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1990-06-21 第118回国会 参議院 建設委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二年六月二十一日(木曜日)    午前十時一分開会     ─────────────    委員異動  六月二十日     辞任         補欠選任      野別 隆俊君     喜岡  淳君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         対馬 孝且君     理 事                 沓掛 哲男君                 吉川  博君                 小川 仁一君                 山田  勇君     委 員                 井上 吉夫君                 井上  孝君                 石渡 清元君                 遠藤  要君                 川原新次郎君                 坂野 重信君                 喜岡  淳君                 種田  誠君                 西野 康雄君                 及川 順郎君                 白浜 一良君                 上田耕一郎君                 新坂 一雄君    国務大臣        建 設 大 臣  綿貫 民輔君        国 務 大 臣        (国土庁長官)  佐藤 守良君    政府委員        国土庁土地局長  藤原 良一君        国土庁大都市圏        整備局長     三木 克彦君        建設大臣官房長  牧野  徹君        建設省建設経済        局長       望月 薫雄君        建設省都市局長  真嶋 一男君        建設省住宅局長  伊藤 茂史君    事務局側        常任委員会専門        員        荒木 正治君    説明員        国土庁長官官房        審議官      日野西光温君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○大都市地域における住宅地等供給促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付) ○都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 対馬孝且

    委員長対馬孝且君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  昨二十日、野別隆俊君が委員を辞任され、その補欠として喜岡淳君が選任されました。     ─────────────
  3. 対馬孝且

    委員長対馬孝且君) 大都市地域における住宅地等供給促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案並びに都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案、以上両案を便宜一括して議題とし、前回に引き続き質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  4. 石渡清元

    石渡清元君 おはようございます。  今までも各委員によりましてさまざまな角度から質疑がなされたわけでありますけれども、今回の大都市あるいは都市計画建築基準法の一部改正につきまして全体的に申し上げるならば、やはり何といっても各都道府県あるいは各市町村との十分な話し合いなしではこれがなかなか事業を遂行できないということではないかと思うんですけれども、まずその辺の、住宅宅地対策について各都道府県とのコンセンサスを得る段取りと申しましょうか、そういったようなことについてお伺いします。
  5. 伊藤茂史

    政府委員伊藤茂史君) 今回の大都市法都市計画法改正を通じまして、大都市圏住宅宅地対策を進める上で国がイニシアチブをとるわけでございますけれども都道府県との協議調整が非常に重要な要素となっておりまして、この制度の中にも宅地開発協議会を拡充する、あるいは計画を策定する際にそれぞれの意見を聞くということで、その話し合いの仕組みが担保されております。  実質的にも、具体住宅プロジェクト宅地開発プロジェクトにつきましては、それぞれ都市計画手続あるいは事業の実施については、公共団体公共施設整備その他で大いに関与するわけでございまして、そういう意味でこの実効を担保するためには公共団体との調整話し合いというものが一番重要だと思っておりますので、私ども実際の運用に際しましてもこの点に最大の関心を払い、その法律意味するところを十分生かしたいというふうに考えておるところでございます。
  6. 石渡清元

    石渡清元君 結局、各都道府県で一番ネックと申しましょうか問題は、基本方針を策定していただいてまた各都道府県供給計画をつくっていくわけですけれども、その上で交通と上下水道、そして地価が一番の問題になっているんですね。その辺のところをどうやって詰めていくのか。
  7. 伊藤茂史

    政府委員伊藤茂史君) 御指摘のとおり、大都市圏住宅宅地供給に際して、広域的な観点からそのプロジェクト開発地点をふやそうと思いますと、交通ネットワークの問題が非常に大きいと思います。これも御案内のとおり、国が計画管理するものもあれば公共団体計画管理するものもあるわけでございまして、したがいまして、先ほど先生指摘の、国と公共団体との協議の中で十分その道路の計画とそれから重点地域指定していくわけでございますけれども、その際どういう場所にやるかということとは十分に連関性を持たせて、国、公共団体納得の上、重点地域指定していくということになろうかと思います。  それから、地価の問題はたびたび出ておりますけれども、今回のこの大都市法制度の中でも重点地域につきましては国土利用計画法監視区域指定することができることになっておるわけでございまして、そういう国土利用計画法上の制度も大いに活用しながら、十分対処してまいりたいと考えております。
  8. 石渡清元

    石渡清元君 結局、対象低利用地、未利用地等々がまずスポットを当てられるわけでございますけれども、そういうときに建設主体というのは国あるいは公団とかいろんな事業主体があるんですが、用地取得優先順位とかそういうのは考えていらっしゃるんですか。
  9. 伊藤茂史

    政府委員伊藤茂史君) 今回のこの体系の中では、先ほど申しましたように、具体的には重点地域指定でその整備開発、保全の方針都市計画を決めるわけでございますが、その中で地主さんを中心に具体プロジェクトを構成してほしい、こういうことでございます。地主さんが開発能力がなければ、当然にその土地を売ったり開発者に渡したりするわけでございますが、その際にできるだけ公共的な主体が入ってくるということは、公共側イニシアチブをとりながらこの住宅プロジェクト宅地開発プロジェクトをやっていきたいというこの思想からしますと、当然の働きかけがあって公共主体がリードする場合が多かろうと思います。  それからもう一つは、民間から民間土地を売った場合に、監視区域で当然届け出はございますし、その際に地方公共団体の関与を介して公共的なプロジェクトの方に土地が渡るというようなこともあり得ると思います。公有地拡大法で当然に土地を、公共主体として手を挙げる場合に、公共団体でありますとか公団でありますとか、そういう住宅宅地開発プロジェクト主体が手を挙げて買い取るということもあり得るということで、あらゆる手段を通じまして公共的なプロジェクトができるように努力をしてまいりたいと考えております。
  10. 石渡清元

    石渡清元君 そうすると、宅地取得というのは、各事業主体がそれぞれ遊休土地等地主地権者等々とそれぞれがばらばらで交渉をするという、そういう計画の積み重ねというのはどうなっているんでしょうか。
  11. 伊藤茂史

    政府委員伊藤茂史君) 多くの場合は、例えば工場跡地を考えますと、その工場を持っておりました企業が、今回もいろんな制度住宅に誘導するためのインセンティブがあるわけでございますから、住宅プロジェクトをみずから計画するという場合もあるということでございます。その場合に、なかなかそういう住宅プロジェクトというのは専門的な知識も経営能力も要るわけでございますから、それでは公団公社公共団体相談をしていこうということになりますれば、その際に相談だけで公共的な指導が入る場合もありましょうし、それから具体的なプロジェクトで分担をしていく、一部分それでは公団にやってほしいとなる場合もありましょうし、そういう形で公共主体が入ってくるということでございます。  同じように、市街化区域内農地につきましても、農家の方々が共同して、あるいは個人別々でも構いませんけれども、みずから賃貸住宅経営する場合もございましょうし、それから今言いましたように公団公社土地を貸す、あるいは建物をつくってから貸す、経営はそちらにお任せするという場合もございましょうし、初めから土地を売って公的主体でやる場合もありましょうしということでございます。  したがいまして、そのプロジェクト進行ぐあいで、現在進行しているものも随分あるわけでございますが、これから何もないところでやる場合には、今お話を申し上げましたような形で次々にプロジェクトが生まれてくる、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
  12. 石渡清元

    石渡清元君 事業主体も、住宅公団とか国レベル事業主体やら、あるいは県レベルあるいは市レベルのものがあると思うんですけれども、そうすると、大体神奈川なんというのはあいている土地が大体限られちゃっていますから、それが取りっこになるような傾向になってくるんじゃないか。そのときにだれがその場所を優先的に交渉するのか、用地確保順位とか、そういったような考え方というのはどんなものなんでしょうか。
  13. 伊藤茂史

    政府委員伊藤茂史君) 当初に申し上げましたように、今回のこの大都市法体系の中では国と公共団体が十分話し合うことになっておりますので、そういう場を大いに活用しまして、そしてその拠点となりますような地区につきましては、どういう事業主体がそこに参加をしていくかというようなことを話し合うようになっていくものと思います。現に、例えば多摩ニュータウンとか千葉ニュータウンとか、そういうところでもそれぞれのプロジェクトの中で現にそういう話し合いの場があるわけでございます。したがいまして、大規模なところ、拠点となるようなところはそういう形で調整が行われるものと思っております。
  14. 石渡清元

    石渡清元君 具体的にそういったような遊休土地関係、例えば地方自治体に優先的な買い取り制度などを導入してもらうような、そういったようなことができないものかどうか。そうしますと、割合宅地確保という面でスムーズに流れていくんじゃないでしょうか。こういう考え方はどうでしょうか。
  15. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) お答えいたします。  委員の今のお話の中で、遊休地買い取り協議という今度の法律で御提案申し上げている内容と関連するところでございますが、その場合には遊休地転換利用促進地区にかけて、千平米以上のものには遊休地通知をする、そしてそれについていろいろな手続を重ねていくわけでございますけれども、その中で買い取り協議をするというようなことが最後の方に入ってくることになろうと思っております。
  16. 石渡清元

    石渡清元君 ですから、最後買い取り協議というお話が出たんですけれども買い取り協議優先順位単位市町村でいいんですか、あるいは都道府県でいいんですか。そして勧告買い取り協議までいく。市町村長指定することになっているんでしょう。
  17. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) 市町村公団等へのあっせんを含めまして主体をとってやるということを考えております。
  18. 石渡清元

    石渡清元君 それでは、たまたま出ましたので遊休土地転換利用促進のことについてお伺いいたしますけれども、まずこの指定市町村長がしますね。それで、これからこういったようなものをつくりなさいといったような協議、その手続はどういう順を追ってなさるんでしょうか。指定は一方的にしちゃうんでしょう。
  19. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) まず遊休土地転換利用促進地区ですが、これは五千平方メートルのもので都市計画上必要のある場合には法律条件が書いてございますが、そういうものについて指定をいたしまして、指定した後で相当期間ほうっておいたということになると、その五千というのは持ち主が複数でもよろしゅうございますが、その中で今度は千平方メートルを持っているという人、これは権利主体が一人でございますが、その方がちゃんと計画をつくって、そして計画に従ってどういうことをやるというようなものを出していただく。出していただいたものが公共団体が考えているものと一致しないというか適切でないときは、さらにそれじゃこういうふうに直してくれないかというようなことのやりとりがございます。最終的にはなかなかそこのところがうまく詰まらないということで、私はこう使いたいと地主の方がおっしゃる、それで公共団体側ではいやそういうことではどうも困るというようなことで買い取り協議という先ほど申し上げた段階に達するわけでございます。  そのほかにもう一つ買い取り協議のことは、これは私ども法律の話でございますが、税制上そういうこちらの考えと食い違う場合においては何らかのややペナルティー的な課税というものも考えていただけないだろうかということを、これはまた建設省として政府税制調査会の方にもお願いをしていくというようなことも考えております。
  20. 石渡清元

    石渡清元君 ですから、例えば交渉あるいは指導助言をするのに、ある程度必要最低限のあるべき住宅建設の要件とかそういったようなものも先に地権者側に示して指導をしていくのか。指導するのはあくまでも市町村長という考え方でいいんですか。
  21. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) そういうあるべき姿についての意見というか提案の内容とプログラムは、それは市町村の方で地権者にお示しするということになっているわけです。
  22. 石渡清元

    石渡清元君 そして、この遊休土地転換利用促進地区というのは農地対象になるということでございますか。
  23. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) 遊休土地転換利用促進地区農地が適用の対象になるかという問題でございますが、基本的には遊休土地というのは、先生案内のように、全く何の用途にも供されてない未利用地とか、一応は利用されていてもその利用程度周辺地域の同一類似の用途土地利用程度と比較して著しく劣っているとかというような低利用地につきまして都市計画でもって位置づけまして、その有効利用促進するというものでございます。  それで、相当程度有効利用が進んでいる既成市街地におきます低・未利用地ということが対象となるというふうに考えておりますが、そうなると典型的には工場跡地とかそういう既成市街地に係る大規模な低・未利用地対象となるということでございます。したがいまして、一般的に言いまして周辺市街地、そういうところに適正に営農されている農地についてはこの遊休土地転換利用促進地区対象とはならないというふうに考えておりますが、ただ、既成市街地の中でしかも高度利用の要請が極めて高いというような地区農地があったといたしますれば、その場合にはこの遊休土地転換利用促進地区ということに指定することはないとは言えないというふうに考えております。
  24. 石渡清元

    石渡清元君 その転換利用促進地区、例えばどこか工場跡地とかそういうような社有地、そういう場合には自分の事務所等々も含めた複合の建物でも、用途としては住宅以外のものでもよろしいという考え方でいいんですか。
  25. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) 商業地域などで商業系土地利用に特化した地域で、そういう場所住宅をどうしても建てろというようなことは、これはやはり土地利用立場都市計画的な立場からいって適当でない場合もあると思いますが、ただ、住商工用途がいろいろ併存することが望ましいというような地域では、住宅を含む形で住宅供給を促す意味でそういう住宅建物を建ててもらうということは望ましいと考えておりますが、絶対にどんな場合でも住宅を入れなければだめだというものではございません。
  26. 石渡清元

    石渡清元君 それでは、建てたい部分を全部お譲りしちゃおうと、そういう場合に買い取り市町村長買い取り主体なのか、あるいはその財源措置というのはどういうふうに講じていけばいいのか。
  27. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) まず、買い取り主体市町村長の場合もございましょう、それから公社公団の場合もございます。これは市町村長あっせんをするといいますか、そういう形でやるということになってまいると思います。  それから財源でございますが、三種類ほどの資金がございまして、一つ都市開発資金という制度でございまして、これは現在もかなり機能しておりますが、工場跡地買い取り用のための資金、これは国が地方公共団体貸し付ける、それを今度地方公共団体が使うということでございますが、平成元年度の貸し付けの枠でございますが、これは六百三十一億余でございました。それからもう一つは、一般の公共用地先行取得の場合と同様に、こういう事業をやる、そこを公園にするとか住宅にするとか、そういうところからやります公共用地先行取得事業債というのがございますが、それを使うことも考えられまして、六十三年度分の実績を見ますと千九百三十三億円になっております。それからもう一つ、一般的に地方公共団体都市開発基金というのが設けられておりますが、これを活用することもございます。都市開発基金の昭和六十三年度三月末の積み立て状況は一兆八百七十七億となっておりますが、これらの三つの手法を組み合わせて、さらにまた私ども都市開発資金という国の貸し付け制度の増額をこれからも図ってまいりたいと思いますが、財源の充実を図っていくように努めてまいりたいと思っているところでございます。
  28. 石渡清元

    石渡清元君 その買い取りの段になると公団なりそういう建設主体事業者だというんだけれども、この法律では工場跡地をもっと有効に使えと、そういうふうに促進をしたり指導をするのだって市町村長がやるということになっているでしょう。それで、勧告に従わない場合は買い取り協議にだんだん移っていく、こういうような法の流れになっているわけですね。今、最後買い取りのことを話しておったんですけれども、それまでは市町村長がやっていて、買い取り段階になれば公団なりあるいは県や市の公社なり、そういったような人が今度は急に話の対象になってくる。そうすると、今までどのようなものをつくれとか、そういうことをやってきた整合性とか、その内容等々については買い取り側が十分参加して知っていなければ、またこれは新しい交渉対象になってきはしないかと思うんですが。
  29. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) 買い取り主体公団公社の場合もございますが、今私が申し上げたものは、金は国で用意していますが実際使うのは公共団体でございますので、恐らく実態といたしましても相当公共団体買い取り主体になっていくことが多いというふうに考えております。
  30. 石渡清元

    石渡清元君 いや、それは実際に具体的なのはいいんです。ただ、そこに至るまでの指導助言地区計画の決定というのは市町村による指導助言というふうに書いてあるから、それをずっとやっていて、それで計画変更勧告、そしてまたなおその勧告に従わない場合は買い取り協議に入っていくわけでしょう。買い取り協議に入っていくのに急に事業主体が変わっちゃう、市町村がやっていた協議交渉買い取りの段になると変わっちゃうというのはどうなんですか。
  31. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) 今おっしゃいましたように、ずっと地方公共団体がやっておりまして、そしてそれを買う段には地方公共団体が買うときもございます。それから公社公団側地方公共団体が中へ入った形で買うということもあるということでございますので、そこのところは私ども地方公共団体市町村が中に入ることによって一貫性は保てるというふうに考えております。
  32. 石渡清元

    石渡清元君 買い方はいろいろあると思うんですが、先ほど私が申し上げたのは、そこまでやっているのだったら買い取り優先権地方公共団体に与えるような指導をしたらどうか、それはいかがなものかということをさっきちょっと聞いたのです。
  33. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) その土地利用目的が片方にあって、それから買い取りを希望する者があるという場合に、例えば住都公団が直接買うという、そこにもちろん市町村が入りますが、そういうことであっても必ず市町村が一たん買ってからでなければ住都公団に売ってはいけないというようなことにする制度は、私は余りそれは実効上必要ないことであろうというふうに考えております。
  34. 石渡清元

    石渡清元君 それは確かにそうだけれども、しかし県でも市でもかなりそういう住宅建設外郭団体とかあるいは直でやる場合もありますし、そういうのは結局用地難で進んでいないわけですよ。ですからこのような制度遊休土地転換利用促進地区指定していろいろ指導助言をやっているんなら、そのやっている地方公共団体買い取りの際に優先権を与えたらどうかと、何んでもかんでも地方団体に買わせろという意味じゃないのです。
  35. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) 地方公共団体がその土地を買いたいというときに、それは地方公共団体等でお買いになることはもちろん構わないわけでございますので、実態上は恐らく地方公共団体がある部分を買い、また住都公団と一緒にやりたいというときにはある部分往都公団に行くというような形でもって進むだろうと思っております。
  36. 石渡清元

    石渡清元君 住都公団というのは割合かなり大規模対象になりますから、したがってそれほど大規模でないようなものについては、できたら地方公共団体買い取り優先の場を残さないと、結局全部国がやって、あとだんだん残り少なくなったものを地方団体がやるという形になります。そうすると、その市なりあるいは広域的な都市計画というのが整合しないケースが出てくるのを心配してちょっと申し上げたわけなんです。  それでは一歩進めて、例えば買い取り段階で、普通の更地ならいいんですが、社有地なんかの場合、事業用資産取得していますから、それで担保だとかあるいは借地権だとかいろいろな権利がくっついている、そういったようなケース買い取りというのはどういうふうに解決しますか。
  37. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) 最初の地方公共団体の役割でございますけれども地方公共団体優先買い取りを実際上行っていく場合が相当に多いというふうに私どもは考えております。ただ、土地の面積とか利用の仕方とか、そういうことで地方公共団体一色でなければならないということは決めかねるということだと思います。  それから、今お話しの借地権抵当権の話でございますが、この制度におきましては、借地権がある場合にはもちろんその土地を有効に利用する権限は実質的には借地人にあるということでございますので、遊休土地であるという旨の通知対象借地人も含めているのは当然そういうことになろうと思います。それで、借地人もこれによりまして利用計画等届け出義務を負いますとともに、これもまた勧告対象に当然なってくるということになります。そして、借地人勧告に従わなければ借地権買い取り協議ということになっていくものだと考えております。  それから、抵当権つき土地ということもございましょう。そういう土地買い取り協議に当たりましては、その土地売却代金抵当権を抹消するように、遊休土地所有者とかそれから抵当権者にそういうことをお願いするということが必要になってくることで、地方公共団体は結局その抵当権の抹消を条件として買い取りを行うということになっていこうかと思います。
  38. 石渡清元

    石渡清元君 そうすると、通常の取引のような形ですね。  宅地をできるだけ確保する意味で、そこで何らかの形を講じていかないと、そういうしがらみがある土地の場合はなかなか確保できないような気がするんです。そして、例えば保有税を強化しようとか、今までもいろいろな議論がありました。遊休土地保有税を強化することが宅地供給につながるのかどうか、税制面から見て何がベターなのか、その辺のところはどういうお考えですか。
  39. 望月薫雄

    政府委員(望月薫雄君) 遊休土地転換利用地制度というのは、もう今までの御答弁でもありますように、都市計画立場から低・未利用土地であるということをはっきりとし、利用勧告もし、あるいは土地買い取り協議も行うということが基本の制度でございますが、そういった意味では都市計画上好ましくないということが基本の精神につながると思います。こういったことをやるために、私ども、基本的には税制面での裏づけというのが大変重要だろうと思っておりまして、率直に言いまして、現在あります特別土地保有税、この税制をさらに拡充強化するということを念頭においての保有税強化というものをぜひお願いしたい、こう考えております。    〔委員長退席、理事小川仁一君着席〕  御案内のとおり、現在の特別土地保有税は昭和四十四年以降に取得した土地だけが対象になりますが、冒頭に申しましたように、都市計画上好ましくない利用形態であるという判断をするに当たりましては、いつから取得したものであるかどうかということは余り意味のないことでございますので、そういった意味で私どもは、先生の御意見ございますけれども、保有税による一つの手当てというものがこれは是が非でも必要だろう、こう考えているところでございます。
  40. 石渡清元

    石渡清元君 それでは、市街化区域内の農地関係をお伺いします。  何回も私も申し上げるようですけれども農地、特に都市部における農地というのが環境保全上あるいは防災上非常に大事な役割を果たしているんですけれども農地宅地化はかなり慎重にしないと、それでなくても生産緑地法の〇・二へクタール、もっと小さくして少しでも残していこうじゃないか、市民農園ですか、ああいうものも確保していこうなんということになっておりますので、その辺の農地宅地転換に対する周りの土地利用を十分配慮して慎重に行っていきませんと、農業もだめ住宅もだめ、都市計画も失敗、そういうことがないように、その辺の指導をどのようにやっていかれるのか。
  41. 望月薫雄

    政府委員(望月薫雄君) 基本的には、市街化区域内農地の扱いというのは今先生お話のような側面があることは私どもも重々認識いたしております。特に都市部におきます緑の保全効果、あるいはところによりましては軟弱蔬菜の供給の機能などなど言われておりますが、そのこと自体は私どもも当然受けとめておりますけれども、問題は、市街化区域の中にある農地であるという、一つ土地利用の方向づけがなされているエリアにおきます農地、こういった特性を持っていることも頭に置かなきゃならないだろうと思っております。  そういった意味で、私どもはっきりと申し上げたいことは、都市計画の手当てなど一応長期的中期的に担保されるような制度の裏づけの中で位置づけられることが是が非でも必要である、こういったように考えておりまして、今おっしゃったような機能を持つ側面というものに着目いたしますと、いつも出ますけれども、生産緑地という制度は積極的にやっぱり活用していく必要があるだろうし、あるいは本当に長期的に営農に専念しようという農地につきましては、都市計画上の要件等も必要になりますけれども、やっぱり俗に言う逆線引き、市街化調整区域への編入ということもこれまた大事な施策であろう、こう思っておりまして、そういったことをやった上で、いわゆる宅地化すべき農地というものについて税制はいかにあるべきか、こういうふうに考えたいと思っております。    〔理事小川仁一君退席、委員長着席〕  その際に私どもは、そういった農地については、今般も住宅高度利用地区計画制度ということで、土地所有者土地保有志向等も頭に置いての宅地供給施策も御提案申し上げておるわけでございますが、こういった施策を具体的に進め、あるいは土地区画整理事業等を進めていくという、こういった基本線を大いに貫いていきたいわけでございますが、この際にも裏づけとして現行の農地課税のあり方というものはやはり再点検していただく必要がある、こういうふうに考えて政府税調の方にも御説明させていただいている、こういう次第でございます。
  42. 石渡清元

