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石井一二君 いずれにしても、我々が健全なる財政状態をつくるためには、かっちりと歳入を確保するということとできるだけ歳出を抑えるということが基本であろうと
思いますが、例えば
高齢化時代を迎えて今
国民医療費は年々一兆円ぐらいのペースで伸びておることは御高承のとおりでございます。我々金額の高い数字を並べておりますと、つい一兆円、二兆円、五兆円というように簡単に申しますが、一兆円の重みというものは極めて重いものがあると私は平素から理解をいたしておるものでございます。
先般、たまたま私が自由民主党遊説
局長ということもございまして、茨城の参議院議員補欠選挙に
総理とともに私は三度行ってまいりました。我々の
消費税見直しをも含め、また新生自由民主党の姿勢というものが評価をされて我が党は勝つことができましたけれ
ども、たまたま今席をお立ちでございますが、そのとき
総理が県民の
皆さんに対して、一兆円の重みを示すために次のような演説をされたことを私は非常に印象深く受け取ったわけでございます。
総理がおられないのが残念でございますが、今ごろくしゃみをしておられるかもわかりません。
いわく、県民の
皆さん、こうおっしゃったわけであります。一兆円は大きな金であります。例えば神武天皇に始まって歴代の天皇が毎日毎日百万円ずつ使ったとしたらどうなるとお
思いでしょうか。今は平成でございますが、その前は
昭和、そして大正、明治とさかのぼるわけでございますが、初代天皇神武天皇、綏靖、安寧、懿徳、孝昭、孝安、孝霊、孝元、開化、崇神、これは
総理がそこで言われた。こういうぐあいに順々に言ってまいりますと、一日で百万円、百日で一億円、一年三億六千五百万円。こういうことになってまいりますと、紀元二千六百年でおよそ八千六百億円、なかなかこの一兆円というものは大きなお金ですよということを申されました。その大きなお金が積もり積もって
我が国は今、公債の残高というものが百六十兆円になんなんとしておることは御高承のとおりでございます。今
総理がお帰りになりました。あなたのことを申しておりました。
さて、この百六十兆円でございますが、
国民一人当たり約百三十万円、仮に四人家族といたしますとその家族の収入は五百二十万円になりますから、勤労者一世帯当たりの年間可処分
所得を上回るというものでございました。一日に百万円ずつ使うとしても、先ほど申しましたが、四十四万年かかるというすごいものでございます。
我が国は、今青函トンネルの事業費で五千二百億円、関西国際空港事業費で約一兆円、明石海峡大橋の事業で約一兆円。いかにこの一兆円あるいはまた百六十兆円というものが大きいかということを我々は認識して今後のいろんな
税制改革並びに財政論議に臨みたい、まずそう思っておるものでございます。
大蔵大臣、こういった中で財源を確保するということの重要さの中で自然増収についていろんな論議がございます。
私は、幸いにもことしの七月二十三日の参議院の選挙で当選をいたしましたけれ
ども、その三日前の日経新聞に、「
消費税見直し?廃止? 与野党の
改革案総点検」という記事が出ておったわけであります。有権者の
皆さん、恐らくこの記事を見てだれに入れようかということを決めた方も多いわけでございますが、その中で
社会党さんは三兆円とお書きになっておる。これは新聞が書いておるんですから言うてないと言われたらそれまでですが、
社会党のほかの書類にもそう書いてございます。公明党さんは三千億と一けた違った数字を挙げておられます。
私は、ここに一枚のパネルを持ってまいりました。(資料を示す)どんどんどんどん
一般会計の
総額の黒いカーブは、表は大きいですが裏は小さいんですが、同じあれでございます。上っていっておりますけれ
ども、赤い自然増収というものはいかに不安定であるかということを御認識いただきたいわけでございまして、私は良識ある
国民が、また将来政権をもとらんという
政党が本気で自然増収というものに大きく依存しようと思っておるとは思わないわけでございますが、この点
大蔵大臣、いかがお
考えか、御所見を賜りたいと
思います。