○大矢
委員 先ほどから草川
委員によりますNTTの中間答申について、詳細にわたっての御質問がございました。私も全く同
意見でございまして、その点についてまず大臣に私なりの考え方を聞いていただいて、御所見を承りたいと思います。
御承知のように
国会というところは民意を反映していく、その中で参議院が、理由はともあれ、ああいう形でこれから六年、向こう九年とも何年とも言われておりますように、今までの自民党が過半数を割っていった。そういう中での政局、そして、次の衆議院の総選挙で自民党が再び過半数、安定多数をとられるか、または野党が参議院同様に勝利をするかは別といたしまして、参議院におきまして自民党が従来の過半数割れを来した、そういう中での行政、政策の決定等につきましては、従来でありますと、自民党の部会でもってすべてを決定をしていって、それが衆議院にかかり参議院にかかって、時間が過ぎればそのとおりになるんだということでございますけれ
ども、そういうことが一変したわけであります。
私
どもは、一部の考え方の違う方は別といたしまして、
国民に対して責任を負う政党として、一致点を見出しながら
国民に奉仕をする形で政治というものを行っていかなければならぬ。その場がこの
決算委員会の場でもあるわけでございまして、
中村委員長の指導よろしきを得て円満に進めておるわけであります。
そうなってまいりますと、ただいま草川
委員からもいろいろ御
意見ございましたように、その中間答申なるもの、従来は、私
どもが非常に大ざっぱに考えて、非常に失礼なのでございますけれ
ども、俗に
審議会が隠れみのだと言われておるそういう形の中で、
郵政省がどういう
方向にどうやっていきたいのか、今まではそういう考え方と自民党の部会という形の中でそれのすり合わせができていけば、これはすべて世の中円満にいくのだというような
運営をされてきた。それに対してノーだという答えで、この問題につきましては、まず先に分離分割ありきという形の中で推し進めていこうとするには少し無理があるのではないか。そういう中でいろいろな議論がございますけれ
ども、やはり
国民に奉仕をするということ、そしてそれと同時に、やはりそこに長い間努力をしてこられた、同じ官営といいながら国鉄ということもございますし、また事情が違いましょうけれ
ども、NTT、その中で努力をしてこられた人たち、そしてその労使慣行、いろいろなことを踏んまえながらやはり政治的にも判断をし、どのようであるべきかということを衆知を集めて決定をしていく、そういう状態でなければならぬと思います。
たまたまこの
審議会にいたしましても、新しい新電電と申しますか三社、それを見ておりますと、
日本高速通信株式会社、これが資本金が百二十五億円だそうであります。そして第二電電、
日本テレコム、こういう三社と今のNTTとがどうあるべきかということの中でいろいろな議論が出ていると思いますけれ
ども、その中の一番大きな
日本高速通信株式会社の大株主でございます、六・一八%をお持ちになっておられるトヨタの会長の豊田英二さん、この方が
審議会の会長も兼ねていらっしゃるということになりますと、この方自身は非常に公平な方であり、このことについての識見をお持ちであろうと思いますけれ
ども、やはりそういう方を会長としてできてくる
審議会の答申そのものが、何か第三者から見ておりますと、それ自体が出発点が間違っているのではないかというような気もするわけであります。
そういうことも含めて、そういうことがないように、やはり
国民と今申しましたようにそこに働く人たちが汗をかいて、そしてまじめにやってきて、そして
国民全体に喜んでいただき、また新しい三社も一緒になって
国民に奉仕ができる姿はどうあるべきかということを真剣に結論づけていきたい、そのための
審議会でなくてはならぬと私は思いますし、そういうことで本答申が出てくるように、
先ほどの議論のように、すべてその基礎が食い違っているような形で急いで本答申をすべきでないというふうに私自身も考えますし、決してそれ自身が将来に向けてのいい答えにはならないと思いますので、その点も含めてこの点一言だけ大臣にお答え願いたいと思います。