    石渡清元君 農地に対する考え方はわかりました。ただ、今線引きという話が出ましたけれども、線引きの見直しを自治体は毎年やっているわけじゃない。ですから、基本方針を策定して計画はつくったものの、線引きについては時間的な整合を持っていかないと何も進まないんじゃないんですか。
  43. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) 先生指摘のとおり、線引きは五年に一度ということが一般のスケジュールでございますが、ただ、今私ども議論しておりますのは、この市街化区域内農地の問題、一連の税制の問題もこれから出てまいると思いますが、そういうものに対応して、場合によってはこの際できるだけ早い機会に、臨時にひとつ線引きの見直しということもやる必要があるのではないかということも考えているところでございます。
  44. 石渡清元

    石渡清元君 その時間的な問題等々よく地方団体と十分協議して、その辺がちぐはぐになってしまいますとその計画が進まないと思うんです。  それと、次は住宅高度利用地区計画、一種住専内の農地等々を活用した場合に、その中で中高層の住宅供給促進するために例外のようなもの、それができるようなそういう制度なんでしょう。周りが住宅地で急にその中でぼんと中高層ビルが建つ、その場合に、周辺の景観とのバランスとかあるいは都市計画上の交通対策、上下水道等々の関係を考えなければ、こういう制度はつくっても実効として効果が上がるかどうか、その辺の考え方は。
  45. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) 住宅高度利用地区計画でございますが、市街化区域内の農地等におきまして中高層住宅地として整備することが適当だなという場所もございます。ところが、そういう場所は、放置しておきますとミニ開発とかばら建ちとかいう形で都市環境が次第に悪化していくというおそれのある地域でもあるわけでございまして、そういう地域につきまして、ある単位の、スポット的ではございますが、一ヘクタールなら一ヘクタールぐらいの単位を頭に置いておるのでございますけれども、その地区レベルの公共施設整備を、今お話しございましたような上下水道はもちろん入るわけでございますが、それを条件として良好な中高層の住宅地をつくるということへの土地利用転換を誘導していこうというものでございます。  それで、一般的に言いますとこの住宅高度利用地区は第一種の住居専用地域指定する場合が多いと思いますが、その場合には、御存じのように第一種住居専用地域は低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するための地域でございます。当然のことながら、そういうことを前提といたしまして用途地域は第一種住専のままでございますので、そこで今度の改正法におきまして特に一カ条設けまして、「住宅高度利用地区計画の区域の周辺の低層住宅に係る良好な住居の環境の保護に支障がないように定める」ということにいたしております。具体的に容積率とか建ぺい率とか高さというものをここで今までより緩和することで特例を定めていくのでございますが、そういう場合におきましても、環境とか公共施設とかいうものを総合的に判断してやるということでございます。  かつ、その上に高き制限も二十メートルと、一種住専は十メートルでございますが、その倍の二十メートルということで法律上抑えておりますし、それから建ぺい率も十分の六ということにしてございまして、それを許可に当たる特定行政庁が現実の状況をよく把握しながら個別に認定するということにいたしておりますし、さらにその住宅の団地の外側に対する影響を特に重く見まして、周辺住宅環境と調和するように、建物の壁面の位置の指定とか、それからオープンスペースの確保というようなことも十分に配慮した計画にするように指導してまいりたいと考えております。
  46. 石渡清元

    石渡清元君 住宅区域内の公共施設整備は十分やって、その区域の外も関連してやりませんと、第一種住専地域ですから低い建物ですね、そこに高い建物を建てるのですから、そういう意味公共関連施設はもちろん整備しながらやらなきゃいけないのですけれども、周りが低くてぽんと高いものが建つので、その周りの居住環境に対する影響はないかという心配があるんですが。
  47. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) そこのところが住宅高度利用地区計画を定める上での大きなポイントでございまして、その定めに当たっては先ほど申し上げましたようなことで法律に特に条文を設けて、「周辺の低層住宅に係る良好な住居の環境の保護に支障がないように定める」ということで法文上明記してございます。
  48. 石渡清元

    石渡清元君 確かに必要で、だから整備するのだけれども、それでは都市景観とかそういったようなアンバランスということ、十メーターだ二十メーターだと一種住専内にぼんと建つわけですから、その辺のことは周辺整備さえすればよろしいのでしょうか。そういうことは余り考えたことはないのですか。
  49. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) 確かに今まで十メートルのところに二十メートルのものが建つということでどうだということでございますが、正直に申しまして市街化区域内の農地でこの地区住宅高度利用地区指定しようというところは、もともと中高層住宅の適地であるのが公共施設がなかなかうまく整備されていないために一種住専になっている、それを開発者が負担することによってこの制度を動かそうというものでございますので、これは一概には言えませんけれども、何年か建てていってそういう地区が連続してくれば、そこは恐らく第二種の住居専用地域になっていくような場所だろうと思います。でございますから、建ったときはちょっと高いものが建ったなということになるかもしれません。それについて違和感を感じる人もなしとはしないと思いますけれども、長期的に見ればそれは解決されていく問題だというふうに考えております。
  50. 石渡清元

    石渡清元君 周りが整備されてくると地価に対する影響、地価のアップにつながっていくような気もするのですが、その辺についてはどうお考えですか。
  51. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) この制度の運用上最も留意すべきものの一つとして地価への影響があるわけでございますが、この制度は運用上は農地等の所有者地価の顕在をもたらす不動産の業者等に転売という形で開発を進めるのではなくて、みずから土地有効利用して住宅供給するという場合に活用されるということを典型的には期待しているところでございまして、このための税とか財政上の措置の充実も考えていきたいということでございます。一般論としては、容積率を緩和していくことは住宅宅地、オフィスの供給量の増大につながるということで、全般的な需給の関係からいえば地価の抑制に貢献し得るというふうには考えておりますし、また大都市地域においては監視区域というものが指定されておりまして、これを活用することによりまして今の御懸念がないようにすることに努めてまいりたいと思っております。
  52. 石渡清元

    石渡清元君 法の関係は大体わかったわけですけれども、結局、大都市地域というのはなかなか場所がありませんね。場所があった場合にどういうふうに手続を踏んで住宅供給していくか、建設していくか、こういうことなんですけれども、戦後四十五年たつと大体建てかえの時期にみんな来ているんですね。それと、都市部は非常に細かい地権者がたくさんいる。したがって、民間の業者の再開発が今どんどん始まっているんですけれども、その辺の良好な町づくり、都市をつくるために再開発業者なんかに対する指導とか、そういう建設省との接点というのはあるんですか。
  53. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) 建設省サイドとしては、町づくりのあり方については結局はつまるところ市町村が定めます都市計画ということになろうかと思います。それで、都市計画の中で一般的な用途、住居とか商業というものを決めていくほかに、そこの市町村とそれから地元の方が共同してつくり上げていきます詳細計画という制度がありますが、そういう詳細計画が定められているところになりますと、そこでどういう建物をつくっていくかというところまで決めることができます。  この詳細計画制度は昭和五十五年以来スタートしておりますが、年々活用されておりまして、五十五年以来で申しますと四百十カ所が指定されておりますが、今は年間百程度でもって、最近非常に利用が活発になっておりますので、こういう制度をひとつやっていこうじゃないかということになりますと、それは都市計画の面からの町づくりの中で建物をどういうふうにやっていくかというところまで入るということができることになるわけであります。
  54. 石渡清元

    石渡清元君 今まで各委員からもいろいろ質疑がありましたけれども民間なんかの自由に今の状態を放置しておくとペンシルビルみたいなものをどんどん勝手につくっちゃうわけです。それで非常に細かいものができちゃうので、それだったらむしろ都市再開発法等々を少し狭い地域対象にして、それでどんどん建物の共同化なり、またあるいは建物をつくるならこんなようなものはどうだというふうなガイドラインを示すとか、そのようにして町づくりを促進し、また良質な住宅供給促進するような指導とか、あるいはそういう窓口はどこかということを伺いたいと思います。
  55. 伊藤茂史

    政府委員伊藤茂史君) 都市再開発法という法律がございまして、具体的にプロジェクトをやっているところが相当ございますけれども、これは関係権利者が精力的に話し合いをしまして、権利調整等で時間がかかるわけでございます。先生今御指摘の、できるだけそういう再開発法を適用しながら再開発を進めていくことが一番理想的ではございますけれども、現実の問題としてそれで相当面積を覆うということはなかなか難しいわけでございます。  私どもは、住宅供給立場から住宅プロジェクトに対するいわゆるインセンティブと申しましょうか、低利融資でございますとか補助金でありますとか税制でありますとか、今までにも総合設計とか特定街区でも住宅について特別の容積率を認めてございますけれども、今回はさらに三つの制度地区計画等々で整備いたしまして、住宅についてのインセンティブをさらに手法としてはふやしたという格好でございますが、そういうことで住宅を誘導しようということでいろんな手法がございます。  したがいまして、それともう一つは、今言われましたように零細な土地がいっぱいございますので、再開発という形で大きくまとまらなくても、二つ三つの地権者が協力をしてやっていくというときにメリットを与えるというような、これは予算補助上のいろんな制度がございます。優良建築物でございますとか、あるいは住宅についてもそういうものがございますが、そういう形で敷地を共同化した場合のメリットを与えるということでも誘導をしております。すべてこれら住宅関係のものは誘導政策でございますので、地主さんやデベロッパーがその線に乗ってこられれば、公共団体なり金融公庫を初めといたします金融機関等が指導をするという形で、できるだけ望ましい住宅供給に結びつけていこうということに努力をしているところでございます。
  56. 石渡清元

    石渡清元君 インセンティブを与えることは非常に大事ですし、特に私が申し上げたいのは、国際防災年が始まったわけだから、そういったような共同再開発、建築物に対してよりいいものを、防災面も含めていいものをつくるような指導を強めたらいかがかと、こういうことなんですが、それはやっているんですか。具体的に法の運用を甘くする、都市再開発法の対象面積を狭めるわけにはいかぬのかな、小さいのがいっぱいありますから。
  57. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) 今お話のございました小さいもの、殊に木賃アパートとかそういうものが頭に浮かんでくるわけでございますが、こういうものを再開発でどうしていくかということは、実はこれからの都市づくりをする上で一番重要な課題であろうという認識は持っております。  その際に、これまでの議論の経過を申し上げますと、理想の形まで持っていってそういう木賃型、小さいものをほとんどなくしてしまうのか、それともそれを少しレベルアップして公共施設をふやすことによってある程度妥協するのかというところが議論の一つの分かれ目というふうに考えております。私どもの中では、そのいずれをとるか、それはもちろん地区によって変わってくると思いますけれども、基本的にどちらの思想に立つか、それから、そのどっちの思想をとった場合でも、それに対応した公的な補助あるいは強制手段というものをどういうふうにそこへつなげていくかということについて議論しているところでございまして、できるだけ早い間に今の御示唆の方向に向かって結論を出したいと思ってはおります。
  58. 石渡清元

    石渡清元君 ちょっと初歩的なあれなんですけれども、例えばそういう再開発なんかやるのに、よくデベロッパーという言葉もあるし、あるいはコンサルタント会社という言葉もあるし、コーディネーター業の会社もいっぱいあるわけですね。あるいはゼネコンもそれをやっている。そういったような再開発のプランニングなんかは資格とか条件というのはあるんですか、言葉もいろいろあるんですがね。
  59. 伊藤茂史

    政府委員伊藤茂史君) 再開発協会という公益法人がございまして、そこでそういったコンサル系、それから今言われましたようなゼネコンなんかもございますけれども、そういう方々で具体に再開発計画を担当される方を集めていろいろ研修をしたり研究会ですかそういうものを開いたり、いろいろしております。そういうところで次第にそういうことの知識が大勢の担当者に定着しつつはございます。しかし、先生今言われましたような資格というようなものは、今のところそういう業界でも与えている現状にはございません。
  60. 石渡清元

    石渡清元君 業者とかやる人によって大分個人差が大きいと思うんですが、そういったような企画とか計画経営法律、税務、評価、設計、管理、運営、いろんな分野、そのある程度の分野を定めて最低基準というのを定めるような、あるいは今の話じゃないけれども資格とか検定とか、そういったような基準は持たなくていいんでしょうか。
  61. 伊藤茂史

    政府委員伊藤茂史君) 先生指摘のような要請というのはあろうかと思いますが、具体に考えてみますと、都市関係のいろんな法律のいろんな制度も熟知していなきゃなりませんそういう集団もありましょうし、それから建築とか土地利用計画についてのプランナーみたいな分野もございましょうし、それから住民とのネゴシエーションと申しましょうか、そういう住民の意見調整しながらまとめていくというような仕事もありますし、いろんな総合的な仕事なものでございますから、今現状を申し上げますと、そのそれぞれ専門の分野分野の方々が共同作業でやっておられるというのが現実だと思うのでございます。したがいまして、その資格制度等を考えた場合にどういうふうにグルーピング、ジャンルを決めるかというのはこれもなかなか難しいかと思いますので、そういうことで私ども勉強はしてみますが、今のところ難しいかなという感じがいたしております。
  62. 石渡清元

    石渡清元君 確かに難しいのはわかるのです。と申し上げたのは、海外に技術協力を国も援助してやっていますね。そのとき、ある程度基準とかそういうものがないと行く人によって、あるいは行く地域によって違っちゃう、そういう心配はないんですか。
  63. 望月薫雄

    政府委員(望月薫雄君) 先生の御指摘、大変大事なことでありますが、現実今お話し申し上げましたように難しい面、言うなればトータルとして複合的に考えていかなきゃならぬという、そういった分野でございます。  それで、率直に申しまして、私もいろいろとこういう経験さしていただいている中で申し上げて失礼でございますけれども、各公共団体レベル、特に県のレベルでもって幾つかのそういう建築系なりそういう再開発系統の協会等々を持ってやっているというのも最近大分定着しつつございまして、こういった動きと、先ほどの都市再開発協会等の活動、言うなればそういったもろもろの関係の中でいわば組織体としてのレベルアップ、こういったことに大変進んできているという認識をいたしております。  私どもの中でも、個人の資格制度ということも勉強する必要があるという意見もあり、いろいろと念頭には置いているのですけれども、さてそれが個人レベルの資格としてうまく動くものかどうか、むしろ一つのチームとして、組織体としてそういう力を付与していくということが大事ではないかと。幸いにして、公共団体レベルもそういう取り組みが協会等を通じて行われておるというのが現状でございますので、私どもそこらのことをベースにしながらこれからの一つの方向づけをもう一歩進めていきたい、こんな感じで今おります。
  64. 石渡清元

    石渡清元君 確かに、その組織体としての基準とかレベルアップが非常に物を言ってくるのじゃないかと思いますけれども建設省サイドの国際化というのは、ちょっとよく正確に僕覚えていませんけれども、何か海外の技術協力が建設省の中の国際化というふうに言われているというふうに予算書のあれを拝見しているんですけれども、建設関係の技術協力というのはかなり海外援助していますけれども、非常に低いんですね、日本の場合は。これからどんどん建設サイドのものの技術協力がふえてくると思うので、私はそういったような組織体等々の基準なりあるいはその育成を強化していかなければいけないんじゃないかなということでお伺いをしたわけでありますけれども、これからも海外経済協力の中で建設部門かなりふえてくるんじゃないかと思います。その辺の見通しはどうですか。
  65. 望月薫雄

    政府委員(望月薫雄君) ただいま先生からのODA絡みのいわば海外技術協力、こういった面でのお話として受けとめさしていただきますと、おっしゃるとおり、従来、道路あるいはダム等々が非常にベーシックなものとして長い歴史を持っておりますけれども、最近はもう申し上げるまでもなく、先生おっしゃったように、特に住宅系の開発事業、いはまた俗に言う再開発、あるいはまた都市計画、こういうことでの大変な技術支援を求めてきている、ニーズが高まっております。私ども建設省は、海外協力については技術面での協力というのが何といいましても我々の蓄積からしても基本であると考えておりますが、そういった意味では今のおっしゃった方向を私どもも十分意識しながらこれからも努力していきたいと思っております。  幸いにしてそういった面でのスタッフというものも、先ほど申しましたように個人というよりもチームとして大分力を発揮できる環境もできておりますので、そういった面で一層の努力をしていきたいと思っております。
  66. 石渡清元

    石渡清元君 これで質問を終わります。
  67. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 この改正案は、三つの新制度住宅高度利用地区計画用途地区計画、それから遊休土地認定勧告制度、これをつくろうというものですが、三つ目の遊休土地認定勧告制度は、さきの国土利用計画法改正における投機的取引規制と同じように抜け道も多いし効果も疑問がありますけれども、改善には違いがない。これは厳正な運用を期待したいと思います。  問題は最初の二つです。いずれも何とか住宅要求に対応しようという意図はわかるんですけれども、この委員会でも再三強調してまいりましたが、地価の暴騰で持ち家中心の政府住宅政策の破綻が非常に明らかになって、低家賃の公共賃貸住宅の大量建設ということこそ政府の責任なのに、またしても民間活力頼みの規制緩和というのが私の率直な感想です。  そこで、以下具体的に質問をしてまいりたいのですが、まず住宅高度利用地区計画、これは大都市圏市街化区域内農地、東京圏では三方六千ヘクタールと言われていますけれども、そこを対象にしているということは答弁でもありましたし、政府、審議会も明確にしている。我々も市街区域内の農地宅地化は一切だめだという見地にはもちろん立っていませんけれども、やり方は非常に問題があるんですね。これはコンセンサスができないまま高度利用だけ先行していると思います。例えば土地税制改革、これはまだ審議中というよりも立案が進んでいるという段階建設省は生産緑地法の提出も見送っている。だから、市街化区域内の農地について都市計画法上の位置づけも税法上の扱いもはっきりさせないまま、それらと切り離して高度利用だけ先に見切り発車する、この理由をまずお伺いしたいと思います。
  68. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) 初めに、生産緑地法の改正をなぜ見送ったかというところから御質問がございましたので、そこからの御説明に入りたいと思いますが、市街化区域内の宅地並み課税の問題とそれから生産緑地地区制度の見直しにつきましては、これは昭和六十三年に閣議決定をしております総合土地対策要綱において、この両者は一体的に行うということでございまして、もう一つのパートナーの方でございます税制の見直しにつきましては土地税制の総合的見直しの一環として行っているという現在進行形の形でございますが、その状況を踏まえて今国会において生産緑地法の改正案を提出するのは見合わせたということで御理解をいただきたいと思います。  それから、それでは住宅高度利用地区計画を創設するのはなぜだということでございますが、市街化区域内農地の現状を見ますと、長期にわたってずっと農地面積が固定しているわけじゃございません。年々一定の割合で、大体今三%程度の割合でございますが、宅地化が進んでいるところでございますので、こうした状況で進んだときにそこの農地がどういう形に変わっていくかと申しますと、ミニ開発とかそういう問題になってこよう、ばら建ちという問題になってこようということで、この状況の中でまとまった農地をせっかくお持ちで開発意欲もおありの農家もいらっしゃることですから、ひとつ住宅地の高度利用地区計画というものを御提案して、農地所有者の方々に対して住宅建設に向けての容積率の制限を緩和する、そのかわり環境のいいものをつくるということで、農地において良好な住宅市街地への転換を進めていこうということで、この制度自体でひとつ農地計画的な宅地化のインセンティブを与える手法として有用であるという判断をしたので、今回この制度を出させていただいたものでございます。現実の農地の使い方というものを頭に置いたときに、こういうものは必要であるというふうに考えております。
  69. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 今度の制度は、一種住専、二種住専の地域でおおむね一ヘクタール以上まとまった土地についていろいろ制限緩和しようというわけですね。今までは最高建ぺい率六〇%、高さ十メートルだったんだが、今度の制度だと通常何階建てぐらいまで建てられるんですか。容積率はどのぐらいまで可能になりますか。
  70. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) 今回の制度ですと、恐らく周辺地域は第一種住専のことが多いと思います。第一種住居専用地域でございますと建物の高さ制限十メートルということになっておりますが、ここにつきましてこの制度で中高層の建物を建てようというときに、じゃ高さはどれくらいかというと、法律で二十メートルを限度というふうにしております。それから建ぺい率は十分の六と、これも法律上定めております。具体的には周辺の環境とか公共施設等の整備状況等も総合的に勘案した上で計画を定めますが、そういうことで標準的に言いますれば、建物の高さは六、七階程度、建ぺい率が十分の四ぐらい、容積率が十分の二十というような程度のものをイメージとして描いております。
  71. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 建物の階数はどれぐらいになりますか。
  72. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) 六、七階程度のものを考えております。
  73. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 今度の適用除外は、結局、今まで低層住宅あるいは農地が散在している一種住専の地域に、一ヘクタール以上のところに高さ二十メートル、六階から七階のマンション群がぽこぽこできるということになるんですね。これは計画区域の周辺については環境をよくするようにすると書いてあるのだが、では区域の中はどうなるのか。中は、今まで低層で一種住専だったのにぽこぽこ六、七階のマンション群ができる。この区域内の環境問題は一体どうなのかということと、区域外もこういうものがどんどんできると道路その他公共施設の負荷は非常に大きくなるのじゃないかと思うんですが、そこの問題点についてはどういう見通しをお持ちですか。
  74. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) まず、区域内はどうなるかということですが、一つ懸念されますのは、低層などの区域の中に一階建ての住宅が残っていたような場合どうするのだというようなことでもあろうかと思いますが、基本的にイメージとして私ども考えておりますのは、この区域につきましては公共施設整備状況等を勘案して、公共施設整備とあわせて住宅地として高度利用することがふさわしい一般的な地域ということで考えますと、一団の農地、更地の農地というのが一つ頭にございますが、しかしそうは言っても、ではその中に低層住宅があったら取り込めないのかといえば、それは取り込んでもその計画上いいという場合もそれはないとは言えないと思います。  そういう場合においては、案の作成の段階から低層住宅地の地権者意見を伺った上で低層住宅地も一ヘクタールなり二ヘクタールの中に含めた形でこの地区を定めるということが考えられますけれども、そういう場合においては当然のことながら低層住宅地の環境を守るということが一つの前提になっておりますので、地区内の中高層の建築物の容積、高さというところもそれと整合性のとれた形で決まってくることになろうかと思います。  それから、周辺公共施設に対する負荷は上がるのではないかというお尋ねでございますが、それはそうなっていくだろうと思います。その場合にどういうふうに手当てをするかということは、この開発、こういう住宅を建てたいという方に御負担願う部分もありましょうし、それから公的な部分でもってそれをサポートしてくることもあろうと思っております。
  75. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 やっぱりこういうものがもし次々とできると、複合的な影響は局長が考えた以上に予想以上のものが起きかねないと思うんです。都市計画法によれば、「第一種住居専用地域は、低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域とする。」となっているわけですね。そこに今度はいよいよ一ヘクタール程度の六階、七階のマンション群が割り込んで入ってくるということで、一種住専としてのこれまであったまとまりも破壊されざるを得ない、ひいては用途地域制度を導入した都市計画法の思想の解体にまでつながる危険さえあると私は思います。この制度の導入には賛成できません。  次は、用途別容積率制度です。今度は一種住専、二種住専じゃなくて、住居地域、近隣商業地域商業地域、準工業地域など住商混在地区、ここを念頭に置いて、これも地区整備計画を定めて住宅系の建築物については容積率制限を一・五倍まで認めようというものですね。なぜ住宅系については一・五倍まで大きくしても差し支えないと考えているのですか。
  76. 伊藤茂史

