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1990-04-20 第118回国会 参議院 科学技術特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二年四月二十日(金曜日)    午前十時三十一分開会     ─────────────    委員異動  三月六日     辞任         補欠選任      長谷川 信君     後藤 正夫君  四月二十日     辞任         補欠選任      種田  誠君     喜岡  淳君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         中西 珠子君     理 事                 岡部 三郎君                 吉川 芳男君                 稲村 稔夫君                 中川 嘉美君     委 員                 岡野  裕君                 後藤 正夫君                 谷川 寛三君                 福田 宏一君                 前島英三郎君                 喜岡  淳君                 庄司  中君                 松前 達郎君                 三上 隆雄君                 吉川 春子君                 新坂 一雄君                 小西 博行君    国務大臣        国 務 大 臣        (科学技術庁長        官)       大島 友治君    政府委員        科学技術庁長官        官房長      平野 拓也君        科学技術庁長官        官房審議官    井田 勝久君        科学技術庁長官        官房会計課長   中村 光弘君        科学技術庁科学        技術政策局長   石塚  貢君        科学技術庁科学        技術振興局長   角南  立君        科学技術庁研究        開発局長     須田 忠義君        科学技術庁原子        力局長      緒方謙二郎君        科学技術庁原子        力安全局長    村上 健一君    事務局側        第三特別調査室        長        大平 芳弘君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○科学技術振興対策樹立に関する調査  (科学技術振興のための基本施策に関する件)  (平成年度科学技術庁関係予算に関する件)     ─────────────
  2. 中西珠子

    委員長中西珠子君) ただいまから科学技術特別委員会を開会いたします。  議事に先立ち、一言申し上げます。  本院副議長小野明君は、昨日、急性肺炎のため逝去されました。まことに哀悼痛惜にたえません。  ここに、皆様とともに謹んで黙祷をささげ、哀悼の意を表しまして御冥福をお祈りいたしたいと存じます。  どうぞ御起立をお願いいたします。黙祷。    〔総員起立黙祷
  3. 中西珠子

    委員長中西珠子君) 黙祷を終わります。御着席願います。     ─────────────
  4. 中西珠子

    委員長中西珠子君) 委員異動について御報告いたします。  去る三月六日、長谷川信君が委員辞任され、その補欠として後藤正夫君が選任されました。  また、本日、種田誠君が委員辞任され、その補欠として喜岡淳君が選任されました。     ─────────────
  5. 中西珠子

    委員長中西珠子君) この際、大島科学技術庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。大島科学技術庁長官
  6. 大島友治

    国務大臣大島友治君) 先般科学技術庁長官を拝命いたしました大島友治でございます。  科学技術振興重要性が強く指摘されるこの時期に、科学技術庁長官に就任したことの重責を痛感している次第でございます。  微力ではございますが、科学技術行政責任者として、身を引き締め、全力を尽くしてまいる所存でございますので、委員長を初め諸先生方におかれましては、よろしく御指導、御鞭撻のほどを心からお願い申し上げます。     ─────────────
  7. 中西珠子

    委員長中西珠子君) 次に、科学技術振興対策樹立に関する調査を議題といたします。  まず、大島科学技術庁長官から、科学技術振興のための基本施策について、その所信を聴取いたします。大島科学技術庁長官
  8. 大島友治

