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政府委員(見学
信敬君) 大変ありがたい御提案をいろいろいただきましてありがとうございました。
先生御
指摘のとおりに、新しい商店街づくりというのは、例えば全く新しい郊外、場合によっては高速道路沿いであるとか、いろいろな新開地を求めて出ていこうという動きもございますし、またそこへ大店舗も出てくる、そして
共存共栄の形にしようではないかというような動きもございます。また、中小企業だけで行こうという動きもございます。あるいはまた駅前を
中心とした旧来の商店街が、新しい動きに対抗してと申しますか、リフレッシュをしようというような動きも当然あるわけでございます。
御案内の中で第一点の、小売業の言うならば集団化のようなもの――工業、製造業の集団化として団地
政策があり、そして卸売についても卸売団地という形で集団化
政策がある。ところが小売業については、旧来の商店街をいろいろ改造するという高度化資金はあるけれ
ども、ちょっと離れたところへ集団化をしよう、こういうような町づくりをしようというのはないではないか、御
指摘のとおりでございます。全くその
方向で私
どもも
一つのメニューとして
考えたいと思っておるところでございます。現在のところ、共同店舗のような形で、全く新しい場所であることもあり得るんですけれ
ども、いわゆる集団化としての町づくりのような、平面の少し広い、そしてそれぞれの個店がたくさん入っていく、こういったような小売業者を
中心とした町づくりを集団化の形で高度化資金を見ていくという制度は、残念ながら今のところ御
指摘のとおりないわけでございまして、そういったものが
一つの大きなポイントだと思っております。検討をさせていただきたいと思っている次第でございます。
それから、
共存共栄の
お話がございました。今申しました共同店舗のような形で高度化資金を出すときに核となる大企業、大店舗が入って、そして旧来の中小企業の方が一階に専門店的にわっと入る、こういう形式というのは相当ございます。既に事業団融資で数十を数える例がございます。たしか五、六十あると思いますが、これらについては非常に成功例が多うございます。そうしますと集客力も非常につきますし、非常に目をみはるような改善をされている例がございます。
そして最近では、そういったものをVTRにとりまして、事業団のVTRでございますが、町づくりのための診断指導に使う。それを、五つ六つの例を入れて、どういう形でそういう町づくりというか、商店街というか、
一つの共同店舗がつくれたかというような例を言い、そしてその運営についての最大の問題点、そういったものについても事前にお店の方々に勉強してもらうという意味でのVTRをつくって、現実に診断指導に活用をし始めているところでございます。なかなか商店街もたくさん数多うございますから、先生御
指摘のようにPR不足なところがございます。そのほかにも、商店街全般にわたって、近代化をした、大きな町づくりをしたものについて、上下二冊になった立派なパンフレッドで全国について本当に商店街の模範例のようなものをやはり事業団でつくらせております。これもこれから商店街の近代化に取り組む人たちのためにつくっております。まだまだ不足していると思います。先生御
指摘のとおり、そういった
共存共栄の形のものなどを
中心に大いにPRをし、商店街の方々に大いに
考えていただこうというふうに
考えております。
たまたま先日、補正
予算を通していただいたところでございますが、昨年度の補正
予算で商店街
対策として大きな
予算をつけていただきました。国費で二百六十億、そして地方からはほぼ同額のものを出すというような形で県域につくる。これがしたがって、各県平均しますと十億ぐらいの単位の基金をつくる、そしてそれを目減りしないように運用益でもって、商店街がソフトの形で勉強をしてもらう、そして新しい近代化に向けてそれぞれが勉強するための、例えばコンサルタントの方を呼んでみんなで勉強する、そういう勉強代に補助金をつけよう。こういう発想のもとにちょうどできたところでございますし、こうしたソフトのお金を十分に使いながら、かつ、この大店舗法の改正を控えておりますので、そういったこともありまして、商店街への大きな影響をよい
方向に、商店街が近代化し、流通が近代化し消費者のためにもなるような形に、そういうふうに指導を持っていきたいと思っている次第でございます。
それからもう一点ございました。夜の町になってしまっている、それが寂しくなっている。昔は路面に縁台でも置いてというようなところがございましたけれ
ども、町が早く暗くなってしまうということが、確かに各商店街の大問題でございます。
その
一つは労働者
対策で、やはり夜遅くまでするわけにはいかぬなという社会情勢がございます。ただ、お店の長さと労働時間というのは、どっかで切り離せるものなら切り離したい。つまり、交代制をしけばできるわけでございます。ところが、小さいお店では交代制まではなかなかいかない、こういうジレンマがございます。ある程度交代制ができるところはやっていただくということに当然入っていくべきだと思います。
それから、おっしゃるように、
地域に限っては路面を使うというような御提案、これについては実は私の頭にはございませんでしたから、早速勉強させていただきたいと思っております。
なお昨年来、設備近代化資金を対象に、その商店に対してシースルーシャッターのようなものを
中心とした設備改造資金を出すようにいたしました。つまり、夜中も
電気をつけてシースルーでショーウインドーは明るくなっている、こういった設備をすることによって商店街が真っ暗にならないで済む。そして、言うならばウインドーショッピングをその明るさの中でやっていただく、こういったことも商店街には必要ではないかということを
考えまして、新しい試みとして入れたところでございます。
方向は先生の御
指摘のとおりでございまして、そういったものを今後とも拡充してまいりたいと思っております。ありがとうございました。