    政府委員伊藤茂史君) 制度の中身は先生御説明のとおりでございます。建築物の容積率の割り増しにつきまして一・五倍ということで法律で上限を定めておりますが、一般的に住宅用途住宅以外の用途で、特に道路に対します交通の発生量でございますが、これはいろんな調査等がございまして負荷が小さいということがわかっております。大体半分ぐらいというのが常識になっております。したがいまして、現行の容積率緩和を行い得る制度が幾つかございますが、特定街区とか総合設計がございますが、そういう中でも住宅用途につきましていろんな緩和の率が定められております。私どもは、今回、公共施設に対する負荷の率からいきますともっと住宅の場合は割り増しできると思いますけれども、環境等も考えまして一・五倍、これは特定街区でとっておる数字でございますが、それを限度として設定をしたということでございまして、今回が初めてということではございません。
  77. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 我々も、一般に建築物の用途によって容積率でボーナスを差し上げるということ自体は認められると思うんですよ。ただ、今度のこの法案の出し方で一つ問題があると思いますのは、都市計画中央審議会の中間報告がありますね、それから建築審議会の市街地環境分科会の中間報告も出ているんですが、そこで出されているものよりかなり踏み込んだやり方になっているんですね。  それはどういうことかというと、都市計画中央審議会の中間報告の方は、もちろんこういうボーナスでインセンティブということが考えられるということを言っているんです。ただ、具体的な対応としては現行制度でも可能なので、当面その活用を図り、新たな制度の創設は今後検討を進めると言ってかなり慎重な態度を出していたんですね。それから建築審議会の市街地環境分科会の中間報告は、住宅立地誘導地区制度、これは仮称なんだそうですが、今のような容積率などのボーナスを出してはいるんですけれども、このインセンティブ付与の方法は、敷地単位で個別に建築計画を判断して認定して許可を与えるというふうになっているんですね。  ところが、今度の法案は一律にやっちゃうんですな。今度のは、ある区域で住居系の容積率を一律に緩和するというやり方です。二つの審議会の中間報告ではもっと慎重なんですよ、二つの審議会の中間報告でもこういう制度は出していないんです。だから、非常に思い切った踏み込みをおやりになったと思うんです。  それで、この問題で建築審議会の分科会の責任者をお務めになった大谷氏に実は電話で意見を聞いてみました。ちゃんと私ども名のって聞いたので、ちょっと言っておきますけれども、大谷さんは、やっぱり法律でやるのかどうかというのはいろいろ問題がある、だから法律で定めるというのは問題が生まれるので、都市計画で位置づけた上で個別の建築物に対して許可する方式がいいと思ったと。許可制度というのは、いろいろ失敗もあるかもしれぬけれどもいきなり法律で決めない方がいい、現実の場で試していって制度を確かめながら進めていこう、そういう考え方だったというんですね。  ところが、この六月十八日の建築審議会の最終答申で、いきなりばっと今度の法律と同じようなものになっているんですね。ところが、分科会でうんと審議して、この問題でそういう慎重なやり方の方がいい、個別の建築物について許可制度にした方がいいというのが出ているのに、建設省はいきなり一律にボーナスというやり方に踏み切っているわけです。そこら辺の考え方は一体どういうふうに理解すればいいんでしょうか。
  78. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) 都市計画中央審議会の昨年六月の中間報告との関連について御説明申し上げます。  委員指摘のように、中間報告の内容でございますが、都市基盤の施設が整備された地区では容積率の引き上げと地区計画の活用、それから基盤施設が整備されていない地区では再開発地区計画の活用により、当面はこれらの制度によることも一つの方法として新制度については引き続き検討するというふうに報告をいただいたところでございます。その後、私どもはこの中間報告をいただいて検討いたしました。  それで、基盤施設が整備されていない地区での再開発地区計画の活用、これはもう当然のことで問題はございませんが、基盤施設が整備された地区において容積率の引き上げと地区計画の活用で対応することはどうかということについての議論をいたしましたところ、その容積率の引き上げのみを取り上げていきますと、容積率の引き上げと市街地環境への配慮は、これがばらばらに行われてはいけない、これを一体的に行う方が望ましい。それから、単に引き上げただけでなくて、引き上げと同時に住宅と非住宅の配分を一体的に行いたい。これがあるべき姿ということではいいのではないかということで、この地区計画制度を拡充することによって今申し上げました二点の議論を解決していこうということで、用途別容積地区計画制度を創設するという考えに至ったものでございます。  なお、都市計画中央審議会の委員の方々には、私どもの考えはこうでございますということは御説明を申し上げてあります。
  79. 伊藤茂史

    政府委員伊藤茂史君) 平成元年の六月二十八日の建築審議会市街地環境分科会小委員会中間報告の中身と今回の制度とは違うではないかという御指摘でございます。  この中間報告の考え方は、今先生、個別の敷地ごとのインセンティブの付与ということで御説明いただきましたが、その前に文章がございまして、対象地域住宅計画都市計画上位置づけた上で、個別の建築計画ごとに特定行政庁が容積率の緩和をしていく、こういう趣旨でございます。したがいまして、この前に書いてありますことは、今回の地区計画という形で都市計画上位置づけられた地区という意味ではなくて、新たな制度としてより広い地域についてこの住宅計画ないしは都市計画上位置づけて、そして個別の建築計画でやっていこう、こういう趣旨だったわけでございます。この中間報告をいただきました後、都市計画全体に責任を持っております都市局とも御相談をし、いろんな省内の議論を経まして法制度上今のような形になったわけでございますが、この過程で当然ながら建築審議会市街地環境分科会にも内容を逐次報告をし、御了承をいただき、先生指摘のとおり、今回最終の建築審議会の答申では私どもが提案しました制度と同じ形の答申をいただいたということでございます。  それからもう一つ、一・五というのが非常に一律に決めて云々というお話でございますが、この法案に書きましたように、地区計画で一・五を限度として低い率も定められるわけでございまして、地域の実情に応じて地区計画で定められまして、個々の建築計画の中でそれを限度として審査をする、こういうことでございます。
  80. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 今回の制度は、今の経過はある程度わかりましたけれども地区整備計画で敷地面積の最小限度を決めて条例化することが要件の一つなわけですね。そうすると、最小限度決まっているので、零細な住宅所有者は自分の住宅を建てかえようとしてもこの一・五倍のボーナスは受けられない。むしろ地区計画で排除されてしまうので、メリットを受けるのは最小限度以上の地域をまとめられる人なんです。そうすると、地上げの支援になりかねない結果が生まれるんですね。だから、中間報告のときの個別の建築計画で許可制度という考え方じゃなくて、一律にしますと一定限度の面積が決まりますから、それ以上の人しか受けられない、地上げの促進になるという危険が現実には生まれると思う。  そういうふうに、今ある業者が地上げをしてボーナスを使ってオフィスビルの上に住宅をつけるということでどうなるかというと、我々はひとつ家賃を調べたんです。サンコーエステートというところで、ビルディング・アンド・オフィス・レント・データというのがあるんですよ。そこで調べましたら、都心五区でオフィスビルの平均の賃料、坪当たり一番安いところで一万八千円、大体二万円以上。六本木ぐらいになると約三万円ぐらいなんですね。坪当たり二万五千円ぐらいのところ、これは飯田橋、人形町、千駄ケ谷あたりなんですが、容積率一・五倍でこれに見合う家賃を考えると、坪当たり一万七千円ぐらいになる。二十坪で三十四万円となるんですね。これは、ボーナスつきの容積率緩和があっても、ちょっと一般の勤労者の住宅には到底この地域ではやっぱり無理だということであります。  それは一つの問題点として指摘しておきますけれども、この二つの制度とも地区計画、これが一つかなめの地位を占めてくるので、この地区計画問題について少し具体的な問題を取り上げて質問したいと思う。  七五年の改正で、この地区計画については立案過程に住民が参加できるということになって、住民参加の点では前進がある制度に法令上なっているんですね。実際には、いいのもあるでしょうけれども、ちょっと驚くべき実例が出ている。むしろ、住民に被害を与える規制緩和の手段に地区計画利用されているというケースがあるんですね。  これは、府中市の日本製鋼所跡地の問題です。インテリジェントビルなど九棟をつくる。高さ最高八十一メートル。日本製鋼所、三井不動産株式会社、三鋼都市開発株式会社、これら三社が主体になってやるわけです。今問題になっているのは、その中のB1ビルです。資料ありますけれども、これは研修所だそうですね。最高高さ四十九メートル。西側の団地の日照に影響があるというので住民が反対運動をやっている。都の用途地域見直しの都市計画決定に対する都民の意見書は六千通あるんですけれども、そのうち二千通以上は府中市にかかわるというので、どうも府中というのは市側にもかなり問題があるように思うんですね。きょうはこのこと自体の論議をする時間が余りないんですけれども、二つの点を指摘したいんです。    〔委員長退席、理事小川仁一君着席〕  一つは、この地区計画決定が極めて非民主的に進められて住民不在になっているということ。ここはもともと工業地域で建ぺい率六〇%、容積率二〇〇%だった。今度は準工業地域にして容積率三〇〇%に変えた。それで、府中市は、素案を発表して住民説明会したときは、容積率がこんなに変わるなんていう話は一切していないんです。変更ないと言っている。ところが、開発業者が計画案を出して素案の変更を口頭で言ったんです。そうしたら、住民説明会の後変更したものは住民説明の義務がないというのが市の態度で、変更を含む府中市の案を市の都計審に提出して承認させてしまった。この容積率三〇〇%というのは府中市にほかにないんですよ。ほかの準工業地域はいずれも二〇〇%で、高さ指定、日影規制もある。ここは容積率三〇〇%で高さ指定も日影規制もない。東京都は、この地区計画については周辺地域も含めろという指導をした。ところが、業者は周辺と一緒にやる気が全くないからというので、工場跡地だけを市は範囲にして地区計画をつくっちゃったんですよ。だから周辺住民は意見を結局何も言えないと。そこへ四十九メートルのものがぼんと建って、朝なんかの日影は大変ひどいわけです、影響が。  それからもう一つの問題は、容積率の抜け穴がある。これも我々もなるほどと思ったんですけれども、吹き抜けをうんとつくったビルなんですね。ここに図もありますけれども、一階から十一階まで吹き抜けなんですよ、大きな吹き抜けがある。今はやりのアトリウム建築というんだそうです。こうすると、容積率というのは床面積ですからね、床面積は確かに容積率の範囲内だけれども、吹き抜けがあるから建物の大きさは物すごく大きくなっちゃう。これはちょっと建築基準法の制限として新しい抜け道が出ている。日影規制でいろいろ容積率を制限しても、吹き抜け込みのでっかい建物を建てると床面積だけは大丈夫だということになると、これは何らかの規制が必要になっているんじゃないかと思うんですけれども、以上二つの問題点についてお答えお願いします。
  81. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) ただいま御指摘になりました府中市の事例については、実は詳細なことを承知しているわけではございませんので一般論としてお答えをさせていただくことにしていただきたいんですが、都市計画の案について説明会を開催して説明をした、ところがその案が変わったと。それは変わった程度にもよると思いますが、説明会において住民に説明した内容と大きく食い違いが生じたという場合には、もちろん説明会は法律上の要件じゃございませんけれども、しかしそういうことをやることはいいことだと私ども関係業種を指導しているところでございますが、そういうことで考えますと、説明会をやってきた趣旨から考えますと、特別の事情が何かあれば私どもそこは関知しませんけれども、一般論として申しますれば、前の説明会で説明したのとその後大きく案が変わったという場合には、再度説明を行う方が望ましいということは申し上げられると思います。    〔理事小川仁一君退席、委員長着席〕
  82. 伊藤茂史

    政府委員伊藤茂史君) この先生が御指摘のビルが非常に大きい空間を有しているというお話でございますが、先生案内のとおり、容積率という考え方は、建築物内で行われます諸活動が道路等の公共施設にどういうふうに負担をかけるかということで総量を制限するという意味で設けられておるわけでございまして、これを床面積として勘定する場合に、空間が大きいからといって大きな容積率にするということにはちょっとならないわけでございまして、容積率制限そのものは現行の取り扱いで適切だろうと思うわけでございます。  先生指摘になりましたのは、そういう建物がある場合に、その周辺に対する環境の問題というようなことだろうと思うわけでございますが、これにつきましては建ぺい率制限が当然かかりますし、斜線制限がかかりますし、それから当該地域の外側で日影条例等がきちっと定められておりますれば日影制限も当然かかるわけでございまして、そういう各種の形態制限を行うという形で良好な市街地環境は守られていくということで、私ども特段に御指摘のようなことは考えていないところでございます。
  83. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 真嶋局長、日鋼の問題ね、先ほど変更があった場合にはもう一度住民説明会が建前としては必要だと言われたんだけれども、ちょっとこれ調べていただけませんか。
  84. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) どういう事情か調べたいと思っております。
  85. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 それでは調査をひとつお願いします。  今の地区計画問題でも少し出てきたんですけれども、やっぱり日本の都市計画制度土地システムが大きな問題を持っているということの一つのあらわれだと思うんですね。今の日鋼団地の問題なんかもそうなんだけれども、つまりマスタープランが、きちんとした都市計画があって、それに基づいて具体的なさまざまな法則を持った地区計画が生まれるといういわゆる二段階方式、これはドイツでもフランスでもそうなっているんですけれども、そういうふうになっていなくて日本の場合には一段階計画制だということですね。それがこういう日鋼の跡地のような非常にひどい例を生み出しているわけですね。  私、野村総合研究所の「地価土地システム」というのも見たんですが、一体なぜ東京でこういう地価暴騰が生まれたのか、これは経済政策、金融政策等々いろんな問題があることは私も集中審議で述べましたが、野村総研のこの本などは、そういう金融制度、経済政策等々だけじゃなくて、日本の土地システム、これにああいう地価暴騰を生み出す問題があるというので、かなり系統的に調べたものですね。一々紹介しませんし、局長建設省もよく御存じと思うんですが、とにかくこれを見てみると非常に異常だというのですね。歴史的に形成されたものだけれども、極めて特異なものだと、日本のシステムは、今の一段階計画制もそうですけれども。そういう特異なシステムが政府の誤った民活導入政策や規制緩和、それから私がこの間指摘したプラザ合意以来のドル安円高問題についての協力等々で異常な地価暴騰を生み出したんだけれども、やっぱりこの際、ここにも提言がありますけれども、そのほかにもいろんな専門家が提言を出しているけれども、日本の都市計画制度土地システムそのものにやっぱりメスを入れる必要が成熟しつつあるように私ども思うんです。  現行都市計画制度について、欧米の諸制度と比較して幾つか問題点が指摘されている。一つは、マスタープランがない一段階計画制度であること。二番目は、地域地区が大枠で、用途規制が混合型で、しかも制限を列挙しているというタイプになっている。だから、どうしても競争力の弱い住宅用地が事務所用地に駆逐されてしまう。三番目は、容積率が高過ぎる。これは多くの識者、専門家が指摘しているんですね。四番目は、開発許可制度から建築行為が除外されている。許可制度対象である開発行為も一定の基準を満たすものは原則許可ということになっている。五番目、住民参加が形式的であること。六番目、土地の評価が収益還元評価でなくて取引実例の評価になっている。  そのほかにもあるでしょうけれども、こういうさまざまな問題点が今無数の困難、国民、住民に対する犠牲を生み出していると思うんですね。こういう問題を我々も今後建設委員会で、あるいは参議院にも土地特ができましたら追及していかなきゃならぬと思うんですけれども、きょうは今回の法改正との関連で用途地域制の問題、それから時間がもしあれば容積率の問題もちょっと触れたいのです。  さっき言いましたように、日本の用途地域は、野村総研の言い方によると各用途ごとに禁止される建物用途を列挙する仕組みになっている。ところが、逆にアメリカなんかは用途地域が細かく指定されて、各用途ごとに建築できる建物用途などが具体的に規定されている。非常に対照的なんですね。これが住宅用地の地価を押し上げていった都市計画制度上の要因です。  十九日の参考人の意見聴取でも、本吉参考人、五十嵐参考人が一致してその改善を主張していました。住宅土地利用確保するためにこういう今度のような用途別の容積率制度を導入するんなら、根本的な問題点をあわせて解決することが不可欠なんじゃないかと思うんですね。建設省としては、こういうこれまでの土地システムの中の用途地域のやり方をもっと細分化する、住宅系、非住宅系の土地利用をもっと分離した用途規制に思い切って改めるというお考え、あるいはそれを検討していくという問題意識はないんですか、お伺いします。
  86. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) 初めに、土地の値段が高いのは端的に言えば用途規制をちゃんとやってないからだというような御指摘であろうと思います。  確かに、例えば人口が非常に静的な状態にある地方都市を見ますと、商業地域から工業地域から住宅地、住宅専用地域に至るまでの間の土地というものの価格がある勾配を描いてきているということ。そして、その実態額もまあ収益還元で説明できるような額になっているということであったし、大都市においてもかつてそういう時期もあっただろうと私は思いますが、ただ、今の東京で第一種住居専用地域は事務所は建ちません。建ちませんけれども、ではそれ相応で住宅地として適正だと思う値段になっているかというと、これはだれが考えてもその値段を何倍も超えているという状況になっている。ということは、やはり用途規制をもってその地価を抑えるということについては限界がある。これを超えたものが今の地価問題の一番の問題であり、住宅問題の根源であるというふうに私どもは考えております。  それで、では日本の制度はそんなに外国に比べて変わっているのかということについて御説明申し上げますが、よく引用されますのが西ドイツの都市計画制度でございます。都市利用のマスタープラン、Fプランと普通言われておりますが、それと建築物に関する地区詳細計画、これはBプランと言っておりますが、これも日本で言われているほど市街地べったりできているわけではございません。建築的な土地利用のうち三割とか四割とか、せいぜい五割程度について作成されているだけですが、それでも日本の今の詳細計画よりは普及していることはそのとおりでございます。  それで、我が国の都市計画制度を見てみますと、まず基本的に土地利用計画、施設計画等の指針として整備開発または保全の方針を定めることにいたしておりまして、これを受けまして用途地域というものが出てまいって、そこで土地利用計画とか道路、公園等の施設計画とか区画整理、再開発というような事業計画が定められてくるということでございます。そして、さらにその地区の特性に応じて詳細土地利用計画、五十五年以来スタートしておりますが、この計画によりまして地区ごとの整備方針と建築物に関する詳細計画を、この場合は建築物も入ってまいりますが、地区計画の中で取り込むということでこの制度を活用し、年々その活用はふえてきているというふうに申し上げることができます。  したがいまして、二段階制ということになると、我が国の都市計画制度におきましても、基本的には一つはその整備開発保全の方針というところはマスタープランに当たって、そしてさらにその中に用途地域があって、もう一つ細かく地区計画制度があるということでございますので、マスタープランと詳細計画の間に地区計画が入っているというこういう格好になっております。ただ、運用の実態として現在のところ地区計画が西ドイツほど普及してないというところはございますが、そこが大きな課題でございますけれども、基本的構想は同様なことであろうと思います。  それで、我が国の都市の大きな特色は、非常にダイナミックに戦後ずっと動いてきたということがございますので、そういう中でどういう都市が形づくられているかということは、余りにも早い時期に詳細計画を決めてしまうということは都市の経済活動なりそういう社会的な役割を考えたときに問題があろうということで、そして現在の仕組みは土地が安定化してきた場合には詳細計画の方にだんだん移行していくというような仕組みでございますので、現在の日本の都市計画制度は、こういう制度は一朝一夕でその評価が定まるものではございませんけれども、私どもとしてはこれを、全く直す余地はないという意味ではございませんけれども、これから適正に運用することによって立派な制度としていくというふうに考えております。
  87. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 六八年に新都市計画法が制定されて、七〇年の建築基準法の改定で、それ以来、日本の都市計画システムまた法制がずっと出てきたわけです。それがやっぱりいろいろな問題点が生まれて、それでさまざまな専門家、学者あるいは研究所等々が問題点を指摘し、国会でも各党がこういうシステムについていろいろな問題点を指摘しているのに、今の局長のお答えは、建設省は今まで責任を持って進めてきたからというのだろうけれども、余りにも固執し過ぎ、保守的過ぎると思うんですね。システムがぶつかって問題が生まれたときに、それをもっと深く検討して抜本的な改善に進もうというのではなくて、部分的な手直し、私どもに言わせれば部分的な手直しも民間活力導入のそういう手直しの方向へ進んでいると思うんです。  容積率問題でも、これは日本のは容積率のレベルが全体として高過ぎると広範に指摘されている。だから、用途別容積率制度にしろ住宅高度利用地区計画にせよ、容積率アップを誘導手段にして使うのであれば、前提として容積率を現在のレベルよりも大幅に引き下げておく。大幅に引き下げておいて、よいものにはボーナスを上げるというふうにしないと、これはかえっていろいろな問題点がやっぱり生まれると思うんです。これは私だけの主張ではなくて、多くの都市計画学者からも強く指摘されていることを述べておきたいと思います。  もう時間がなくなりました。多くの問題を指摘しましたけれども、これまで政府は常に表面的には一極集中の是正を言いながら、実態は反対に東京の土地問題は激化する一方だった。だから、部分的な規制緩和というのは都市全体のあり方について大きな禍根を残すものであるので、ここらあたりで日本の都市計画制度について根本に立ち返って再検討することが必要になっているということを再度申し上げて、質問を終わります。
  88. 対馬孝且

