運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1989-04-11 第114回国会 衆議院 予算委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成元年四月十一日(火曜日)     午前九時三十分開議 出席委員   委員長 大野  明君    理事 越智 伊平君 理事 近藤 元次君    理事 田名部匡省君 理事 山下 徳夫君    理事 綿貫 民輔君 理事 佐藤 敬治君    理事 村山 富市君 理事 宮地 正介君    理事 玉置 一弥君       相沢 英之君    有馬 元治君       池田 行彦君    稲村 利幸君       上村千一郎君    大坪健一郎君       奥田 敬和君    海部 俊樹君       倉成  正君    小坂徳三郎君       後藤田正晴君    左藤  恵君       佐藤 文生君    志賀  節君       砂田 重民君    田中 龍夫君       高鳥  修君    中島  衛君       二階 俊博君    野田  毅君       浜田 幸一君    細田 吉藏君       村田敬次郎君    井上 普方君       上原 康助君    川崎 寛治君       菅  直人君    新村 勝雄君       辻  一彦君    野坂 浩賢君       坂口  力君    日笠 勝之君       冬柴 鉄三君    水谷  弘君       伊藤 英成君    川端 達夫君       岡崎万寿秀君    佐藤 祐弘君       松本 善明君  出席国務大臣         内閣総理大臣  竹下  登君         法 務 大 臣 高辻 正己君         大 蔵 大 臣 村山 達雄君         文 部 大 臣 西岡 武夫君         厚 生 大 臣 小泉純一郎君         農林水産大臣  羽田  孜君         通商産業大臣  三塚  博君         運 輸 大 臣 佐藤 信二君         郵 政 大 臣 片岡 清一君         労 働 大 臣 丹羽 兵助君        建 設 大 臣 小此木彦三郎君         自 治 大 臣         国家公安委員会         委員長     坂野 重信君         国 務 大 臣         (内閣官房長官)小渕 恵三君         国 務 大 臣         (総務庁長官) 金丸 三郎君         国 務 大 臣         (北海道開発庁         長官)         (沖縄開発庁長         官)      坂元 親男君         国 務 大 臣         (防衛庁長官) 田澤 吉郎君         国 務 大 臣         (経済企画庁長         官)      愛野興一郎君         国 務 大 臣         (科学技術庁長         官)      宮崎 茂一君         国 務 大 臣         (環境庁長官) 青木 正久君         国 務 大 臣         (国土庁長官) 内海 英男君  出席政府委員         内閣法制局長官 味村  治君         内閣法制局第一         部長      大出 峻郎君         警察庁刑事局長 中門  弘君         総務庁長官官房         審議官         兼内閣審議官  増島 俊之君         防衛庁参事官  鈴木 輝雄君         防衛施設庁建設         部長      田原 敬造君         防衛施設庁労務         部長      吉住 愼吾君         国土庁長官官房         長       公文  宏君         国土庁長官官房         会計課長    嵩  聰久君         法務省刑事局長 根來 泰周君         大蔵省主計局長 小粥 正巳君         大蔵省主税局長 尾崎  護君         大蔵省証券局長 角谷 正彦君         国税庁次長   伊藤 博行君         文部大臣官房長 加戸 守行君         農林水産大臣官         房長      浜口 義曠君         林野庁長官   松田  堯君         運輸大臣官房長 棚橋  泰君         郵政大臣官房長 松野 春樹君         郵政省電気通信         局長      塩谷  稔君         労働大臣官房長 若林 之矩君         建設大臣官房会         計課長     鹿島 尚武君         自治省行政局選         挙部長     浅野大三郎君  委員外出席者         予算委員会調査         室長      右田健次郎君     ————————————— 委員の異動 四月四日  辞任         補欠選任   日笠 勝之君     橋本 文彦君 同日  辞任         補欠選任   橋本 文彦君     日笠 勝之君 同月十一日  辞任         補欠選任   梶山 静六君     中島  衛君   熊谷  弘君     二階 俊博君   林  義郎君     有馬 元治君   楢崎弥之助君     伊藤 英成君   金子 満広君     佐藤 祐弘君   不破 哲三君     松本 善明君 同日  辞任         補欠選任   有馬 元治君     林  義郎君   中島  衛君     梶山 静六君   二階 俊博君     熊谷  弘君   伊藤 英成君     楢崎弥之助君   佐藤 祐弘君     金子 満広君   松本 善明君     不破 哲三君     ————————————— 本日の会議に付した案件  平成年度一般会計予算  平成年度特別会計予算  平成年度政府関係機関予算      ————◇—————
  2. 大野明

    大野委員長 これより会議を開きます。  平成年度一般会計予算平成年度特別会計予算平成年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。  この際、理事会協議による質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田名部匡省君。
  3. 田名部匡省

    田名部委員 まず竹下総理にお伺いをいたしますが、総理は、最近、総理自身にかかわるパーティー券並びに政治献金について国会総理自身調査事実関係について申し述べたいということを言っておられたわけでありますが、この委員会開催もそうした総理の強い要請があって開催されたわけであります。  前回、私はこの集中審議の際にも申し上げましたが、このリクルート問題というのは、特に献金問題は国民皆さんがどうも正しく理解しておられない。例えば未公開株パーティー券と、そして政治献金という問題がごっちゃになりまして、どこの部分に問題があってどこに問題がなかったかというところが、やはりこの際国民がわかるように説明をしておかなくてはいかぬと思うのです。これは、それぞれ政治に金がかかるということで各党とも大変苦労されておる。私の方の調査によっても、パーティー券についても各党ともリクルートから購入をしていただいておる。名前は出しませんが、しかし、これはもう別に法的に問題あるわけでありませんから、それはそれでいいとして、政治をやる上には金がかかるということで、これは世界のどこの国も国民から広く献金を受ける、あるいは物心両面の援助をいただくという中で政治というものは行われてきた。そうでなければ、お金を持った人以外は政治家になれぬということになるわけでありますから、それはそれとして、私はこの際明確にしておく必要がある、こう思うのであります。  我が党の見解も、この事件発覚後の献金は問題ある、しかし、それ以前の問題については、これは法的にも何ら問題がないという見解というものを実は出しておるわけでありますけれども、しかし、この問題はこれとして、あえてこの時期に調査事実を明らかにしたいと言っておられるお気持ちというものは、恐らく、問題はないにいたしましても総理であるがゆえに国民疑惑に答えるということではないだろうか、こう思うのです。ただ、金額においては、これはいささか多いという御批判もこれあるわけでありますけれども、いずれにしてもかねてから調査事実を申し上げたいということでありますから、この際総理に御説明をいただきたい。また、要求のありました三点セットについてもこの際明確にお答えをいただきたい、こう思います。
  4. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 初めに、お話にもありましたように、前国会坂上委員からの御質問に対し、調査し適当な機会お答えをしますと、まず申しておりました。そして、今国会になりましてからも、さまざまな調査、それに基づく答弁を求められておりましたので、私なりに可能な限り整理をいたしたものをこの際申し上げることにいたしたいと思います。  いわゆるリクルート問題に関して、政治家竹下登個人立場において、私の関係する政治団体の受けた政治献金及び購入いただいたパーティー券、これらについて、その事実関係、また私の考え方を申し述べます。  まず、政治献金等について一般論を申し上げます。  去る二月一日の自由民主党見解に述べられておりますとおり、選挙を含む我々政治家政治活動は、地元選挙民はもとより、広く後援者物心両面にわたる支援によって支えられております。また、政治献金等政治活動の自由を経済的に支えるものであって、活力ある民主政治の根幹として、必要不可欠なものであると、私もそのように考えます。  同時に、当然のことながら政治献金等政治活動のためにのみ使われるものであって、いささかも私してはならないものであります。このような政治資金につきましては、政治資金規正法の定めるところに従いましてその収支報告すべきこととなっております。政治献金パーティー券購入につきましては、私たち政治家を支援してくださる側の立場もありますから、寄附者献金額等に関し、法律で求められている以上の詳細を明らかにすることは十分慎重であるべきだと考えております。  しかしながら、先ほど指摘がありましたが、いわゆるリクルート問題がこれだけ大きな広がりを見せ、かつ私が現に内閣総理大臣という公の職務にあることからいたしますならば、そのような一般論だけでお答えをとどめるわけにはまいりません。  そこで、政治献金についてであります。  昭和六十年に、私の事務所関係する複数政治団体リクルート社から合計五百万円の政治献金を受けております。また、昭和六十一年には、同じく私の事務所関係する複数政治団体が、リクルート社から合計一千万円、リクルート情報出版社から合計一千万円、リクルートフロムエー社から合計一千万円、リクルートコスモス社から合計五百万円の政治献金を受けております。これらの政治献金は、いずれも現行の政治資金規正法の定めるところに従い、それぞれの政治団体によって報告がなされているところであります。  このほか、政治献金の問題ではありませんが、リクルート社は、私の事務所がお世話をしている幾つかの政策勉強会のメンバーとして昭和六十一年に合計五百万円の会費を負担しております。  次に、パーティー券購入についてであります。  昭和六十二年五月二十一日に開かれました自由民主党幹事長竹下登君を激励する会、これにつきましては、リクルート社において二千万円分、リクルートコスモス社において三千万円分に相当するパーティー券購入をいただきました。この会の開催による収益金の受け入れについては、同年の政治資金規正法に基づく報告のとおりでありました。  それから、なお、昭和六十二年五月三十日に盛岡で開かれた岩手長期政策懇話会パーティーにつきましては、その開催収支等につき私の事務所が主体となったものではございません。  この機会に、これまで国会においてたびたび御質問を受けておりました私の周辺におけるリクルートコスモス社の未公開株式取引について申し上げます。  昭和六十一年秋に行われた青木伊平名義の二千株及び福田勝之名義の一万株の取引は、それぞれ青木伊平氏及び福田正個人に帰属するものでありまして、私自身取引でもなければ私の政治資金に帰する取引でもございません。  そこで、いわゆる三点セットの問題であります。  政治家本人のプライバシーが時に制約されるのは当然といたしまして、その周辺にある人々までがそうだというわけにはまいりません。いろいろの場合を想定しつつ、三点セットの提出について、たびたびお答えいたしましたように熟慮してまいりました。しかし、私といたしましては決断をいたしまして、青木伊平氏及び福田勝之名義取引につき、株式購入代金の払い込みを受領した銀行確認書及び株式売却代金の送金を受領した銀行確認書は準備いたしました。が、株式売買約定書につきましては、たまたま青木氏は本人分保存がありますものの、福田氏についてはその保存がございません。ただし、取引の相手方である会社に同じ約定書保存されておれば、同社の協力を得て写しを入手することは可能であると考えております。  いずれにせよ、これらの文書は私人の取引を明らかにするものでございますから、その取り扱いについては、これもたびたび申し上げておりますように、本委員会の適当なところで御協議賜りますようにお願いをいたします。  そこで、最後に一言申し上げます。  いわゆるリクルート問題につきましては、本日申し述べた私自身個人的関連を含め、政治的道義的責任を痛感いたしております。また、この問題に端を発する国民政治不信広がりは深くて、私自身、これまで地方議会を含めて三十八年の政治生活の中、例を見ない深刻なものであるということを十分認識をいたしておるところであります。  このような事態を乗り越え、政治に対する信頼を回復していくためには、まずリクルート問題に関する司法上の問題及び政治上のけじめをできるだけ早くきちんとつけますと同時に、政治改革を進めていくことが何よりも大切であると考えております。私は、国民皆様方の御意見に謙虚に耳を傾けながら、勇断をもって対処していくべきである、このように考えておるところであります。
  5. 田名部匡省

    田名部委員 いずれにいたしましても、政治に金がかかるということからいろいろな問題が出てきておるのだと思うのですね。私は、そもそも ロッキード事件発覚をいたしまして、やはりこの政治資金というものは広く薄く国民から集めるべきだという、そういう方向でこのパーティーというものは党あるいは個人を問わず行われるようになってきた、これは事実だと思うのです。  それ自体はまあ結構だと思うのでありますが、あとは金額がどうだとかいろいろありますけれども、それ自体はいいのでありますが、そのパーティー方式も、行ってみると徹底した法律でないというのがだんだん明らかになってきた。さっき総理お答えになりましたように、盛岡でのパーティー任意団体が行った。その任意団体の金の扱い方というものもこれまた明確でないという問題もあるのですね。ですから私は、この際、パーティー収支も明確にしていく、あるいは政治団体が行うものあるいは任意団体が行うものもこの際ガラス張りにして、国民批判を受けることのないよう節度ある運営をしていくことが必要であろう、こう思うのです。  時間がありませんから簡単に申し上げますけれども、去る七日の四野党党首会談の中で、総理退陣問題あるいは解散・総選挙を求めることが確認されたようでありますが、総理の今までの御発言の中で、退陣解散考えておりませんとたびたびお答えになっておる。私は、これだけ国民から批判を浴びているこの政治家政治資金をうやむやにして解散すべきではない。それは、これに手を加えて納得いく改革を今やらなければならぬ。これ、えてして政治家は、途中であいまいにいたしますと、この改革が先送りになりますとこのままになるおそれがある。今これだけ国民批判しておるわけでありますから、これにこたえて本当にこの面についての改革というものをしっかりとやっていかなきゃならぬ。私はそのことがこの政治的道義的責任のとり方でもあると思うのです。どうぞ、今総理お答えになりましたように、そうした後にけじめをきちっとつけるとおっしゃっておられる。私もそのことを期待いたします。後の政治を行う人たちが再びこのような問題にさらされることのないように改革をしていただきたい。この点についてお答えをいただきたいと思います。
  6. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 野党四党のお方がいわゆる私の内閣についていろいろな角度からこれに対し叱咤鞭撻、さまざまの論評、これに対しては、まさに政党政治として御自由であると思っておりますし、謙虚に耳を傾けるべきものは傾けるべきであると私は常日ごろ考えております。  ただ、私自身先ほども申し上げましたように、確かに自分の過去を振り返りましても、少額の多数の方の後援会をどのようにつくるか努力をしてまいりました。自分なりには、みずからにはいつも厳しく言い聞かせながら歩んでまいりましたが、今発表いたしましたような形になってパーティーが、政治献金が問題になりますと、なおのこと自浄能力自己改革を含め今後の政治のあり方について内閣総理大臣でありますだけに逃げて通れない、みずからその政治改革の緒をつけなければならぬ、この考えに徹して対応してまいりたい、このように考えております。
  7. 田名部匡省

