○井上計君 白熱した
質疑が続いておりますし、また大臣は、伺いますと後公務で次の御予定が迫っておるようでありますから、簡単に申し上げます。
特に最近私が感じておることを一、二申し上げたいと思うんですが、ある意味では、これは私
どもも含めてでありますけれ
ども、政治家も
国民も、
日本人のほとんどが余りにも平和ぼけして、欲ぼけしておるのではなかろうか。最近の風潮をそのように実は強く感じることがあります。このままでまいりますと、
日本はますます国際的に孤立化を深めていくのではないか、このような感じが強くするわけであります。
今度の
イラク問題によっていろんなことが論議をされております。もちろん
国内問題は重要ではありますけれ
ども、同時にそれが
国内問題だけに、お互いが
議論を重ねていって、現在の湾岸問題はいろいろな事情等を国際的な
立場で物を考えなければ、
日本は実は逆に大変な不利な
状況に陥るのではなかろうか、こんな懸念もいたします。湾岸
産油国に
我が国が
依存している
石油は全
輸入量の約七〇%近く、六七%ですか、
アメリカあるいは西ドイツ、フランス、イギリスに比べて数倍の
依存度でありますから、果して
我が国が今のような
状態でいいのかどうか。それも私は反省すべきだ、このように考えております。
実は、八月の初めでありますが、院から派遣をされまして、メキシコの上院の招聘で自民党の議員と公明党の議員と私の三人でメキシコへ参りました。メキシコの上院、下院の外交
委員会へ出席をして向こうの国会議員といろんなことを話し合い、懇談したわけでありますが、上院の外交
委員会の議員十二名が全部我々に言いましたのは、
日本はけしからぬということであります。要約いたしますと、百年前に
日本は大変貧乏であった、中国の帆船に乗って
日本移民がメキシコへやってきた、それを我々は助けて受け入れてやった、その
日本が現在あのように金持ちになったのにかかわらず一向に
援助しないではないか、こういうふうな実は強要であって、もちろんメキシコの事情はいろいろありますから私は額面どおりに受け取っておりませんし、また随分と誤解がありますけれ
ども、だから
日本はもっと我々に手を差し伸べろ、メキシコに対してもっと民間の
企業が進出をしろ、あるいは政府間の
援助を行え、このようなことを随分と言われて、余りにもその強要が強いものでありますから、私は端的に、もっと民主化しなさい、そして
経済の民主化をしなくちゃいけませんと言った。
御
承知のように、メキシコは特定のわずかの人たちによって
経済の大半が握られております。したがって、貧富の差が非常に甚だしい。相続税がありませんからますます富める者は富んでいく、こういう
状態であります。このことを
指摘して大変物議を醸しました。しかし感じたのは、こんな誤解を受けておる、あるいは事実このように皆思っておるとすると、
日本はこれからますます孤立化を深めていって、五年、十年先に一体
日本はどうなるであろうか、こんな感じを強くしたわけであります。
メキシコの後ペルーに参りました。ペルーでも、日系のフジモリ大統領が当選をしたのは、日系の大統領ができれば
経済大国
日本が
援助してくれるからというので貧困層の大部分がフジモリ大統領に投票した、こういうことを聞きました。ところがそれについて、やはり
日本は一向に、最近若干動きがありますけれ
ども、ペルーについての関心が余り高まっておりません。だから、いいか悪いかは別として、このままでは大変なことになるのではなかろうかという実は懸念をしておるわけであります。
一方、
国内では、先ほど
質問の中で出ておりますけれ
ども、米の自由化の問題でも自分さえよければいいんだという
議論が先に立って自由化反対だという声が強いんですね。先ほど来お話がありますけれ
ども、
石油の問題にしてももっと目を広げて考えていかなければ大変なことになる、こう思います。
そこで、政府及び政治家の責任として
国民にもっと真相を知ってもらう。真実を話して
国民にやはり五年、十年、将来のことを考えてもらうという
努力を今直ちにしていかなくてはいかぬ、こんなふうに強く感じております。
そこで、具体的な
質問を
一つだけ申し上げます。大店法の問題であります。
日米構造協議の結末がようやく六月の末にできました。大店法の出店緩和あるいは改正、特に二年後には大都市についての除外というふうな問題等が既に発表されました。五月の末に
通産省から
通達で出店規制についての緩和策が出ました。ところが、それについて依然として各地の
中小商店街においては大変な反対運動が起きておるわけであります。絶対阻止、絶対反対という動きが依然としてあります。ところが、商店街の幹部等々と話をいたしますと、もう大勢やむを得ない、あるいは
消費者のニーズにこたえていくためにはある
程度の緩和は当然である、むしろそれよりも大
企業と共存共栄できるような体制づくりを早くやりたい、それには政府がもっと
努力をしてほしい、こういうふうな要望が強いんでありますが、ほとんどの零細商店、零細な
中小の
小売商はとにかく反対さえしておればこのままで何とかいけるんだという、そういうふうな気持ちが強いんですね。
それをあおり立てているのが実は政治家なんです。そういう大会へ出ますと政治家が、どの党とは言いません、ほとんど各党とも、皆さんのおっしゃることは当然、絶対に反対します、絶対阻止しますということを言うものでありますから、実はこれではだめであろう、何とかもう我々は
考え方を変えていかなくてはいかぬと思っておる商店主さえが、あのように皆議員が言ってくれるんだから、反対反対と言っておれば何とか阻止できるのではなかろうかという、こういう気持ちを持っておるんですね。私はこれは大変なことだなということを最近特に強く感じておるんです。
そこで、坂本審議官にお伺いしたいのでありますが、五月三十日の出店緩和
通達以降どういうふうな
情勢にあるのかということをまずお伺いをし、それからもう時間がありませんから、あと
中小企業庁長官には、この次のこれからの商店街対策として平成三年度の予算面で何をどう重点的にお考えになっておるのか。それで最後に大臣から、大臣も随分と
中小企業問題はお詳しいわけでありますし、特に大店法の問題については御苦労されておりますから、どういう方針でこれから処していかれるのか、これをお伺いすることにして意見と
質問、以上であります。