    委員長対馬孝且君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時四十五分休憩      ─────・─────    午後一時二分開会
  89. 対馬孝且

    委員長対馬孝且君) ただいまから建設委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、大都市地域における住宅地等供給促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案並びに都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案、以上両案を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  90. 新坂一雄

    ○新坂一雄君 連合参議院の新坂でございます。  きょうは、この法案に対する締めくくりという意味合いもございまして、今まで質疑応答の中で繰り返し述べられた点、同僚委員も述べられた点を、締めくくりということで今までで出た質疑応答の中をまとめまして大臣に確認する意味で、主に大臣に質疑を行っていきたいというふうに思っております。  なお、関連質問で国土庁長官にも後ほど出席された時点で質疑を行いたいというふうに思っております。  今回のこの法律案に対して、一般サラリーマン、特に中堅サラリーマンと言われる方々の住宅に対する要望は大変強いものがございまして、この法律に対する要望といいますか要求ということが大変強いということで、法律の中に盛り込まれてないところで大変気がかりだなというところを主に質疑していきたいというふうに思っております。  それでまず第一点でございますが、建設大臣にお伺いしますが、いわゆる資金の面での手当てということでございます。供給基本方針あるいは住宅供給計画、これをつくるわけですが、これをつくるためには基盤整備、これがどうしても必要で、このために、実際に現場を請け負うのは地方公共団体ということになりますが、大変量も多いものでございますから負担が大変だろうというふうな気がいたします。これに対して具体的な財政的な裏づけがないと、計画はあっても消化不良に終わるというおそれもございますので、この辺の財政措置を、この間の御答弁では関公促進費というようなものも充実を図りたいというふうなお考えもお見せになっておりますけれども、この点を確認したいということが一点でございます。  それからもう一つは、いわゆる供給計画によりまして土地の詳細計画を決めるわけですけれども、一方においてこの住宅五カ年計画とか、あるいは公共事業の十カ年計画とか、あるいは緑化計画とか、お役所の縦割りのプロジェクトがありまして、それがうまく詳細計画の中に盛り込んだ形で効率的に運用されると大変効果があるんじゃないかという気がいたします。  以上二点をまずお伺いしたいと思います。
  91. 綿貫民輔

    ○国務大臣(綿貫民輔君) 住宅宅地供給に当たりましては、今御指摘の関連する公共施設整備が不可欠であるというふうに考えております。このために、今回の大都市地域における住宅宅地対策の強化に当たっても、通常の公共事業のほか、住宅宅地関連公共施設整備促進事業及び宅地開発事業者による立てかえ施行制度等の施策を積極的に活用することにより、重点的に対応してまいりたいというふうに考えております。  それからもう一つの五カ年計画相互に整合性を持たせるというようなお話でございますが、これにつきましては、建設省内部のそれぞれ事業でございますので、緊密な連絡をとりつつ、これらがそれぞれ五計を達成しつつ補完していくように取り計らっていきたいというふうに考えております。
  92. 新坂一雄

    ○新坂一雄君 十分な指導をお願いする次第でございます。    〔委員長退席、理事小川仁一君着席〕  次の点は、これも大変多くの質問が集中したわけでございますが、基本方針供給計画、これら計画のいわゆるタイムテーブルといいますか、供給目標量、これは当然百万戸なら百万戸という目標が立つわけですが、そのうちの公的資金による供給比率、これがどの程度のものか、それから居住水準の目標値、これを具体的にどのくらいの値段で供給することができるかという、一種の商品サンプルといいますか、ちょっと言葉は悪いんですが、平たく言うとそういう具体的な金額も明示されたものが出ることによって、サラリーマンがここなら入れるよとか、あるいはここならどうだろうかという、自分の所得とか事情によってそこに対して比較検討ができるという身近なところまでサンプルを見せることによって政治が近くなるんじゃないかということをこの間も申し上げたのでございます。そういった具体的な内容ですね、そういうものを実現するために具体的なタイムテーブルを、速やかに出せるものなら出してほしいというのが前々からの主張でございますが、どの程度のものがどのぐらいできるかということの具体的なものをどうお考えか、この点についてお示しいただきたいと思います。
  93. 伊藤茂史

    政府委員伊藤茂史君) 当委員会の御審議の中で御説明申し上げたことの繰り返しになると思いますけれども、今回の法律の中で、今先生がおっしゃいましたような居住水準の目標であるとか、価格であるとか、どういう地域でできるかとか、あるいは何年にどうなる、何年にどのくらいの仕事をするのかとかといったようなことを明示することは予定をされておりません。  今の体系でまいりますと、一番近いのは、住宅建設計画法に基づきまして毎五カ年ごとにつくっております住宅建設五カ年計画先生の御指摘の項目に近いものでございます。したがいまして、第六期の五カ年計画平成三年度に策定されて、五カ年間あるわけでございますが、この中で例えば住宅建設の目標として居住水準目標、それからその居住水準目標を達成するために各公的な事業主体あるいは公的な金融機関がどれだけの住宅供給をすべきであるという事業量を明らかにすると同時に、地方計画あるいは都府県計画、これは住宅建設計画法に基づく地方計画、都府県計画でございますが、その中でそれぞれの事業量を明らかにするというふうな形になって、それぞれの事業主体は施策対象層というものを持っておりますので、その事業量を明らかにすることによって、どのくらいの価格のものがだれを対象にしてどのくらい出るということがわかってくるという仕組みでございますので、両々相まってお答えにしたいと思います。  もう一つ考えられますのは、実は土地臨調で、先生指摘のように、庶民は具体的な自分が買いたい住宅がどの地域でどこにどういうふうにいつごろできるのかというのを情報として知りたいんだ、それをもっと明らかにすべきだと、こういう議論がございまして、土地臨調の後、総合土地対策要綱というものが閣議決定されましたが、私どもその後に公的住宅住宅地につきまして供給プログラムを発表いたしております。したがいまして、これは具体的に地域までおろしましてどのくらいの価格のものをどのくらいの戸数つくるということで、これは公共主体がつくっておるものでございますので相当以前から計画が明らかなわけでございますが、そういうものが発表されております。  したがいまして、一つは五カ年計画で五カ年間の事業量、地方別、都府県別に公的な事業主体別、公的資金融資機関別の事業量というものが明らかになりますが、それ以外にこの公的プログラムなるものも今後フォローいたしまして、そういうものの中でできるだけ国民に、ああやはり百万戸の構想というものが徐々に実現しつつあるなということがわかるように示していきたいというふうに思っております。
  94. 新坂一雄

    ○新坂一雄君 そういうものを何とかして出してみたいという強い姿勢はわかります。  ちょっと数字を確認しますが、例えば百万戸供給するうち三割は公的資金でつくっていきたいというようなこととか、あるいは日米構造協議で言われている公共投資の六割は住宅関連に資金を回していきたいというような、大台の柱というものは確認してもいいんでしょうか。  それからもう一つは、いわゆる賃貸住宅の家賃でございますが、サラリーマンの年収の一五%以内あるいは月収の二〇%以内というのが一応ガイドラインになっていますが、当然施行された後こういうところのものが一番多く供給されるというふうに思っていいのでございましょうか。その辺がないと大変不安な面もございます。
  95. 伊藤茂史

    政府委員伊藤茂史君) まず、今回の大都市法体系の中で今申されました総住宅供給目標量みたいなものは定まるわけでございますが、その際に、その中身としてできるだけ一般勤労者が手の届く価格、家賃の住宅供給するということを重点にしようではないか、こういう意思決定を国と公共団体がこの供給基本方針あるいは供給計画の中で確認をするということは、これは最小限必要なことだと思っております。  それと同時に、この前の議論からいろいろと御説明申し上げているわけでございますが、今回の百万戸構想を、例えば首都圏で四百三十万戸やるときに一般勤労者向けとしては百万戸ぐらいが目安になるだろう、百万戸についてはこの住宅五カ年計画でその実現ができるように、百万戸という数字そのものは出てきませんと思いますけれども、それを担保する形で住宅建設五カ年計画なるものを五カ年五カ年と決めていって担保をするということでございます。したがいまして、この中で公共的な住宅公共賃貸住宅がどのくらい供給されるかというのはその五カ年計画を見れば最初の五カ年の量はわかりますし、それから次の五カ年が決まったときに足せばわかるわけでございますが、できるだけこの百万戸の中でどのくらい必要であるかということを計画いたしまして計上するということにいたしたいと思っております。  今の時点で公的な主体による住宅がどのくらいあるかということを、この前御議論の中でいろいろと出せと、こう言われましたので、現時点で先ほど言いました公的プログラム等がございますので、それらの数字を参酌して推計をすると三割弱かなと、こういうことであるということで申し上げたことでございます。このすなわち百万戸、三割が今回の供給基本方針あるいは供給計画のどこかに出てくるというものではございませんで、五カ年計画でそれを担保する、フォローしたいということでございます。  それから公共施設につきまして、例えば住宅宅地関連のものを何割というような形で示すということは、今の五カ年計画の全体の体系でいきますと、それぞれ都市の整備のために下水道、公園の五カ年計画があり、道路ネットワークの整備のために道路五カ年計画があるわけでございまして、その中でまずそもそもの公共整備必要量というものをはじきまして、それを具体住宅プロジェクト宅地プロジェクトにまずできるだけ毎年度の事業実施の際に重点配分をしていただくということと同時に、それで足らない分を関公促進費で補てんをする、こういう仕組みになっておりますので、これはむしろベースとしては各地域地域の個別の具体プロジェクト計画をベースにいたしまして各年度の予算の配分で調整をしていく、こういう技術的な仕組みになろうかと思いますので、そういう仕組みの中で確保したいと思っています。したがいまして、アプリオリに全体の計画で何割ということを示すことはちょっと難しいというふうに考えております。
  96. 新坂一雄

    ○新坂一雄君 今回の一番大きな精神となっておりますのは、やはり計画があって開発がある、あるいは最初にとにかく目標値があってそれに合わせてやるということが一番大前提になって、それに対してそれでは具体的にどういう手法でいくのかというのが問題になると思います。したがって、できる限り、何万戸、何千万というような具体的な不動産屋的なものは出ないにしても、それに近い形のものを年次ごとにこうだ、東京圏でどうだ、名古屋圏でどのくらい、大阪でどうというようなことを、具体的なものに近づけた形の発表をできるだけ見せてほしいというのが希望でございます。  実際に今ありますのは、光が丘公団で十九万円から八万円というような、できて商品として売り出した時点での価格しかないわけでございますから、そういう何年後ということを見通して希望が持てるようなことをやっていただきたいなということでございますが、大臣いかがでございましょうか。
  97. 伊藤茂史

    政府委員伊藤茂史君) 先ほど公約な住宅住宅地の供給プログラムにつきまして中身の御説明を申し上げませんでしたが、これはこれから先出てくるものにつきましてどの地域にどういう計画があるよということを示したものでございますので、相当厚いものでございますが、それを繰っていただきますと今先生が言われたそのものが出ておりますので、そういうものをこれからやっていきたいと思っております。
  98. 新坂一雄

    ○新坂一雄君 したがって、そういうものはいわゆるサラリーマンにわかるような、要するにだからPRの仕方も一つあると思うんです。そこにあるよじゃなくて、具体的に例えばサラリーマンの勤め帰りの電車の中で気がつくといいますかわかるというようなこと、そこが政治のやはり一番の原点になってくるんじゃないか。要するに、あっても、それはあるよだけじゃなくて、庶民に近づけた形のアプローチ、アクセス方法を考えてほしいなというふうに思います。  それから次のテーマでございますが、遊休土地の転換利用、これの話でございますが、指定要件に関して「相当期間にわたり」という文言がございます。これは何年程度を考えているかということでございます。二年程度ということで解釈すればいいということでございますが、これは要するに数字を入れないというのは、やはり保証がある程度あってのことなのかどうかというのがちょっとわからないんです。ここは具体的にそれならそういうふうに数字を入れたらどうかという気がいたしますが、ここの解釈はどういうふうにしたらよろしいんでしょうか。
  99. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) 法律の十条の三では相当の期間ということで指定要件のことを定めておりますが、この相当の期間とはどの程度かということにつきましては、基本的な考え方は、建てかえをするとかそういう間は未利用でも構わないという通常の経済活動として許容される範囲があるだろう、しかしそれを超えた場合は相当の期間が経過しているというふうに考えざるを得ないのではないかということで考えております。そしてその判断は、一般的に申しますれば、都市計画の決定権者が遊休土地転換利用促進地区を決定する地区での土地需給の状況がどんなふうになっているかということになりますけれども、私どもが考えておりますことは、他の法律で、例えば国土利用計画法遊休土地制度あるいは地方税法に出てまいります特別土地保有税のミニ保有税制度考え方等を参考にさせていただきますれば、二年程度が標準になるべきものだと考えているところでございます。  しかしながら、極めて土地需給が逼迫している地域とか建築活動が非常に活発な地域につきましては、二年を待たずしてこの相当期間という判断をする必要が強く要請されるということも考えられますので、こういう場合には二年間にわたって低・未利用の状態を継続することを要件とする必要はないのではないかということも考えております。    〔理事小川仁一君退席、委員長着席〕 そうして、このような場合に二年より短い期間で遊休土地転換利用促進地区を決定すべき場合もあり得るということから法律上は期間を明示するということは避けましたが、ただ実際運用上、地方公共団体によくそれを理解していただくために私どもの方で通達を出しまして、今御説明申し上げたようなことで相当の期間という考え方を示してまいりたいというふうに考えております。
  100. 新坂一雄

    ○新坂一雄君 そのように指導を徹底していただきたいものだというふうに考えます。  次のテーマでございますが、一言で言えば家賃控除制度、これをぜひやっていただきたいなと思うんです。大都市圏公共賃貸住宅優先政策、こういうものに転換していかなくちゃいけないということでございますが、その観点から去年は労働省と建設省が家賃控除制度をつくったらどうかということで予算を要求されたということでございますが、ことしは引っ込めてしまわれたのか。要するに、持ち家制度でいろんな控除制度があるんですけれども、家賃の方はどちらかというとマイホームをあきらめた方が安い給料の中から賃貸をしているというようなことで、少しでも軽減していただければなということでございますが、この点についていかがでございましょうか。
  101. 伊藤茂史

    政府委員伊藤茂史君) 先生指摘のとおり、平成二年度の税制改正に際しまして、家賃の所得控除制度の要求をいたしました。税務当局と相当突っ込んだ議論をいたしましたが、政府全体の結論としては、税制面のあり方としまして、住居費というのは典型的な生計費だということで基礎控除の中に当然算定をされておるというのが税務当局の言い方でございますが、家賃だけを取り出して特別の控除を設けるということには基本的な問題点があるとされまして見送られました。  今、持ち家についての住宅取得促進税制との関連でお触れになりましたが、住宅取得促進税制は持ち家を持っている人全部に減税が及ぶというのではなくて、新しい住宅取得された方、中古住宅取得された方、つまり新規に住宅取得する際に当初の負担が大変だということでその人だけにある恩典でございます。しかし、私どもが要求しました家賃所得控除というのは、これから新しい賃貸住宅、新しいという意味は新築という意味じゃございませんで、新しく入居されたときに家賃をまけてやるというのではなくて、既に入っておられる方を含めまして全体に対して家賃控除をしてやろう、こういう制度でございますので、この大蔵省の言っておりますような理屈というのは、やはり一応形式的にはそのとおりだと思います。  そういうこともございまして、引っ込めたかどうかというお話でございますが、平成三年度の税制改正の要望の作業には今から取りかかるわけでございます。したがいまして、私ども昨年のこの経緯を踏まえまして、今後慎重に検討していきたいということでございます。
  102. 新坂一雄

    ○新坂一雄君 検討されることでございましょうけれども、ぜひ積極的にやっていただきたいと思います。サラリーマン一同、外野席から強力な応援を送りたいというふうに思っていますので、大臣もひとつ意を強くされて堂々と大蔵省と渡り合っていただきたいということを確認したいと思います。  それからもう一つは、組合の連合と経営者の方の団体をつくっている日経連、この連合と日経連が今共同で進めているのに、共同住宅事業という構想がございます。これは今まで社宅といいますと一社、例えば松下さんの社宅だと松下の従業員だけの社宅というのがこれまでのあれですけれども、松下さんも入っているしシャープさんも入っているし、日立さんも入っているし東芝さんも入っているというような、いろんな会社の社員がその一つの共同住宅の中に入るということで、一社だけのものですと転勤とかあるいはその経営自体によっていわゆる部屋が有効利用されないということも場合によってはありましょう。したがって、たくさんの会社が共同で入るというシステムをこれからとっていこうということで進めているんですが、こういう住宅供給施策の一環をこれからやっていくわけですが、その事業化に対して今まであるのと同じようないわゆる金融上、税制上の措置がとれないものかどうかということで、この共同住宅事業に対する考えをお伺いしたいというように思っています。
  103. 伊藤茂史

    政府委員伊藤茂史君) 従来、社宅に対しましても、これは住宅対策全体の中で一分野を占める、こういうことで金融公庫の産労住宅とかそれから住宅、都市整備公団の給与用特定分譲住宅とかといういろいろな制度がございまして、支援をしてきたところでございます。  今回の共同社宅構想、これをお出しになりましたのが日経連と連合ということで、特に私ども日経連の関係の大企業が大きな土地を持っているのではないかということで期待をしておるわけでございますけれども、ところが実際いろいろ中身を聞いてみますと、市街化区域内農地を期待されたり、なかなか自分のところの土地を出すという話でもないようでございます。私どもは、やはり共同社宅構想を出すということであれば、まずは企業側からそういう土地を提供するということが前面に出て、その上で国なり公共団体がお手伝いをするということでなきゃならぬのじゃないかというふうに申しております。  しかし、全体の構想自体決して悪いことではございませんので、私ども、連合、日経連と連絡をとりながら、これは非常に緊密な連絡をとっておりますが、今後検討していきたいと思っております。
  104. 新坂一雄

    ○新坂一雄君 この勤労者の賃貸共同住宅という観点で言うと、今までの住宅金融公庫の融資の貸し付けとかあるいは厚生年金の還元融資としての融資、あるいは勤労者の財産形成住宅というふうな位置づけで金融の制度利用して、それで優遇されるような形の、一種の補助といいますか、それが利用できるような形に持っていってもらいたいなというのが願いでございますが、いかがでございますか。
  105. 伊藤茂史

    政府委員伊藤茂史君) いろんな形があると思います。従来の賃貸住宅に対するいろんな助成がございますが、その賃貸住宅を個人が見つけて入って、それに対して会社が援助をする、これが一番通常の形でございます。それから今度は、一般の民間賃貸住宅を会社が借り上げて、そして従業員の社宅として使うというのもありますし、今お話しになりましたように、今度は共同で全体一棟を借り上げてやる、あるいは共同でつくって社宅として使うというようないろんな形式がございますが、その間のいろんな援助のバランスがございますので、そこら辺を含めて全体の中で検討をさせていただきたいと思います。
  106. 新坂一雄

    ○新坂一雄君 時間が参りましたので、最後でございます。  これが法律になりまして施行された後も、いわゆる中間評価といいますか、どのくらい実行しているかというふうな押さえといいますか保証といいますか、そういうものを逐次評価していっていただいて、そして、もしそこで問題点があってどうしてもネックがあってしんどいというようなときにはしかるべきまた法律改正をするとかという見直し作業をやっていって、何とかして大量の良質な賃貸住宅をやってほしいものだなというふうに思います。  最後に、綿貫大臣のこれまでの総括としての決意を伺って終わりたいと思います。
  107. 綿貫民輔

    ○国務大臣(綿貫民輔君) いろいろと御提示や御提言がございました。そういう点についても十分留意をしてやっていきたいと思っております。
  108. 山田勇

    ○山田勇君 本日をもって本改正案の審議も終わるわけですが、この異常な地価高騰による土地住宅問題を何とかよい方向に持っていきたいと、同僚議員らすべての方々が真剣に討議をされてきました。行政当局も、国民の立場に立って一層の御努力をいただけまするよう、心からお願いをいたします。  そこで、質疑というより再度確認という意味で問題を一つ一つ出していきますが、重複するところも多々あろうかと思いますが、簡潔な御答弁をいただきたいと思います。  大都市地域、特にこの東京圏における住宅供給について、この大都市法都市計画法改正でその効果、また具体的にどれほどの供給戸数が見込まれているのかをまずお聞かせください。
  109. 伊藤茂史

    政府委員伊藤茂史君) 私どもが東京圏につきまして、土地利用する観点から今の時点で市街化区域内農地でございますとか低・未利用地でございますとかそういうものを吟味をいたしましてみたところ、建てかえを含めまして十年間に四百三十万戸の住宅供給が可能でございます。したがいまして、今回のこの二法案によります諸対策、諸制度を集中的に活用いたしまして、それによる対策と、従来から住宅対策あるいは都市計画法建築基準法いろいろ制度がございますけれども、こういうものも十分に活用いたしまして集中的に講じることによりまして、この供給可能量に向けて最大の努力をいたしたいと存じております。
  110. 山田勇

