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政府委員(
長谷川慧重君) 腎症候性出血熱につきましては、このウイルス病部会におきます重要な課題の
一つでございます。そういう面で、部会が開かれますときに、それぞれの
研究者が
研究したものについて発表されるということは続いているものというぐあいに
考えます。
ただ、腎症候性出血熱につきましては、いわゆる韓国において一番多く発生しているといいますか、そういう
事例が多うございまして、韓国の中にそういう動物なりあるいは罹患して亡くなった方の症例も多うございまして、そういう面での素材といいますか、材料と言ったら失礼かもしれませんけれども、そういう
研究のもとになりますのは韓国側にある、あるいはそこから提供を受けているアメリカの軍の
関係にあるというのは事実でございます。そういう面で、これについての
研究をやります場合には、材料を得る、素材を得るというような意味からいいましても、そういうものの提供をどうしても必要としている事実は確かにあるかと思います。
しかしながら、この腎症候性出血熱につきましては、これは韓国のみならず中国、ソ連においてもかなり発生しておりますし、
日本においても、過去において大阪、あるいは各大学等の
研究所において罹患をして死亡した
事例等もございます。現実に町の中におりますネズミ等をとらえまして一部調べた
事例を見ますと、これの抗体陽性の
事例も見られるわけでございますので、現時点で
患者の発生がないとは言いながらも発生のおそれもございますので、そういう面でこの韓国型出血熱につきましての病因の
研究なりあるいは診断法の
研究といいますのは、どうしても予研としましても、私どもとしてもやっておかなきゃならない課題であろうというぐあいに思うわけでございます。
それがすぐに軍事の
研究につながるということではございませんけれども、国民の安全の確保のために、あるいは東南アジアに蔓延しております韓国型出血熱の病因究明なり
治療法の解明という問題につきましては、やはり
研究を続ける必要があるものというぐあいに理解いたしておりまして、
先生の御
指摘のような軍の
関係のためにやっているということにはならないものというぐあいに理解いたしております。