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神崎委員 今の御答弁ですと、開発
途上国は十三カ国であるということでございますが、そういたしますと、先ほどの振り分けで国連モデル
条約の精神というものがその十三カ国の
条約にも取り入れられておらねばならないように思うわけでございます。この点については御答弁は求めませんけれ
ども、そういう点からも十分その精神というものが取り入れられているのかどうかという角度からもぜひ御検討をしていただきたいと思うわけでございます。
この
租税条約の問題、これは言いかえれば
国際的な税金摩擦をどう
回避するか、こういう問題になろうかと思いますけれ
ども、最近
国際租税摩擦というものがいろいろなところで生じているように思うわけでございます。例えば、これはマスコミでも報道されましたけれ
ども、「
ソ連がこれまで
課税していなかった商社など日系企業の在ソ駐在員事務所に総経費の六%に相当する法人税を
課税すると通告してきた。共産圏では
外国企業の事務所に対して経費を基準に
課税することが多いが、三%程度にとどまるのが普通で六%という率は共産圏
各国の中でも最高。」である、こういった記事が、これは日経新聞でしょうか、ことしの四月四日に報道されております。そういう面では日ソ間でも税金摩擦というものが生じているように思いますし、またもう一つ、日米間でも、これも同じく十月四日付の日経でございますけれ
ども、
アメリカの下院が
外国企業への
課税強化条項を盛り込んだ予算調整法を現在審議しているわけでございますけれ
ども、そこでも日米の税金摩擦というものが大きな問題になっているわけでございます。
特に、伝えられるところによりますと、この予算調整法の条項のうち、超過額の損金算入とか財務情報開示の義務づけとかキャピタルゲイン
課税、研究開発支出の四条項につきましては、自国企業と
相手国企業を同等に取り扱うという内国民待遇を規定いたしました日米
租税条約や日米友好通商航海
条約と矛盾しかねない、こういう
指摘もありますし、さらに財務
状況の報告の義務づけは秘密情報が漏えいする危険があるという
指摘もございます。また研究開発費の損金算入が認められないということは、日米の民間企業の共同研究に悪影響がある、こういう
指摘もあるところでございます。
このように、日ソ間あるいは日米間でもさまざまな
租税摩擦というものが現在生じているところでございますけれ
ども、このうち特に米国で現在審議されております予算調整法の今後の
見通し、また
我が国として基本的にどういうふうに考えておられるのか、そういう点を含めてお答えをいただきたい。