    田名部委員 時間ですので最後に一点だけお伺いしたいのですが、私は昭和三十二年に初めて共産圏の国々を回ってまいりました。以来、日本をこのような国にしてはいかぬ、その信念に基づいて政治を志しました。そして常に、野党皆さんからは改悪だとかいろいろな批判を受けつつも、私の信念において、私は国民を泣かしたり悲しましたりする法律はただの一件もこの国会で審議したというそういうことはないという実は自信を持っておるのです。消費税に対する批判もあります。しかし、それもこれも日本の将来というものを、あるいは子供や孫たちのことを思えばこそあえてこの断行をした。したがって、私は国民皆さんに理解を得たいのは、我が党は国民皆さんをいじめようとか泣かしてやろうと思ってつくった法律というものは一本もないという自信を私は持っておるのです。  総理、その点についてお考え最後にお聞かせいただきたいと思います。
  8. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 政党政治でございますから、その主義主張立場は異なるにいたしましても、国会でさまざまな議論が行われ、それぞれの政党主張が行われるということは当然のことでございます。なかんずく、長い間政権の座にある体制側政党としては、それらの意見に絶えず耳を傾けるべきであると思いますが、しかし要は政権政党として、国民の暮らしを中心にし、私どもがさまざまな経緯を経ながら政策を立案し、これを行政の場に生かすように、国会はその立法府としての立場を遂行していかなければならないものだ。政権政党の重みというもの、私も昭和三十三年、この国会に出さしていただきました。ある先輩が、いずれ政権交代はあるだろう、そのときに政策上のいかなる復原力を持つかということを若い諸君はよく勉強してくれと言われました。しかし、今日までずっと体制側に身を置いてまいりました。それだけに、絶えず自己に厳しくあらなければならない。総じて私ども国民のための政治、これを絶えず念頭に置くべきという御主張はそのとおりであると思っております。
  9. 田名部匡省

    田名部委員 それじゃ終わります。ありがとうございました。
  10. 大野明

    大野委員長 これにて田名部君の質疑は終了いたしました。  次に、川崎寛治君。
  11. 川崎寛治

    川崎(寛)委員 今、総理釈明を聞きました。しかし、永田町の外の国民皆さんは、あなたの今の釈明を聞いても釈然とされないと思います。  今とどまるところを知らないリクルート疑惑、さらにはこの四月一日実施した消費税、あるいは農産物の自由化国民不満あるいは怒りというのは今爆発寸前にある、こう思います。私は、そうした国民不満怒り、そういうものを背景にしながら、日本社会党護憲共同を代表して若干の質問をいたしたいと思います。  まず、お尋ねをしますが、マスメディアの世論調査によりますと、竹下内閣支持率というのは軒並みに下がっております。各社の世論調査というのは十数%。毎日は先般九%。昨晩のテレビ朝日は七・八%、それは三月十八、十九日からと四月八、九日というので比較をいたしておるわけでありますが、一三・四%から七・八%に下がっておる。さらに、それは女性と男子でいたしますと、女子が六%、男子が九%、大都市は女子は五%、さらにはもっと低くて消費税並みの三%、こういうふうな下がり方になりつつあるわけです。不支持は七六・一%から八五・三%、こう上がってきております。田中内閣鈴木内閣岸内閣政権を、退陣をいたしますときの支持率をはるかに今下回っておるわけです。  これは、先ほど深刻な受けとめ方をしておる、こう言われましたが、現在竹下政権というものの国民支持政治基盤というものは、つまり政権存立基盤というものは既に崩壊をしておる、こう私は指摘せざるを得ないと思うのです。今日の状況をどう受けとめておられるか、伺いたいと思います。     〔委員長退席近藤(元)委員長代理着席
  12. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 川崎委員の御指摘支持率等について私は反論する考えはございません。まさに謙虚に受けとめるべきものである、このように考えております。  長い間の政治体験の中で、支持率が上がったということに浮かれてはならないという、私にも自戒の作用は今日まで続いてまいりました。が、大変下がっておるというならばそれを謙虚に受けとめ、国民の信をつないでいくための努力をしなければならない、その一つ先ほど申し上げた政治改革の緒につけたい、これが一つ考え方であります。
  13. 川崎寛治

    川崎(寛)委員 先ほど報告で、六十年、六十一年合わせますと四千五百万のリクルート社からの、あるいは関連グループからの政治献金を受けておるという報告をされました。それぞれ、いつ、どこで、だれが何の目的でこれらの政治献金をしたのか、御説明願いたいと思います。
  14. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 何月何日どの場所でという手元に準備はいたしておりません。しかし、政治献金というものは、私ども献金する側にあります場合にも日本国のためにあるいはその人が政治活動するためによかれかしと思って献金をするものである。したがって、第三者の献金の意図を私の方から申し上げる立場にはございません。
  15. 川崎寛治

    川崎(寛)委員 六十三年の十月二十日、税制問題に関する調査特別委員会社会党坂上委員が、江副氏やリクルートリクルートコスモスからあなたは政治献金は受けたことはございますか、この質問に対しまして竹下内閣総理大臣は、今おっしゃったリクルートリクルートコスモスから何ぼもらっているかということは全くございません、あなたはこう答えたじゃないですか。新聞ではれたらここで答える、追い詰められたら答える、それは宮澤さんのうそつき以上じゃないですか。弁明の余地はないと思います。いかがですか。
  16. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 まず、申し上げます。  追い詰められたら答える、そんな考えは私は毛頭ありません。自分のことに対してはいつも厳しくある、これが私みずからに平素言い聞かしておるところであります。  坂上委員の御質問に対して私も定かに記憶いたしておりませんが、その当時明確な記憶がなかったということであろうと思います。
  17. 川崎寛治

    川崎(寛)委員 それは聞き捨てならないですよ。この問題が出ましたのは六月でしょう。あなた方は自民党見解なるものをつくっておられる。しかし問題は、それからあなた自身リクルートに関する政治資金というものを克明に洗っているはずですよ。数千人のお方から私は政治献金をちょうだいしておりますので、それを一々記憶をいたしておりませんからどうであったかということも正確に申しておりませんが、政治資金規正法の届け出で明らかにしておりますので、今あなたは明らかにしている、報告している、こう言ったでしょう。それぞれしていると言ったんです。今おっしゃったリクルートリクルートコスモスから何ぼもらっているかということは全くございません、報告で明らかにしている、こう言われた。弁明の余地がありますか。
  18. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 その後私なりにしかし十分調査してみますという趣旨の発言もしておるかと思いますが、今の坂上さんに対する速記録の部分は、私はここで訂正して一向差し支えないと思っております。  なお申し上げますと、六十二年五月のパーティー券については年明けに整理をいたしました。その際、政治資金の問題についてきちんとしてすべてを整理しておくようにということを指示いたしまして、まとめて発表したものが今日の事実でございます。
  19. 川崎寛治

    川崎(寛)委員 それは、「政治資金規正法の届け出で明らかにしております」とこう断定されているのですよ。何ぼもらっているかということは「全くございません。」調べてみますじゃないのですよ、ここは。「全くございません。」「政治資金規正法の届け出で明らかにしておりますので、」と。それじゃ、これで終わりという証明がありますか、保証がありますか、今御報告になったので終わりと。あなたは、数千人から政治資金をちょうだいしておりますので一々記憶しておりません、こう言う。どんどん新聞に出てきて追い詰められてきた 追い詰められてきたら、調べてみましたら出てきた、こう言うわけでしょう。  だから、国会における答弁は、あなたは生きざまだ、こう言う。私を責めてください。私も税制特別委員会、予算委員会、ずっとやってきました。大変残念です。こういうことを一国の総理にお尋ねをしなければならぬというのは本当に残念ですよ。だから、今日本は世界から不正防止の仕組みがないと、民主主義が問われておるのですよ。あなたは、その場その場を切り抜ければいいという、そうじゃないですか。宮澤さんが追い詰められて辞任をされた、宮澤さんがうそをつかれた。しかし、あなたは、この政治資金規正法報告されておるので、届け出で明らかにしておるのでと、明らかにしておる、こう言われたのですよ。明らかじゃなかったんじゃないですか。今報告をするに当たってそのことをあなたは弁明しなかったじゃないですか。  本当に今日本の民主主義が問われている。だから、竹下内閣の危機、自民党の危機、日本の民主主義の危機ですよ。私は、その日本の民主主義の危機の立場から、つまり永田町の外の国民皆さん方が今怒っておられるのは日本の民主主義の危機の立場で怒っておられるのですよ。あなたはそれに答えようとしていないのですよ。私は、この坂上委員質問というものに対するあなたの今の答弁は、いや、だから今明らかにしますという程度では納得できませんよ。次々に出てくれば訂正すればそれで終わり、それでよろしいという姿勢じゃないですか。どういう責任をとろうとするのですか、伺いたいと思います。
  20. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 種々の御意見ですが、その叱正、おしかりの言葉について私は反論する考えはございません。その川崎さんの置かれた立場から吐かれた意見というのはそれなりに私は立派な意見であるというふうに思っております。  ただ、私の生きざま等についてお触れになりましたが、私が申しております生きざまというのは、現状を糊塗するというようなことではなく、私は、従来みずからに対してすべてを集中した批判をいただきたい、それに耐えてこそ体制側のあるべき姿だ、こういうことだけは申しておるわけでございます。したがって、今その危機をするすると切り抜けるなどというようなことを毛頭考えておりません。やはり今のような発言を堂々と私なりにお受けして、それに基づいて反省すべきは反省し、そしてやはり国民皆様方に対して正しい政治を行っていくというその責任に徹しなければならない、このように考えております。
  21. 川崎寛治

    川崎(寛)委員 これは未公開株の問題につきましても、この日、坂上君が質問しましたのに対しては、青木伊平氏の二千株以外は関連株はない。ないと断定されたんですよ、このときも。だからここに「譲り受けたことはもとよりないと申しておりました。」こういうふうにはっきり断定している。ところが、社会党がビッグウェイからのやつを発表いたしました。あなたは慌てて福田氏の一万株の問題について弁明をされたわけです。だから、ないと断定する。今も、政治資金は全くございません、全く受けておりません。しかし出てきた。そうしたら、調べてみたらありました、こういうことでしょう。株もそうだし、政治資金もそう、政治献金もそうなんですよ。弁明の余地ありますか。
  22. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 確かに坂上さんの質問に対しましては、これは永田町的論理になりますけれども、できるだけ丁寧にお答えしようと思ってお答えいたしておりましたが、見ますと、確かに、数千人のお方から政治資金をちょうだいしております、そのとおりでございます。そして、政治資金規正法の届け出も毎年正確にいたしております、このことも事実でありますが、「何ぼもらっているかというようなことは全くございません。」こういう表現でございまして、幾らか記憶をしていないという趣旨の発言ではないかな、今読んでみてそのような感じを持ちました。  それから、未公開株式の問題につきましては、これはいわゆるビッグウェイでございますかの調査が、社会党調査が発表されて問い合わせがあるまで私が報告を受けていなかったことはまさに事実でございます。
  23. 川崎寛治

    川崎(寛)委員 自治大臣にお尋ねをいたしますが、六十一年の一千万、一千万、一千万、五百万、これは報告済みだ、こう言う。そうしますと、これはリクルート並びにリクルート情報なりリクルートフロムエーなりコスモスなり、そういうものの資本金、そういうものからしてこれは限度額を超えておる。いかがですか。
  24. 浅野大三郎

    ○浅野(大)政府委員 今いろいろな会社の名前を挙げられたわけでございますが、きょう初めて聞いた会社もございますので、私どもとしてはリク ルート社については資本金を調べてございます。これは、会社四季報に載っておりますのでその会社四季報に載っておるものをもって調べたわけでございますが、昭和六十二年の上期では資本金十四億ということになっておるようでございます。
  25. 川崎寛治

    川崎(寛)委員 今の株の問題、政治資金献金の問題、それらも、大変明らかになってきたら弁明、釈明されたわけです。じゃ、これで終わり、もう絶対ないとあなたは断定できますか。
  26. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 重ねて申し上げますが、確かに川崎さん指摘されましたとおり、私が坂上委員に対してお答えをいたしております「政治資金規正法の届け出で明らかにしておりますので、そのものを私なりに調べてみるということはお約束をいたしますが、今おっしゃったリクルートリクルートコスモスから何ぼもらっているかというようなことは全くございません。」ちょっと表現からいたしましても、何ぼもらっているかというようなことは全くございませんというよりも記憶していないという趣旨に受けとめられるかな、こういうふうに思います。  さて、今の問題でございますが、私なりに、神様ではございませんから、後から何が出るかと言われますと私も非常に申し上げにくいことでございますけれども、現在私自身そうしたものが出るなどということは全く予測いたしておりません。
  27. 川崎寛治

    川崎(寛)委員 これはいずれまた、それぞれ追及の中で明らかになってくると思います。  そこで法務省にお尋ねをいたしますが、自民党見解というのは六十三年の六月以降は悪い、以前はよろしい、こういうことを言っておるのですが、捜査当局はNTT、労働省、文部省ルート、三つのルートでそれぞれ未公開株なり政治献金なりそういうものの捜査をいたしております。つまり六十三年六月以前も捜査対象ですね。そうしますと、政治家だけは六十三年六月以前はよろしい、そういう理屈になりますか。つまり、政治家に対しても今捜査が行われておるわけでありますけれども、それぞれ未公開株の処理の問題やその他、それは捜査対象になっておると思いますが、いかがですか。
  28. 根來泰周

