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冬柴委員 今
総理は、もう一切前言を修正したり、訂正したり、ニュアンスが変わったり、そういうことは一切ないんだという力強い言葉を承りました。
そこで、次に
防衛庁長官に、
質問通告していない事項ですけれども、
長官は、まだ議事録ができていないようですけれども、昨日、同僚議員の質疑に答えられまして、いわゆる次期防について、艦艇や航空機の取得については三ないし五年を必要とし、施設建設も数年要する。単年度のものでなく一定期間を設け、
整備の総額を明示することが合理的と
考えている。それからまた、次期防では量的な面より質的向上を図り、特に後方
整備に重点を置きたい。このように述べられたと私は聞いていたのです。それは間違いないと思うのですが、その点に関しまして
防衛計画の大綱、五十一年の十月二十九日に閣議決定をした
防衛計画の大綱の中に、この大綱はいわゆる「四次防までの
防衛力
整備は、三年なり五年を対象とする「
防衛力
整備計画」を決定し、これに基づき年々進められてきた。」これは書いてあることですよ。「このような計画方式はいわば「五か年固定方式」とでもいうべきものであろうが、
防衛力の量的な増強過程にあっては、それなりに適切な方式であったといえよう。 これに対して、基盤的
防衛力の
整備は「五か年固定方式」をとらずに、年々必要な決定を行ういわば「単年度方式」を主体として行うこととなった。」このように書かれておるのです。
そして、「その理由の第一は、基盤的
防衛力の
観点に立って
防衛力の現状を見ると、規模的には、すでに
目標とするところとほぼ同水準にあると判断されるため、
目標に至る過程を示す意義ないし必要性が乏しくなったことである。」これが第一点。
「第二の理由は、
防衛力が規模的に概成すれば、じ後の」、これは「概成すれば」と書いてある。これは、ちょっと私はこういう言葉は知りませんけれども、でき上がればという
意味なんでしょうか。「じ後の
整備は
防衛力の量的増強よりも、装備の更新近代化等質的な面における充実、向上を図ることが主体となるが、質的な充実、向上は、そのときどきにおける諸外国の技術的水準の動向等情況の
変化に柔軟に対応しつつ実施すべきものであることである。」これが単年度方式の理由の第二です。
「更に第三に、転換期にあり流動的な要因の多いわが国
経済財政事情からしても、従来のような「五か年固定方式」の
整備計画を決定し、あらかじめ
防衛費の大わくを決めることは適当でなく、年々の
経済財政事情等を勘案しつつ、弾力的に対処しうる方が適当であると
考えられることである。」ここで「転換期にあり流動的な要因の多いわが国
経済財政事情からしても」というところを「激動する国際状況からしても」と読みかえてもおかしくない表現だと思うのです。
この三つの理由を挙げまして、この
防衛計画の大綱では単年度方式を採用したわけです。採用した理由をこういうふうに三つの理由を挙げているわけです。
しかも、念を入れて、「このような理由から、今後の
防衛力
整備は、原則として「単年度方式」により行われることとなった。ここで「原則として」とあるのは、ある特定の
整備事項、例えば新戦闘機(F—X)や次期対港機(PX—L)等の導入について、特にその必要が認められれば、当該事項に限って一定期間にわたる計画を策定することまでも排斥する趣旨ではないからである。」こんなに詳しく、単年度方式を採用する方が実情に合っているし、すぐれているんだ。これは閣議決定した
文書ですよ。
それに対して
長官が昨日同僚議員に答えられたところは、艦艇や航空機が取得に時間がかかる、だから三年ないし五年がいいんだというような発言は、この閣議決定から比べますと非常に根拠が薄弱なように思われるわけです。どうですか。その点についてお答えをいただきたいと思います。