    国務大臣大島友治君) 第百十八回国会に当たり、科学技術庁長官といたしまして、所信を申し述べさせていただきます。  科学技術振興は、二十一世紀に向けて我が国及び世界が安定的な発展を遂げ、平和で豊かな社会を切り開いていくために必要不可欠な最重要課題の一つであります。  今日、科学技術が、国力の向上の原動力であり、また人類共通課題解決に大きな役割を果たすものであることは、世界共通の認識であります。一方、我が国は、世界において極めて重要な地位を占めるに至り、世界貢献する日本としての施策展開が求められています。  したがって、我が国としては、国際社会における地位相応役割を果たし、より豊かな国際社会を実現するため、科学技術を通じた国際貢献を一層推進していくことが重要であります。  さらに、創造性豊かな科学技術振興は、その成果が人類共通知的資産としての性格を有するとともに、我が国立国基盤をより強固なものとすることから、今後とも積極的に推進していく必要があります。  かかる観点から、平成年度においては、人類の生存と繁栄に深くかかわる地球規模の環境問題の解決に資する科学技術推進国際貢献に資するとともに、我が国の長期的な存立の基盤を強固なものとする創造性豊かな科学技術推進我が国全体の科学技術水準向上を図り、さらに地域活性化に資するための研究開発地域展開推進重点を置きつつ各施策積極的展開を図ってまいります。  引き続き、平成年度における科学技術庁の主要な施策につきまして申し上げます。  第一は、科学技術を通じた国際社会への貢献であります。  国際社会における日本役割の増大に対応し、科学技術面での国際貢献を積極的に推進してまいります。  特に、人類の英知を結集して解決すべき地球規 模の環境問題について、その科学的解明等を進めてまいります。  また、ヒューマンフロンティアサイエンスプログラム推進を図るとともに国際的な研究交流及び科学技術情報国際流通促進を図ってまいります。  第二は、創造的・基礎的研究充実強化であります。  活力ある経済の維持発展を図り、我が国立国基盤をより強固なものとするとともに、科学技術知見人類全体の資産であるとの観点に立って、新たな科学的知見を開拓し、次代の科学技術を培う創造的・基礎的研究を積極的に推進してまいります。  第三は、科学技術振興のための基盤整備であります。  我が国全体の科学技術水準向上を図り、さらに地域活性化にも資するとの観点から研究開発地域展開を強力に推進するとともに、大型放射光施設整備科学技術情報流通促進等研究開発基盤整備推進してまいります。  第四は科学技術行政総合的推進機能強化であります。  科学技術振興調整費の拡充、科学技術政策研究充実強化広報啓発活動充実等により、科学技術行政総合的推進機能強化を図ってまいります。  第五は、原子力研究開発利用及び安全確保対策推進であります。  原子力研究開発利用につきましては、原子力我が国基軸エネルギーとして位置づけ、安全確保を大前提にその定着と着実な推進を図ってまいります。このため、核燃料サイクル確立新型動力炉開発核融合研究開発、創造的、革新的な原子力研究等推進するとともに、安全確保対策の一層の充実強化を図ってまいります。  また、国民理解協力を得るための施策を一層充実強化してまいります。  第六は、宇宙開発利用推進であります。  人類の新たな活動領域である宇宙開発利用につきましては、技術基盤確立基本とし、人工衛星ロケット等開発推進するとともに、国際協力による宇宙ステーション計画へ参加する等その総合的推進を図ってまいります。  第七は、海洋開発推進であります。  人類活動領域の拡大のために重要な海洋開発につきましては、「しんかい六五〇〇」システムの開発・運用、地球規模環境変化に大きな影響を与えている海洋変動現象実態解明を目指した海洋観測技術研究開発等総合的推進を図ってまいります。  第八は、地球科学技術研究開発推進であります。  地球観測衛星を用いたリモートセンシング技術研究開発地球規模で発生する諸現象解明研究を進めるとともに、地震予知等防災科学技術研究開発推進してまいります。  第九は、物質材料系科学技術研究開発推進であります。  物質材料系科学技術は、広範な科学技術を支える共通的・基盤的技術として重要であり、その研究開発の積極的な推進を図ってまいります。  第十は、ライフサイエンス振興であります。  広範な分野で人類の福祉の向上に資するライフサイエンスに関し、がん関連研究重点を置くほか、生体機能解明研究推進を初めとする基礎的、先導的研究開発等推進してまいります。  以上、平成年度における科学技術庁施策に関し、その概要を申し述べましたが、我が国科学技術のより一層の発展のために、私といたしましても誠心誠意努力してまいる所存でありますので、委員各位の一層の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
  9. 中西珠子