    根來政府委員 累次、捜査に着手して処分した事実については国会でその都度御報告をしているところでございます。したがいまして、その範囲内で御理解いただければ幸いでございますが、政治向きのお話について私たちの立場からどうこうと申し上げることでございませんので、ひとつ御了解いただきます。
  29. 川崎寛治

    川崎(寛)委員 民間は捜査対象になるけれども政治家は捜査対象にならない、そういう不公平というのはあり得ないのですよね。当然捜査対象で進められておると思います。  そこで、次にお尋ねをいたしますが、岩手の三千万のパーティー券の問題でございますが、これは今総理は、岩手は私のところが主催したのでないからと言って報告を避けられました。そこで、岩手のパーティーについては岩手長期政策懇話会が主催をした、こう言っておる。この任意団体の性格自体も後ほどお尋ねをいたしますが、東京の六十二年五月二十一日の二十一億を集められたという幹事長当時のパーティーから引き続いて九日後に盛岡で行われたわけでございますけれども、小沢官房副長官の参議院大蔵委員会やあるいは記者会見等における報告によりますと、リクルート社が二万円券千五百枚買った、こう言う。この盛岡リクルート関係の人員といりのは何人おるのですか。
  30. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 それは承知しておりません。
  31. 川崎寛治

    川崎(寛)委員 ほかにパーティ券を売りまして二千万、合わせて五千万収入があった、こう報告されております。あなたがこのパーティーの後、安比のゴルフ場でゴルフをされたりなどもした費用全部合わせて九百万そこそこという報告になっておるわけであります。そういたしますと、五千万のうち一千万近くが経費だ、そのうち小沢官房副長官の秘書からあなたのもとの青木伊平秘書に二千万預けてある、こういうことでございます。そういたしますと、あとの二千万——小沢官房副長官きょうは来ていますか、来ていませんか、官房副長官は来ていないようでございますけれども、しかし二千万が青木伊平氏の預かり金になっておる。そうしますと、それは今どういう形で預かっているのですか。総理に伺います。
  32. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 先ほど申しましたように、岩手長政懇、これは詳細を承知しておるわけではございませんが、私の政治資金規正法届け出団体の中に長期政策総合懇話会というのがございまして、たしか全国に四十支部ぐらいございます。幾つかのものがその県の名称を付して、都道府県の選管へ届け出ておるのも幾つかあると思っております。したがって、岩手の長政懇というのは名前も若干違いますけれども、いわば将来支部なり政治団体をつくるという考え方があったことは事実でございます。したがって、その発起人会等が行われたということも私は聞いておりますし、その際の、私が参りましたのはいってみればその拡大準備会みたいな形に結果としてはなったのかなと思っております。そのときは私は全国遊説を企てておったときでございますけれども、その後全国遊説等を行う環境にないようになりましたので、したがって、岩手の会は政治団体になる、あるいは正式に中央の政治団体の支部になるということにならないままに今日に至っておるわけであります。したがって、その当時はそれが政治団体等になる場合のいわば資金としてそのまま私のところの金庫に預かってほしいという意味であるというふうに理解しております。
  33. 川崎寛治

    川崎(寛)委員 だから、その預かり金は現金ですか、小切手ですか、預金通帳ですか。
  34. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 これはいろいろ預かっておりますが、現金だと思います。
  35. 川崎寛治

    川崎(寛)委員 じゃ、だれからだれに渡されて預かっているのですか。
  36. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 もし正確でない場合があるといけませんから、これは後日御報告をいたします。
  37. 川崎寛治

    川崎(寛)委員 それじゃ当然、二千万というお金があなたのところの金庫に入っているそうですが、入っているのでしょう、現金で入っているのですね、二千万が。そうすると、それは預かり証がここに出せるのですね。
  38. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 ちょっとその預かり証という意味が私理解できませんが、預かり金というのはそれは本当は会計経理上の言葉であって、法的な政治資金規正法上に基づく預かり金なんというのは私はないだろうと思うのであります。だからまさに預かっておる金であるということでございますから、だれが預かり証を出すかという問題ではなく、私も事務所の金庫の中にはその程度の資金はございます。
  39. 川崎寛治

    川崎(寛)委員 しかし、これは民間で二千万というお金を持ってきてぽんと、竹下事務所の金庫の中にぽんと入れておく。これはだれからだれに、そして今の説明だと将来支部にするための準備金だ、こう言うわけでしょう。それなら岩手のだれからあなたの事務所のだれに送られてきて、そしてそれは預かり証としてちゃんときちっとしたものがなければおかしいじゃないですか。この団体自体がおかしいのですよ。あなたは四十数支部、県の選管に政治資金規正法上の届け出をしている支部がある、こう言われたのでしょう。ところが、幸いにしてこの岩手の長期政策懇話会は届け出していない、その前の任意団体だということで今言い逃れをしようとしているのです。任意団体政治資金を集められますか。  だから私は、今まずお尋ねをしているその預かり証というのが具体的などういう形であなたの事務所にあるのか。つまり、それ以外にあるとしたら、もうそういうのがごぼごぼ、二千万、一千万、三千万、五千万というぐあいにごぼごぼ入っているんだろうと思うのですよ、恐らく。だから、明らかにできるというなら、その預かり証というものを、だれからだれに送ってきて、どういう形で預かっておる、そういう形で出してください。政治家の金の扱いというのに国民皆さん方、不信を持っているのです。だから、その預かり証 というのを明らかにしてください。
  40. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 政治家のいわゆる政治資金の管理等が大変ルーズだということに対する国民皆様方批判、これは十分私もわかりますが、現実その預かっておるものがあることは事実でございますが、さあ、だれがだれに預かり証を出すかという性格のものではない、相互の信頼関係に基づくものであるというふうに私は思っております。  それからもう一つ、誤解があるといけませんので、各県に支部があると申しましたが、支部のあるものが四十弱だと思いますが、それは中央で経理しております。そして、各県たまたまつくりますときに、その県名を付したところはその県の都道府県選挙管理委員会へ届け出しておるという、わずかでございますけれども、そういう県もあることは事実でございます。
  41. 川崎寛治

    川崎(寛)委員 ただ、そうしますと二年間も置いてあるんですね。そんな預かり金がこれ以外にないのですか、そういう形だと。だから、やはりこれはけじめをつけなければいかぬ。そういうことの一つ一つ政治家への不信の一つの大きな根本になっているわけですよ。だから、預かり証なしで、信頼で金をやったりとったりだ、そんな世界がどこにありますか。そういうことに対する不信ですよ。  だから私は、これはやはりはっきり、あなたが預かり証があるというなら、岩手のだれから、あなたの事務所のだれに来て、どういう形でしておるということを明らかにしてほしいのです。
  42. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 自分で使うなどというような環境にはもちろんございません。  答弁といたしましては、今おっしゃった政治家のかかわる政治資金の問題が国民皆様方に非常にずさんな関係を与えておるから、それはよしんぱ、個人的な信頼が一番お互い大事だと思っているのですけれども、その信頼というものも社会常識をはみ出すようなものであってはならぬという御忠告には私も十分気をつけるものだと思います。
  43. 川崎寛治

    川崎(寛)委員 いや私は、十分気をつけるという、そういう弁明では納得できないのですよ。つまり、将来支部にする、しかし総裁選挙がなかったからこれは眠ったんだ、こういうふうな御説明のようでございますけれども、しかし、そういうやったりとったりというのを預かり証もなしでやっているとしたら、異常な世界ですよ。そうでしょう。あなたも今、少しじくじたるものがある感じで御答弁になっておる。だから、私はこのことを明らかにするためには、今の何月何日あなたの事務所にだれから来て預かっておるということを証明するものを出してください。国会に出してください。お願いします。
  44. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 ちょっと今の問題につきましては、預かり証を恐らく発行しておるとはもちろん思いませんので、今からつくれということがあり得るといたしましても、これは今後の問題として、やはりそういうお互い政治家の信頼関係だけでのものにつきましても非常に慎重であるべきだという反省の糧にしたいというふうに思います。
  45. 川崎寛治

    川崎(寛)委員 だから私は、これに結末をつけてほしいというのですよ、これは預かり金だという。  では、あとの二千万はどこへ行ったのですか。
  46. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 それは、私自身承知いたしておりません。
  47. 川崎寛治

    川崎(寛)委員 これは小沢官房副長官——私はきょうはあなたの釈明に対して質問をするのですから、一々だれに来てくれと言わなくても全部来ると思ったのですよ。それは私の方が一つ一つ指名をして来てもらっておかなければいけなかったんだなと思っております。しかし、官房副長官のその説明の中で欠落をしておりますのは、大蔵委員会なり記者会見なりで言っている説明の中で欠落をしておりますのは、あなたの事務所に二千万、ゴルフの経費まで含めて払ったものは一千万近く、そうするとあとの二千万はどこへ行ったか。悪く憶測をすれば、小沢さんが二千万、あなたが二千万、こういうふうに分けたのかなという感じもしますよ。だから、きょうは来ておらぬから大変小沢さんに対して、小沢副長官いないから残念ですけれども……。  そこで、つまりこの岩手のパーティーというのは、あなたの総裁選挙を前にした顔見せの運動だったわけです。単なる励ます会じゃないのですよ。つまり、だからこれは任意団体ということで逃げられるものではない。これはやはり政治活動だ、こうして当然政治資金規正法上の制約を受けるものだ、そういうふうに私は思います。いかがですか。
  48. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 政治団体かどうかという問題、あるいは政治資金規正法の届け出してないわけでございますから、したがって政治団体でないことは事実でございます。今の政治資金規正法の議論になると、これは私ですべてお答えできるだけの能力があるわけではございません。  それから、もう一つ申し上げたいのは、二人で二千万ずつ分けたのではないか、私も、事ほどさように落ちぶれてはいないつもりでございます。
  49. 川崎寛治

    川崎(寛)委員 ここに政治資金規正法がありますけれども、その「「政治団体」とは、」という定義がちゃんとあるわけです。そして、その届け出がなければ政治資金は集められぬわけです。あなたは、届け出がないから任意団体だ。それなら、届け出をしなければ全部任意団体ですか。  そして、四十幾つの中央に直結をした支部がある。たまたま岩手は届け出してない。まあ、便利なものですね。四十幾つの支部は届け出しているけれども、岩手は届け出してない。だから任意団体だ。そういう法の網をくぐるようなやり方に対して、国民皆さんは大変不信を持つわけなんです。そうじゃないですか。弁明の余地ないと思いますよ。四十幾つの支部はちゃんと届け出ている、中央に直結している。たまたま岩手は、岩手政策懇話会で任意団体だ。余りにも都合がいいじゃないですか。私は、これはやはり政治資金規正法の法の網をくぐっていると断定せざるを得ないのです。自治省、どうですか。
  50. 浅野大三郎

    ○浅野(大)政府委員 まず、政治団体がどういうものであるかということでございますが、これは政治資金規正法に書いてあるとおりでございます。特定の目的を本来の目的にしておるとか、あるいは継続的に活動をやっているとか、いろいろあるわけでございます。  それから、パーティー開催につきまして、これはいろいろな開催形態があるようでございまして、政治団体が主催してやる場合、もちろんございます。そのほかに、従来から、政治団体ではないがいわば人格なき社団という形でやっているもの、個人が発起人となっているもの、そういう形態はあるわけでございます。そうして、政治団体でない人格なき社団あるいは個人パーティーをやった場合、それ自体政治資金規正法報告は要りませんけれども、そういうパーティーを実施された人格なき社団あるいは個人の方が政治活動に関する寄附を次におやりになった場合には、その段階では政治資金規正法の適用が出てくる、こういうことでございます。
  51. 川崎寛治

    川崎(寛)委員 普通ならばそれで終わって解散するということになるのですよ。そのときだけのものだ。しかし、これは二年間もあなたの事務所に預かり金として預けているわけです。だから私はこれは非常に疑問を持ちます。  そこで、任意団体だと言うなら税との関係はどうなるのか。国税庁に届け出をしてあるのか、脱税にならぬのか。国税庁、いかがですか。
  52. 伊藤博行

    伊藤(博)政府委員 個別具体的な問題としての答弁は事柄の性質上差し控えさせていただきますが、一般論として申し上げますと、パーティーを催した場合のその主催者が人格のなき社団である場合、その段階での課税関係はどうかというのが一つございます。  この点につきましては、人格のない社団につきましては、御案内のように、法人税法の施行令で定めております収益事業に該当するかどうかとい うのがポイントでございますけれどもパーティー開催は、列挙されております収益事業には該当いたしません。したがいまして、人格なき社団でのパーティ開催という段階での課税関係は生じないと思います。  それから、仮にパーティーを主催した人格なき社団から政治家個人あるいはその他の団体等へそのものが渡された場合、その場合には、個人の場合であれば雑所得に係る収入ということに相なろうかと思います。その収入から政治的活動等に費消された残余があればそれは雑所得になるし、なければ改めての課税関係は生じません。それから、貸与された先が再び人格なき社団であれば、その段階での課税は冒頭申し上げたとおりの課税関係といいましょうか、新たな課税関係は生じないというふうに相なろうかと思います。
  53. 川崎寛治

    川崎(寛)委員 パーティーをやって収益があった、経費を払った、あとの二千万というのが来ているわけですね。  では、これは雑所得なのか政治資金なのか。どうなんですか。
  54. 伊藤博行

    伊藤(博)政府委員 今のお話は法人課税の話とちょっと違った次元での御質問かと思いますけれども、私先ほど来申し上げておりますのは、人格なき社団の段階での課税関係が発生いたしますのは収益事業に該当する場合である。それで、収益事業というのは何をもって収益事業と言うかという点につきましては、政令で三十三項目にわたって列挙してございます。その列挙されたものに該当する場合には人格なき社団でありましても法人税の課税関係は生じますけれども、それに該当しない場合にはその段階での課税関係は生じない。パーティー開催自体は収益事業に該当しない。したがって、仮にそこで収入と支出に残差が生じましても、そのこと自体をもって直ちに法人税の課税関係が生ずるものではないというふうに申し上げている次第でございます。
  55. 川崎寛治

