そういうふうな
意味で私は、単発的に選挙の前にといったらおかしいですけれ
ども、急に決めるなんていうことはやめて、きょうは余り詳しく私は申し上げませんでしたが、新聞には相当えげつないことが書いてあるわけです。そういうことがないようにしていただいて、これからの社会保障のあり方というのはがっちり足を地につけてやっていかないといけないのではないか、こういうふうに感じたものですから、きょうは短い時間でしたけれ
ども申し上げたわけでございまして、最後に
大臣のお考えをお伺いしておきたいと思います。