    ○山田勇君 十年間で四百三十万戸、何としてもこれが達成できるよう心から期待をするものでございます。  次に、この都市計画法及び建築基準法改正でどれぐらいの遊休地利用促進をされることになるのか、これもその見込みを説明してください。それと、いわゆる遊休地についての定義についてどう考えているのか、この点の説明もお願いいたします。それと、先般国土庁は首都圏大規模低密度利用地調査を行われましたが、その結果を簡単に御説明ください。
  111. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) 建設省が国土地理院の方で調べたところによりますと、遊休地として、空き地、工場跡地、未利用埋立地、屋外駐車場等を対象としたものでございますが、東京圏では昭和五十九年で二万八千ヘクタール、大阪圏では昭和六十年で約一万ヘクタール存在いたします。そして、今回の法律改正で予定をしております制度であります遊休土地転換利用促進地区対象となるものは、これらの低・未利用地のうちおおむね五千平方メートル以上のものを対象とします。それで、先ほど申し上げた数字のうち五千平方メートル以上のものはどれくらいあるかと申しますと、東京圏では約一万七千ヘクタール、遊休地全体の六割程度でございます。それから大阪圏では約五千六百ヘクタール、これも約全体の六割弱でございます。  したがいまして、これらの低・未利用地のうち、その状況が相当期間にわたって継続していること、それから周辺地域計画的な土地利用の増進を図る上で著しく支障となっていること、有効かつ適切な利用促進することが都市機能の増進に寄与するという要件に該当するものがこの法律対象となってくるわけでございますが、どの程度の数値になるかはまだ私ども把握するところまで至っておりませんが、相当程度はこの制度対象となって、この制度は有効に活用するものというふうに期待をしているところでございます。  次に、遊休地の定義についてお尋ねでございますが、これは遊休土地転換利用促進地区にまずかかるわけでございますけれども、これが相当期間、二年程度を標準と考えているのでございますが、この期間にわたって低・未利用であるということ、それから周辺地域計画的な土地利用の増進を図る上で著しく支障となっていること、有効かつ適切な利用促進することが都市機能の増進に寄与すること、それからおおむね五千平方メートル以上の規模であること、それから市街化区域内にあること、これらすべての要件に該当する土地について定めるものでございます。  この場合、一番初めに申し上げました低利用であるという要件は何かということでございますが、政令によって定めることといたしておりまして、その政令の内容は、何らかの用途には供されているが、その利用程度周辺地域の同一または類似の用途土地利用程度と比較して著しく劣っているというふうに認められる場合ということで政令を定めたいというふうに考えております。  そこで、この場合の比較の基準となります周辺地域の同一または類似の用途とは何かということでございますが、周辺地域における都市計画内容、一般的な土地利用の状況、一般的な建築物等の整備の状況等を総合的に判断して、都市計画上適正な土地利用であると認められるところの同一または類似の用途というものを考えているところでございます。  したがいまして、仮設とか一時的な建築物の敷地とか著しい低利用土地とか、あるいは整備水準、管理の状況、使用の頻度等から見て通常の利用とは認められないというものは当然この中に入ってくるものでございます。ただ、その通常の利用のなされたものであっても、さらにもう少し活用したらいいじゃないかという場合も適用対象になると考えておりまして、例えば青空駐車場がございますとしますれば、その周辺地域における駐車場として利用されているところが幾つかございましょう。それが立体駐車場によることが一般的である、それからまた都市計画上も高い容積が指定されて高度利用が適正な土地利用というふうに認められる地域においては、青空駐車場も低利用と考えるという場合もございます。それから資材置き場については、これもまた問題になることが多いのでございますが、周辺における資材の保管方法が倉庫によることが一般的であって、都市計画上も流通業務系、工業系の土地利用が予定されており、倉庫による保管が適正な土地利用と認められる地域においては資材置き場も低利用地となる場合もあるというふうに考えているところでございます。  以上でございます。
  112. 日野西光温

    説明員日野西光温君) 御質問の私ども大都市圏整備局の調査でございますけれども、これは首都圏既成市街地と都心から二十キロ圏内の二千平米以上の土地につきまして、土地利用の状況、法規制の状況等をもとにしまして土地利用転換の可能性を検討したものでございます。  調査対象となりました土地は約二万三千六百件、面積の合計で約一万七千四百ヘクタールでございまして、このうち未利用地、農林地等、比較的容易に利用が可能と思われる土地が約二千六百ヘクタール、工場、倉庫等一部が土地利用転換が可能と思われる土地が約三千七百ヘクタール、高度利用を図ることが望まれる土地が約二千ヘクタールあるということがこの調査の結果の概要でございます。
  113. 山田勇

    ○山田勇君 これは国土庁か建設省か、遊休地ということになりますと、一度公団遊休地をぜひ御調査をいただきたいと思うのです。公団遊休地というのは、大きいところを買収するために換地をやるわけです。換地をして大きいところを取得していくと、小さいところが随分大阪圏でもあるはずなんです。僕も調査をしておりませんので、その辺をもう一度公団側の方にお願いをして、そんなに大きいところではありません、三百とか二百とか、小さいところでは五十坪とかというようなところがあるそうなので、その辺をもう一遍総点検をしていただきたいと思います。これは次の国会までにまた資料をいただければ幸いでございます。  それから、新聞報道などによりますと、住宅を二十方、五十万戸も供給できる規模のようですが、このことについては国土庁の御認識を伺いたいと思います。
  114. 日野西光温

    説明員日野西光温君) 今の数字でございますけれども、先ほど申し上げました比較的容易に利用可能と思われる土地約二千六百ヘクタールが仮にすべて住宅用地として活用された場合に、指定容積率、容積の充足率、一般的な住宅の床面積等を勘案して計算しますと、二十万戸から五十方戸の住宅の建設が可能であるというふうに考えております。
  115. 山田勇

    ○山田勇君 今回の都市計画法及び建築基準法改正はこのような遊休地利用促進のためのものと考えますが、この国土庁の調査と今回の改正法を施行したときの連携と申しますか、どう関連をさせていくのかをお聞かせいただきたいと思います。
  116. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) 今回国土庁で行われました調査は、私ども遊休土地転換利用促進地区制度対象となる土地よりやや広い概念でございまして、低層の住宅とか、それから工場、倉庫として利用されている土地とか、それから農地も含まれているものでございますが、しかしながらこの調査結果には、未利用地を初め市街地土地利用の現況など、さまざまな有益なデータが含まれておりますので、私ども遊休土地転換利用促進区域の指定に当たってはこれを大いに活用させていただきたい。また、このデータを使わしていただいて再開発促進とかいうようなことのためにも活用さしていただきたいというふうなことを考えております。
  117. 山田勇

    ○山田勇君 遊休土地転換利用促進地域指定を受けた後、速やかに適切な利用ができるよう国として配慮されたいと思います。関連基盤、いわゆるインフラの整備などどのように取り組んでいきますか。改正法第五十八条の五にも国の責務が定められておりますが、その点いかがでしょうか。
  118. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) 委員指摘のように、改正後の都市計画法五十八条の五におきましては、遊休土地転換利用促進地区及びその周辺地域における都市基盤の整備が必要な場合には、国や地方公共団体に対して土地区画整理事業の施行や道路等の都市施設整備の責務を課する旨の規定を設けております。  遊休土地利用に当たって必要となってまいります地区内の区画道路等につきましては、原則としては開発者負担において整備されるものでございますが、しかしながら、大規模な低・未利用地で区域内にも公共団体整備すべき幹線道路が入ってくるという場合がございます。それから、小規模でございましても、その遊休地利用に当たって、周辺を含めた一体的な整備が必要になってくる場合や、それから周辺の幹線街路との接続が必要になってくる場合もございますが、こういう場合には土地区画整理事業の実施や公共団体による道路整備が必要な場合も出てまいるということで、五十八条の五の規定を設けさしていただいたものであります。
  119. 山田勇

    ○山田勇君 そこなんですが、三大都市圏市街化区域内農地宅地転換が土地問題の最重要課題の一つとして考えられております。建設省としては宅地転換を促進するためにいろいろと方策も考えておられるようですが、例えば自治体が農地に道路とか下水道などの宅地化のためのインフラを整備する場合の財政補助、また宅地並み課税をインフラが整うまで一定期間猶予するなどの案も聞いておりますが、これらについてほどのようなお考えか伺いたいと思います。
  120. 望月薫雄

    政府委員(望月薫雄君) 市街化区域内農地宅地化していく上で一番やっぱり大事なことは、いわゆるスプロールを防止しながら計画的な宅地化、特に基盤整備を伴った宅地化ということが大変大事だと、こういう認識を持っています。そういった観点から、これまでも土地区画整理事業というものが主軸になって積極的に進められておりますが、今般の法案でもまた区画整理事業の要件を五ヘクタールを二ヘクタールに緩和していただきたいということも盛り込ましていただいているわけです。  あわせて、いわゆる住宅高度利用地区計画制度というものも創設さしていただきたいということでお願いしているわけですが、いずれにしましても基盤施設の整備宅地化というものを一体的に進めるということがこれからも非常に大事であるし、その辺を進めていきたい、こう思っておるところでございます。  これらの関連で、今おっしゃったように、基盤施設整備の観点での財源助成措置という問題が当然出てくるわけでございますが、これにつきましては先ほど来御答弁ございますように、基本的にはやっぱり重点地区については関連公共施設整備事業費を重点的に投入する、あるいはまた、一般の通常費もより広域的な施設に投入するというふうな、言うならば持てる予算、施策を重点的に活用してまいりたい、こういう構えでおります。  また、二つ目の問題点で農地宅地並み課税の猶予の件でございますが、これはもう率直に申しまして私ども今回の一連の制度をお願い申し上げていることと相まちまして、やはり市街化区域内農地については宅地化するものと保全するものを明確に区分するということが急がれるわけでございまして、言ってしまえば、保全すべきものについては都市計画上の位置づけをはっきりとした格好で保全するという方向に持っていきたい。それ以外の農地については宅地化を促進するという観点から現在の税制のあり方というものを見直す必要があるだろう、こういうふうに考えておりまして、言ってしまえば、平成四年度から私どもは新しい税制が円滑に動くようにという観点から、現在、農地に関する税制についてのあり方を見直していただきたいということを御要望さしていただいているわけでございます。その間におきまして、今お尋ねのような基盤整備が間に合うまでの間は猶予するというような考え方は現在持っておりません。
  121. 山田勇

    ○山田勇君 民社党は国会の地方移転を提案しております。過密都市であり地価高騰の東京は、一極集中是正を促進しなければなりません。国会を初め行政機関などの移転のかけ声は相当大きくはなっていますが、具体的なプランはどうなっているのかをお尋ねいたします。
  122. 日野西光温

    説明員日野西光温君) 御質問の件につきましては、超党派の議員の先生方により構成されております新首都問題懇談会におきまして昭和五十年より自由で活発な御議論をたびたびされていると承知しております。国権の最高機関であります国会の移転につきましては、国会や同懇談会などの場での御議論を国土庁としても強い関心を持っておるところでございます。国土庁といたしましては、第四次全国総合開発計画を踏まえまして、議論の具体化を図る第一歩として、ことし一月から首都機能移転問題に関する懇談会を現在までに二回開催し、国土政策の観点からの首都機能移転問題について幅広い分野の方々に議論をしていただいているところでございます。
  123. 山田勇

    ○山田勇君 大都市圏では、当面、地価高騰、住宅取得難に対応するため公共賃貸住宅の建設を優先すべきだという声も強いようですが、この点はどうお考えになっておりますか。  それと、関西空港の建設が進んでいますが、それに伴う周辺の人口増加によって住宅需要、土地利用もふえてくると思いますが、この点についての対応をどうお考えになっているかお聞かせをいただきたいと思います。
  124. 伊藤茂史

    政府委員伊藤茂史君) 前半の、大都市圏におきます公共賃貸住宅の建設の問題でございます。今回の大都市法に基づきます大都市地域住宅宅地対策を進める際に、次の平成三年から始まります第六期の住宅建設五カ年計画というのはこの裏打ちとして非常に重要な役割を果たすものと思います。したがいまして、先生指摘のように、大都市圏住宅市場の状況を十分に踏まえまして、的確な公共賃貸住宅の需要量をまず把握をして、第六期の住宅建設五カ年計画の中に公共賃貸住宅事業量として確定をしてその着実な推進に努めたいと考えているところでございます。
  125. 望月薫雄

    政府委員(望月薫雄君) 関西新空港関連の周辺整備のことでございますけれども、これは先生案内のとおり、昭和六十年の十二月に関西国際空港関係閣僚会議におきまして、関西国際空港関連施設整備大綱、これが決められておりますが、この中におきまして必要とされます関連公共施設整備を私ども計画的に効率的に今進めている中でございます。その中で、特に空港従業者等、空港の土地に伴う周辺の人口増に対応するための住宅地の供給、これも大変大きなテーマでございますが、大阪府の和泉中央丘陵だとか二色の浜とか阪南丘陵などなどの地区具体的に列挙されているわけでございますが、このそれぞれの事業の進捗状況を見てまいりましても、例えば和泉中央丘陵では五十九年十二月に新住事業事業計画承認を行ったとか、あるいは阪南丘陵につきましても六十三年八月に同じように新住事業事業計画認可をする、あるいは二色の浜などについては埋め立てに着手する、さらにまたほかの地区についても区画整理組合が準備されているというふうに、おおむね順調に進展しています。  そういった中で、私ども関連する下水道、公園、河川等の事業についても今の大綱に基づきまして建設省として積極的に努力をさせていただいているさなかでございます。
  126. 山田勇

    ○山田勇君 住宅宅地供給については、建設省自体が住宅を大量に供給しているわけではありません。その主体民間であり、その量も大きいのですが、民間企業の位置づけ、また責務について明確にする必要があるのではないか。また、建設省としての住宅供給に果たす役割をどのようにお考えになっておりますか、お聞かせください。
  127. 伊藤茂史

    政府委員伊藤茂史君) 先生指摘のとおり、全体の住宅建設戸数に占めます公共主体の割合というのは非常に低うございます。これは日本の今までの歴史的社会的な条件にもよると思いますが、現状はそうでございます。その中で、大都市地域におきます住宅問題というのは、居住水準のおくれ、全国的な水準から見て大都市だけが非常におくれておるということで住宅対策上は大きな問題というふうに受けとめております。したがいまして、公共的な住宅供給あるいは公共的な施策の役割というのは、大都市圏でやはり役割がずっと大きくなっていくだろうと私ども考えておるところでございます。  しかしながら、日本の現在の経済力その他からしまして民間の市場の力というのは非常に大きゅうございますので、民間は、やはり国民のニーズ、需要を的確にとらえて新しいものを次々につくり出す、この点に関しましては非常に大きな能力を持っておるわけでございまして、国民の幸福の発展のためにはやはり民間の力も大いに活用しなけりゃならないと私ども考えております。したがいまして、私ども民間市場を前提として、そこでゆがみが出たところを公共が補完をするということで今後も住宅対策を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
  128. 山田勇

    ○山田勇君 これまで東京圏など大都市でも住宅供給促進に向けての立法措置や法改正が行われてきましたが、これが時宜に適したものであれば何度も法改正の必要もなかったんではないかと思うんですが、この点、今回の法改正による実績を上げるためにはどう取り組むおつもりか、また今後この法案が時宜に適しなかったようになれば法の内容の修正も考えられることですか、両方あわせて御答弁をいただきたいと思います。
  129. 望月薫雄

    政府委員(望月薫雄君) これまでも御質疑の中で御指摘いただいていますように、住宅宅地関連の法制についてはたくさんの法制があるわけでございますが、その中で必ずしも有効適切に機能してないという御批判も率直に受けとめさせていただいております。それぞれの制度はそれぞれのときのニーズと課題をしっかりと受けとめて創設していただいたものであるわけでございますが、やはりいろいろと環境条件の変化の中に対応できてないという面もあったんじゃないかと思っております。  今般私どもが御提案申し上げさせていただいておりますのは、そういったことをもろもろ踏まえながら、新しい事業手法の創設ということも大事でございましょうけれども、今日問われていますのは、やはり国、公共団体が一体となって取り組むという新しい体制の仕組みだと、こういったことで切り口を改めさせていただいているわけでございますが、その間におきまして制度の創設等いろいろと盛り込ませていただいています。これまでの手法をめぐる法制もございますが、これをさらに有効的確に動かすように、またその間において今後必要ならばその見直しということも十分頭に置きながら、私どもは全きを期してまいりたい、かように考えておるところでございます。
  130. 山田勇

    ○山田勇君 三大都市圏、なかんずく東京圏の土地住宅問題が解決すれば、日本全体の国土利用などにもよい影響を及ぼすと考えます。また、ひいては国民生活の安定、将来への明るい希望にもつながると思います。国民のすべてが大きな関心を寄せている現在こそ、土地住宅問題の解決に大局的な立場で公平迅速に対処されるよう、大臣の決意を伺って私の質疑を終わります。
  131. 綿貫民輔

    ○国務大臣(綿貫民輔君) ただいま御指摘のように、東京問題というものは日本の一番大きな課題でございまして、この問題に対処していくということは御指摘のとおり非常に重要なことだと考えております。その点を踏まえて、今回の法律施行の上は都市対策に万全を期していきたいと考えております。
  132. 山田勇

    ○山田勇君 終わる予定が、まだちょっと国土庁長官の関係があるのでもう一問質疑をさせていただきます。  これは御相談というかお願いになろうかと思いますが、今関西空港の問題に触れました。御承知のとおり、あの空港が開港しますと大きく言えば関西新空港に全世界の航空会社が乗り入れるということも、一気ではございませんが、既存の航空会社を含めてまだふえることは必定でございます。そうしますと、今一番苦労しているのはいわゆる社宅難ですね。これは航空会社ばかりではなく、整備体制も、いわゆる売店関係、レストランも含めて全部三交代になるんですね、思ったより人員が要るわけでございます。御承知のとおり、あの空港が開港しますと延べ定着人口が十七万人とも言われております。それだけの人があの空港を動かしていく。それに対して、あの泉南四市四町の中ではまだまだ山林等々がございますので、遊休地とは言えませんでしょうが、まだ多少土地はあることはあるんです。しかし、空港関係の社宅とか、今、日経連さんと連合さんがやっている社宅制度ども十分に僕は大きな効果を発するのではないかと思います。それについて建設省としては何かそういういいアイデアといいましょうか、どこかに一カ所に集めていくとか、その点大阪府なんかで土取りの後のいわゆる跡地利用なんかにそういうものを頭からはめていくというような方針もあろうかと思うんですが、急速に要求されますそういう社宅関係の問題についてお尋ねとまたお願いなんですが、その点何か建設省としてのお考えがあればお聞かせを願いたいと思います。
  133. 伊藤茂史

    政府委員伊藤茂史君) 大阪府が全体の計画を立てているようでございますので、中身をよく聞かしていただいて検討さしていただきたいと思います。
  134. 山田勇

    ○山田勇君 御承知のとおり、大阪府は全域に対して監視区域としておりますので、その辺がいわゆる供給監視区域の問題がちょっといろいろとややこしくなるおそれもあるんですが、その点はどうなんでしょうか。
  135. 藤原良一

    政府委員(藤原良一君) あの地域周辺は、やはり空港開発に関連し、あるいは近畿圏全域の将来に対する期待感も強うございまして、相当これまでに地価の高騰を見たわけでございますので、府下全域百平米に切り下げていただきまして厳正的確にひとつ価格の監視をしていただこうと思っております。ただ、あの地域には大阪湾ベイエリアあるいはコスモポリス構想といいますか、いろいろ適地もたくさんございますし、また地元でもそういう構想を逐次着実に地価の動向等もにらみながら進めようとしておりますので、私ども公共団体と十分連携をとりながら、そういう空港の開設、運営に支障のないように今から十分対応してまいりたい、そういうふうに考えております。
  136. 山田勇

    ○山田勇君 局長、先日NHKで、特に関西圏の土地住宅問題について、御出席なさって立派な御見解を示しておられました。できますれば、いわゆるあのときの感想、地域住民の熱望する土地住宅に対する思いというのが十分あったと思うので、その辺感想を含めて、あのテレビ出演についての何か新しい発見があれば委員会で御発表いただければ幸いでございます。
  137. 藤原良一

    政府委員(藤原良一君) 大阪圏の地域住民の皆さんも非常にこの地価高騰に対して憂慮しておられまして、やはり適正な価格水準に早く回復すること、それとこの高騰によって自分らの住む地域が混乱させられないようにひとつ自治体、国の方もしっかりやってほしいということだったと思います。また、自治体でも非常に自主的に積極的にこの問題に取り組もうとしておることが知事さんや市長さんの意見でよくうかがえたと考えております。
  138. 山田勇

    ○山田勇君 持ち時間になりましたので、質疑を終わります。
  139. 小川仁一

    ○小川仁一君 最後の質問者になりましたので、同僚議員がほとんど問題を網羅しておりますが、それに一部重複もありますけれども、確認を含めて簡潔にお聞きいたしますので、お答えも明確にお願いをしたいと思います。  大都市法供給方針供給計画の策定の着手の時期をお示しください。また、都市計画法建築基準法改正に基づいて行われる住宅高度利用地区計画用途別容積型地区計画遊休土地転換利用促進地区計画が実際に事業として行われ住宅供給され始めるのはいつごろからでしょうか、お伺いいたします。
  140. 伊藤茂史

    政府委員伊藤茂史君) まず、供給基本方針につきましては、関係行政機関との協議等所定の手続がございますので、これを鋭意進めまして平成二年度末を目途に策定したいというふうに考えております。  各都府県の供給計画につきましては、この供給基本方針を受けて作業に入るわけでございますが、平成三年度の早期に策定できるように要請をしていきたいというふうに考えております。  最後に言われました具体都市計画、建築基準の今回御提案いたしました三つの制度具体的に働き、住宅供給がいつ出てくるか、こういうお話でございますが、これはこの供給計画を決めた後に具体都市計画手続に入るわけでございまして、住民の意見の聴取その他いろんな手続がございますから、今の時点でこの制度を活用した住宅供給がいつ出てくるかということはちょっと申し上げかねます。ただ、平成二年度予算で既に住宅対策上は大都市のこういった住宅供給のためにいろんな予算制度を用意しておりますので、これはもう既に平成二年度から動き出しますので、そういう今回の都市計画にのらないものは次々に出てくるものというふうに考えております。
  141. 小川仁一

    ○小川仁一君 これまでの答弁によりますと、今後十年間の住宅供給量は、首都圏四百三十万戸、近畿圏百九十万戸、中部圏九十万戸とされています。また、首都圏では百万戸が一般勤労者向けの住宅という答弁でしたが、そう理解してよろしゅうございますか。  また、首都圏で供給される四百三十万戸から一般勤労者向け百万戸を引いた残りの三百三十万戸は一体だれを対象にして供給されるのか、お考えをお伺いします。  同時に、一般勤労者の住宅は百万戸では不足をするのではないか、こう考えますが、この点についてもお答えいただきたいと思います。
  142. 伊藤茂史

    政府委員伊藤茂史君) 供給目標戸数として考えております数字そのものは、先生今御指摘いただきましたとおりの数字で間違いございません。ただ、この数字はあくまでも私ども市街化区域内農地あるいは低・未利用地等の面積を勘案しまして、それから従来の住宅供給プロジェクトのスピードを考えまして供給可能であるということで試算をしたものでございますので、具体的には法律成立後、関係行政機関と協議等を経まして決定をいたしますので、それが最終的な数字になろうかと思います。  それから百万戸でございますが、これも何度も説明さしていただきましたが、この四百三十万戸のうち、新規の宅地供給されます住宅が二百三十万戸でございます。それから既存の住宅を建てかえるもので供給するものが二百万戸ぐらい、こういうことでございます。したがいまして、この新規の宅地供給可能量としております二百三十万戸の中で、この新規の住宅を求める人たちの中に、子供を持って育てていく通常の一般勤労者の世帯、これが現在社宅に住んでおったり、小さな木賃アパートに住んでおったり、公務員の官舎に住んでいたりしまして、マンションを持ちたいとか、より広い賃貸住宅を持ちたいとかということで、住宅を求める最も需要の高いところでございます。それで最も移動の激しいところでございますが、それらのところが一番現在住宅問題としては焦眉の問題になっているわけでございます。したがいまして、居住水準向上上も、それから持ち家を持ちたいと努力をしている方々のためにもそういう需要をどのくらい見込むかということがポイントだと思います。そういうことで、全体の需要を見て、所得も高いところは切るというようなことをやっておりますが、そういうことでやりますと約百万戸ぐらいがそういう需要に当たるということです。そうすると、それ以外はどういう需要かということになるわけでございますが、これは建てかえの方は既に自分の持ち家を持った方が建てかえるものもございます。それから、一般の民間賃貸住宅で東京に出てきて働く、あるいは学校に行くというようなことで入るような単身者もございましょうし、新婚の方もございましょうし、老人の方もございましょうし、そういう世帯構成というのはいろんな方がございます。それと、高額所得者も除いておりますから、そういう方々の需要が残りのものだということでございます。
  143. 小川仁一