    委員長中西珠子君) 次に、平成年度科学技術庁関係予算について説明を聴取いたします。平野官房長
  10. 平野拓也

    政府委員平野拓也君) 平成年度科学技術庁関係予算概要を御説明申し上げます。  平成年度一般会計予算において、科学技術庁歳出予算額三千六百九十八億三千八百万円を計上いたしており、これを前年度当初歳出予算額と比較いたしますと、百四十三億九千六百万円、四・一%の増加となっております。また、電源開発促進対策特別会計において、科学技術庁分として、歳出予算額一千二百十一億三千七百万円を計上するほか、産業投資特別会計から日本科学技術情報センターに対し三十八億円の出資を予定いたしております。以上の各会計を合わせた科学技術庁歳出予算額は、四千九百四十七億七千五百万円となり、これを前年度の当初歳出予算額と比較いたしますと、二百八十一億五千二百万円、六%の増加となっております。  また、国庫債務負担行為限度額として、一般会計一千四百四十三億三千三百万円、電源開発促進対策特別会計二百五十億八百万円を計上いたしております。  さらに、一般会計予算予算総則において、原子力損害賠償補償契約に関する法律第八条の規定による国の契約限度額を九千三百八十四億円とするとともに、動力炉・核燃料開発事業団法第三十四条の規定により、政府が保証する借り入れ等債務限度額を三百四億円とし、これに基づく借入金を使用済み核燃料処理施設操業費等の一部に充てることといたしております。  次に、予算額のうち主要な項目につきまして、その大略を御説明申し上げます。  第一に、科学技術を通じた国際社会への積極的貢献を図るため、六百二十九億一千四百万円を計上いたしました。  このうち、主なものを申し上げますと、まず、地球環境問題に対応して、地球環境観測・監視、諸現象解明研究地球環境問題の解決に資する科学技術推進することとし、このために必要な経費として、五十二億九千百万円を計上いたしました。  また、ヒューマンフロンティアサイエンスプログラムについては、その実施主体がフランスに設立され、事業が本格的に実施されることとなったことを踏まえ、拠出金を充実することとし、このために必要な経費として十八億七千二百万円を計上いたしました。  また、外国の研究者受け入れ環境整備等国際研究交流促進するとともに、政府関係文献等いわゆるグレーリテラチャーの国際流通を図ることとし、これに必要な経費として二十四億三千八百万円を計上いたしました。  第二に、創造的・基礎的研究充実強化のため、七十八億四千七百万円を計上いたしました。  まず、科学技術振興調整費を活用して新たに科学技術特別研究員受け入れを行うこと等により、国立試験研究機関における研究活動強化を図ることといたしました。  また、平成年度に開始された若手研究者独創性に着目した基礎科学特別研究員受け入れ促進することとし、このために必要な経費として四億二千六百万円を計上いたしました。  また、創造科学技術推進事業を充実することとし、これに必要な経費として五十一億二千百万円を計上するとともに、フロンティア研究を充実することとし、これに必要な経費として二十億九千万円を計上いたしました。  第三に、科学技術振興のための基盤整備のため、百二十三億六千五百万円を計上いたしました。  まず、科学技術振興調整費を活用して、地域における産学官研究機関地域内外のすぐれた研究者を結集し基礎的、先導的研究を実施する地域流動研究を新たに実施することといたしました。  また、重要な基礎研究領域に関し、高い研究ポテンシャルを有する地域において基礎研究推進するため、フロンティア研究地域においても展開することとし、これに必要な経費として二億六千百万円を計上いたしました。  さらに、地域における研究開発高度化促進等のために必要な経費として四億六千六百万円を計上いたしました。  また、大型放射光施設について、後年度負担平準化を前提として、加速器試行開発建物設計等を実施することとし、これに必要な経費として二十八億百万円を計上いたしました。  また、産学官研究交流促進するために必要な経費として三十億五千五百万円を計上いたしました。  