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宮里委員 大体わかりました。あと、もっと細かく詰めたいところもあるのでありますが、時間がございませんので、これまで松本
課長並びに水田
局長ともしばしば
話し合いをしてまいりましたように、この
問題がきょうこうしてめどがつけられる、私は皆さんの御労苦を多といたしたいと思います。そして追納分につきましては、これからまたいろいろな御
意見も出てこようかと思いますが、余り無理のないように、ひとつ適切な措置をこれから講じていただきたい、その点を御
要望申し上げておきたいと思います。
次に、主として南米日系人子弟の入国手続の
問題につきまして、法務省並びに
外務省にお
伺いをしておきたいと思います。
明治以来、
我が国は多くの移民を諸外国に出しました。とりわけその中でも
沖縄県は主要な移民県でございまして、
ハワイ、北米あるいは南米に大勢の人々が移住をしていっているのであります。御
承知のように、移住していった一世は依然として
日本国籍を持った
日本人でございますが、その子供、二世になりますと、国籍は、属地主義といいますか、生まれたところの国籍を取得するということとなってまいりますので、大抵の場合外国籍を持っているわけであります。三世になると、これはもとより外国人として登録されるわけであります。
ところで、今
我が国は
経済が非常に繁栄をいたしまして、景気も好調に推移をして、労働者の賃金も世界でトップの位置にあるわけであります。そしてまた、最近は若年労働者がほとんどホワイトカラー志向になってまいりました。ブルーカラーがいなくなってまいりました。そんなことから、
日本へ行けばアルバイトするだけでも自国で働くよりはるかに報酬が多い、こういうわけで、アジアの近隣諸国はもとより、遠く南米からも観光ビザで入域をいたしまして不法就労するという事例も起こってきております。新聞の報ずるところによりますと、そこへつけ込んで、悪質なブローカーまがいの旅行業者な
ども出てまいりました。そしてそれを企業側にあっせんをいたしまして給料をピンはねするということな
ども伝えられております。
ところで、
考えてみますと、二世、三世というのはもともと肉体も魂も
日本人と同様でございます。そしてまた、それらの人々は、それぞれ
日本国内に親戚や縁者がいっぱいおるわけでありまして、この際
日本を訪れて、あるいは
日本へ参りまして親戚縁者との親交あるいは
交流を深め、相互扶助を求める、そして
日本語などを勉強しながら自分を磨き、場合によっては親戚縁者を頼って
日本へ定住するという人々もいておかしくないと思います。特に
沖縄の場合は、
沖縄戦で灰じんになりまして、そのころ戦前はもとよりでございますが、南米からの仕送りが
沖縄の戦後の復興にも大変に役立ったわけでありまして、言うならばかなり御恩もあるわけであります。
そこで、これら日系人の子弟が
日本へ入域してくる場合に、ただ不法就労が目的で入ってくるのだろうというような形で入り口を閉めるのではなくて、先ほど
指摘しました親戚縁者の
関係でありますとか本人の真の目的でありますとかいったことを十分把握した上でこれを温かく迎え入れるということも、この際大事であろうと思います。
また、
我が国が世界各国との
交流を深めていく場合でも親善を深めていく場合でも平和
外交を展開する場合でも、この人たちは
我が国とそれらの国々とのかけ橋になる人たちでございますから、そういう
意味でも大事にしていかなければならぬだろうと私は思います。特にこれら南米の日系人の子弟が
日本に入域する場合、手続等につきまして法務省は今どのようなことを
考えておられるのか、お聞きをしておきたいと思います。