    ○小川仁一君 首都圏で四百三十万戸の住宅供給すると言いますが、実際に政府公団、自治体が直接供給するのは一体何戸でございましょうか。この法律によってつくられる住宅が本当に住宅を必要とする人に行き渡る、そのためには公営住宅公団住宅住宅供給公社による住宅建設が大きな割合を占めるであろうということはおわかりのとおりですが、これまでの答弁では、公的住宅の建設戸数は住宅建設計画法に基づく住宅建設五カ年計画で決められる、こういうことでございました。今後十年間に今言ったような住宅をどれだけつくるのか、具体的な計画数字がございましたらお示し願いたいと思います。
  144. 伊藤茂史

    政府委員伊藤茂史君) 御指摘公共住宅計画でございますが、御案内のとおり、今回の供給基本方針あるいは供給計画におきましては、一般勤労者の住宅に重点を置くようにというようなことで、国と公共団体意見の一致を方針として決めるということは予定をいたしておりますが、具体の戸数につきましては考えていないわけでございます。そして、説明を何回も繰り返しておりますように、住宅建設五カ年計画をつくってこれをフォローするということにいたしたいと考えております。  したがいまして、平成三年度から始まります第六期の五カ年計画で全国ベースでの公営、公団、公庫住宅の戸数、それから地方別の公営、公団、公庫住宅の戸数、都府県別の同様な戸数が出てまいりますので、この戸数を明示することによってノルマとしたいということでございます。これで具体的にはできるだけ四百三十万戸の中での百万戸を達成したいということでございますけれども、この百万戸の中に今申しました公営、公団等の直接公共的な主体供給するもの等々を含めまして三割弱かなという話は何回も申し上げておりますが、これはしたがいましてそういうものを含んだ形で新しい五カ年計画がつくられるということでございまして、今のところこの五カ年計画はことしの秋、予算要求時に建設省の原案をつくって要求をして、予算編成と同時に閣議決定まで行く、こういう通常の手続によるものでございまして、今現在で何戸ということはまだ決まっておりませんし、今から検討するものでございます。
  145. 小川仁一

    ○小川仁一君 なるべく簡潔に聞きますから、簡潔にお答え願いたいと思います。  次に、この法律に基づいて供給される住宅の価格あるいは家賃ほどの程度お考えになっているか、そしてどのような住宅、例えば建設省が定めておられる誘導居住水準以上の住宅であるのか、あるいは日米構造協議で示すと言われている百平方メートルの住宅を考えておられるのか、お考えをお聞かせ願いたいと思います。
  146. 伊藤茂史

    政府委員伊藤茂史君) 今回の供給基本方針供給計画では、先ほど申しましたように基本的な事項として一般勤労者が確保し得る価格、家賃の住宅供給に努めるということは趣旨に掲げることにしておりますが、具体的な価格は出てまいりません。したがいまして、それは五カ年計画の中で先ほど申しましたように主体別の戸数が掲示されるわけでございますが、それぞれの主体というのは施策対象層を当然に考えておるわけでございますから、その中でどういう対象層の住宅がどのくらい供給されるだろうということはわかるということでございます。それと同時に、五カ年計画では居住水準目標というものを考えております。したがいまして、新しい五カ年計画がどういう居住水準目標になるかというのはこれからの問題でございますけれども、それを担保するために公共的な住宅あるいは公的資金が入る住宅というものはどういうふうに持っていくべきだということは新しい五カ年計画をつくる際の骨組みになってくるというふうに考えておるところでございます。
  147. 小川仁一

    ○小川仁一君 二十一世紀は高齢化社会と言われております。この法律によって供給される住宅もそれに見合ったものが必要であります。高齢者の住宅を今後十年間でどれくらい供給する、あるいは公営住宅公団住宅の中でお年寄りのための住宅をどの程度つくるかといったお考えがあればお知らせ願いたいと思います。
  148. 伊藤茂史

    政府委員伊藤茂史君) 先生指摘の、高齢者向けの住宅の問題は非常に大きゅうございます。ただ、高齢者の世帯というのは非常に、現状の把握に始まりまして地域地域具体的にその高齢者の方々がどういうニーズを持っているかということをしっかり把握いたしませんと、戸数だけを確保してもなかなかそちらに移っていただけないという実例は幾らもあるわけでございます。したがいまして、私どもはできるだけ地方公共団体、それも市区町村段階でしっかり押さえていただくことが必要だろうというふうに考えております。したがいまして、今回のこういった大都市の全体の供給基本方針体系の中で、高齢者対策が重要であるということはありましても、具体的なことを書くことはちょっと考えられておりません。ただ、地方公共団体との協議の結果、やはりその公共団体で実情を把握して進めるべきだ、こういう結論になりますればそういう趣旨を規定するということは十分考えられるところでございます。
  149. 小川仁一

    ○小川仁一君 すべて五カ年計画の中へ逃げ込まれましたので、これは本当にできるのかどうかということはそれを見ないうちは我々ちょっとわからないわけでございますが、しかし、この程度というぐらいの話はないというと、せっかく論議しても五カ年計画五カ年計画と言われてしまいますとどうにもならぬのですが、今言ったことを総括して何かお考えがありましたら一言言ってください。
  150. 伊藤茂史

    政府委員伊藤茂史君) そのために一番御理解いただけるというようなこともございまして百万戸構想というものを出したのだと、そういう意味もあるわけでございます。したがいまして、四百三十万戸のうち百万戸というところに重点を置いて今回の全体の体系の中で重点地域をその方向で定め、そこにあらゆるインセンティブを投入してやっていくということでございます。そのときに、できるだけ公共的な主体が関与するという形で公共住宅あるいは公的資金住宅をそこでふやしていきたいというふうに私ども考えておりまして、その公共住宅の割合は三割を若干切るかなというふうに見込んでおる、こういうことでございまして、それ以上のことと申しますと、その百万戸構想の中では一般勤労者が手の届くところということを目標にしておりますから、所得の五倍ぐらいで家賃の場合には二〇%というようなことを申し上げておるところでございます。  したがいまして、二〇%とか五倍とかいうのは、現時点でのいろんな住宅対策上の支援措置で私ども十分可能であるというふうに考えておるところでございます。
  151. 小川仁一

    ○小川仁一君 ぜひ、一般勤労者の特に公的資金による住宅賃貸住宅を十分お考え願いたい。そして、前にも申し上げましたが、五倍、二〇%といっても、平均賃金、年収のとり方が私の計算では公務員を、大体日経連等の話し合いの中でも公務員の平均年収が一般の年収、こういう形で把握しておりますから、七百三十万なんという大きな数字を出さないで、すぐそばにおられる建設省のお役人の給料の中の年収を前提にしてお考え願いたいし、三〇%を四〇%ぐらいまで上げていかないとどうしてもやっぱり勤労者の要求に沿わないという状況があることを申し上げて、この問題は終わります。  次に、農地との関係についてお尋ねいたします。  各都府県がつくる供給計画を考えてみますと、実際に住宅が建てられるのは農地、それも市街化調整区域内の農地ということになるような感じがいたします。そうしますと、農地転用との関係はどういう形になりますか。
  152. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) 市街化区域内においては、農転は許可にかえて届け出という制度農地法に定められているのでございますが、市街化調整区域内で重点地区が設定されるということももちろんあるわけでございまして、この場合も、必要な基盤整備がなされ開発具体化されるということになりますと、その段階で市街化区域に編入されるということがまずあると思いますが、しかしそうならなかったときにどうだということが出てまいります。そうならなかったときは農地の転用許可が必要になってくるということになりますが、しかしこの場合も、実は都道府県知事が都市計画で重点地区を定める場合に当たってはあらかじめ農林大臣と協議をしてやります。それで、農林漁業上の土地利用との調整が図られてからそういうことを決めるというようなことにしておりますので、農転が円滑に行われるものというふうに考えております。
  153. 小川仁一

    ○小川仁一君 農水省を呼んでいろいろ聞いてみました。基本方針供給計画が実際に各市町村都市計画におりてきてから農地転用問題が出てくる、こういう説明が農水省の説明でございます。そういたしますと、供給計画というのは一体何を書くことになるのかということなんですが、例えば埼玉県で三十万戸だとか、それとも三十万戸のうちA市には五万戸、B市には二万戸、こういったようなそういう数字だけを書くのですか。この計画内容、構想をお伺いいたしたいと思います。
  154. 伊藤茂史

    政府委員伊藤茂史君) まず、供給計画では地域別の住宅及び住宅地の供給の目標年次、目標量を定めます。したがいまして、ある県で考えますと○○地方、県の中の県計画をよくブロック別にしておりますが、そういうブロック別に、首都圏で言いますと四百三十万戸を割ったそれぞれの県の中のさらにブロック別が書かれるということになろうかと思います。  それからその次に、この目標量を達成するために必要な住宅及び住宅地の供給促進に関する施策ということで、基本的事項としては多分、良好な住環境の形成のために公共団体も関公施設の整備をうんとしっかりしながら土地高度利用をしようというようなことと同時に、大きなプロジェクトでどのくらい、例えば多摩ニュータウンとこれこれのプロジェクトで全体のどのくらいをできるだけ担保するようにしていこうというようなことが一応基本的事項として書かれた後、それぞれの地域別にどういう施策を展開するかということが書かれます。ですから、非常に大きな工場跡地が出そうなところは、その工場跡地を核にして、こういう方策でそこを住宅供給すべきであるというようなことが書かれる。首都圏整備計画その他でいろいろと計画の文章というのはございますが、それを御想像いただければよろしいんですけれども、そういうようなことがこの供給計画で書かれることになろうかと思います。  それと同時に、最終的に一番大きい事項としては、都市計画に移行するために重点的に住宅宅地供給を図るべき地域ということを定めるわけでございますが、それは○○市のどういう付近ということで、この地域は例えば木造の賃貸住宅がいっぱい密集しているので、これをできるだけ整理しながら住宅供給をしていきましょうというような書き方で、最終的に重点地域と並びにその供給促進策が計画の中に書かれるということになろうかと思います。
  155. 小川仁一

    ○小川仁一君 どうもこれが通っても、国民の方からは余りよく見えてこないですね。何かよく見えるような一つの方法、供給計画等をやはり市町村を中心に国民に示してもらいたいと思いますし、この供給計画をつくるについて、実際にそこに住んでおられる住民の皆さんが計画づくりの段階から参加することが大変大事ではないか。この点についてはどのようにお考えですか。
  156. 望月薫雄

    政府委員(望月薫雄君) 供給計画をつくる基本的な考え方として、いわば積み上げ的につくるアプローチの仕方なのか、むしろ広域的な面からアプローチするかという、ここがかかわってくるわけですが、私どもの今考えている物の見方というのは、供給計画というのははっきり申しまして即地性を持った具体プロジェクトの積み上げではない、いわば広域方針からアプローチしていこうという構えでございますので、そういった意味におきまして行政上の指針を定めるもの、こういうふうに御理解いただければと思います。  そういった観点からすれば、当然のように地域住民の直接参加という規定はこの間においては必要ないんじゃないかというように考えておりますが、一方で、当然のように市町村意見というものは非常に重要である、こういうふうに認識いたしておりまして、したがって計画をつくるに当たりましては市町村意見を聞くということを法案の三条の三の第四項、ここに明記させていただいているわけでございます。もちろん、市町村においては住民の意向というものを、個別に聞く聞かない等は別として、一応反映した立場でもって御意見をいただけるもの、こう思っています。  ただ、そうは言いながら、この計画はただ計画のための計画じゃないわけでございますので、いずれこの次のステップであります即地的レベルにできるだけ近づけるということが極めて重要なところでございますし、これがポイントであります。そういった意味で、この計画はさらに都市計画法によります市街地整備開発、保全の方針という格好の中で明記されるわけでございまして、こうなりますと当然のように都市計画決定という手続になりますので、計画法に基づきます公聴会あるいは住民の意向、意見書などなどの意向把握の手続が十分に担保される、こういう仕組みと御理解いただきたいと思います。
  157. 小川仁一

    ○小川仁一君 そうお聞きしますと、住民の意思というものが市町村によって反映しないところと反映するところと出てくる可能性があるわけです。そうなってまいりますと、必ずしも思うような住宅供給というものができない場合もあるし、五、六人反対してもなかなかそこがうまくいかないといったような場合もありますから、やっぱり住民の意見というものを市町村に最大限に聞くように御指導を願いたいと思います。  次に、ここ一、二年で住宅宅地開発のための法律が次々につくられました。そこで、まず大都市法と優良宅地開発促進法との関連を説明してください。また、大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法との関連についても御説明を願いたいと思います。
  158. 望月薫雄

    政府委員(望月薫雄君) 一昨年の国会でお認めいただきました優良宅地法、それから昨年お認めいただきましたいわゆる鉄道宅地一体整備法、これらはいずれも宅地供給のための具体事業を進めるためのいわゆる事業法という格好でお認めいただいているわけでございます。今日までそれぞれかなり順調に進展していると私ども思っておりますが、当然のように、これらの措置といいますか施策というのは今般の一連の施策体系事業を実行していく上でのいわば主軸になるものでございます。ただ、前提がございますが、これらはいずれもいわゆる新市街地開発部分でございますので、いわゆる低・未利用地等々の部分とは直接関係ないわけでございますが、いわゆるニュータウン開発に関する具体の施策展開としてはこれらの手法は当然に組み込んだ施策として展開をさらにしてまいりたいと考えております。  なお、言うまでもございませんけれども、これらに乗らない一連のいわゆる開発許可の事務などなどは当然のようにありますが、これらもひっくるめて私どもは今般の大都市法計画体系の中に組み込んで進めていくというものでございますので、従前からの事業法を踏まえた施策は当然のように組み込み、そのほかのものももろもろの供給施策の全部を組み込んだ上でもって一連の計画体系と推進体制を組んでまいりたいと思っておるところでございます。
  159. 小川仁一

    ○小川仁一君 随分法律があるのですね、建設省には。その問題は後にします。  この二つの法律はそれぞれ宅地開発についての法律ですが、公共施設整備について、例えば優良宅地開発促進法は第十七条で、それから宅地鉄道一体整備法は第十九条で一条起こして述べておられます。中身はおわかりと思います。このように他の法律では入っているのに、大都市法ではなぜ同じことが入らなかったのかということを御説明願いたいと思います。
  160. 望月薫雄

    政府委員(望月薫雄君) 御指摘のとおり、この二法についてはそれぞれストレートに入れさせていただいております。これらはいずれもいわゆる大規模宅地開発に関する事業手法であるということからしまして、それに伴う関連公共施設整備について、今御指摘のように優良法の十七条あるいは宅鉄法の十九条に入れさせていただいておりますが、今般御提案申し上げさせていただいておりますこの法案は、先ほども申しましたように今までのそれらの施策も全部包含したものとして御提示させていただいているわけでございまして、そういった意味では広域的な計画制度を確立し、この制度計画を達成するための国の取り組み方というふうに包括的にとらえさせていただいているわけでございます。  その間において私どもは、今御指摘のいわゆる関連する公共施設整備等々も当然念頭に置いているわけでございまして、基本的には具体事業法レベルの段階で十分組み込ませていただいているものを包括的に今般の法案で書かせていただいている、言うなれば屋上屋を架することも我々としては必要ないということでもって御提案のような法文の整理にさせていただいているところでございます。
  161. 小川仁一

    ○小川仁一君 私は屋上屋を重ねる意味で聞いているのではなくて、こっちに入っているのにこっちに入っていないのはなぜだと聞いているだけです。
  162. 望月薫雄

    政府委員(望月薫雄君) 繰り返しになりますけれども、宅鉄法にしても優良法にしても、それはそれぞれのプロジェクト具体に認定をしこれを進めるという法律の仕組みでございます。したがいまして、これに直接必要になるものは積極的にやるという条文を明記させていただいております。  今般の法案は、先ほど来申しましたように、それらを全部包含して一連のものとして推進していこうという政策体系を新しく明確にしたわけでございますが、具体の実施段階では今の宅鉄法も優良法もそれぞれ有力な手段でございます。今般の法律は、くどいようでございますが、先ほど来言っているような考え方からしますと、国の責務、公共団体の努力責務という格好で関連する公共施設整備も当然やっていくのだという、いわば一般的責務規定を置かせていただいているということでございまして、実態的には私ども支障のないように進められるものと考えておりますので、よろしく御理解いただきたいと思います。
  163. 小川仁一

    ○小川仁一君 土地対策関係閣僚会議というのがありまして、あそこで重点実施方針というのがございました。これは「関連公共施設整備等所要の措置を講ずる。」、こう書いておりますね。  十九日の野別委員への答弁で伊藤住宅局長は、自治省とも相談して関公など既存の制度の改善をやりたいとおっしゃいましたが、その答弁を聞いて、これは財政的によくなるなという心強さを持ったわけであります。関公などというのはどのような制度を念頭に置かれているのでしょうか。改善をやりたいというその改善の中身、方向について教えていただければありがたいと思います。
  164. 伊藤茂史

    政府委員伊藤茂史君) この前の御答弁で私申し上げましたのは、現在の関公促進費で行います各事業が、通常事業等を行う場合と各地方公共団体側の負担について扱い方が違っておるわけでございます。どっちかというと不利になっているわけでございます。したがいまして、地方公共団体側の負担分をできるだけ通常事業と同じようにしていきたいというのが私どもの従前からの考え方でございますので、その方向で努力をしたいという、そういう趣旨で申し上げたわけでございます。
  165. 小川仁一

    ○小川仁一君 やはり措置を講ずると言うからには、思い切って制度内容をかさ上げするんだと、こういうふうに御答弁をいただくというと喜んだわけでございますが。  もう一つ、ぜひやっていただきたいのは各公共事業の補助率です。この法律によって供給される住宅の関連事業については、特例的に上げるということなんでしょうか。他に例がないわけじゃないんです。例えば文部省には、人口急増地に対しては小中学校の校舎新築事業について一般地域の補助率が二分の一なのに対して三分の二の補助率を出すという制度がございます。大都市圏の国民に住宅供給することを皆さん本当に真剣にお考えになっておられるならば、こういったような文部省と同じような措置がとれないというはずはない。ぜひ来年の予算からこういう方法をとっていただくように検討いただけますか。
  166. 伊藤茂史

    政府委員伊藤茂史君) 今学校の例を出されましたが、建設省が所管しております道路、河川、下水、公園といった公共事業、これは省によって非常に考え方が違うところでございますけれども、長い歴史があって、その補助率の問題というのはきちっと法律で決められておりまして、緊急措置法があってというような形になっておるわけでございます。その中で大都市地域の補助率を上げるということが可能かといいますと、これは率直に申し上げまして極めて難しかろうと思うわけでございます。  というのは、大都市地域のこういう住宅関連の整備というのは、将来人口がそこに張りつきまして、例えば東京都から埼玉県に人口が移りましてそこで人口が定着するわけでございますから、そこから当然に税収が上がりますし、さらには固定資産税やその他の開発利益もどんどん上がってきて公共団体が将来は大丈夫である、基本的にはそういう考え方だと思うのでございます。したがいまして、将来にわたっての地方公共団体側の負担をどうやって正常的なものにするかというところまでは当然に私ども考えなければならぬと思いますけれども、それ以上に、例えば公共事業につきましては後進地域で、北海道でありますとか離島でありますとか、そういうものは補助率のアップというのはございます。これはつまり将来ともなかなか人間が来ないと言ったら怒られますけれども、なかなか来ないだろうということを前提に何とか来させたいということで補助率をアップするものでございます。やはり学校の場合と基本的に性格が違っておるというふうに私は思うわけでございます。  それから、この際ちょっと申し上げたいのですが、先ほども言われましたしこの前も言われましたので、私も不勉強でございましたのでちょっと調べさしてもらいましたら事実はこうだということだけちょっと御説明さしてもらいますけれども、首都圏の勤労者の平均収入が平成元年は七百三十万ということは、貯蓄動向調査できちっと決まっているものから推計したわけでございます。この七百三十万は、超勤も入っておりますれば、それから家族全体、世帯全体の収入がこうだということでございます。それで、貯蓄動向調査によりますと一世帯で働いている人間は一・五六人でございます。したがいまして、例えば公務員の平均の年収は平成元年で全職員で五百三十万円でございますが、これは超勤は入っておりませんし、公務員個人の所得でございますので、そういうことを勘案しますとそんなにおかしいものではないということをちょっと御説明だけ。
  167. 小川仁一

    ○小川仁一君 公務員給与の方は私かなり詳しいつもりですが、ここで論争はいたしません。  ただ、やっぱり人口急増地域における小中学校に対して補助率をアップするという特例があるでしょう。人口が過剰になって住宅をつくらなければならないというところに補助率アップという方式をあなた方は大蔵省に出したって、国民は拍手を送るだけであって決して批判などしませんから、よくその点は心に期しておいていただきたいと思います。  その次に、大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法の第二十二条に、地方債の特例の規定があります。大都市法でも同様の規定が必要と思いますが、検討なさいますか。
  168. 望月薫雄

    政府委員(望月薫雄君) 御指摘のとおり、宅鉄法には地方債の特例規定がございます、二十二条の一項でございますが。これは率直に申しまして鉄道建設費補助、あるいは地方公共団体が本来の鉄道事業者にかわって鉄道用地を買って提供する、こういったことの経費に充てるためのいわば特例としての地方債制度を認めたもの、こういうものでございます。したがいまして、言うまでもありませんけれども宅地開発一般に対しての地方債の特例というような性質のものではございません。私どもとしては、そういった意味で、基本的にはこれは鉄道建設のためのものであるという特殊なものであるというふうに御理解いただきたいと思います。  なお、言うまでもありませんけれども地方公共団体公社宅地開発事業を行う場合、これについては公共団体それぞれ、いわゆる公営企業債で充当できるとか、あるいは住宅金融公庫による資金手当て、融資を行うとかいう制度が既にできておりますし、こういったものの活用が十分可能であるということで、あえて特例の道を開く必要もない、こう判断したところでございます。
  169. 小川仁一

    ○小川仁一君 監視区域指定問題についてお聞きしますが、宅地鉄道一体整備法、これはいわゆる常磐新線のための法律ですが、この第九条にも大都市法の第三条の七と同様に監視区域指定という規定があります。  そこで伺いますが、常磐新線の予定地域地価の動向はどうなっていますか。また、監視区域の設定はどういう状況でございますか。
  170. 藤原良一