    川崎(寛)委員 四十幾つの支部が長期政策懇話会である、こういうふうに言われましたね。そうしますと、こういうリクルートに関するパーティー、幾つパーティーが開かれたのかわかりませんけれども、そういう各支部におけるパーティーリクルート関係というのはもう全くないというふうにあなたは断定できますか。
  56. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 私がパーティーをやりましたのは、これはちょっと調べてまいりました。昭和五十八年三月十八日東京 竹下登君の国会活動二十五年を祝う会、昭和五十八年九月二十四日広島、竹下大蔵大臣を囲む会、それから国会活動二十五年を祝う会、十月二十七日大阪、五十九年福岡、これは竹下登さんを囲む集い、六十年九月、竹下登さんを囲む会、広島というようなことでございまして、その際のリクルート関係者と申しますかからの。パーティーへの買い上げはないと聞いております。
  57. 川崎寛治

    川崎(寛)委員 それではパーティーに関してもう少しお尋ねをしたいと思いますが、六十二年の五月、東京でのパーティーに対しましてリクルート社が二千万、それからコスモス社が三千万パーティー券を買った、こういうわけですね。そうすると、コスモス社は社員が六百人です。全員出席しても六百人です。ところが、買ったパーティー券は千枚です。これは、パーティー券を買うといいますか 常識的なものだと思われますか。あるいは盛岡の場合も三千万ですね。これは二万円券ですから千五百人分です これは常識的ですか。
  58. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 この問題はいつも答えておりますが、私は常識の範囲を超える数字だなというふうにお答えをいたしておるところでございます。ただ、一般的にパーティーを行われます際に、いわば一人の方が、私なら私がお引き受け申し上げて、後それをずっと多くの方々に間接的に仲介の役をするというような場合も現実問題としてはあるであろうと思いますが、今、一社これだけのものは大き過ぎるじゃないかというのはそのとおりだと思います。
  59. 川崎寛治

    川崎(寛)委員 先ほどあなたが冒頭に報告をされましたように、六十年以来、今の総理報告ではトータルで一億五千百万、これは政治献金パーティー券あるいは政策勉強会の費用、あるいは青木さんや福田さんの個人の売買の売買益というものも入れましてトータルしますと一億五千百万円です。大変短い期間に急速にリクルート社、江副氏があなたに政治献金なりいろんなつき合いをしてきた。それにあなたはこたえてきた。つき合ってきた。それは何を目的としたのですか。あなたの政治活動を、あるいは総理を目指す活動を支援してもらうために江副氏のそういう政治献金というのを喜んで受けてきた、そういうふうに受けとめていいですか。江副氏とあなたの、今までは中曽根さんや安倍さんが特別に深い、こう言われておったんだが、報告を見ますと、急速にあなたに巨額の献金なりつき合いなりが行われてきたわけです。それは、江副氏は何を目的としてあなたに接近をしてきたというふうにあなたはお考えになりますか。
  60. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 確かに、江副さんという人から特定の案件とか問題についてお話をしたという記憶は私にはありません。が、私の、総理大臣に就任してからこの勉強会をつくりましたそのメンバーになっていただいておったことは事実でございますし、その会合も一度開かれたときに出席しておられたというふうに思っておりますが、私及び私の周辺に対する意図が那辺にあったかということはやっぱり私からお答えすべき問題ではないだろうというふうに申し上げるのが正当であろうと思います。
  61. 川崎寛治

    川崎(寛)委員 政治献金をする人と政治家、あなたは数千人の人から政治献金を受けておる、こういうことでございますが、しかし、短期間に異常な巨額の献金、それをあなたが平然と受けた。それはやはり中曽根政権のあなたが大蔵大臣であり、幹事長であり、次期総理・総裁を目指しておられた、そのことすべてにかけて、中曽根さんや安倍さんやあなたや宮澤さんや、それは多くにかけたわけですから、江副氏も野心があったことは言うまでもないわけでありますけれども、しかし、それをあなたが平然と受けた。私は、やっぱりそこに今の日本政治資金をめぐる異常さ、このリクルート疑獄と言われるものの異常さがある、こういうふうに思うのです。ですから、そのことに対して、あなたは今この問題に対して江副氏とのそういう関係が深まってきた、政治倫理、政治道徳、そういう立場からして、あなたはこのことをどう受けとめておられるのか、そのことはこの問題をこれから解決をしていくあなたの基本にもなるわけなんです。伺いたいと思います。
  62. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 私は、政治資金そのものについての見解先ほど申し述べましたが、これが短期間に集中しておるということについて、国民政治資金そのものに対する不信感をお持ちではないかとおっしゃることに対しては、私もそのとおりだと思っております。よしんばそれが私自身一つ一つ関与していないにいたしましても、やはり考えてみますと、昭和六十一年は選挙もございました。しかし、それだけにそうしたことが国民政治不信をいよいよ高まらすことのないように、やはり政治資金規正法の問題でございますとか公職選挙法の問題でございますとか、これらは勇気を持って対応していかなきゃならぬ課題だというふうに思っておるところでございます。
  63. 川崎寛治

    川崎(寛)委員 三点セットの問題にちょっと返りたいと思いますけれども青木伊平氏は自分のあれに使った、こう言われる。それから福田さんの問題ですけれども青木伊平氏のものはある、こう言うのですね。福田名義の株を売るときには有価証券取引書というのをつくることになっておりますね。なっておる。そうしますと、これは有価証券取引税法の上での義務規定になっているわけです。ですから、当然これはお出しいただけるというふうに考えてよろしいですか。
  64. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 何を出すかという問題につきましては国会で、具体的に言えば理事会等で御協議いただければそれで結構だと思っておりますが、私が先ほど申しましたのは、福田さんにかかわる売買約定書について、相手側に依頼して写し をとることはできるが、そのものは、概してそうでございますけれども、売買約定書というのはそう長らく保管していないというのが現実でございます。それから、今の問題については一括した書類を私、見ておりますけれども川崎さんの指摘されたものがどれであったかなということについては今正確にお答えする自信はございませんけれども、どうぞ御協議いただきたいと思います。
  65. 川崎寛治

    川崎(寛)委員 それは、いわゆる三点セットというのは、青木氏のものも福田さんの分も、そして福田さんの分は個人にかかわる問題だ、こう言われておりますけれども、今これは一国の総理にかかわっております、そして政治資金の問題を国民皆さんが非常に疑問を持っている、そういうことに対して、これを明らかにするということについては、私は、その個人的な人情を乗り越えなければならないところにある、こういうふうに思っております。でありますから、この三点セットの問題は理事会でもいずれいろいろと議論をされるでありましょうけれども、明確に、本来ならきょうここに明らかにすべきだ、こう思うのです。あなたは、釈明をされるというときに、そして去年来、三点セット、三点セット、こう言ってきているのですけれども、そのことを明らかにしないということは、私は大変残念に思うのです。でありますから、そのことは一日も早く明らかにする、そして国民にお示しいただくということを約束をしてもらいたいと思うのです。
  66. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 この問題につきましては、これは私自身が熟慮した結論でございますから、私が自発的に出すことについて、その出し方とか具体的な問題について委員会で御協議いただければ幸いだ、こう思っておりますから、出しますという考え方には変わりございません。
  67. 川崎寛治

    川崎(寛)委員 あなたが三点セットを言い出して、もう半年たっているのですよ、今も後ろからも言われましたように。だからこれはもう本当に一日も早くきちっとけじめをつけるということをお願いしたい、こう思います。  そこで、竹下内閣消費税をめぐる過程の中、あるいは竹下内閣の年末における組閣、そうしますと、この一九八八年の十二月から八九年の一月末という一カ月余の間に、宮澤大蔵大臣が一万株をめぐります三点セットの問題でついに辞任をされた、それから組閣三日後には一番大事な法務大臣、長谷川法務大臣が辞任をされた。さらに一月の末には副総理格の原田経済企画庁長官がリクルート献金なりをめぐって辞任をされた。この三人は全部……(発言する者あり)だから、株なり献金なりだ。宮澤さんは株だ。  そこで、いいですか、その宮澤さんなり長谷川さんなり原田さんなりが、あなたの閣僚がリクルート疑惑をめぐって辞任をされたのです。そうすると、あなた自身国会で答弁をしてきたことが、つまり国会の税制特別委員会における発言というのが崩れたわけです。そして、きょうは訂正されたわけだ。私は、訂正なんかで済むものでないと思う。そうしますと、私はこれらの一連を考えますと、あなたは最高の責任者です、最高の責任者がリクルート疑惑で今、国民皆さん方からは極めて厳しい批判を受けておるわけです。あなた自身がこの問題について責任をとる。あなたには政治改革の資格はない、私はこのことを予算委員会で総括質問の際に申し上げました。あなたが政治改革をしなくてもいいんだ、あなたの手でやる必要はない、あなたは政治責任をとって辞職、総辞職をされるべきだ。そして、このことを明らかにして国民の信を問うて、国民の御審判を受けた上で政治改革をやる。あなたの手は汚れているのです。私はだから、あなたは先ほど深刻に受けとめておる、こう言われた。だから政治改革をと言われる。それは、私は、国民皆さんはそれを認められない。だから、今はもう解散をせいという国民皆さんの御要望なんです。永田町の論理というものと永田町の外の国民の論理、一国の総理として、今、日本の民主主義が問われているということを言いました。私はここにニューズウイークの厳しい日本の民主主義に対する批判の文章も持ってきております。経済大国である日本には不正防止の仕組みがない、そういうことで、アメリカからもイギリスからも、ヨーロッパからも東南アジアの国々からも大変厳しい指摘を受けておるのです。  私は、九月十四日でしたか、最初の税制特別委員会でこの問題についてのお尋ねをしましたときに、マックス・ウェーバーの「職業としての政治」という本の中から政治家の二つのタイプというものを指摘をしました。それは、政治のために生きるか、政治によって権力や金を得るために政治をやるか、この二つがあると、政治家の道をマックス・ウェーバーの「職業としての政治」では指摘をしているわけです。私はそのことを九月の質問の際にあなたにも指摘をいたしました。私は今、大変失礼だ、先輩に対してこういうことを申し上げるのは大変失礼ですけれども、あなたは政治によって権力を、金を、そしてこれまでの明らかになったところは、新聞やマスコミ等で明らかになれば、それを弁明をしていくということを繰り返しておる。あなたは今、日本のこの政治を改めていく、民主主義の危機を打開をするためにはあなたがやめる、私は、あなたがやめることが今の日本のこの民主政治というものを生き返らせる道だと言わざるを得ないと思うのです。決意を伺いたいと思います。
  68. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 先輩としてというお言葉がありましたが、私が先輩であるわけはありませんが、長年の同僚として私に対する御教導等をいただきましたことについては、私もしかとこれを心に受けとめさしていただきます。  具体的な問題でございますが、今マックス・ウェーバーの、いわば前者と後者に分けますならば、私も政治家として前者でありたい、そのような気持ちで今日まで政治活動を続けてまいりました。が、先ほど来申しましたように、今の政治に対する不信感というものは、これは私をもちろん含むリクルート問題等、これが大きな要因になっておりますのは、三十数年の私の体験の中からしても、これほど大きなことにぶつかった経験はございません。したがいまして、だからこそ私は、せめてこの政治改革というものの緒をつけなければならぬ。私は内閣総理大臣です。逃げて通れません。そこに私の考え方を進めていくことを重ねて申し上げる次第であります。
  69. 川崎寛治

    川崎(寛)委員 冒頭に支持率の問題を言いました。あなたの政権基盤は壊れているのですよ。だから、そのことを厳しく申し上げて終わりたいと思います。
  70. 近藤元次

    近藤(元)委員長代理 これにて川崎君の質疑は終了いたしました。  次に、宮地正介君。
  71. 宮地正介

    ○宮地委員 私は、公明党・国民会議を代表いたしまして、竹下総理を中心といたしまして、ただいま国民が大変危惧をしておりますところのリクルート問題を中心に質問を進めてまいりたいと思います。  今回のリクルート事件の最大の特徴は、中曽根政権時代に起きたところの政財官の構造的な汚職事件であるということであります。既に財界のトップと言われておるNTTの元会長真藤恒氏が逮捕され、起訴をされております。また、官界のトップである加藤労働省元事務次官が逮捕され、起訴をされております。さらに現在、高石文部省元事務次官が逮捕され、勾留中であります。政界につきましても捜査の手が伸びている状況でございます。こうした状況の中におきまして、現職の竹下総理周辺リクルート社グループから、本日の釈明を聞いた金額だけでも総額にいたしまして一億五千百万円の巨額の資金がパーティー券購入、あるいはリクルートコスモス株の未公開株の譲渡益、あるいは政治献金という形で提供されていたことが、昭和六十年から三年間、この期間に、今御報告のとおり明らかになったわけであります。  まさにリクルート事件は、金で政治を汚染するという、議会制民主主義の根本をも危機に陥れようとしているものであります。今や国民の目から 見れば、竹下政権のみでなく、自民党単独政権の存在そのものが厳しい批判の的となっております。すなわち、四十余年の長期単独政権の権力のおごりが今日の事態を惹起させたという認識であります。先ほど総理は、今回のこのリクルート問題につきまして、司法上、政治上のけじめをつけなくてはならない、そういう釈明をされました。総理、今日のこうした国民政治不信の払拭、あるいは日本の将来の議会制民主主義の発展のためにも、また世界の自由主義陣営の先進国として国際的な信用と国益のためにも、道義的責任について私はもっと深刻に受けとめ、国民の前に明らかにすべきだと思うのであります。総理の所見をお伺いしたいと思います。
  72. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 先ほど宮地委員が御指摘なさったこと、私も十分そういう認識の上に立っております。したがってこそ、私は、自浄能力というものがまず問われておるではないか、その自浄能力というものの一環として、きょうもろもろのお答えを申し上げてきたところでございます。さらに、この自浄能力を高める、それは一つの一環としての行為にすぎなかったわけでございますが、それらを行うに至った経過等をつまびらかにすることによって、そしてそういうことが行われる環境がないようにするための政治改革というものにこれからさらに進んでいかなければならないではなかろうかというふうに考えておるところでございます。
  73. 宮地正介

