○井上計君
民活法案については既に同僚
委員からいろいろと質問があったようでありますし、またいろんな意味で緊急を要する法案であろうと思いますが、時間もありませんから質問については省略をいたします。ただ、午前中の
大臣の
所信表明のときには私欠席をいたしましたので、御無礼をして申しわけありません、承っておりません。そこで、
所信表明のこのプリントを拝見をして若干感じますことをお尋ねをいたしたい、こう思います。
「第一は、
内需主導型経済構造の
定着を図り、
インフレなき
成長を持続させることであります。」、これは第一に冒頭そう書いてあります。で、云々とありまして、「特に、
輸入の
拡大、
市場アクセスの
改善に努め、
国際社会と調和した
経済構造の
実現に
努力いたします。」と、このように述べておられます。もちろん結構であろう、こう思います。
ただ、この数年来、特に
円高になりましてから
貿易摩擦の解消等々の問題から
内需拡大が叫ばれ、またこのための
輸入の
拡大、これは当然でありますけれども、輸出
産業を悪者のような、そのような実は論説といいますか、
国民の中にもそういう感じは随分強くなってきた、こう思います。じゃんじゃん輸出をするから、だから、自由化を求められるので困るんだ、けしからぬ、こういうふうなことを堂々と言う方も随分とふえました。さらにこの十年来そうでありますけれども、製造業というのは盛んに公害を発生さす。だから、日本では製造業は必要ないんだ。むしろ海外に全部物の製造拠点を移して、国内は三次
産業、サービス業等々によってもっときれいな社会環境等をつくるべきだということさえ言う人があった、こう思います。私は、との数年、そんなふうなことを考えながら、日本が仮にもしそうだったらどうなるんであろうかということをいささか考えてきたわけであります。
先ほど伏見先生から、物をつくってもうけるよりも、金をつくって利益をもうけた方がいいんだと、こういうふうな
企業がふえておるという意味の質問がありました。確かに財テクというふうなことがつい数年はやって、
企業が財テクに走り過ぎてまたいろんな問題もあった、こう思います。
それから、先ほど
大臣から御答弁がありましたけれども、日本という国はいずれにしても資源のない国。そこで、一億二千万人の人間がこれからさらに豊かな社会をつくっていくためにはどうするかということを考えますときに、現在の
内需拡大、そうして国内消費、もちろん
輸入拡大結構でありますけれども、それだけで果たして日本の将来がいいのかどうかということを考え直す時期に来ておるんではなかろうかな、こんな感じがするわけであります。
それらを考えるときに、やはり物をつくる
産業、第二次
産業、製造業を見直すという、ちょっと表現が適当かどうかですが、もっと
国民の間にやはり二次
産業、製造業の
重要性、将来のために
重要性というものをもっと認識をさすような、そういういわゆる通産省としての政策といいますか、
指導といいますか、そういうものが今必要ではないかなと、こんな感じが、どうも抽象的な表現でありますけれども、特に最近強くするわけであります。
たまたまけさある新聞の社説でありますが、「製造業離れする理工系の学生」という社説がありました。「「
世界の生産工場・日本」に「危機」が忍び寄っていると言う。理工系学生の製造業離れである。」、こういうふうなことがありました。確かにこれで見ますと、「サービス業はかっこよく、製造業のイメージは悪い」と、こういうことで三次
産業に理工系の学生が集中して、この数年の間に製造業への学生の就職希望は非常に低下しておる、こういう記事であります。
これを考えてみて、これから五年、十年あるいは二十年先の日本、何といいましても物をつくり、そうして日本人の技術と
努力で付加価値を高め、そうして輸出をし、さらにそれで原材料を買って国内の市場を潤し、豊かな
生活をと、これ以外にこれからも生きる方法はないわけでありますから、これを考えるときに、いま一度やはり五年、十年、そういうふうな将来のことを考えて、日本はこうなんですよというふうな、そういう啓蒙がどうも最近遠慮がちになっておるんではなかろうかなと、こう思います。
実は先日、当院で宇野総理に対して私代表質問をして、時間がありませんから余り多く言わなかったんですが、その中の一つに、市場開放等々の要求にこたえてという、若干関連しましたが、食料費についてもっとこれを安くという、この中の理由として、その方法として米の自由化には当然私は反対であるけれども、米以外のものについては自由化をもっと積極的に云々というふうなことを言いましたら、いろんな電話が私にかかってきて、その中の一人に、食糧は自給自足すべきである。食糧の自由化を言うやつは議員の資格がないからやめろと、こんな電話があったわけでありますが、極端なことを言うようですが、現在農村なんかでは、とにかく農産物は全部絶対自由化しちゃだめなんだ。農産物を自由化するというのは、自動車や電気製品を日本が輸出するからそういうことになるんだから、自動車や電気製品の輸出をやめろ、こういうことを言うような農業の人もいますよね。そういう誤った
考え方に対してやはりもっと
政府も、これは我々もそうですけれども、そういう人たちに日本の本当のあり方、日本が生きていくためにはどうすべきかと、こんなふうなことをもっと
指導しなくちゃいけませんし、そんなふうなことを
政府にというよりも、むしろやはり
産業所管である通産省にぜひ
お願いをいたしたい、こういう
お願いを兼ねた質問であります。
たまたまこの論説の中に、産構審が「「二〇〇〇年に向けた日本の機械
産業の将来展望」を答申した。」とあります。まあどういう答申かまだ拝見しておりませんが、そこで機情
局長にもお越しをいただき、
大臣から、それから産政
局長から、機情
局長から、私の今申し上げた、質問ではありません、意見になりましたし、あるいはまたお尋ねというか、何となく私が不安に思っていることを十分表現できませんが申し上げたわけでありますので、お答えをいただければありがたいと、こう思います。