○日吉
政府委員 具体的な御
指摘もございましたので、御
指摘の点につきましてお答え申し上げたいと思います。
例えばF15について御例示をなさいましたけれども、F15、すなわち戦闘機
部隊の
考え方でございますが、これはF15ばかりではございませんで、現在まだファントムも残っておりますし、それからF1という支援戦闘機もあるわけでございます。そういう機種が混在しているわけでございますが、私どもの防空の物の
考え方といいますのは、大綱に示されておりますように、平時におきましては領空侵犯等に適切に対処し得るようにする、それから有事におきましては航空侵攻に対しまして限定、小規模な侵攻にとにかく原則的に初動において対応できるようなものというようなことで
考えているわけでございます。
そんな
考え方で、日本の地理的な特性それから現実に使えます航空基地、これは現在七つあるわけでございますが、こういうことを
考えまして、主として平時において
考えた場合に、五分待機、十五分待機というような形で航空機を待機させまして平時において二十四時間領空侵犯等に適切に対処し得るようにするというような形で機数をはじきます。その場合にも、航空機そのものの物理的な機数からだけではありませんで、これには熟練したパイロットが搭乗しないといけませんので、その疲労とか技能保持のための
所要、こういうような線を合算いたしまして、私三機種の名前を申し上げましたけれども、現在ございますようにF15を含めまして、これらの機種で全体的に三百五十機程度が要るのではないかというのが大綱の
考え方でございまして、そういうふうな
考え方に基づいて
整備をいたしているわけでございます。あくまでも平時から警戒態勢に重点を置いた形で
我が国の地理的な特性を勘案して計算いたしました機数がそういう機数になっており、その中の一部分をF15が占めているというような
状況にある点を御理解を賜りたいと思います。
それから
防衛費につきましての御
指摘がございまして、国際参事官の方からお答えがありましたけれども、兵力を比較いたしましたときには、金額の
防衛費というようなことよりもむしろストックの概念として兵力をどれだけ保有しているかというような
観点から御
検討いただくのが適切ではないかと思います。
そういうことを
考えますと、
我が国は陸上
自衛隊では十六万人足らずというのが現実の数字でございますし、陸海空合わせましても定数では二十七万程度というような
状況でございます。これに対しまして、日本の周辺諸国ではそれよりさらに大きな、けたの違うような数字があるという点はもう御存じのとおりだと思います。
ヨーロッパに目を移しましても、地上軍といたしましては西独では三十万を超しておりますし、フランスも三十万程度はございます。それから海上兵力で申しましても、ヨーロッパ諸国と比較するのがある
意味では適当かと思いますのでそういう点で申し上げますと、日本の場合にはトン数では三十万トン弱、百五十隻程度でございますけれども、英国では百万トンを超しておりまして、五百隻になんなんといたしておりますし、フランス等も
我が国よりトン数、隻数、いずれも上回っているというような
状況でございます。
それから、F15に関連いたします作戦用航空機でございますけれども、これはただいま私、戦闘機を中心にいたしまして約三百五十機と申しましたが、それ以外の作戦機的なものも加えたといたしましても
我が国は約四百機程度でございます。英国、西独、フランスはいずれも七百機程度、
我が国の倍近い数量を持っているというような
状況でございまして、兵力の中身を子細にごらんいただきますと、決して
我が国の
防衛力というものが大きなものであるというふうには言い得ないのではないか、かように
考えております。