    ○宮地委員 本日のこの委員会における竹下総理釈明につきまして、私は、まさか総理はこのような政治の論理は考えていない、しかし確認をしなくてはならない、そこに大変残念な思いをしております。まさか竹下総理は、本日のこの予算委員会における国民への釈明というものが、あなたの政権延命のための求心力回復などといったその論理ではないでしょうね。その点について確認しておきたいと思います。
  74. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 そういう論調も私も読ませていただいておりますが、そのような考えは全くございません。
  75. 宮地正介

    ○宮地委員 今、国民皆さんが、この政治の不信の最大の問題は、現職の竹下総理周辺にまつわるリクルート汚染の問題であり、疑惑の問題であります。もう一つは、前政権の中曽根前総理に対するところの疑惑であります。歴代のお二人の日本国の代表たる総理大臣にこの疑惑がかかっているところに国民怒り政治の不信を感じているわけであります。  先日の委員会でも私は申し上げました。まず、竹下総理自身が潔白であると言うならば、そのすべての証拠を国民の前に明らかにすべきである。ガラス張りに、国民にその問題について一つ一つ誠実に、謙虚に私は明らかにしていくべきである。もう一つは、中曽根前総理に対して、今国民の大多数が国会において証人喚問に応ずるべきである、このように国民皆さんが注目をしております。先日の有識者会議におきましても、江藤淳東京工業大学教授は、「チームメートであってもルール違反したら、泣いて馬謖を切ることがなければならない。」こういう厳しい提言もされているわけであります。  総理みずからの国民に対する、さらなる潔白に対するところの、そのあらゆる資料の提供、公表、また前総理に対して、中曽根証人喚問に対して、今申し上げたようなことで進言をしていく御決意はあるのかどうか、この点について所見を伺っておきたいと思います。
  76. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 今度のリクルート問題について、まずみずからの疑惑先ほど申しました自浄能力を発揮することによって可能な限り国民皆様方の前に行うべきである、この考え方は私も賛成でございます。可能な限りの努力を今後とも進めていくべき課題であるというふうに思っております。  事件の件につきましては、厳正な、適切な捜査が行われておるというふうに確信をしておるところであります。  そして、中曽根前総理の喚問問題でございます。この問題につきましては、私は国会でいろいろ議論がなされておることは十分承知をいたしておるところでございます。そして今、宮地委員のおっしゃった考え方も存在しておることは十分私も承知しております。
  77. 宮地正介

    ○宮地委員 このお二人の総理大臣のこうしたリクルート疑惑の諸悪の根源について、有識者の中からも、自民党総裁選に金をかけ過ぎていることだ、この点についても国民にしかるべき決意を表明することが大事ではないか、竹下総理、この点についてはどのようにお考えでございましょうか。
  78. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 総裁選挙政治活動、広報活動を行いますために、それはもとより資金がかかるでございましょう。しかしながら、私ども、いわゆるこの総裁選挙そのものに金がかかるというのは、あくまでも政策普及等の広報宣伝活動等に限られたものであるというふうに理解をいたしておるところでございます。
  79. 宮地正介

    ○宮地委員 政治と金の癒着というものがここまで汚染をされてまいりましては、私は、総理としての、政治行政の長としてのリーダーシップが果たして発揮できるのかどうか、この点に大変危惧をしている一人でございます。  各社の、今回の最近におけるマスコミの世論調査によりましても、竹下内閣支持率は史上最低であります。不支持につきましても、もう既に六〇%を超えていると言われております。その不支持の最大の理由というものの中で、竹下総理の指導力がないということが問われております。あるいは、言動が信頼できない、政治浄化に消極的である、すべて三〇%を超えて四〇%近いそうした状況であります。まさに竹下総理の御自身政治姿勢が今問われているのでございます。  こうした国民の厳粛な声に対し、特に今、サイレントマジョリティーと言われる声なき声の国民怒りは極限に達していると言っても過言ではありません。こうした状況の払拭、また御認識を今総理はどのように受けとめておられるのか、お伺いをしたいと思います。
  80. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 世論調査等においてたびたび指摘を受けておりますように、これこそ私自身の不徳をも含め謙虚に耳を傾けなければならないというふうに、いつもこれは思っておるところでございます。したがって、今回このようにして政治不信を巻き起こした一番の要因になりました問題につき、改めて私といたしましては政治改革というもの、今の国民感情から、政治資金規正法だ、そうしてまた公職選挙法だと言えば、かなり乖離があろうとも、やはり地道なところから政治改革そのものへの端緒をつかまなければならない、これが今私に与えられた使命であるというふうに理解をいたしておるところでございます。
  81. 宮地正介

    ○宮地委員 いみじくも今総理政治改革の問題にお触れになりましたが、この問題につきましても、最近の別のマスコミの世論調査におきましても、今国民政治改革の問題で最も求めているのは政治家政治倫理の確立であります。そして、政治資金の規制の問題であり、選挙制度の見直しであります。特に注目をしなくてはならないのは、政治家の資金集めのパーティーについて国民皆さんは今どう思っているか、権力を利用して非課税で大金を集めている、六割近い見方をされているのであります。そして竹下総理に対し、政治改革に積極的に取り組んでおるかという問いに対し、そうは思わないというのが何と六七%です、総理。これが今偽らざる国民の、庶民の政治に対する怒りであり、不信の大きな要因なんです。  総理、口先だけで政治改革を唱えても国民はついてまいりません。この点について総理はどのようにお受けとめになっているか、お伺いをしておきたいと思います。
  82. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 政治改革、これは私は、こうした問題が起きたときの内閣総理大臣として逃げて通れない問題であると自分自身思っておるところであります。したがいまして、これが点については、これは具体的な問題としては、選挙制度調査会等を活用する問題もございます。そしてい ま一つは、党内に設置いたしまして目下その作業を鋭意進めておりますいわゆる政治改革を行うための俗に言う後藤田委員会というものがあります。また、内閣といたしましては、これは有識者懇談会等で今御意見を承っておるところであります。そうしたもろもろの考え方を、長期にわたるもの、中期のもの、短期のもの、それぞれ分けまして、せっかく本院において設置せられておる政治倫理綱領、そして行為規範、これらが守られやすい環境そのものを整備していくための端緒をつかまなければならぬというふうに私は考えておるところであります。
  83. 宮地正介

    ○宮地委員 公明党はこうした問題につきまして、政治改革の問題にして政治倫理法の制定案、具体的には政治倫理の基準あるいは国会議員の資産の公開あるいは政治倫理委員会の設置、政治資金規正法につきましてもその改正案、企業、団体による寄附の禁止、政治資金の公開制度の徹底、政治パーティーに対する規制、そして衆議院における定数是正四百七十一名の公職選挙法の改正等、こうした一つ一つの問題に真剣に取り組み、そして今国民皆さんに提案をさしていただいております。  どうか総理も、先ほど来から申し上げておりますような今の国民のこの政治の信頼回復のために、私は、何をなすべきであるか、その責任の取り方はやはりどうすべきであるか、この点についても後ほどまた申し上げたいと思いますが、やはり当面する口先だけの問題や、皮相的な表面的な問題だけではもう国民は納得しない、そういう段階に来ていると思います。  そこで、時間も限られておりますので、具体的にお伺いをしてまいりたいと思います。  先ほど総理は未公開株の問題につきまして、特に売買約定書について、青木元秘書のものはある、しかし福田勝之氏の売買約定書は手元にない、リクルート社に写しが、控えがあるならばそちらからわかるのではないかといったような、何か他力本願的なお話をされました。  まず総理にお伺いしたいと思います。この売買約定書ほか三点セットについて、公表の時期、これはいつと考えておられるのか。またこの福田勝之氏の売買約定書について、本当にないのかどうか。この問題については、竹下事務所で、間宮常務が参って青木元秘書あるいは福田勝之氏のこのいわゆる一体になった約定書が交わされているのではないか、こりも言われているわけですが、事実に間違いないかどうか。  また、この三点セット竹下周辺の公表に伴って、あなたは自民党の総裁として今後、疑惑の持たれている安倍幹事長あるいは渡辺政務調査会長等々にも、こうした三点セット国民の前に提示することを指導するお考えはないか、この点について御意見をお伺いしておきたいと思います。
  84. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 まず、私が申しましたのは、福田氏にはいわゆる売買約定書保存がございません。ただし、取引の相手方でありますビッグウエイ社に同じ約定書保存されておると思いますので、同社の協力を得て写しを入手することは可能であろうというふうに申し述べたわけでございます。  確かに、私も経験を持ちませんけれども、売買約定書というものは、企業には多く保存されるが個人の場合は保存されていない場合が多いというふうに私も聞かされておるところでございます。しかしながら、この青木氏の分につきましては私も見ましたが、ちゃんとしたゴム印、実印を押したものが存在しておることは事実で、たまたま存在しておったことは事実でございます。したがって、福田氏のものにつきましては写しを入手することが可能であろうということをお答えをいたしたわけでございます。  それの時期等につきましては、いま一つは、株式の譲渡に関する証券取引上の問題で、処分保留のままでございますか、いずれにしても被疑事実があった行為が一方にございますので、それとの関連等を全く私が常識的に考えないわけではございません。いずれにせよ、理事会等で私の方からも御協議申し上げてみたいというふうに考えておるところでございます。  それから、この三点セットというような種類のものを他に拡大する考えはないかということでございますが、これはあくまでも、ここで絶えず皆さん方に御質疑を受ける立場にある内閣総理大臣たる私の自発的な考え方で提出させていただくことにとどめたいというふうに考えております。
  85. 宮地正介

    ○宮地委員 御確認させていただきますが、そうしますと、竹下総理周辺の一万二千株の譲渡につきましては、リクルート社の間宮舜二郎常務が千代田区麹町の竹下事務所青木伊平元秘書と一括しての譲渡契約を結び、このうち一万株が総理の親類の福田勝之名義とされた、こう言われておりますが、事実は異なる、こういう理解でよろしいのですか。     〔近藤(元)委員長代理退席、委員長着席〕
  86. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 私も正確には承知しておりません。正確にその点はお答えができることだと思っておりますが、同じ日に間宮何がしがお見えになりまして、そこで行われたというふうに正確には承知しておりません。
  87. 宮地正介

    ○宮地委員 その点が非常に大きな問題であるわけでございまして、売買約定書は、青木名義分二千株と福田名義分一万株に分けて譲渡することにし、実際は売買約定書は一括して交わされているのではないか、こういう国民疑惑もあるわけでございまして、ぜひこの点についても御調査をいただいて御報告をいただきたい。このことは要求をしておきたいと思います。  さて、法務省に若干お伺いをしておきたいと思います。  まず、リクルート事件の捜査の見通しについてお伺いをしておきたいと思います。さらに、国政調査権への協力として国会への報告はいつやるお考えなのか。また、これからいろいろ具体的な問題、お話ししてまいりますが、竹下総理の今回のリクルート社からの政治献金のこの問題の事実について、検察は関心を持っておられるのかどうか。この三点についてお伺いしたいと思います。
  88. 高辻正己

    ○高辻国務大臣 ただいまお尋ねの中で、捜査の内容に関することについてはただいま申し上げることはできません。これはやむを得ないものとして御了解いただきたいと思います。  それから、捜査についての報告、これは前にも委員の御質問に対してお答えしたことがあると思いますが、ある程度捜査が進展しましたところで、国会からの御要請があればこれは御要請にこたえるべく検討したいということを申し上げたのでございますが、目下のところなお捜査は継続中でございまして、今の段階で法務省が積極的にこの報告を申し上げる内容とか時期とかそういうものについてはまだ具体的に考えておりません。繰り返しますが、国会の御要請があれば、その際に十分に検討させていただきたいと思います。
  89. 宮地正介

    ○宮地委員 答弁漏れでございまして、竹下総理リクルート社からの政治献金のこうした事実について、検察は関心を持っておられるかどうか。
  90. 高辻正己

    ○高辻国務大臣 ただいま御指摘の点については、検察当局も無論国会の論議あるいは新聞の報道等によって承知をしておりますから、それについて検察当局としての考えに基づいていろいろな、すべきものであればその点捜査することもございましょう。ただ、捜査当局でない私が余計な関心を持つようなことを言うこと自身、私は控えなければならぬと思っております。
  91. 宮地正介

    ○宮地委員 具体的な問題をお伺いしたいと思っております。  竹下総理、岩手県の長期政策総合懇話会、六十年の十一月十日に設立総会をされておりますが、御出席をされておりますですね。
  92. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 設立総会ではなく、恐らく準備会の段階であると思っております、岩手県に関しましては。
  93. 宮地正介

    ○宮地委員 これはもう地元の岩手日報でも六十年十一月十一日付でこのように写真つきで総理が長期総合懇、この発足においでになっている。ここで総理は、二十八年間国会にいて、今蔵相を務 めているが、つくづく幸せ者という気持ちを深くしている、支援にこたえて邁進したい、こうおっしゃっておりまして、当時この盛岡のグランドホテルにおきまして当時の政治状況について御講演されておる。思い出されましたか。
  94. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 講演したことは記憶にございます。
  95. 宮地正介

    ○宮地委員 この会長は赤坂俊夫氏というお医者さんですね。この岩手長期政策懇話会と岩手県長期政策総合懇話会、会長さんはやはり同じく赤坂俊夫さんです。これは同じ団体というふうに見てよろしいのですか。
  96. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 正確に申しますと、本当は長期政策総合懇話会というのが私に関係する政治団体でございます。それにそれぞれ県支部がございますところが、先ほど川崎委員に四十と申しましたが、三十幾つあろうかと思います。ただ、数少ないわけでございますが、中に県名を最初付して、支部ではなく、この総合懇話会として届け出されたところが北海道初めわずかあったと思っております。  岩手の場合も当然そういう考え方で物を進めておりましたが、結論から申しまして、この長期政策総合懇話会岩手支部あるいは岩手県長期政策総合懇話会というものは未結成のまま今日に至っておる、言ってみれば準備委員会と拡大準備委員会の段階で中途半端になっておるということを申し上げるべきだと思います。
  97. 宮地正介