    政府委員(藤原良一君) お答えいたします。  常磐新線沿線地域につきましては、茨城県ではつくば市等の四市町村が昭和六十三年三月から、埼玉県におきましては八潮市及び三郷市が六十三年四月から、千葉県では柏市及び流山市が昭和六十二年十一月から、それぞれ監視区域指定されております。既に全沿線にわたり指定が終わっております。私ども、今後とも、地価の動向をにらみながら、必要に応じて届け出対象面積の引き下げ等につきまして関係公共団体を強く指導してまいりたいと思っております。  沿線の地価の状況でございますが、平成二年の地価公示によりますと、まだ相当上がっております。例えば住宅地で申し上げますが、八潮市では一九・八%、三郷市一九・七%、守谷が一一・二%、谷和原が九・四%、つくば市が一六・五%といった状況になってございます。
  171. 小川仁一

    ○小川仁一君 監視区域を掲げてもどんどん地価が上がってまいります。そうなると、地価を抑えるために残された方法は何ですか。
  172. 藤原良一

    政府委員(藤原良一君) あるいは、より強い規制区域を発動すべきじゃないかという御示唆かとも思いますが、ただ、監視区域につきましては、いろいろ運用を厳正的確にすることによって抑制効果をより強く発揮できるんじゃないかというふうに考えております。常磐沿線につきましても、百平方メートルまで落としているところは実は少なかったわけであります。そういうことで、さらに届け出対象面積の引き下げ等につきましても現在公共団体意見調整をしておるところでございまして、そういった面での努力をさらに強力にやってまいりたい、そういうふうに考えております。
  173. 小川仁一

    ○小川仁一君 この地域地価の上がり方は大変なものでございます。JR東日本の松田さん、この方は総合企画本部長をなさっている方ですが、こういうふうに書いておられます。沿線の地価は平均してここ二年に公示価格で一・五から二・〇倍の上昇を示している、しかも流山、松戸周辺の実勢価格は公示価格の五ないし十倍以上になっている、こう言っておられるんです。こういうふうな実例を見てみますと、大都市法監視区域指定の規定も、結局役に立たなくなるのではないかと心配になります。ですから、この規定を実効あるものにするためには、供給方針供給計画段階でいち早く監視区域の網をかぶせるということが必要と思いますが、どうでしょうか。
  174. 藤原良一

    政府委員(藤原良一君) これまでの監視区域の運用状況を反省いたしますと、やはり後手になったという御批判がもっともな点も地域によって多々ございます。特に、こういう大規模プロジェクト等が予定されております地域につきましては、当然地価の高騰が予想されるわけでございますので、先般、私どもから公共団体に通達しました運用指針におきましても、そういう地域におきましては計画開発予定地域がオープンになる前に厳しくこの区域制度を活用するようにと、そういうことで指導したわけでございます。常磐新線につきましても、加えさせていただきますが、先般、国土庁長官からも知事に直接運用強化方を強く要請したところでございます。
  175. 小川仁一

    ○小川仁一君 今の御答弁では地価が上がるだけですな。とても情けなくてしようがないような気がしますから、一層の適切な配慮をお願いしておきます。  次に、都市計画法建築基準法改正について伺います。  遊休土地の活用、これは重点実施方針でも触れられています。大変いいことですが、十九日に西野委員指摘したように、このままでは実効が上がらないおそれがあります。都市計画法の第十条の三の一から五で定める土地の区域の条件があいまいで大き過ぎるのではありませんか。また続いて、先ほども出ましたが、「相当期間」ではこれはだめです。何年、例えば二年と明記すべきだと、こう考えています。「政令で定める」となっていますが、具体的に政令で明記する、あるいは実際の運用に当たって明確に年限を切るべきだと思いますが、お考えを伺いたいと思います。
  176. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) 十条の三の「相当期間」についてはこれを二年と書いたらどうだという御質問、先ほどございましたが、この地区は、通常の経済活動として許容される限度を超えてその土地を遊ばせて持っているというようなときに指定したいというのが基本的な思想でございますが、この際「相当期間」というのがどれくらいの期間なのだろうかということでございます。  都市計画決定権者が決定するときの判断基準になるわけでございますけれども、これにつきましては、実は国土利用計画法遊休土地とかあるいは地方税法におきます特別土地保有税のミニ保有税制度等を適用するときの考えが前例としてございますので、二年程度が標準になるというふうに考えておるところでございます。しかしながら、土地需要が逼迫している地域等におきましては、もっと短い期間で新たに有効利用されることが強く要請される場合もあり得るであろうということで、ここで二年と明示せずにこのような「相当期間」という表現をさせていただいたわけでございますが、地方公共団体がこの運用に当たりましてこういう私が今申し上げましたことをよく御理解していただくために、通達においてこの考え方を示していきたいというふうに考えているところでございます。  また、その……
  177. 小川仁一

    ○小川仁一君 いや、簡単にやってくれよ。
  178. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) 質問が三つございますものですから。それでは簡単にいたします。  遊休土地の基準をなぜ明確にしないんだ、市町村が運用しにくいのではないかというような御質問もございました。
  179. 小川仁一

    ○小川仁一君 そんなことは言わないよ、おれは。
  180. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) そうですか。それではこれでよろしゅうございますか。  五千、それではもう一つのあれですが……
  181. 小川仁一

    ○小川仁一君 まだ五千平方は聞いていない。
  182. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) 十条の三の五千の話は……
  183. 小川仁一

    ○小川仁一君 まだ聞いていない。
  184. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) わかりました。終わります。
  185. 小川仁一

    ○小川仁一君 政令で決めるというなら政令で二年と書いたらどうかと、こう聞いたんです、前の分は。  これから今お答えになろうとしたやつを質問申し上げますが、五千平方メートル規模というのを「おおむね」と書いてある。これもやっぱり西野委員がこの前指摘したように広過ぎやしないか。市街地の法人が保有している土地のみを見逃すことになりませんか。せめて二千平方メートルにすべきですが、「おおむね」とありますから運用に当たってはこのような数字になるか、いわゆる二千というような数字にもなるか、お伺いしておきたいと思います。
  186. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) お答えいたします。  必ず五千平米以上であるということを要件とはいたしておりません。おおむねということによって幅を持たしているところでございますが、おおむねというのはやはり五千平米の七、八割までがひとつの考え方と申しますか、おおむねの範囲内はその程度であろうというふうに考えております。
  187. 小川仁一

    ○小川仁一君 さて、実際にある土地遊休土地転換利用促進地区、こう定める。これは各市町村の仕事ですが、実際の業務は一体どういうことになるだろうかと考えてみると、いろいろ心配がございます。ある土地を行政の側が遊休土地転換利用促進地区として都市計画を定める。その場合、この土地を保有している企業の同意を得ることになるのですか、お伺いしたいと思います。
  188. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) 企業の同意は得ません。
  189. 小川仁一

    ○小川仁一君 土地を保有している企業の同意を得ない、こういうことですね。  そういう場合でも、実際問題として市町村というのは、城下町とまではいきませんけれども、企業が存在しますというと、同意を得ないといってばっとやれるかというと、そう簡単に市町村はやれないんですよ。そこは政治的といいますか社会的状況といいますか、そういうことなので、私は市町村において必要なのは、むしろ建設省がガイドラインをつくって、そのラインに沿ったものはこうなるんですよというもう一つの理由づけを与えてやることが力になるのではないかと思いますが、おつくりになることを考えておられますか。
  190. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) 遊休土地転換利用促進地区というのは、これまでの都市計画制度になかった新しい私権の制限でございますので、法律上もこれまでのものよりややきめ細かく決めて運用しやすいようにしているところでございますが、さらにこれが積極的な運用に支障はないということを、それを支援するということでもって指定要件の基準を政令その他通達によって明確にしてまいりたいと思っております。
  191. 小川仁一

    ○小川仁一君 市町村に力を与えるような方法を建設省が考えることによって、この事業がスムーズにいくということだけはぜひ申し上げておきたいと思います。  さて、都市計画法の五十八条の四から十一までこの制度にかかわる規定があります。第五十八条の六について伺いますが、遊休土地転換利用促進地区都市計画を決定してから二年たっても実際に使われていないときは、各市町村長がその土地遊休土地であると認定することとしていますが、五十八条の八で、土地所有者にその土地利用、処分について勧告をする、こう書いてあります。この制度、本当にやれますか。
  192. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) 私どもは、遊休土地である、こういうふうなことで勧告するということは、そういうことを制度的に期待をしているし、動くものだと思っております。
  193. 小川仁一

    ○小川仁一君 国土利用計画法にも全く同じ遊休土地に関する措置の規定があります。第六章ですね。大都市法は国土法の規定をかりてきたということではないかと思っております。  そこで伺いますが、国土法の第二十八条の「遊休土地である旨の通知」は、例えば首都圏で言うとどれくらい実行されていますか。三十一条の「勧告等」に至っては、一九七四年の法律制定以降一度も勧告をされた例がない、こう言われておりますが、どうなんですか。
  194. 藤原良一

    政府委員(藤原良一君) 国土法に基づく遊休土地制度の運用状況でございますが、五十五年から通知を行っておりますが、平成元年まで合計で四十八件、面積にいたしまして五十五・三八ヘクタールの通知を行っております。そのうち首都圏は五件、一一・四八ヘクタールでございます。
  195. 小川仁一

    ○小川仁一君 三十一条の勧告の方はどうですか。
  196. 藤原良一

    政府委員(藤原良一君) 勧告及び買い取り協議に至った件数は一件もまだございません。
  197. 小川仁一

    ○小川仁一君 そうすると、建設省できますか。国土庁は勧告など一回もやってない。建設省の方は力があるからやれるでしょうね。
  198. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) これは国土庁の方で恐らく実態を御存じのことで、私が申し上げるよりは土地局長の方が適切かもしれませんけれども、そういうことで勧告に至らない状態で解決しているということもあるのではないかというふうに考えております。
  199. 小川仁一

    ○小川仁一君 いろいろ言い方があることをお知らせいただきました。  さて、五十八条の六の規定の中に国公有地等の除外規定がございます。西野委員が厳しく指摘したように、国公有地に遊休地はないというのは、これはでたらめですね。この除外規定は、国土法の第二十八条の「遊休土地である旨の通知」にはありません。大都市法の除外規定は外したらどうですか、この条項を。
  200. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) この遊休土地の転換の地区指定については、御承知のとおり国公有地が対象になっております。これは都市計画的な立場からそういう制度をとっております。  ところで、具体的なこういう「遊休土地である旨の通知」等の権利制限に近づいてまいりますと、これは都市計画法の他の立法例ということを参考にせざるを得ません。それで、都市計画法具体的な制限といたしますと、開発許可というものがございますし、あるいは地区計画の中の区域内の行為制限、行為の届け出というようなものもございますが、こういう場合におきましては国や地方公共団体は適用除外とこれまでの立法例でされているところでございますので、これを適用除外としたものでございますが、しかしながらこの遊休土地転換利用促進地区にありましては、国、地方公共団体につきましても民有地と同様有効利用の責務を負うということになるほか、地方公共団体指導助言に関する規定も活用するということは当然考えられますので、低・未利用の国公有地について有効利用促進することの手段としてはこの制度は有意義であるというふうに考えております。
  201. 小川仁一

    ○小川仁一君 討論はしません。  次に、市街化区域内の農地宅地化について、建設省と国土庁の基本的な立場を伺います。  いろいろお聞きしていますと、市街化区域内の農地は大変目のかたきといいますか好餌といいますか、そういう感じで扱われておりますが、しかしまたある方などは、全部宅地にしてしまえば住宅難はあっという間に解決するなんという乱暴なことをおっしゃる方もあるわけで、市街化区域内ですから、宅地に転換したいという農地はインセンティブを与えて宅地化することは間違いではありませんが、農業を続けたいという農地まで宅地並み課税をして無理やり土地を吐き出させるということには必ずしも賛成をいたしません。  もう一つ、都市の緑地保全、環境という観点があります。都内でも市街化区域内農地が多いと言われている世田谷の区長さんは、農地住宅化には反対しておられる。三鷹市でもそうです。都市での農業、都市環境の保全ということですが、市街化区域内農地宅地化について逆線引きというお話もございました。この点についてのお考えを伺いたいと思います。
  202. 真嶋一男

    政府委員真嶋一男君) 市街化区域内農地につきましては、総合土地対策要綱において定められているところに従いまして、宅地化するものと保全するものとに区分するということをいたしておるところでございます。そして、保全すべき農地につきましては、市街化調整区域に逆線引きを行うほか、生産緑地地区制度の積極的な活用ということになっていこうかと思います。この場合、相当規模の一団の農地で、当分の間計画的な市街地整備の見込みがなく、営農が継続されることが確実であるものについては、市街化調整区域に逆線引きするということになろうかと思いますし、それ以外の農地でも、営農が継続されることにより環境保全等の機能を有するというような一定の条件に該当するものにつきましては、生産緑地地区制度の積極的活用を図っていくということになろうかと思います。
  203. 小川仁一

    ○小川仁一君 最後ではありませんが、この確認の一番おしまいに建設大臣にお尋ねをいたします。  これは、いろいろお聞きをし、また各党の御論議を聞いてまいりますと、どうしても住宅について基本法が必要というような感じを受け取ったわけであります。重点実施要綱でも、平成二年度末までにはあらゆる面がそろうようになっております、国公有地の利活用の調査、税制問題あるいはいろいろな改善措置。この平成二年というのがぐっと一つに迫っているような感じの状況があるわけでございますから、どうでしょうか、その時期を考えて、住宅基本法がないのでは総括的、総合的に不十分であるという感じがいたします。これまでの御答弁でも、各党の意見が一致すればというお話がございましたが、土地基本法でも政府案と野党案が出されてから討議をされて決定をしておる。どうです、大臣、大臣の任期中に住宅についての基本法をつくると、こういう御決意を持て我々に提示をしていただけませんでしょうか。
  204. 綿貫民輔

    ○国務大臣(綿貫民輔君) 今御指摘の「今後の土地対策の重点実施方針」という中には、土地に関する施策を踏まえ、総合的な税制の見直しを行うというふうに書かれておるわけでございまして、私どもは今御審議をいただいておりますこの法律内容というものがその一つのフレームということになるのではないかと考えております。これに、さらに税制調査会で今御審議をいただいております土地税制の抜本的な見直しをこの中に押し込んでもらいたい、それによって効果が得られるというふうに確信をいたしておるわけでございます。  なお、住宅の基本法につきましては、先般からもいろいろ御質疑がございますし、ただいま小川先生からも御指摘がございました。それぞれ社会党さんからも公明党さんからも、これについての御心配をいただいた御提案がございまして、私ども政府といたしましてもその趣旨を十分理解しておるところでございまして、今建設大臣の在任中にやれということでございますが、できる限りその方向が実現するように努力をしてみたいと思っております。
  205. 小川仁一

    ○小川仁一君 御決意ありがとうございました。  そこで、今度は角度を変えて建設大臣にお聞きをしたいことがあります。  建設省から住宅宅地審議会の各小委員会の報告書をいただきました。住宅部会基本問題小委員会の報告書はいただけなかったわけであります。聞くところによると、明二十二日、住宅宅地審議会の総会が開かれ答申が行われる、こういうことでございます。それで、委員会の方は本日住宅にかかわる二法案の討論、採決を終わる。何かまことに国会軽視絶妙のタイミングという感じがするわけでございます。なぜこんな日程になったんですかね。審議会の答申を受けてから、それにかかわる関連のある法案を提出をして、これを国会で審議をさせていただければ、我々は非常によりよい審議をすることができたのではないか、こう思うんですが、建設大臣、この委員会と明日の答申とのかかわり、進め方等についてお考えがありましたらお伺いしたいと思います。
  206. 伊藤茂史

    政府委員伊藤茂史君) 事実関係だけちょっと御説明申し上げます。  この住宅宅地審議会の答申というのは、実は六十三年の九月に諮問いたしましたものでございまして、毎五カ年計画をつくる前に従来の住宅宅地政策を見直して、次の五カ年計画をどういうふうに持っていくべきかということで、政策の見直しをやることを通例にいたしております。したがいまして、第六期の五カ年計画を目指して審議に入ったわけでございます。したがいまして、通常、先ほども申しましたが、次の五カ年計画の第六次は予算要求と同時に建設省がつくりまして、関係行政機関と協議をし、それで固まったものを審議会の意見を聞いて閣議決定する、こういう手続になるわけでございますが、したがいまして予算要求時点より前に答申をいただいて五カ年計画の作業というのが通例なわけでございます。したがいまして、各五カ年ごとにこういう見直しを行った際には、六月でありますとか七月でありますとか八月ごろに答申をいただいておるわけでございます。  それで、今回の大都市法との関連でございますが、そういう中で総合土地対策要綱以来、政府の中で、大都市圏住宅宅地供給策を抜本的に見直すべきだ、こういう空気がございましたので、実は住宅宅地審議会の市街地委員会あるいは民間住宅委員会の中間報告なるものを平成元年、去年でございますが、七月の三日に早々に検討して出していただきまして、これを住宅部会に報告をいたしまして、それから宅地部会も平成元年六月二十七日に中間報告をまとめております。それから、相呼応しまして建築審議会も平成元年の六月二十八日に、市街地環境分科会小委員会で中間報告を出しております。それから、都市計画審議会の「経済社会の変化に対応した都市計画のあり方」に関する検討委員会の中間報告を同じく平成元年の六月三十日にいただいております。これらはいずれも公表いたしまして、その当時の新聞には相当大きく取り扱われたものでございます。  これらに基づいて、今回の法案は建設省の中の行政側の対応に移りまして、平成元年の十一月には大都市地域における住宅宅地供給促進に関する特別措置大綱案というのをまとめて発表いたしました。これが今回の法案のもとになるものでございます。したがいまして、この大綱をも住宅部会とか宅地部会には、建設省としてはこういうことで考えておりますということを御報告申し上げ、法案を提出する際にも審議会の方には報告しているわけでございます。したがいまして審議会の関係でいきますと、既に大都市法の関連はその部分に関してだけは先行して御審議をいただいて、答申のかわりになるものをいただいておるということで私ども認識しておるところでございます。たまたま答申の期日と国会の終わりとは全く偶然ということになろうかと思います。
  207. 小川仁一

    ○小川仁一君 必要な部分だけ審議会にやらして、そこを法案にしていく。御用機関だからそういうふうな使い方は自在にできると思いますが、やはり基本部会の報告がないというのはちょっと弱いですわな。  あした答申が行われるんですが、印刷にかかっている時期だと思いますけれども、大綱を話していただけますか。
  208. 伊藤茂史

    政府委員伊藤茂史君) 先生の言われるようにやりますと、今回の大都市対策は一年おくれることに相なったと思うのです。私どもは、それよりももっと緊急にやるべきだということで、総合土地対策要綱に基づいて作業を急いだわけでございます。  それから審議会の答申でございますが、この大都市対策、今回御審議いただいております法律、この内容を的確に運用するようにというようなことが多分一番の眼目になろうかと思いますが、そのほかに住宅宅地審議会では、諮問の際に私どもはこういうことが次の五カ年計画では問題になるのではないかということで重点課題なるものを提示いたしまして、御審議をいただいております。  一つは、二十一世紀に向けて誘導居住水準を超える世帯が半数になるようにというのは、既に建設省の国土建設の長期構想あるいは前五カ年計画からの目標でございますけれども、いよいよあと十年になったわけでございます。したがいまして、今までのような居住水準向上施策でよろしいかどうか、目標をもう一遍確認すると同時に、施策のあり方が一番問題でございます。特に、現行五カ年計画で見てみますと、先生方が一番御関心の深い公共賃貸住宅につきましてどういうふうに書いてあるかといいますと、「自力では最低居住水準を確保できない階層に対する住宅供給」云々と書かれておりまして、こういうことで最低居住水準をクリアするということに重点があったわけでございますが、今回二十一世紀に向けてどういう考え方でいくかというのが第一点の大問題でございます。  それから大都市対策につきましては、土地対策を含めてもう少し住宅対策がマクロの全国計画とか地方計画で戸数だけ表示するんじゃなくて具体土地に根をおろして、都市計画でフォローされるような形で都市計画との連携を強めていくべきだと、こういうことでございまして今回の大都市法関係の法律の制定をお願いしたわけでございますが、それのもう一回のフォロー、市街地住宅委員会や建築審議会等のフォローをもう一回住宅宅地審議会でもやって、同じ趣旨の答申があろうかと思います。  それから三つ目は、やはり高齢化社会への対応ということでございまして、これも当委員会でいろいろ御議論いただきましたけれども公共賃貸住宅の場合にどうすべきか、あるいは民間を含めた全体の考え方をどうするかというようなことが私どもも一番大事なことだと思っておりまして、その中身について御審議をいただいておるわけでございます。  それからもう一点は、多極分散型の国土構造をやるときに、働き場所を求めてやはり人は集まりますけれども、その場合も住宅環境というものをよくしないと本当の地域開発になっていかないんではないかということがあるわけでございます。多極分散型の国土構造の形成に寄与する住宅政策というのはどういうことがあり得るのかというようなことで、これは私どもから提案をして御審議をいただいております。  審議会でも今申しましたような四点につきまして、確かにそれは大事な問題だということで御熱心な審議をいただいて、明日御答申をいただく予定にいたしておるところでございます。
  209. 小川仁一

    ○小川仁一君 非常に大事な問題を幾つも御討議をいただいて住宅宅地審議会委員の皆さんには御苦労さまでございましたが、私たちも勉強しますし、これからもいろいろな住宅宅地問題について審議をしてまいります都合上、議事録を答申が終わった後で結構ですからお出しできますか。
  210. 伊藤茂史

    政府委員伊藤茂史君) そういう御提案は前々からいろいろございます。ただ、政府の関係の審議会いずれも同じだと思いますが、各審議会で各委員の方々が自由な発言をしていただいてといことで、秘密会にしております。例えば新聞記者を入れてくれという話も随分あるわけでございますが、全部秘密会になっております。したがいまして、例えば税制調査会あたりですと、小委員会の議論を経た後、小委員長がきょうはこういう議論があったというようなことでまとめて報告をするというようなことはされておりますけれども、議事録の中身でありますとか、そのときのだれがどういうふうに話しましたという細かいことは、みんな秘密ということでお願いをしてございます。これは、審議会でそういうことを決めて、私ども事務局としてそれを守っているという、形式上はそういうことになっておりまして、申しわけございませんが議事録は出せないということでございます。
  211. 小川仁一

