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松前委員 今のような質問を
科学技術庁に出しますと、これはすぐ
資源エネルギー庁ということで、そちらの方からのお答えになってしまうということなんでございます。
大体この
エネルギー問題というのは、今実用化の段階に入っているとおっしゃいましたけれ
ども、これは非常に多岐多様にわたる研究を促進しなければいけないのですね。今実用化になろう、なりそうな感じがするような
エネルギー源というものが果たして本当に世の中に出ていくことができるかどうかというのは、これはこれからの検討ですけれ
ども、なかなかこれは難しいとおっしゃった。それで、いろいろな省
エネルギー等でもってある程度の削減ができるとか、そういうことをおっしゃいましたけれ
ども、今おっしゃったようなことはすべて焼け石に水だと私は思うのですね。だからもっといろいろな新しい創造的な科学技術を駆使して、自然
エネルギーも含めて、バイオテクノロジーも含めて、さまざまな面での研究促進をするということが、これは
科学技術庁でやるべき仕事ではないだろうかと私は思うのでございますが、その辺がちっとも答えが出てこない。いつも
資源エネルギー庁の今の
現実の、もう実用化寸前のものの話ばかり出てくるということであれば、これは大変寂しいと私は思うわけです。
なぜこんなことを申し上げるかというと、世界のことをちょっと考えなければいけないと思うのです、もう世界の
日本になったのだから。こんなでかい話をして、何だ、
現実的じゃないじゃないかと言うかもしれないけれ
ども、これは
現実じゃないかと私は思うのですね。というのは、世界の将来の人口は大体幾らになるかというと、あと五十年先ぐらいには予測によると百億人ぐらいに達するという予測だって出ておりますね。こうなるかどうかわかりませんよ。だけれ
ども、今のままでいきますと百億人ぐらい。ところがこの人たちが飢えて苦しんでいれば、それでは
エネルギーを使わないからいいかもしれないけれ
ども、そういう世界の人たちが人並みの生活をする、させるということがやはり我々の人類としての責務ではないだろうかと思います。そういうことになれば、どこの国だって一生懸命生活向上のための努力はする、また新しい技術も導入する、
エネルギーも使う、そして
日本もそういう国に対して援助をする、そうしますと
日本並みの生活をすることもある可能性が出てくる、そこまでやはり考えておかなければいけない。その前の段階の、そういうことは絶対ないのだ、その途中の段階のもうちょっと前の飢え苦しんでいる人がいるような状況だけを想定して考えていったのでは、
日本はもう既に世界に対して物を言えないじゃないか、そう思うのですね。
それで百億人の人を考えてみると、
日本人並みの生活をするとしたら、今世界で使われております一次資源の供給量は石油換算で八十億トン年ぐらいですね、このぐらいですけれ
ども、これの大体三・八倍ぐらいを使う。三・八倍というと相当なすごい量ですね。そこまでいかないかもしれないけれ
ども、いかないなんて言ってはいけない、やはりそこを理想として私たち科学技術は追求をしていく必要があると思うわけです。そうなると、太陽発電とか燃料電池とか、いろいろなことを国内だけでもって考えているけれ
ども、これじゃだめだ。世界のためになるような
エネルギーの研究、創造的な技術開発、これをやはり
日本ではやっていくことが必要ではないだろうか。そういう資源をむだ遣いするようなものは困るから石油を使わない方向でどうのこうのなんていうようなことが単純に言われておるようでございますけれ
ども、そうではなくて、とにかく将来の世界のこの大きな動向というものを頭に入れてこれから
科学技術庁としては考えていくべきではないだろうかということを私は申し上げたいわけです。ですから創造技術というもの、これがいかに大事か。
エネルギー分野においてもその分野をこれからしっかりやっていかなければいかぬ、きちんとやっていかなければいかぬ、そして、どんどんそれについて技術者、研究者を生んでいかなければならぬ、そういうことでございます。そういう点の努力はどのようになされておりますかということをちょっとお伺いしたいわけです。