    ○宮地委員 両方ともこの団体は竹下総理の後援団体ですね。間違いありませんね。
  98. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 後援団体にしようという段階であったにいたしましても、性格はおっしゃるとおりのものであると思います。
  99. 宮地正介

    ○宮地委員 自治省に確認をしておきたいと思いますが、政治資金規正法の第三条の定義、また、政治資金規正法第五条のみなし規定、これについて簡単に説明していただきたいと思います。
  100. 浅野大三郎

    ○浅野(大)政府委員 政治資金規正法の第三条には政治団体の定義が書いてございます。それで、いろいろございますけれども、例えば「特定の公職の候補者を推薦し、支持し、又はこれに反対することを本来の目的とする団体」「特定の公職の候補者を推薦し、支持し、又はこれに反対すること。」を「主たる活動として組織的かつ継続的に行う団体」というような、例えばそういう規定がございます。  それから五条の方では、みなす政治団体でございまして、これは「政治上の主義又は施策を研究する目的を有する団体で、衆議院議員若しくは参議院議員が主宰するもの又はその主要な構成員が衆議院議員若しくは参議院議員であるもの」というような規定がございます。
  101. 宮地正介

    ○宮地委員 そうしますと、この団体におきまして、まず小沢衆議院議員が、皆さんの支援、知遇を幅広く得て竹下蔵相も期待にこたえるものと確信している、これは第五条に適用できるのじゃないですか。また、先ほど私が申し上げました、当時竹下蔵相の御発言、支援にこたえて邁進したい、これは三条の三号のロの定義に合致するのじゃないですか。  そうしますと、この団体はまさに政治団体としての資格を有している、こう理解してよろしいのではないでしょうか。
  102. 浅野大三郎

    ○浅野(大)政府委員 具体の事例でございますので、それはやはり事実に即して判断をしなければならないと思います。考え方は、あるいは法律上の定義は先ほど申し上げたとおりでございます。  先ほど来の質疑を聞いておりますと、まだその準備段階であったというふうに伺っておるところでございます。ですから、私としてこれが政治団体であるとかないとか断言することはできないわけでございます。
  103. 宮地正介

    ○宮地委員 そこのところが自治省としても非常に不明朗であるし、おかしいわけでございます。特に自治省は、この寄附の解釈について、パーティー券の価格が社会常識の範囲であり出席を前提にした妥当な枚数の購入でない限り、寄附として政治資金規正法上の規制を受ける、これは間違いないですか。
  104. 浅野大三郎

    ○浅野(大)政府委員 パーティー券につきましては、その販売の収入というものを政治資金規正法上どう報告するかというような問題がありますものですから、それについては寄附じゃなくて事業収入だというふうに一般的に言っておるわけです。ただ、全く無限定に言っているわけじゃなくて、価格が常識的なもので、それで出席を前提として購入するものは、それは事業収入であって寄附ではない、こういうふうに言っておるわけでございます。
  105. 宮地正介

    ○宮地委員 普通、パーティー券の価格が社会常識の範囲、果たしてこれはどのくらいなんだろうか。我々普通は二万円券で五枚とか十枚、十万とか二十万、こういう感じで社会常識的には見るわけでございますが、自民党内でも今大体六十万円ぐらい、こういうことが検討されているようでございますが、今回この岩手の問題について、いわゆる地元の岩手県下からは約千三百枚、二千六百万円、これが集められておる。そのほかに、いわゆるリクルート社から三千万円が購入されておる。まさにこの三千万円というのは、これはもう政治献金ですね。そのうち一千万円が経費で二千万円が預かり金だ、こうなりますと、やはりこれは明らかに先ほど政治資金規正法の三条、五条からいっても任意団体という認知は非常に難しい、現実はもう政治団体総理の御発言等いろいろ調べてまいりますと。  そしてそれが三千万円という、まさにパーティー券の常識的な価格を超えている。まして、ここに集まった政財界人一千人、「竹下さん迎え熱っぽく」、岩手日報でこう出ているわけです。ここの会場は、これでもむんむんで入り切れない。さらにリクルートから三千万円で千五百人分、これはまさに政治献金じゃないですか。まさにこれは政治資金規正法に違反している、この団体は。こう言っても私は間違いない、こう思いますが、自治省の見解を伺っておきたいと思います。
  106. 浅野大三郎

    ○浅野(大)政府委員 具体の事例でございますので、それはやはり詳細な事実を承知して、それに基づいて判断しなければ、的確に申し上げることはできないと思います。  一般的な政治資金規正法考え方というものは、先ほど来申し上げているとおりでございます。
  107. 宮地正介

    ○宮地委員 総理、当時は幹事長として将来総理・総裁をやはりねらう、そうした政治家として、こうした法に抵触するような、また疑惑を招くようなこういう会をあなたの後援団体が開催をしていた、これは総理・総裁をねらう当時の政治家竹下登幹事長としてはまことに不見識ではないか、こう思うのですが、この点についてはどうお考えになっておりますか。
  108. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 私は党の幹事長でございましたので、本当は五月東京で行いましたパーティーの際にも批判をいただいておりました。そのことは十分私もそのとき承知をいたしておったところでございます。  岩手県で行いましたパーティーにつきましては、これは確かに私の事務所が主導して行ったものではございませんけれども考え方を整理してみますと、この一月いろいろな整理をいたしましたが、不見識であったという評価に対しては、私も甘んじて受けなければならぬと思っております。
  109. 宮地正介

    ○宮地委員 時間が参りましたが、総理最後にお伺いをしておきたいと思います。  先ほど来から私はるる申し上げてまいりましたが、やはり政治家けじめというものは非常に大事だと思うのです。総理も今まで何度かこの予算委員会において、政治家の出処進退、けじめというものは最も政治家として大事である、こういうことを何度か私もお伺いしました。今、総理周辺にこうしたリクルート疑惑、汚染というものが大変に深刻になっております。もう国民怒りというものは我々が想像する以上に大変なものです。この際、総理内閣を総辞職し、あるいは国民に信を問い、そして日本のこれからの議会制民主主義の発展のために決断をすべき時期に来ている のではないか。  私はこういうことを現職の総理に申し上げることは、同じ国会の仲間として、また同門の仲間としても大変悲しい、残念な思いでありますが、やはり国民の現在の置かれた庶民的な立場というもの、考えというものを謙虚に、率直に受けとめて御決断をされるべきではないか、このように思いますが、総理の御決断を促し、御見解をお伺いして、終わりにしたいと思います。
  110. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 宮地さんの考え方につきましては、私もこれを素直に受けとめるべきであると思っております。  私自身考え方につきましては、確かに国会解散権が私にございます。そして、総辞職という問題も私自身が決断すればできることであるということも承知をいたしております。いずれも、私はそれをとる考えはございません。私の時代に起きましたことでありますだけに、何とかしてこれらを教訓として政治改革の端緒につけるために全力を尽くしたい、このように考えておるところでございます。
  111. 宮地正介

    ○宮地委員 今国民は、やはりそうした総理のお考えには大変に失望感を持っております。特にこのリクルート疑惑、そして消費税のこの問題、これに対する国民怒りというものは大変な問題であります。日本の議会制民主主義を守り、発展させ、また先ほど申し上げましたように国民政治の信頼回復のために、また我が国が今後世界のリーダーとして、世界に貢献する日本としてさらに発展をし続けるためには、最も大事な議会制民主主義を守る、この決断をしなくてはならないと思います。総理に対して再度私は、内閣総辞職、解散・総選挙国民に信を問い、そして国民の信頼回復のために新たな出発を国会はしなくてはならない、このことを強く要望いたしまして、質問を終わります。大変ありがとうございました。
  112. 大野明

    大野委員長 これにて宮地君の質疑は終了いたしました。  次に、玉置一弥君。
  113. 玉置一弥

    ○玉置委員 私は、民社党・民主連合を代表して、今急に問題が大きくなりました竹下総理周辺リクルート事件関係についてお伺いをしたいと思います。  私ども議会は、本来行政府のチェックをするということで国民皆さんから選ばれて出てきたわけでございまして、また議会に対しては国民が厳しくチェックをする、そりいり意味におきましては、今まさにチェックを受ける、そういう状況にあるのではないか、こういう感じがいたします。また議会の方も、行政に対して従来から大変厳しい対応をしているわけでございますけれども、今回のリクルート疑惑、この全容を見てみますと、行政並びに議員が数多く含まれているという大変大規模なものでございまして、私ども国民に対してこの中身の解明をするということがまず最大の責務であろう、こういうふうに思うわけでございます。自民党総裁としての竹下登さん、そして現内閣総理大臣ということでございまして、かなり我々もこの問題を重く受けとめておりまして、ぜひとも解明のために一日も早くいろんな努力をしていただきたい、まず最初に申し上げておきたいと思います。  また、今回のリクルート事件、見方によっては氷山の一角とも言われておりますし、むしろいろんな金銭感覚のずれあるいは今までの行政機構を利用したいわゆる利権構造、こういうようなものが、まさに長期政権のためになれてしまっているのではないか、こんな感じを受けます。  先日も、ある大学の先生にいろいろお聞きをしました。日本政治の特色ともいうべきものがいろいろあるわけです。これはやはり、政権交代がないということが政治の中でかなり悪い方向に動いてしまっているということでございますし、ほかの国に比べて選挙が非常に頻繁に行われる、このことも政治にお金がかかる最大の要因であろう、こういうお話がございます。例えば、西ドイツで行われます選挙あるいは英国なんかにおきましては国政選挙の間が三年八カ月というふうに非常に長いわけでございますが、日本は衆参両方を合算いたしますと一年二カ月ということで、大変短くなっております。それだけに、地元の秘書をふやし、あるいは日ごろのいわゆる選挙のための広報活動というものが大変頻繁に行われておる、こういうことが政治家にとって政治活動するにはお金が必要だというふうなことのゆえんではないかというふうに思います。しかし、政治家そのものの活動にも大変お金をかける方法とかけない方法とあるわけでございますし、我々としてはとてもお金をかけられない状況でございますから、なければないでやっていくことができるというふうにも思うわけでございまして、まず、その政治家の金銭感覚についてということで総理にお伺いをしたいと思います。  実は、新聞等で報道されておりますように、自民党の新人議員の衆議院議員十名の方々で年間一億二千万というようなお金が使われております。また、自民党百人の方の平均的な一年間の経費が九千四百万円ということでございます。私ども大変不思議なのは、野党の方はとてもそれだけかからないということでございますが、自民党さんにおかれましては非常に高い金額でございます。これは例えば標準世帯で考えていきますと、世帯の年間収入が五百二十万というのが六十二年に出ております。年齢的にいきますと三十八歳前後ということになりますけれども、これから考えるとけた違いに、十六倍くらいの倍率でその費用を賄ってきているということでございまして、まずやはり政治家の金銭感覚が、日ごろ私ども年金とかあるいは物価対策をいろいろやって細かい何十何円単位までのいろんな話しをしているのですけれども、本当にこんな状態でできるのかどうか、こういうことも考えられます。  まず総理に、自民党の中ということでございますけれども、新聞に公表されました政治家の年間の経費、このことあるいは政治家のいわゆる金銭感覚という意味で、どういうふうに受けとめられているか、お聞きをしたいと思います。
  114. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 今、最初感想をお述べになりましたが、確かに私自身昭和三十三年に国会へ出ましたときに、ある先輩から、いずれ政権交代があるのが議会制民主主義である、その場合君たち若い諸君がいかに復原力を持つかという意味において政策勉強をしなさい、こういうことを言われたときに、何の抵抗も感じなくそれを聞いておったことを覚えております。  しかしながら、現実の問題として今日長期政権が続いてまいりました。これについてとやかく私は評価、批評しようとは思っておりませんが、その中でいろんな問題も起こってきましたけれども、先輩の皆様方努力によってそれぞれ解決しながら今日に至ってきたということをまずは厳粛に受けとめておるところでございます。それが、おっしゃった長期政権へのなれという問題をやはり惹起しておることは事実であろうと思います。  そうして、いま一つそこからきますところのいわゆる政権交代の問題として制度の中で議論してみますと、選挙制度の問題が出てまいります。今それぞれの政党におかれて幾ばくか複数候補をお出しになっておることを私も十分承知いたしておりますが、今の中選挙区におきましては、いわゆる一党でもって政権を担当する支持をいただくためには、一選挙区に対して過半数以上、少なくとも最低限複数の候補者の方を国民の前に提示して選択をいただくという必要性があるわけであります。したがって、政党活動即個人政治活動とオーバーラップしない点があるということは率直に私どもも認めておるところであります。そこに、私は、いろいろ苦心され、たくさんの秘書さんをお持ちになり、事務所を設置されてそれぞれ日常活動に努力しておられるから政治資金がかかる、人件費部分を別といたしましても相当な金額というものがかかっておるということが現状認識としては正しいのではなかろうかというふうに思っておるところでございます。  したがいまして、私ども心していなければならないのは、いわば政治資金と私生活との峻別とい うところに絶えず心がけていなければ今おっしゃった金銭感覚の麻痺というものを招来するのではなかろうか。私自身も、若いときから今日に至っておりますが、そのことを肝に銘じて、政治資金というものの存在と、一方それをいやしくも私してはならないというその節度の問題を将来とも心がけて対応していきたい、このように考えておるところでございます。
  115. 玉置一弥

    ○玉置委員 確かに私的に使われる部分については政治資金でない、こういうふうな解釈が既にもうでき上がっておりますけれども、私どもは大体公に使う部分が大部分ということで、私的なものはむしろ普通の方よりかなり貧しい生活をしているのではないか、こういう気持ちを持っております。  しかし、今回新聞に公表されましたような、例えば六十年以降のリクルート社関連の献金一億五千百万、こういう金額になりますと、まさに庶民からかけ離れた数字になっているわけでございます。一応先ほど竹下総理自身から公表されましたものが二千万追加になっておりますけれども、それを合計しますと一億五千百万ということでございますが、このほかにリクルート関係ではもうありませんか。それからもう一つ、もしこの後に出てきたらどういうふうになさいますか。
  116. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 私も私なりに可能な限りの調査を行いましたので、今後出てくることはないであろうという確信を持っております。出た場合にどうするかという仮定のことを前提にしてお答えする準備はいたしておりません。
  117. 玉置一弥