さらに、日本科学技術情報センターにおける科学技術情報流通促進するために必要な経費等として、一般会計に十七億八千二百万円を計上するとともに、産業投資特別会計から同センターに対し三十八億円の出資を予定いたしております。  第四に、科学技術行政総合的展開を図るための経費として百八億三千七百万円を計上いたしました。  まず、科学技術会議の方針に沿って重要研究業務総合推進調整を行うため科学技術振興調整費として百二億円を計上するとともに、科学技術政策研究充実強化科学技術広報啓発活動推進に必要な経費等として六億三千八百万円を計上いたしました。  第五に、原子力研究開発利用及び安全対策推進のため、二千九百六十二億一千四百万円を計上いたしました。このうち、一般会計において一千七百五十億七千八百万円を計上しております。  まず、原子力安全規制行政及び核不拡散対応に必要な経費として二十億三千七百万円を計上いたしました。  次に、日本原子力研究所においては、高温工学試験研究炉建設核融合研究開発放射線高度利用研究等を進めることとし、これらに必要な経費として九百七十五億八千七百万円を計上いたしました。  また、動力炉・核燃料開発事業団においては、新型動力炉研究開発及び核燃料サイクル確立のための研究開発等を進めることとし、これらに必要な経費として五百六十六億四千三百万円を計上いたしました。  また、放射線医学総合研究所における重粒子線医学利用に関する研究、理化学研究所における重イオン科学総合研究国立試験研究機関等における原子力試験研究に必要な経費として百八十一億五千百万円を計上いたしました。  次に、電源開発促進対策特別会計歳出予算額のうち、科学技術庁分として一千二百十一億三千七百万円を計上しております。  このうち、電源立地勘定においては、国民理解協力を増進し、原子力施設立地を一層促進するための経費として二百四十一億七千七百万円を計上いたしました。  また、電源多様化勘定においては、高速増殖炉原型炉「もんじゅ」の建設核燃料サイクル確立のための研究開発等推進するための経費として九百六十九億六千万円を計上いたしました。  第六に、宇宙開発利用推進のため、一千百九十四億一千六百万円を計上いたしました。  まず、宇宙開発事業団において、地球観測プラットフォーム技術衛星等開発に着手するほか、HIIロケット開発宇宙ステーション計画への参加等を進めることとしております。これらに必要な経費として一千百六十二億九千三百万円を計上いたしました。  また、航空宇宙技術研究所における宇宙科学技術の基礎的、先行的研究を進めるための経費として二十五億六千六百万円を計上いたしました。  第七に、海洋開発推進のため、九十八億六千四百万円を計上いたしました。  このうち、海洋科学技術センターにおいて、一万メートル級無人探査機開発深海環境研究開発海洋観測技術研究開発等を行うこととし、これらに必要な経費として九十六億四千五百万円を計上いたしました。  第八に、地球科学技術研究開発推進のため、二百六十九億三千三百万円を計上いたしました。  このうち、人工衛星等を利用した地球観測技術等研究開発推進については、二百二十八億一千三百万円を計上するとともに、地震予知研究等防災科学技術研究開発推進については、二十七億八千二百万円を計上いたしました。  第九に、超電導材料研究マルチコア・プロジェクトの推進等物質材料系科学技術研究開発推進のため百三十六億七千五百万円を計上いたしました。  第十に、がん関連研究、脳・神経系研究等ライフサイエンス振興のため、百九十億八千百万円を計上いたしました。  最後に、革新航空宇宙輸送要素技術研究等その他の重要な総合研究推進するため、百八十二億一千万円を計上いたしております。  以上簡単でございますが、平成年度科学技術庁関係予算につきましてその大略を御説明申し上げました。
  11. 中西珠子

    委員長中西珠子君) 以上で所信の表明及び予算説明は終了いたしました。  本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十時四十九分散会