○上野
委員 そういうことであればなおさらこのフェニックス計画は、厚生省も
運輸省と一緒になってやっているわけですから
運輸省にもお聞きしますけれ
ども、これはやはり凍結または中止をして、今のごみの問題については、法制化も含めて、先に進んでからこの問題を検討すべきじゃないかと思うのですけれ
ども、その点が第一点。したがって、フェニックス計画は凍結をしなさい、こう申し上げているわけで、この点はどうだろうかというように思います。
特にこの中で、東京湾における広域処理量という計画を見ますと、
一般廃棄物の処理は全体の約四分の一の二千五百万トンですね、二千五百万トンにすぎないのであって、あとの産業廃棄物とかあるいは陸上残土、陸上残土なんかは五〇%近いのを埋め立てをしようとしているのですね。だから、フェニックス計画と言うけれ
ども、結局はごみの処理はわずかであって、大部分は残土、建設業に対するサービスみたいな形が強く出ています。こういうことを考えても、これはもう今の時代に合わない、こう思います。
それから、
運輸省にまたお
伺いしますが、今東京湾は、正直申し上げて青潮、赤潮がしょっちゅう発生しているのですね。これからまた出るでしょう。その
一つの原因は、前にしゅんせつをして土砂を掘った、海底を掘ったのです。その土砂を埋め立てに使ったのですね。その跡が残っているのです、穴ぼこに。月の表面みたいにもうあばたの状態です。そこにたまったいわゆる酸素のない海水が時折気象の
関係で上に出てくる。これが青潮になったり、あるいは赤潮とも
関係するでしょうけれ
ども、そういうものになっている。
ところが、今、東京湾横断道から出た土砂で、これをまた少し埋め戻しているのですね。捨てる場所がないものですからこの穴に埋めているという。こういうまことにむちゃくちゃなやり方で東京湾を破壊しているわけですよ。ですから、そういう意味では、もう埋め立てをやるなんということは、どだい、
環境破壊がもうここまで来ているのになおやろうとしていること自体がおかしいと思います。そこで、この港湾の整備だという形が
強く、後はそうなっています。
それから、その後の利用計画も、私
どもは、東京湾の過密を一層
促進する形になっている、こう思われます。したがってそういう意味で、
運輸省も、このごみ処理の問題も、今申し上げたようないろいろな問題点を持っていますし、そういう意味では、東京湾をもうこれ以上狭くすることは無理だし、東京湾の
環境保全という立場からも、もっと先にやらなきゃならぬことが山積しているんじゃないか。
しかも、役所というのはこの点が困るのですけれ
ども、
環境庁企画調整局編で、「東京湾・その保全と創造に向けて」というのがあるのです。これを読みますと、今
運輸省や厚生省が考えているフェニックス計画とか埋め立てなんというのはやることができないようになるのです、まともに読めばですよ。変な目で見れば別ですけれ
ども、まともに見ればそういうようになります。
そういうように、一方では
環境庁ではそういう方向を出している。それなのに一方では、さっき言った沖合人工島な
ども含めて、港湾
局長なんかでもこれを推進するなんということを言っている。まことに矛盾した形がとられていますし、やはり東京湾を守ることをもっと真剣に考えるべきじゃないか。その上に立って総合的な計画を考えるべきだと思いますが、そういう東京湾全体が、今いろいろな形で役所がばらばらになっていますが、それを乗り越えて、最後は
大臣にお聞きしたいのですけれ
ども、東京湾の総合的な計画、保全とこれからの東京湾の運営を含めて、総合的な計画、対策を考えるつもりはないのかどうか。これは考えなきゃならぬと思いますが、御
答弁をいただきたい。