    ○玉置委員 今のお答えですと自分調査してすべてであるということでございますね。だから、自分で調べた限りはない、他人が勝手に名前を使っていない限りは大体自分でわかるということでよろしゅうございますか。
  118. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 他の方が勝手に名前をお使いになるなどという非礼なことは考えたこともございません。
  119. 玉置一弥

    ○玉置委員 先ほど自治省の方がお答えになる前に今までの委員会の中で、出席を前提として売られたパーティー券以上のものは政治献金とみなす、こういう自治省の見解が出ております。先ほどからのお話のように、東京のパーティーは会場の広いところですけれども、それでも二千万円という数字が出ております。岩手県の盛岡で開かれました五月三十日の開催パーティーにおきましては三千万円、千五百枚といり大変な数字が出ておりまして、この具体的な件について、パーティー券とみなすのか、あるいは政治資金における献金とみなすのか、この自治省の見解をまずお伺いをしたいと思います。
  120. 浅野大三郎

    ○浅野(大)政府委員 具体の事例についてでございますから、いつも申し上げておりますけれども、やはり詳細に事実関係がわかりませんと判断することは困難でございます。
  121. 玉置一弥

    ○玉置委員 六百人入る会場に千五百枚の券を売って、政治献金とみなされるのかみなされないのか、具体的にお答えください。
  122. 浅野大三郎

    ○浅野(大)政府委員 今の御質問にしましても、仮にそういうことがあったらということではないかと思うのでございますけれども、具体の事例に即しまして仮にそうであればという形でお答えするのも必ずしも適当でないと思います。
  123. 玉置一弥

    ○玉置委員 自台大臣、今のこの重要な時期にああいうお答えをいただいたのですけれども、そういうことでこの審議が進まないのですけれども、御答弁お願いします。
  124. 坂野重信

    ○坂野国務大臣 公的な解釈は先ほど挙部長が答えたとおりでございます。出席を前提としてということでございますから、実際そのとおり出席したしないは別問題で、出席を前提として常識的な考え方でいくという解釈でございます。
  125. 玉置一弥

    ○玉置委員 事実関係を申し上げておりますので、前提としてということではなく、何なら今から委員会が終わるまでに調査をしていただきたいと思います。いかがですか、自治大臣。
  126. 浅野大三郎

    ○浅野(大)政府委員 これもいつも申しておりますが、私どもには実質調査権というものはございませんものですから調査をするということができませんので、御了解いただきたいと思います。
  127. 玉置一弥

    ○玉置委員 仮にという話をしてもだめ、調査はできないということでこの審議はどうなるのですか。そんなばかな話ないでしょうが。自治省の見解が出ているのでしょう、今まで。それをもとに答えたらいいでしょう。
  128. 浅野大三郎

    ○浅野(大)政府委員 考え方はもう申し上げておりますとおりでございまして、あとは具体の事実の当てはめの問題でございますから、それはやはり詳細な事実を承知した上でないと当てはめができない、こういうことなんでございます。
  129. 玉置一弥

    ○玉置委員 余りばかなことにつき合っていられないですから進めますけれども、今の見解を聞く前にもう既に出ているのですね、委員会で。それからいきますと、出席できる人数を前提にした範囲内ということになっているわけでございますから、当然政治資金規正法に基づく分野に該当するのではないか、こういうふうに思われるわけでございます。  これからそういう問題を中心にお聞きをしたいと思いますけれども、まず、もう時間がありませんので、政府のというか、自民党見解が二月一日に安倍幹事長から出されました。この自民党見解として出されましたリクルート問題における政治献金等に関する見解というのがございまして、これは昨年の夏以前のものというもので該当しないということ、それからそれ以降でもいわゆる政治資金規正法に基づいて処理されているものであれば該当しない、それ以前も以後もですね、こういうことが言われております。で、二月の十七日に楢崎委員の方から竹下総理に対してその質問がございました。これによりますと、二月一日に自民党の見解が出されました、竹下総理はその内容について支持をなさいますかということに対しまして、出されたという事実は私も承知しておりますが、指示をしたことがございません、こういう話ですね。このシジが、楢崎さんの言っておられるシジというのはサポートのことでして、竹下総理お答えになったのは指図の方なんですね。ちょっと意味が食い違っておりますので、もう一度その辺を確認したいと思います。同じシジなんですけれども、中身が違う。
  130. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 私もその自民党見解のとおりですというお答えをすべきであろうと思いますから、サポートの方であると思います。
  131. 玉置一弥

    ○玉置委員 今のお話でサポートということでございますが、例えば今回いろいろな献金がございまして一億五千百万円になりました。これが形式上はうまく分散されて、ふえました。それで一億五千百万円というものがございますが、これを自治省の方ではなかなか調査できないというので、我々の方でまた調査をしたいと思いますが、今の自民党見解からいきますと、昨年の夏以前のものとそれから政治資金規正法内にあるものについてはいわゆる枠外である、こういうようなことでございますが、この調査によって政治資金規正法に抵触をしているということになればどうなりますかということをお聞きしたいと思います。質問の内容がわかりにくければ、抵触された方は今まで全部やめられているわけでございますから、その辺をどういうふうにお考えになりますか。
  132. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 今までやめられたということにつきましては、私はいつも申しますように、閣僚ということになると私が任命権者でございます。信頼しておるからこそ先輩の皆様方を任命したわけでございますから、それがおやめになる際もやはり信頼した方のその事情を信すべきであるということで、何がゆえにおやめになったという評論をしようとは今までも思っていないところでございます。  それから夏以前、夏以後の問題につきましては、夏以前の問題であるということは、そのとおりでございます。
  133. 玉置一弥

    ○玉置委員 今まで長谷川法務大臣それから原田憲さん、おやめになりました。これはそれぞれリクルート社からいろんな形での献金を受けているということが一つの発端になっているわけです が、それ以前も関係した方々がそれぞれの役職を退かれる、こういうことがございました。そういう事実を見ておりますと、今の竹下総理の御答弁を聞いておりますと、自分が任命をして、十分調査をされて任命されたと思いますけれども自分はその範囲にないということで任命をしたけれども、当人から自然に、自然にというか自発的に辞退をされた、こういうふうな受けとめ方を私はしたんですけれども、今までやめられた方は自民党見解に抵触をしてない、そういう見解でよろしゅうございますか。
  134. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 それぞれの方々の辞任の問題につきましては、私はそれに対してどういう理由であった、こういう理由であったということを申し上げる考えは全くこれはございません。この見解そのものが出ました時期がたしか二月一日でございましたか、その後その見解に照らしてせんさくしたこともございません。
  135. 玉置一弥

    ○玉置委員 私どもも、今までこういうニュースが出る前には、竹下総理というのは江副さんとは余り関係なく、またリクルートにも深いかかわりはない、こういうふうに思っていたものでございますから、余り関心を持って見ていなかったわけでございますけれども、今回このように大きな金額リクルート社から竹下総理周辺献金をされているということになりますと、やはり政治献金の一般的な常識をはるかに上回る金額ではないか、こういうふうに思うわけでございます。  そういう意味で、これだけの金額を処理する政治団体が、いろいろあると思いますけれども、きっとどこかに埋もれているんじゃないか、まだまだ隠されたものもあるんではないか、こういう感じを受けるわけで、もしそういうものが出てきた場合、例えば自民党見解に抵触をするということ、これは一つ政治資金規正法内で処理がされてない、先ほどの岩手県の二千万円の預かり金のような場合、こういうようなものもそうだと思いますし、ほかにもいろいろあるかと思います。これは調べてみないとわかりませんけれども、こういう問題が出てきた場合にどういうふうになさるのかということをお聞きをしたいわけです。答弁としては、先ほども言われましたように、こういうことはないと思うという話から始まりますから、まず難しいと思いますけれども、そういう意味では自民党の党の見解というものが一応出されて、また竹下総理支持をされているわけでございますから、ぜひそれに従った行動をお願いを申し上げたいと思います。  時間がないので次に進めますが、今までは中曽根さんを頂点としたリクルート疑惑という問題でございまして、これはまさに国民的課題ということで、昨日のテレビの報道でも中曽根喚問をすべきというものが八〇%前後という大変大きな数字になってきております。私ども竹下総理内閣支持率がだんだん低下をしているということを非常に興味を持って見させていただいておりますけれども、この中曽根喚問問題を初めリクルート事件に対して総理自身がみずから進んでいろんなことをやろうというふうに動き始めたのは、きょうが初めてなんですね、表に見えるのは。裏でどういうことをなさっているか知りませんけれども、表に見えるのはきょうが初めてでございます。こういうことをもっと早くやるべきではなかったか。  また、中曽根喚問問題を、私どもは別に予算委員会で重要な予算審議をしないといりことではなくて、そのことをクリアしなければ予算の、いわゆる竹下内閣政治姿勢なりあるいは中曽根さんが今までやってこられたいろいろな問題がございますけれども、この問題をやはり一つ一つ解決をしていく、これも予算がいかに有効に使われるかという一つの我々の解明のようなものでございまして、そういう意味で中曽根前総理に当予算委員会においでをいただいて、そこでいろいろお話を伺いたい、こういう話を申し上げているわけでございます。  竹下総理におかれましては、この問題がある程度決着ついた時点でけじめをつけたい、こういうお話を以前にされておりまして、今度は自分自身の問題も出てきたわけでございます。中曽根さんの問題についてどういうふうに決着をつけられるのか、また、自分自身の問題についてどういうふうに決着をつけられるのか、時期と方法、場所についてお伺いをしたいと思います。
  136. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 内閣総理大臣たる私の時期に出てきた問題でありますから、すべてを私に集中してこの御議論をいただけるようにということをかねてから申し上げておるところでございます。したがって、けじめのつけ方の問題につきましては、私なりに十分判断をさしていただくべき問題であるというふうに思っておるところでございます。  中曽根前総理に対する考え方につきましては、今の玉置さんの考えを私も伺ったということで、私自身考えを述べる考えはございません。
  137. 玉置一弥

    ○玉置委員 私ども国の予算というのは大変重要視、私どもでも、でもというのはおかしいですけれどもしておりまして、それにかえても中曽根さんに来ていただこうというのはよほどの決心なんですね。ですから、単に野党が嫌がらせで中曽根さんをということではなくて、やはりこれらのリクルート関係の解明をやるという、頂点という言い方はおかしいですけれども、いろいろなところに関連されておりますのは中曽根さんということでございますし、二月の二十七日に記者会見をやられました内容と従来から国会の中でいろいろお話が出ております内容とが大変食い違っていると、こういうことでございますので、その辺をポイントにお聞きをしたいということでございまして、今後も予算委員会等でいろいろ問題になると思いますけれども、ぜひ前向きのお取り組みをいただきたいと思います。  時間があと二分ということでございますので余り深いことは聞きませんが、まず、今回問題になりましたリクルート社の前会長でございます江副さんと竹下総理関係についてということで、我々急にこんなにお金がたくさんもらえるということが不思議なんですね。何か頼まれたんじゃないかというような気もしますし、竹下さんが総理になられるために尽力をしようという単なる応援なのかというのもございますし、まず竹下さんと江副さんの関係について、御自身お答えをいただきたいと思います。
  138. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 江副さんの意思が那辺にありますかということは、先ほども申し上げましたように私から申し上げる立場になかろうと思っております。  私と江副氏自身との関係につきましては、数年前から顔見知りであることは事実でございます。そうして、何らかの勉強会で出会ったことももとよりございます。そうして、私が総理大臣に就任いたしましてから勉強会をつくっていただきました際のその構成員の一人であることも間違いございません。ただ、どう記憶を呼び戻してみましても、何か特定の問題等について意見交換をしたというような記憶はございません。
  139. 玉置一弥

    ○玉置委員 予定の時間が参りましたので終わりますけれども、今回の事件でさらに国民疑惑に対する、不満といいますか、不信感というのが拡大をしたわけでございまして、一層早い取り組みをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
  140. 大野明

    大野委員長 これにて玉置君の質疑は終了いたしました。  次に、松本善明君。
  141. 松本善明

    松本(善)委員 総理に、若干事実関係からお聞きしたいと思います。  まず、昭和六十一年に、先ほどの御報告では、会費も含めまして約四千万のリクルートグループからの献金があったことを報告されましたが、この六十一年というのは、七月二十二日を境として、総理が大蔵大臣であった時期と幹事長であった時期がございます。大蔵大臣のときということになりますと、職務権限などとの関係も起こってくるかもしれません。この七月二十二日以前と以後に分けて御報告をいただきたいと思います。
  142. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 正確にその資料を持ち合わせておりませんので、きょうここで答えることはできません。
  143. 松本善明

    松本(善)委員 これは非常に重大なことなんですね。そういうことを準備をされて、国会報告をするときに準備がないというのは極めて遺憾だというふうに思います。  もう一つ、六十三年十月に経世会はパーティーを予定しておりました。これは天皇の病気で延期をして、中止ということになったのですが、大量のパーティー券が売られたというふうに言われております。リクルートは幾ら購入をしておりますか。
  144. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 中止されたという事実は承知いたしておりますが、それまでどうなっておるかということは承知いたしておりません。
  145. 松本善明