    ○小川仁一君 お名前を出すといろいろ御都合のある方があるというのが今までも議事録を出さない理由でございましたが、自分の学問的あるいは哲学的な意見を話しておられて、それを出すと都合が悪いというようなお方はこれから審議委員には依頼しないようにお願いをしたい。そんな情けない人たちに頼んで物を決めたって役に立ちませんよ。  しかし、名前を出すのはやはり面倒でしたら氏名は要りません。A、BとかC、Dとかというふうに書いて出してもいいから、これは別に悪用するつもりはありませんよ。いろんなことがそこで討議をされて、さっきの高齢者問題についても一つの結論が出た。どういう討議をされてどういうふうにやられたかということを私たちも勉強したいという意味なんです。ですから氏名も要りません、何も要りませんが、討議経過を出していただければありがたいと思います。そうでなければ国民に開かれた審議じゃありませんよ。もしかして審議会がだめというなら、今度は審議会の委員の方に、こういう要求がありましたが皆さんの御意見を名前は出さないで出してもいいですかと、こういう御了解をいただいてもいいじゃないですか。やはり秘密裏の中で物が決まったような印象を与えて住宅問題とかあるいは宅地問題といったような大きな国民的課題を処理するということはいかぬと思いますので、重ねてお願いをしておきます。ただし、本日ここでは御答弁要りません、お考えおきをいただけばいいです。  それで、エコノミストの六月五日号、ここで亀井さんがインタビューをしておられる。この亀井さんの考え方、大変おもしろいお考えを示されておる。こんなふうに言っておられる。「いままでの行政のあり方は、中央の建設省とか国土庁が方針を決めて、府県に下ろし、府県から市町村へ下ろすという方法なんだけれども、これを発想の逆転をして、市町村、特に東京二三区の区長に総理大臣ぐらいの権限を与えるようにして、そこで思い切って住宅宅地対策をたてさせ、そして実行させる。」、こういう発想の逆転を亀井さんがおっしゃっているんです。  私も、今までのトップダウン方式というのは限界に来ているような気がするんです。市民も参加する、市町村も一緒になってやる。それ自体で計画をつくる。あなた方は積み上げ方式と言いますけれども、積み上げ方式じゃない、発想の逆転だと。そこで国民が住宅に対する自分の夢とプランをつくることができたら、私は非常にユニークな形の住宅問題解決方式が生まれてくるんじゃないか、こう思いますが、大臣、こういう考え方はいけませんか。亀井さんの意見を引用しながら私お聞きをする次第ですが、どうでしょうか。
  212. 綿貫民輔

    ○国務大臣(綿貫民輔君) 学者の方の一つの御意見として興味深く聞いておりますが、民主主義というのは皆さんの御意見をできるだけ寄せ集めてやるという場合もございますし、一つの大きな構想のもとに皆さん方の御同意が得られるように努力をするというのも民主主義でございますので、町づくりとかあるいは住宅づくりとか、やはりばらばらということではどうかと思いますので、私どもといたしましては、その辺の整合性が保たれるような形で行政を進めるということで現在までやってきております。  今御指摘のように、皆様方の、各自治体の意見は十分これからも聞いてまいるつもりでございますが、今の御意見は御意見として承っておきたいと思っております。
  213. 小川仁一

    ○小川仁一君 亀井さんは住宅審議会の会長でございますので、この方の意見が私は答申に反映しているんじゃないかと思ってさっき答申をお聞きしようとしたり議事録をお出し願いたいと思いましたが、まずこの話を終わりましょう。  次に、土地税制についてお尋ねしますが、先日、橋本大蔵大臣が六月十五日の衆議院税特委で非常におもしろいお話をしておられました。土地を手放させる方向にいくのか、持ち続けるような税制をつくるのか、基本ルールが存在しない中で、対応に非常に問題があったと申し上げなければならない、こうおっしゃっています。そうすると、土地税制の基本ルールというのはどういうことなんですか、国土庁長官、おわかりでしたらひとつお話しを願いたいのですが、いかがでございましょうか。
  214. 佐藤守良

    ○国務大臣(佐藤守良君) 小川先生に御答弁しますが、答弁する前にひとつ皆さん方にお礼を申し上げたいと思います。委員長以下皆さん方の御理解やお計らいによりまして、先ほど川崎市におきまして首都圏サミットに出席できました。ありがとうございました。厚くお礼を申し上げたいと思います。  今の点につきましては、小川先生も御高承のとおり、土地政策上、土地税制の果たす役割は極めて重要であると認識しております。  そんなことでございまして、昨年十二月に土地基本法が制定されました。そして、土地に関する共通理念が明定されたことを踏まえ、土地税制の総合的見直しが積極的に行われていくものと考えております。
  215. 小川仁一

    ○小川仁一君 きのうの二十日にも海部総理が土地税制の見直しということをどこかの会議で非常に強調しておられたようでございます。非常に土地税制ということがいろいろな形で問題になっておりますが、国土庁として、さっきの橋本大蔵大臣の話じゃないが、どんなふうな基本ルールを確立しようとしておられるかお聞きしたいと思います。
  216. 藤原良一

    政府委員(藤原良一君) 大蔵大臣の御発言、重要な事柄でありますので適当な機会に直接御意見を伺わしていただければありがたいと思いますが、ただ予算委員会や税特委で私ども大蔵大任が御答弁になっておられる話を聞きまして、一つは大蔵大臣はやはり税制を進めるに当たって国民的な合意形成が常に必要だ、例えば銀座等でお豆腐屋さんをやっておられる方がそのままそこで続けてやっていただくような税制がいいのか、あるいはもっと高度利用すべき方向に誘導するのがいいのか、その辺が非常に難しい問題でもあるということをいつも言っておられます。それと、税制はこれまでは土地政策の補完的な役割を果たす、こういう姿勢でありましたが、昨年末、基本法で新しい道筋を示していただいたものですから、この基本法の理念に沿って税制の見直し等を行うべきだということで、税制調査会に御審議をお願いされる際にも、一つは格差が拡大し公平の確保が非常に重要になっておる、公平の確保の観点、それともう一つは、俗な言い方ですが、勤労者が一生働いて夢を持てない、持ち家を持てないような状況ではだめだ、それをどうしたら持ち家が持てるのか、夢が持てるのか、そういう二点から御審議をお願いしているのだ、そういうふうなことをおっしゃっております。
  217. 小川仁一

    ○小川仁一君 そうすると、国土庁が考えておられる税制の基本理念というのは、この土地対策関係閣僚会議の重点実施方針の二の項、これにのっとっておやりになっているということですと、何か橋本大蔵大臣の話、どういう格好の中でああいう話が出たか、ちょっとうまくミックスしないような感じがしたのでお聞きしたのですが、必ずしもああいう言い方、ああいう考え方はおとりになりませんね。
  218. 佐藤守良

    ○国務大臣(佐藤守良君) 前にも小川先生に申し上げたと思いますけれども、結局、土地政策上土地税制の果たす役割はかなり重要だと私は思っておりますが、そんなことで三つの大きな役割を考えております。一つは、土地税制土地の資産としての有利性を減少させ、投機需要あるいは仮需要を抑制する、それからもう一つは、個人、法人を通じた税負担の公平を確保する、三点目には有効高度利用促進、そういった三つの役割を果たすためにこの土地税制をお願いしております。  そういう観点から、土地取得、保有、譲渡等の各段階についての積極的見直しが行われることが望ましいと考えております。いずれにいたしましても、土地基本法の制定を受け政府税制調査会において検討されるところでありますが、土地取得、保有、譲渡等の各段階における適切な課税のあり方についてその積極的見直しが行われることを期待しておるわけでございます。  そういうことの中に、先ほどちょっと先生がおっしゃいました昨年暮れの土地対策関係閣僚会議で申し合わせました今後果たすべき重点実施方針、十項目ございますが、これは土地基本法の制定を踏まえまして当面重点的に推進すべきと決めたわけでございます。ここに掲げられた十項目の内容は、土地対策関係閣僚の間でその実施を確認して対外的に公表したものでございまして、政府一体となってその実現を図っていくべきものと認識しております。
  219. 小川仁一

    ○小川仁一君 六月二十日の朝日新聞によると、国土庁が土地保有税、これを御発表になったようです。見出しは「路線価の一%弱」、こんなふうに書いておりますし、まだこれは十分法案化しているというふうには考えられませんけれども、この考え方の中に含み益への課税という問題を意識している税制というふうに理解してよろしゅうございますか。
  220. 藤原良一

    政府委員(藤原良一君) 私ども、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、土地政策上税制に期待する基本的な役割は三つございます。さらに、その三つの役割理解の上に立って、具体的には例えば法人保有土地に対して新たな一定水準の税負担をお願いできないかということを考えておりますし、また譲渡益課税につきましても、完全分離とか、あるいは地価の値上がり率に応じた累進税制の採用等の可能性がないかどうか、そういった点について検討すべきだというふうに考えておりまして、具体内容につきましては私どもとしましてもそれなりに検討し、大蔵省等に税制改正を要望するまでには具体的に詰めたい、そういうふうに考えておりますが、今のところまだ成案を得るに至っていないわけでございます。  ただ、先生お引きのいわゆる含み益に対してどういうふうに考えるかということでありますが、いわゆる含み益課税と言われておりますのは再評価税なり増価税と巷間言われておる税じゃないかと思うんですが、これはいわゆる未実現の利益、キャピタルゲインに対する課税でありますので、いろいろ難しい点がございます。それが課税された後譲渡された場合に譲渡益課税との関係はどうするのかとか、あるいは土地だけが再評価されて他の固定資産税はどうなるのかとか、あるいは課税技術上の問題、値下がりしたときの問題、いろいろございまして、外国の例を見ましても、お隣の韓国ではそれに似たような税制をスタートさせたようでございますが、余りないんです。そういうことで、このいわゆる再評価税、増価税については慎重に検討すべき部分がかなりあるんじゃないか、そういうふうに私ども考えております。
  221. 小川仁一

    ○小川仁一君 路線価をお使いになるということには私は含み益に対する課税意識みたいなものがほんのちょっぴりでもあったんじゃないかという意味でお聞きしたんですが、とにかく今の国民感情からすると、あなた方も今度のこの新保有税を法人にだけかけようとしておられるように、この法人等の含み益に対して税制を考えるべきだという考え方が非常に強いということだけは御存じだと思います。  今のこの格差、そして地価だけでも四百兆円にもなろうかというこの状況、私は含み益に対する一時的課税であってもこの問題をやはり土地税制の形で何らかの処理をしなければ国民の感情がおさまらない、こういうことを痛感いたしますので、今非常に難しいというお話はお聞きしました。私もそれなりに理解いたします。しかし、それを乗り越えて一つの国民的課題として御検討の余地があるかどうか、ひとつお知らせ願いたいと思います。
  222. 藤原良一

    政府委員(藤原良一君) 先ほど御答弁申し上げました法人保有土地について、新たな一定水準の負担を求める案につきまして検討しておるということでございますが、第二保有税とも申すべき構想でございますので、課税標準をどうするかというふうな問題がございます。例えば国税として考えます場合には、相続税評価、相続税の路線価を一つの基準として考えるというふうなことが有力な案としてあると思うんですが、その場合先生が御指摘になりますように帳簿価格ではなしに路線価でございますのでその中には相当の含み益が含まれておると、そういうふうに理解できると思うんです。先ほどの再評価税とか増価税といいますものは、現在価格から帳簿価格を差し引いたいわゆる差額に対して課税するということでございますので、恐らく最近非常に投機的なムードの中で買った人にはほとんどかからない、しかし古くから所有しておられる方には非常に大きな税がかかるというふうな問題も非常に難しい問題としてありますが、私ども検討しておりますのは、そういう差額じゃなしに、現在保有しておられる資産額に着目して考えられないかということでありますので、結果的にはかなり含みが入っているのかもしれません。
  223. 小川仁一

    ○小川仁一君 かなり含みが入っているという含みのある発言を拝聴いたしましたが、やはりいわゆる何といいますか国民感情、国民格差、所得格差、そういう中でのひとつ公平感を損なわないような形で土地税制を行っていただきたいと思います。  もう最後になりまして時間もありませんが、土地対策関係閣僚会議の「今後の土地対策の重点実施方針」、これは先ほども申し上げましたが、平成二年度中あるいは平成二年度末を目途に、いろいろ言葉は違っておりますけれども平成二年度というのを一つの目標にしていることは間違いないと思います。ですから、この平成二年というのが一つ政府が今後の土地対策を総合的に行う時期と、こう私は判断をしたわけであります。今回のこの二法案もさることながら、さらにこれらを含めてぜひ平成二年度にはこういった対策の上に立った新しい住宅政策、土地政策をお出し願いたい、このようにお願いを申し上げて私の質問を終わらせていただきます。
  224. 新坂一雄

    ○新坂一雄君 きょうは佐藤国土庁長官に御無理言いまして御出席願ったわけでございますが、会期末になりまして恐らくきょうが最後質疑になるんじゃないかということでございまして御無理願った次第でございます。  今審議しております法案は、本当の意味で政治が国民生活の立場に立ち得るのか立ち得ないのかという非常に転換点の法律ではないかと思います。そういう意味で、今後長い政治の歴史の中でこの法案がその転換点に立ち得たという、後で見返ったときにそういう実のあるものになるための充実ある法案にするために一層運営上努力していただきたいと思うんですが、それを一層実りあるためには一極集中緩和、あるいは多極分散型国土形成、こういうのが新しい国づくりの今キーワードになっていると思います。  もう一つ、新しいキーワードになりつつあるのが、この間超党派で御提言になりました新首都問題懇談会、ここで国会地方移転の国会決議をしたらどうかというお話がございました。それで、去年、土地問題特別委員会でも福間委員長が、こういういわゆる首都圏機能の移転についてのいろいろな論議を深めていこうという異例の委員長談話もございました。そういう意味で、参議院でもこの問題の論議を深めていかなきゃいけないということで、この会期末に一点お伺いしたいと思います。  この国会地方移転、これはかなりスパンの長い話になると思うのでございますけれども、まずこれの総元締めでいらっしゃる国土庁長官に、この国会の地方移転についてどう考えておられるか、一点お伺いしたいと思います。
  225. 佐藤守良

    ○国務大臣(佐藤守良君) 先生にお答えいたしますが、今先生の御指摘のとおりでございます。  私は、何回も申し上げますが、土地問題の解決には二つあると思います。その一つは政策的配慮、一つは政治的配慮だと思います。政策的配慮では限度がございます。宅地供給にいたしましても、税制の総合的見直しにいたしましても、緊急的には監視区域の強化、それから金融の総量規制でございますが、限度がございます。それで、どうしても政治的配慮を必要とする。政治的配慮の一番大きな柱が国会移転問題じゃないかと、こう思っております。  そんなこともございまして、現在、超党派の議員で構成されております新首都問題懇談会において、昭和五十年より自由で活発な議論をなさってもらっています。そんなことで、国権の最高機関であります国会の移転については国会及び同懇談会などの場での議論に国土庁としても注目しているところでございます。  国土庁としても、四全総の計画を踏まえまして議論の具体化を図る第一歩といたしまして、本年一月から首都機能移転問題に関する懇談会を現在まで二回開催し、国土政策の観点からの首都機能移転問題について幅広い分野の方々に議論していただいているわけでございますが、実は私も国土庁長官になる前はこの議員連盟の一員でございまして、大いに進めておったわけですが、やはり心理的影響を踏まえまして国土庁が五十八年の一月に首都機能の移転に関する調査をいたしました。これは遷都、分都、展都でございますが、遷都の中には狭義の遷都と幅広い遷都と両方ございます。狭義の遷都の中心が国会移転ということでございまして、できるだけぜひ推進いたしたい、そういう形の中で土地問題を片づけたい、このように考えております。
  226. 新坂一雄

    ○新坂一雄君 国会決議、超党派でこれから論議を深めて盛り上げていきたいというのが基本的な姿勢だろうと思います。その中で、それでは実際に移転はするんだけれども、どういう条件のところに移転するかという次の段階に移ってくると思います。そういった意味では、だれでもが思うような、例えば土地が広いとか、あるいは水が豊かであるとか、あるいは国際空港があるとか、あるいは二十一世紀になりますとリニアモーターカーが東京―大阪を一時間で結びます。こういうような新しい条件を踏まえた国会移転、あるいは災害に強いというようなところで、長期的な展望に立てるような立地条件を論議を深めていって、その中から新しい政治の条件をつくっていかなきゃいけない、かように思っておりますので、ひとつ旗振り役としてぜひとも今後とも一層強めていただきたいというのが希望でございます。
  227. 佐藤守良

    ○国務大臣(佐藤守良君) 今先生から大変ありがたいお言葉をいただいたわけでありますが、これは政治的配慮の一番大きな問題でございまして、むしろ逆に委員長以下各先生方に御理解いただきまして、ぜひ国会の決議に持っていきたい。そんなことの中で私の個人の意見とすれば、個人と言っても国土庁長官ですが、でき得れば国会の中にそういう委員会をつくってもらって各党各会派間で幅広く御検討願いたい、こんな気持ちでおりまして、よろしくお願いしたいと思います。
  228. 対馬孝且

    委員長対馬孝且君) 他に御発言もなければ、両案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  229. 対馬孝且

    委員長対馬孝且君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより両案の討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  230. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 私は、日本共産党を代表し、大都市地域における住宅地等供給促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案に賛成、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。  今日、東京一極集中の激化と民活・規制緩和路線、金融緩和を背景とした大企業等の土地投機による地価の異常な高騰で、政府の従来の住宅政策の破綻が明白になっています。地方公共団体では、住宅条例の制定や家賃補助、地価を家賃に反映しない公的住宅など、新たな住宅政策を模索する動きが始まっています。こうした地方公共団体の努力を支援するとともに、国の住宅政策、都市計画制度を抜本的に改善することが強く求められています。  しかるに、今回提出された法律案は、いずれも破綻した住宅政策の部分的な手直しにとどまり、深刻な住宅問題を真に解決するものとはなっておりません。  大都市地域住宅地等供給促進法の改正案は、大都市地域において住宅住宅地の供給方針供給計画を定めることを内容とするものですが、建設大臣が定める供給方針には公共的な住宅建設の目標も明らかにされず、依然として民間住宅建設に依存するものとなっています。政府供給方針を策定することは当然必要なことなのでこの法案には賛成いたしますが、その実施においては、地方公共団体の自主性を尊重すること、公的賃貸住宅の大量建設を推進することを強く要望しておきます。  住宅高度利用地区計画制度は、建築基準法の建築物規制を地区整備計画で緩和し、市街化区域内農地に中高層住宅群を建設しようとするものです。これは、周辺や区域内の低層住宅の居住環境や周辺交通状況を悪化させるおそれが強いものであります。第一種住居専用地域は低層住宅の良好な居住環境の保護を目的として定められた地域であり、その中に中高層住宅群を乱立させる住宅高度利用地区計画制度は、全体としてのまとまりのある町づくりを破壊するものと言わざるを得ません。  用途別容積率制度の導入は、住商混在地区における住宅確保を図ろうとする意図は理解できますが、今日の異常な地価高騰のもとでは十分な効果は期待できません。しかも、地区計画で敷地面積の最低限度を定めることとしており、零細な住宅を追い出す地上げを促進することとなるでしょう。事務所ビルによる住宅の駆逐と過密状態をなくすためには、用途規制を厳しくした細分型の用途地域への転換と基準容積率の引き下げこそ必要です。  遊休土地の認定制度は、一定の改善ではありますので賛成し、その厳正な運用を要望しておきます。  最後に、今日の深刻な土地住宅問題を解決するためには、業務機能の東京一極集中を強力に抑制する国土政策への転換、国土利用計画法の規制区域の発動や金融規制、税制など、投機的土地取引に対する規制の強化、公的賃貸住宅の大量建設を中心とした住宅政策の転換、開発行為の自由を原則とした都市計画制度から民主的な手続による計画的な町づくりを進める都市計画制度への転換などが必要であることを指摘し、私の討論を終わります。
  231. 対馬孝且

    委員長対馬孝且君) 他に御意見もなければ、両案の討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  232. 対馬孝且

    委員長対馬孝且君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより両案の採決に入ります。  まず、大都市地域における住宅地等供給促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  233. 対馬孝且

    委員長対馬孝且君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  234. 対馬孝且

    委員長対馬孝且君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、小川君から発言を求められておりますので、これを許します。小川仁一君。
  235. 小川仁一

    ○小川仁一君 私は、ただいま可決されました大都市地域における住宅地等供給促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案並びに都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     大都市地域における住宅地等供給促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案並びに都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。  一、大都市地域における住宅宅地供給促進とあわせて、住宅問題が深刻化している地方都市についても適切な措置を講じ、大都市地域への人口集中が加速しないよう十分配慮すること。  二、住宅宅地供給基本方針及び供給計画の策定にあたっては、一般勤労者が負担可能な価格又は家賃で入居できる適正規模の良質な住宅供給することを明示するとともに、公的住宅供給を優先させ、また、高齢者・障害者住宅等の確保に努めること。  三、国及び関係地方公共団体は、住宅宅地供給基本方針及び供給計画の達成のため、必要な財政上、金融上、税制上その他の措置を講ずるよう努めること。  四、住宅宅地供給に関連して必要となる公共公益施設の整備については、関連公共施設整備促進事業の拡充等、開発者及び関係地方公共団体の負担軽減に努めること。  五、住宅宅地供給事業の実施、地区計画制度等による建築制限の緩和等が、新たな地価の高騰を招くことのないよう、民間事業者による乱開発土地の買い占め、投機的取引を厳しく抑制するよう指導するとともに、国土利用計画法の適確かつ機動的な運用に努めること。  六、地区計画制度及び住宅高度利用地区計画制度により容積率等を緩和する場合には、周辺の住居環境の悪化をもたらさないよう十分配慮すること。  七、遊休土地転換利用促進地区制度については、低・未利用地の判定基準等適用要件の明確化を図り、その積極的な運用に努めること。なお、遊休土地転換利用促進地区内の国公有地の有効利用促進に特に留意すること。  八、大都市地域における土地住宅問題の解決に資するため、行政機関等の移転構想を早急に策定し、その具体化を図り、諸機能の分散を強力に推進すること。  右決議する。  以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
  236. 対馬孝且

    委員長対馬孝且君) ただいま小川君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  237. 対馬孝且

    委員長対馬孝且君) 全会一致と認めます。よって、小川君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、綿貫建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。綿貫建設大臣。
  238. 綿貫民輔

    ○国務大臣(綿貫民輔君) 大都市地域における住宅地等供給促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案並びに都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。  審議中における委員各位の御高見につきましては、今後その趣旨を生かすよう努めてまいりますとともに、ただいま議決になりました附帯決議につきましてもその趣旨を十分に尊重して努力する所存でございます。  ここに本法案の審議を終わるに際し、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。どうもありがとうございました。
  239. 対馬孝且

    委員長対馬孝且君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  240. 対馬孝且

    委員長対馬孝且君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十二分散会