○
岡部政府委員 この
中退金制度は
共済制度でございまして、単なる積立金
制度ではないという性格をまず御理解賜りたいと存ずるわけでございます。すなわち、この
制度はまず
事業主が拠出する
掛金とその
運用利息をもちまして財源としているわけでございますが、
退職金の額は、
一定の短期勤続者については
掛金の額を下回る、長期勤続者の場合は
退職金を手厚くするということでめり張りをつけているわけでございます。これは民間におきましても、勤続年数が長くなれば
退職金が有利になるというふうな
制度が我が国の一般的な
退職金力ーブでございまして、それからまた、
退職金制度そのものが歴史的に、
企業に長く働いてほしいというふうな願望、要請から発展してきたような
制度でもございます。したがいまして、我が国全般の
退職金力ーブを参考にいたしまして中退の
退職金力ーブも構築するわけでございますが、短期勤続者はやはり
掛金の額を下回って
支給され、長期勤続者は厚くなる、こういう仕組みをまず御理解賜りたいと思うのでございます。
そこへパートタイムについての
加入を
促進した場合に、パートというのは年限が短いから掛け捨て、掛け損ばかりじゃないか、こういう
お尋ねでごさいます。最近のパートの実態を見ますと、割と勤続年数が延びてきているわけでございます。まず、雇用期間を定めている者、定めていない者を見ますというと、中小零細におきましては七〇%くらいの方が雇用期間の定めなし、つまり一年なら一年とか二カ月更新とかそういうことをせずに、期間の定めのない雇用契約の形態でございます。そして、平均勤続期間が幾らかと申しますと、四・一年でございますが、しかしすぐおやめになる、本当の臨時に働いた人を除きまして、勤続一年以上のパートさんを把握いたしますと、平均勤続期間は五・六年でございます。常用
労働者の女子が大体七年台であったと思いますが、これは余り差がないような、パートといっても実は長いんだぞというのが最近のパートさんであろうかと思うのでございます。したがいまして、このようなごく最初の
部分が掛け捨て、掛け損
部分がございますが、平均勤続の五・六年というふうなことになりますと、お喜びいただけるような内容のものを
支給できるのではないかというふうにも考えるわけでございます。
なお、今回パートの幅を広げるというふうな
措置を講じたわけでございますが、しかしながら、私
どもまだまだ研究が足りない点があるということを認識いたしております。
例えば、パートというのはそもそも
退職金制度になじむのか、あるいはまた
事業主はパートを入れようとするだろうかというふうな声が審議会でもございました。それからまた、このパートに関する
制度運営のあり方はどうだろうか。例えば数カ月程度の短期で
退職する者に事務費等の負担をかけて、その数カ月に見合う
退職金を支払うというふうなことにするのかどうかといういろんな議論がございました。したがいまして、パートにつきましては、今後さらにこの
制度がどのようにあるべきか研究を進めてまいりたいというふうに考えております。