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山本国務
大臣 お答えをいたします。
まず冒頭に、この
委員会の場をおかりいたしまして
国民の皆様に申し上げますが、つい先ほど、十時半でございましたか、
米価審議会に対しまして、先ほど来
説明のありました
政府の
米価についての
諮問をいたしました。今明日二日間、
米審でしっかり議論をしていただく、そしてぜひ答申をちょうだいいたしたい、こういう旨のごあいさつとお願いを先ほど来してまいったことをまず申し上げたいと思っております。
それから、先ほど先生からいろいろ御質問がございまして、三方一両損、こういうお言葉も出たのでございますが、これは私ども、いろいろ苦心、苦労もいたしました。しかし、一番苦労しているのは
生産者の
皆さんでございますから、その
生産者の
皆さんのお気持ちなり流した汗なりを中心にいたしまして我々の案を固めた、こういうことでございまして、もし三方一両損ということがあるとすれば、将来は三方一両も二両も得をするようなところへ向かって前進をするために本年の案を私どもは考えたものでありますということを申し上げたいと思うのであります。
そこで、まず
ウルグアイ・ラウンドの問題にお触れでございますが、これは本
会議でもあるいは予算
委員会でも当
委員会でも繰り返し申し上げてまいりました。いよいよ七月に入りまして、
ウルグアイ・ラウンド夏の陣、これから、秋から年末に向かいまして、ジュネーブを中心にいたしましてさまざまな
交渉が積み重ねられていくということに相なろうと思います。
しかし、私どもは、従来申し上げてきたような
我が国の方針に沿ってこれをどうしても貫いていく、
国内産で米は自給するということを中心にいたしまして昨年十一月に提案をいたしました、その提案をぜひ世界各国に理解をしていただくという
立場でこれからもやってまいりたいというふうに考えております。
そこで、
国内産で米を自給していく、先生から国是というお話がございましたし、もちろん衆参の御決議もございまして、これは大変重いものだと私どもは受けとめておりますが、この自給方針を貫くためにも、
国民各界各層の理解を得ることが非常に重要だというふうに考えております。
そのためには、一方では、
稲作の
生産性の向上とコストの低減を通じて
国民の皆様、
消費者の皆様に
納得していただくような
価格で安定的に、しかも安全な米が提供されなければならない、そういう
観点を維持しつつ、冒頭申し上げた、
生産者の
皆さんの血と汗をどうやってこの
米価に反映していくかということだと思うのであります。
なお、申し上げるまでもございませんけれども、この決定に
当たりましては、
食管法第三条第二項におきまして、
生産者米価は
生産費及び
物価その他の
経済事情を参酌して決定するということになっておりまして、そういう意味では、
国際情勢を
算定に加えることはあり得ないということを申し上げたいと思うわけでございます。
それから、どうも
算定方式がことしは新しくなった、これは去年、おととしの経過、先生からも御指摘がございましたが、それらも十分踏まえた上で前広
米審の二十五、二十九日でも議論していただいたわけでございますけれども、この新しい
算定方式をことしは提案し、それに基づいて
試算した、こういうことでございます。何か最初に値下げありきみたいなお気持ちも
農家の方にあるという発言でございますが、そういうことは絶対ございません。これはもう申し上げるまでもございませんけれども、今までのいろいろな
事情がございましたが、特に去年あたり指摘されましたことは、一・五ヘクタール以上の数字を
基礎数字に置くということではでか過ぎはしないか、うちの方の
農家はもっと小さいのだよ、その小さいところの数値というものがあらわれるようなきめの細かい配慮が必要だという去年以来のお話がございまして、それらを、食糧庁といたしましては、とにかく、若い方が中心になっていろいろなデータを使いながら、基本的な精神としては、各
農業地域、ブロックがございますが、北海道から沖縄まで九ブロックございますが、そのブロックの各
地域の
平均的な
水準よりも高い
生産性を汗を流して実現しているような
農家、これはその
地域の
稲作を実質的に担っている
農家、中核
農家、中核
農家という言葉を私どもここで使いましたけれども、それはその
地域では中核
農家なんだ、あるいは将来中核
農家になっていくものなんだという
考え方で、その
地域地域の実情に応じてそれを計算
基礎の中に入れた、すなわち、従来の
皆さん方のお考えを入れてかなりきめ細かくやらせていただいてこの
算定方式を採用したということを御理解賜りたいと思っております。
それから、良質米奨励金の話は最後にちょっと触れられましたが、良質米奨励金につきましては、これができましてから十四年経過をいたします。一方では、これはもう役割を果たしたのじゃないかという御
意見もございますし、また一方では、いや、これはコストに入っているのだという御
意見もございます。
そこで、ことしはこういう
考え方に立ってやらせていただきました。一つは、適正な集荷、流通の
確保、二つは、自主流通計画に即した流通の
確保、三つは、良質米の
生産の安定、四つは、上位等級の出荷誘導など、こういう
観点をずっと洗い直しまして、
自主流通米というものはもう流通の大宗を占めた、六ないし七割ということでございますから、これを制度の中心に据えて考えていかなければならないということで、
自主流通米を前面に出して従来の良質米と切りかえたというか、そこから前進をしたという
考え方に沿ってやったことでございます。
以上でございます。