    松本(善)委員 まともに調べてないということじゃないかというふうに思います。  総理、これは政治的な献金の総額は一億五千百万と非常に多いですね、きょう報告されたものと報道されたものなどを合わせても。江副というのは、この時期に非公開株の譲渡で、贈賄で起訴をされている。それから大蔵大臣としての職務権限の問題もありますし、それから大蔵大臣を辞任して幹事長に就任した二カ月後に、例の非公開株の一万二千株が総理周辺のところへ行っているわけです。こういう大量の政治献金が出てきますと、私は、総理の親戚の福田正氏が非公開株の譲渡を受けたという弁解もますます説得力がなくなってきていると思います。  我が党の不破議員が本委員会で、一方二千株は竹下事務所で間宮常務らが青木元秘書に手渡した、すべて竹下事務所で処理をしたという調査結果に基づいて質問をいたしましたが、そのとき総理は、整理してみる必要があるということで調査を約束されましたね。あれは二月十八日でありますが、もう随分時間がたっておりますが、どうなりましたか。すべて竹下事務所で一万二千株は処理をしたということについて調査をされましたか。
  146. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 話を受けたことはもとより竹下事務所であるというふうに私も理解をいたしております。  この月日、それから三つの場合がございます。お二方が一緒にお見えになったのか。一人であったのか、あるいはもう一人であったのかという三つのケースが考えられますけれども、それらはむしろ私は、今のところ捜査の段階で明らかになってお聞かせいただいた方がより正確だというふうに思っておるところでございます。
  147. 松本善明

    松本(善)委員 これはしかし、事務所で処理をした、やってきたということは、結局否定もされませんし、認めたことになると思うのですが、先ほど福田正関係の売買約定書保存してないということです。これは竹下事務所で処理をしていたら事務所にあるはずなんですよ。ないというのはおかしいと思いませんか。私は、福田さんのところにあるというんじゃない、今のお話からしても。いかがお考えですか。
  148. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 保存してないということでございますので、あくまでも保存していないというのが事実でございます。
  149. 松本善明

    松本(善)委員 これはもう全然信用できないですよ。福田正さんのところじゃなくて事務所で処理をしたといり、そうしたら、それが保存がないということは、青木さんの分だけあると、おかしいと思います。  委員長青木伊平氏とそれから福田正氏の証人喚問を要求をいたします。
  150. 大野明

    大野委員長 理事会協議しますから。
  151. 松本善明

    松本(善)委員 総理、きょう御報告になったことも含めまして、先ほど申しましたように一億五千百万もの政治献金がなされた。ところが総理関係政治資金報告では、リクルートグループとか江副とか、そういう名前一切出てこないのですよ。これは一体どう考えられるか。  政治資金規正法の一条は「政治資金収支の公開及び授受の規正その他の措置を講ずることにより、政治活動の公明と公正を確保し、もって民主政治の健全な発達に寄与することを目的とする。」施政方針でも総理は、政治資金における透明性を確立すると言っておる。政治資金というのが国民の前に全部わかるようにしなければならぬというものですよ。それが総理のところへ一億五千万以上の莫大な政治献金、これが明らかになっているにもかかわらず、何にも政治資金報告として出ない。これは政治資金規正法の精神の全くじゅうりんですよ。こういうことで総理が勤まるのか、政治改革を言う資格があるのか、総理に聞きたいと思います。
  152. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 いつも申し上げますように、政治資金として受け入れたものは政治資金規正法の中で措置がしてあることは、自信を持って申し上げておるところでございます。  資格のあるなしの問題は、それは松本さんがそうお思いになるならそれで結構でございます。私はそう思っておりません。
  153. 松本善明

    松本(善)委員 では具体的にお聞きします。  総理自身がきょう、六十年と六十一年については政治献金として報告をなさいました。竹下事務所を初め複数政治団体に六十年五百万、六十一年は一千万、リクルートから。また一千万はリクルート情報出版から、一千万はフロムエーから、五百万はリクルートコスモスからということで。それから研究会のメンバー五百万、会費ということで。  そうすると、リクルートが一千万、リクルートコスモスが五百万というけれども、それは政治資金規正法の届け一切ないのですよ。政治資金ということで、政治献金ということで総理報告されているものさえこの政治資金規正法の届けがないという、これはどういうことですか。総理、何と考えられます。これは総理自身政治資金規正法の問題として何と考えられるか、お聞きしたいと思います。
  154. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 質問の趣旨が正確には私にも理解できませんが、この法律に基づいて、それぞれ複数政治団体報告をいたしておるということであります。
  155. 松本善明

    松本(善)委員 質問の趣旨、明確ですよ。あなた自身政治献金だと言ったんだから。政治資金で届けるのは当たり前じゃないか。何で出ないんだということを聞いているのです。
  156. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 これは決められたとおりのものでございますから、いわゆる会社とかそういうものの名前が出ないということについては、法律の定めるところにより、その範囲内で複数政治団体で経理をいたしております。
  157. 松本善明

    松本(善)委員 そういうのが政治資金規正法をざる法にする。総理自身がそういう態度をとったら、みんなそのとおりやりなさいということになりますよ。とんでもないというふうに私は思います。  総理に聞きたいのですが、昨年十二月二十七日に内閣改造をされました。宮澤辞任問題も、経過もあったでしょう。総理は、リクルートに汚染されていない議員で組閣をしようとしたんだろうと思います。その証拠に、内閣の目玉の長谷川法務大臣が、パーティー券三十万、献金五百七十六万ということがわかって辞任をされました。小渕官房長官は、全閣僚のリクルートからの献金を調べて公表するということになった。長谷川法務大臣は、金額でいうと竹下総理大臣の報告をされたものの二十分の一以下ですよ。二十何分の一かです。それから、その後辞任した原田経済企画庁長官はパーティー券百万、献金百二十万です。六十分の一以下ですよ。六十数分の一です。二人はいずれも責任をとってやめておられる。総理はどうしてやめなくて済むのだ、これは庶民の感情ですよ。総理は何と考えられます。
  158. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 両先輩の辞任の問題では、たびたび申し上げますように、任命権者たる私が御信頼申し上げてお願いした方であります。したがって、辞任の申し出につきましても、私はそれを信頼してお受けしたわけでありますので、とかくのコメントをする考えは、前にも申しましたように、全くございません、これは。  それから、私の問題について金額が大きいという御指摘というものは、私にも十分理解できるところであります。したがって、そのようなことを原点に置いて政治改革というものを実行に移さなければならないと思っております。
  159. 松本善明

    松本(善)委員 そういうことを言っているから内閣支持率がどんどんどんどん下がる。だれもそんなことをまともに受けとめませんよ。これは、やめたいと言ったからやめただけの話だ、私は別だ、そんな弁解が通ると思いますか。  きょう午前中、社会党政治献金の問題で、総理が全面否定した答弁のことに関していろいろ言いました。それと同じ問題が私たち共産党にもあります。諌山参議院議員が二千万のパーティー券のことをいつ知ったのだ、きょうは年明けだとか一月とか言われましたね。一月というと、原議長が四百万の献金と千五百万のパーティー券が明らかになって全部返却した。原田経済企画庁長官のこともそうです。総理はそのときも恐らく調べられたのだと私は思うのですよ。返却もしないし、国民の前にもその点で明らかにされない、国会でも質問を受けても答弁もしない。我が党の市川議員が二月十五日、参議院本会議質問をしておる。それから下田議員は三月七日、参議院予算委員会盛岡パーティーのことを質問しております。暴露されるまでは隠している。このリクルートの問題を究明しようというような意思は全くないじゃないですか。それで総理が勤まるかと、私はあえて、やはり総理の資格ないじゃないかとお聞きしたいと思います。
  160. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 資格ないと思うからおまえどう思うかと言われても、それにお答えすることは難しいことでございます。  今お述べになりました各種委員会等における質問は、私も記憶をいたしておるところでございます。できるだけ丁寧にお答えするようにいたしております。平常心で、平常心でお答えするのが忍の一字という定義だとも聞いておりますので、そういう形でお答えをいたしておるわけでございますけれども、暴露しないならほおかむりで通ろうなどというような卑しい考えはございません。
  161. 松本善明

    松本(善)委員 二回にわたって聞かれているのに、答えてないじゃないですか。  もう一つ聞きましょう。盛岡パーティーのことについて、あなたはきょうは私の事務所が主催したものじゃないということで、三千万のことは報告されませんでした。準備金として預かったのだ、こういうふうに言われておられますが、我が党の正森議員が昨年の十一月の七日に質問をして、そこで総理は、これは私の個人後援会でございます、「長期政策総合懇話会という会でございますけれども、それの岩手支部の方でアレンジしてもらったということでございます。」はっきり支部ということで答弁をしておられるのですよ。そうしたら、その認識は今でもそのとおりですか。
  162. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 岩手支部をつくろうという認識はあったと思います。
  163. 松本善明

    松本(善)委員 岩手支部という、何もつくろうということじゃなくて、答弁ではっきり岩手支部だと、個人後援会と答弁しているじゃないですか。きょうの答弁と違いますよ。だから、それならばちゃんと国会へ三千万報告すべきじゃないですか。違いますか。
  164. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 きちんとお答えしておるところでございまして、いわゆる長期政策総合懇話会という私個人後援会がございます。それを各県で、三十幾つでございますか支部をおつくりいただいております。しかし、北海道を初めわずかでございましたが、その県独自で経理をしていらっしゃるところがありまして、それはそれらの都道府県の届け出ということになるわけでございますが、岩手県は、支部にするか県名を付した届け出団体にするかは別といたしまして、後援会をつくる準備段階にあったことは事実でございます。それをそのとき、それは岩手支部をつくるための準備段階の会合でございましたというところまで正確には申していなかったと思います。
  165. 松本善明

    松本(善)委員 これは結局、後からの弁解としか絶対とれないですよ。こういう莫大な金を集めて、一体どこへ使われているのかということがもう一つの問題だと思うのですよ。  八七年七月十四日の読売新聞ですが、「角影は消えたか ロッキード十二年目の夏」という連載で、「数と金の力学再び」という見出しで経世会旗上げのころのことを記事にしております。そこではこのように述べられております。「「多数派工作の金は、千万円単位が常識ですよ」。ある議員の証言だ。旗色を鮮明にしない議員へ向けて最高三千万円の金がぶち込まれたともいわれる。竹下グループ主導型というのが、自民党本部のある永田町界わいの定説だ。」  総理、多数派工作に金を使ったことがないのか。この記事について、あなたは抗議や告訴をしたことがありますか。両方お聞かせいただきたいと思います。あなたは多数派工作に金を使ったことがないのかどうか。この記事は間違っているということで、抗議や告訴をしたというようなことがありますか。二つの点をお聞きします。
  166. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 抗議、告訴をしたというような事実はございません。  また、多数派工作云々のような事実もございません。
  167. 松本善明

    松本(善)委員 多数派工作に金を使ったということはないのですか。ないという意味ですか。ちょっと、はっきりお答えいただきたい。はっきりお答えいただきたい。
  168. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 ないと、こういうことです。
  169. 松本善明

    松本(善)委員 もう一つお聞きします。  八七年八月六日の読売新聞です。「第二世代の派閥政治 八七年総裁選の構図」という連載では、「ポスト中曽根で、二階堂の協力を得ようとした竹下は、」これは言葉は記事のとおりですから。「蔵相時代鋳造した十万円金貨を大量に持って二階堂のところに行き、「お孫さんにどうぞ」と渡し、竹下−二階堂戦争では両陣営とも億単位でカネをつぎ込んだともいわれ、金権体質は健在だ。」と書いている。  これは事実なのか。これは、これについても事実でないというなら、何か抗議か告訴なんかしたことがおありになりますか。お聞きしたいと思います。
  170. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 事実でもありませんし、抗議、告訴をしたこともございません。
  171. 松本善明

    松本(善)委員 総理、これは総理は否定されましたけれども、今までの総裁選でこの種の報道は山のようにありますよ、総裁選挙が諸悪の根源だという、金のかかる政治の諸悪の根源だと。個人的に二人だけだったら、自民党の議員でも幾らでもお話しになりますよ。そういう……(発言する者あり)ああ、必要なら言いますよ。それで、そういうことについて、総理は、私は明確にしなければならないというふうに思います。  総理にもう一つお聞きしますが、総理への事実上の政治献金が一億五千万以上、異常に多額であります。江副はこの時期に、先ほど言いましたように、非公開株の譲渡で贈賄で起訴をされています。大蔵大臣のときの問題ということになりますと、大蔵大臣としての証券取引に対する監督責任の問題。地価高騰に関して、不動産会社に対して金融上の監督責任。この時期は地上げがあって、自粛通達が四回も出ている。竹下大蔵大臣のときに二回出しています。税調特別委員の任命というような問題もあります。職務権限との問題が考えられる時期なのです。  幹事長時代の献金も、わいろ性がないかということがちょっと疑わしいと思います。といいますのは、大蔵大臣辞任後わずか二カ月で非公開株の譲渡を受けられるわけでしょう。それから大量の政治献金パーティー券購入、ここに何らかの請託や約束がなかったのか。リクルートと、江副とはどういう関係なんだ。これは本当に重大な疑惑であります。こういう疑惑がかけられているまま、私は、総理の職には絶対にとどまれない、もう政治改革もできなければ予算どころではないですよ。あなたはそう思われませんか。この重大な疑惑について、きょうの説明では全然解明されてな いです。こういう問題なんだということを総理はどう認識されていますか。
  172. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 少なくとも松本委員の認識と私の認識は大変に違うておるという認識をいたしております。
  173. 松本善明

    松本(善)委員 それが永田町の論理と国民の論理との乖離ですよ。これはテレビで放映されるでしょうけれども、あなたが言っていることについて納得をされるというような国民は私はないと思います。ですから、私どもは前から、内閣は、竹下総理は総辞職をして、そして国民に信を問う、国民の信頼のもとに初めて政治は成り立つのですから、解散して総選挙をやる、そして出直すという以外にないというふうに思いますが、総理見解を改めてお聞きしたいと思います。
  174. 竹下登

    竹下内閣総理大臣 松本委員見解と私の見解は違っておるということを申し上げておきます。
  175. 松本善明

    松本(善)委員 私は、総理のきょうの朝からの御説明、御報告、これはもう国民を全く納得させることのできないものだ、重ねて総辞職と解散・総選挙を要求して、質問を終わります。
  176. 大野明

    大野委員長 これにて松本君の質疑は終了いたしました。  この際、暫時休憩いたします。     午後零時三十二分休憩      ————◇—————     〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