○中村(巖)
委員 子々孫々の問題についても、とりあえずじゃ今度は一九七一年一月十七日以降出生した三世で、現に来年の一月十六日までに生まれている人について
協定してみたところでこれはしようがないので、また次々問題を先送りにするばかりですから、これはやはり子々孫々までの問題をここで抜本的に
解決をしておかなければしようがないのだというふうに思うわけでございます。
それと同時にまた、問題それ自体を何とか抜本的に
解決しなければいけないのじゃないかということでございまして、
日本の
法体系に固執をしておるということであると、その子々孫々というか永住権の問題はいいかもわかりませんけれども、
法的地位の問題というものがずっと後々まで問題を残していく、そのたびにいろいろな問題が起こってきて、今回一応何とかおっつけた、おっつけたというのは言葉は悪いけれども、したとしても、また次から次へと問題が起こっていくことになるのだろうと思っております。この際抜本的に
解決する方策を講じなければならない。
それには、今のような
日本の
政府の対応の仕方ではこれはだめなのじゃないか。つまり、
法務省はこうだこうだということを言って、今の外登法を崩せないんだ、こういうことをおっしゃり、文部省はこうなんだこうなんだ、自治省はこうだ、それぞれが自分の所管
関係の
法律に固執をしている、こういうことでは一切
解決になっていかないのだろうと思っているわけでございまして、もう少し事務当局的なそんな協調をするのではなくて、
日本政府が打って一丸となった
解決方法を講じていくということが大切だろうと思っているわけでございます。ある意味ではそれは
政治的決断というふうにいうものなのかもしれませんけれども、そういうことをしていかなければならない。
その場合に、
日本と
韓国との従来の
歴史的な
関係というものを重視する、あるいは
在日の
韓国・朝鮮人の二世、三世の置かれている
状況というものを重視するということでなければしようがないので、ただ単に、
日本が
韓国を併合した、そのこと自体が悪かったという反省に立つというそれたけの問題ではなくて、かつて
日本の
国籍を有しておったんだということ、さらにはまた、その人たちが
日本で生まれて
日本で育ち、今多くの
在日韓国・朝鮮人はほとんどが
日本で生まれて
日本で育っているという
状況の中で、
日本的な発想方法を持ち、
日本的な感性を持ち、それは
日本の
社会にある意味では、言葉は悪いけれども、同化をしているような
状況にある。ただ、
国籍だけは手離したくないんだ、こういうような中でで今暮らしている
状況、これを考えたときにやはりそれに応じたことを考えなければならない。
日本のその人たちに対する責任というものを考えなければならないのじゃなかろうかと思っているわけです。
過去の
歴史をたどれば、強制的に連行されてきたとかいろいろなことがあります。そういうものをすべて総合した上に立った大胆な
政治的決断というものが必要であると思うわけでありまして、午前中の質問でも
太田誠一委員は、
アメリカにおいても
日本人に対して救済をしたではないか、こういうことを指摘されましたし、また、今の世の中は、ソビエトでさえカチンの森の
事件について、これは自分がやったんだということを認めて謝るという時代でございますから、そういう認識に立たないと
日本が国際的な孤児になってしまう、こういうことだろうと思っておりまして、概括的に
大臣、いかがですか。